説明

ASK復調装置

【課題】送信データが高速であっても正常にデータを復調することができるASK復調装置を提供すること。
【解決手段】送信データSAによって搬送信号がASK変調したASK変調信号Sを復調するASK復調装置であって、ASK変調信号S内搬送信号の連続受信パルスを3つ受信可能な所定時間t1を計時するタイマT1〜T3と、受信パルスを計数するパルスカウンタと、受信パルスが入力された場合に順次繰り返しタイマT1〜T3を起動させ、所定時間t1内にパルスカウンタが2以上の受信パルスを計数した場合に復調データRのパルスを検出したとして判定出力し、所定時間t1内にパルスカウンタが2以上の受信パルスを計数しなかった場合、所定時間t1経過時に復調データRのパルスを検出できないとして判定出力する判定出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送信データによって搬送信号がASK(amplitude shift keying)変調されたASK変調信号を復調するASK復調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、家電用の赤外線リモートコントローラは、送信データによって搬送信号がASK変調されたASK変調信号を送信し、受信側装置は、このASK変調信号を復調するASK復調装置を備えている。図9は、従来のASK復調装置の構成を示すブロック図である。図9に示すように、従来のASK復調装置は、PINフォトダイオード102で受信したASK変調信号を、オートマティック・バイアス・レベル・コントロール(ABLC)回路105による飽和防止の制御のもとに、初段アンプ103で増幅する。この増幅されたASK変調信号は、リミッタ104によって信号レベルを最大入力レベル以下に調整され、この調整された信号は、バンドパスフィルタ105によってフィルタリングされたASK変調信号S1を生成する。このASK変調信号S1は、検波器106によって送信データに対応する検波信号S2が生成され、その後、波形整形回路107によって時間幅DLを有する送信データに対応する復調データ信号に波形整形された後、トランジスタを介して出力される。
【0003】
【特許文献1】特開2002−232495号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のASK復調装置は、入力される搬送信号の搬送周波数が数10kHzという低速であることに加え、検波器106がコンデンサCの充放電を伴うアナログ処理を行っているため、復調データ信号の時間幅DLが長くなってしまう。ここで、送信データを、たとえば搬送周波数の1/15程度の高速にすると、復調データ信号が示すデータ「1」の時間幅DLであるパルス幅のパルス幅の延びが無視できなくなり、復調データが示すデータ「0」とのディーティ比が大きくなり、送信データが示すデータを正常に復調することができない場合が生じるという問題点があった。
【0005】
なお、特許文献1には、コンパレータと単安定マルチバイブレータとを用い、ASK変調信号をデジタル処理して復調するものが開示されているが、ノイズなどによってコンパレータが誤動作し、単安定マルチバイブレータがパルスを検出できないと、復調波形にひげ状のノイズとして出力され、正常な復調を行うことができない場合がある。さらに、特許文献1では、復調信号をフリップフロップのクロックとして用いているため、信号にひげ状のノイズが混入すると、フリップフロップが誤動作し、正常な復調を行うことができない場合がある。
【0006】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、送信データが高速であっても正常にデータを復調することができるASK復調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるASK復調装置は、送信データによって搬送信号がASK変調されたASK変調信号を復調するASK復調装置であって、前記ASK変調信号内搬送信号の連続受信パルスを3以上受信可能な所定時間を計時するタイマと、入力された前記ASK変調信号内搬送信号の受信パルスを計数するパルスカウンタと、前記受信パルスが入力された場合に前記タイマを起動させ、前記所定時間内に前記パルスカウンタが所定数以上の受信パルスを計数した場合に前記送信データのパルスに対応する復調データのパルスを検出したとして判定出力する判定出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記判定出力部は、前記所定時間経過時に復調データのパルスを検出したとして判定出力することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記判定出力部は、前記所定時間内で復調データのパルスを検出したと判定した時点で判定出力することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記判定出力部は、前記所定時間内に前記パルスカウンタが所定数以上の受信パルスを計数しなかった場合、該所定時間経過時に前記送信データのパルスに対応する復調データのパルスを検出できないとして判定出力することを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記タイマは、前記ASK変調信号内搬送信号の受信