説明

3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体を使用するN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルの合成

【課題】N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)を効率的で廉価にかつ高純度で合成する方法を提供する。
【解決手段】N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルを、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルと、3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体の加水分解または開裂によってその場で生成した3,3−ジメチルブチルアルデヒドとの水素化によって製造する。この製造方法は慣用のN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル合成に比べて効率的で低コストである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体を使用するN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)の合成に関する。この方法によるネオテーム製造は、慣用のネオテーム製造よりも簡単で経済的である。
【背景技術】
【0002】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)は、式:
【0003】
【化1】

を有している極めて高力価(ショ糖のほぼ8000倍の甘味)のジペプチド甘味料である。
【0004】
ネオテームの化学合成は米国特許第5,480,668号、米国特許第5,510,508号、米国特許第5,728,862号及び国際特許WO00/15656に開示されている。各々の特許の開示は参照によって本発明に含まれるものとする。
【0005】
米国特許第5,510,508号及び第5,728,862号は、アスパルテームと3,3−ジメチルブチルアルデヒドとの混合物を炭素に付けたPdのような触媒で加水分解するネオテームの合成方法を記載している。この合成は次式によって表される:
【0006】
【化2】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5480668号
【特許文献2】米国特許第5510508号
【特許文献3】米国特許第5728862号
【特許文献4】国際公開第00/15656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この合成に使用される3,3−ジメチルブチルアルデヒドは典型的には、米国特許第5,905,175に記載されているように3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトから、これを塩基で処理し、次いで蒸留することによって製造される。該特許の開示は参照によって本発明に含まれるものとする。上記のネオテームの製造方法では、ネオテームを製造するために純粋な単離アスパルテームと純粋な単離アルデヒドとを反応させる必要がある。しかしながら、純粋なN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルを経済的かつ効率的に製造するためには、3,3−ジメチルブチルアルデヒドを先ず単離する必要なしに、3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体を直接にネオテームの合成に使用できれば経済的に有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)を効率的で廉価にかつ高純度で合成する方法に関する。本発明の1つの実施態様によれば、溶媒または溶媒混合物中、水素化条件下で触媒を用いてアスパルテームと3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールとを反応させることによってネオテームを合成する。
【0010】
本発明の第二の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中で最初に3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトを塩基で加水分解し、次いで水素化条件下でアスパルテームを触媒と共に添加することによってネオテームを合成する。
【0011】
本発明の第三の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中で酸性加水分解または酸化性開裂によって3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムから3,3−ジメチルブチルアルデヒドを再生し、次いで水素化条件下でアスパルテームを触媒と共に添加することによってネオテームを合成する。
【0012】
本発明の第四の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中で3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体を酸で加水分解し、次いで水素化条件下でアスパルテームを触媒と共に添加することによってネオテームを合成する。
【0013】
