説明

CRPを低下させ、かつ全身性炎症を軽減する方法

置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、又は置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキルの薬学的に許容される塩、又は置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキルを含む医薬組成物の有効量を投与することによって、血漿CRPレベルを低下させ、全身性炎症を低減し及び全炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、又は置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキルの薬学的に許容される塩、又は置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキルの薬学的に許容される塩の医薬組成物の有効量を投与することを含む、C反応性蛋白質(CRP)を低減し、全身性炎症を軽減し及び前炎症性サイトカイン誘導CRP蛋白質を阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冠状動脈性心臓病、卒中、再狭窄及び抹消心臓疾患等の血管疾患は、依然として、世界中で死亡及び障害の原因となっている。米国では70万人を超える人々が心臓疾患だけで毎年亡くなり、更に16万6千人が脳血管障害、特に卒中で死亡する。当該死の多くは、一般的に、心筋梗塞を患い及び/又は充血性の心疾患に罹患している約150万人の人々から起こる。心筋梗塞は、冠動脈におけるアテローム性動脈硬化症班の破裂によって最も一般的に起こり、次に、当該破裂部位で塊(血栓)の形成を引き起こす。塊が血管(すなわち冠動脈)を塞ぎ、組織死に至るに十分な時間、心筋への血流がほとんど損なわれ又は妨害された結果、心筋梗塞は起こる。班の破裂を防ぎ及び/又は班破裂の可能性を低減することは、高血清コレステロール、喫煙、高血圧及び糖尿病等の一般的冠動脈危険因子を治療するための科学的根拠である。炎症過程は、アテローム性動脈硬化症の初期及び進行過程に強く関連する。基本的かつ疫学的研究は、アテローム性動脈硬化症班内の感染がその安定性に影響することを示唆している。従って、感染を軽減する方法の特定は、冠動脈及び卒中、抹消心臓疾患を含むその他の血管疾患、並びに一過性脳虚血発作(TIAs);椎骨脳底動脈循環不全;間欠性跛行;肢壊疽;レイノー病;大動脈-腸骨動脈病に関連するインポテンス;腸間膜;及び他の形態の腹部アンギナ及び狭心症等のその他の種々の血管不全の予防的治療の重要な方法となるだろう。
【0003】
CRPは、全身性炎症(すなわちCRPレベルが個体の全身性炎症のレベルと関連する)のマーカーである。CRPは、急性期応答の一部として前炎症性サイトカインへの応答の際に主に肝臓で産生される。CRPの増加レベルは、冠動脈心疾患の増加危険性とは無関係とされてきた。冠動脈心疾患の増加危険性とのその関係に加えて、CRPの高レベルは、喫煙者、代謝性症候群、II型糖尿病、グルコース非寛容、骨粗鬆症又はリウマチ様関節炎、soriatic 関節炎、脊椎関節症もしくは血管炎等の全身性炎症を含むがこれらに限定されない他の群でも見られる。
【0004】
脂質変更薬物を含むいくつかの薬物は、CRPを低減することが判っている。例えば、CRPに与えるスタチンの効果の種々の研究は、LDL-Cでの変化に関連しないCRPでの重要な還元を示している。一般的な理解の一致は、スタチンがCRPを低減することであるが、いくつかの研究は、スタチンがCRPレベルに対して若干効果を示すか又は全く効果を示さないにすぎないことを示している。更に、CRPに対して繊維組織を低減する脂質効果の研究は、有意な還元を示す研究及び還元CRPレベルを見つけられない他の研究と共に、結論に達していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、今回、脂質低減薬物がCRPレベルをも低減することを前もって予測することは不可能である。CRPの低減は、逆の冠動脈事象の減少された危険性と関連するため、CRPを低減する追加の薬物が求められている。更に、全身性炎症は多くの疾患の構成部分となるため、全身性炎症を低減する追加の薬物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
我々は、特定のカルボキシアルキルエーテルがLp(a)、トリグリセリドの血漿濃度を低減し、HDL-コレステロールを亢進するのに効果的であることを以前発見しており、当該化合物は本明細書に全体が参考として組み込まれている米国特許第5,648,387号明細書に記載されている。
【0007】
一般的に本発明は、それを必要としている哺乳動物に、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキルあるいは置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキルの薬学的に許容される塩の有効量を投与することを含む血漿CRPレベルを低減する方法を含む。
【0008】
本発明の一つの実施態様は、下記式I:
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、n及びmは独立に2〜9の整数であり;
