説明

2H−インダゾール誘導体

【目的】アンジオテンシンII拮抗作用および血圧降下作用を有し、高血圧症などの循環器系疾患治療薬として有用であり、しかも経口投与で有効である非ペプチド性の化合物を得る。
【構成】一般式(1)で示される新規な2H−インダゾール誘導体、およびその塩。


[例えば2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル]

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた薬理作用を有する新規な2H−インダゾール誘導体、およびその塩に関する。さらに詳しくは、アンジオテンシンII拮抗作用および血圧降下作用を有し、高血圧症などの循環器系疾患治療剤として有用な新規な2H−インダゾール誘導体、およびその塩に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】生体の血圧は、交感神経系や昇圧系と降圧系のバランスなどで調節されている。昇圧系に関与するものとしてレニン−アンジオテンシン系がある。レニンはアンジオテンシノーゲンに作用してアンジオテンシンI を生成する。アンジオテンシンI はさらにアンジオテンシン変換酵素により、アンジオテンシンIIに変換される。アンジオテンシンIIは強い血管収縮作用を有するとともに、副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を促し、血圧の上昇をもたらす。アンジオテンシンIIは細胞膜上のアンジオテンシンII受容体を介して作用するので、その拮抗薬はアンジオテンシン変換酵素阻害剤と同様アンジオテンシンIIによって引き起こされる高血圧症の治療薬として使用できる。
【0003】これまで、サララシンに代表されるペプチド性アンジオテンシンII拮抗剤が知られていたが、ペプチド性であるために経口投与では有効でないことが知られている。最近、非ペプチド性アンジオテンシンII拮抗剤が報告されており(たとえば、特開昭56−71074号公報、特表平3−501020号公報など)、経口投与で有効であることが確認されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アンジオテンシンII拮抗作用を有し、経口投与で有効である非ペプチド性化合物を鋭意探索した。その結果、下記一般式(1)で表される新規な2H−インダゾール誘導体およびその塩が有効であることを見いだした。本発明はこの新規な2H−インダゾール誘導体およびその塩である。
【0005】
【化2】


【0006】[一般式(1)中、R1 〜R8 は下記のものを示す。
1 :低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルコキシ低級アルキル基、またはアルキルチオ基。
2 、R3 :両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、Cm2m+1−、−(CH2n9 、または−(CH2p COR10
【0007】R4 :水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシル基、アリール基、またはCm2m+1−。
5 :アルケニル基、アルキニル基、アリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、カルボキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、またはトリアルキルシリル置換アルキニル基。
【0008】R6 :−COOH、−COOR11、−CONH2 、−CN、−SO3 H、−SO2 NH2 、−NHSO2 CF3 、またはC結合テトラゾリル基。
7 、R8 :両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシル基、またはCm2m+1−。
X、Y:両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、CHまたは窒素原子。
【0009】ただし、上記のR9 〜R11、およびm、n、pは下記のものを示す。
9 :ヒドロキシル基またはアルコキシル基。
10:水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、またはアルコキシル基。
11:低級アルキル基、アルケニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、またはアルアルキル基。
【0010】mは1〜6の整数。nは1〜4の整数。pは0〜4の整数。]
【0011】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体の塩としては、この2H−インダゾール誘導体と無機酸または有機酸から誘導される酸付加塩がある。このような塩としては、たとえば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、種々のアミノ酸の塩などがある。
【0012】また、一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体の塩としては、この2H−インダゾール誘導体と塩基とから形成される塩がある。このような塩としては、たとえば、アルカリ金属(たとえばナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(たとえばカルシウム、マグネシウム)、アンモニウムおよび置換アンモニウム(たとえばジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム)などから形成される塩がある。
【0013】本明細書の以上の説明および以下の説明において、有機基が「低級」とは炭素原子1〜6個を意味する。「低級アルキル基」の適当な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などがあげられる。「ハロ低級アルキル基」の適当な例としては、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,2−ジブロモエチル基、3−トリフルオロメチルプロピル基などがあげられる。「低級シクロアルキル基」とは、環を構成する炭素原子の数が3〜6のシクロアルキル基をいい、その適当な例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがあげられる。
【0014】また、「アルケニル基」としては、低級アルケニル基が好ましく、その適当な例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基などがあげられる。「アルコキシル基」としては、低級アルコキシル基が好ましく、その適当な例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などがあげられる。
【0015】「アルコキシ低級アルキル基」としては、そのアルコキシル基部分が低級アルコキシル基であるものが好ましく、その適当な例としては、メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−エトキシエチル基などがあげられる。「アルキルチオ基」としては、低級アルキルチオ基が好ましく、その適当な例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基などがあげられる。なお、「アルケニル基」、「アルコキシル基」、および「アルキルチオ基」のより好ましい炭素数は1〜4である。
【0016】「アルキニル基」としては、低級アルキニル基が好ましく、その適当な例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基などがあげられる。「アリール置換アルキニル基」としては、フェニルエチニル基、2−ピリジルエチニル基、3−ピリジルエチニル基、4−ピリジルエチニル基などがあげられる。「アルコキシアリール置換アルキニル基」としては、そのアルコキシル基部分が低級アルコキシル基であるものが好ましく、その適当な例として、2−メトキシフェニルエチニル基、3−メトキシフェニルエチニル基、4−メトキシフェニルエチニル基などがあげられる。
【0017】「カルボキシアリール置換アルキニル基」としては、2−カルボキシフェニルエチニル基、3−カルボキシフェニルエチニル基、4−カルボキシフェニルエチニル基などがあげられる。「ハロアリール置換アルキニル基」としては、2−フルオロフェニルエチニル基、3−フルオロフェニルエチニル基、4−フルオロフェニルエチニル基、2−クロロフェニルエチニル基、3−クロロフェニルエチニル基、4−クロロフェニルエチニル基などがあげられる。「アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基」としては、o−トルイルエチニル基、m−トルイルエチニル基、p−トルイルエチニル基などがあげられる。
【0018】「パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基」としては、2−トリフルオロメチルフェニルエチニル基、3−トリフルオロメチルフェニルエチニル基、4−トリフルオロメチルフェニルエチニル基などがあげられる。「アルケニル置換アルキニル基」としては、3−ブテン−1−イン−1−イル基などがあげられる。「トリアルキルシリル置換アルキニル基」としては、トリメチルシリルエチニル基、t−ブチルジメチルシリルエチニル基などがあげられる。
【0019】さらに、本明細書の以上の説明および以下の説明において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。「アリール基」とは1価の芳香族炭化水素基をいい、フェニル基やその誘導体が好ましい。その適当な例としては、フェニル基、トリル基、p−ハロフェニル基、アルコキシフェニル基、ジアルキルアミノフェニル基などがあげられる。また「アルアルキル基」とはアリール基置換アルキル基をいい、アルキル基の炭素数は4以下が好ましい。その適当な例としては、ベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、フェネチル基などがあげられる。
【0020】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体の中でも好ましいのは、R1 が低級アルキル基またはアルケニル基、R2 とR3 が両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、−(CH2n9 、または−(CH2p COR10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル基またはアルコキシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル基、またはアルコキシル基、nは1〜4の整数、pは0〜4の整数である)、R4 が水素原子、R5 がアルケニル基、アルキニル基、アリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、カルボキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、トリアルキルシリル置換アルキニル基、R6 が−COOHまたはC結合テトラゾリル基、R7 とR8 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、低級アルキル基、またはアルコキシル基、Xが窒素原子、YがCHである化合物である。
