説明

2次元図面出力装置、方法及びシステム

【課題】規格化された標準部品を多く扱う分野において、2次元図面のみで概略の設計を行うことができる装置、方法及びシステムを提供すること。
【解決手段】2次元図面出力装置10は、製品を構成する部品の3次元位置情報DB15の入力を受け付け、受け付けた3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報DB16に記憶し、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付け、2次元位置情報DB16に記憶した部品の位置情報と、受け付けた入力と、に基づいて、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元図面出力に関する。特に、製品を構成する部品を2次元図面に出力する処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な製品は、企画、設計、試作、製造等の多くの工程を経て製造されている。これらの過程においてコンピュータ技術を活用する技法には、設計や製造等の事前検討の支援を行うCAE(コンピュータ エイデッド エンジニアリング Computer Aided Engineering)、製品設計を支援するCAD(Computer Aided Design)、CADで作成されたデータに基づいて生産準備全般を支援するCAM(Computer Aided Manufacturing)等がある。
【0003】
そして、ユーザは、上述のコンピュータ支援システムを使用するための高度な知識や経験を駆使して、製品を構成する部品に関するデータを管理し、管理しているデータに基づいて、それぞれの工程での設計に関する複雑な作業や、設計変更に伴う煩雑な作業等を行っている。このような、製品を構成する部品に関するデータを管理し、製品の設計を支援するコンピュータ支援システムとして、例えば、部品配置設計における設計変更時の作業効率を向上させることを目的とした特許文献1が知られている。
【0004】
特許文献1では、部品配置設計における設計変更時の作業効率を向上させることを目的として、プラスチック射出成形機に取付けるモールド金型を構成するモールドベースに取付られた取付部品の寸法を、プレート厚変更に伴い変更させるために、登録されている取付部品中より最適なものを選択し、その寸法変更値を決定し、寸法変更後の取付部品を取付けている。
【特許文献1】特開平7−129226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような3次元データを扱い、あらゆる設計変更に対処し得るCADシステム等では、システムを使用するために高度な知識と経験が要求されることが多く、営業担当者等が扱うには敷居が高かった。こうした状況において、比較的規格化されたいわゆる標準部品を多く扱う金型の分野においては、上面図と側面図の2次元図面のみで概略の設計が確認可能であるにもかかわらず、そのような要求に応える技術は存在しなかった。
【0006】
そこで、設計を支援するシステムを使用するための技術的知識や経験が比較的浅く詳細な設計に携わらない担当者等であっても、規格化された標準部品等の追加や変更等の概略設計をすることができる装置が求められている。
【0007】
本発明は、規格化された標準部品を多く扱う分野において、2次元図面のみで概略の設計を行うことができる装置、方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 規格化された複数の部品を少なくとも含んで構成する製品の2次元図面を出力する2次元図面出力装置であって、前記製品を構成する前記部品の3次元位置情報の入力を受け付ける3次元位置情報受付手段と、受け付けた前記3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶する2次元位置情報算出手段と、前記規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付ける表示入力受付手段と、前記2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、前記表示入力受付手段が受け付けた入力と、に基づいて、前記規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する2次元図面表示制御手段と、を備えることを特徴とする2次元図面出力装置。
【0009】
(1)の構成によれば、2次元図面出力装置は、製品を構成する部品の3次元位置情報の入力を受け付け、受け付けた3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶し、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付け、2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、受け付けた入力と、に基づいて、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する。
【0010】
すなわち、2次元図面出力装置は、部品の3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して記憶し、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る一の入力操作を受け付けるだけで、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示/非表示を制御することができる。したがって、2次元図面出力装置は、規格化された標準部品を多く扱う分野において、規格化されている複数の部品毎の表示/非表示をより少ない操作だけで制御することを可能とし、ユーザは2次元図面のみで概略の設計を行うことができる。
