説明

CEPパケット送信装置、CEPパケット受信装置、および伝送システム

【課題】伝送システムの消費電力を低減する技術を提供する。
【解決手段】TDM回線を通じて顧客装置から送信されたTDM信号をCEPパケットに変換して受信装置に送信するCEPパケット送信装置において、TDM終端部212は、TDM信号を取得する。CEPパケット生成部214は、TDM終端部212が取得したTDM信号をもとに、CEPパケットを生成する。CEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号を解析して、CEPパケット生成部214がパケット信号を生成するか否かを制御する。ここでCEP化制御部216は、CEPパケット生成部214にパケット信号の生成を停止させる場合、パケット信号の生成停止を前記受信装置に通知するための制御用CEPパケットをCEPパケット生成部214に生成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、CEPパケット送信装置、CEPパケット受信装置、およびCEPパケット送信装置とCEPパケット受信装置と含む伝送システムに関し、特に、TDM(Time Division Multiplexing)網において伝送されたデータをCEP(Circuit Emulation over Packet)化して、パケット交換網で伝送させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、音声等のデータを伝送する通信回線において、時分割多重(TDM)の技術等を用いた既存網から、イーサネット(登録商標)技術を用いたパケット交換網へ、置き換えが進められている。これは通信事業者が特定の顧客に固定的に回線を提供する専用線サービスにおいても同様である。顧客装置と顧客装置との間の全区間をパケット交換網で結ぶサービスを利用している顧客が既に存在する一方で、システムを置き換える費用の発生、信頼性に対する懸念等を理由として、パケット交換網ではない従来の方式による専用線サービスの提供を望む顧客も引き続き存在する。
【0003】
このため、顧客装置と通信事業者間とのインタフェース条件を変更することなく、通信事業者内の区間のみの信号に対してパケット化を適用することが考えられている(例えば、非特許文献1および2を参照)。パケット交換網はその方式上の理由から、同じデータ量を既存網で伝送する場合と比較して高いビットレートで動作させる必要があり、パケット交換網を構成する装置の消費電力を増大させる一因となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】IETF RFC5086,“Structure-Aware Time Division Multiplexed (TDM) Circuit Emulation Service over Packet Switched Network (CESoPSN)”、[online]、[平成23年2月14日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc5086.txt>
【非特許文献2】IETF RFC4842,“Synchronous Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy (SONET/SDH) Circuit Emulation over Packet (CEP)”、[online]、[平成23年2月14日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc4842.txt>
【0005】
そのため、上記の技術において、信号をTDMで伝送するTDM区間において回線に異常が生じた場合、TDM信号をもとに生成したCEPパケット内の特定のビットを操作して、パケット交換網経由で対のパケット化装置へTDM区間に置いて異常が生じた旨を伝送するとともに、CEPパケット内の主信号領域(payload)を省略することが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CEPパケット内の主信号領域を省略することは、パケット交換網の実行帯域を低減し、伝送システムの消費電力を低減することに資することになり、ひいては地球環境への貢献となる。これに関し、例えばTDM区間の異常の他にもCEPパケットの帯域を低減する契機が考えられる。また、CEPパケット内の主信号領域を省略しても、CEPパケット自体はTDM区間が正常の場合と同じ周期で伝送されるため、その間のCEPパケットのオーバーヘッドは引き続き実効帯域として残る。このように、伝送システムの消費電力を低減する技術には改良の余地があると考えられる。
【0007】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝送システムの消費電力を低減する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある態様はCEPパケット送信装置である。この装置は、TDM(Time Division Multiplexing)回線を通じて顧客装置から送信されたTDM信号をCEP(Circuit Emulation over Packet)パケットに変換して受信装置に送信するCEPパケット送信装置であって、TDM信号を取得するTDM終端部と、前記TDM終端部が取得したTDM信号をもとに、CEPパケットを生成するCEPパケット生成部と、前記TDM終端部が取得したTDM信号を解析して、前記CEPパケット生成部がパケット信号を生成するか否かを制御するCEP化制御部とを含む。ここで前記CEP化制御部は、前記CEPパケット生成部にパケット信号の生成を停止させる場合、パケット信号の生成停止を前記受信装置に通知するための制御用CEPパケットを前記CEPパケット生成部に生成させる。
