説明

60%以上のシス−ジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの製造方法

【課題】PVC樹脂に対して優れた可塑化特性を示すシス(cis)構造60%以上を有するジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法を提供する。
【解決手段】フタレートまたはテレフタレート系芳香族エステル誘導体を使用せず、ジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを炭素数4〜20の第1級アルコールとのエステル交換に供することにより、60%以上のシス構造を有するジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法であって、前記方法はエステル交換反応により生成される副生成物のメタノールの除去及び第1級アルコールの再投入過程を含むことを特徴とし、前記方法で製造されるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、シス(cis)構造60%以上を含んでおり、PVC樹脂に対する優れた可塑化効率、速い吸収速度、固形化後の高い製品透明度、及び長期間使用しても製品表面への浸出の発生が少ない点など、プラスチック可塑剤として優れた特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明者は、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂の可塑剤としてシス構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを用いて可塑剤としての物性評価を実施した結果、PVC樹脂に対して優れた可塑化特性を有することを見出した。具体的に、ジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートがシス(cis)及びトランス(trans)の比率に応じてプラスチック可塑剤の性能が異なることを見出し、特に、60%以上のシス構造を有する場合、可塑化効果が非常に向上することが分かった。
【0002】
しかし、シス構造を商業的な規模で供給したり、または購買したりすることができないため、60%のシス構造を有するジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法に関して研究した結果、副反応がなく、優れた収率で安定して60%以上のシス構造を有する商業的に供給できる製造方法を考案し、本発明を完成した。
【0003】
したがって、本発明は、PVC樹脂に対して優れた可塑化特性を示すシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法に関する。
【0004】
また、本発明は、副反応を最小化して高純度及び高収率のシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法に関する。
【0005】
具体的に、本発明は、反応器内の触媒存在下で、出発物質としてフタレートまたはテレフタレート系誘導体のような芳香族化合物を使用せず、特定の立体構造を有するジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを高級アルコール(C4−C20)とトランスエステル化して特定の立体構造をそのまま維持しながらも、反応時に副反応がなく、高純度の高級アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法を提供する。
【0006】
さらに具体的には、本発明は、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを出発物質として使用して炭素数4〜20の第1級アルコールから選択される1つ以上のアルコール成分とのエステル交換反応により、副反応がなく、高純度のシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法を提供する。
【背景技術】
【0007】
フタレート系可塑剤、例えばジブチル、ジオクチル、またはジイソノニルフタレートは、PVCのようなプラスチックの可塑剤として主に使用されてきた。しかし、最近、これが健康に有害なものであると知られ、玩具類などの製品へのフタレート系可塑剤の使用に対する批判が相次いでいる。また、一部の国家ではその使用が禁止されている。しかも、長期間の動物実験に対する研究の結果、フタレートがマウス及びラットにおける肝腫瘍の原因となるペルオキシソームの増殖を起こすことが明らかになって、人体及び環境に対して安全な代替可塑剤が求められている。
【0008】
それに対する代案としては、ジアルキル(C6〜C12)シクロヘキサノエート(cyclohexanoate)系可塑剤が環境に優しく、毒性に対する安全性が高いと評価されている。その製造方法として、フタレート(Phthalate)系可塑剤またはテレフタレート(terephthalate)系可塑剤を製造した後、可塑剤を構成するベンゼン環に水素を添加してシクロヘキサン(cyclohexane)構造に変換することにより、シクロヘキサノエート可塑剤を製造する方法が知られている。しかし、この方法は、分子量の大きい炭素数6〜12のアルキル基を有するテレフタレート系可塑剤を予め製造した後、直接水素を添加してシクロヘキサノエート系可塑剤を製造することになるため、水素添加反応において分子量が大きく、長鎖の芳香族物質を用いるため、体積問題などが発生してベンゼン構造の水素添加が妨げられて水素添加反応(hydrogenation)が難しくなり、反応溶液の粘度が高いため、水素添加反応がさらに困難になる。したがって、このような水添反応の問題を解決するために、より苛酷な反応条件が要求されるが、反応過程で長炭素鎖の切断やエステル基の分解、還元反応などによる副反応が増加して製品の純度が悪くなる。また、生成されたシクロヘキサノエートのシス及びトランス形態の異性体を調節できなくなり、本発明で目的とする60%以上のシス形態を有するシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを選択的に製造し難いという問題がある。
