説明

2,3,3,3−テトラフルオロプロペン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピルまたは(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛を含む組成物

CFCClFCHOH、CFCClFCHOZnClおよびCFCClFCHOC(=O)CHを含む組成物は、HFO−1234yfを製造するプロセスに有用である。HFO−1234yfを含む組成物は、CFC−114a(2−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CClFCF)、HCFC−124(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CFCHFCl)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン、CFCH)、CFO−1113(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエテン、CClF=CF)、HFO−1123(1,1,2−トリフルオロエテン、CHF=CF)、HFO−1132a(1,1−ジフルオロエテン、CH=CF)、TFE(テトラフルオロエテン、CF=CF)、HCFO−1122(2−クロロ−1,1−ジフルオロエテン、CHCl=CF)、3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン(CHC(=O)CHFCF)、フッ化アセチル(CHC(=O)F)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル(CFCFClCHOCHOC(=O)CH)、1,3−ビストリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン(C)、2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロポキシ(CFCHFCHOC(=O)CH)、ジメチルホルムアミド(DMF、HCON(CH)、ピリジン(CN)、酢酸エチル(CHClFCF)、酢酸(CHC(=O)OH)、ジエチルエーテル(CHCHOCHCH)、無水酢酸(CHC(=O)OC(=O)CH)、酢酸メチル(CHC(=O)OCH)、ジメチルアセトアミド(CHC(=O)N(CH)、メタノール(CHOH)、エタノール(CHCHOH)、ギ酸メチル(HC(=O)OCH)、ピラジン、ピリミジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ヘキサメチルホスホラミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物を含んでもよい。HFO−1234yfを含む組成物は、他の用途の中でも特に、冷蔵、空調およびヒートポンプ装置に用いられる熱伝達組成物として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,334号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示内容は、すべて液体またはガス状形態であってもよい、熱伝達組成物、エアロゾル噴霧剤、発泡剤、ブロー剤、溶媒、クリーニング剤、キャリア流体、置換乾燥剤、バフ研磨剤、重合媒体、ポリオレフィンおよびポリウレタンの膨張剤、ガス状誘電体、消炎剤および消火剤として有用であり得る組成物の分野に関する。特に、本開示内容は、2,3,3,3,−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yfまたは1234yf)等の熱伝達組成物として有用な組成物に関する。さらに、本開示内容は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピルまたは(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛を含む組成物に関する。
【0003】
これらのさらなる組成物は、HFO−1234yfを製造する方法に有用である。
【背景技術】
【0004】
新たな環境規制によって、冷蔵、空調およびヒートポンプ装置に用いる新たな組成物が必要とされてきた。低地球温暖化係数の化合物が特に着目されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
出願人は、HFO−1234yf等の新たな低地球温暖化係数の化合物を調製する際に、特定の追加の化合物が少量で存在することを見出した。
【0006】
従って、本発明によれば、一実施形態において、HFO−1234yfと、CFC−114a(2−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CClFCF)、HCFC−124(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CFCHFCl)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン、CFCH)、CFO−1113(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエテン、CClF=CF)、HFO−1123(1,1,2−トリフルオロエテン、CHF=CF)、HFO−1132a(1,1−ジフルオロエテン、CH=CF)、TFE(テトラフルオロエテン、CF=CF)、HCFO−1122(2−クロロ−1,1−ジフルオロエテン、CHCl=CF)、3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン(CHC(=O)CHFCF)、フッ化アセチル(CHC(=O)F)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル(CFCFClCHOCHOC(=O)CH)、1,3−ビストリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン(C)、2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCHFCHOC(=O)CH)、ジメチルホルムアミド(DMF、HCON(CH)、ピリジン(CN)、酢酸エチル、(CHClFCF)、酢酸(CHC(=O)OH)、ジエチルエーテル(CHCHOCHCH)、無水酢酸(CHC(=O)OC(=O)CH)、酢酸メチル(CHC(=O)OCH)、ジメチルアセトアミド(CHC(=O)N(CH)、メタノール(CHOH)、エタノール(CHCHOH)、ギ酸メチル(HC(=O)OCH)、ピラジン、ピリミジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ヘキサメチルホスホラミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物とを含む組成物が提供され、混合物とは、この段落に挙げた前述の追加の化合物のいずれかの混合物を意味する。
【0007】
他の実施形態において、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、少なくとも1種の溶媒および任意で少なくとも1種の追加の化合物を含む組成物が提供される。
【0008】
他の実施形態において、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)、少なくとも1種の溶媒および任意で少なくとも1種の追加の化合物を含む組成物が提供される。
【0009】
他の実施形態において、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)、少なくとも1種の溶媒および任意で少なくとも1種の追加の化合物を含む組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】HFO−1234yfをCFC−114aから製造する異なる反応を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf、CFCF=CH)を、CFC−114a(または単に114aまたはCFCFCl)から製造するプロセスを図1に示す。図1から分かるとおり、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CHおよびCFCClFCHOZnClは、このプロセスで形成されるであろう中間体化合物である。
【0012】
図1を参照すると、一実施形態において、CFC−114aを、活性亜鉛粉末とパラホルムアルデヒドとの処理により反応させて、CFCFClCHOHを形成することができる。この反応は、溶媒を存在させた液相で行うことができる。CFCFClCHOHを、無水カルボン酸(例えば、無水酢酸)および反応金属(例えば、亜鉛)と反応させると、CFCClFCHOC(=O)CHを形成することができ、これを、さらに、亜鉛等の反応金属と溶媒中でさらに反応させて、HFO−1234yfを製造することができる。特定の一実施形態において、溶媒は、例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)およびピリジン等の混合溶媒であってよい。しかしながら、本発明は、これら特定の溶媒の使用に限定されず、以下に後述するような様々な溶媒が本発明において用いられることに留意すべきである。
【0013】
あるいは、他の実施形態において、図1に示すとおり、CFC−114aは、反応金属およびアルデヒドと反応させてCFCFClCHOZnClを形成することができる。この反応はまた、溶媒を存在させた液相で行うこともできる。ここでも、特定の実施形態において、溶媒は、例えば、DMF(ジメチルホルムアミド)およびピリジン等の混合溶媒であってよく、以下に後述するような様々な溶媒が本発明において用いられることに留意すべきである。CFCFClCHOZnClは、無水カルボン酸(例えば、無水酢酸)および反応金属(例えば、亜鉛)と反応させると、CFCClFCHOC(=O)CHを形成することができ、これを、さらに、亜鉛等の反応金属と溶媒中でさらに反応させて、HFO−1234yfを製造することができる。さらに他の実施形態において、上記した反応は全て、単一の反応容器において多段で実施することができ、中間体化合物はどれも単離されない。これを図1に、CFC−114aからHFO−1234yfへの単一の矢印で示す。
【0014】
2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf、CFCF=CH)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)および(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)は本明細書に記載したとおりにして調製することができる。
【0015】
一実施形態において、本発明の組成物は、HFO−1234yfと、図1に図示するCFC−114a(2−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CClFCF)、HCFC−124(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CFCHFCl)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン、CFCH)、CFO−1113(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエテン、CClF=CF)、HFO−1123(1,1,2−トリフルオロエテン、CHF=CF)、HFO−1132a(1,1−ジフルオロエテン、CH=CF)、TFE(テトラフルオロエテン、CF=CF)、HCFO−1122(2−クロロ−1,1−ジフルオロエテン、CHCl=CF)、3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン(CHC(=O)CHFCF)、フッ化アセチル(CHC(=O)F)、図1に図示する2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、図1に図示する2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)、図1に図示する(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル(CFCFClCHOCHOC(=O)CH)、1,3−ビストリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン(C)、2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCHFCHOC(=O)CH)、ジメチルホルムアミド(DMF、HCON(CH)、ピリジン(CN)、酢酸エチル、(CHClFCF)、酢酸(CHC(=O)OH)、ジエチルエーテル(CHCHOCHCH)、無水酢酸(CHC(=O)OC(=O)CH)、酢酸メチル(CHC(=O)OCH)、ジメチルアセトアミド(CHC(=O)N(CH)、メタノール(CHOH)、エタノール(CHCHOH)、ギ酸メチル(HC(=O)OCH)、ピラジン、ピリミジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ヘキサメチルホスホラミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物とを含む組成物が提供され、混合物とは、この段落に挙げた前述の追加の化合物のいずれかの混合物を意味する。この段落に規定された本実施形態の組成物のいずれも、以降、組成物Aと呼ぶ。これらの組成物は、蒸気相か液相組成物のいずれかとすることができる。
【0016】
図1は、本発明の組成物を製造するプロセスの代表的な図であり、上の段落に挙げた追加の化合物の全てが図1に示されてはいないが、本発明の組成物は、これら追加の化合物を全て含んでよいものと考えられる。HFO−1234yfを含む組成物中にある可能性のある、ここに挙げた追加の化合物は、出発材料または溶媒中に存在してもよく、またはこれらの追加の化合物は、HFO−1234yfを製造する反応条件下で生成される出発材料中に存在するかかる追加の化合物の反応生成物であってよい。
【0017】
本明細書に記載し、図1に示した反応化学により、検出可能なHFO−1234ze(1,3,3,3−テトラフルオロプロペン)を含有しない、すなわち、HFO−1234zeを「実質的に含まない」HFO−1234yfが生成される。「実質的に含まない」とは、存在するHFO−1234zeの量が実質的にゼロであることを意味する。いずれかの成分の存在を検出する能力は、用いる分析方法および様々なその他要因に応じて異なる。一実施形態において、HFO−1234zeを実質的に含まないとは、組成物が、10重量ppm(百万分の一)未満のHFO−1234zeを含有することを意味する。他の実施形態において、HFO−1234zeを実質的に含まないとは、組成物が、5重量ppm未満のHFO−1234zeを含有することを意味する。他の実施形態において、HFO−1234zeを実質的に含まないとは、組成物が、1重量ppm未満のHFO−1234zeを含有することを意味する。
【0018】
一実施形態において、HFO−1234yfを含む組成物の蒸気相中の追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約30重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約20重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約10重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約5重量パーセントまで及ぶ。
【0019】
一実施形態において、HFO−1234yfを含む組成物中の追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、1重量パーセント未満まで及ぶ。
【0020】
ある実施形態において、HFO−1234yfの特定の前駆体化合物は、HFO−1234yf組成物において追加の化合物として現れる不純物を含有する。他の実施形態において、追加の化合物は、これらの前駆体不純物の反応により形成される。他の実施形態において、HFO−1234yfが生成される反応条件により、HFO−1234yf組成物に追加の化合物として現れる副生成物も生成され、別の反応経路によって、HFO−1234yfが生成される特定の条件に応じて、追加の化合物が生成される可能性があることを意味する。
【0021】
他の特定の実施形態において、本発明の組成物は、HFO−1234yfと、テトラフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエテン、トリフルオロエテンおよび2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)の追加の化合物とを含む。この実施形態の不純物の代表的な量は、約80重量%の1234yf、約10重量%のHCFC−124および残りは、テトラフルオロエテン、1,1−ジフルオロエテン、トリフルオロエテンである。
【0022】
他の特定の実施形態において、本発明の組成物は、HFO−1234yfと、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、無水酢酸、酢酸メチル、DMFおよびピリジンの追加の化合物とを含む。この実施形態において、90重量%を超える1234yf、約2重量%のピリジンおよび約1重量%以下の残りの追加の化合物である。