【0021】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体の中でさらに好ましいのは、R1 が低級アルキル基、R2 とR3 が両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、−(CH2n9 、または−(CH2p COR10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル基、またはアルコキシル基、nは1、pは0あるいは1である)、R4 が水素原子、R5 がアルケニル基、アルキニル基、アリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、カルボキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、またはトリアルキルシリル置換アルキニル基、R6 が−COOHまたはC結合テトラゾリル基、R7 とR8 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または低級アルキル基、Xが窒素原子、YがCHである化合物である。
【0022】抗高血圧活性剤として最も好ましいのは次の2H−インダゾール誘導体、およびその塩である。
【0023】2−{3−ビニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、
【0024】2−{3−(1−ペンチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、
【0025】2−{3−(4−フルオロフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(2−フルオロフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−[3−(トリフルオロメチル)フェニルエチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、
【0026】2−{3−[2−(トリフルオロメチル)フェニルエチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(4−メトキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(3−メトキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、
【0027】2−{3−(2−メトキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(4−カルボキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸。
【0028】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体は、たとえば以下に示すような方法で製造することができる。
【0029】第1の方法は、一般式(1)で表される化合物相互を変換する方法(A)である。第2の方法は、置換基等が異なる一般式(1)で表される化合物と類似の化合物を一般式(1)で表される化合物に変換する方法(B)である。この類似の化合物とは、骨格が一般式(1)で表される化合物と同一の化合物をいう。第3の方法は、2以上の中間化合物の反応により一般式(1)で表される化合物あるいはそれと類似の化合物を合成する方法(C)であり、後者の類似化合物は次いで方法(B)で一般式(1)で表される化合物に変換する。この方法(C)は、骨格を形成する反応にかかわる方法をいう。
【0030】方法(A)の例としては、たとえば次の方法がある。一般式(1)においてR6 が−COOHのものは、R6 が−COOR11であるものを加水分解することにより得られる。一般式(1)においてR5 がアルケニル基であるものは、R5 がアルキニル基であるものに水素添加することにより得られる。一般式(1)においてR5 がアルキニル基であるものは、R5 がトリアルキルシリル置換アルキニル基であるものを加水分解するか、フッ化カリウムのテトラヒドロフラン溶液などで処理することによって得られる。
【0031】一般式(1)においてR5 がアリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、およびパーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基であるものは、R5 がエチニル基であるものと、一般式(2)で表されるヨードアリール化合物またはブロモアリール化合物とを、パラジウムまたはニッケル触媒の存在下に、トリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基性溶媒を溶媒として室温〜溶媒の還流温度で反応させることによって得られる。
【0032】
【化3】


【0033】[一般式(2)において、R12は水素原子、アルコキシル基、ハロゲン原子、アルキル基、またはパーフルオロアルキル基を表す。]
【0034】一般式(1)においてR6 がC結合テトラゾリル基のものを得る一つの方法は、R6 が−CNのものをアジ化ナトリウム、アジ化アンモニウム(好ましくは、アジ化ナトリウムと塩化アンモニウムからその場で調製する)またはアジ化トリブチルすず(好ましくはアジ化ナトリウムと塩化トリブチルすずからその場で調製する)のような適当なアジド化合物と、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの無水溶媒中で、溶媒の還流温度またはその近傍温度で反応させる方法である。アジ化トリブチルすずを用いる場合は、反応後塩基性水溶液または酸性水溶液で処理してトリブチルすず基を除去する。
【0035】一般式(1)においてR6 がC結合テトラゾリル基のものを得る別の方法は、J.V.Dunciaらの方法[J.Org.Chem.,56,2395(1991)]にしたがって、R6 が−COOHである化合物の−COOHを酸クロリドまたは活性エステルに変換した後、2−アミノプロピオニトリルを反応させ、さらにトリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル、およびトリメチルシリルアジドと反応させる方法である。
【0036】方法(B)の代表例としては、官能基や置換基を変換する方法がある。たとえば一般式(1)で表される化合物と骨格が同一でかつ官能基や置換基が一般式(1)で表される化合物の範疇にない類似の化合物より官能基や置換基を変換して一般式(1)で表される化合物を合成する方法がある。官能基変換の代表例の一つとしては、保護基で保護された官能基を脱保護する例がある。また、R5 に対応する位置に臭素原子を有する類似化合物から、臭素原子をR5 に変換して一般式(1)で表される化合物を合成することができる。R6 に対応する位置にアミノ基やメルカプト基を有する類似化合物からアミノ基やメルカプト基をR6 に変換して一般式(1)で表される化合物を合成することができる。このような方法(B)の例としては、たとえば次の方法がある。
【0037】一般式(1)において、R5 がカルボキシアリール置換アルキニル基であるものは、R5 がアルコキシカルボニルアリール置換アルキニル基であるものを加水分解することによって得られる。
【0038】一般式(1)においてR6 がC結合テトラゾリル基であるものは、R6 に対応する位置に適当な保護基で保護されたC結合テトラゾリル基を有する一般式(1)で表される化合物に類似する化合物に脱保護操作を施すことによって得られる。この場合の保護基としては、たとえばトリフェニルメチル基やシアノエチル基などがある。脱保護操作は、たとえばT.W.Greene,"Protective Groups in Organic Synthesis"(John Wiley and Sons.Inc.,1981)に記載されているような汎用操作であってよい。
【0039】一般式(1)において、R5 がトリアルキルシリル置換アルキニル基であるものは、R5 が臭素原子であるものとトリアルキルシリルアセチレンとを、パラジウムまたはニッケル触媒の存在下に、トリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基性溶媒を溶媒として室温〜溶媒の還流温度で反応させることによって得られる。
【0040】一般式(1)においてR6 が−NHSO2 CF3 であるものは、R6 に対応する位置にアミノ基を有する一般式(1)で表される化合物に類似する化合物から、適当な溶媒、たとえばジクロロメタン中で、適当な塩基、たとえばトリエチルアミンの存在下に無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させて得ることができる。
【0041】R6 に対応する位置にアミノ基を有する一般式(1)で表される化合物に類似する化合物は、一般式(1)でR6 が−COOHである化合物に、必要であれば他の官能基を適当な保護基で保護した後、たとえばt−ブチルアルコールのようなアルコールを溶媒として、トリエチルアミンのような塩基存在下に、ジフェニルホスホリルアジドを用いてクルチウス転位を行うことによりカーバメートを得、その後エタノールなどの溶媒中で塩酸を作用させて酸加水分解を施すことにより合成することができる。
【0042】一般式(1)においてR6 が−SO3 Hである化合物は、R6 に対応する位置にメルカプト基を有する一般式(1)で表される化合物に類似する化合物から、そのメルカプト基を、適当な酸化剤、たとえば、過酸化水素、メタクロロペルオキシ安息香酸、過マンガン酸カリウムなどによって酸化することにより製造される。R6 に対応する位置にメルカプト基を有する一般式(1)で表される化合物に類似する化合物は、たとえば下記方法(C)で合成することができる。
【0043】方法(C)は、骨格形成の反応を伴う方法であり、これにより一般式(1)で表される化合物やそれに類似の化合物が得られる。代表的な骨格形成反応は一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物を反応させる方法である。
【0044】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体の骨格は、下記一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表されるイミダゾピリジン類とを、塩基、たとえば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシドなどの存在下に、非プロトン性溶媒、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度で反応させることにより形成される。
【0045】
【化4】


【0046】[一般式(3)中Lは脱離基を表し、たとえば塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホニルオキシ基、またはp−トルエンスルホニルオキシ基のような脱離基である。R24、R25、R26、R27、R28はそれぞれ、一般式(1)の対応するR4 、R5 、R6 、R7 、R8 と同義であるか、または対応するR4 、R5 、R6 、R7、R8 に変換しうる基である。]