R1、R2、R3及びR4は独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルであるか、あるいはR1及びR2はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、及びR3及びR4はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、独立に3〜6の炭素原子を有する炭素環式環を形成し得る;
Y1及びY2は独立にCOOH、CHO、テトラゾール及びCOOR5(但し、R5はC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換アルキル、アルケニル又はアルキニルである)であり;ここで当該アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ及びフェニルから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい。]
で表される化合物の有効量又はその薬学的に許容される塩を、それを必要としている哺乳動物に投与することを含む、血漿CRPレベルを低減する方法である。
【0011】
本発明の別の実施態様は、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)の有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することを含む、血漿CRPレベルを低減する方法である。
【0012】
本発明の別の実施態様は、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、又は置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を含む医薬組成物の有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することを含む、血漿CRPレベルを低減する方法である。
【0013】
本発明の実施態様は、式1の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を含む医薬組成物の有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することを含む、血漿CRPレベルを低減する方法である。
【0014】
本発明の別の実施態様は、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)を含む医薬組成物の有効量を、それを必要としている哺乳動物に投与することを含む、血漿CRPレベルを低減する方法である。
【0015】
本発明のより特定の実施態様は、当該化合物が前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する、上記の血漿CRPレベルを低減する方法を含む。
【0016】
本発明の更なる実施態様は、当該哺乳動物がヒトである、上記の血漿CRPレベルを低減する方法を含む。
【0017】
本発明の別の実施態様は、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、あるいは置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキルの薬学的に許容される塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の全身性炎症を低減する方法である。
【0018】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の全身性炎症を軽減する方法である。
【0019】
本発明の別の実施態様は、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の全身性炎症を軽減する方法である。
【0020】
本発明の別の実施態様は、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、あるいは置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキルの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を含む医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の全身性炎症を軽減する方法である。
【0021】
本発明の実施態様は、式1の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を含む医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の全身性炎症を軽減する方法である。
【0022】
本発明の別の実施態様は、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)を含む医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の全身性炎症を軽減する方法である。
【0023】
本発明のより特定の実施態様は、当該化合物が前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する、上記の全身性炎症を軽減する方法を含む。
【0024】
本発明の更なる実施態様は、当該哺乳動物がヒトである、上記の全身性炎症を軽減する方法を含む。