【0023】
他の特定の実施形態において、本発明の組成物は、HFO−1234yfと、テトラフルオロエチレン(TFE)、HFO−1123、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、CFO−1113、HCFC−124、CFC−114a、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン、ギ酸メチル、酢酸および2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピルの追加の化合物とを含む。この実施形態において、不純物の代表的な量は、約10重量%以下のHFO−1123、HFCF−124および1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタンおよび約1重量%未満の残りのものである。
【0024】
他の特定の実施形態において、本発明の組成物は、HFO−1234yfと、HFO−1123、水、CFO−1113、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン、ギ酸メチルおよび酢酸メチルの追加の化合物とを含む。この実施形態において、不純物の代表的な量は、約1重量%以下のHFO−1123、水、CFO−1113、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン、ギ酸メチルおよび酢酸メチルである。
【0025】
他の実施形態において、本開示内容は、それぞれ少なくとも1種の溶媒を含む1)2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)か、2)CFCClFCHOC(=O)CHか、3)CFCClFCHOZnClを含む組成物を提供する。2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)と、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、以降、組成物Bと呼ぶものとする。2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)と、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、以降、組成物Cと呼ぶものとする。(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)と、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、以降、組成物Dと呼ぶものとする。
【0026】
一実施形態において、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CHまたはCFCClFCHOZnClと、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物中の追加の化合物の総量は、総組成物を基準として、ゼロ重量パーセントを超え、約50重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約30重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約10重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約5重量パーセントまで及ぶ。他の実施形態において、追加の化合物の総量は、ゼロ重量パーセントを超え、約1重量パーセントまで及ぶ。
【0027】
ある実施形態において、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CHまたはCFCClFCHOZnClの特定の前駆体化合物は、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CHまたはCFCClFCHOZnClに現れる不純物を含有する。他の実施形態において、追加の化合物は、これらの前駆体不純物の反応により形成される。他の実施形態において、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CHまたはCFCClFCHOZnClが生成される反応条件により、副生成物も生成され、別の反応経路によって、CFCClFCHOH, CFCClFCHOC(=O)CHまたはCFCClFCHOZnClが生成される特定の条件に応じて、追加の化合物が生成される可能性があることを意味する。本明細書に記載したプロセスにより生成されるこれらの生成物について、化学を実施するのに用いる溶媒により導入される特定の他の化合物が、組成物中に存在していてもよく、またはそれらが、反応して、組成物に存在してもよい他の化合物を形成してもよい。
【0028】
一実施形態において、溶媒は、アルキル、ジアルキルおよびトリアルキル鎖状または環状アミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、スルホキシド、エーテル、ピリジンまたはアルキル置換ピリジン、ピラジンまたはピリミジン、アルキルおよび芳香族ニトリル、ヘキサメチルホスホラミドおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、溶媒は、トリアルキルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、アルキル置換ピリジン、ジメチルホルムアミド、ピラジンまたはピリミジンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、反応溶媒は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、溶媒は、ピリジンまたはアルキル置換ピリジンまたはこれらの混合物である。他の実施形態において、溶媒は、アルコール、エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、溶媒は、メタノール、エタノール、ギ酸メチル、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物、またはこれらと、上述したその他溶媒のいずれかとの混合物からなる群から選択される。
【0029】
一実施形態において、CFCClFCHOH、CFCClFCHOZnClまたはCFCClFCHOC(=O)CHのいずれかを含む組成物中に存在する溶媒の総量は、様々な因子に応じて異なる。十分な溶媒が提供されないと、反応物質および/または生成化合物の全てが溶液中に留まらない。また、用いる溶媒が多すぎると、反応速度が遅くなる。一実施形態において、溶媒は、組成物の少なくとも約90重量パーセントの量で存在する。他の実施形態において、溶媒は、組成物の少なくとも50重量パーセントの量で存在する。他の実施形態において、溶媒は、組成物の少なくとも約30重量パーセントの量で存在する。さらに他の実施形態において、溶媒は、組成物の少なくとも約20重量パーセントの量で存在する。
【0030】
他の実施形態において、CFCClFCHOHと、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、HFO−1234yf、CFC−114a、HCFC−124、CFO−1113、HFO−1123、HFO−1132a、TFE、HCFO−1122、ジメチルアセトアミド、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルホルムアミド、ピリジン、酢酸エチル、酢酸、ジエチルエーテル、CFCClFCHOZnCl、CFCClFCHOC(=O)CH、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含んでいてもよい。混合物とは、この段落に挙げた前述の追加の化合物のいずれかの混合物を意味する。図1は、本発明の組成物を製造するプロセスの代表的な図を意味するため、ここに挙げた化合物の全てが図1に示されてはいないことに注意する。これらの化合物は、出発材料中に不純物、溶媒中の不純物、または不純物のこれらの種類のいずれかとして生じ、これらは反応すると、CFCClFCHOHを生成するのに用いる反応条件で他の化合物を形成するものと考えられる。この段落に記載したこの実施形態の組成物は、以降、組成物B(1)と呼ぶ。
【0031】
特定の一実施形態において、組成物は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)と、ジメチルホルムアミドを含む少なくとも1種の溶媒とを含み、さらに、HCFC−124とメタノールを追加の化合物として含む。この実施形態において、溶媒、DMF、は、約80重量%以上で存在してよい。HCFC−124は、約8重量%以下であってよく、メタノールは、約1重量%未満であってよい。
【0032】
他の特定の実施形態において、組成物は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)と、ピリジンを含む少なくとも1種の溶媒とを含み、さらに、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、ギ酸メチル、クロロトリフルオロエテン(CFO−1113)、トリフルオロエテン(HFO−1123)およびメタノールを、追加の化合物としてさらに含む。この実施形態において、ピリジン溶媒は、約80重量%以上で存在し、HCFC−124は、約3重量%以下で存在し、他の追加の化合物は、それぞれ、約1重量%以下である。
【0033】
他の特定の実施形態において、組成物は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)と、ジメチルアセトアミドを含む少なくとも1種の溶媒とを含み、さらに、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、ギ酸メチル、クロロトリフルオロエテン(CFO−1113)、トリフルオロエテン(HFO−1123)およびメタノールを、追加の化合物として含む。この実施形態において、追加の化合物の代表的な量は、HCFC−124およびCFO−1113をそれぞれ約2〜3重量%、残りの化合物が、約1重量%以下である。
【0034】
他の実施形態において、CFCClFCHOC(=O)CHと、少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、HFO−1234yf、CFC−114a、HCFC−124、CFO−1113、HFO−1123、HFO−1132a、TFE、HCFO−1122、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、酢酸エチル、酢酸、ジエチルエーテル、無水酢酸、ホルムアルデヒド、3−クロロ−3,4,4,4−トリフルオロ−2−ブタノン、2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル、CFCClFCHOCH(=O)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル、CFCClFCHOH、CFCClFCHOZnClおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含んでいてもよく、混合物とは、この段落に挙げた前述の追加の化合物のいずれかの混合物を意味する。この段落に記載した本発明の組成物は、以降、組成物C(1)と呼ぶ。この場合も、ここに挙げた化合物の全てが図1に示されてはいないことに注意する。これらの化合物は、出発材料中の不純物、溶媒中の不純物、または不純物のこれらの種類のいずれかとして生じ、反応すると、CFCClFCHOC(=O)CHを生成するのに用いる反応条件で他の化合物を形成するものと考えられる。
【0035】
本発明の組成物が、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)と、ジエチルエーテルを含む少なくとも1種の溶媒と、追加の化合物とを含む特定の一実施形態において、追加の化合物は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、酢酸エチルおよび酢酸を含む。この実施形態の追加の化合物の代表的な量は、約17重量%の酢酸、約3重量%の酢酸エチルおよび約1重量%未満の2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノールであり、これは全て、組成物中の2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)の量に対してである。
【0036】
本発明の組成物が、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)と、DMFおよびピリジンである少なくとも1種の溶媒と、追加の化合物とを含む他の特定の一実施形態において、追加の化合物は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロギ酸プロピル(CFCClFCHOCH(=O))、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)無水酢酸および酢酸を含む。この実施形態において、溶媒は、DMFとピリジンの混合物である。この実施形態の追加の化合物の代表的な量は、追加の化合物全てについて、約3重量%以下である。
【0037】
本発明の組成物が、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)と、DMFおよびピリジンである少なくとも1種の溶媒と、追加の化合物とを含む特定の一実施形態において、追加の化合物は、全て液相のTFE、HCFC−124、3−クロロ−3,4,4,4−トリフルオロ−2−ブタノン(CFCClFCHC(=O)CH)、エチルメチルエーテルおよび酢酸メチル
を含む。この実施形態において、溶媒は、DMFとピリジンの混合物である。この実施形態についての追加の化合物の代表的な量は、約85重量%の2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)、約6重量%の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、約2.5重量%の3−クロロ−3,4,4,4−トリフルオロ−2−ブタノン(CFCClFCHC(=O)CH)、約2.5重量%の未知のもの、およびそれぞれ1重量%未満のTFE、エチルメチルエーテルおよび酢酸メチルである。
【0038】
2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)と、この場合はDMFとピリジンの混合物である少なくとも1種の溶媒と、追加の化合物とを含む他の特定の実施形態において、HFO−1123、HFO−1234yf、水、ホルムアルデヒド、HCFC−124、CFC−114a、酢酸メチル、ギ酸メチル、3−クロロ−3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン、2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、無水酢酸および2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチルを含む。この実施形態についての追加の化合物の代表的な量は、それぞれ約6〜8重量%のHCFC−124および2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル、それぞれ約1〜4重量%の水、CFC−114a、3−クロロ−3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノールおよび無水酢酸、ならびに約1重量%未満の残りのものである。
【0039】
本発明の組成物が、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)と、DMFおよびピリジンである少なくとも1種の溶媒と、追加の化合物とを含む他の特定の実施形態において、追加の化合物は、HCFC−124、CFC−114a、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸メチル、酢酸、3−クロロ−3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、無水酢酸および2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチルを含む。この実施形態についての追加の化合物の代表的な量は、約7〜8重量%の2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル、約3重量%のHCFC−124および約2重量%の残りのものである。
【0040】