【0047】たとえば、R26としては、R6 は勿論、官能基が保護基で保護された点のみR6 と異なる基などのR6 に変換しうる基がある。他のR6 に変換しうるR26としては、たとえば前記のようなアミノ基、保護されたアミノ基、メルカプト基、保護されたメルカプト基などがある。
【0048】
【化5】


【0049】[一般式(4)中R21、R22、R23はそれぞれ、一般式(1)の対応するR1 、R2 、R3 と同義であるか、または対応するR1 、R2 、R3 に変換しうる基である。]
【0050】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体を合成するにあたって、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 が出発物質から最終生成物までかならずしも同じままであるとは限らない。しばしば、以下に例示するような変換を行って最終生成物に導くことが必要となる。以下の方法(C)の例として、R26以外のR21〜R28は一般式(1)の対応するR1 〜R8 と同一の中間化合物を用いた例をあげてこの方法を説明する。
【0051】R6 がC結合テトラゾリル基である一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体は、R26が保護されたC結合テトラゾリル基である一般式(3)で表される化合物を一般式(4)で表されるイミダゾピリジン類と塩基、たとえば水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシドなどの存在下に、非プロトン性溶媒、たとえば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度で反応させることによって得られる。
【0052】あるいは、R26が保護されたC結合テトラゾリル基である一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表されるイミダゾピリジン類を、テトラアルキルアンモニウム塩などの相間移動触媒、たとえば、「Aliquat 336 」などの存在下、塩基性水溶液、たとえば、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液と適当な有機溶媒、たとえばジクロロメタンの混合溶媒中で、0℃〜溶媒の還流温度で反応させることによっても得られる。
【0053】一般式(3)で表される中間化合物は、たとえば下記一般式(5)で表される化合物の5位メチル基を−CH2 L(Lは脱離基)に変換することにより製造することができる。なお、一般式(5)における置換基は一般式(3)の置換基と同一(即ち、R24、R25、R26、R27、R28は両者共通)としたが、変換できる置換基であればこれに限定されるものではない。また、後述の一般式(6)〜(8)においても同様に置換基は一般式(3)の置換基と同一と仮定して説明する。
【0054】
【化6】


【0055】たとえば、Lが塩素、臭素またはヨウ素である場合、一般式(5)で表される化合物をアゾビスイソブチロニトリルまたは過酸化ジベンゾイルのようなラジカル開始剤の存在下でN−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、あるいはN−ヨードコハク酸イミドと反応させることによって一般式(3)で表される化合物に変換することができる。上記ラジカル開始剤を用いる代わりに光照射によっても同様の反応を行うことができる。
【0056】一般式(3)で表される化合物においてR25が塩素、臭素、あるいはヨウ素である場合、LとR25は同一であってよく、一般式(5)でR25が水素原子である化合物からLとR25を上記反応条件下で同時に塩素、臭素、あるいはヨウ素とすることが可能である。
【0057】一般式(5)で表される化合物は、また下記一般式(6)で表される化合物を亜リン酸トリエチルなどの脱酸素剤と反応させることによって製造することができる。
【0058】
【化7】


【0059】また、R26がトリフェニルメチル基やシアノエチル基などの適当な保護基で保護されたC結合テトラゾリル基である一般式(5)で表される化合物は、R26が−CNである一般式(5)で表される化合物よりその置換基を変換する方法で合成することができる。
【0060】たとえば、R26が−CNである一般式(5)で表される化合物を、アジ化ナトリウム、アジ化アンモニウム(好ましくは、アジ化ナトリウムと塩化アンモニウムからその場で調製する)あるいはアジ化トリブチルすず(好ましくはアジ化ナトリウムと塩化トリブチルすずからその場で調製する)のような適当なアジド化合物と、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの無水溶媒中で、溶媒の還流温度またはその近傍温度で反応させた後(アジ化トリブチルすずを用いる場合は、反応後塩基性または酸性水溶液で処理してトリブチルすず基を除去する)、保護基を付けることによって得られる。
【0061】R26がトリフェニルメチル基やシアノエチル基などの適当な保護基で保護されたC結合テトラゾリル基である一般式(5)で表される化合物を得るさらに別の方法としては、J.V.Dunciaらの方法[J.Org.Chem.,56,2395(1991)]にしたがって、R26が−COOHである一般式(5)で表される化合物より合成する方法がある。即ち、R26の−COOHを酸クロリドまたは活性エステルに変換した後、2−アミノプロピオニトリルを反応させ、さらにトリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル、およびトリメチルシリルアジドと反応させる方法である。
【0062】一般式(6)で表される化合物は、下記一般式(7)で表される化合物と下記一般式(8)で表される化合物とを、適当な溶媒、たとえばベンゼンまたはトルエン中、モレキュラーシーブなどの脱水剤の存在下に反応させるか共沸脱水で水を取り除きつつ反応させることによって得られる。
【0063】
【化8】


【化9】


【0064】一般式(7)で表される化合物は、たとえば T.G.Miller らの方法[J.Org.Chem.,45,1334(1980) ]にしたがって合成することができる。
【0065】一般式(8)で表される化合物のうち、R26がトリフェニルメチル基やシアノエチル基などの適当な保護基で保護されたC結合テトラゾリル基である化合物は、R26が−CNである一般式(8)で表される化合物のアミノ基を適当な保護基で保護した後、アジ化ナトリウム、アジ化アンモニウム(好ましくは、アジ化ナトリウムと塩化アンモニウムからその場で調製する)またはアジ化トリブチルすず(好ましくはアジ化ナトリウムと塩化トリブチルすずからその場で調製する)のような適当なアジド化合物と、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの無水溶媒中で、溶媒の還流温度またはその近傍温度で反応させ(アジ化トリブチルすずを用いる場合は、反応後塩基性水溶液または酸性水溶液で処理してトリブチルすず基を除去する)、生じたテトラゾールに適当な保護基を付け、ついでアミノ基の脱保護を行うことによって得られる。
【0066】一般式(8)で表される化合物のうち、R26がトリフェニルメチル基やシアノエチル基などの適当な保護基で保護されたC結合テトラゾリル基である化合物を得る別の方法としては、J.V.Dunciaらの方法[J.Org.Chem.,56,2395(1991)]にしたがって、R26が−COOHである一般式(8)で表される化合物のアミノ基を適当な保護基で保護した後、−COOHを酸クロリドまたは活性エステルに変換し、2−アミノプロピオニトリルを反応させ、さらにトリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル、およびトリメチルシリルアジドと反応させた後、アミノ基の脱保護を行う方法がある。
【0067】なお、一般式(4)で表されるイミダゾピリジン類は、たとえば特開平3−95181号公報に記載されている方法またはそれに準じた方法で合成することができる。
【0068】本発明の目的の化合物(1)は、常法により、たとえば抽出、晶出、分別結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により、単離、精製できる。また、こうして得られた目的の化合物(1)は常法によってそれの塩に転換できる。
【0069】本発明の目的化合物[(1)およびその塩]は新規であり、アンジオテンシンII拮抗作用等の優れた薬理作用を示し、かつ低毒性である。加えて、この化合物はR5 に特別な置換基を有することにより、光、熱等に安定であるという性質も有する。それゆえ、アンジテオンシンII介在性の諸疾患、たとえば高血圧症(たとえば本態性高血圧症、腎性高血圧症等)、心不全等の循環器系疾患に対する治療または予防のためのアンジオテンシンII拮抗剤として有用である。
【0070】また、本発明の目的化合物は、心臓障害(たとえば狭心症、不整脈、心筋梗塞等)、アルドステロン血症、脳循環疾患、老人性痴呆、眼疾患(たとえば緑内障等)等に対する治療剤または予防剤として、またレニン−アンジオテンシン系試験用の診断薬として有用であると期待される。
【0071】治療または予防のための投与には、本発明の目的化合物を活性成分とし、経口投与、非経口投与あるいは外用に適した有機あるいは無機固体または液体賦形剤等の医薬として許容しうる担体との混合物として該化合物を含有する慣用的医薬製剤の形で用いる。医薬製剤は、錠剤、顆粒、散剤、カプセル等の固形状であってもよく、液剤、懸濁液、シロップ、乳剤、レモナーデ剤の液状であってもよい。必要ならば、上記製剤に補助剤、安定化剤、湿潤剤、その他の常用添加剤、たとえば乳糖、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、白土、庶糖、トウモロコシ澱粉、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、落花生油、オリーブ油、カカオ油、エチレングルコール等を配合してもよい。
【0072】本発明の目的化合物の用量は、患者の年齢、病状、疾患または病状の種類、適用せんとする本発明の目的化合物種類等によっても変動するが、一般には1日当り0.01mg〜500mgの範囲の量を、あるいはさらに多量を患者に投与すればよい。諸疾患の処置に当って、本発明の目的化合物の平均1回量を0.05mg、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、20mg、50mg、100mg、等として用いればよい。
【0073】以下、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0074】
【実施例】
[参考例1]
5−メチル−2−ニトロベンズアルデヒドの合成
【0075】ジクロロメタン65mlに撹拌下ピリジニウムクロロクロメート25.0g(116mmol)を加え、ついで5−メチル−2−ニトロベンジルアルコール12.9g(77.3mmol) を加える。室温で15時間撹拌した後、ジエチルエーテル155ml を加えた。傾斜法でエーテル層を取り、さらに残渣にジエチルエーテル30mlを加えて傾斜法でエーテル層を取る操作を3回行った。エーテル層を合わせ、15.5g のシリカゲルを通した。得られた液を濃縮し、8:1のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、5−メチル−2−ニトロベンズアルデヒド10.6g を得た。