本発明は、3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体の加水分解または開裂によってその場で(in situ)生成した3,3−ジメチルブチルアルデヒドとL−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(アスパルテーム)との接触水素化によるN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)の合成に関する。より詳細には、3,3−ジメチルブチルアルデヒドの前駆体を加水分解または開裂してアルデヒドを生成し、次いでこのアルデビトはネオテームの製造のためその場で使用される。したがって、3,3−ジメチルブチルアルデヒドをアスパルテームと合わせる前に単離する必要が削除される。本発明に使用するための適切な3,3−ジメチルブチルアルデヒドの前駆体は、3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタール、3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクト、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシム及び3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体を包含する。
【0014】
本発明の第一の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中、水素化条件下、即ち水素の存在下で、アスパルテームと3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタール(RR’=(OCH)とを触媒によって次式:
【0015】
【化3】

に従って反応させることによってN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルを合成する。
【0016】
本発明に使用するための適切な3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールは、“Protection for the Carbonyl Group”、T.W.Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis,2d ed,John Wiley & Sons,New York,chapter 4,1991に概説された手順によって得ることができる。3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールは、その前駆体からその場で公知の合成経路のいずれかにおいて使用できる(上記参照)。
【0017】
アスパルテームの添加前に3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールを加水分解する必要は全く無い。しかしながら、所望の場合には、本発明の第一の実施態様の方法を別々の加水分解段階及び水素化段階として行ってもよい。本発明によれば、アスパルテーム添加の前に3,3−ジメチルブチルアルデヒドを単離しない。その代わりにこれをアスパルテームとその場で反応させてネオテームを製造する。一般に3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールの濃度、即ち、実際には加水分解混合物中にその場で生成する3,3−ジメチルブチルアルデヒドの濃度は、アスパルテームとの当量モル比基準で好ましくは約0.90−約1.1、より好ましくは約0.98−約1.0の範囲である。
【0018】
本発明の第二の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中で3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトを塩基で加水分解して3,3−ジメチルブチルアルデヒドをその場で生成し、次いで水素化条件下でアルデヒドとアスパルテームとを触媒によって次式:
【0019】
【化4】

に従って反応させることによってネオテームを合成する。
【0020】
本発明に使用するための適切な3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクト(RR’=OH(SONa))は、米国特許第5,905,175号に開示された手順によって得ることができる。本発明方法に使用する3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトは、ウェットケーキ、ドライケーキまたは水溶液でよい。3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトは、その前駆体からその場で公知の合成経路のいずれかにおいて使用できる(上記参照)。
【0021】
重要なことは、3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトをアスパルテームの添加前に加水分解しなければならないことである。しかしながらこのときにも本発明では、アスパルテーム添加の前に3,3−ジメチルブチルアルデヒドを単離しない。その代わりに3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトの加水分解生成物をアスパルテームとその場で反応させてネオテームを製造する。一般に亜硫酸水素アダクトの使用濃度、即ち、実際にはその場で生成する3,3−ジメチルブチルアルデヒドの濃度は、アスパルテームとの当量モル比基準で好ましくは約0.90−約1.1、より好ましくは約0.98−約1.0の範囲である。
【0022】
本発明に使用するための適切な塩基の非限定例は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アンモニア、第三級アミン、第二級アミン、ピリジン誘導体またはそれらの混合物である。一般的に、塩基の使用量は亜硫酸水素アダクトの量を基準として、好ましくは約1−約10重量%の範囲、より好ましくは約1−約2重量%である。
【0023】