他の実施形態において、CFCClFCHOZnClと少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、さらに、HFO−1234yf、CFC−114a、HCFC−124、CFO−1113、HFO−1123、HFO−1132a、TFE、HCFO−1122、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、酢酸エチル、酢酸、ジエチルエーテル、ホルムアルデヒド、トリフルオロアセトアルデヒド、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CH、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ酢酸メチル(CFCFClCHOCHOC(=O)CH)およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物を含んでいてよく、混合物とは、この段落に挙げた前述の追加の化合物のいずれかの混合物を意味する。この段落に記載したこの実施形態の組成物は、以降、組成物D(1)と呼ぶ。この場合も、ここに挙げた化合物の全てが図1に示されてはいないことに注意する。これらの化合物は、出発材料中の不純物、溶媒中の不純物、または不純物のこれらの種類のいずれかとして生じ、反応すると、CFCClFCHOZnClを生成するのに用いる反応条件で他の化合物を形成するものと考えられる。
【0041】
特定の一実施形態において、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)と、ピリジンを含む少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、さらに、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、ギ酸メチル、メタノールおよびトリフルオロエテン(HFO−1123)を、追加の化合物として含む。この実施形態において、溶媒はピリジンである。この特定の実施形態において、組成物は、約80重量%以上のピリジンである溶媒、約12重量%以上の(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシド)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl、約3重量%のHCFC−124、および1重量%以下のギ酸メチル、メタノールおよびHFO−1123である残りの成分を含む。
【0042】
他の特定の実施形態において、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)と、DMFとピリジンの混合物を含む少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、さらに、テトラフルオロエチレン、酢酸、ギ酸メチル、酢酸メチル、HCFC−124、HFO−1234yfおよび2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)を追加の化合物として含む。この特定の実施形態において、HCFC−124、CFCClFCHOC(=O)CHおよびHFO−1234yfは、CFCClFCHOZnClに対して、約3〜5重量%でそれぞれ存在する。
【0043】
他の特定の実施形態において、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)と、DMFおよびピリジンを含む少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、さらに、HFO−1123、トリフルオロアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、HCFC−124、CFC−114a、メタノール、ギ酸メチルおよび2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピルを、追加の化合物として含む。この実施形態において、HCFC−124は、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛の量に対して、約13重量%以下で存在し、残りの追加の化合物は、1重量%以下で存在する。
【0044】
(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)と、DMFおよびピリジンの混合物を含む少なくとも1種の溶媒とを含む組成物は、さらに、HFO−1123、トリフルオロアセトアルデヒド、HFO−1234yf、ホルムアルデヒド、HCFC−124、CFC−114a、メタノール、ジメチルエーテル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピルおよび無水酢酸を追加の化合物として含む。この実施形態において、HCFC−124は、約8重量%で存在し、他の追加の化合物は、それぞれ、約2重量%以下で存在する。
【0045】
開示された組成物の特定の成分は、例えば、溶媒等、市販されている。他の成分は、当該技術分野において公知の方法により調製することができる。HFO−1234yf、CFCClFCHOH、CFCClFCHOZnClおよびCFCClFCHOC(=O)CHは、後述するとおりにして調製してよい。
【0046】
本明細書に開示された組成物は、後述する反応化学により調製してよい。
【0047】
反応化学
後述する実施形態の詳細に取り組む前に、用語のいくつかを定義または明確にしておく。
【0048】
本明細書で用いるホルムアルデヒドとは、構造HC=Oを有する化合物を指し、環状トリマー1,3,5−トリオキサンの形態で生じること、同じく、パラホルムアルデヒドまたはポリオキシメチレン((HC=O)と示されることもある)としても知られている。
【0049】
本明細書で用いる、反応金属とは、例えば、削り状マグネシウム、活性亜鉛粉末、アルミニウムおよびマグネシウム、カルシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛およびインジウムの金属のいずれかの粉末、同じく、亜鉛(II)塩を指す。削り状マグネシウムは、広い表面積を有し、概して、表面酸化物の量の少ない(反応性を減じる)小片を製造するために切断されたマグネシウム片である。マグネシウム、カルシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛およびインジウムの反応金属粉末は、本発明のもののように、反応において反応性の高い表面積の広い金属粉末を製造する特定の手順により作製させるリーケル金属である。何らかの特定の理論に拘束されることは望むところではないが、リーケル金属は、表面積が広く、保護表面酸化物がないため、高反応性と考えられる。
【0050】
本明細書で用いる、脱水剤は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、アルコール、アルデヒドおよび一酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種のガスを含有するガスまたはガス状混合物である。本明細書で用いる天然ガスとは、主成分としてメタンを有するが、ある量のエタン、ブタン、プロパン、二酸化炭素、窒素も含むガス状混合物を指す。
【0051】
本明細書で用いるデヒドロキシ脱塩素化とは、ヒドロキシル基および塩素原子を、ヒドロフルオロアルカノールの近接する炭素原子から除去して、ヒドロフルオロアルケンを形成することを指す。
【0052】
一実施形態において、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロ−プロパノール(CFCClFCHOH)は、CFC−114aを、アルデヒドおよび反応溶媒中の反応金属との反応により調製することができ、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロ−プロパノール(CFCClFCHOH)および溶媒が生成される。この段落に記載した方法により、上記した組成物Bが生成される。
【0053】
あるいは、CFC−114aを、アルデヒドおよび反応溶媒中の反応金属と反応させて、金属ヒドロフルオロアルコキシド、CFCFClCHOZnClおよび溶媒の組成物を生成する。この段落に記載した方法により、上記した組成物Dが生成される。
【0054】
金属ヒドロフルオロアルコキシドを中和すると、ヒドロフルオロアルカノール、CFCClFCHOHが得られ、これは単離することができる。中和には、有機溶媒による希釈、これらに限られるものではないが、希釈水性塩酸または希釈水性硫酸をはじめとする酸の希釈水溶液による反応が含まれていてよい。有機溶媒相を、水性相から分離する際、有機溶媒相を、水性塩溶液でさらに洗う。次に、有機溶媒相を乾燥し、溶媒を蒸発または蒸留により除去して、ハイドロフルオロアルカノール生成物を得る。
【0055】
さらに、金属ハイドロフルオロアルコキシド、CFCClFCHOZnClを、後述するとおり、さらなる反応に用いて、中和せずに、ハイドロフルオロアルケン、HFO−1234yfを生成してもよい。この段落に記載した方法により、上記した組成物Aが生成される。
【0056】
反応金属(例えば、亜鉛のみ)に加えて、金属塩を、CFC−114aとの反応を含む混合物に添加してよい。好適な亜鉛塩としては、酢酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態において、亜鉛塩は、酢酸亜鉛である。添加される亜鉛塩の量は、CFC−114aを1モル当たり0.1〜1.0モルであってよい。CFC−114aとの反応のアルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドおよびイソブチルアルデヒドからなる群から選択してよい。反応金属対CFC−114aのモル比は、約1:1〜約2.5:1である。アルデヒド対CFC−114aのモル比は、約1:1〜約3:1である。
【0057】
ある実施形態において、パラホルムアルデヒドを、アルデヒドとして用いる場合、第4級アンモニウム塩を反応に添加する。一実施形態において、第4級アンモニウム塩は、ビス−アルキルジメチル酢酸アンモニウムである。何らかの特定の理論に拘束されることは望むところではないが、かかる第4級アンモニウム塩は、パラホルムアルデヒドからホルムアルデヒドへの分解を促進するものと考えられる。ある実施形態において、第4級アンモニウム塩の量は、パラホルムアルデヒドの量の約1重量%〜約20重量%である。他の実施形態において、第4級アンモニウム塩の量は、パラホルムアルデヒドの量の約5重量%〜約10重量%である。
【0058】
CFC−114aのアルデヒドおよび反応金属の反応は、反応溶媒中で実施する。反応溶媒は、アルキル、ジアルキルおよびトリアルキル鎖状または環状アミン、N−メチルピロリドン、N−メチルピペリジン、スルホキシド、エーテル、ピリジンまたはアルキル置換ピリジン、ピラジンまたはピリミジン、アルキルおよび芳香族ニトリル、ヘキサメチルホスホラミドならびにこれらの混合物からなる群から選択してよい。他の実施形態において、溶媒は、トリアルキルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、アルキル置換ピリジン、ジメチルホルムアミド、ピラジンまたはピリミジンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、反応溶媒は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジン、ジエチルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、溶媒は、ピリジンまたはアルコール置換ピリジンまたはこれらの混合物である。他の実施形態において、溶媒は、アルコール、エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、溶媒は、メタノール、エタノール、ギ酸メチル、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物、またはこれらと、上述したその他溶媒のいずれかとの混合物からなる群から選択される。
【0059】
CFC−114aの、アルデヒドおよび反応金属との反応に存在する水の量は、1000ppm未満であってよい。CFC−114aの、アルデヒドおよび反応金属との反応は、約30℃〜約100℃の温度で行い、反応は約3〜約10時間実施する。アルデヒドは、反応前しばらくの間、反応溶媒と予備処理してよい。例えば、パラホルムアルデヒドは、CFC−114aおよび反応金属との反応前、ピリジン中で、4時間、60℃で予備処理する。予備処理は、2〜6時間にわたって行う、または予備処理しなくてもよく、反応は、反応物質および反応溶媒を全て、反応容器に連続して入れる際に開始してよい。
【0060】
CFC−114aとアルデヒドおよび反応金属との反応は、密閉容器またはその他リアクタで行ってよい。反応は、自己圧力下で行ってよい。あるいは、CFC−114aとアルデヒドおよび反応金属との反応は、未反応のCFC−114aが漏れるのを防ぐために好適な凝縮器を備えた開放容器またはリアクタで行ってよい。
【0061】
HFO−1234yfの製造の他のプロセスは、CFC−114aをアルデヒドおよび亜鉛金属と反応させて、CFCClFCHOZnClを生成してから、CFCClFCHOZnClを、第2の工程で、還元的デヒドロキシ脱塩素化して、HFO−1234yfを生成する。HFO−1234yfを製造するプロセスは、CFCClFCHOZnClを中和して、CFCClFCHOHを生成し、脱水剤をCFCClFCHOHと混合し、それによって、ガス状混合物を形成し、触媒をガス状混合物と接触させ、それによって、HFO−1234yfを形成することを含んでいてよい。ガス状混合物は、気相で混合した脱水剤とヒドロフルオロアルカノールの混合物である。
【0062】
CFC−114a、アルデヒドおよび反応金属の反応生成物は、反応生成混合物を、溶媒、氷および酸の水溶液の混合物で希釈することにより中和してよい。溶媒は、ジエチルエーテルのような任意の一般的に用いられている有機溶媒とすることができる。酸の水溶液は、塩酸等の一般的な鉱酸の水溶液であってよい。得られた混合物をしばらくの間攪拌した後、有機溶媒を含む層を分離する。有機溶媒層は、後に、酸の希釈水溶液、続いて、ブライン溶液で洗うことができる。次に、有機層を乾燥する。乾燥は、有機層を、無水硫酸マグネシウムまたは無水硫酸ナトリウム等の無水塩で攪拌することにより行う。次に、有機溶媒を蒸発させると、CFCClFCHOHが得られる。
【0063】
触媒は、少なくとも1種の遷移金属である。金属は、Ni、PdおよびPtからなる群から選択される。一実施形態において、触媒は、遷移金属と担持金属とを含む担持触媒である。担持材料は、活性カーボンおよびγ−アルミナからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0064】
脱水剤は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、アルコール、アルデヒドおよび一酸化炭素からなる群から選択される少なくとも1種のガスである。
【0065】
混合工程は、約65〜80℃の範囲の温度で行う。
【0066】
ガス状混合物は、接触工程前に予熱してよい。予熱は、約250〜約450℃の範囲の温度行う。
【0067】
接触工程は、約400〜約700℃の範囲の温度で行うのが好ましい。接触工程はまた、約20〜約25秒の間で行うのが好ましい。
【0068】
次に、HFO−1234yf生成物に含有される残渣HFは中和してよく、HFは、HFO−1234yf生成物をKOH溶液に通過させることにより中和する。あるいは、HFは、例えば、共沸蒸留をはじめとする当該技術分野において公知の何らかのその他方法により、HFO−1234yf生成物から除去してよい。
【0069】
ガス状混合物は、窒素、ヘリウムおよびアルゴンからなる群から選択される少なくとも1種の希釈不活性ガスをさらに含んでいてよい。
【0070】
CFCClFCHOHからHFO−1234yfへの変換は、約50から約100%の範囲である。CFCClFCHOHのHFO−1234yfに対する選択性は、約29〜約100%の範囲内である。
【0071】
接触工程中の圧力は、約1〜約100psigの範囲内である。
【0072】
還元的デヒドロキシ脱塩素化は、組成物Dと前述したCFCClFCHOZnClまたは組成物Bと前述したCFCClFCHOHを、無水カルボン酸および反応金属と、反応溶媒中で反応させて、ヒドロフルオロアルケンを形成することにより行ってよい。CFCClFCHOZnClまたはCFCClFCHOHのいずれかを、酸無水物と反応させて、エステル、CFCClFCHOC(=O)CHを生成し、次に、反応金属により還元すると、HFO−1234yfが生成される。この1234yf組成物は、化合物Aと前述した追加の化合物を含有している。
【0073】
この反応は、記載したとおり、両試薬を同じ反応容器に添加することにより行ってよい、または酸無水物を単体で添加して、CFCClFCHOC(=O)CHを生成し、単離してもよい。次に、反応金属をCFCClFCHOC(=O)CHに添加すると、HFO−1234yfを生成することができる。このプロセスにおいて、無水カルボン酸は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブチル酸、無水コハク酸、無水グルタル酸および無水アジピン酸からなる群から選択される。反応金属粉末は前述したとおりである。還元的デヒドロキシ脱塩素化は、CFC−114aと亜鉛およびアルデヒドとの反応からの生成混合物を中和することなく、行うことができる。還元的デヒドロキシ脱塩素化は、まず、CFCClFCHOHを単離した後に行うことができ、その後、無水カルボン酸および反応金属との反応によるエステル化により、CFCClFCHOC(=O)CHが形成される。これらのデヒドロキシ脱塩素化のいずれかにより、上述した組成物Cが生成される。
【0074】
ある実施形態において、還元的デヒドロキシ脱塩素化の生成物は、上述したとおり、HFO−1234yfであり、さらに、1,3−ビストリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン、下式の置換シクロブタンを含む。
【化1】

