説明

ALC半可塑性体の切断用線材及びALCパネルの製造方法

【課題】ALCパネルの表面にケバ立ちを低減でき、且つピアノ線等の線材の移動による跡がないALCパネルを得ることが可能であると共に、大掛かりな装置を必要とせずに簡易且つ低コストで半可塑性体の切断を行うことができるALC半可塑性体の切断用線材を提供する。
【解決手段】ALCの半可塑性体50を切断するALC半可塑性体の切断用線材10であって、切断用線材10の断面形状を、半可塑性体50の切断進行方向側に配置される半円形部15と、半円形部15と逆側に配置される突出部16とから構成される略紡錘形とし、好適には樹脂製の粘着テープ12を線材本体11に貼付して、粘着テープ12の端部121・121相互の貼り合わせ部分で突出部16の先端部161を構成し、半円形部15の中心Oからの突出部16の突出量を、半円形部15の中心Oからの半径rに対して1.5r以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ALC(軽量気泡コンクリート)の半可塑性体の切断用線材及びALCパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ALCパネルは、建築物の壁、床などに広く使用されている建築材料である。一般にALCパネルを製造する際には、珪石などの珪酸質原料及びポルトランドセメント、生石灰などの石灰質原料とからなる主原料と、石膏および工程繰返し原料などからなる副原料と、水と、発泡剤であるアルミニウム粉末とを原料として混合することによりスラリーとし、このスラリーを予め補強用の鉄筋を配置した型枠に鋳込む。型枠内でスラリーはアルミニウム粉末の反応により発泡し、セメント及び生石灰の水和反応によって次第に硬化し、半可塑性体が形成される。半可塑性体は、一般に両端が固定されて緊張されたピアノ線で切断される。切断後、半可塑性体に高温高圧のオートクレーブ養生が行われ、ALCパネルが得られる。
【0003】
ALCパネルの外観上の表面は上記ピアノ線による切断面となるが、ピアノ線の切断面にはピアノ線の通過に伴ってケバ立ちと呼ばれる表面が荒れた状態が形成される。このケバ立ちは、ALCの粉として施工現場で飛散して環境的な問題を引き起こすと共に、ALCパネルの表面を塗装する際に外観が荒れた状態となるため美観上も好ましくない。そのため、ケバ立ちを減少させる方法が必要となる。
【0004】
ケバ立ちを減少を意図する方法としては、例えばピアノ線を切断の進行方向に対して垂直に往復移動させ、半可塑性体を切断する方法(特許文献1、2参照)や、ピアノ線を切断の進行方向に対して垂直に一方向に移動させ、半可塑性体を切断する方法(特許文献3参照)がある。これらの方法を用いることにより、ALCパネルの表面のケバ立ちを大きく低減し、ケバから生ずるALC粉の発生をほぼ防止することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−260304号公報
【特許文献2】特開昭64−82905号公報
【特許文献3】特開2004−358597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1、2のピアノ線を往復移動させる方法では、ピアノ線の往復移動の終点においてピアノ線が一時的に停止した状態となるため、往復移動に伴うピアノ線の跡が残ってしまう(図6参照)。また、ピアノ線を一方向に移動させる方法では、往復移動にようなピアノ線の跡は認められなくなるものの、ピアノ線の移動に伴う筋状の跡が残ってしまう。これらのピアノ線の跡は、ALCパネルを塗装した後でも目視で確認される場合があり、特に平滑な塗装仕上げの場合には塗装後でもピアノ線跡が確認され、顧客の要望に応ずることが難しくなる。また、これらのピアノ線を移動させる切断では、非常に大掛かりな装置が必要となり、経済的に高コストになるという問題もある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、ALCパネルの表面にケバ立ちを低減でき、且つピアノ線等の線材の移動による跡がないALCパネルを得ることが可能であると共に、大掛かりな装置を必要とせずに簡易且つ低コストで半可塑性体の切断を行うことができるALC半可塑性体の切断用線材及びALCパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のALC半可塑性体の切断用線材は、ALCの半可塑性体を切断するALC半可塑性体の切断用線材であって、前記切断用線材の断面形状を、前記半可塑性体の切断進行方向側に配置される半円形部と、前記半円形部と逆側に配置され前記半円形部の半径よりも突出する突出部とから構成される略紡錘形とすることを特徴とする。