本発明の第三の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中の酸性加水分解または酸化性開裂によって3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムから3,3−ジメチルブチルアルデヒドを再生することによって3,3−ジメチルブチルアルデヒドをその場で生成し、次いで水素化条件下でアルデヒドとアスパルテームとを触媒によって次式:
【0024】
【化5】

に従って反応させることによってネオテームを合成する。
【0025】
本発明に使用するための適切な3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン(RR’=NOH)、セミカルバゾン(RR’=NNHCONH)またはオキシム(RR’=NNHPh)は、“Protection for the Carbonyl Group”、T.W.Greeneら,Protective Groups in Organic Synthesis,2d ed,John Wiley & Sons,New York,chapter 4,1991に概説された手順を介して得ることができる。本発明方法に使用される3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムは、ウェットケーキまたはドライケーキでよい。3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムは、その前駆体からその場で公知の合成経路のいずれかにおいて使用できる(上記参照)。
【0026】
重要なことは、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムを、アスパルテームの添加前に加水分解または開裂しなければならないことである。しかしながらこのときにもまた本発明では、アスパルテーム添加の前に3,3−ジメチルブチルアルデヒドを単離しない。その代わりに3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムの加水分解生成物または開裂生成物をアスパルテームとその場で反応させてネオテームを製造する。
【0027】
一般に3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムの使用濃度、即ち、実際にはその場で生成する3,3−ジメチルブチルアルデヒドの濃度は、アスパルテームとの当量モル比基準で好ましくは約0.90−約1.1、より好ましくは約0.98−約1.0の範囲である。
【0028】
本発明のこの実施態様の酸加水分解に使用するための適切な酸の非限定例は、酢酸、クエン酸、亜硝酸及びそれらの併用である。一般に溶媒中の酸の濃度は好ましくは3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムの量の約1−約5重量%の範囲、より好ましくは約1−2重量%である。
【0029】
本発明の酸化性開裂に使用するための適切な酸化剤の非限定例は、m−クロロ過安息香酸、オゾン、並びに、過ヨウ素酸ナトリウム、ジアセトキシヨードベンゼン及びヨードソベンゼンのような超原子価ヨウ素剤並びにそれらの組合せを包含する。一般に溶媒中の酸化剤の濃度は、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムとの当量モル比基準で好ましくは約0.5−約3、より好ましくは0.90−約1.1の範囲である。
【0030】
本発明の第四の実施態様では、溶媒または溶媒混合物中で3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体を酸で加水分解して3,3−ジメチルブチルアルデヒドをその場で生成し、次いでアルデヒドとアスパルテームとを水素化条件下で触媒によって次式:
【0031】
【化6】

に従って反応させることによってネオテームを合成する。
【0032】
本発明に使用するための適当な3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体は後出の実施例3に記載の手順または公知の何らかの合成経路によって得られる。この三量体はその前駆体からその場で公知の合成経路のいずれかにおいて使用できる(上記参照)。
【0033】
重要なことは、3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体を、アスパルテームの添加前に加水分解しなければならないことである。しかしながらこのときにもまた本発明では、アスパルテーム添加の前に3,3−ジメチルブチルアルデヒドを単離しない。その代わりに3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体の加水分解生成物をアスパルテームとその場で反応させてネオテームを製造する。一般に3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体の使用濃度は、アスパルテームとの当量モル比基準で約0.3−約1.1、より好ましくは約0.33−約0.35の範囲である。
【0034】
本発明のこの実施態様に使用するための適切な酸の非限定例は、塩酸、酢酸、硫酸及びそれらの併用である。一般に溶媒中の酸の濃度は三量体の量の約1−約20重量%、より好ましくは約1−約10重量%の範囲である。
【0035】
本発明の第二、第三及び第四の実施態様の各々のアルデヒド前駆体の加水分解または開裂は、公知の任意の手段によって行うことができることに注目するのが肝要である。更に、これらの実施態様の各々では、加水分解または開裂の段階に酸または塩基を使用する場合には中和段階が必要であろう。特に、水素化のためにアスパルテームを添加する前のアルデヒド含有溶媒のpHは好ましくは約3−約7の範囲である。アルデヒド含有溶媒のpHがこの範囲でない場合には、中和段階が必要である。中和は公知の適切な手段のいずれかによって行うとよい。