【0009】
大韓民国登録特許第10−0635396号では、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジカルボン酸誘導体のプラスチック可塑剤としての用途を提示しており、イソフタレートとテレフタレートの水素化により製造された物質及びその製造方法を開示しているが、テレフタレートを対象とする水添反応を記載しているため、上述した問題点をそのまま抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、従来技術である、高温及び高圧下でジアルキルテレフタレートを水素化する工程を採択せず、常圧下で60%以上のシス(cis)形態を有するジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートとC4−C20の第1級アルコール(alcohol)から選択される1つ以上のアルコール成分(alcohols)を反応させることにより、60%以上のシス(cis)形態を有するジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを、副反応が生じることなく、高純度で簡単に製造できる方法を研究して本発明を完成した。
【0011】
したがって、本発明は、PVC樹脂に対して優れた可塑化特性を示すシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを、副反応を抑制しながら製造する新たな方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、シクロヘキサン構造を有するジ(C4−C20)アルキルエステル化合物を製造するために、反応器内の触媒存在下で、下記反応式1で記載した通り、出発物質としてフタレートまたはテレフタレート系誘導体の代りに、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを用いて、炭素数4〜20の第1級アルコール(alcohol)から選択される1つ以上のアルコール成分(alcohols)とのエステル交換反応により、シス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造する方法に関する。
【0013】
また、本発明は、前記製造工程で生成される副生成物のメタノールを、反応器の上部に備えた凝縮器により凝縮・除去し、前記反応器と凝縮器との間に備えた別途の凝縮器により、一部が蒸発されたC4〜C20の高級第1級アルコール成分を凝縮させて反応器内に再投入するステップをさらに有することを特徴とする。また、凝縮器の代りに精製塔を用いてもよい。反応器の上部に還流比0.1〜20の比率で運転される精製塔(別途の熱源供給装置を含んでもよく、含まなくてもよい)を備え、メタノールを第1級アルコールから分離して上部で除去し、下部では精製された第1級アルコールを回収して反応器に再投入することを含むことができる。
【0014】
前記副反応のメタノールを上部の凝縮器で除去し、反応物の高級第1級アルコール成分を上部の凝縮器と反応器との間で凝縮して反応器に再投入しない場合、反応の純度が低下するため、本発明が目的とする高純度のジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造できなくなり、これを精製するための費用が増加する短所がある。
【0015】
[反応式1]
【0016】
【化1】

【0017】
本発明で出発物質として用いられる、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、ベンゼン環に水素が添加されている状態であって、追加の水素化反応が不要であるという長所がある。前記シス構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、好ましくは60〜90%のシス構造を有し、より好ましくは70〜90%のシス構造を有する。
【0018】
前記シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート及び炭素数4〜20の第1級アルコールの成分は、1:2〜1:4のモル比で使われ、使用含量が前記範囲を外れる場合、エステル交換反応中に第1級アルコールが蒸発して未反応のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートが残存するか、反応の終了後、未反応の第1級アルコールの量が過量になって除去時間が長くかかる短所がある。
【0019】
前記炭素数4〜20の第1級アルコール成分は、炭素数4〜20の飽和炭化水素で構成されたもので、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソヘプチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、イソデシルアルコール、2−プロピルヘプチルアルコール、またはこれらの混合物などがあり、これに限定されることはない。
【0020】
本発明に用いられる触媒は、エステル交換反応を円滑に行うために添加され、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートに対して0.01〜1.0重量%で用いられ、より好ましくは0.05〜0.5重量%で用いられる。使用含量が0.01重量%未満であれば、反応が容易に行われず、1.0重量%を超えると、触媒量により反応速度及び収率が比例して増加しないため、非経済的である。
【0021】