【0009】
前記構成では、半可塑性体の後方への回り込みを防止できて、ALCパネルの表面にケバ立ちを低減でき、且つピアノ線等の線材の移動による跡がないALCパネルを得ることが可能であると共に、大掛かりな装置を必要とせずに簡易且つ低コストで半可塑性体の切断を行うことができる。
【0010】
本発明のALC半可塑性体の切断用線材は、前記半円形部の中心からの半径rに対して、前記半円形部の中心からの前記突出部の突出量を1.5r以上とすることを特徴とし、好適には前記突出量を2r〜5rとすることを特徴とする。
【0011】
前記構成では、突出部の突出量を1.5r以上、より好適には2r〜5rとすることにより、ALC半可塑性体の後方への回り込みを確実に抑制し、ケバ立ちを確実に低減することができる。
【0012】
本発明のALC半可塑性体の切断用線材は、前記切断用線材の断面視円形の線材本体に粘着テープを貼付し、前記粘着テープの端部相互の貼り合わせ部分で前記突出部の先端部を構成することを特徴とする。
【0013】
前記構成では、ピアノ線等の線材本体を略紡錘形とする場合には特別な装置で加工する必要があるのに対し、実用化に際して特別な装置が不要の簡便な構成であると共に、安価な粘着テープを用いることにより、製造コストを低減することができる。
【0014】
本発明のALC半可塑性体の切断用線材は、前記粘着テープを樹脂製とすることを特徴とし、好適には前記粘着テープをポリエチレン製又はポリプロピレン製とすることを特徴とする。
【0015】
前記構成では、切断用線材を、切断の繰り返し使用に耐えうる耐摩耗性や強度を有するものとすることができると共に、ALCの半可塑性体との付着力が小さく、ケバ立ちの低減効果が一層大きいものとすることができる。
【0016】
本発明のALC半可塑性体の切断用線材は、前記半円形部の中心からの半径rに対して、前記半円形部の中心からの前記突出部の突出量を2r〜5rとし、前記粘着テープの貼り合わせ部分による前記突出部の突出量を0.3r〜3rとすることを特徴とする。
【0017】
前記構成では、突出部の突出量を2r〜5rとすることに加え、粘着テープの粘着テープの貼り合わせ部分による前記突出部の突出量を0.3r〜3rとすることにより、切断用線材の半可塑性体の通過時に一度発生したケバ立ちをより確実に均すことができ、ALC半可塑性体の後方への回り込みを一層確実に抑制し、ケバ立ちを一層確実に低減することができる。更には、確実に粘着テープ12を固着できると共に、貼り合わせ部分にシワが生じてALCの半可塑性体50の表面に凹凸が生ずる危険性を軽減することができる。
【0018】
本発明のALCパネルの製造方法は、本発明のALC半可塑性体の切断用線材の前記半円形部を前記半可塑性体の切断進行方向側に配置し、前記突出部を前記切断進行方向と逆側に配置して張設し、前記半可塑性体に対して前記切断用線材を移動する、若しくは前記切断用線材に対して前記半可塑性体を移動することにより、前記半可塑性体を切断する工程を備えることを特徴とする。
【0019】
前記構成では、ケバ立ちを低減され、且つピアノ線等の線材の移動による跡がないALCパネルを製造することができると共に、大掛かりな装置を必要とせずに簡易且つ低コストで半可塑性体の切断して、ケバ立ちの少ないALCパネルを製造することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、半可塑性体の後方への回り込みを防止できて、ALCパネルの表面にケバ立ちを低減でき、且つピアノ線等の線材の移動による跡がないALCパネルを得ることができる。従って、建築現場における粉落ち、飛散に防止よる環境改善を図ることができ、塗装仕上げ後の美観を向上をすることができる。また、大掛かりな装置を必要とせずに簡易且つ低コストで半可塑性体の切断し、ケバ立ちの非常に少ないALCパネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は本発明による実施形態のALC半可塑性体の切断用線材を示す側面図、(b)はその平面図。