【0036】
ネオテームの合成パラメーターに関する以下の記載は本発明の上記の実施態様のいずれにも通用する。
【0037】
本発明に使用するための適切なアスパルテームは市販のものでもよく、または、公知の方法によって合成してもよい。また、2001年5月18日出願の係属中の米国特許出願No.09/859,438は、ネオテーム合成にアスパルテーム前駆体を使用しており、このようなアスパルテーム前駆体も本発明に適宜使用できる。
【0038】
本発明に使用するための適切な溶媒の非限定例は、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、メタノール、イソプロパノール、イソブチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、水及びそれらの混合物である。溶媒は、反応体、即ち、3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体またはアスパルテームのドライケーキに添加できる。あるいは、溶媒を3,3−ジメチルブチルアルデヒド前駆体の形成にその場で使用してもよくまたは反応混合物に添加してもよい。
【0039】
本発明に使用するための適切な触媒はパラジウムまたは白金を基材とする触媒から選択され、その非限定例は、活性炭に付けた白金、活性炭に付けたパラジウム、白金黒またはパラジウムブラックである。その他の触媒の非限定例は、シリカに付けたニッケル、アルミナに付けたニッケル、ラネーニッケル、ルテニウムブラック、炭素に付けたルテニウム、炭素に付けた水酸化パラジウム、酸化パラジウム、酸化白金、ロジウムブラック、炭素に付けたロジウム、アルミナに付けたロジウム、及び、2002年3月28日出願の係属中の米国特許出願No.10/010,381に記載されたような混合触媒である。バラジウムまたは白金を基材とする触媒が好ましい。
【0040】
触媒は、ネオテームを適格な速度及び収率で製造するために有効な量で存在する。一般に、触媒(乾燥基準)とアスパルテームとの重量比は約0.01:1−約0.25:1、好ましくは約0.10:1である。望ましくないジアルキル化アスパルテームの生成量を最小にするためには約10%の触媒添加量が必要であることに留意するのが肝要である。
【0041】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドとアスパルテームとを典型的には実質的に当量のモル比、即ち、約1:0.95−1:1で合せる。アスパルテームが過剰モル量になることは浪費でありコスト面で好ましくない。アルデヒド前駆体、従って実際にはアルデヒドのモル量が多くなるほどアルデヒドが不純物を生じ易くなる。
【0042】
その場生成した3,3−ジメチルブチルアルデヒドとアスパルテームとをネオテームの製造に十分な時間及び温度で反応させる。一般にアルデヒドのその場の生成に十分な時間は約0.5−約48時間の範囲である。一般にネオテームの製造に十分な時間は好ましくは約1−約24時間、より好ましくは約6−約24時間の範囲である。一般に本発明のネオテームの製造に十分な温度は好ましくは約20−約60℃、より好ましくは約22−約40℃の範囲である。
【0043】
本発明の反応は水素の存在下で行われる。一般に、水素の圧力は、約5psi−約100psi、好ましくは約30psi−約50psiの範囲である。
【0044】
本発明はまた、追加の段階を含み得る。このような追加段階の非限定例は、触媒除去、溶媒濃度調節、保持、播種、冷却(結晶化)、及び、ネオテーム単離である。
【0045】
触媒は多様な固液分離技術によって分離し得る。非限定例は、スパークラー、クロスフロー、吸引漏斗、バスケット、ベルト、ディスク、ドラム、カートリッジ、キャンドル、リーフ及びバッグフィルターの使用である。更に、重力、圧力、真空及び/または遠心力の使用によって触媒分離性能を増進し得る。更に、触媒の分離速度及び除去効率は、任意の数の様々な濾過媒体を使用することによって増進し得る。濾過媒体の非限定例は、繊維織布、金属織布、多孔金属基板及び合成または天然産の膜である。分離デバイス及び媒体は、常設型、交換型または使い捨て型のいずれでもよい。触媒固体を単独に分離してもよく、または、多孔質セルロース繊維もしくはケイソウ土シリカ型濾過助剤の使用によって分離を支援してもよい。これらは媒体プレコートとして使用されるか及び/または触媒スラリーと共に直接使用される。分離デバイスは固体媒体洗浄、固体排出及び/または固体と媒体とのバックフラッシを行うように全自動モードまたは手動モードで作動できる。触媒は、気体、液体または機械的手段を使用して洗浄され濾過媒体から排出され得る。触媒単独または触媒と濾過助剤との一部または全部を以後の水素化反応に使用すべくリサイクルできる。
【0046】
水が存在するときは反応混合物は、ジアルキル化イミダゾリジノンがα−ネオテーム及び3,3−ジメチルブチルアルデヒドに加水分解するために十分な温度で十分な時間維持され得る。一般に、反応混合物を約20−50℃で約0.5−24時間維持する。本発明の好ましい実施態様では、反応混合物を約2−4時間維持する。
【0047】
典型的にはネオテームの結晶化は混合物を約0−25℃、好ましくは約5−10℃で約0.5−2時間、好ましくは約1−2時間の期間にわたって冷却することによって得られる。
【0048】
結晶化前または結晶化中の播種は本発明の調節速度の結晶成長を開始させ得る。従って、場合によっては反応混合物に溶液中で0.0001−10重量%、好ましくは0.1−1重量%、最も好ましくは0.1−0.5重量%の量のN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルを播種してもよい。播種は典型的には25−35℃、好ましくは28−30℃で行う。
【0049】
反応混合物またはネオテーム含有溶液は、本発明の実施態様次第で撹拌してもよく撹拌しなくてもよい。
【0050】
