説明

4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物及びその製造法。

【課題】1.64を超える高い屈折率を有するとともに、耐光性に優れ、かつ、蛍光の問題が無いモノマーを提供する。
【解決手段】式(1)で示されるジアルコキシ−ビナフタレン−ジ(メタ)アクリレート


1、R2は、水素原子又はメチル基、R3、R4は、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基、X1、X2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリレート化合物に関し、特に、高屈折率を有するプラスチック材料の原料モノマーとして有用な、2,2’−ビナフタレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光学分野においてガラス代替材料としてプラスチック材料が盛んに用いられている。例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等がよく知られている。これらのプラスチック材料は、軽量性、安全性、意匠性を有している反面、屈折率の面では無機ガラスより低く、分厚くなりやすいという欠点がある。そこで、近年、高屈折率を有するプラスチック材料に対する要望が高くなってきている。特に、高屈折率プラスチック材料の光学用物品への進出は著しく、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク、ホログラム、光ファイバー、光道波路等への検討が盛んに行われている。
【0003】
プラスチック材料の屈折率とその原料となるモノマーの屈折率とは正の相関関係にあり、高屈折率のプラスチック材料を得るためにはプラスチック材料を構成するモノマーが高屈折率であることが必要である。
【0004】
モノマーの屈折率を高くする方法としては、分子構造中にハロゲン原子(フッ素を除く)や硫黄原子、さらには芳香環を導入することが既に広く知られている。例えば、ハロゲン原子の有する高い固有屈折率を利用し、ビフェニル環にハロゲン原子を導入した高屈折率重合体が報告されている(特許文献1)。しかし、ハロゲン化することによって、得られた重合体の耐光性が著しく劣化し、また、高比重であるという欠点があった。また、ハロゲン以外に高い固有屈折率を有する硫黄原子を有する単量体組成物も報告されている(特許文献2)。しかし、硫黄原子を有するモノマー組成物は高い屈折率、優れた耐衝撃性を有するものの、同様に得られた重合体の耐光性が著しく劣り、また、硫黄特有の不快臭を発する等の問題があった。さらに、硫黄原子を有するモノマー組成物を用いたプラスチックが廃棄物として処理されるとき、有害なガスや硫黄化合物を生じることが懸念される。
【0005】
一方、モノマーの屈折率を高くする方法として、分子構造中に芳香環として従来からベンゼン環、ビフェニル環を導入することが知られている。これらベンゼン環、ビフェニル環を有するプラスチック材料は、軽く透明性に優れ、比較的高い高屈折率材料となる(特許文献3等)。しかし、ベンゼン環やビフェニル環を導入した場合であっても、ハロゲン原子や硫黄原子を含まない化合物ではモノマーの屈折率として1.60を超えるものを得ることは困難であった。
【0006】
また、ベンゼン環、ビフェニル環ではなく、フルオレン環、ナフタレン環の導入も試みられている(特許文献 4、5、6)。しかし、フルオレン環、ナフタレン環を導入した場合であっても、ハロゲン原子や硫黄原子を含まない化合物ではモノマーの屈折率として1.62を超えるものを得ることは困難であった。
【0007】
さらに、ナフタレン環以上の高い屈折率を得るため、アントラセン環の導入も検討されている(特許文献7)。この場合、屈折率として1.64を超えるモノマーを得ることができるが、アントラセン環が蛍光を発するため、光学材料分野での適用は困難であった。
【0008】
【特許文献1】特開平05−170702号公報
【特許文献2】特開2002−20433号公報
【特許文献3】特開2003−064296号公報
【特許文献4】特開2004−083855号公報
【特許文献5】特開2006−312709号公報
【特許文献6】特開2008−081682号公報
【特許文献7】特開2008−088132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、1.64を超える屈折率を有するとともに、耐光性に優れ、かつ、蛍光の問題が無いモノマーの開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、かかる状況に鑑み、これらの欠点を排除した技術を提供すべく多環芳香族化合物の構造と屈折率の関係につき、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明の目的は次のとおりである。
【0011】
第一の発明の要旨は、一般式(1)で示される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物を提供する。
【化1】

【0012】
一般式(1)中、R1及びR2は同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていても良く、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基を示し、X1及びX2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
【0013】
第二の発明の要旨は、一般式(2)で示される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物を(メタ)アクリロイル化することを特徴とする、発明1記載の4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物の製造法を提供する。
【化2】

【0014】
一般式(2)中、R3及びR4は同一であっても異なっていても良く、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基を示し、X1及びX2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
【0015】
本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリル表す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物は新規な化合物であり、1.64を超える高い屈折率を有するプラスチック材料の原料モノマーとして工業的に有用な化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物は、一般式(1)に記載の構造を有する化合物である。
【化3】