【0011】
(2) 規格化された複数の部品を少なくとも含んで構成する製品の2次元図面を出力する2次元図面出力方法であって、前記製品を構成する前記部品の3次元位置情報の入力を受け付けるステップと、受け付けた前記3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶するステップと、前記規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付けるステップと、前記2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、前記受け付けた表示及び非表示に係る入力と、に基づいて、前記規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示するステップと、を備えることを特徴とする2次元図面出力方法。
【0012】
(2)の構成によれば、2次元図面出力方法は、製品を構成する部品の3次元位置情報の入力を受け付け、受け付けた3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出し、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付け、2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、受け付けた表示及び非表示に係る入力と、に基づいて、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する。したがって、2次元図面出力方法は、規格化された標準部品を多く扱う分野において、規格化されている複数の部品毎の表示/非表示をより少ない操作だけで制御することを可能とし、ユーザは2次元図面のみで概略の設計を行うことができる。
【0013】
(3) ユーザの端末と、規格化された複数の部品を少なくとも含んで構成する製品の2次元図面を出力する2次元図面出力装置と、を有する2次元図面出力システムであって、前記ユーザの端末は、前記製品を構成する複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付けて出力する表示出力受付手段、を備え、前記2次元図面出力装置は、前記3次元位置情報出力手段が出力する3次元位置情報を受け付ける3次元位置情報受付手段と、受け付けた前記3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶する2次元位置情報算出手段と、前記ユーザの端末が前記表示出力受付手段により出力した表示及び非表示に係る入力を受け付ける表示入力受付手段と、前記規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を前記ユーザの端末より受け付ける表示入力受付手段と、前記2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、前記表示入力受付手段が受け付けた入力と、に基づいて、前記規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する2次元図面表示制御手段と、を備える、ことを特徴とする2次元図面出力システム。
【0014】
(3)の構成によれば、2次元図面出力システムにおいて、ユーザの端末は、製品を構成する複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付けて出力し、2次元図面出力装置は、製品を構成する部品の3次元位置情報を受け付け、受け付けた3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶し、ユーザの端末により出力した表示及び非表示に係る入力を受け付け、2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、受け付けた入力と、に基づいて、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する。したがって、2次元図面出力システムは、規格化された標準部品を多く扱う分野において、規格化されている複数の部品毎の表示/非表示をより少ない操作だけで制御することを可能とし、ユーザは2次元図面のみで概略の設計を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、規格化された標準部品を多く扱う分野において、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示により、2次元図面のみで概略の設計を行うことができる装置、方法及びシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の機能を示す機能ブロック図である。本発明に係る2次元図面出力装置10と、ユーザの端末60aとの動作を示している。
【0018】
2次元図面出力装置10は、3次元位置情報受付手段として3次元位置情報受付部11と、2次元位置情報処理手段として2次元位置情報処理部12と、表示入力受付手段として表示入力受付部13と、2次元図面表示制御手段として2次元図面表示制御部14と、製品を構成する部品の3次元位置情報を記憶する3次元位置情報DB15と、2次元位置情報記憶手段として2次元位置情報DB16と、を備えている。
【0019】