前記触媒はエステル交換反応を促進させる触媒であって、テトラ(C3−C10)アルキルチタネート及びそのポリマーなどの有機金属、乳酸アルミニウム、フッ化リチウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化鉄、リン酸アルミニウム、炭酸カリウムなどの金属塩、ヘテロポリ酸などの金属酸化物、天然/合成ゼオライト、陽イオン及び陰イオン交換樹脂、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、アルキル硫酸などの酸触媒などがあるが、その中でもテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される何れか1つ以上を用いることが好ましい。
【0022】
本発明のエステル交換反応は、140〜220℃で2〜6時間行われる。反応が開始すると、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、添加された所定の第1級アルコールとのエステル交換反応が行われ、この時、第1級アルコールと交換された副生成物のメタノールが生成される。生成されるメタノールは、蒸留により反応器から連続分離することにより、反応が安定して行われる。メタノールは、反応器の温度により蒸発されるが、この時、メタノールと第1級アルコールは両方とも蒸発されるため、蒸発された第1級アルコールはメタノールから分離して反応器内に再投入しなければならない。メタノールと混合蒸留される第1級アルコールを連続分離して反応器に再投入することにより、反応器内で反応に必要とする第1級アルコールの含量を維持でき、反応の純度を維持することができる。
【0023】
本発明のエステル交換反応により生成される副生成物のメタノールを除去し、一部が蒸発された第1級アルコールを反応器内に再投入するために、反応器の上部に備えた凝縮器によりメタノールを凝縮・除去し、前記反応器と凝縮器との間に備えた別途の凝縮器により、一部が蒸発された第1級アルコール(alcohols)を凝縮させて反応器内に再投入する。また、前記凝縮器の代りに前記精製塔を用いてもよいが、精製塔は反応器の上部に還流比0.1〜20の比率で運転される精製カラム(別途の熱源供給装置を含んでもよく、含まなくてもよい)を備え、第1級アルコールから分離したメタノールは上部で除去し、下部では精製された第1級アルコールを回収して反応器に再投入する。
【0024】
本発明のエステル交換反応に用いられる反応器としては、回分式反応器、混合流れ反応器、管型反応器などがあり、これに制限されることはない。
【0025】
本発明によるシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの製造工程を図1に示す。図1を参照すると、エステル交換反応が行われる反応器(1)内で蒸発される反応副産物(6)のメタノールと一部が蒸発された第1級アルコールは、適正温度で調節された凝縮器(2)により凝縮して相分離し、液相に分離した第1級アルコール(7)は反応器に再投入してエステル交換反応に使用し、気体状態のメタノール(8)は第2凝縮器(3)に送って液相に凝縮して分離する。凝縮器(2)の代わりに、より高いメタノール分離効率を得るために、精製塔を適用する場合には還流比0.1〜20の比率で運転される精製塔(別途の熱源供給装置を含んでも、含まなくてもよい。)を備え、第1級アルコールとメタノールを分離する。メタノールは上部で分離し、第2凝縮器(3)に送って液相に凝縮し、一部は精製塔に還流し、一部は分離する。精製塔の下部では、精製された第1級アルコールを回収して反応器に再投入する。
【0026】
メタノールの沸点は64.6℃であり、反応に用いられた第1級アルコール、例えば、2−エチルヘキシルアルコール183℃、イソノニルアルコール203℃など、温度の差は大きいが、反応温度範囲の140〜220℃でメタノールと共に一部が蒸発される。第1級アルコールが蒸発されると、反応器内の反応成分比が激しく変化して適正な反応を維持できなくなるため、蒸発される第1級アルコールを分離して反応器に再投入(7)しなければならない。これを効果的に行うために、反応器の上部に2つの凝縮器を設置するが、反応器の上部に第1凝縮器を備え、第1凝縮器を通過した上部の気体を凝縮するために第2凝縮器を備える。前記第1凝縮器は第1級アルコールを凝縮して分離した後に反応器に再投入し、第2凝縮器はメタノールを凝縮して液相に処理して分離する。第1級アルコールを凝縮する第1凝縮器は、メタノールの沸点より高く、第1級アルコールの沸点より低い70〜180℃の温度範囲を有し、90〜150℃がさらに適正な温度範囲である。第2凝縮器は、第1凝縮器を通過した気体状態のメタノールを全量凝縮しなければならないため、メタノールの沸点より低い60℃以下が要求され、40℃以下がさらに適正である。
【0027】
前記エステル交換反応が2〜6時間行われると、メタノールの追加発生のない反応終了点に到達することになる。反応が終了すると、反応溶液には所望のシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの他、未反応の第1級アルコールと触媒が残留するため、これを除去するための後処理を実施する。
【0028】
以下、後処理段階に対して説明する。
後処理は触媒の分解、未反応の第1級アルコールの除去及び不純物の濾過処理に分けられる。前記エステル交換反応が完了した後、残存する触媒、例えばチタネート系触媒は、水に接触すると、酸化チタンと飽和炭化水素(プロパン、ブタンなど)に分解されるため、少量の水またはスチームを反応液に加えて触媒を分解する。
【0029】
触媒が完全に分解されると、反応器内の反応液の温度を200℃以上に上げて未反応の第1級アルコールを減圧(4)して完全に除去する。未反応の第1級アルコールが除去された反応液(10)には、浮遊不純物を除去するための吸着剤を投入し、また、反応過程で発生するおそれのある酸性不純物を除去するために、アルカリ系吸着剤を共に投入して攪拌した後、濾過・精製された高純度のシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートが得られる。