【0025】
本発明の別の実施態様は、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、あるいは置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキルの薬学的に許容される塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法である。
【0026】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物又はその薬学的に許容される塩の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法である。
【0027】
本発明の別の実施態様は、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法である。
【0028】
本発明の別の実施態様は、置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、あるいは置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキルの薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法である。
【0029】
本発明の別の実施態様は、式1の化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を含む医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法である。
【0030】
本発明の別の実施態様は、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)を含む医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法である。
【0031】
本発明の更なる実施態様は、当該哺乳動物がヒトである、上記の前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法を含む。
【発明の効果】
【0032】
本明細書に記載の1以上の置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換-アルキル、あるいは置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキルの薬学的に許容される塩は、哺乳動物の血漿CRPレベルを低減する、哺乳動物の全身性炎症を軽減する又は哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する医薬の製造に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
略語
以下のリストは、スキーム及び文脈中で用いられる略語を含む:
ANCOVA コバリアンスの解析
Cc 立方センチメートル
CRP C反応性蛋白質
COOEt エトキシカルボニル
Et エチル
EP 欧州ファルマコピア
HDL 高密度リポ蛋白
HDL-C 高密度リポ蛋白-コレステロール
i-Bu イソブチル
i-Pr イソプロピル
IL-6 インターロイキン-6
LDL 低密度リポ蛋白
LDL-C 低密度リポ蛋白-コレステロール
Mp 融点
NCEP 国立コレステロール教育プログラム
NF 国立製剤処方
n-Bu ノルマルブチル
n-hexyl ノルマルヘキシル
n-Pr ノルマルプロピル
qs 十分量
TG トリグリセリド
【0034】
用語の定義及び使用
「アルキル」は、置換又は無置換の直線もしくは分岐の炭化水素ラジカルを意味し、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル及び2-メチルペンチルを含む。典型的な置換アルキル基は、クロロメチル、3-ヒドロキシヘキシル、4-フェニルブチル、2-ヨードペンチル、イソプロポキシメチル等である。
【0035】
「アルコキシ」は、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びアリルオキシを含む、酸素原子を介して結合されたアルキル又はアルケニル(すなわち-O-アルキル又は-O-アルケニル)を意味する。
【0036】
「アルケニル」は、例えばビニル、アリル、ブテニル、3-クロロ-4-ヘキセニル及び2-フェニル-3-ペンテニルを含む、1以上の炭素-炭素二重結合を有する、置換又は無置換の直線もしくは分岐の炭化水素鎖ラジカルである。
【0037】
「アルキニル」は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を有する、置換又は無置換の炭素鎖ラジカルである。典型的な基は例えばエチニル、2-メトキシエチニル、2-ブロモエチニル、6-フェニル-3-ヘキシニルを含む。
【0038】
「ハロ」は塩素、臭素及びヨウ素を含む。
【0039】
R1及びR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等の炭素環式環を形成することができる。同様に、R3及びR4は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロプロピル、シクロヘキシル等のC3〜C6炭素環式環を形成することができる。