結晶化ネオテームは遠心力を利用する様々な固液分離技術によって溶媒溶液から分離し得る。分離技術の非限定例は、縦型及び横型の多孔バスケット遠心機、固体ボウル遠心機、デカンタ遠心機、ピーラー型遠心機、プッシャー型遠心機、Heinkel型遠心機、ディスクスタック遠心機、及び、サイクロン分離である。更に、圧力、真空及び重力濾過法のいずれかによって分離を増進し得る。これらは非限定的に、ベルト、ドラム、吸引漏斗型、リーフ、プレート、Rosenmund型、スパークラー型、及び、バッグフィルター及びフィルタープレスの使用を含む。ネオテーム固液分離デバイスの動作は、連続、半連続またはバッチモードのいずれでもよい。また、ネオテーム固体を分離デバイスにおいて種々の液体溶媒を使用して洗浄してもよい。溶媒の非限定例は、水、メタノール及びそれらの混合物である。また、残留液体溶媒を蒸発させるためにネオテーム固体を分離デバイスにおいて任意の数の気体を使用して部分的または全面的に乾燥してもよい。気体の非限定例は、窒素及び空気である。ネオテーム固体は固体を溶解するかまたは固体形態を維持する液体、気体または機械的手段を使用して分離デバイスから全自動的または手動的に取り出される。
【0051】
本発明に従って合成されたネオテームは、以下の方法を非限定例とする公知の任意の方法によって精製し得る。米国特許第5,728,862号は、ネオテームを水性/有機性溶媒溶液から沈殿させる精製方法を概説している。この方法では、水性/有機性溶媒溶液中の有機溶媒の量が約17−約30重量%である。米国特許第6,423,864号は、種々の有機溶媒/水性有機溶媒混合物中の結晶化によるネオテームの精製方法に関する。これらの方法の各々は有機溶媒と水との混合物及び溶媒蒸留の使用を含む。1999年11月24日出願の同時係属出願である米国特許出願No.09/449,314は、クロマトグラフィーを使用するネオテーム精製方法に関する。
【0052】
本発明に従って合成されたネオテームは一水和物であり、無水物形態にするためには乾燥すればよい。
【0053】
結晶化し単離したネオテーム固体を種々の乾燥方法によって更に精製してもよい。このような方法は当業者に公知であり、その非限定例は、回転真空乾燥機、流体床乾燥機、回転トンネル乾燥機、プレート乾燥機、トレー乾燥機、Nauta型乾燥機、噴霧乾燥機、フラッシュ乾燥機、ミクロン乾燥機、パン乾燥機、高速及び低速のパドル乾燥機、及び、マイクロ波乾燥機である。
【0054】
上述の本発明の方法は、従来のネオテーム合成経路に比較して多くの利点を実現し得る。特に、3,3−ジメチルブチルアルデヒドをアスパルテームと合せる前に単離するための複雑な処理段階が削除される。製造規模の面では、この結果として、処理時間が節減でき、また、コストも有意に節減できる。
【0055】
以下の実施例は本発明のいくつかの好ましい実施態様の代表例を示したものであり、本発明がこれらの実施例に限定されることを意味しない。
【実施例1】
【0056】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素ナトリウムアダクト(4.0g)、炭酸水素ナトリウム(2.2g)及び水(20mL)を50mLの丸底フラスコに充填した。混合物を沸騰するまで加熱し、蒸留すると、3,3−ジメチルブチルアルデヒドと水との共沸混合物が得られた(b.p.82−85℃)。この共沸混合物にL−アスパルテーム(4.0g、13.5mmol)、メタノール(50mL)及び5%Pd/C(5%、0.16g)を充填した。混合物を30psi/室温で12−16時間水素化した。混合物をDicaliteベッドで濾過し、ベッドをメタノール(5mL)で洗浄した。回転蒸発機で減圧下、室温でメタノールを半量(25mL)に減縮し、これに水(30mL)を添加した。残りのメタノールを15−30%のレベルまで蒸留した。混合物を室温で撹拌しながら2−12時間維持した。沈殿した固体を濾過し、水(50mL)で洗浄し、真空オーブンで40℃/真空室(house vac)/16時間乾燥すると2.8g(56%)の白色固体(HPLCで>97%の純度)が得られた。
【実施例2】
【0057】
L−アスパルテーム(4.0g、13.5mmol)、3,3ジメチルブチルアルデヒドのジメチルアセタール(1.35g、13.5mmol)、メタノール(50mL)及び5%Pd/C(5%、0.16g)のスラリーを30psi/室温で12−16時間水素化した。混合物をDicaliteベッドで濾過し、ベッドをメタノール(5mL)で洗浄した。回転蒸発機で減圧下、室温でメタノールを半量(25mL)に減縮し、これに水(30mL)を添加した。残りのメタノールを15−30%のレベルまで蒸留した。混合物を室温で撹拌しながら2−12時間維持した。沈殿した固体を濾過し、水(50mL)で洗浄し、真空オーブンで40℃/真空室/16時間乾燥すると3.9g(73%)の白色固体(HPLCで>97%の純度)が得られた。
【実施例3】
【0058】
3,3−ジメチルブタノール(10.0g、0.1mol)を0℃に冷却し、濃硫酸(0.1g)を添加した。次に、反応混合物を−30℃に冷却し(反応混合物はこの温度で凝固した)同じ温度で2時間維持した。混合物を0℃に加温しジエチルエーテル(30mL)を添加した。溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2x30mL)及び水(2x30mL)で洗浄した。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下(15mm Hg、40℃水浴)で蒸発させると無色固体(8.8g)が得られた。NMR分析は純度95%の所望の2、4、6−トリネオペンチル−1、3、5トリオキサンを示した。粗生成物をメタノール(20mL)に溶解し濾過した。次にこの溶液に水(20mL)をゆっくりと添加し−20℃に冷却して1時間維持した。無色固体を分離し、水洗し、真空下で乾燥すると、純粋な生成物(7.5g)が得られた。