【図2】実施形態の切断用線材によるALC半可塑性体の切断とケバ立ちの状態を説明する断面説明図。
【図3】従来の切断用線材(ピアノ線)によるALC半可塑性体の切断とケバ立ちの状態を説明する断面説明図。
【図4】実施形態の切断用線材を固定して切断する方法により得られたALCパネルの表面を示す図。
【図5】従来の切断用線材(ピアノ線)を固定して切断する方法により得られたALCパネルの表面を示す図。
【図6】従来の切断用線材(ピアノ線)を往復移動して切断する方法により得られたALCパネルの表面を示す図。
【図7】本発明による変形例のALC半可塑性体の切断用線材の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施形態のALC半可塑性体の切断用線材及びALCパネルの製造方法〕
本発明による実施形態のALC半可塑性体の切断用線材及びALCパネルの製造方法について説明する。図1は本発明による実施形態のALC半可塑性体の切断用線材を示す図である。
【0023】
本実施形態のALC半可塑性体の切断用線材10は、ALC(軽量気泡コンクリート)の半可塑性体50を切断するものであり、図1に示すように、例えばALC半可塑性体の切断装置の枠体に垂直に張設される断面視円形のピアノ線等、張設される断面視円形の線材本体11と、線材本体11の長さ方向に沿って貼付される粘着テープ12とから構成される。線材本体11の太さは、例えば従来から使用されているピアノ線の半径とほぼ等しく、半径r=0.6〜1.2mmとすることが可能である。
【0024】
粘着テープ12は、半可塑性体50の切断進行方向側に対応する線材本体11の半円形部分に倣うように貼付されると共に、その幅方向の両側の端部121・121を前記切断進行方向側と逆側で拝み合わせるように配置して、相互に貼り合わされており、この半円形部分に倣う部分から両端部121・121の貼付部分に至る途中部分は略テーパ部分になっている。両端部121・121の貼り合わせ部分及び略テーパ部分は、線材本体11の中心を通る切断進行方向の線に対して線対称になっている。
【0025】
切断用線材10は断面視で略紡錘形になっており、粘着テープ12の半円形部分は、切断用線材10の断面形状で半可塑性体50の切断進行方向側に配置される半円形部15を構成し、粘着テープ12の両端部121・121の貼り合わせ部分及び略テーパ部分は、切断用線材の10の断面形状で半円形部15と逆側に配置される突出部16を構成する。更に、この貼り合わせ部分は切断用線材10の突出部16の先端部161を構成し、この略テーパ部分は切断用線材10の突出部16の概略テーパ状であるテーパ部162を構成する。
【0026】
線材本体11から後方に略山形で突出する突出部16は、半円形部15の中心Oからの半径rに対して、半円形部15の中心Oからの後方への突出量を1.5r以上で突出させると、半可塑性体50の後方への回り込みを確実に抑制し、ケバ立ち51を確実に低減することができて好適である。更に、突出部16の突出量を5r超とした場合には、切断用線材10の半可塑性体50の通過時に一度発生したケバ立ち51を突出部16の先端部分で均す効果が減り、半可塑性体50の後方への回り込みによるケバ立ち51の抑制効果が減ることから、より確実に半可塑性体50の後方への回り込みを抑制し、ケバ立ち51をより確実に低減するには、突出部16の突出量は2r〜5rとすることが好ましい。また、好適には、半円形部15の中心Oからの半径rに対して、半円形部15の中心Oからの突出部16の突出量を2r〜5rとし、粘着テープ12の両端部121・121の貼り合わせ部分による突出部16の突出量を0.3r〜3rとすると、半可塑性体50の後方への回り込みを一層確実に抑制し、ケバ立ち51を一層確実に低減することができ、更には、確実に粘着テープ12を固着できると共に、貼り合わせ部分にシワが生じてALCの半可塑性体50の表面に凹凸が生ずる危険性を軽減できて好ましい。
【0027】