【0018】
一般式(1)中、R1及びR2は同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていても良く、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基を示し、X1及びX2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
【0019】
一般式(1)において、R3及びR4で表される酸素原子を含んでいても良いアルキル基としては、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等が挙げられる。酸素原子を含んでいても良いアラルキル基としては、炭素数7〜9のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基又は2−フェノキシエチル基等が挙げられる。
【0020】
一般式(1)において、X1及びX2で表されるアルキル基としては、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜9のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としてはフェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ等が挙げられる。アルキルチオ基としては、炭素数1〜9のアルキルチオ基が好ましく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。アリールチオ基としてはフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。なお、X1及びX2は同一であっても異なっていても良い。
【0021】
一般式(1)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物として、X1及びX2が水素原子である場合、例えば、次の化合物が挙げられる。すなわち、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−メトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−メトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−メトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−メトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−エトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−エトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−エトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−エトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−エトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−エトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−ブトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−ブトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4−ブトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−ブトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート、7、7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1−アクリレート−1’−メタクリレート等である。
【0022】
また、X1が水素原子でありX2がアルキル基である場合、又は、X1がアルキル基でありX2が水素原子である場合、例えば、次の化合物が挙げられる。すなわち、7−メチル−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0023】
また、X1及びX2がアルキル基である場合、例えば、次の化合物が挙げられる。すなわち、7,7’−ジメチル−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4−メトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメチル−4−メトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0024】
また、X1及びX2がハロゲン原子である場合、例えば、次の化合物が挙げられる。すなわち、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジクロロ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0025】
また、X1及びX2がアルコキシ基である場合、例えば次の化合物が挙げられる。すなわち、4,4’, 7,7’−テトラメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’, 7,7’−テトラメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−エトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−プロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−ブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,7,7’−トリメトキシ−4’−(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0026】
また、X1が水素原子でありX2がアルコキシ基である場合、又は、X1がアルコキシ基でありX2が水素原子である場合、例えば、次の化合物が挙げられる。すなわち、4,4’,7−トリメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’,7−トリメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジメトキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メトキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0027】
また、X1がアルキル基であり、かつX2がアルコキシ基である場合、又は、X1がアルコキシ基であり、かつX2がアルキル基である場合例えば次の化合物が挙げられる。すなわち、7−メチル−4,4’,7’−トリメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−4,4’,7’−トリメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジブトキシ−−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7‘−メトキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7−メチル−7’−メトキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0028】
また、X1及びX2がアリールオキシ基である場合、例えば次の化合物が挙げられる。すなわち、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ジフェノキシ−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0029】
また、X1及びX2がアルキルチオ基である場合、例えば次の化合物が挙げられる。すなわち、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(メチルチオ)−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0030】
また、X1及びX2がアリールチオ基である場合、例えば次の化合物が挙げられる。すなわち、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジ(i−プロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジ(i−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(2−メトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジベンジルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ジフェネチルオキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート、7,7’−ビス(フェニルチオ)−4,4’−ビス(2−フェノキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレート等である。
【0031】
本発明の一般式(1)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物の中でも特に、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレート及び4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレートは合成が容易で、かつ、屈折率が高く好ましい。
【0032】
(製造法)
本発明の一般式(1)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物は、4−アルコキシ−1−ナフトール化合物を分子状酸素の存在下、触媒として金属水酸化物又は金属酸化物、溶媒に極性溶媒を使用して酸化的二量化することにより一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物を得た後、このものと塩基の存在又は非存在下、(メタ)アクリロイル化することによって得ることができる。
【化4】