【0009】
この態様によると、顧客装置が使用されていない間はCEPパケットが生成されず、したがってCEPパケット交換網にCEPパケットが送信されないので、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0010】
前記CEP化制御部は、前記TDM終端部が取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号を検出した場合、前記CEPパケット生成部に前記顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、前記TDM終端部が取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号が検出されなくなった場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させてもよい。
【0011】
前記CEP化制御部は、前記TDM終端部が取得したTDM信号の主信号の極性が所定の時間変動しないことを検出した場合、前記CEPパケット生成部にTDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、前記TDM終端部が取得したTDM信号の主信号の極性が変動を開始した場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させてもよい。
【0012】
本発明の別の態様は、CEPパケット受信装置である。この装置は、TDM信号をもとに生成されたCEPパケットを取得してTDM信号に変換するCEPパケット受信装置であって、CEPパケットを取得するパケット終端部と、前記パケット終端部が取得したCEPパケットをもとに、TDM信号を生成するTDM信号生成部と、前記パケット終端部が取得したCEPパケットを解析して、前記TDM信号生成部を制御するTDM化制御部とを含む。ここで前記TDM化制御部は、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが、CEPパケットの送信が停止することを通知する制御用CEPパケットの場合、前記TDM信号生成部に所定のTDM信号を生成させる。
【0013】
この態様によると、送信装置からのCEPパケットの送信が停止したとしても、TDM信号を途切れることなく送信し続ける。これにより、CEPパケット受信装置に接続される顧客装置の運用を変更せずに、伝送システムの消費電力を低減することができる。
【0014】
前記TDM化制御部は、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが、顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、前記TDM信号生成部に所定の極性を持つTDM信号を生成させ、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に前記パケット終端部が取得したCEPパケットをTDM信号に変換させてもよい。
【0015】
前記TDM化制御部は、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが、TDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、前記TDM信号生成部に取得した制御用CEPパケットに含まれるフラグの極性と同じ極性を持つTDM信号を生成させ、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に前記パケット終端部が取得したCEPパケットをTDM信号に変換させてもよい。
【0016】
本発明の別の態様は、伝送システムである。このシステムは、TDM回線を通じて顧客装置から取得したTDM信号をもとにCEPパケットを生成して送信するCEPパケット送信装置と、前記CEPパケット送信装置から取得したCEPパケットをもとにTDM信号を生成するCEPパケット受信装置とを含む。ここで前記CEPパケット送信装置は、取得したTDM信号をもとにCEPパケットを生成するCEPパケット生成部と、取得したTDM信号を解析して、前記CEPパケット受信装置にCEPパケットの送信を停止するか否かを決定するとともに、前記CEPパケット受信装置にCEPパケットの送信を停止する場合、前記CEPパケット受信装置にパケット信号の生成が停止することを通知するための制御用CEPパケットを前記CEPパケット生成部に生成させるCEP化制御部とを含む。また前記CEPパケット受信装置は、前記CEPパケット送信装置から取得したCEPパケットをもとにTDM信号を生成するTDM信号生成部と、前記CEPパケット送信装置から取得したCEPパケットが、CEPパケットの送信が停止することを通知する制御用CEPパケットの場合、前記TDM信号生成部に所定のTDM信号を生成させる。
【0017】
この態様によると、顧客装置が使用されていない間CEPパケットが生成されず、したがってCEPパケット交換網にCEPパケットが送信されないので、伝送システムの消費電力を低減することができるとともに、送信装置からのCEPパケットの送信が停止したとしても、TDM信号を途切れることなく送信し続けため、CEPパケット受信装置に接続される顧客装置の運用を変更しなくて済む点で効果がある。
【0018】