また、粘着テープ12は、樹脂製とすると好適であり、より好適にはポリエチレン製又はポリプロピレン製の樹脂製とするとよく、前記構成により、切断用線材10を、切断の繰り返し使用に耐えうる耐摩耗性や強度を有するものとすることができると共に、半可塑性体50との付着力が小さく、ケバ立ち51の低減効果が一層大きいものとすることができる。即ち、粘着テープ12には、樹脂製の他に、金属製、布製、紙製等が存在するが、半可塑性体50を切断するには、耐摩耗性や強度が必要であり、繰り返し使用できることが経済的に好ましいと共に、ケバ立ち51の低減効果の大きいものが好ましい。このうち、金属製の粘着テープは、耐摩耗性や強度の面からは好ましいが、金属はALCの半可塑性体50との付着力が大きく、切断用線材通過時に半可塑体と付着する傾向があるため、ケバ立ち51の抑制効果が樹脂製のものに比べて不十分である。他方において、布製、紙製の粘着テープは、ケバ立ち51の低減効果は得られるものの、耐磨耗性に劣り、すぐに破れてしまうため実用に供さない。これに対して、樹脂製の粘着テープは、耐摩耗性や強度が布製、紙製に比較して十分に高く、ALCの半可塑体50との付着力も金属製に比べて小さく、ケバ立ち51の十分な低減効果を発揮できる。特に、ポリエチレン製、ポリプロピレン製の粘着テープは強度面に非常に優れるので好ましい。
【0028】
上記切断用線材10を用いて半可塑性体50を切断し、ALCパネルを製造する際には、例えば切断用線材10の半円形部15を半可塑性体50の切断進行方向側に配置し、突出部16をその逆側に配置してALC半可塑性体の切断装置の枠体に垂直に張設する。そして、半可塑性体50に対して切断用線材10を移動する、若しくは切断用線材10に対して半可塑性体50を移動することにより、半可塑性体50を切断する工程を行い、その後は切断した半可塑性体50に高温高圧のオートクレーブ養生を行って、ALCパネルが得られる。
【0029】
従来の断面視円形の切断用線材60であるピアノ線の切断では、図3に示すように、ある程度の弾性を有する半可塑性体50が切断用線材60の進入により押し広がられる。次いで切断用線材60が通過するとその後方に回り込むと共に、切断用線材60に一旦付着し、切断進行方向に先端を向けて剥がれ、ケバ立ち51が発生する。これに対して、本実施形態の切断用線材10による半可塑性体50の切断では、図2に示すように、ALCの半可塑性体50の後方への回り込みを防止し、ケバ立ち51を低減することができる。
【0030】
本実施形態のALC半可塑性体50の切断用線材10或いはこれを用いたALCパネルの製造方法では、半可塑性体50の後方への回り込みを防止できて、ALCパネルの表面にケバ立ちを低減でき、且つピアノ線等の線材の移動による跡がないALCパネルを得ることが可能であると共に、大掛かりな装置を必要とせずに簡易且つ低コストで半可塑性体50の切断を行うことができる。また、ピアノ線等の線材本体11を略紡錘形とする場合には特別な装置で加工する必要があるのに対し、実用化に際して特別な装置が不要の簡便な構成であると共に、安価な粘着テープを用いることにより、製造コストを低減することができる。
【0031】
〔実施例と比較例〕
ここで、ALCの半可塑性体50を上記実施形態の切断用線材10で切断した実施例と、従来の切断用線材60(ピアノ線)で切断した比較例について説明する。各実施例及び各比較例では、表1に示す条件で切断し、a.ケバ立ちの状態、b.粉落ち、c.ピアノ線走行跡について評価し、それらの結果から総合評価を行った。
【0032】
表1中、※1に於けるrは半円形部15の半径、nrは突出部16の半円形部15の中心Oからの後方突出量の長さである。※2に於ける×は目視により表面にケバ立ち51があるもの(図5参照)、○は無いもの(図4及び図6参照)、△はケバ立ち51が低減されているが残っているものである。※3に於ける○は表面を手で擦って手にケバから発生するALC粉が付着しない場合、×は付着した場合、△は若干付着した場合である。※4に於ける○は目視にてピアノ線走行跡が認められない場合、×ははっきりと認められる場合、△は若干でも走行跡が認められた場合である。※5に於ける○は評価項目a〜cが共に○の場合、×は×がある場合、△は△がある場合である。
【0033】
【表1】

【0034】