【0033】
一般式(2)中、R3及びR4は、同一であっても異なっていても良く、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基を示し、X1及びX2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す。
【0034】
一般式(2)における置換基の例は、本発明の一般式(1)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物の置換基の例と同様である。
【0035】
一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物は、相当する4−アルコキシ−1−ナフトール化合物を分子状酸素の存在下、触媒として金属水酸化物又は金属酸化物、溶媒に極性溶媒を使用して酸化的二量化することにより得られる。
【0036】
使用する触媒としては、金属水酸化物又は金属酸化物を使用する。これらの具体例として、例えば水酸化バリウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、水酸化セリウム、酸化バリウム、酸化第二セリウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等が挙げられる。これら金属水酸化物又は金属酸化物は単独で使用しても二種以上を併用してもよい。これらの金属水酸化物又は金属酸化物のうち、反応を促進させる効果が大きく、工業的にも入手し易いことから考慮して、触媒としては水酸化バリウムもしくは酸化第二セリウムを使用することが好ましい。また、これらの金属塩は水和物であっても無水物であってもよい。
【0037】
触媒の使用量は、4−アルコキシ−1−ナフトール化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量%から10重量%、より好ましくは0.3重量%から3重量%の範囲である。0.1重量%以下であると、反応に時間がかかり好ましくない、また、10%重量以上であると、触媒が溶媒に溶けずに析出してしまい、後工程において、目的物に触媒が混入するおそれがあり、目的物の純度を低下させるため、好ましくない。
【0038】
一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物は、分子状酸素の存在下で酸化的二量化することにより得られる。分子状酸素としては、大気中の空気をそのまま使用してもよく、脱湿した空気や酸素を不活性ガスで希釈したものを使用してもよい。空気等の圧力は大気圧もしくは加圧下で反応することができる。好ましくは大気圧から5気圧程度である。酸化的二量化反応は分子状酸素と原料溶液との気液反応であるので、分子状酸素と原料溶液との接触面積が大きいほど反応時間を短縮でき、好都合であるが、通常の攪拌操作においても十分酸化的二量化反応を行わせることができる。
【0039】
酸化的二量化における反応温度は、0℃以上80℃未満範囲、好ましくは20℃以上80℃未満の範囲である。0℃より低い温度では、反応が遅くなり、一方80℃以上では、原料溶液中の溶存酸素量が少なくなるため、同様に反応が遅くなり好ましくない。
【0040】
溶媒としては、極性溶媒を使用することができる。極性溶媒の種類としては、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒、水溶性のエーテル系溶媒が使用可能である。その中でも、特にアルコール系溶媒、ニトリル系溶媒が好ましい。アルコール系溶媒としては例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−エチルヘキシルアルコール等が好適に使用することができる。特にメチルアルコール、エチルアルコールは低沸点で蒸発させやすい等、後処理が容易なため好ましい。また、ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ペンタンニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル等が挙げられるが、後処理の簡便さ等を考慮すれば、アセトニトリル、プロピオニトリルが好ましい。
【0041】
溶媒の使用量は、一般的には原料である4−アルコキシ−1−ナフトール化合物を溶解し得る量を使用するが、反応後の後処理の方法によって適宜溶媒の使用量を調整することができる。具体的には、4−アルコキシ−1−ナフトール化合物の濃度が1重量%から25重量%程度の範囲になる量を使用する。また、これら極性溶媒100重量部に対して、20から30重量部の水を添加することにより、生成する4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物の結晶析出を促進する効果があるのでさらに好ましい。
【0042】
このようにして得られた4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物は析出した結晶を濾過、乾燥をすることにより得られる。
【0043】
次に、一般式(1)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物は、一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物を塩基の存在下、(メタ)アクリロイル化剤を用いて(メタ)アクリロイル化させることにより得ることができる。
【0044】
(メタ)アクリロイル化剤としては、ハロゲン化(メタ)アクリロイルが好適に用いられる。ハロゲン原子が塩素原子の場合は、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルとなり、ハロゲン原子が臭素原子である場合は、臭化アクリロイル又は臭化メタクリロイルとなる。
【0045】
ハロゲン化(メタ)アクリロイルの使用量は一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物1モルに対して、通常2モル倍以上3モル倍未満、好ましくは2.2モル倍以上2.4モル倍未満である。2モル倍より少ない場合は、原料の4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物が未反応のまま残ってしまい、一方、3モル倍以上の場合は、ハロゲン化(メタ)アクリロイルが一部重合して生成物の純度が低下してしまい、いずれも好ましくない。
【0046】
一般式(1)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物の製造において、(メタ)アクリロイル化剤とともに、通常塩基を使用する。使用することができる塩基としては、例えば、ピリジン、γ−ピコリン、β−ピコリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。
【0047】
塩基の使用量は、一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物1モルに対して、2モル倍以上3モル倍未満、好ましくは2.2モル倍以上2.4モル倍未満である。2モル倍より少ない場合は、原料の4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物が未反応のまま残り、一方、3モル倍以上の場合は、塩基が残存して得られる4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物が結晶化し難くなり、いずれも好ましくない。
【0048】
一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物の(メタ)アクリロイル化反応は、通常溶媒中で行う。使用することができる溶媒としては、ハロゲン化(メタ)アクリロイルと反応しなければ特に種類を選ばない。使用に好適な溶媒としては、ベンゼン、クロルベンゼン、トルエン、t−ブチルベンゼン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
【0049】
一般式(2)で表される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物の(メタ)アクリロイル化反応の反応温度は、0℃以上80℃未満、好ましくは10℃以上20℃未満である。0℃より低いと反応速度が遅く、一方、80℃以上では副反応が進行してしまい、反応収率が低くなり、いずれも好ましくない。(メタ)アクリロイル化反応に要する時間は、反応温度にもよるが、通常15分から60分程度である。