【0059】
2,4,6−トリネオペンチル−1,3,5−トリオキサン(3.3g、約10.7mmol)をトルエン(3mL)に溶解し、0.5mLの20%塩酸水溶液を添加した。混合物を窒素雰囲気下で1時間還流した(68−69℃)。NMR分析は3,3−ジメチルブチルアルデヒド及びベンゼンに対応するシグナルだけを示した。混合物を炭酸水素ナトリウムでpH=7に中和し、有機相を窒素下、メタノール(150mL)中のアスパルテーム(9.4g、31.9mmol)及びPd/C(0.4g)の撹拌懸濁液に移した。水素によって窒素を除去し、反応混合物を軽度の水素圧力下で(<1psi)14時間激しく攪拌した。次に混合物をセライトで濾過した。セライト層をメタノール(25mL)で洗浄し、真空下で半量(約80−90mL)まで蒸発させ、濾過し、残渣に水(約100mL)を添加した。混合物を真空下で穏やかに(約0−5℃の低温を維持するために加熱しないで)蒸発させてメタノールを除去し、次いで室温で24時間維持した。沈殿物を濾別し、水(30mL)で洗浄し、真空下で14時間乾燥するとネオテームが得られた(6.88g、57%)。
【0060】
好ましい実施態様及び特定実施例に基づいて本発明を説明した。本発明の要旨及び範囲を逸脱しない種々の変更及び修正が可能であることは常套的な実験作業によって当業者に明らかにされるであろう。本発明は上述の詳細な記載に限定されることなく特許請求の範囲及びその等価範囲によって定義されていることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒中のL−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルと3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールとの混合物を、触媒及び水素の存在下、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間及び温度で反応させる段階を含む、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルの合成方法。
【請求項2】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールが、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.90−約1.1の範囲で混合物中に存在する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドジメチルアセタールが、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.98−約1.0の範囲で混合物中に存在する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
触媒が、活性炭に付けた白金、活性炭に付けたパラジウム、白金黒、パラジウムブラック、シリカに付けたニッケル、アルミナに付けたニッケル、ラネーニッケル、ルテニウムブラック、炭素に付けたルテニウム、炭素に付けた水酸化パラジウム、酸化パラジウム、酸化白金、ロジウムブラック、炭素に付けたロジウム及びアルミナに付けたロジウムから成るグループから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニンl−メチルエステルに対する乾燥基準の触媒の重量比が、約0.01:1から約0.25:1である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
溶媒が、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、イソプロパノール、メタノール、イソブチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド、水及びそれらの混合物から成るグルーブから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−a−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な温度が、約20℃から約60℃である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間が、約1時間から約24時間である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
水素の圧力が、約5psiから約100psiである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトを溶媒中の塩基で加水分解して3,3−ジメチルブチルアルデヒドをその場で(in situ)生成させる段階と、および
その場で生成した3,3−ジメチルブチルアルデヒドをL−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルと、触媒及び水素の存在下、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間及び温度で反応させると段階と、
を含むN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルの合成方法。
【請求項11】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトが、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.90−約1.1の量で使用される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドの亜硫酸水素アダクトが、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.98−約1.0の量で使用される請求項10に記載の方法。