【0040】
本明細書で使用の「前炎症性サイトカイン誘導CRP産生」とは、肝臓又は肝細胞外のCRPレベルが1以上の前炎症性サイトカインに応答して増加していることを意味する。「産生」とは、CRPレベルが増加するメカニズムに関らず、CRPレベルの全ての増加を含む。CRPレベルが増加するメカニズムは、肝臓からのCRPの分泌、CRPの増大転写及び/又は翻訳及びCRP蛋白質及び/又はmRNAの安定性を含むがこれらに限定されない。当業者であれば、例えば実施例16に記載されたような当該分野で知られた方法を用いることによって、化合物が前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害するか否かを測定することができる。
【0041】
本明細書で使用する化合物又は医薬組成物の「有効量」とは、所望の効果を達成する、投与されるための化合物又は医薬の量を意味する。例えば、ジアルキルエーテル又はその薬学的に許容される塩の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む血漿CRPレベルを低減する方法の文脈において、「有効量」は、ジアルキルエーテルが投与される哺乳動物において血漿CRPレベルを低減するジアルキルエーテルの量である。CRPレベルは当該分野で知られた方法によって測定することができる。化合物の有効量をそれを必要とする哺乳動物に投与することを含む全身性炎症を軽減する方法の文脈において、「有効量」は、当該化合物が例えば式1の化合物である、哺乳動物の全身性炎症を軽減する化合物の量であり、「有効量」は、当該化合物が投与される哺乳動物の全身性炎症を軽減する式1の化合物の量である。全身性炎症の軽減は、当該化合物の投与前後における哺乳動物の全身性炎症マーカーのレベルを比較することによって測定できる。全身性炎症マーカーは、CRP、IL-6等のサイトカイン及びsICAM等の細胞接着分子を含むがこれらに限定されない。式1又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される希釈剤、担体もしくは賦形剤を含む医薬組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法の文脈において、「有効量」は、哺乳動物において前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する、式1の化合物又はその薬学的に許容される塩の量である。前炎症性サイトカイン誘導CRP産生の阻害は、例えば実施例16に記載の方法等の当該分野で知られている方法によって測定できる。
【0042】
本発明の一つの実施態様では、有効量は約150 mg/日〜約1500 mg/日であり;別の実施態様では、有効量は約150 mg/日〜約900mg/日、別の実施態様では、有効量は約300 mg/日〜約900mg/日であり;別の実施態様では、有効量は約600 mg/日〜約900 mg/日である。当業者は、当該有効量が選ばれた患者群の基準的特徴及び使用される方法に依拠することを理解するだろう。
【0043】
本明細書で使用する「前炎症性サイトカイン」はIL-6及びIL-1βを含むがこれらに限定されない。
【0044】
本発明の方法において有用な置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物は、本明細書に参考として各々組み込んだ、米国特許第3,773号明細書, 同第946; 3,930号明細書, 同第024; 4,287号明細書, 200号明細書; 同第4,689, 344号明細書; 同第4,711, 896号明細書; 同第5,648, 387号明細書; 同第5,750, 569号明細書; 同第5,756, 544号明細書; 同第5,783, 600号明細書; 同第6,410, 802号明細書; 同第6,459, 003号明細書;及び同第6,506, 799号明細書;米国特許出願第09/976,867号;同第09/976,938号;同第09/976,898号;同第09/976,899号;及び同第10/205,939号; 米国特許出願第US 2002/0077316号; 同第US 2003/0018013号; 同第US 2003/0022865号; 同第US 2003/0065195号;及び同第US 2003/0078239号;及びPCT国際出願公報WO 96/30328パンフレット; 同WO 98/30530パンフレット; 同WO 00/59855パンフレット; 同WO 01/55078パンフレット; 同WO 02/30860パンフレット; 同WO 02/30863パンフレット; 同WO 02/30882パンフレット;及び同WO 02/30884パンフレットに記載の治療用化合物のいずれかの局面又は実施態様を含む。
【0045】
本発明で有用な置換ジアルキルエーテルの例は、下記式I:
【0046】
【化2】

【0047】
[式中、n及びmは独立に2〜9の整数であり;
R1、R2、R3及びR4は独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルであるか、あるいはR1及びR2はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、及びR3及びR4はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、独立に3〜6の炭素原子を有する炭素環式環を形成し得る;