【0050】
(メタ)アクリロイル化反応後、晶析、濾過、及び再結晶等の操作により、本発明の一般式(1)で示される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
【実施例】
【0051】
以下に、実施例により本発明の具体的態様をさらに説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0052】
(合成例)
4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成
4−メトキシ−1−ナフトール10g(57ミリモル)を500mlナスフラスコに入れ、メタノール150ml、水30mlを加え、溶解させた。これに水酸化バリウム200mgを加え、空気中で20時間攪拌した。その後、析出した結晶を吸引濾過し、淡いピンク色の針状結晶8.5g(24.6ミリモル)を得た。原料4−メトキシ−1−ナフトールに対する収率は85モル%であった。
【0053】
(実施例1)4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレートの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコに、窒素雰囲気下、塩化メチレン15m1を仕込み、次いで4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール1.04g(2.9ミリモル)と塩化アクリロイル0.72g(8.0ミリモル)を加え、スラリーとした。氷水で該スラリーを冷やしながら、トリエチルアミン0.71g(7.0ミリモル)の塩化メチレン3ml溶液を加えた。0℃で1時間攪拌したのち、水8ml加え、無機塩の析出物を溶解させた。その後、8mlの水で塩化メチレン層を2回水洗いし、次いで塩化メチレン溶液を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。一晩放置後、塩化メチレン層にメタノール20ml加え、ゆっくりロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した。生じた沈殿を吸引濾過・乾燥し、薄黄色の粉末0.91g(2.0ミリモル)を得た。以下の機器を用いた測定結果から、このものが4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレートであることを確認した。原料4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールに対する収率は69モル%であった。
【0054】
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
【0055】
(2)屈折率:アッベ屈折率計:エルマー社製、形式ER−7MW−H
【0056】
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
【0057】
(4)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
【0058】
得られた4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジアクリレートの物性は以下の通りである。
【0059】
(1)融点: 159−161℃
(2)屈折率: nD=1.654
(3)IR(KBr、cm−1):3060,2950,1737,1624,1586,1500,1458,1402,1360,1232,1210,1140,1100,1045,978,792,760
(4)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ3.96(s,6H).5.88(d,J=8Hz,2H),6.24(dd,J1=17Hz,J2=8Hz,2H),6.51(d,J=17Hz,2H),6.82(s,2H),7.50−7.60(m,4H),7.68−7.75(m,2H),8.26−8.34(m,2H)
【0060】
(実施例2)4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレートの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコに、窒素雰囲気下、塩化メチレン15m1を仕込み、ついで4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール1.38g(3.9ミリモル)と塩化メタクリロイル1.05g(10.0ミリモル)を加え、スラリーとした。該スラリーを氷水で冷やしながら、トリエチルアミン0.88g(10ミリモル)の塩化メチレン3ml溶液を加えた。0℃で1時間攪拌したのち、水5ml加え向き塩の析出物を溶解させた。その後、5mlの水で2回塩化メチレン層を水洗いし、次いで塩化メチレン溶液を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。一晩後、塩化メチレン層にメタノール20ml加え、ゆっくりロータリーエバポレーターにて溶媒を留去した。生じた沈殿を吸引濾過・乾燥し、薄黄色の粉末を0.90g(1.9ミリモル)得た。実施例1と同様に、測定し、薄黄色の粉末が4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレートであることを確認した。原料4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールに対する収率は48モル%であった。
【0061】
得られた4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジメタクリレートの物性は以下の通りである。
【0062】
(1)融点: 148−149℃
(2)屈折率: nD=1.644
(3)IR(KBr、cm−1):3060,2950,1730,1628,1590,1500,1450,1400,1365,1308,1290,1260,1120,760
(4)1H−NMR(400MHz、CDCl3):δ1.89(s,6H),3.97(s,6H).5.57(s,2H),6.22(s,2H),6.86(s,2H),7.50−7.61(m,4H),7.70−7.77(m,2H),8.25−8.34(m,2H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物。
【化1】

(一般式(1)中、R1及びR2は同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を示し、R3及びR4は同一であっても異なっていても良く、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基を示し、X1及びX2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す)。
【請求項2】
下記一般式(2)で示される4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール化合物を(メタ)アクリロイル化することを特徴とする、請求項1記載の4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジ(メタ)アクリレート化合物の製造法。
【化2】

(一般式(2)中、R3及びR4は同一であっても異なっていても良く、酸素原子を含んでいても良いアルキル基又はアラルキル基を示し、X1及びX2は同一であっても異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基のいずれかを示す)。

【公開番号】特開2011−256119(P2011−256119A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129893(P2010−129893)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000199795)川崎化成工業株式会社 (133)
【Fターム(参考)】