【0076】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 10.44(s,1H); 8.04(d,J=8.4Hz,1H); 7.73(s,1H);7.55(d,J=8.4Hz,1H); 2.52(s,3H)
【0077】[参考例2]
N−(5−メチル−2−ニトロベンジリデン)アントラニル酸メチルの合成
【0078】参考例1で得た5−メチル−2−ニトロベンズアルデヒド168.3g(1.019mol)にトルエン204ml を加えて撹拌し、これにアントラニル酸メチル154.0g(1.019mol)を加えた。ディーン・スターク装置を用いて水を除去しながら14時間加熱還流したあと放冷し、析出した固体を濾取し、濾滓をヘキサン/トルエン(1:1)200ml で2回洗浄した。さらにヘキサン200ml で2回洗浄し、真空乾燥してN−(5−メチル−2−ニトロベンジリデン)アントラニル酸メチル113gを得た。濾液からさらに200gを得た。
【0079】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 8.78(s,1H); 7.04-8.11(m,7H); 3.90(s,3H);2.54(s,3H)
【0080】[参考例3]
2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)安息香酸メチルの合成
【0081】参考例2で得たN−(5−メチル−2−ニトロベンジリデン)アントラニル酸メチル313g(1.05mol) に亜リン酸トリエチル672ml(3.92mol)を加え、4時間加熱還流させた後、亜リン酸トリエチルを減圧下に留去した。残渣を5:1のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上のクロマトグラフィーで精製することにより、2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)安息香酸メチル75.5g を得た。
【0082】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 8.09(s,1H); 7.14-7.90(m,7H); 3.61(s,3H); 2.43(s,3H)
【0083】[参考例4]
2−{3−ブロモ−5−(ブロモメチル)−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0084】参考例3で得た2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)安息香酸メチル6.00g(22.5mmol) に四塩化炭素500ml を加えて撹拌し、N−ブロモコハク酸イミド4.41g(24.8mmol) を加えて7 時間加熱還流した。放冷した後、N−ブロモコハク酸イミド4.00g(22.5mmol) およびアゾビスイソブチロニトリル185mg(1.125mmol)を加えて4.5 時間加熱還流した。水125ml にあけジクロロメタン125mlを加えて抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥したのち濾過し、濾液を濃縮して得た2−{3−ブロモ−5−(ブロモメチル)−2H−インダゾール−2−イル)安息香酸メチル11.0g を精製せずにそのまま次の工程に用いた。
【0085】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.4−8.2(m,7H); 4.6(s,2H); 3.6(s,3H)
【0086】[参考例5]
2−{3−ブロモ−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0087】7−メチル−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン1.57g(8.96mmol) をDMF(ジメチルホルムアミド)45mlに溶かし、水素化ナトリウム(60%)0.39g(9.86mmol)を加えて30分間撹拌した。
【0088】参考例4で得た2−{3−ブロモ−5−(ブロモメチル)−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル5.43g をDMF3ml に溶かして加えた。室温で12時間撹拌した後濃縮し、酢酸エチル180ml 、水100ml を加えて分液した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過して濾液を濃縮し、2:3のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、2−{3−ブロモ−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル2.03g を得た。
【0089】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.04-8.25(m,9H); 5.58(s,2H); 3.56(S,3H); 2.85(t,J=7.8Hz,2H); 2.71(s,3H); 1.81(m,2H); 1.01(t,J=7.8Hz,3H)
【0090】[参考例6]
2−{3−ブロモ−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0091】7−メチル−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンの代わりに2−エチル−5,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン1.57g を用いて参考例5と同様に反応を行い、2−{3−ブロモ−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル3.09g を得た。
【0092】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.2-8.2(m,7H); 6.9(s,1H); 5.6(s,2H); 3.6(s,3H); 2.8(q,J=7.6Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.62(s,3H); 1.3(t,J=7.8Hz,3H)
【0093】[実施例1]
2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0094】参考例5で得た2−{3−ブロモ−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸エチル0.778g(1.50mmol)、トリメチルシリルアセチレン0.25ml(1.8mmol) 、ヨウ化銅18mg(0.094mmol) 、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム33mg(0.047mmol) をトリエチルアミン4ml 中で還流下3時間撹拌した。放冷後、濾過し、濾液を濃縮した。1:1のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.67g を得た。
【0095】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.0-8.2(m,9H); 5.6(s,2H); 3.6(s,3H); 2.9(t,J=7.6Hz,2H); 2.7(s,3H); 1.8(m,2H); 1.0(t,J=7.8Hz,3H); 0.2(s,9H)
【0096】[実施例2]
2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウムの合成
【0097】実施例1で得た2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.150g(0.280mmol) にメタノール2.2ml を加えて撹拌し、10N水酸化ナトリウム水溶液0.11mlを加えた。
【0098】18時間撹拌した後濃縮し、イオン交換水20ml、ジクロロメタン10mlを加えて分液した。水相に2N塩酸を滴下してpHを4に調整した。析出した固体を濾取し、イオン交換水10mlで2回洗浄した。真空乾燥して得た2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸に1当量になるようにN/10水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶解し、濃縮乾固し真空乾燥することにより、2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム0.118gを得た。
【0099】1H-NMR(270MHz,D2O) δ 6.9-8.1(m,9H); 5.4(s,2H); 5.0(s,1H); 2.9(t,J=7.6Hz,2H); 2.6(s,3H); 1.7(m,2H); 0.9(t,J=7.8Hz,3H)
【0100】[実施例3]
2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0101】実施例1で得た2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.52g(0.97mmol) にTHF(テトラヒドロフラン)10mlを加えて撹拌し、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリドの1MTHF溶液1.5ml を加えた。室温で5分間撹拌した後濃縮し、2:3のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.42g を得た。
【0102】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.0-8.2(m,9H); 5.6(s,2H); 3.60(s,1H); 3.58(s,3H); 2.9(t,J=7.6Hz,2H); 2.7(s,3H); 1.8(m,2H); 1.0(t,J=7.8Hz,3H)
【0103】[実施例4]
2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0104】参考例6で得た2−{3−ブロモ−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル3.00g に実施例1と同様の操作を施すことにより、2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル2.75g を得た。
【0105】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.1-8.2(m,7H); 6.92(s,1H); 5.58(s,2H); 3.58(s,3H); 2.86(q,J=7.8Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.62(s,3H); 1.34(t,J=7.3Hz,3H); 0.14(s,9H)