【0030】
前記アルカリ系吸着剤は、MgO/Cl/SO、MgO/SiO/Cl/SO、MgO/Al/SiO/Cl/SO、MgO/Al/SiO/CO/Cl/SO及びこれらの水和物からなる群から選択される1種以上を用いることができる。アルカリ系吸着剤を用いることにより、出発物質として投入されたシス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートに含まれた酸性不純物が反応後にも残留するが、これを除去でき、反応生成物のシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートが、触媒を分解するために投入された水またはスチームにより加水分解されて生成された酸性物質のカルボン酸などを吸着して除去することができる。
【0031】
また、前記エステル交換反応中に水分に接触すると、酸性不純物が生成されるため、後処理過程で酸性不純物を除去しなければならない。スチームを用いて反応器の清掃を実施して水分を除去した後、出発物質のシス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、触媒、及び第1級アルコールを投入して反応を実施する場合、水分を除去しても微量の水分が反応器に残って原料及び反応生成物の加水分解を引き起こして酸価を高めるため、アルカリ系吸着剤を用いて原料そのもの、反応及び後処理過程で発生する酸性不純物を除去しなければならない。
【0032】
本発明による製造方法で製造されたシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、ジ(ノルマルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソブチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソデシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、またはジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートなどがあり、前記ジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートはシス(cis)構造60%以上を含有しており、好ましくは60〜90%のシス構造を有し、さらに好ましくは70〜90%のシス構造を有する。
【0033】
【化2】

【発明の効果】
【0034】
本発明の製造方法で製造されたシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、PVC樹脂に対する可塑化効率が非常に優れ、PVC樹脂に対する可塑剤の速い吸収速度、固形化(Gelling)後の製品の優れた透明度、長期間使用しても表面への浸出の発生が少ない点など、可塑剤として優れた特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】エステル交換反応の工程図である。
【図2】エステル交換反応の温度変化グラフである(a:反応液の温度(図1の1)、b:第1凝縮器の温度(図1の2)、c:第2凝縮器の流入ガス温度(図1の8))。
【図3】実施例2、比較例2における生成物のシス及びトランス(cis、trans)比率によるGC分析結果グラフである((a)シス含量81%のDMCDを用いて製造された1,4−DEHCH、(b)トランス含量97%のDMCDを用いて製造された1,4−DEHCH)。
【図4】実施例4−6、比較例4−6において、80℃で10日間の静置後、シート表面の変化を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明を理解するために好ましい実施例及び実験例を提示する。しかし、下記の実施例及び実験例は、本発明をより容易に理解するために提供されたもので、下記実施例により本発明の内容が限定されることはない。
【実施例1】
【0037】
ジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(di(isononyl)cyclohexane−1,4−dicarboxylate、1,4−DINCH)の製造
攪拌器と凝縮器を備えた2.5Lの反応器に、イソノニルアルコール8.1molと、シス(cis)比率81.8%のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(SKNJC社製、DMCD)3.0molと、触媒のテトライソプロピルチタネート0.85gを投入した後、185℃まで昇温して6時間にかけて窒素雰囲気下でエステル交換反応を行った。反応の副産物として発生するメタノールは反応器の内部で蒸発され、凝縮器を介して液相に捕集されて除去された。
【0038】
反応は、昇温して185℃に到達すると、エステル交換反応が始まり、エステル交換反応により副産物のメタノールが発生し、第1凝縮器の温度及び第2凝縮器の入口温度が急激に上昇した[図2]。メタノールが凝縮器に投入・除去される時のイソノニルアルコールの損失を減らすために、第1凝縮器の入口温度は150℃以下に調節し、第2凝縮器の入口温度は100℃以下に調節した。
【0039】
反応副産物のメタノールの除去と外気の流入を遮断するために窒素を反応物中に注入したが、反応開始後2時間にかけて0.4L/分注入し、2時間後には0.8L/分注入して反応を向上させた。
【0040】
反応の完了後、反応溶液を4.0Lの反応器(4)に搬送し、80℃に冷却した後、脱イオン水45gを投入し、5分間強く攪拌し、触媒のテトライソプロピルチタネートを分解させ、活性炭0.45g、アルカリ系吸着剤(Kyowaad−600、協和ケミカル社製)0.90gをさらに投入して5分間攪拌した。その後、200℃で真空ポンプで減圧して未反応のイソノニルアルコールを除去した。反応物を120℃に冷却して濾過することにより、シス比率81%のジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを99.2%純度で得た。