【0075】
この化合物はまた、式シクロ−(−CH(CF)CFCH(CF)CF−)−で表わすこともできる。
【0076】
無水カルボン酸は無水酢酸であってよい。無水酢酸対CFCClFCHOHのモル比は、約1:1〜約2:1である。反応金属対CFCClFCHOHのモル比は、約1:1〜約2.5:1である。還元的デヒドロキシ脱塩素化は、CFC−114aと反応金属およびアルデヒドの反応を実施したのと同じ溶媒または異なる溶媒である反応溶媒中で行ってよい。
【0077】
本明細書に開示された組成物を生成する本明細書に開示された反応化学は、HFO−1234ze(1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、E−またはZ−異性体)を生成することなく、HFO−1234yfを生成するのに特に有用である。この結果、上述したとおり、HFO−1234zeを実質的に含まない生成物HFO−1234yfが得られる。HFO−1234yfの生成に公知の他の一般的なプロセスには、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)および/または1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)等の飽和化合物の脱フッ化水素が含まれる。この脱フッ化水素の化学により、腐食剤との反応による液相か、熱および/または触媒プロセスによる蒸気相のいずれでなされるかに係らず、パーセント量のHFO−1234zeが生成される。この化合物の存在は、全種類の冷蔵および空調システムにおいて性能を低下させるため、冷媒業界においては許容されてこなかった。従って、HFO−1234zeを、生成物HFO−1234yfから除去するには、この化学を利用するいずれの商業的な製造設備の最終段に、大規模蒸留プロセスを加えなければならない。従って、HFO−1234zeを実質的に含まないHFO−1234yfを生成できる任意の化学は業界において大きな利点がある。
【0078】
有用性
HFO−1234yfを含む本明細書に開示された組成物は、液体またはガス状形態にある、低地球温暖化係数(GWP)熱伝達組成物、エアロゾル噴霧剤、発泡膨張剤(発泡剤またはブロー剤としても知られる)、溶媒、クリーニング剤、キャリア流体、置換乾燥剤、バフ研磨剤、重合媒体、ポリオレフィンおよびポリウレタンの膨張剤、ガス状誘電体、消炎剤および消火剤として有用である。開示されている組成物は、熱を熱源からヒートシンクへ伝えるのに用いる作業流体として作用し得る。かかる熱伝達組成物はまた、流体が相変化する、すなわち、液体から気体へ、そして戻るまたは反対も同様のサイクルで冷媒としても有用である。
【0079】
熱伝達システムとしては、これらに限られるものではないが、空調、冷凍庫、冷蔵庫、ヒートポンプ、水冷器、満液式蒸発冷却器、直接膨張冷却器、ウォークインクーラー、可動式冷蔵庫、可動式空調ユニットおよびこれらの組み合わせが例示される。
【0080】
一実施形態において、HFO−1234yfを含む組成物は、冷蔵、空調またはヒートポンプシステムまたは装置をはじめとする可動式熱伝達システムに有用である。他の実施形態において、組成物は、冷蔵、空調またはヒートポンプシステムまたは装置をはじめとする固定熱伝達システムに有用である。
【0081】
本明細書で用いる、可動式熱伝達システム装置は、道路、鉄道、海上または航空用輸送ユニットに組み込まれる任意の冷媒、空調または加熱装置を指す。また、可動式冷蔵または空調ユニットには、任意の移動キャリアからは独立した「インターモーダル」システムとして知られている装置が含まれる。かかるインターモーダルシステムとしては、「容器(組み合わせの海上/陸上輸送)」および「スワップボディ(組み合わせの道路/鉄道輸送)」が挙げられる。
【0082】
本明細書で用いる、固定熱伝達システムは、操作中、適所に固定されたシステムである。固定熱伝達システムは、様々な建物内に関連させる、または取り付ける、あるいは、清涼飲料水の自動販売機等の屋外に位置する独立したデバイスであってもよい。これらの固定用途には、固定空調およびヒートポンプ(これらに限られるものではないが、冷却器、高温ヒートポンプ、住居、商業または工業空調システム、窓、ダクトレス、ダクト、パッケージターミナル、冷却器および屋上システム等ビルに接続されたエクステリア)がある。固定冷媒用途においては、開示された組成物は、商業、工業または住居冷蔵庫および冷凍庫、製氷機、内蔵型クーラーおよび冷凍庫、満液式蒸発冷却器、直接膨張冷却器、ウォークインおよびリーチインクーラーおよび冷凍庫および組み合わせのシステムをはじめとする設備に有用である。ある実施形態において、開示された組成物は、スーパーマーケットの冷蔵システムに用いてよい。
【0083】
CFCClFCHOHと少なくとも1種の溶媒とを含む本明細書に開示された組成物は、前述したとおり、HFO−1234yfを調製する方法に有用である。
【0084】
CFCClFCHOC(=O)CHと、少なくとも1種の溶媒とを含む本明細書に開示された組成物は、前述したとおり、HFO−1234yfを調製する方法に有用である。
【0085】
CFCClFCHOZnClと、少なくとも1種の溶媒とを含む本明細書に開示された組成物は、本明細書に前述したとおり、HFO−1234yfを調製する方法に有用である。
【0086】
さらに詳述しないが、当業者であれば、本明細書の説明を用いて、本発明を最大限活用できると考えられる。従って、以下の具体的な実施形態は、単なる例示とみなされ、開示内容の残りの部分を決して制約しようとするものではない。
【実施例】
【0087】
本明細書に記載した概念を、請求項に記載された発明の範囲を限定しない以下の実施例においてさらに説明していく。GCまたはGC−MS面積パーセントで与えられた結果は、凡その重量パーセントと考えられる。
【0088】
実施例1
実施例1は、1,1,1,2−テトラフルオロ−2,2−ジクロロエタン(CFC−114a)からの2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)の調製、およびこの調製から得られた特定の反応生成物を示す。
【0089】
400mlのHastelloy(登録商標)C振とう管に、32.8グラム(0.5モル)の活性亜鉛粉末、12グラム(0.5モル)のパラホルムアルデヒドおよび180mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)を、N下で入れた。管を−15℃まで冷やし、64.4グラム(0.2モル)の1,1−ジクロロ1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。次に、反応混合物を、50℃で6時間攪拌した。反応生成物のガスクロマトグラフィー分析の結果を表1にまとめてある。反応混合物を、室温まで冷やしてから、氷、10%水性HClおよび200mLのジエチルエーテルの200mLの混合物に注いだ。溶液を、30分攪拌し、有機層を分離し、100mLの2%水性HCl、次に、100mLのブラインで洗った。有機層を、MgSOで乾燥し、ジエチルエーテルを真空により除去したところ、13.36グラムの生成物2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)が得られ、8%の収率となった。
【0090】
【表1】