【0106】[実施例5]
2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウムの合成
【0107】実施例4で得た2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.125gに実施例2と同様の操作を施すことにより、2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム0.097gを得た。
【0108】1H-NMR(270MHz,D2O) δ 7.2-7.9(m,7H); 6.7(s,1H); 5.4(s,2H); 5.0(s,1H);2.9(q,J=7.6Hz,2H); 2.42(s,3H); 2.38(s,3H); 1.3(t,J=7.8Hz,3H)
【0109】[実施例6]
2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0110】実施例4で得た2−{3−(トリメチルシリルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル2.63g に実施例3と同様の操作を施すことにより、2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル1.94g を得た。
【0111】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.2-8.1(m,7H); 6.92(s,1H); 5.57(s,2H); 3.61(s,1H); 3.58(s,3H); 2.85(q,J=7.3Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.62(s,3H); 1.33(t,J=7.6Hz,3H)
【0112】[実施例7]
2−{3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0113】実施例6で得た2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.200g(0.431mmol) 、4−フルオロヨードベンゼン0.075ml(0.65mmol) 、ヨウ化銅8.2mg(0.043mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム15mg(0.022mmol) をトリエチルアミン2.2ml 中、室温で30分間撹拌した。濃縮した後、1:1のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、2−{3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.176gを得た。
【0114】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.0-8.1(m,11H); 6.92(s,1H); 5.58(s,2H); 3.57(s,3H); 2.86(q,J=7.3Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.63(s,3H); 1.35(t,J=7.3Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,CDCl3,standard:R-11[CFCl3、以下同様]) -109.6ppm(m)
【0115】実施例7に記載した方法によって、出発化合物を変えることにより、実施例8〜15の化合物を合成した。
【0116】[実施例8]
2−{3−[(2−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0117】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.0−8.1(m,11H); 6.92(s,1H); 5.59(s,2H); 3.57(s,3H); 2.88(q,J=7.6Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.63(s,3H); 1.35(t,J=7.6Hz,3H)
19F−NMR(253.5MHz, CDCl, standard:R−11) −109.3ppm(m)
【0118】[実施例9]
2−{3−[((2−トリフルオロメチル)フェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0119】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.2-8.1(m,11H); 6.93(s,1H); 5.60(s,2H); 3.56(s,3H); 2.90(q,J=7.6Hz,2H); 2.66(s,3H); 2.63(s,3H); 1.36(t,J=7.3Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,CDCl3,standard:R-11) -62.8ppm(s)
【0120】[実施例10]
2−{3−[((3−トリフルオロメチル)フェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0121】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.2-8.1(m,11H); 6.9(s,1H); 5.6(s,2H); 3.6(s,3H); 2.9(q,J=7.6Hz,2H); 2.66(s,3H); 2.63(s,3H); 1.35(t,J=7.3Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,CDCl3,standard:R-11) -65.8ppm(s)
【0122】[実施例11]
2−{3−[(2−メトキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0123】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 6.9-8.1(m,12H); 5.59(s,2H); 3.76(s,3H); 3.55(s,3H); 2.87(q,J=7.7Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.62(s,3H); 1.35(t,J=7.7Hz,3H)
【0124】[実施例12]
2−{3−[(3−メトキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0125】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 6.9-8.1(m,12H); 5.58(s,2H); 3.81(s,3H); 3.57(s,3H); 2.87(q,J=7.7Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.63(s,3H); 1.35(t,J=7.7Hz,3H)
【0126】[実施例13]
2−{3−[(4−メトキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0127】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 6.9-8.1(m,12H); 5.58(s,2H); 3.82(s,3H); 3.57(s,3H); 2.87(q,J=7.7Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.63(s,3H); 1.34(t,J=7.7Hz,3H)
【0128】[実施例14]
2−{3−[(4−エトキシカルボニルフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0129】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.1-8.1(m,11H); 6.93(s,1H); 5.59(s,2H); 4.39(q,J=7.0Hz,2H); 3.56(s,3H); 2.87(q,J=7.3Hz,2H); 2.66(s,3H); 2.63(s,3H); 1.40(t,J=7.0Hz,3H); 1.35(t,J=7.3Hz,3H)
【0130】[実施例15]
2−{3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウムの合成
【0131】実施例7で得た2−{3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.176gにメタノール2ml を加えて撹拌し、10N水酸化ナトリウム水溶液0.095ml を加えた。15.5時間撹拌した後減圧濃縮し、イオン交換水20mlを加えた。2N塩酸を滴下してpHを4に調整し、析出した固体を濾取した。
【0132】イオン交換水5ml で洗浄し、真空乾燥して得た2−{3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸に1当量になるようにN/10水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶解し、凍結乾燥することにより、2−{3−[(4−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム0.166gを得た。
【0133】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 7.1-8.1(m,12H); 5.77(s,2H); 3.02(q,J=7.6Hz,2H); 2.72(s,3H); 2.70(s,3H); 1.41(t,J=7.6Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,CD3OD,standard:R-11) -112.5ppm(m)
【0134】実施例15に記載した方法によって、出発化合物を変えて、実施例16〜21の化合物を合成した。
【0135】[実施例16]
2−{3−[(2−フルオロフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0136】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 7.1-8.1(m,12H); 5.78(s,2H); 3.03(q,J=7.3Hz,2H); 2.73(s,3H); 2.70(s,3H); 1.42(t,J=7.8Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,CD3OD,standard:R-11) -111.9ppm(m)
【0137】[実施例17]