【実施例2】
【0041】
ジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(di(2−ethylhexyl)cyclohexane−1,4−dicarboxylate、1,4−DEHCH)の製造
攪拌器と凝縮器を備えた2.5Lの反応器に、2−エチルヘキシルアルコール8.1molと、シス比率81.8%、トランス比率18.2%のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(SKNJC社製、DMCD)3.0molと、触媒のテトライソプロピルチタネート0.85gを投入した後、180℃まで昇温して実施例1と同一の方法で純度99.3%のジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(シス比率81%)を得た。
【実施例3】
【0042】
ジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(di(2−propylheptyl)cyclohexane−1,4−dicarboxylate、1,4−DPHCH)の製造
攪拌器と凝縮器を備えた2.5Lの反応器に、2−プロピルヘプチルアルコール8.1molと、シス比率81.8%、トランス比率18.2%のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(SKNJC社製、DMCD)3.0molと、触媒のテトライソプロピルチタネート0.85gを用いて実施例1と同一の方法で純度99.3%のジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(シス比率81%)を得た。
【0043】
[比較例1]
ジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの製造
攪拌器と凝縮器を備えた2.5Lの反応器に、イソノニルアルコール8.1molと、シス比率1.7%、トランス比率98.3%のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(Eastman社製、DMCD)3.0molと、触媒のテトライソプロピルチタネート0.85gを用いて実施例1と同一の方法で純度99.7%のジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(シス比率3%、トランス比率97%)を得た。
【0044】
[比較例2]
ジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの製造
攪拌器と凝縮器を備えた2.5Lの反応器に、2−エチルヘキシルアルコール8.1molと、シス比率1.7%、トランス比率98.3%のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(Eastman社製、DMCD)3.0molと、触媒のテトライソプロピルチタネート0.85gを投入した後、180℃まで昇温して実施例1と同一の方法で純度99.8%のジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(シス比率3%、トランス比率97%)を得た。
【0045】
[比較例3]
ジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの製造
攪拌器と凝縮器を備えた2.5Lの反応器に、2−プロピルヘプチルアルコール8.1molと、シス比率1.7%、トランス比率98.3%のジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(Eastman社製、DMCD)3.0molと、触媒のテトライソプロピルチタネート0.85gを用いて実施例1と同一の方法で純度99.8%のジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート(シス比率3%、トランス比率97%)を得た。
【0046】
また、本発明により製造されたシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート誘導体のPVC樹脂に対する吸収速度が速いほど、PVCの原料混合に必要とする時間を短縮して生産速度の向上に効果的である。下記表1に示すように、実施例1〜3及び比較例1〜3のジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート誘導体のシス及びトランスの比率により、粘度及びPVC樹脂に対する吸収速度の差を示した。可塑剤の吸収速度は、PVC樹脂(P−1000、ハンファ石油化学社製)に対して可塑剤の吸収完了時間を比較測定した。試験機器はBrabender社のプラネタリーミキサー(Planetary mixer)を用い、先ず、80℃に維持されるミキサー内にP−1000樹脂400gを投入して攪拌し、樹脂温度を80℃まで均一に昇温する。次に、攪拌された樹脂に可塑剤50phrを投入すると、ミキサーブレード(Mixer Blade)に負荷が増加し、可塑剤の吸収が完了すると、パウダー(powder)の流れ性が増加して負荷は減少する。可塑剤の吸収速度は負荷が増加した時点から負荷が減少した時点までの時間を測定した。
【0047】
【表1】

【0048】
前記表1に示すように、シスの比率が高いほど粘度が低くなり、PVC樹脂に吸収される速度が速いことが分かり、本発明のシス含量が高い可塑剤が加工性やPVC樹脂に対する吸収速度が非常に優れた特性を有することが分かる。
【0049】
[実施例4〜6及び比較例4〜6]可塑剤としての性能比較(I)