前記CEP化制御部は、取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号を検出した場合、前記CEPパケット生成部に前記顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号が検出されなくなった場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させてもよく、前記TDM化制御部は、取得したCEPパケットが、顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、前記TDM信号生成部に所定の極性を持つTDM信号を生成させ、取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に取得したCEPパケットをTDM信号に変換させるてもよい。
【0019】
前記CEP化制御部は、取得したTDM信号の主信号の極性が所定の時間変動しないことを検出した場合、前記CEPパケット生成部にTDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、取得したTDM信号の主信号の極性が変動を開始した場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させてもよく、前記TDM化制御部は、取得したCEPパケットが、TDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、取得した制御用CEPパケットに含まれるフラグの極性と同じ極性を持つTDM信号を前記TDM信号生成部に生成させ、取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に取得したCEPパケットをTDM信号に変換させてもよい。
【0020】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、伝送システムの消費電力を低減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】伝送システムの概観を模式的に示す図である。
【図2】従来技術に係る第1通信事業者装置と第2通信事業者装置との内部構成を模式的に示す図である。
【図3】TDM回線に異常が生じてから復旧するまでの間のTDM信号と対応するパケット信号との状態を例示する図である。
【図4】実施の形態に係る第1通信事業者装置と第2通信事業者装置との内部構成を模式的に示す図である。
【図5】TDM信号のフレームフォーマットの例を示す図である。
【図6】第1顧客装置が使用されなくなってから再度使用されるまで間のTDM信号と対応するパケット信号との状態を例示する図である。
【図7】実施の形態に係る第1通信事業者装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態に係る第2通信事業者装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第1顧客装置から送信されるTDM信号の極性が変動しなくなってから再度変動するまで間のTDM信号と対応するパケット信号との状態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、伝送システム600の概観を模式的に示す図である。伝送システム600は、第1顧客装置100、第1通信事業者装置200、パケット交換網300、第2通信事業者装置400、および第2顧客装置500を含む。
【0024】
伝送システム600において、第1顧客装置100と第1通信事業者装置200との間はTDM回線で結ばれている。第1通信事業者装置200は、第1顧客装置100からTDM信号を取得すると、受け取ったTDM信号からデータを抽出してCEP化し、CEPパケットを生成する。第1通信事業者装置200は、生成したCEPパケットを、パケット交換網300を介して第2通信事業者装置400に送信する。
【0025】
第2通信事業者装置400は、パケット交換網300を介して第1通信事業者装置200からCEPパケットを取得する。第2通信事業者装置400は、取得したCEPパケットをもとに、TDM信号を生成する。第2通信事業者装置400は次いで、生成したTDM信号をTDM回線を通じて第2顧客装置500に伝送する。このため、第2通信事業者装置400と第2顧客装置500との間はTDM回線で結ばれている。
【0026】
このように、第1顧客装置100および第2顧客装置500が従来型のTDM回線を利用する装置であっても、第1通信事業者装置200および第2通信事業者装置400がTDM信号を中継してCEP化することで、第1通信事業者装置200と第2通信事業者装置400との間はパケット交換網300を利用することが可能となる。この意味で、第1通信事業者装置200はCEPパケット送信装置として機能し、第2通信事業者装置400はCEPパケット受信装置として機能する。
【0027】
図2は、従来技術に係る第1通信事業者装置200と第2通信事業者装置400との内部構成を模式的に示す図である。
【0028】
第1通信事業者装置200は、TDM回線異常検出部210、TDM終端部212、およびCEPパケット生成部214を含む。また、第2通信事業者装置400は、フラグ検出部410、パケット終端部412、およびTDM信号生成部414を含む。
【0029】
第1通信事業者装置200内のTDM終端部212は、TDM回線を通じて第1顧客装置100から送信されるTDM信号を取得する。CEPパケット生成部214は、TDM終端部212が取得したTDM信号をもとに、パケット交換網300を介して第2通信事業者装置400に送信するためのCEPパケットを生成する。
【0030】
第2通信事業者装置400内のパケット終端部412は、パケット交換網300を介して第1通信事業者装置200内のCEPパケット生成部214から送信されたCEPパケットを取得する。TDM信号生成部414は、パケット終端部412が取得したCEPパケットからデータを抽出して、第2顧客装置500に送信するためのTDM信号を生成する。
【0031】