3次元位置情報受付部11は、3次元位置情報DB15の入力を受け付ける。部品の3次元位置情報は、例えば、部品の配置位置(例えば、中心位置の直交座標であるX、Y、Z座標)と、部品の寸法(高さ、幅、奥行き)と、からなる。3次元位置情報DB15は、製品毎に設けられた記憶フォルダーに、部品の識別情報及び部品の番号に対応付けて、部品の配置位置及び寸法を記憶する。部品の寸法は、部品のマスターファイル等に、部品の識別情報に対応付けて記憶されているとしてもよい。
【0020】
2次元位置情報処理部12は、記憶した3次元位置情報DB15に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報DB16に記憶する。部品の2次元図面上の位置情報の算出は、記憶した3次元位置情報DB15から2次元図面の位置情報を抽出することにより行う。2次元位置情報DB16は、例えば、側面図においては、部品の識別情報及び部品の番号に対応付けて、部品の中心位置のX座標及びZ座標を記憶し、上面図においては、部品の識別情報及び部品の番号に対応付けて、部品の中心位置のX座標及びY座標を記憶する。
【0021】
表示入力受付部13は、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付ける。規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力は、例えば、表示している製品を構成する部品を指定して、表示及び非表示を指定する。
【0022】
2次元図面表示制御部14は、2次元位置情報DB16に記憶した部品の位置情報と、表示入力受付部13が受け付けた入力と、に基づいて、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する。例えば、側面図において、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示を受け付けて、表示を受け付けた部品を表示し、非表示を受け付けた部品を表示しない側面図を表示する。同様に、上面図において、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示を受け付けて、表示を受け付けた部品を表示し、非表示を受け付けた部品を表示しない上面図を表示する。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。2次元図面出力装置10は、CPU(Central Processing Unit)1010、バスライン1005、コンピュータネットワーク用通信I/F1040、メインメモリ1050、ROM(Read Only Memory)1060、ハードディスク1070、通信I/F1080並びにキーボード及びマウス1100等の入力手段や表示装置1022を備える。
【0024】
ROM1060は、2次元図面出力装置10の起動時にCPU1010が実行するブートプログラムや、ハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0025】
ハードディスク1070は、2次元図面出力装置10が機能するための各種プログラム及び本発明の機能を実行するプログラムを記憶しており、更に、3次元位置情報DB15、2次元位置情報DB16等の各種データベースを構成可能である。
【0026】
表示装置1022は、データの入力を受け付ける画面を表示したりするものであり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0027】
ここで、入力手段は、入力の受け付けを行うものであり、キーボード及びマウス1100等により構成する。
【0028】
また、コンピュータネットワーク用通信I/F1040は、2次元図面出力装置10を専用ネットワーク又は公共ネットワークを介してユーザの端末60a等と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。通信I/F1080は、コンピュータネットワークを介さないでデータを送受信するためのインターフェース装置である。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態に係る3次元位置情報DB15を示す図である。
【0030】
3次元位置情報DB15は、製品毎に設けられた記憶フォルダーに、部品ID及び部品番号に対応付けて、部品の中心位置の配置位置であるX座標値、Y座標値、及びZ座標値と、部品の高さ、幅(ボルト径)、及び奥行と、等を記憶している。座標は、例えば、金型の型と型との合わせ目であるパーティングラインが金型の中心を通る軸をX軸とし、X軸に直交するY軸及びZ軸の直交座標とする。
【0031】
この例では、例えば、部品ID及び部品番号が11011及び0001の部品は、配置位置の座標が(0、0、225)であり、部品の高さ、幅(ボルト径)、及び奥行がそれぞれ30mm、300mm、300mmであることを示している。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態に係る2次元位置情報DB16を示す図である。
【0033】
2次元位置情報DB16は、製品毎に設けられた記憶フォルダーに、部品ID及び部品番号に対応付けて、3次元位置情報DB15から抽出した部品の配置位置等を記憶している。配置位置は、側面図では、X座標値と、Z座標値とを記憶し、上面図では、X座標値と、Y座標値とを記憶している。また、高さ、幅(ボルト径)及び奥行を3次元位置情報DB15から取得して記憶している。そして、部品ID及び部品番号に対応付けて、部品の表示状態を記憶している。
【0034】