Y1及びY2は独立にCOOH、CHO、テトラゾール及びCOOR5(但し、R5はC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換アルキル、アルケニル又はアルキニルである)であり;ここで当該アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ及びフェニルから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい;ハロは塩素、臭素及びヨウ素を含み、C1〜C6アルコキシは酸素原子を介して結合されたC1〜C6アルキル基である。]
で表される置換ジアルキルエーテル又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0048】
本発明で有用な置換ジアルキルエーテルの別の例は、n及びmが独立に2〜9の整数であり;R1、R2、R3及びR4が独立にC1〜C6アルキルであり:及びY1及びY2が独立にCOOH又はCOOR5、但しR5はC1〜C6アルキルである式Iの置換ジアルキルエーテルを含む。
【0049】
本発明で有用な置換ジアルキルエーテルの他の例は、下記構造:
【0050】
【化3】

【0051】
で表されるいわゆる6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)及びその薬学的に許容される塩を含む。
【0052】
いわゆる6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)の有用な塩の例は、下記構造:
【0053】
【化4】

【0054】
で表されるいわゆる6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)・カルシウム塩である。
【0055】
「6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)カルシウム塩」と呼ばれる置換ジアルキルエーテルは、「6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩」、「6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩」、「6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・カルシウム塩」、「CI-1027」及びジェンカベン・カルシウムを含むがこれらに限定されない他の名称で知られている。「6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)カルシウム塩」の名称は、本明細書では「6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・カルシウム塩」と交換して用いる。
【0056】
6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)・カルシウム塩と呼ばれる置換ジアルキルエーテルは、結晶形1及び結晶形2を含む種々の物理的形状で存在し得ることが理解できよう。6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・カルシウム塩と呼ばれる置換ジアルキルエーテルの結晶形1及び結晶形2は、PCT国際特許出願番号WO 01/55078号パンンフレットに開示されている。当該結晶形の各々の使用は、本発明の方法の範囲内である。
【0057】
6- (5- カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・カルシウム塩と呼ばれる置換ジアルキルエーテルは、PCT国際特許出願番号 WO 01/55078号パンフレットにおいて、6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)- 2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩の名称で知られている水和物として更に存在し得ることが理解できよう。当該又は別の水和物の使用は本発明の方法の範囲内である。
【0058】
6,6'- オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)・カルシウム塩と呼ばれる置換ジアルキルエーテルは、PCT国際特許出願番号WO 01/55078号パンフレットにおいて、各々、6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩エチルアルコール溶媒和物、6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩メタノール溶媒和物、6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩 1-プロピルアルコール溶媒和物、6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2- ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩 2-プロピルアルコール溶媒和物、6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸・一カルシウム塩 l-ブチルアルコール溶媒和物の名称で知られている、エチルアルコール、メタノール、1-プロピルアルコール、2-プロピルアルコール又は1-ブチルアルコール溶媒和物を含む、C1〜C12アルコール溶媒和物として更に存在し得ることが理解できよう。当該及び他のアルコール溶媒和物は本発明の方法の範囲内である。