【0091】
実施例2
1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)からの2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの合成、およびこの合成から得られた特定の反応生成物を示す。
【0092】
400mlのHastelloy(商標)C振とう管に、20グラム(0.315モル)の活性亜鉛粉末、7.5グラム(0.25モル)のパラホルムアルデヒドおよび130mLの無水DMFを、N下で入れた。管を−15℃まで冷やし、43グラム(0.25モル)の1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。反応混合物を、60℃で6時間攪拌してから、室温まで冷やした。30グラム(0.46モル)の活性亜鉛粉末および50グラム(0.5モル)の無水酢酸をリアクタに添加した。反応混合物を50℃で6時間攪拌してから、室温まで冷やした。気相および液相をガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)により分析した。結果を表2にまとめてある。1234yf組成物は、下記の表2の気相部分に示してあり、表2の液相部分は、ガス試料が出たときにリアクタに残ったものである。気相試料は、HFO−1234fyおよび追加の化合物を含む組成物に対応していることに注意する。
【0093】
【表2】

【0094】
実施例3
実施例3は、ピリジン中CFC−114aからの2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)の合成、およびこの合成から得られた特定の反応生成物を示す。
【0095】
80mLのFisher Porter管に、2.24グラム(0.034モル)の活性亜鉛粉末、1.24グラム(0.041モル)のパラホルムアルデヒドおよび30mLの無水ピリジンを、N下で入れた。管を−15℃まで冷やし、5グラム(0.029モル)の1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加し、反応混合物を、50℃で8時間攪拌した。反応の終わりに、リアクタ圧力を25psigから8psigまで落とした。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。GC−MS分析のために、反応混合物の一部を、アセトン中HClの10%溶液で酸性化した。データを、表3にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。
【0096】
【表3】