【請求項13】
塩基が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、三塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、アンモニア、第三級アミン、第二級アミン、ピリジン誘導体及びそれらの組合せから成るグループから選択される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
塩基が、亜硫酸水素アダクトの約1−約10重量%の量で存在する請求項10に記載の方法。
【請求項15】
触媒が、活性炭に付けた白金、活性炭に付けたパラジウム、白金黒、パラジウムブラック、シリカに付けたニッケル、アルミナに付けたニッケル、ラネーニッケル、ルテニウムブラック、炭素に付けたルテニウム、炭素に付けた水酸化パラジウム、酸化パラジウム、酸化白金、ロジウムブラック、炭素に付けたロジウム及びアルミナに付けたロジウムから成るグループから選択される請求項10に記載の方法。
【請求項16】
L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニンl−メチルエステルに対する乾燥基準の触媒の重量比が、約0.01:1から約0.25:1の範囲である請求項10に記載の方法。
【請求項17】
溶媒が、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、イソプロパノール、メタノール、イソブチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド、水及びそれらの混合物から成るグルーブから選択される請求項10に記載の方法。
【請求項18】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な温度が、約20℃から約60℃である請求項10に記載の方法。
【請求項19】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間が、約1時間から約24時間である請求項10に記載の方法。
【請求項20】
水素の圧力が、約5psiから約100psiである請求項10に記載の方法。
【請求項21】
その場で生成された3,3−ジメチルブチルアルデヒドを含有している溶媒を約3から約7の範囲のpHとなるように中和する段階を更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項22】
溶媒中、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムから3,3−ジメチルブチルアルデヒドを再生して3,3−ジメチルブチルアルデヒドをその場で(in situ)生成させる段階と、および
その場で生成した3,3−ジメチルブチルアルデヒドをL−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルと、触媒及び水素の存在下、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間及び温度で反応させると段階と、
を含むN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルの合成方法。
【請求項23】
再生段階が、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムを酸で加水分解する処理を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
その場で生成された3,3−ジメチルブチルアルデヒドを含有している溶媒を約3から約7の範囲のpHとなるように中和する段階を更に含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
酸が、酢酸、クエン酸、亜硝酸及びそれらの組合せから成るグループから選択される請求項23に記載の方法。
【請求項26】
酸が、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムの約1から約10重量%の量で存在する請求項23に記載の方法。
【請求項27】
再生段階が、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムを酸化的に開裂する処理を含む請求項22に記載の方法。
【請求項28】
酸化剤が、m−クロロ過安息香酸、オゾン、過ヨウ素酸ナトリウム、ジアセトキシヨードベンゼン、ヨードソベンゼン及びそれらの組合せから成るグループから選択される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
酸化剤が、3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムとの当量モル比基準で約0.5から約3.0の量で存在する請求項27に記載の方法。
【請求項30】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムが、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.90から約1.1の量で使用される請求項22に記載の方法。
【請求項31】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドのヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムが、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.98から約1.0の量で使用される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