2−{3−[((2−トリフルオロメチル)フェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0138】1H-NMR(270MHz,D2O) δ 6.6-7.8(m,11H); 6.2(s,1H); 5.3(s,2H); 2.6(q,J=7.3Hz,2H); 2.1(s,3H); 2.0(s,3H); 1.0(t,J=7.8Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,D2O,standard:R-11) -62.8ppm(s)
【0139】[実施例18]
2−{3−[((3−トリフルオロメチル)フェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0140】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 7.3-8.1(m,11H); 7.14(s,1H); 5.78(s,2H); 3.03(q,J=7.6Hz,2H); 2.72(s,3H); 2.70(s,3H); 1.41(t,J=7.3Hz,3H)19F-NMR(253.5MHz,CD3OD,standard:R-11) -64.9ppm(s)
【0141】[実施例19]
2−{3−[(2−メトキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0142】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 6.9-8.0(m,12H); 5.78(s,2H); 3.83(s,3H); 3.03(q,J=7.6Hz,2H); 2.73(s,3H); 2.70(s,3H); 1.43(t,J=7.6Hz,3H)
【0143】[実施例20]
2−{3−[(3−メトキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0144】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 7.0-8.0(m,12H); 5.77(s,2H); 3.89(s,3H); 3.03(q,J=7.4Hz,2H); 2.72(s,3H); 2.71(s,3H); 1.43(t,J=7.4Hz,3H)
【0145】[実施例21]
2−{3−[(4−メトキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0146】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 6.9-8.0(m,12H); 5.77(s,2H); 3.91(s,3H); 3.02(q,J=7.6Hz,2H); 2.72(s,3H); 2.71(s,3H); 1.41(t,J=7.6Hz,3H)
【0147】[実施例22]
2−{3−[(4−カルボキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸二ナトリウムの合成
【0148】実施例14で得た2−{3−[(4−エトキシカルボニルフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.245g(0.400mmol) のエタノール2ml 溶液に、10N水酸化ナトリウム0.5ml を加えて2日間室温で撹拌した。水20mlを加えた後濃縮して得た残渣に、水80mlを加えて加熱して溶解させた。わずかに残った不溶物を濾過して除去し、次に濾液を3N塩酸でpH3に調整し、析出した固体を濾取し、40℃で一晩真空乾燥した。
【0149】得られた2−{3−[(4−カルボキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸に2当量になるようにN/10水酸化ナトリウムを加え、凍結乾燥して2−{3−[(4−カルボキシフェニル)エチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸二ナトリウム0.214gを得た。
【0150】1H-NMR(270MHz,CD3OD) δ 7.3-8.0(m,11H); 7.15(s,1H); 5.78(s,2H); 3.03(q,J=7.6Hz,2H); 2.73(s,3H); 2.72(s,3H); 1.41(t,J=7.6Hz,3H)
【0151】[実施例23]
2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチルの合成
【0152】トリメチルシリルアセチレンのかわりにフェニルアセチレン0.26mlを用いて実施例3と同様の操作を行うことにより、2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.413gを得た。
【0153】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.1-8.1(m,12H); 6.93(s,1H); 5.59(s,2H); 3.57(s,3H); 2.87(t,J=7.8Hz,2H); 2.66(s,3H); 2.63(s,3H); 1.35(t,J=7.6Hz,3H)
【0154】実施例23に記載した操作によって、出発化合物を変えて、実施例24〜25の化合物を合成した。
【0155】[実施例24]
2−{3−(1−ペンチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0156】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.1-8.1(m,7H); 6.92(s,1H); 5.56(s,2H); 3.56(s,3H); 2.85(t,J=7.3Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.62(s,3H); 2.35(t,J=7.0Hz,2H); 1.49(m,2H); 0.85(t,J=7.3Hz,3H)
【0157】[実施例25]
2−{3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル
【0158】1H-NMR(270MHz,CDCl3) δ 7.1-8.1(m,7H); 6.92(s,1H); 5.55(s,2H); 3.57(s,3H); 2.87(t,J=7.8Hz,2H); 2.65(s,3H); 2.63(s,3H); 1.34(t,J=7.6Hz,3H); 1.18(s,9H)
【0159】[実施例26]
2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウムの合成
【0160】実施例23で得た2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸メチル0.200gに実施例16と同様の操作を施すことにより、2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム0.196gを得た。
【0161】1H-NMR(270MHz,D2O) δ 6.9-7.9(m,12H); 6.3(s,1H); 5.4(s,2H); 2.7(t,J=7.6Hz,2H); 2.2(s,3H); 2.1(s,3H); 1.2(t,J=7.6Hz,3H)
【0162】実施例26に記載した操作によって、出発化合物を変えることにより、実施例27〜28の化合物を合成することができた。
【0163】[実施例27]
2−{3−(1−ペンチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0164】1H-NMR(270MHz,D2O) δ 7.0-7.8(m,7H); 6.48(s,1H); 5.41(s,2H); 2.80(t,J=7.6Hz,2H); 2.33(s,3H); 2.23(s,3H); 2.10(t,J=6.5Hz,2H); 1.23(t,J=7.3Hz,3H); 0.60(t,J=7.3Hz,3H)
【0165】[実施例28]
2−{3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸ナトリウム
【0166】1H-NMR(270MHz,D2O) δ 7.0-7.8(m,7H); 6.6(s,1H); 5.4(s,2H); 2.8(t,J=7.6Hz,2H); 2.4(s,3H); 2.3(s,3H); 1.2(t,J=7.3Hz,3H); 1.0(s,9H)
【0167】[参考例7]
2−[N−(5−メチル−2−ニトロベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリルの合成
【0168】参考例1の方法で得た5−メチル−2−ニトロベンズアルデヒド27.5g(167mmol)にトルエン167ml 、2−アミノベンゾニトリル19.7g(167mmol)を加えて撹拌し、14時間還流させたあと放冷した。析出した結晶を濾取し、2:1のヘキサン/トルエン混合溶媒150ml 、およびヘキサン150ml で2回洗浄して、2−[N−(5−メチル−2−ニトロベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル27.5g を得た。一方、濾液から析出した固体を濾取し、ヘキサン100ml 、ついでヘキサン50mlで洗浄して、さらに上記化合物10.0g を得た。
NMR(270MHz,CDCl3) δ9.0(s,1H); 8.2(s,1H); 7.2-8.1(m,6H); 2.5(s,3H)
【0169】[参考例8]
2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリルの合成
【0170】参考例7で得た2−[N−(5−メチル−2−ニトロベンジリデン)アミノ]ベンゾニトリル37.5g(141mmol) に亜リン酸トリエチル82.8ml(483mmol) を加えた。3時間還流させた後放冷した。析出した固体を濾取し、酢酸エチル80mlで2回、メタノール80mlで2回洗浄して真空乾燥することにより、2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリル10.2g を得た。
NMR(270MHz,CDCl3) δ8.5(s,1H); 7.2-8.0(m,7H); 2.4(s,3H)
【0171】[参考例9]
5−[2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾールの合成
【0172】参考例8で得た2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリル3.53g(15.1mmol) にトルエン11.3mlを加えて撹拌し、さらにアジ化ナトリウム0.982g(15.1mmol)、塩化トリブチルすず4.46ml(16.4mmol)を加え、45時間加熱還流した。放冷しトルエン4mlで希釈したのち、撹拌下10N水酸化ナトリウム水溶液1.8ml 、トリチルクロリド4.36g(15.6mmol) を加えた。水10mlを加えて室温で1.5 時間撹拌した後、ヘキサン20mlを加えた。固体を濾取し、水15mlで2回、2:1のヘキサン/トルエン混合溶媒15ml、ヘキサン15mlで順に洗浄した。濾滓を真空乾燥して、5−[2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール8.0gを得た。
【0173】NMR(270MHz,CDCl3) δ8.1(m,1H); 7.8(s,1H); 6.8-7.6(m,21H); 2.4(s,3H)