パルス数に対応した数のタイマを有し、前記判定出力部は、前記受信パルスが入力される度に各タイマを順次起動させることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記タイマは、3以上のタイマを有し、前記判定出力部は、前記受信パルスが入力される度に、順次、他の1つのタイマを再起動させ、各タイマを繰り返し使用することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記タイマは、1つのタイマであり、前記判定出力部は、前記所定時間内に前記パルスカウンタが所定数以上の受信パルス数を計数した場合に、前記タイマを再起動させ、該タイマを繰り返し使用することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記所定数の受信パルス数は、前記所定時間内に受信する3以上の受信パルスの数の半数を超える値であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記所定数の受信パルス数は、前記所定時間内に受信する最大パルス数から1つ減算した値であることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるASK復調装置は、上述した発明において、前記ASK変調信号は、赤外線信号であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、判定出力部が、受信パルスが入力された場合にタイマを起動させ、所定時間内にパルスカウンタが所定数以上の受信パルスを計数した場合に送信データのパルスに対応する復調データのパルスを検出したとして判定出力するようにしているので、アナログ検波処理と異なり、復調データのパルス幅が延びることがなく、復調データのパルスのオンオフ時のデューティ比が大きく異ならないため、高速な送信データを受信する場合であっても、正常に復調することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明にかかるASK復調装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1であるASK復調装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1に示した復調出力部の処理概要を示すタイミングチャートである。さらに、図3は、図1に示した復調出力部の処理手順を示すフローチャートであり、図4は、図3の判定出力処理手順を示す詳細フローチャートである。
【0020】
図1に示すように、このASK復調装置1は、PINフォトダイオード2によって、送信データSAが搬送信号によってASK変調されたASK変調信号を受信する。このASK変調信号は、搬送信号周波数が数10kHzで、送信データSAが搬送信号周波数の1/15程度の繰り返し周波数である。また、このASK変調信号は、赤外線信号である。
【0021】
PINフォトダイオード2によって受信されたASK変調信号は、初段アンプ3によって増幅され、さらにリミッタ4によって信号レベルを最大入力レベル以下に調整した単極のASK変調信号Sを出力する。ここで、オートマティック・バイアス・レベル・コントロール(ABLC)回路5は、初段アンプ3の飽和防止制御を行う。このASK変調信号Sは、復調出力部6に入力され、復調出力部6は、このASK変調信号Sの立ち下がりを受信パルスPとし、この受信パルスPを用いたデジタル処理による検波出力処理を行い、復調データRを出力する。
【0022】
復調出力部6は、ASK変調信号Sの立ち下がりである受信パルスPを検出し、3以上の受信パルスPを検出できる所定時間内に2以上の受信パルスPを検出した場合に、送信データが「1」であると検波出力する。なお、送信データSAは、ハイレベル(H)が「0」に対応し、ローレベル(L)が「1」に対応する。
【0023】
復調出力部6は、入力されたASK復調信号Sの立ち下がりである受信パルスPの数を計数するパルスカウンタPCと、受信パルスPの受信から、3以上4未満の受信パルスPを検出する所定時間t1を計時する3つのタイマT1〜T3と、3つのタイマT1〜T3の起動を順次切り換える切換部7と、所定時間t1内に2以上の受信パルスPを検出した場合に、受信データRを「L」として出力し、所定時間t1内に2未満の受信パルスPを検出した場合に、受信データRを「H」として出力する判定出力部8とを有する。
【0024】
ここで、図2に示すタイミングチャートを参照して復調出力部6の動作について説明する。まず、図2(a)に示した送信データSAは、搬送信号によってASK変調され、このASK変調信号は、リミッタ4から図2(b)に示すASK変調信号Sとして復調出力部6に入力される。パルスカウンタPCは、上述したように、ASK変調信号Sの立ち下がりを受信パルスPとして計数する。すなわち、順次、受信パルスP1,P2,P3,…を計数する。
【0025】
最初の受信パルスP1が入力されると、この入力タイミングで図2(c)に示すように、タイマT1が起動し、受信パルスP3の受信タイミング直後までの所定時間t1を計時する。その後、タイマT1の所定時間t1では、パルスカウンタPCが受信パルスP1,P2,P3の3つの受信パルスを計数しているので、判定出力部8は、図2(k)に示すように、所定時間t1の経過時に受信データRを「L」として出力する。