ここで、パケット交換網300を用いて信号を伝送する場合、信号の伝送方式上の理由から、同じデータ量を既存のTDM回線を介して伝送する場合と比較して、高いビットレートで動作する必要がある。これは、パケット交換網300を構成する装置の消費電力を増大させる一因となっている。このため、例えばRFC(Request for Comments)5086において、顧客装置と通信事業者装置間との間のTDM回線に異常が生じた場合、CEPパケット内の主信号領域を省略する方法が開示されている。また、RFC3985には、TDM信号の極性が全て1であることを検出した場合、そのTDM信号を伝送しているTDM回線を異常であるとして検出することが開示されている。
【0032】
そこで第1通信事業者装置200内のTDM回線異常検出部210は、TDM終端部212が取得したTDM信号を解析して信号の極性が全て1であることを検出した場合、CEPパケット生成部214に、主信号領域を省略したCEPパケットを生成させる。ここでCEPパケット生成部214は、主信号領域を省略したCEPパケット中の所定の管理ビットに、主信号領域が省略されていることを示すフラグを立てる。
【0033】
第2通信事業者装置400内のフラグ検出部410は、パケット終端部412が取得したCEPパケット中の管理ビットに主信号領域が省略されていることを示すフラグが立てられているか否かを検出する。主信号領域が省略されている旨のフラグが立てられている場合、TDM信号生成部414は、所定のTDM信号を生成して第2顧客装置500に送信する。
【0034】
ここで「所定のTDM信号」とは、何らかの理由でCEPパケット中に主信号に相当するデータが存在しない場合に生成する仮のTDM信号であり、例えば主信号の極性が全て1のTDM信号である。
【0035】
図3は、TDM回線に異常が生じてから復旧するまでの間のTDM信号と対応するパケット信号との状態を例示する図である。図3において、TはTDM回線に異常が生じた時刻を表し、TはTDM回線に生じた異常が復旧した時刻を表す。
【0036】
時刻Tにおいて、TDM回線異常検出部210はTDM回線の異常を検出する。時刻T以降、CEPパケット生成部214は、主信号領域を省略したCEPパケットを生成する。主信号領域を省略したCEPパケットは、主信号領域を省略していないCEPパケットと比較して、データ量が小さい。このため、パケット交換網300の帯域を低減することが可能となる。
【0037】
その後時刻Tにおいて、TDM回線異常検出部210はTDM回線が復旧したことを検出する。時刻T以降、CEPパケット生成部214は、主信号領域を含むCEPパケットを生成する。
【0038】
このように、TDM回線に異常が生じている時刻Tから時刻Tまでの間はデータ量の小さいパケットを送信することになるが、依然としてパケットを送信することには変わりはない。前述したように、パケット交換網300を用いて信号を伝送する場合、信号の伝送方式上の理由から、同じデータ量を既存のTDM回線を介して伝送する場合と比較して、高いビットレートで動作する必要がある。このため、パケット交換網300にパケットを送信する限り、パケット交換網300を構成する装置の消費電力を増大させることになる。
【0039】
そこで本発明の実施の形態に係る第1通信事業者装置200は、取得したTDM信号を解析し、第2通信事業者装置400にCEPパケットを送信する必要があるか否かを判断する。CEPパケットを送信する必要がないと判断した場合、第1通信事業者装置200はCEPパケットの生成および送信を停止する。
【0040】
図4は、実施の形態に係る第1通信事業者装置200と第2通信事業者装置400との内部構成を模式的に示す図である。以下、従来技術に係る第1通信事業者装置200または第2通信事業者装置400と重複する部分は、適宜省略または簡略化して説明する。
【0041】
図4は、実施の形態に係る第1通信事業者装置200と第2通信事業者装置400とを実現するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。図4において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メインメモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で構成することができ、ソフトウェア的には、メインメモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0042】
実施の形態に係る第1通信事業者装置200は、TDM終端部212、CEPパケット生成部214、およびCEP化制御部216を含む。CEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号を解析して、CEPパケット生成部214がパケット信号を生成するか否かを制御する。CEP化制御部216は、CEPパケット生成部214にパケット信号の生成を停止させる場合、パケット信号の生成が停止することを第2通信事業者装置400に通知するための制御用CEPパケットをCEPパケット生成部214に生成させて送信させた後、パケット信号の生成を停止させる。
【0043】
より具体的には、CEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号のフレームフォーマットを解析する。その結果、フレームフォーマット中に、第1顧客装置100が使用されていないことを示す信号を検出した場合、CEPパケット生成部214に第1顧客装置100が使用されていないことを示すフラグを含む制御用のCEPパケットを生成させて、その制御用CEPパケットをパケット交換網300を介して第2通信事業者装置400に送信させる。
【0044】