【0174】[参考例10]
5−{2−[3−ブロモ−5−(ブロモメチル)−2H−インダゾール−2−イル]フェニル}−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾールの合成
【0175】参考例9の方法で得た5−[2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール14.5g(30.0mmol) に参考例4と同様の操作を施すことにより、5−{2−[3−ブロモ−5−(ブロモメチル)−2H−インダゾール−2−イル]フェニル}−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール3.67g を得た。
NMR(270MHz,CDCl3) δ8.5(d,J=8Hz,1H); 6.8-7.7(m,21H); 4.6(s,2H)
【0176】[参考例11]
3−{[3−ブロモ−2−[2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンの合成
【0177】2−エチル−5,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン58mg(0.333mmol) のDMF2ml溶液に水素化ナトリウム15mg(0.366mmol) を加えて30分間撹拌して得られた溶液に参考例10で得た5−[2−(3−ブロモ−5−(ブロモメチル)−2H−インダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール0.250g(0.370mmol) を加えた。
【0178】室温で16時間撹拌し、濃縮した後、酢酸エチル10mlと水5mlに分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過して濾液を濃縮し、100:1のジクロロメタン/メタノール混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、3−{[3−ブロモ−2−[2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.134gを得た。
【0179】NMR(270MHz,CDCl3) δ8.43(d,J=7.3Hz,1H); 6.74-7.70(m,22H); 5.46(s,2H);2.72(q,J=7.8Hz,3H); 2.67(s,3H); 2.60(s,3H); 1.29(t,J=7.6Hz,3H)
【0180】[参考例12]
3−クロロ−2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリルの合成
【0181】参考例1で得た5−メチル−2−ニトロベンズアルデヒド10.9g(66.0mmol) にトルエン66mlを加えて撹拌し、2−アミノ−6−クロロベンゾニトリル10.1g(66.0mmol) を加えた。撹拌下1日還流した後、モレキュラーシーブス5A66g を加えて一晩放置した。濾過した後、濾滓をクロロホルム70mlで6回洗浄した。洗浄液を濃縮し、ヘキサン70mlに懸濁した。析出した固体を濾取し、ヘキサン70ml、次いで35mlで洗浄したあと、真空乾燥した。残渣に亜リン酸トリエチル36.5ml(212.7mmol) を加えて1時間還流させた後放冷した。析出した固体を濾取し、メタノール30mlで4回洗浄した後真空乾燥させて、3−クロロ−2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリル4.87g を得た。更に洗浄液より2次晶0.19g を得た。
【0182】NMR(270MHz,CDCl3) δ8.5(s,1H); 7.2−7.9(m,6H); 2.4(s,3H)
【0183】[参考例13]
5−[3−クロロ−2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾールの合成
【0184】2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリルの代わりに参考例12で得た3−クロロ−2−(5−メチル−2H−インダゾール−2−イル)ベンゾニトリル5.06g を用いて参考例9と同様の操作を行うことにより、5−[3−クロロ−2−(5−メチル−2H−イソインダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール8.71g を得た。NMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-7.9(m,22H); 2.4(s,3H)
【0185】[参考例14]
3−{[3−ブロモ−2−[3−クロロ−2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンの合成
【0186】参考例13で得た5−[3−クロロ−2−(5−メチル−2H−イソインダゾール−2−イル)フェニル]−2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール4.0g(7.23mmol)に四塩化炭素40mlを加えて撹拌し、N−ブロモコハク酸イミド1.42g(7.96mmol) を加えて1時間加熱還流した。つぎにN−ブロモコハク酸イミド1.22g(6.89mmol) 、アゾビスイソブチロニトリル57mg(0.345mmol) を加えて2.5 時間加熱還流した。放冷した後ジクロロメタン40mlで希釈し、水40mlにあけた。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮した後、残渣を真空乾燥した。別の反応容器で 2−エチル−5,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン1.03g(5.88mmol) のDMF39ml 溶液に水素化ナトリウム0.257g(5.88mmol)を加えて30分間撹拌して得られた溶液に、上で得た残渣を加えた。
【0187】室温で15時間撹拌し、濃縮した後、酢酸エチル100ml と水100ml に分配した。酢酸エチル100ml で抽出し、さらにジクロロメタン100ml で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過して濾液を濃縮し、2:3のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を使用して、シリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーを行うことにより、3−{[3−ブロモ−2−[3−クロロ−2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.992gを得た。
【0188】NMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-7.7(m,22H); 5.5(s,2H); 2.7(q,J=8Hz,3H); 2.67(s,3H); 2.59(s,3H); 1.3(t,J=8Hz,3H)
【0189】[実施例29]
参考例11で合成した化合物を用いて、実施例1と同様の操作で下記化合物を合成した。
【0190】2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[3−(トリメチルシリルエチニル)−2−[2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンNMR(270MHz,CDCl3) δ6.7-7.7(m,23H); 5.5(s,2H); 2.8(q,J=8Hz,3H); 2.67(s,3H); 2.60(s,3H); 1.3(t,J=8Hz,3H); 0.15(s,9H)
【0191】[実施例30]
参考例14で合成した化合物を用いて、実施例1と同様の操作で下記化合物を合成した。
【0192】2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[3−(トリメチルシリルエチニル)−2−[3−クロロ−2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンNMR(270MHz,CDCl3) δ6.7-7.7(m,22H); 5.5(s,2H); 2.8(q,J=8Hz,3H); 2.67(s,3H); 2.60(s,3H); 1.3(t,J=8Hz,3H); 0.15(s,9H)
【0193】[実施例31]
実施例29で合成した化合物を用いて、実施例3と同様の操作で下記化合物を合成した。
【0194】2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[3−エチニル−2−[2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンNMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-7.7(m,23H); 5.5(s,2H); 3.6(s,1H); 2.8(q,J=8Hz,3H); 2.66(s,3H); 2.59(s,3H); 1.3(t,J=8Hz,3H)
【0195】[実施例32]
実施例30で合成した化合物を用いて、実施例3と同様の操作で下記化合物を合成した。
【0196】3−{[3−エチニル−2−[3−クロロ−2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンNMR(270MHz,CDCl3) δ6.8-7.7(m,22H); 5.5(s,2H); 3.6(s,1H); 2.8(q,J=8Hz,3H); 2.66(s,3H); 2.59(s,3H); 1.3(t,J=8Hz,3H)
【0197】[実施例33]
2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[3−エチニル−2−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンの合成
【0198】実施例31で得た2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[3−エチニル−2−[2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.133gにメタノール5mlを加えて撹拌し、2N塩酸0.5ml を滴下した。1時間室温で撹拌したのち、1N水酸化ナトリウム2mlを加えた。エバポレーターで濃縮し、イオン交換水10mlを加えた。トルエン10mlで抽出したのち、水層に撹拌下2N塩酸を滴下してpHを4にした。析出した固体を濾取し、イオン交換水2mlで3回洗浄した後減圧下に乾燥して、2−エチル−5,7−ジメチル−3−{[3−エチニル−2−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン74mgを得た。
【0199】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.0-7.7(m,7H); 6.9(s,1H); 5.5(s,2H); 3.6(s,1H); 2.7(q,J=8Hz,3H); 2.6(s,3H); 2.5(s,3H); 1.1(t,J=8Hz,3H)
【0200】[実施例34]