この例では、例えば、部品ID及び部品番号が11011及び0001の部品は、側面図の配置位置の座標が(0、225)であり、上面図の部品の配置位置は(0,0)であることを示している。また、部品の高さ、幅(ボルト径)、及び奥行は、それぞれ30mm、300mm、300mmであることを示している。そして、部品の表示状態は、部品ID及び部品番号が11011及び0001の部品は、表示ON(表示)状態であるので、製品の構成部品として表示されることを示し、部品ID及び部品番号が12031及び0001の部品は、表示OFF(非表示)状態であるので、製品の構成部品として表示されないことを示している。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の処理内容を示すフローチャートである。なお、本処理は、例えば、プログラム開始指令を受け付けて開始し、プログラム終了指令を受け付けて終了する。
【0036】
ステップS101において、CPU1010は、3次元図面情報を受け付けたか否かを判断する。この判断がYESの場合は、処理をステップS102に移し、NOの場合は処理をステップS103に移す。
【0037】
ステップS102において、CPU1010は、位置情報処理を行う。その後、CPU1010は、処理をステップS101に移す。
【0038】
ステップS103において、CPU1010は、ユーザの端末60aから受信したデータが出力要求か否かを判断する。この判断がYESの場合は、処理をステップS104に移し、NOの場合は処理をステップS105に移す。
【0039】
ステップS104において、CPU1010は、図面出力処理をする。その後、CPU1010は、処理をステップS101に移す。
【0040】
ステップS105において、CPU1010は、ユーザの端末60aから受信したデータが表示要求か否かを判断する。この判断がYESの場合は、処理をステップS106に移し、NOの場合は処理をステップS107に移す。
【0041】
ステップS106において、CPU1010は、表示要求処理をする。その後、CPU1010は、処理をステップS101に移す。
【0042】
ステップS107において、CPU1010は、ユーザの端末60aから受信したデータが非表示要求か否かを判断する。この判断がYESの場合は、処理をステップS108に移し、NOの場合は処理をステップS101に移す。
【0043】
ステップS108において、CPU1010は、非表示要求処理をする。その後、CPU1010は、処理をステップS101に移す。
【0044】
図6は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の位置情報処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0045】
ステップS201において、CPU1010は、受け付けた3次元位置情報DB15に基づいて、側面図のデータを作成する。より具体的には、CPU1010は、受け付けた3次元位置情報DB15に基づいて製品を構成する部品の3次元位置情報(X座標値、Y座標値及びZ座標値)を取得し、取得した3次元位置情報から側面図の2次元位置情報(X座標値及びZ座標値)を抽出し、抽出したデータを部品ID及び部品番号に対応付けて、2次元位置情報DB16に記憶する。その後、CPU1010は、処理をステップS202に移す。
【0046】
ステップS202において、CPU1010は、受け付けた3次元位置情報DB15に基づいて、上面図のデータを作成する。より具体的には、CPU1010は、受け付けた3次元位置情報DB15に基づいて製品を構成する部品の3次元位置情報(X座標値、Y座標値及びZ座標値)を取得し、取得した3次元位置情報から上面図の2次元位置情報(X座標値及びY座標値)を抽出し、抽出したデータを部品ID及び部品番号に対応付けて、2次元位置情報DB16に記憶する。また、受け付けた3次元位置情報DB15に基づいて製品を構成する部品の高さ、幅(ボルト径)及び奥行を、部品ID及び部品番号に対応付けて記憶し、表示状態を表示ONにする。その後、CPU1010は、処理を終了し本処理に移る処理の次の処理へ戻る。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の図面出力処理の内容を示すフローチャートである。
【0048】
ステップS301において、CPU1010は、出力要求に基づいて該当する製品の側面図のデータ又は上面図のデータを取得する。より具体的には、CPU1010は、出力要求で要求する製品の製品ID等に基づく記憶フォルダーにおいて、2次元位置情報DB16から、出力要求で要求する図面の種類に基づいて、側面図又は上面図の2次元位置情報を取得する。その後、CPU1010は、処理をステップS302に移す。
【0049】
ステップS302において、CPU1010は、出力要求に基づいて側面図又は上面図を表示する。より具体的には、CPU1010は、出力要求に基づいて側面図の場合は、部品の表示/非表示の状態に基づいて、X座標は変更しないで、Z座標に部品の高さを加算して部品の2次元位置情報を相対的に変更しながら表示し、製品の部品構成を表示する。上面図の場合は、X座標及びY座標を変更しないでそのまま表示し、製品の部品構成を表示する。その後、CPU1010は、処理をステップS303に移す。
【0050】
ステップS303において、CPU1010は、上記側面図又は上面図に表示した製品を構成する部品名を表示する。より具体的には、CPU1010は、製品を構成する、表示している部品に対応する部品名を、表示中であることを示して表示すると共に、上記側面図又は上面図には表示していないが、出力した製品に追加することができる部品の部品名を表示する。その後、CPU1010は、処理を終了し本処理に移る処理の次の処理へ戻る。