【0059】
式Iのジアルキルエーテルの更なる例は、
7,7'-オキシビス (2, 2-ジメチルへプタン酸);
5,5'-オキシビス (2, 2-ジメチルペンタン酸);
4,4'-オキシビス (2, 2-ジメチルブタン酸);
8,8'-オキシビス (2, 2-ジメチルオクタン酸);
エチル 2, 2-ジメチル-5- (4-メチル-4-エトキシカルボニルペンチルオキシ) ペンタノエート ;
エチル 2, 2-ジメチル-6- (5-メチル-5-エトキシカルボニルヘキシルオキシ) ヘキサノエート;
メチル 2, 2-ジメチル-8- (7-メチル-7-メトキシカルボニルオクチルオキシ) オクタノエート;
7- (4-メチル-4-ヒドロキシカルボニルペンチルオキシ)-2, 2-ジメチルペンタン酸;及びそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0060】
更なる式Iのジアルキルエーテルの更なる例は、
5- (3-カルボキシ-3-メチル-ブトキシ)-2, 2-ジメチル-ペンタン酸;
2, 2-ジエチル-5- (4-メトキシカルボニル-4-メチル-ペンチルオキシ)-ペンタン酸;
6- (3-カルボキシ-3-エチル-4-メチル-ペンチルオキシ)-2, 2-ジエチル-ヘキサン酸メチルエステル;
2- (3-クロロ-プロピル)-5- (5-ホルミル-7-ヒドロキシ-5-メチル-ヘプチルオキシ)-2- メチル-ペンタン酸;
6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2, 2-ジメチル-ヘキサン酸;
6- (5-カルボキシ-5-エチル-ヘプチルオキシ)-2, 2-ジエチル-ヘキサン酸・二ナトリウム塩;
6- (5-ブチル-5-メトキシカルボニル-ノニルオキシ)-2-エチル-2-メチル-ヘキサン酸;
6- (5-エトキシカルボニル-6-ヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル-ヘキシルオキシ)-2, 2-ビス- ヒドロキシメチル-ヘキサン酸エチルエステル;
2, 2-ジプロピル-6- [5-プロピル-5- (1H-テトラゾール-5-イル)-オクチルオキシ]-ヘキサナール;
1- {4- [4- ( 1-カルボキシシクロプロパン-1-イル)-ブチルキシ]-ブチル}- シクロプロパンカルボン酸;
1- [4- (5, 5-ジメチル-6-オキソ-ヘキシルオキシ)-ブチル]-シクロペンタンカルバアルデヒド;
2-ベンジル-6- (5, 5-ジメチル-6-オキソ-ヘキシルオキシ)-2-メチル-ヘキサナール;
6-(6-エチル-6-ホルミル-オクチルオキシ)-2, 2-ジメチル-ヘキサン酸;
7- (5-カルボキシ-5-エチル-6-メチル-ヘプチルオキシ)-2-エチル-2-イソブチル-ヘプタン酸;
2- [2- (6-カルボキシ-6-ヘキシル-ドデシルオキシ)-エチル]-2-ヘキシル-オクタン酸;
8- (3-カルボキシ-3-イソブチル-5-メチル-へキシルオキシ)-2, 2-ジプロピル-オクタン酸・二カリウム塩;
8- (4-カルボキシ-4-メチル-ペンチルオキシ)-2, 2-ジエチル-オクタン酸;
2-ブロモメチル-9- (4-カルボキシ-4-クロロメチル-5-ヒドロキシ-ペンチルオキシ)-2- ヨードメチル-ノナン酸;
9- (5-カルボキシ-5-ペンチル-デシルオキシ)-2, 2-ビス-メトキシメチル-ノナン酸のトリエチルアミンとの1:1塩;
10- (5, 5-ジメチル-6-オキソ-ヘキシルオキシ)-2, 2-ジメチル-デカン酸;
11-(5-へキシルオキシカルボニル-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ウンデカン酸エチルエステル;
5- {3-エチル-11-[6-エチル-6-(1 H-テトラゾール-5-イル)-オクタン-1-イルオキシ]-ウンデカン-3- イル}-テトラゾール;及び
11- (10-ベンジル-10-カルボキシ-11-クロロ-ウンデシルオキシ)-2, 2-ジエチル-ウンデカン酸;並びにそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0061】
6- (5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルキシ)- 2,2-ジメチル-ヘキサン酸・カルシウム塩の名称の化合物を含む式1の置換ジアルキルエーテル及びその薬学的に許容される塩は、米国特許5,648, 387号明細書及びその分割出願第5,750, 569号; 同第5,756, 544号;及び同第5,783, 600号並びにPCT国際出願公報WO 96/30328号パンフレット; 同WO 01/55078号パンフレットに記載されている。
【0062】
本発明で有用な置換-アルキル化合物は、下記式II:
【0063】
【化5】

【0064】
[式中、nは6、7、8、9又は10であり;R及びR1は水素原子及びC1〜C8アルキルからなる群より選ばれる。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0065】