【0026】
その次の受信パルスP2が入力されると、この入力タイミングから、図2(d)に示すように、タイマT2が起動し、受信パルスP4の受信タイミング直後までの所定時間t1を計時する。このタイマT2の所定時間t1では、パルスカウンタPCが受信パルスP2,P3,P4の3つの受信パルスを計数しているので、判定出力部8は、図2(k)に示すように、所定時間t1の経過時に受信データRを「L」として出力し、受信データRの「L」を維持する。
【0027】
同様にして、受信パルスP3が入力されると、この入力タイミングから、図2(e)に示すように、タイマT3が起動し、受信パルスP3から2つめの受信パルスの入力タイミング直後までの所定時間t1を計時する。このタイマT3の所定時間t1では、受信パルスP5(Pa)が抜けており、パルスカウンタPCは、受信パルスP3,P4の2つの受信パルスのみを計数するが、2以上の受信パルス数であるため、判定出力部8は、受信データRがあるとして、所定時間t1の経過時に受信データRを「L」として出力し、受信データRを「L」として維持する。
【0028】
ここで、この復調出力部6は、3つのタイマT1〜T3を有し、切換部7は、タイマT1→T2→T3→T1の順序で、受信パルスPの入力の都度、つぎのタイマに順次繰り返して切り換える。
【0029】
一方、ASK変調信号S内で、ひげ状のノイズなどによって受信パルスPbのように、搬送周波数に対応した定期的な受信パルス間に、新たな受信パルスが加わった場合、図2(g)に示したタイマT2の所定時間t1内に4つの受信パルスが計数されるが、この場合、2以上の受信パルス数であるので、判定出力部8は、所定時間t1の経過時に受信データRを「L」として出力し、受信データRを「L」として維持する。
【0030】
また、図2(j)に示すように、ASK変調信号Sの最後の受信パルスPnを受信したタイマT1は、その後の所定時間t1内に受信パルスを計数することがないので、1つの受信パルス数となり、判定出力部8は、所定時間t1の経過時に、受信データがなかったものとして、受信データRを「H」として出力する。
【0031】
ここで、さらに図3および図4に示すフローチャートを参照して、復調出力部6の処理について説明する。この処理は、ソフトウェア処理によって実現できる。図3に示すように、まず判定出力部8は、受信パルスPを受信したか否かを判断する(ステップS101)。受信パルスPを受信しない場合(ステップS101,No)には、ステップS101の判断処理を繰り返す。一方、受信パルスPを受信した場合(ステップS101,Yes)には、この受信タイミングで最初のタイマT1を起動し(ステップS102)、さらにこの受信タイミングでパルスカウンタPCは、カウントアップする(ステップS103)。
【0032】
その後、判定出力部8は、判定出力処理を行う(ステップS104)。ここでは、3つの受信パルス数の計数が可能な所定時間t1内に、2以上の受信パルス数が計数された場合に受信データがありと判定し、受信データRを「L」として出力し、2未満の受信パルス数が計数された場合に受信データがないと判定し、受信データRを「H」として出力する。
【0033】
すなわち、図4に示すように、まず、判定出力部8は、所定時間t1が経過したか否かを判断する(ステップS201)。ここで、所定時間t1を経過していない場合(ステップS201,No)には、ステップS104にリターンする。一方、所定時間t1が経過している場合(ステップS201,Yes)には、さらに所定時間t1間のパルスカウント数(受信パルス数)CTが2以上であるか否かを判断する(ステップS202)。
【0034】
パルスカウント数CTが2以上である場合(ステップS202,Yes)には、受信データRを「L」として出力し(ステップS203)、パルスカウント数CTが2未満である場合(ステップS202,No)には、受信データRを「H」として出力し(ステップS204)、ステップS104にリターンする。
【0035】
この判定出力処理を終了すると、さらに受信パルスRを受信したか否かを判定する(ステップS105)。受信パルスRを受信していない場合(ステップS105,No)には、ステップS104に移行し、上述した判定出力処理を行う。一方、受信パルスRを受信した場合(ステップS105,Yes)には、この受信タイミングで、次のタイマT2を起動し(ステップS106)、さらにこの受信タイミングでパルスカウンタPCによる受信パルス数をインクリメントし(ステップS107)、ステップS104による判定出力処理を繰り返す。
【0036】
この実施の形態1では、3つの受信パルスを計数できる所定時間t1内に、2以上の受信パルス数であった場合に、受信データがありとして所定時間t1経過時に受信データRを「L」として出力している。この実施の形態1では、1つの受信パルスが抜けた場合、あるいはノイズなどによって1つの受信パルスが付加した場合であっても正常な受信データRとして復調出力することができる。なお、従来のASK復調装置のように、コンデンサなどを用いたアナログ検波処理を行わないので、復調データのパルス波形の延びなどがなくなり、復調された受信データの送信ばらつきは、最大1受信パルス周期TTとなる。この結果、受信データ「L」と「H」とのデューティ比は、1つの受信パルス周期分、すなわち搬送周波数の1周期分の差のみであるため、同一搬送周波数を用いた場合における高速な(高速ボーレートの)送信データを正常に復調することができる。