本発明により製造されるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート誘導体のシス及びトランス比率による可塑剤としての性能を比較するために、下記表2のような構成成分及び配合比率でPVC配合物を混合し、160℃に維持されるミキシングロールで4分間均一に混錬して0.8mmのシートを成形した。成形されたシート3枚を積み重ねて鏡面を有するプレス(Press)成形機を用いて180℃の温度で10分間圧着して厚さ2mmの透明な軟質PVCシートを成形した。
【0050】
【表2】

【0051】
シート表面に流出される可塑剤の程度を比較するために、各可塑剤に対して前記配合で成形された透明シートを80℃で10日間静置し、シート表面の変化を顕微鏡で拡大して観察した。図4に示すように、第1級アルコールの炭素数がC8、C9、C10に増加するにつれて可塑剤が徐々にPVCから分離し、シート表面に可塑剤の流出による汚染が増加した。また、その流出の程度はシス比率の高いシート(実施例4、5及び6)に比して、トランス比率の高いシート(比較例4、5及び6)の流出程度が遥かに激しく、特に、炭素数の増加につれて程度の差はさらに深刻であった。
【0052】
すなわち、可塑剤を含む軟質PVC製品が長期間に亘って適正な物性と品質を維持するためには、多様な使用環境でも製品の変化と可塑剤の流出のない耐久性が要求され、このような特性にはシス比率の高い可塑剤がトランス比率の高い可塑剤に比して、より好適な可塑剤であることを確認した。
【0053】
また、前記実施例4〜6及び比較例4〜6のPVCシートのシス及びトランス比率によるシート表面の浸出変化を光透過度及びヘイズ(Haze)の差で確認することができた。光透過度及びヘイズはBYK Gardner社のヘーズ−ガードプラス(Haze−gard plus)を用いて測定した。
【0054】
上述したように製造された実施例4〜6及び比較例4〜6のPVCシートを80℃で10日間静置する前/後のシートの変化を光透過度及びヘイズにより測定した結果を下記表3に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
前記表3に示すように、シス比率が高いほど光透過度が高く、ヘイズが低い特性を有する。静置前の透明な丸シートの光透過はシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート誘導体の第1級アルコールの種類とシス/トランスの比率による差があまり大きくないため、91〜92%の光透過度を維持し、シートのヘイズも0.5〜2.9%の水準であった。反面、10日間静置した後の試料は、シス比率が高い場合(実施例4〜6)、光透過度が76〜84%に低下し、トランス比率が高い場合(比較例4〜6)は、72〜82%に低下したことを確認した。ヘイズ(Haze)の変化も光透過度と同一のパターンで低下したことが見られ、特に、比較例6の場合、5.17%のヘイズ(Haze)は可塑剤の激しい浸出により、シート表面に可塑剤の油膜が形成され、ヘイズ(Haze)が低下したからである。
【0057】
また、前記実施例4〜6及び比較例4〜6のPVCシートに対する軟度を硬度計で測定した。PVC樹脂に対する可塑剤の可塑化効果が良好であるほど、シートを軟らかくして硬度が低下する。シートに対する硬度をShore Aで測定して下記表4にその結果を示し、可塑剤として含まれているジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート誘導体において、シスの比率の高い誘導体(実施例4〜6)がトランスの比率の高い誘導体(比較例4〜6)に比して1.7〜4.5%程度、可塑化効果が高いことが分かった。可塑化効果が優れるほど、より少ない量を混合して同一の軟性が得られるため、効果的である。
【0058】
【表4】

【0059】
[実施例7〜9及び比較例7〜9]可塑剤としての性能比較(II)
本発明により製造されるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート誘導体及びこれら誘導体のシス及びトランス比率による可塑剤としての性能をペーストPVC(Paste PVC)樹脂に対して比較するために、下記表5のような構成成分及び配合比率で樹脂及び添加剤を計量したペーストPVC配合物を混合してペーストゾル(Sol)を製造し、ゾルの特性及びゲル化特性、発泡特性などを比較して表6に記載した。
【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
ペーストゾルの粘度は、シス(cis)の比率が高い可塑剤で製造したゾル(実施例7〜9)の粘度が、トランス(Trans)比率が高い可塑剤で製造したゾル(比較例7〜9)の粘度よりも低く、ペーストゾルの成形作業性、加工性などで有効な特性を有し、その他ゲル化特性や発泡性は同等な特性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明による製造方法は、水素添加工程が不要であるため経済的であり、エステル交換反応中に生成される副生成物が低沸点を有するメタノールで、簡単に除去できるため経済的であり、反応速度が速く、反応の完了後、未反応物を除去するために中和処理する必要がない。また、副反応が抑制され、高純度の生成物が得られる。また、後処理工程が単純で、不純物を吸着濾過することにより廃水が発生することがなく、環境に優しい。したがって、簡単な工程により大量生産が可能な高純度のシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造することができる。また、回収されたメタノールは、簡単な精製過程により、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートの製造または他の用途として再使用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器内の触媒存在下で、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを、炭素数4〜20の第1級アルコールから選択される1つ以上のアルコール成分とのエステル交換反応に供することにより、シス(cis)構造60%以上を有するジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを製造することを特徴とする方法。