3−{[3−エチニル−2−[3−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンの合成
【0201】実施例32で得た3−{[3−エチニル−2−[3−クロロ−2−(2−(トリフェニルメチル)−2H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンに実施例33と同様の操作を施すことにより、3−{[3−エチニル−2−[3−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]−2H−インダゾール−5−イル]メチル}−2−エチル−5、7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジンを得た。
【0202】NMR(270MHz,CDCl3) δ7.0-7.7(m,6H); 6.9(s,1H); 5.5(s,2H); 3.6(s,1H); 2.7(q,J=8Hz,3H); 2.6(s,3H); 2.5(s,3H); 1.1(t,J=8Hz,3H)
【0203】[活性試験例1]
ラット平滑筋細胞へのアンジオテンシンIIの結合阻害実験
【0204】ラット大動脈由来平滑筋細胞に本発明化合物および 125I-Tyr4 - アンジオテンシンII(0.25μCi, 150μl:"NEX-105", NEX社製、以下 125I−AIIと略す)を加えて室温にて1時間インキュベートした。未結合 125I−AIIをPBS(リン酸緩衝液)にて洗浄した後、結合 125I−AIIの放射活性を測定し、各実施例で合成した本発明化合物のアンジオテンシンIIの受容体への結合阻害活性値(IC50)を求めた。その結果は以下の通りであった。
【0205】
実施例2の化合物 IC50:2.76×10-9M実施例5の化合物 IC50:2.43×10-9M実施例27の化合物 IC50:6.5 ×10-8M実施例28の化合物 IC50:8.5 ×10-8M実施例33の化合物のIC50:2.9 ×10-9M実施例34の化合物のIC50:2.6 ×10-9
【0206】
製剤例1:錠剤 1)本発明の目的化合物 10.0mg 2)直打用微粒No.209(富士化学社製) 46.6mg メタケイ酸アルミン酸ナトリウム 20wt% トウモロコシ澱粉 30wt% 乳糖 50wt% 3)結晶セルロース 24.0mg 4)カルボキシルメチルセルロース・カルシウム 4.0mg 5)ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
【0207】1)、3)、および4)はいずれも予め100メッシュの篩いに通す。この1)、3)、4)、および2)をそれぞれ乾燥して一定含水率にまで下げた後、上記の重量割合で混合機を用いて混合する。全質均等にした混合末に5)を添加して短時間(30秒間)混合し、混合末を打錠(杵:6.3mmφ,6.0mmR)して、1錠8.5mgの錠剤とした。
【0208】この錠剤は必要に応じて通常用いられる胃溶性フィルムコーティング剤(たとえばポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート)や食用性着色剤でコーティングしてもよい。
【0209】製剤例2:カプセル剤1)本発明の目的化合物 50g2)乳糖 935g3)ステアリン酸マグネシウム 15g上記成分をそれぞれ秤量した後均一に混合し、混合粉体をハードゼラチンカプセルに200mgずつ充填した。
【0210】製剤例3:注射剤1)本発明の目的化合物 5mg2)庶糖 100mg3)生理食塩水 10ml上記の混合液をメンブランフィルターで濾過後、再度除菌濾過を行い、その濾過液を無菌的にバイアルに分注し、窒素ガスを充填した後、密封して静脈内注射剤とした。
【0211】
【発明の効果】活性試験例で示されるとおり、本発明の2H−インダゾール誘導体は高いアンジオテンシンII拮抗作用を有し、その血圧降下作用により高血圧症などの循環器系疾患治療剤として有用であると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】一般式(1)で表される2H−インダゾール誘導体またはその塩。
【化1】


[一般式(1)中、R1 〜R8 は下記のものを示す。
1 :低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アルコキシ低級アルキル基、またはアルキルチオ基。
2 、R3 :両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、Cm2m+1−、−(CH2n9 、または−(CH2p COR10
4 :水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシル基、アリール基、またはCm2m+1−。
5 :アルケニル基、アルキニル基、アリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、カルボキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、またはトリアルキルシリル置換アルキニル基。
6 :−COOH、−COOR11、−CONH2 、−CN、−SO3 H、−SO2 NH2 、−NHSO2 CF3 、またはC結合テトラゾリル基。
7 、R8 :両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシル基、またはCm2m+1−。
X、Y:両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、CHまたは窒素原子。
ただし、上記のR9 〜R11、およびm、n、pは下記のものを示す。
9 :ヒドロキシル基またはアルコキシル基。
10:水素原子、ヒドロキシル基、低級アルキル基、またはアルコキシル基。
11:低級アルキル基、アルケニル基、低級シクロアルキル基、アリール基、またはアルアルキル基。
mは1〜6の整数。nは1〜4の整数。pは0〜4の整数。]
【請求項2】2H−インダゾール誘導体が、一般式(1)において、R1 が低級アルキル基またはアルケニル基であり、R2 とR3 が両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、−(CH2n9 、または−(CH2p COR10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル基またはアルコキシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル基、またはアルコキシル基、nは1〜4の整数、pは0〜4の整数である)である2H−インダゾール誘導体である、請求項1の化合物。
【請求項3】2H−インダゾール誘導体が、一般式(1)において、R4 が水素原子であり、R5 がアルケニル基、アルキニル基、アリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、カルボキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、またはトリアルキルシリル置換アルキニル基である2H−インダゾール誘導体である、請求項1または2の化合物。
【請求項4】2H−インダゾール誘導体が、一般式(1)において、R6 が−COOHまたはC結合テトラゾリル基である2H−インダゾール誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項の化合物。
【請求項5】2H−インダゾール誘導体が、一般式(1)において、R7 とR8 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、低級アルキル基、またはアルコキシル基である2H−インダゾール誘導体である、請求項1〜4のいずれか一項の化合物。
【請求項6】2H−インダゾール誘導体が、一般式(1)において、Xが窒素原子、YがCHである2H−インダゾール誘導体である、請求項1〜5のいずれか一項の化合物。
【請求項7】2H−インダゾール誘導体が、一般式(1)において、R1 が低級アルキル基、R2 とR3 が両者は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、−(CH2n9 、または−(CH2p COR10(ここにおいて、R9 はヒドロキシル基、R10は水素原子、ヒドロキシル基、またはアルコキシル基、nは1、pは0あるいは1である)、R4 が水素原子、R5 がアルケニル基、アルキニル基、アリール置換アルキニル基、アルコキシアリール置換アルキニル基、カルボキシアリール置換アルキニル基、ハロアリール置換アルキニル基、アルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、パーフルオロアルキル基を有するアリール基で置換されたアルキニル基、またはトリアルキルシリル置換アルキニル基、R6 が−COOHまたはC結合テトラゾリル基、R7 とR8 は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または低級アルキル基、Xが窒素原子、YがCHである2H−インダゾール誘導体である、請求項1の化合物。
【請求項8】2−{3−ビニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−エチニル−5−[(7−メチル−2−プロピル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−エチニル−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(1−ペンチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(3,3−ジメチル−1−ブチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(フェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(4−フルオロフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(2−フルオロフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−[3−(トリフルオロメチル)フェニルエチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−[2−(トリフルオロメチル)フェニルエチニル]−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(4−メトキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(3−メトキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(2−メトキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、2−{3−(4−カルボキシフェニルエチニル)−5−[(2−エチル−5,7−ジメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)メチル]−2H−インダゾール−2−イル}安息香酸、または、それらの塩。