【0037】
なお、上述した実施の形態1では、3つの受信パルスを計数できる所定時間t1内に、2以上の受信パルス数であった場合に、受信データがありとして所定時間t1経過時に受信データRを「L」として出力しているが、これに限らず、たとえば、図5に示すように、4つの受信パルスを計数できる所定時間t2内に、3以上の受信パルス数であった場合に、受信データがありとして所定時間t2経過時に受信データRを「L」として出力するようにしてもよい。この場合、タイマは少なくとも4つのタイマが必要となる。
【0038】
また、所定時間内に計数できる最大受信パルス数から1つ少ない受信パルス数を超える場合に、受信データRを「L」として出力し、1つ受信データの欠落あるいは追加した場合であっても正常な復調データとして出力するようにしていたが、必要に応じて、2つ以上の受信データの欠落あるいは追加した場合であっても正常な復調データとして出力できるように、判定出力部8が判定出力してもよい。この判定出力の設定は、外部通信環境などを考慮して設定すると良い。
【0039】
なお、上述した実施の形態1では、少なくとも3つのタイマT1〜T3を順次繰り返し使用するようにしていたが、再使用せずに、必要な分のタイマを複数設けるようにしてもよい。すなわち、受信パルス数と同数のタイマを設けるようにしてもよい。
【0040】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、複数のタイマT1〜T3を用いていたが、この実施の形態2では、1つのタイマT1のみを用いて復調出力するようにしている。
【0041】
図6は、この発明の実施の形態2であるASK復調装置の構成を示すブロック図である。また、図7は、図6に示したASK復調装置の復調出力部による動作を示すタイミングチャートである。さらに、図8は、図6に示した復調出力部による処理手順を示すフローチャートである。図6〜図8において、このASK復調装置21は、1つのタイマT1のみを用いて所定時間t1を計時するようにしている。
【0042】
判定出力部8は、最初の受信パルスP1の受信タイミングで図7(c)に示すように、所定時間t1の計時を開始する。その後、図7(c),(d)に示すように、受信パルスP2の受信タイミングで、タイマT1による所定時間t1の計時を再起動させている。それとともに、この受信タイミングでは、図7(c)に示すように、タイマT1がこの受信タイミングにおいて受信パルス数が2つ以上となったため、受信データがありと判定され、この受信タイミングで受信データRを「L」として出力するようにしている。
【0043】
すなわち、タイマT1は、3つの受信パルス数を計数できる所定時間t1を計時可能であるが、2つの受信パルス数を計数した場合に、その時点で、受信データRを「L」として出力するとともに、タイマT1をリセットして新たな所定時間t1を計時するようにしている。たとえば、受信パルスP4,P6間の受信パルスP5が抜けた場合、受信データRを「L」として出力するタイミングは、1周期分遅れるとともに、次のタイマ起動タイミングも1周期分遅れることになる。そして、図7(j)に示すように、所定時間t1内で2未満の受信パルス数であった場合、受信データがないとして受信データRを「H」として出力する。
【0044】
ここで、図8に示すフローチャートを参照して、判定出力部8の判定処理手順について説明する。まず、判定出力部8は、受信パルスPを受信したか否かを判断する(ステップS301)。受信パルスPを受信しない場合(ステップS301,No)には、このステップS301の判断処理を繰り返す。一方、受信パルスPを受信した場合(ステップS301,Yes)には、この受信タイミングでタイマT1を起動し、所定時間t1の計時を開始する(ステップS302)。さらに、この受信タイミングでタイマ起動中フラグFLGによってタイマが起動されたことを記憶する(ステップS303)。
【0045】
その後、さらに受信パルスPを受信したか否かを判断し(ステップS304)、受信パルスPを受信した場合(ステップS304,Yes)には、タイマ起動中であるか否かを判断する(ステップS305)。
【0046】
タイマ起動中である場合(ステップS305,Yes)には、受信データがありとして、受信データRを「L」として出力し(ステップS306)、その後、さらにタイマT1を再起動させ、所定時間t1の計時を開始させ(ステップS307)、ステップS304に移行し、上述した処理を繰り返す。もし仮にタイマ起動中で無かった場合(ステップS305,No)には、タイマを起動(ステップS302)に戻り、タイマ起動中フラグをセット(ステップS303)する。
【0047】
一方、受信パルスPを受信しなかった場合(ステップS304,No)には、所定時間t1を経過したか否かを判断する(ステップS308)。所定時間t1を経過している場合(ステップS308,Yes)には、受信データがないとして、受信データRを「H」として出力(ステップS309)した上で、タイマ起動中フラグをクリア(ステップS310)し、ステップS304に移行し、上述した処理を繰り返す。また、所定時間t1を経過していない場合(ステップS308,No)には、ステップS304に移行し、上述した処理を繰り返す。
【0048】