表1から明らかなように、No.1〜No.3の従来の切断用線材60(ピアノ線)の比較例に対し、No.4、7、8、9、12、13の実施例では、ケバ立ち、粉落ちおよびピアノ線走行跡の何れも認められず、総合的に高評価となった。
【0035】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明には、各発明や実施形態等の構成の他に、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、例えば下記のような変形例も包含される。
【0036】
例えば上記実施形態の粘着テープ12は、樹脂製とする以外に、同様の効果を奏するものであれば他の素材とすることも可能である。また、断面視円形の切断用線材について、切断進行方向側の面を半円形に研磨して半円形部とすると共に、切断進行方向と逆側の半円形部を両側から研磨する等により略山形の突出部を形成することにより、本発明の切断用線材を構成することも可能である。また、効果は減ずるものの、突出部16の突出量も上記実施形態の例示以外のものとすることも可能である。
【0037】
また、半可塑性体50の切断進行方向側に配置される半円形部15と、半円形部15と逆側に配置される突出部16とから構成される略紡錘形の切断用線材を、図7に示す切断用線材10aとすることも可能である。図7の切断用線材10aは、特に言及しない構成は上記実施形態と同一であるが、切断進行方向と逆側の部分で線材本体11と粘着テープ12との間に接着剤等の適宜の素材で構成されるスペーサ13を内装し、テーパ部162の形状を略外側に凸の流線形或いは飛行機の翼の断面形状にしたものである。前記流線形状により、半可塑性体50のケバ立ち51を一層低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、ALCの半可塑性体の切断及びALCパネルの製造に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10、10a、60…切断用線材 11…線材本体 12…粘着テープ 121…端部 13…スペーサ 15…半円形部 16…突出部 161…先端部 162…テーパ部 50…半可塑性体 51…ケバ立ち O…半円形部の中心 r…半円形部の半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ALCの半可塑性体を切断するALC半可塑性体の切断用線材であって、
前記切断用線材の断面形状を、前記半可塑性体の切断進行方向側に配置される半円形部と、前記半円形部と逆側に配置され前記半円形部の半径よりも突出する突出部とから構成される略紡錘形とすることを特徴とするALC半可塑性体の切断用線材。
【請求項2】
前記半円形部の中心からの半径rに対して、前記半円形部の中心からの前記突出部の突出量を1.5r以上とすることを特徴とする請求項1記載のALC半可塑性体の切断用線材。
【請求項3】
前記切断用線材の断面視円形の線材本体に粘着テープを貼付し、
前記粘着テープの端部相互の貼り合わせ部分で前記突出部の先端部を構成することを特徴とする請求項1又は2記載のALC半可塑性体の切断用線材。
【請求項4】
前記粘着テープを樹脂製とすることを特徴とする請求項3記載のALC半可塑性体の切断用線材。
【請求項5】
前記半円形部の中心からの半径rに対して、前記半円形部の中心からの前記突出部の突出量を2r〜5rとし、
前記粘着テープの貼り合わせ部分による前記突出部の突出量を0.3r〜3rとすることを特徴とする請求項3又は4記載のALC半可塑性体の切断用線材。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のALC半可塑性体の切断用線材の前記半円形部を前記半可塑性体の切断進行方向側に配置し、前記突出部を前記切断進行方向と逆側に配置して張設し、
前記半可塑性体に対して前記切断用線材を移動する、若しくは前記切断用線材に対して前記半可塑性体を移動することにより、前記半可塑性体を切断する工程を備えることを特徴とするALCパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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