【0097】
実施例4
実施例4は、ジメチルアセトアミド中2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)の合成、およびこの合成から得られた特定の反応生成物を示す。
【0098】
80mLのFisher Porter管に、2.23グラム(0.034モル)の活性亜鉛粉末、1.21グラム(0.040モル)のパラホルムアルデヒドおよび30mLの無水ジメチルアセトアミドを、N下で入れた。管を−15℃まで冷やし、5.2グラム(0.030モル)の1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。反応混合物を、60℃で4.5時間攪拌した。反応の終わりに、リアクタ圧力を30psigから9psigまで落とした。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。GC−MS分析のために、反応混合物の一部を、アセトン中HClの10%溶液で酸性化した。データを、表4にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。
【0099】
【表4】

【0100】
実施例5
実施例5は、ピリジン中CFCClFCHOZnClの合成、およびこの合成から得られた特定の反応生成物を示す。
【0101】
80mlのFisher Porter管に、1.82グラム(0.06モル)のパラホルムアルデヒドおよび30mlの無水ピリジンを、N下で入れた。管を60℃まで加熱し、4時間攪拌した。管を室温まで冷やし、2.24グラム(0.034モル)の活性亜鉛粉末を添加した。Nで15分パージした後、管を−15℃まで冷やし、5グラム(0.029モル)の1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。次に、反応混合物を、50℃で8時間攪拌した。反応の終わりに、リアクタ圧力を25psigから9psigまで落とした。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。GC−MS分析のために、反応混合物の一部を、アセトン中HClの10%溶液で酸性化した。データを、表5にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。114aのCFCClFCHOZnCl(CFCClFCHOHとして分析)に対する選択性は、78.7%まで増大した。
【0102】
【表5】

【0103】
実施例6
実施例6は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)の無水酢酸によるエステル化による、CFCClFCHOC(=O)CHの生成、およびこのエステル化から得られた特定の反応生成物を示す。
【0104】
80mlのFisher Porter管に、2グラム(0.012モル)のCFCClFCHOH(約15%ジエチルエーテルを含有する)、1.35グラム(0.0132モル)の無水酢酸および0.25グラムの濃硫酸を入れた。混合物を60℃で6時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。データは、表6にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。結果によれば、99%を超えるCFCClFCHOHが、CFCClFCHOC(=O)CHに変換されていたことが分かる。
【0105】
【表6】

【0106】
実施例7
実施例7は、CFCClFCHOZnClのCFCClFCHOC(=O)CHへの直接エステル化、およびこの直接エステル化から得られた特定の反応生成物を示す。
【0107】
約14%のCFCClFCHOZnClを含有するピリジン溶液10mlを、室温で真空蒸着して、大半のピリジンを除去した。次に、2.0グラムの無水酢酸および1mLのDMFを得られた固体に添加した。混合物を60℃で7時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却して、GC−MSにより分析した。データを、表7にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。
【0108】
【表7】

【0109】
実施例8
実施例8は、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)の2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)への変換を示す。
【0110】
上記実施例7からの反応混合物を、1グラムのNaCOと共に攪拌して、エステル化工程で生成された酸を除去した。次に、3モルのDMFおよび1.3グラムのZnを添加した。反応を、80mLのFisher Porter管で、50℃で2時間、60℃でさらに2時間攪拌しながら行った。リアクタの圧力を、0psigから13psigまで上げた。反応混合物を室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。データを、表8にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。CFCClFCHOC(=O)CHは、リアクタの液相においては検出できなかった。この結果によれば、CFCClFCHOC(=O)CHが、上記した条件下で、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)に定量的に変換されたことが分かる。蒸気相試料は、HFO−1234yfと追加の化合物とを含む組成物に対応していることに注意する。
【0111】
【表8】