触媒が、活性炭に付けた白金、活性炭に付けたパラジウム、白金黒、パラジウムブラック、シリカに付けたニッケル、アルミナに付けたニッケル、ラネーニッケル、ルテニウムブラック、炭素に付けたルテニウム、炭素に付けた水酸化パラジウム、酸化パラジウム、酸化白金、ロジウムブラック、炭素に付けたロジウム及びアルミナに付けたロジウムから成るグループから選択される請求項22に記載の方法。
【請求項33】
L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニンl−メチルエステルに対する乾燥基準の触媒の重量比が、約0.01:1から約0.25:1の範囲である請求項22に記載の方法。
【請求項34】
溶媒が、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、イソプロパノール、メタノール、イソブチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド、水及びそれらの混合物から成るグルーブから選択される請求項22に記載の方法。
【請求項35】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な温度が、約20℃から約60℃である請求項22に記載の方法。
【請求項36】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間が、約1時間から約24時間である請求項22に記載の方法。
【請求項37】
水素の圧力が、約5psiから約100psiである請求項22に記載の方法。
【請求項38】
溶媒中、3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体を酸で加水分解して3,3−ジメチルブチルアルデヒドをその場で(in situ)生成させる段階と、および
その場で生成した3,3−ジメチルブチルアルデヒドをL−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルと、触媒及び水素の存在下、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間及び温度で反応させると段階と、
を含むN−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルの合成方法。
【請求項39】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体が、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.3から約1.1の量で使用される請求項38に記載の方法。
【請求項40】
3,3−ジメチルブチルアルデヒドの三量体が、L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステルとの当量モル比基準で約0.33から約0.35の量で使用される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
酸が、塩酸、酢酸、硫酸及びそれらの組合せから成るグループから選択される請求項38に記載の方法。
【請求項42】
酸が、三量体の約1から約20重量%の量で存在する請求項38に記載の方法。
【請求項43】
触媒が、活性炭に付けた白金、活性炭に付けたパラジウム、白金黒、パラジウムブラック、シリカに付けたニッケル、アルミナに付けたニッケル、ラネーニッケル、ルテニウムブラック、炭素に付けたルテニウム、炭素に付けた水酸化パラジウム、酸化パラジウム、酸化白金、ロジウムブラック、炭素に付けたロジウム及びアルミナに付けたロジウムから成るグループから選択される請求項38に記載の方法。
【請求項44】
L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニンl−メチルエステルに対する乾燥基準の触媒の重量比が、約0.01:1から約0.25:1の範囲である請求項38に記載の方法。
【請求項45】
溶媒が、エタノール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、イソプロパノール、メタノール、イソブチルメチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、トルエン、ジメチルホルムアミド、水及びそれらの混合物から成るグルーブから選択される請求項38に記載の方法。
【請求項46】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な温度が、約20℃から約60℃である請求項38に記載の方法。
【請求項47】
N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステルが生成するために十分な時間が、約1時間から約24時間である請求項38に記載の方法。
【請求項48】
水素の圧力が、約5psiから約100psiである請求項38に記載の方法。
【請求項49】
その場で生成された3,3−ジメチルブチルアルデヒドを含有している溶媒を約3から約7の範囲のpHとなるように中和する段階を更に含む請求項38に記載の方法。

【公開番号】特開2011−26323(P2011−26323A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−181289(P2010−181289)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【分割の表示】特願2006−532539(P2006−532539)の分割
【原出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願人】(505410564)ニユートラスウイート・カンパニー (2)
【Fターム(参考)】