【請求項2】
エステル交換反応により生成される副生成物のメタノールを反応器の上部に備えた凝縮器または精製塔で分離・除去し、前記反応器と凝縮器との間に備えた別途の凝縮器または精製塔により、一部が蒸発された第1級アルコールを凝縮させて反応器内に再投入することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート及び炭素数4〜20の第1級アルコール成分は1:2〜1:4のモル比で使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
触媒は、シス(cis)構造が60%以上であるジメチルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートに対して0.01〜1.0重量%で使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
炭素数4〜20の第1級アルコール成分は、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソヘプチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、イソデシルアルコール、または2−プロピルヘプチルアルコールから選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
触媒は、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される何れか1つ以上であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
エステル交換反応の完了後、水またはスチームを加えて触媒を分解することをさらに含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
反応器内の温度を140℃以上に上げて未反応の第1級アルコールを除去することをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
反応器内に吸着剤を投入して浮遊不純物を除去することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アルカリ系吸着剤を投入して酸性不純物を除去することをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アルカリ系吸着剤は、MgO/Cl/SO、MgO/SiO/Cl/SO、MgO/Al/SiO/Cl/SO、MgO/Al/SiO/CO/Cl/SO、及びこれらの水和物からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
製造されたシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、ジ(ノルマルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソブチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソデシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、またはジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
製造されたシス(cis)構造が60%以上であるジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートは、ジ(ノルマルブチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソブチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソノニル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、ジ(イソデシル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート、またはジ(2−プロピルヘプチル)シクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
シス(cis)構造60〜90%を有することを特徴とするジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレート。
【請求項15】
シス(cis)構造60〜90%を有するジ(C4−C20)アルキルシクロヘキサン−1,4−ジカルボキシレートを含有することを特徴とするポリ塩化ビニル(PVC)組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−505877(P2012−505877A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532023(P2011−532023)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005980
【国際公開番号】WO2010/044638
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(595137310)ハンファ ケミカル コーポレーション (31)
【Fターム(参考)】