続いてCEP化制御部216は、CEPパケット生成部214がパケットを生成することを停止させる。この結果、CEPパケット生成部214から第2通信事業者装置400へのCEPパケットの送信も停止する。CEPパケット生成部214がパケットを生成することを停止している間、CEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号のフレームフォーマットの解析を継続する。TDM終端部212が取得したTDM信号のフレームフォーマット中に第1顧客装置100が使用されていないことを示す信号が検出されなくなると、CEP化制御部216は、CEPパケット生成部214にCEPパケットの生成を再開させる。
【0045】
図5は、TDM信号のフレームフォーマットの例を示す図である。図5に示すように、TDM信号は1フレームあたり789bitのデータで構成され、1フレームあたり125マイクロ秒で伝送される。789ビットのうち、前半の768bitは主信号であり、続く21bitが通信事業者が用いる管理用の信号である。
【0046】
管理用の信号のうち最初の16bitが管理に用いる信号STであり、最後の5bitがTDM信号の同期をとるために用いられる同期信号Fである。同期信号Fは5bitであるが、連続する4フレーム中の同期信号Fは、それぞれ異なる情報が伝達される。すなわち、同期信号Fは4フレームが1単位として扱われる。
【0047】
同期信号Fの中には、TDM信号を伝送する顧客装置が使用されているか否かを示すビットである「R−INH」が存在する。R−INHは、顧客装置が正常に使用されているときは0の値を取る。また、ユーザが顧客装置の電源を落とす等の何らかの理由で顧客装置が使用されなくなると、TDM信号を伝送する顧客装置は所定の時間、R−INHの値は1となる。
【0048】
CEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号のフレームフォーマット中のR−INHを監視し、R−INHが所定の時間1となった場合、第1顧客装置100が使用されていないと判断する。
【0049】
図6は、第1顧客装置100が使用されなくなってから再度使用されるまで間のTDM信号と対応するパケット信号との状態を例示する図である。図6において、Tは第1顧客装置100が使用されなくなった時刻を表し、Tは第1顧客装置100が再度使用された時刻を表す。
【0050】
時刻Tにおいて、CEP化制御部216は、第1顧客装置100が使用されていないことを検出する。第1顧客装置100が使用されていないことを検出すると、CEP化制御部216は、第1顧客装置100が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットをCEPパケット生成部214に生成させ、その後CEPパケットの生成を停止させる。
【0051】
その後時刻Tにおいて第1顧客装置100が再度使用されたことを検出するまで、CEPパケット生成部214はCEPパケットの生成を停止する。このため、時刻Tから時刻Tまでの間は、制御用CEPパケットを除いてパケット交換網300にはCEPパケットが伝送されない。これにより、従来技術に係る第1通信事業者装置200と比較して、パケット交換網300の実行帯域および伝送システムの消費電力さらなる低減が可能となる。
【0052】
図4の説明に戻る。実施の形態に係る第2通信事業者装置400は、パケット終端部412、TDM信号生成部414、およびTDM化制御部416をさらに含む。TDM化制御部416は、パケット終端部412が取得したCEPパケットを解析して、TDM信号生成部414が生成するTDM信号を制御する。TDM化制御部416は、パケット終端部412が取得したCEPパケットが、CEPパケットの送信が停止することを通知する制御用CEPパケットの場合、TDM信号生成部414に所定のTDM信号を生成させる。
【0053】
より具体的に、TDM化制御部416は、パケット終端部412が取得したCEPパケットを解析して、第1顧客装置100が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットであるか否かを調べる。その結果、制御用CEPパケットであることを検出した場合、TDM化制御部416は第1通信事業者装置200からのCEPパケットの送信が停止すると判断し、TDM信号生成部414に所定の極性を持つTDM信号を生成させる。TDM化制御部416はCEPパケットの解析を継続し、その後CEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、TDM信号生成部414にパケット終端部が取得したCEPパケットをTDM信号に変換させる。
【0054】
第1通信事業者装置200がCEPパケットの送信を停止したとしても、TDM信号生成部414は第2顧客装置500に対するTDM信号の送信を継続する。これにより、第2顧客装置500は、CEPパケットの送信を停止中においても通常どおりの運用を継続することが可能となる。
【0055】
図7は、実施の形態に係る第1通信事業者装置200の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、第1通信事業者装置200の電源が投入されたときに開始する。
【0056】
TDM終端部212は、TDM回線を通じて第1顧客装置100から送信されたTDM信号を受信する(S10)。CEP化制御部216は、TDM終端部212が受信したTDM信号を解析して、CEPパケット生成部214がCEPパケットの生成を停止する条件を確認する(S12)。確認の結果、CEPパケット生成部214によるCEPパケットの生成を停止すべきと判断した場合(S14のY)、CEP化制御部216は、CEPパケット生成部214にCEPパケットの送信を停止することを示すフラグを含む制御用CEPパケットを生成させ、第2通信事業者装置400に送信させる(S16)。
【0057】