【0112】
実施例9
実施例9は、ジメチルホルムアミドとピリジンの混合溶媒中、1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−114a)とパラホルムアルデヒドの反応による、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)の形成を示す。
【0113】
80mLのFisher Porter管に、2.2グラム(0.037モル)のZn、0.3グラムの酢酸亜鉛(0.0016モル)、2グラム(0.067モル)のパラホルムアルデヒド、15グラムの無水ピリジンおよび15グラムのジメチルホルムアミドを、N下で入れた。Nで15分パージした後、管を−15℃まで冷やし、5グラム(0.029モル)の1,1−ジクロロ−1,2,2,2,−テトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。反応の終わりに、リアクタ圧力を25psigから5psigまで落とした。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。GC−MS分析のために、反応混合物の一部を、アセトン中HClの10%溶液で酸性化した。データを、表9にGC−MSの面積パーセントにより記録してある(DMFおよびピリジンピークは、積分から排除してある、すなわち、試料に存在している)。CFC−114aのCFCClFCHOZnCl(2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)として分析)に対する選択性は、GC−MS分析に基づき、83%であった。
【0114】
【表9】

【0115】
実施例10
実施例10は、溶媒混合物中、無水酢酸によるCFCClFCHOZnClのCFCClFCHOC(=O)CHへの直接エステル化、およびこの直接エステル化から得られた特定の反応生成物を示す。
【0116】
過剰のZnを、実施例9で得られた反応混合物からろ過してから、ろ液を、80mLのFisher Porter管に入れ、4.4グラムの無水酢酸(0.043モル)を添加した。混合物を、60℃で6時間攪拌した。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。データを、表10にGC−MSの面積パーセントにより記録してある(DMF、ピリジンおよび無水酢酸は、積分から排除してある)、すなわち、それらは、最終組成物に存在していた。この結果によれば、これらの反応条件で、94%を超えるCFCClFCHOZnClが、CFCClFCHOC(=O)CHに変換されたことが分かる。
【0117】
【表10】

【0118】
実施例11
実施例11は、3:1ピリジン:DMF溶媒中、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の1,1,1,2−テトラフルオロ−2,2−ジクロロエタン(CFC−114a)からの合成を示す。
【0119】
80mLのFisher Porter管に、2.1グラムの亜鉛金属(0.032モル)、0.3グラムの酢酸亜鉛(0.0016モル)、2グラム(0.067モル)のパラホルムアルデヒド、30グラムの無水ピリジンを、N下で入れた。Nで15分パージした後、管を−15℃まで冷やし、5グラム(0.029モル)の1,1−ジクロロテトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。次に、反応混合物を、50℃で3時間攪拌した。反応の終わりに、リアクタ圧力を25psigから5.5psigまで落とした。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。GC−MS分析のために、反応混合物の一部を、アセトン中HClの10%溶液で酸性化した。溶媒(ピリジン)ピークは、積分から排除した。データを、表11にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。1,1−ジクロロテトラフルオロエタンのCFCClFCHOZnCl(CFCClFCHOHとして分析)に対する選択性は、GC−MS分析に基づき、81%である。
【0120】
過剰のZnを、反応混合物からろ過し、それを、80mLのFisher Porter管に入れた。10mLの無水DMFおよび3.5グラムの無水酢酸(0.034モル)もリアクタに添加した。混合物を、60℃で4時間攪拌した。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。データを、表12にGC−MSの面積パーセントにより記録してある。溶媒(DMFおよびピリジン)ピークは、積分から排除した。この結果によれば、98%を超えるCFCClFCHOZnClが変換され、CFCClFCHOC(=O)CHおよびCFCFClCHOCHOC(=O)CHに対する選択性は89%であることが分かる。
【0121】
上記の10mLの反応混合物を80mLのFisher Porter管に残し、活性亜鉛粉末(1グラム、0.015モル)を添加した。反応を60℃で4時間、攪拌しながら行った。リアクタの圧力を6psigから15.5psigまで上げた。反応混合物を室温まで冷やし、蒸気相および液相をGC−MSにより分析した。データは、GC−MSの面積パーセントにより記録してある。蒸気相(生成物2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)データは表13にリストし、液相(反応後に残った)データは表14にリストしてある(DMFおよびピリジンの溶媒ピークは、積分から排除した)。CFCClFCHOC(=O)CHは、リアクタの液相では検出できなかった。分析によれば、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234yf)に対する選択性は、約94%であり、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン(C)に対する選択性は約5%であったことが分かる。
【0122】
【表11】

【0123】
【表12】

【0124】
【表13】

【0125】
【表14】

【0126】
実施例12
実施例12は、1:1ピリジン:DMF溶媒中、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の1,1,1,2−テトラフルオロ−2,2−ジクロロエタン(CFC−114a)からの合成を示す。
【0127】
80mLのFisher Porter管に、2.1グラム(0.032モル)の亜鉛金属、0.3グラムの酢酸亜鉛(0.0016モル)、2グラム(0.067モル)のパラホルムアルデヒド、0.2グラムのビス(水素化アルキル)ジメチル酢酸アンモニウムおよび30グラムの無水ピリジンを、N下で入れた。Nで15分パージした後、管を−15℃まで冷やし、5グラム(0.029モル)の1,1−ジクロロテトラフルオロエタン(CFC−114a)を添加した。次に、反応混合物を、50℃で3時間攪拌した。反応の終わりに、リアクタ圧力を23psigから5.5psigまで落とした。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。GC−MS分析のために、反応混合物の一部を、アセトン中HClの10%溶液で酸性化した。DMFおよびピリジンの溶媒は、積分から排除した。データを、表15にGC−MSの面積パーセントとして記録してある。CFC−114aのCFCClFCHOZnCl(CFCClFCHOHとして分析)に対する選択性は、GC−MS分析に基づき、約85%であった。
【0128】
10mLの反応混合物をろ過し、80mLのFisher Porter管に入れた。10mLの無水DMFおよび3.5グラムの無水酢酸(0.034モル)もリアクタに添加した。混合物を、60℃で4時間攪拌した。反応混合物を、室温まで冷やし、GC−MSにより分析した。データを、表16にGC−MSデータからの面積パーセントとして記録してある。DMFおよびピリジンの溶媒ピークは、積分から排除した。この結果によれば、98%を超えるCFCClFCHOZnClが変換され、CFCClFCHOC(=O)CHおよびCFCFClCHOCHOC(=O)CHについての選択性は95%であることが分かる。
【0129】
上記の反応混合物を、80mLのFisher Porter管中、2グラムのNaCOで処理した。NaCOをろ過した後、活性亜鉛粉末(1グラム、0.015モル)を添加した。反応を、80mLのFisher Porter管で、60℃で4時間、攪拌しながら行った。リアクタの圧力を5psigから18psigまで上げた。反応混合物を室温まで冷やし、液相および蒸気相をGC−MSにより分析した。データは、GC−MSの面積パーセントにより記録してある。蒸気相(生成物2,3,3,3−テトラフルオロプロペン)についての結果は表17にリストし、液相(反応後に残った)についての結果は表18に記録してある(DMFおよびピリジンの溶媒ピークは、積分から排除した)。99%を超えるCFCClFCHOC(=O)CHおよび95%を超えるCFCFClCHOCHOC(=O)CHが変換された。分析によれば、HFO−1234yfについての選択性は、約98%であり、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン(C)についての選択性は約10%であったことが分かる。
【0130】
【表15】