この実施の形態2では、上述した実施の形態1と同様な作用効果が得られるとともに、1つのタイマT1のみでよいため、ASK復調装置を簡易な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態1であるASK復調装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した復調出力部の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図1に示した復調出力部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3に示した判定出力処理の処理手順を示す詳細フローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1の変形例による動作を示すタイミングチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2であるASK復調装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した復調出力部の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図6に示した復調出力部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】従来のASK復調装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0050】
1,21 ASK復調装置
2 PINフォトダイオード
3 初段アンプ
4 リミッタ
5 オートマティック・バイアス・レベル・コントロール回路
6 復調出力部
7 切換部
8 判定出力部
T1〜T3 タイマ
S ASK変調信号
R 受信データ
SA 送信データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信データによって搬送信号がASK変調されたASK変調信号を復調するASK復調装置であって、
前記ASK変調信号内搬送信号の連続受信パルスを3以上受信可能な所定時間を計時するタイマと、
入力された前記ASK変調信号内搬送信号の受信パルスを計数するパルスカウンタと、
前記受信パルスが入力された場合に前記タイマを起動させ、前記所定時間内に前記パルスカウンタが所定数以上の受信パルスを計数した場合に前記送信データのパルスに対応する復調データのパルスを検出したとして判定出力する判定出力部と、
を備えたことを特徴とするASK復調装置。
【請求項2】
前記判定出力部は、前記所定時間経過時に復調データのパルスを検出したとして判定出力することを特徴とする請求項1に記載のASK復調装置。
【請求項3】
前記判定出力部は、前記所定時間内で復調データのパルスを検出したと判定した時点で判定出力することを特徴とする請求項1に記載のASK復調装置。
【請求項4】
前記判定出力部は、前記所定時間内に前記パルスカウンタが所定数以上の受信パルスを計数しなかった場合、該所定時間経過時に前記送信データのパルスに対応する復調データのパルスを検出できないとして判定出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のASK復調装置。
【請求項5】
前記タイマは、前記ASK変調信号内搬送信号の受信パルス数に対応した数のタイマを有し、
前記判定出力部は、前記受信パルスが入力される度に各タイマを順次起動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のASK復調装置。
【請求項6】
前記タイマは、3以上のタイマを有し、
前記判定出力部は、前記受信パルスが入力される度に、順次、他の1つのタイマを再起動させ、各タイマを繰り返し使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のASK復調装置。
【請求項7】
前記タイマは、1つのタイマであり、
前記判定出力部は、前記所定時間内に前記パルスカウンタが所定数以上の受信パルス数を計数した場合に、前記タイマを再起動させ、該タイマを繰り返し使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のASK復調装置。
【請求項8】
前記所定数の受信パルス数は、前記所定時間内に受信する3以上の受信パルスの数の半数を超える値であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のASK復調装置。
【請求項9】
前記所定数の受信パルス数は、前記所定時間内に受信する最大パルス数から1つ減算した値であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のASK復調装置。
【請求項10】
前記ASK変調信号は、赤外線信号であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のASK復調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−141615(P2010−141615A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316243(P2008−316243)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】