制御用CEPパケットの送信後、CEP化制御部216はCEPパケット生成部214にCEPパケットの生成を停止させる(S18)。CEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号を解析し、CEPパケット生成部214がCEPパケットの生成を停止する条件を満たすか否かを確認する(S20)。CEPパケットの生成を停止する条件を満たし、依然としてCEPパケット生成部214がCEPパケットの生成を開始すべきでない場合(S22のN)、ステップS20に戻ってTDM信号の解析を継続する。
【0058】
CEPパケットの生成を停止する条件を満足せず、CEPパケット生成部214がCEPパケットの生成を開始すべきとなった場合(S22のY)、CEP化制御部216は、取得したTDM信号からデータを抽出してCEPパケットを生成することをCEPパケット生成部214に実行させる(S24)。CEPパケット生成部214は、生成したCEPパケットをパケット交換網300を介して第2通信事業者装置400に送信する(S26)。
【0059】
CEPパケット生成部214によるCEPパケットの生成を停止すべきではない場合(S14のN)、CEPパケット生成部214は、CEPパケットを生成して第2通信事業者装置400に送信する。以上のステップS10からステップS26を繰り返すことにより、第1通信事業者装置200は、第1顧客装置100から取得したTDM信号をCEP化して第2通信事業者装置400に送信する。
【0060】
図8は、実施の形態に係る第2通信事業者装置400の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、第2通信事業者装置400の電源が投入されたときに開始する。
【0061】
パケット終端部412は、パケット交換網300を介して第1通信事業者装置200から送信されたCEPパケットを受信する(S28)。TDM化制御部416は、パケット終端部412が受信したパケットを解析して、CEPパケットの種類が通常のCEPパケットか制御用CEPパケットかを確認する(S30)。パケットの種類が制御用CEPパケットの場合(S32の制御用パケット)、TDM化制御部416は、TDM信号生成部414に、所定のTDM信号を第2顧客装置500に送信させる(S34)。
【0062】
TDM化制御部416は、パケット終端部412が新たなCEPパケットを受信するのを待機する。パケット終端部412が新たなCEPパケットを受信しない間(S36のN)、ステップS34におけるTDM信号生成部414は所定のTDM信号を第2顧客装置500に送信することを継続する。パケット終端部412が新たなCEPパケットを受信した場合(S36のY)、TDM化制御部416は、TDM信号生成部414に受信したCEPパケットをもとにTDM信号を生成させる(S38)。その後、TDM信号生成部414は、生成したTDM信号を第2顧客装置500に送信する(S40)。
【0063】
パケット終端部412が受信するCEPパケットが通常のCEPパケットである場合(S32の通常パケット)、TDM信号生成部414は、TDM信号を生成して第2顧客装置500に送信する。以上のステップS28からステップS40を繰り返すことにより、第2通信事業者装置400は、第1通信事業者装置200から取得したCEPパケットをTDM信号に変換して第2顧客装置500に送信する。
【0064】
以上の構成による動作は以下のとおりである。実施の形態に係る第1通信事業者装置200は、第1顧客装置100から取得したTDM信号を解析して、第1顧客装置100が使用されているか否かを確認する。第1顧客装置100が使用されていないことが確認された場合、第1通信事業者装置200は、その旨を通知する制御用CEPパケットを第2通信事業者装置400に送信した後、CEPパケットの送信を停止する。
【0065】
第2通信事業者装置400は、第1通信事業者装置200から送信された、第1顧客装置100が使用されていないことを示す制御用CEPパケットを受信すると、次に第1通信事業者装置200からCEPパケットが送信されるまで、所定のTDM信号を第2顧客装置500に送信する。
【0066】
以上のように、実施の形態に係る第1通信事業者装置200および第2通信事業者装置400は、第1顧客装置100が使用されていない間にパケット交換網300へのCEPパケットの送信を停止することにより、伝送システム600の消費電力を低減することができる。
【0067】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0068】
上記の説明では、第1顧客装置100が使用されないことを契機としてCEPパケットの送信を停止する場合について説明したが、CEPパケットの送信を停止する契機はこれに限られない。以下変形例として、CEPパケットの送信を停止する別の契機について説明する。
【0069】
変形例の概要を述べる。変形例に係る第1通信事業者装置200は、TDM終端部212が受信したTDM信号の極性が所定の時間変化しない定常的な信号である場合、その旨およびそのときの極性を第2通信事業者装置400に通知した後にCEPパケットの送信を停止する。TDM信号が定常的な信号であれば、信号そのものを送らなくても受信側で信号を容易に再現できるからである。
【0070】
変形例に係るCEP化制御部216は、TDM終端部212が取得したTDM信号の主信号の極性が所定の時間変動しないことを検出した場合、CEPパケット生成部214にTDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットを生成させる。続いてCEP化制御部216は、CEPパケット生成部214に、生成したCEPパケットをパケット交換網300を介して第2通信事業者装置400に送信させるとともに、CEPパケットの生成を停止させる。