【0131】
【表16】

【0132】
【表17】

【0133】
【表18】

【0134】
概要または実施例で上記した全ての動作が必要はわけでなく、特定の動作の一部は必要ない場合もあり、1つ以上のさらなる動作を、記載したものに加えて行う場合もあることに注意する。さらに、挙げてある動作の順番は、必ずしも、それらを行う順番でない。
【0135】
前述の明細書において、特定の実施形態を参照して、概念を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の請求項に規定した発明の範囲から逸脱することなく様々な修正および変更を行えることが分かる。従って、明細書および図面は、限定的な意味でなく、例示とみなすべきであり、かかる修正は全て、発明の範囲に含まれるものとする。
【0136】
恩恵、その他利点および問題解決策を、特定の実施形態に関して上述してきた。しかしながら、恩恵、利点、問題解決策および何らかの恩恵、利点または解決策を生じる、あるいはより顕著とさせる任意の特徴は、請求項のいずれか、または全ての重要な、必要な、または必須の特徴と解釈すべきでない。
【0137】
明瞭にするために、個別の実施形態で本明細書に記載された、特定の特徴はまた、単一の実施形態で組み合わせでも提供されるものと考えられる。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態で記載された様々な特徴も、個別に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で述べた値を参照する場合、その範囲内のあらゆる値が含まれる。
【0138】
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「持つ」、「持っている」またはその他変形の用語は、非排他的な包括をカバーするものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素に必ずしも限定されず、明示的にリストされていない、またはかかるプロセス、方法、物品または装置に固有の他の要素も含まれる。さらに、明示的にそれには反するとした場合を除き、「または」は、包括的なまたはであり、排他的なまたはでない。例えば、条件AまたはBを満足するのは次のうちのいずれかである。Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)。
【0139】
単数形(「a」または「an」)の使用は、本明細書に規定された要素および成分を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、かつ本発明の一般的な意味を与えるために使用される。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、他の意味であることが明白でない限り、単数形には複数形も含まれる。
【0140】
別記しない限り、本明細書で用いる科学技術用語は全て、本発明の属する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと同様または等価の方法および材料は、本発明の実施形態の実施または試験に用いることができるが、好適な方法および材料について後述する。本明細書で言及した出版物、特許出願、特許およびその他文献は全て、別記しない限り、その全内容が、参考文献として援用される。不一致がある場合には、定義を含め本明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は例示のみであり、限定しようとするものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HFO−1234yf、ならびにCFC−114a(2−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CClFCF)、HCFC−124(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CFCHFCl)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン、CFCH)、CFO−1113(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエテン、CClF=CF)、HFO−1123(1,1,2−トリフルオロエテン、CHF=CF)、HFO−1132a(1,1−ジフルオロエテン、CH=CF)、TFE(テトラフルオロエテン、CF=CF)、HCFO−1122(2−クロロ−1,1−ジフルオロエテン、CHCl=CF)、3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン(CHC(=O)CHFCF)、フッ化アセチル(CHC(=O)F)、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)、(2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシ)塩化亜鉛(CFCClFCHOZnCl)、酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシメチル(CFCFClCHOCHOC(=O)CH)、1,3−ビストリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン(C)、2,3,3,3−テトラフルオロ酢酸プロピル(CFCHFCHOC(=O)CH)、ジメチルホルムアミド(DMF、HCON(CH)、ピリジン(CN)、酢酸エチル、(CHClFCF)、酢酸(CHC(=O)OH)、ジエチルエーテル(CHCHOCHCH)、無水酢酸(CHC(=O)OC(=O)CH)、酢酸メチル(CHC(=O)OCH)、ジメチルアセトアミド(CHC(=O)N(CH)、メタノール(CHOH)、エタノール(CHCHOH)、ギ酸メチル(HC(=O)OCH)、ピラジン、ピリミジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物を含む組成物。
【請求項2】
追加の化合物が、テトラフルオロエテン、1,1−ジフルオロエテン、トリフルオロエテンおよび2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
追加の化合物が、2−クロロ−2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、無水酢酸、酢酸メチル、DMFおよびピリジンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
追加の化合物が、TFE、HFO−1123、HFC−143a、CFO−1113、HCFC−124、CFC−114a、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン、ギ酸メチル、酢酸および酢酸2,3,3,3−テトラフルオロプロピルを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
追加の化合物が、HFO−1123、水、CFO−1113、1,3−ビス−トリフルオロメチル−1,3−ジフルオロシクロブタン、ギ酸メチルおよび酢酸メチルを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
a.CFCClFCHOH、および
b.少なくとも1種の溶媒
を含む組成物。
【請求項7】
HFO−1234yf、CFC−114a、HCFC−124、CFO−1113、HFO−1123、HFO−1132a、TFE、HCFO−1122、ジメチルアセトアミド、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、DMF、ピリジン、酢酸エチル、酢酸、ジエチルエーテル、CFCClFCHOZnCl、CFCClFCHOC(=O)CH、酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシメチルおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
追加の化合物が、HCFC−124およびメタノールを含む請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
追加の化合物が、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、ギ酸メチル、クロロトリフルオロエテン(CFO−1113)、トリフルオロエテン(HFO−1123)およびメタノールを含む請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
追加の化合物が、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、ギ酸メチル、クロロトリフルオロエテン(CFO−1113)およびトリフルオロエテン(HFO−1123)を含む請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
a.CFCClFCHOC(=O)CH、および
b.少なくとも1種の溶媒
を含む組成物。
【請求項12】
HFO−1234yf、CFC−114a、HCFC−124、CFO−1113、HFO−1123、HFO−1132a、TFE、HCFO−1122、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、酢酸エチル、酢酸、ジエチルエーテル、無水酢酸、ホルムアルデヒド、3−クロロ−3,4,4,4−トリフルオロ−2−ブタノン、酢酸2,3,3,3−テトラフルオロプロピル、CFCClFCHOCH(=O)、酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピルメチル、CFCClFCHOH、CFCClFCHOZnClおよびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含む請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
追加の化合物が、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、酢酸エチル、酢酸およびジエチルエーテルを含む請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
追加の化合物が、ギ酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル(CFCClFCHOCH(=O))、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール(CFCClFCHOH)、無水酢酸および酢酸を含む請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
追加の化合物が、TFE、HCFC−124、3−クロロ−3,4,4,4−トリフルオロ−2−ブタノン、エチルメチルエーテルおよび酢酸メチルを含む請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
追加の化合物が、HFO−1123、HFO−1234yf、水、ホルムアルデヒド、HCFC−124、CFC−114a、酢酸メチル、ギ酸メチル、3−クロロ−3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン、酢酸2,3,3,3−テトラフルオロプロピル、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、無水酢酸および酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシメチルを含む請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
追加の化合物が、HCFC−124、CFC−114a、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸メチル、酢酸、3−クロロ−3,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブタノン、2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、無水酢酸および酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシメチルを含む請求項12に記載の組成物。
【請求項18】
a.CFCClFCHOZnCl、および
b.少なくとも1種の溶媒
を含む組成物。
【請求項19】
HFO−1234yf、CFC−114a、HCFC−124、CFO−1113、HFO−1123、HFO−1132a、TFE、HCFO−1122、メタノール、酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、酢酸エチル、酢酸、ジエチルエーテル、ホルムアルデヒド、トリフルオロアセトアルデヒド、CFCClFCHOH、CFCClFCHOC(=O)CH、酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロポキシメチル(CFCFClCHOCHOC(=O)CH)およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含む請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
追加の化合物が、HCFC−124、ギ酸メチル、メタノールおよびHFO−1123を含む請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
追加の化合物が、TFE、酢酸、ギ酸メチル、酢酸メチル、HCFC−124、HFO−1234yfおよび酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピル(CFCClFCHOC(=O)CH)を含む請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
追加の化合物が、HFO−1123、トリフルオロアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、HCFC−124、CFC−114a、メタノール、ギ酸メチルおよび酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピルを含む請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
追加の化合物が、HFO−1123、トリフルオロアセトアルデヒド、HFO−1234yf、ホルムアルデヒド、HCFC−124、CFC−114a、メタノール、ジメチルエーテル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸2−クロロ−2,3,3,3−テトラフルオロプロピルおよび無水酢酸を含む請求項19に記載の組成物。
【請求項24】
ゼロ質量パーセントを超え、1質量パーセント未満の少なくとも1種の追加の化合物を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
溶媒が、アルキル、ジアルキルまたはトリアルキルの鎖状または環状アミン;ピリジンまたはアルキル置換ピリジン、ピラジン、ピリミジン;スルホキシド、エーテル、アルキルまたは芳香族ニトリル、ヘキサメチルホスホルアミド;アルコール;エステル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサンおよびN−メチルピロリドン、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項6、11または18に記載の組成物。
【請求項26】
溶媒が、メタノール、エタノール、ギ酸メチル、DMSO、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
溶媒が、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピリジンおよびこれらの混合物からなる群から選択される請求項25に記載の組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2012−505296(P2012−505296A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531192(P2011−531192)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060094
【国際公開番号】WO2010/042781
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】