【0051】
図8は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の表示要求処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS401において、CPU1010は、表示要求をされた部品の部品ID及び部品番号を取得する。より具体的には、CPU1010は、指定された部品、例えばチェックマークをされた部品、が表示されている部品の中で相対的に何番目かを示す相対番号を取得し、取得した相対番号に基づいて、2次元位置情報DB16の対応する部品ID及び部品番号を取得する。その後、CPU1010は、処理をステップS402に移す。
【0053】
ステップS402において、CPU1010は、取得した部品ID及び部品番号の表示状態を表示ONの状態にする。より具体的には、CPU1010は、2次元位置情報DB16において、取得した部品ID及び部品番号に対応付けられた表示状態を表示ONにする。その後、CPU1010は、処理をステップS403に移す。
【0054】
ステップS403において、CPU1010は、製品を構成する部品を、部品の表示ON/OFFの状態に基づいて表示する。より具体的には、CPU1010は、2次元位置情報DB16から該当製品を構成する部品の2次元位置情報を取得する。そして、部品の表示ON/OFFの状態に基づいて、側面図の場合は、X座標は変更しないで、表示ONの部品のZ座標に部品の高さを加算して次に表示する部品の2次元位置情報を相対的に変更しながら表示する。上面図の場合は、X座標及びY座標を変更しないでそのまま表示する。なお、X方向又はY方向の間隔を平均して座標値を変更するとしてもよい。その後、CPU1010は、処理を終了し本処理に移る処理の次の処理へ戻る。
【0055】
図9は、本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の非表示要求処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS501において、CPU1010は、非表示要求をされた部品の部品ID及び部品番号を取得する。より具体的には、CPU1010は、指定された部品、例えばチェックマークをされた部品、が表示されている部品の中で相対的に何番目かを示す相対番号を取得し、取得した相対番号に基づいて、2次元位置情報DB16の対応する部品ID及び部品番号を取得する。その後、CPU1010は、処理をステップS502に移す。
【0057】
ステップS502において、CPU1010は、取得した部品ID及び部品番号の状態を表示OFFの状態にする。より具体的には、CPU1010は、2次元位置情報DB16において、取得した部品ID及び部品番号に対応付けられた表示状態を表示OFFにする。その後、CPU1010は、処理をステップS503に移す。
【0058】
ステップS503において、CPU1010は、製品を構成する部品を、部品の表示ON/OFFの状態に基づいて表示する。より具体的には、CPU1010は、2次元位置情報DB16から該当製品を構成する部品の2次元位置情報を取得する。そして、部品の表示ON/OFFの状態に基づいて、側面図の場合は、X座標は変更しないで、表示ONの部品のZ座標に部品の高さを加算して次に表示する部品の2次元位置情報を相対的に変更しながら表示する。上面図の場合は、X座標及びY座標を変更しないでそのまま表示する。なお、X方向又はY方向の間隔を平均して座標値を変更するとしてもよい。その後、CPU1010は、処理を終了し本処理に移る処理の次の処理へ戻る。
【0059】
図10は、本発明の一実施形態に係る金型を示す図である。上述した、処理内容による表示の例を図10から図15において具体的に示す。
【0060】
この例では、モールドベースの製品は、固定側取付板断熱板101、固定側取付板102、ホットランナーA103、ホットランナーB104、ホットランナーC105、キャビプレート追加板C106、キャビプレート追加板B107、キャビプレート追加板A108、固定型板断熱板109、キャビティプレート110、コアプレート111、可動型板断熱板112、コアプレート追加板A113、コアプレート追加板B114、スペーサブロック断熱板A115、スペーサブロック断熱板A116、スペーサブロック117、118、エジェクタプレートA119、エジェクタプレートB120、可動取付板追加板121、可動側取付板122、可動側取付板断熱板123のプレート部品と、サポートピラー、リターンピン、ガイドピン、ストップピン等の締結部品と、からなる。例えば、製品は、部品101〜123によって構成されるとすると、2次元図面出力装置10は、受け付けた部品101〜123の3次元位置情報DB15に基づいて、2次元位置情報DB16の側面図データ及び上面図データを作成する。そして、部品毎の表示及び非表示に係る入力を受け付けて、部品毎の表示及び非表示をした全体の構成を表示するので、金型の概略の設計をすることができる。
【0061】
図11は、本発明の一実施形態に係る金型の表示方法を示す図である。
【0062】
図11(1)の例は、側面図を表示する場合の表示方法を示す例である。側面図は、金型のパーティングラインをX軸202とし、直行するZ軸203と、交点を原点201(0,0)とし、2次元位置情報DB16の側面図の位置及び表示状態のデータに基づいて表示する。部品を表示するための座標値は、2次元位置情報DB16に記憶された部品ID及び部品番号に対応付けられた側面図のX座標値及びZ座標値から、表示しない部品の高さを減算した値に基づいて表示用の位置を算出することにより得る。すなわち、例えば、部品110、部品109の表示状態が表示ONの場合であって、部品108から部品103の表示状態が表示OFFの場合において、部品102を表示するためのZ座標値は、部品102のZ座標値から部品108から部品103の高さを減算した値となる。また、部品を表示する際の高さ及び幅は、部品ID及び部品番号に対応付けられた高さ及び幅に基づいて表示のための高さ及び幅を算出することにより得ることができる。