【0071】
ここでTDM信号の主信号の極性が所定の時間変動しない場合とは、信号の極性が所定の時間0のまま変動しない場合や、信号の極性が1のまま変動しない場合が考えられる。CEP化制御部216は、信号値の差分を監視することで、極性の変動を監視できる。CEP化制御部216は、TDM終端部212が受信したTDM信号の極性の変動を継続して監視し、TDM信号の極性が変動を開始した場合、CEP化制御部216は、CEPパケット生成部214にCEPパケットの生成を再開させる。
【0072】
図9は、第1顧客装置100から送信されるTDM信号の極性が変動しなくなってから再度変動するまで間のTDM信号と対応するパケット信号との状態を例示する図である。図9において、Tは第1顧客装置100から送信されるTDM信号の極性が変動しなくなった時刻を表し、Tは第1顧客装置100から送信されるTDM信号の極性が再度変動した時刻を表す。
【0073】
時刻Tにおいて、CEP化制御部216は、第1顧客装置100から送信されたTDM信号の極性が変動しなくなったことを検出する。第1顧客装置100から送信されたTDM信号の極性が変動しなくなったことを検出すると、CEP化制御部216は、CEPパケット生成部214にTDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットを生成させ、その後CEPパケットの生成を停止させる。
【0074】
その後時刻TにおいてTDM信号の極性が変動を開始したことを検出するまで、CEPパケット生成部214はCEPパケットの生成を停止する。このため、時刻Tから時刻Tまでの間は、制御用CEPパケットを除いてパケット交換網300にはCEPパケットが伝送されない。これにより、従来技術に係る第1通信事業者装置200と比較して、パケット交換網300の実行帯域および伝送システムの消費電力さらなる低減が可能となる。
【0075】
変形例に係る第2通信事業者装置400内のTDM化制御部416は、パケット終端部412が取得したCEPパケットを解析して、そのCEPパケットが制御用CEPパケットか、通常のCEPパケットかを調べる。その結果、制御用CEPパケットであることを検出した場合、TDM化制御部416は第1通信事業者装置200からのCEPパケットの送信が停止すると判断し、TDM信号生成部414に、制御用CEPパケットが示す極性を持つTDM信号を生成させる。TDM化制御部416はCEPパケットの解析を継続し、その後CEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、TDM信号生成部414にパケット終端部が取得したCEPパケットをTDM信号に変換させる。
【0076】
第1通信事業者装置200がCEPパケットの送信を停止したとしても、TDM信号生成部414は第2顧客装置500に対するTDM信号の送信を継続する。TDM終端部212が受信するTDM信号の極性は変動しないのであるから、第2通信事業者装置400は、第2顧客装置500に対して正しいTDM信号を送信することができる。
【0077】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果を合わせ持つ。
【0078】
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0079】
100 第1顧客装置、 200 第1通信事業者装置、 210 TDM回線異常検出部、 212 TDM終端部、 214 CEPパケット生成部、 216 CEP化制御部、 300 パケット交換網、 400 第2通信事業者装置、 410 フラグ検出部、 412 パケット終端部、 414 TDM信号生成部、 416 TDM化制御部、 500 第2顧客装置、 600 伝送システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TDM(Time Division Multiplexing)回線を通じて顧客装置から送信されたTDM信号をCEP(Circuit Emulation over Packet)パケットに変換して受信装置に送信するCEPパケット送信装置であって、
TDM信号を取得するTDM終端部と、
前記TDM終端部が取得したTDM信号をもとに、CEPパケットを生成するCEPパケット生成部と、
前記TDM終端部が取得したTDM信号を解析して、前記CEPパケット生成部がパケット信号を生成するか否かを制御するCEP化制御部とを含み、
前記CEP化制御部は、前記CEPパケット生成部にパケット信号の生成を停止させる場合、パケット信号の生成停止を前記受信装置に通知するための制御用CEPパケットを前記CEPパケット生成部に生成させることを特徴とするCEPパケット送信装置。
【請求項2】
前記CEP化制御部は、前記TDM終端部が取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号を検出した場合、前記CEPパケット生成部に前記顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、
前記TDM終端部が取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号が検出されなくなった場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させることを特徴とする請求項1に記載のCEPパケット送信装置。
【請求項3】
前記CEP化制御部は、前記TDM終端部が取得したTDM信号の主信号の極性が所定の時間変動しないことを検出した場合、前記CEPパケット生成部にTDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、