【0063】
図11(2)の例は、上面図を表示する場合の表示方法を示す例である。上面図は、金型の中心点を直交座標の原点201とし、X軸202と直行するY軸204を設け、2次元位置情報DB16の上面図の位置及び表示状態のデータに基づいて表示する。部品を表示するための座標値は、2次元位置情報DB16に記憶された部品ID及び部品番号に対応付けられた上面図のX座標値及びY座標値に基づいて表示用の位置を算出することにより得る。すなわち、例えば、部品501及び部品502の表示状態が表示ONの場合において、部品501及び部品502のX座標値及びY座標値に基づいて表示するための位置を算出することができる。また、部品を表示する際の幅(ボルト径)及び奥行きは、部品ID及び部品番号に対応付けられた幅(ボルト径)及び奥行に基づいて表示のための幅(ボルト径)及び奥行を算出することにより得ることができる。
【0064】
図12は、本発明の一実施形態に係る側面図の表示例を示す図である。図12の例は、ユーザの端末60aの表示装置61aに、2次元位置情報DB16に基づいて、側面図を表示していることを示す例である。
【0065】
部品表示欄401には、部品名を表示し、部品の表示及び非表示をチェックマーク欄411で表していることを示している。製品の表示欄402には、製品の側面図を表示し、製品の部品構成を表示していることを示している。図12の例では、固定側取付板102、ホットランナーA103、キャビプレート追加板A108、キャビティプレート110、コアプレート111、コアプレート追加板B114、スペーサブロック117、118、及び可動側取付板122の表示状態は表示ONであるので、それぞれの部品を表示していることを示している。
【0066】
図13は、本発明の一実施形態に係る図12に続く側面図の表示例を示す図である。図13の例は、図12の例に続いて、部品の表示状態を非表示にした場合の表示例を示す例である。
【0067】
部品表示欄401には、部品名を表示し、ホットランナーAのチェックマーク欄411を空欄にすることにより、ホットランナーAの表示状態を表示OFF(非表示)としたことを示している。ホットランナーAの表示状態を表示OFF(非表示)にしたことによって、製品の表示欄402には、製品を構成する部品のうちホットランナーA103の表示が非表示となり、固定側取付板102、キャビプレート追加板A108の順に、それぞれの部品を表示していることを示している。
【0068】
図14は、本発明の一実施形態に係る上面図の表示例を示す図である。図14の例は、ユーザの端末60aの表示装置61aに、2次元位置情報DB16に基づいて、上面図を表示していることを示す例である。
【0069】
部品表示欄401には、部品名を表示し、部品の表示及び非表示をチェックマーク欄411で表していることを示している。製品の表示欄402には、製品の上面図を表示し、製品の部品構成を表示していることを示している。図14の例では、リターンピン、ガイドピン、センターピン及びストップピンのチェックマーク欄411が空欄で表示状態が表示OFF(非表示)であることを示し、ピンの表示をしていないことを示している。
【0070】
図15は、本発明の一実施形態に係る図14に続く上面図の表示例を示す図である。図15の例は、図14の例に続いて、部品の非表示状態を表示にした場合の表示例を示す例である。
【0071】
部品表示欄401には、部品名を表示し、ガイドピン601のチェックマーク欄411がチェックされているので、表示状態が表示ONであることを示している。製品の表示欄402には、製品の上面図を表示し、ガイドピン601の表示状態が表示ONであるので、2次元位置情報DB16に基づいて、ガイドピン601の部品IDを伴う部品番号分のガイドピン601、例えば8本、の表示をしていることを示している。
【0072】
実施例に拠れば、2次元図面出力装置10は、製品を構成する部品の3次元位置情報DB15の入力を受け付け、受け付けた3次元位置情報DB15に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報DB16に記憶し、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付け、2次元位置情報DB16に記憶した部品の位置情報と、受け付けた入力と、に基づいて、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する。
【0073】
すなわち、2次元図面出力装置10は、部品の3次元位置情報DB15に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報DB16に記憶し、規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る一の入力操作を受け付けるだけで、規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示/非表示を制御することができる。したがって、2次元図面出力装置10は、規格化された標準部品を多く扱う分野において、規格化されている複数の部品毎の表示/非表示をより少ない操作だけで制御することを可能とし、ユーザは2次元図面のみで概略の設計を行うことができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の機能を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る3次元位置情報DB15を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る2次元位置情報DB16を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の位置情報処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の図面出力処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の表示要求処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る2次元図面出力装置10の非表示要求処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る金型を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る金型の表示方法を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る側面図の表示例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る図12に続く側面図の表示例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る上面図の表示例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る図14に続く上面図の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
10 2次元図面出力装置
11 3次元位置情報受付部
12 2次元位置情報処理部
13 表示入力受付部
14 2次元図面表示制御部
15 3次元位置情報DB
16 2次元位置情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規格化された複数の部品を少なくとも含んで構成する製品の2次元図面を出力する2次元図面出力装置であって、
前記製品を構成する前記部品の3次元位置情報の入力を受け付ける3次元位置情報受付手段と、
受け付けた前記3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶する2次元位置情報算出手段と、
前記規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付ける表示入力受付手段と、
前記2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、前記表示入力受付手段が受け付けた入力と、に基づいて、前記規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する2次元図面表示制御手段と、
を備えることを特徴とする2次元図面出力装置。
【請求項2】
規格化された複数の部品を少なくとも含んで構成する製品の2次元図面を出力する2次元図面出力方法であって、
前記製品を構成する前記部品の3次元位置情報の入力を受け付けるステップと、
受け付けた前記3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶するステップと、
前記規格化されている複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付けるステップと、
前記2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、前記受け付けた表示及び非表示に係る入力と、に基づいて、前記規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示するステップと、
を備えることを特徴とする2次元図面出力方法。
【請求項3】
ユーザの端末と、規格化された複数の部品を少なくとも含んで構成する製品の2次元図面を出力する2次元図面出力装置と、を有する2次元図面出力システムであって、
前記ユーザの端末は、前記製品を構成する複数の部品毎の表示及び非表示に係る入力を一の操作により受け付けて出力する表示出力受付手段、を備え、
前記2次元図面出力装置は、
前記製品を構成する前記部品の3次元位置情報を受け付ける3次元位置情報受付手段と、
受け付けた前記3次元位置情報に基づいて、それぞれの部品の2次元図面上の位置情報を算出して2次元位置情報記憶手段に記憶する2次元位置情報算出手段と、
前記ユーザの端末が前記表示出力受付手段により出力した表示及び非表示に係る入力を受け付ける表示入力受付手段と、
前記2次元位置情報記憶手段に記憶した部品の位置情報と、前記表示入力受付手段が受け付けた入力と、に基づいて、前記規格化されている複数の部品を含む2次元図面を表示する2次元図面表示制御手段と、を備える、
ことを特徴とする2次元図面出力システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−15361(P2010−15361A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174473(P2008−174473)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(508201374)株式会社アーク (2)
【Fターム(参考)】