前記TDM終端部が取得したTDM信号の主信号の極性が変動を開始した場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させることを特徴とする請求項1に記載のCEPパケット送信装置。
【請求項4】
TDM信号をもとに生成されたCEPパケットを取得してTDM信号に変換するCEPパケット受信装置であって、
CEPパケットを取得するパケット終端部と、
前記パケット終端部が取得したCEPパケットをもとに、TDM信号を生成するTDM信号生成部と、
前記パケット終端部が取得したCEPパケットを解析して、前記TDM信号生成部を制御するTDM化制御部とを含み、
前記TDM化制御部は、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが、CEPパケットの送信が停止することを通知する制御用CEPパケットの場合、前記TDM信号生成部に所定のTDM信号を生成させることを特徴とするCEPパケット受信装置。
【請求項5】
前記TDM化制御部は、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが、顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、前記TDM信号生成部に所定の極性を持つTDM信号を生成させ、
前記パケット終端部が取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に前記パケット終端部が取得したCEPパケットをTDM信号に変換させることを特徴とする請求項4に記載のCEPパケット受信装置。
【請求項6】
前記TDM化制御部は、前記パケット終端部が取得したCEPパケットが、TDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、取得した制御用CEPパケットに含まれるフラグの極性と同じ極性を持つTDM信号を前記TDM信号生成部に生成させ、
前記パケット終端部が取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に前記パケット終端部が取得したCEPパケットをTDM信号に変換させることを特徴とする請求項4に記載のCEPパケット受信装置。
【請求項7】
TDM回線を通じて顧客装置から取得したTDM信号をもとにCEPパケットを生成して送信するCEPパケット送信装置と、
前記CEPパケット送信装置から取得したCEPパケットをもとにTDM信号を生成するCEPパケット受信装置とを含む伝送システムにおいて、
前記CEPパケット送信装置は、
取得したTDM信号をもとにCEPパケットを生成するCEPパケット生成部と、
取得したTDM信号を解析して、前記CEPパケット受信装置にCEPパケットの送信を停止するか否かを決定するとともに、前記CEPパケット受信装置にCEPパケットの送信を停止する場合、前記CEPパケット受信装置にパケット信号の生成が停止することを通知するための制御用CEPパケットを前記CEPパケット生成部に生成させるCEP化制御部とを含み、
前記CEPパケット受信装置は、
前記CEPパケット送信装置から取得したCEPパケットをもとにTDM信号を生成するTDM信号生成部と、
前記CEPパケット送信装置から取得したCEPパケットが、CEPパケットの送信が停止することを通知する制御用CEPパケットの場合、前記TDM信号生成部に所定のTDM信号を生成させるように制御するTDM化制御部とを含むことを特徴とする伝送システム。
【請求項8】
前記CEP化制御部は、取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号を検出した場合、前記CEPパケット生成部に前記顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、取得したTDM信号のフレームフォーマットの中に前記顧客装置が使用されていないことを示す信号が検出されなくなった場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させ、
前記TDM化制御部は、取得したCEPパケットが、顧客装置が使用されていないことを示すフラグを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、前記TDM信号生成部に所定の極性を持つTDM信号を生成させ、取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に取得したCEPパケットをTDM信号に変換させることを特徴とする請求項7に記載の伝送システム。
【請求項9】
前記CEP化制御部は、取得したTDM信号の主信号の極性が所定の時間変動しないことを検出した場合、前記CEPパケット生成部にTDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットを生成させた後にCEPパケットの生成を停止させ、取得したTDM信号の主信号の極性が変動を開始した場合、前記CEPパケット生成部にCEPパケットの生成を再開させ、
前記TDM化制御部は、取得したCEPパケットが、TDM信号の主信号の極性が変化していないことを示すフラグとその信号の極性を示すフラグとを含む制御用CEPパケットであることを検出した場合、取得した制御用CEPパケットに含まれるフラグの極性と同じ極性を持つTDM信号を前記TDM信号生成部に生成させ、取得したCEPパケットが制御用CEPパケットでなくなったことを検出した場合、前記TDM信号生成部に取得したCEPパケットをTDM信号に変換させることを特徴とする請求項7に記載の伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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