式IIの化合物の例は、2,2,9,9-テトラメチルデカン二酸; 2,2,12,12-テトラメチルトリデカン二酸;及びその薬学的に許容される塩を含む。
【0066】
式IIの置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、米国特許第3,773,946号明細書に記載されている。
【0067】
本発明で有用な置換-アルキル化合物の例は、下記式III:
【0068】
【化6】

【0069】
[式中、nは6、7、8、9又は10であり;R及びR1は水素原子、(C1〜C12アルキル)-C (=O)-、 H02C (CH2)m-CH2-C (=O)-、フェニル-CH2- C (H) (NH2)-C (=O)-及び(HO)2-P (=O)-からなる群より選ばれ;mは1〜3の整数であり;アルキルは直線又は分岐である。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0070】
式IIIの化合物の例は、2,2,9,9-テトラ-1,10-デカンジオール;及びその薬学的に許容される塩を含む。
【0071】
式IIIの置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、米国特許第3,930,024号明細書に記載されている。
【0072】
本発明で有用な置換-アリールアルキルエーテル化合物の例は、下記式IV:
【0073】
【化7】

【0074】
[式中、R1は、C1〜C10アルキル、C3〜C7シクロアルキル、フェニル-(C1〜C5アルキル)-、フェニル、チエニル、フラニル、チアゾリル、ピリジニル又はR3R4N-であり;
R3及びR4は、同一又は異なるCl〜C4アルキルであるか、あるいはR3及びR4は互いに直接一緒になっているか又はN、O及びSから選ばれるヘテロ原子によって割り込まれ、それらがいずれも結合している当該窒素原子と共に5-又は6-員環を形成する、ここで当該5-又は6-員環はピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル又はピペラジニルである;
R2は単結合又は-(CH2)m-であり;
Ll及びL2は同一又は異なるか、あるいはLl及びL2は互いに一緒になって-(CH2)p-を形成する;
pは2〜6の整数であり;並びに
R1がC3〜C7シクロアルキル、フェニル-(Cl〜C5アルキル)-、フェニル、チエニル、フラニル、チアゾリル、ピリジニル又はR3R4N-である場合には、L1及びL2は水素原子によって更に置換されていてもよい;ここで、当該C3〜C7シクロアルキル、フェニル-(Cl〜C5アルキル)-、フェニル、チエニル、フラニル、チアゾリル、ピリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル及びピペラジニル基は、場合により、1〜3の置換基を有していてもよいCl〜C4アルキル、(Cl〜C4アルキル)-O-、F、C1、Br、I、OH及び式-O-(CH2)m-O-のメチレンジオキシ基から独立に選ばれ、当該メチレンジオキシ基の酸素原子は隣接炭素原子に結合し、5〜7員環を形成する;及び各mは独立に1〜3の整数である。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0075】
式IVの化合物の例は、5- [4- (1-メチルシクロヘキシルメチルオキシ)ベンジル] チアゾリジン-2,4-ジオン; 米国特許第4,287,200号明細書の実施例1〜8、10及び11のいずれかの化合物;同第4,287,200号明細書の実施例10の化合物番号1〜54のいずれかの化合物;及び同第4,287,200号明細書の実施例12の化合物番号1〜7のいずれかの化合物;及びその薬学的に許容される塩を含む。
【0076】
式IVの置換アリール-アルキルエーテル及びその薬学的に許容される塩は、米国特許第4,287,200号明細書に記載されている。
【0077】
本発明で有用な置換ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物は、下記式V:
【0078】
【化8】

【0079】
[式中、R1及びR2は各々独立に、場合によりフェニル、OH、(C1〜C6アルキル)-O-、F、ClもしくはBrによって置換されていてもよいC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、場合によりOH、(C1〜C6アルキル)-O-、C1〜C6アルキル、F、ClもしくはBrによって置換されていてもよいフェニル又はヘテロサイクリルから選ばれる無置換又は置換のヒドロカルビルを表す;
X及びYは各々独立に水素原子、C1〜C6アルキル、F、Cl、Br、COOH、(C1〜C6アルキル)-O-C(=O)-、又は(C1〜C6アルキル)-N(H)-C(=O)-を表し、及び更にX及びYの内の一つは(C1〜C6アルキル)-O-、HOもしくはNC-でもよい;
Qは、8〜14の炭素原子のアルキレニルラジカル又は炭素原子及びS、S(O)、S(0)2、N(H)、N(C1〜C6アルキル)、N(CH2-フェニル)及びOから選ばれるヘテロ原子を有する8〜14員のヘテロアルキレニルラジカルからなるジラジカルを表す、ここで当該アルキレニル又はヘテロアルキレニルは場合によりオキソ(=O)、F、Cl、Br、OH又は(C1〜C6アルキル)-O-によって置換されていてもよく、当該アルキレニル又はヘテロアルキレニルの1〜4の隣接原子のいずれかはC3〜C7シクロアルキルを含んでいてもよく、及び当該アルキレニル又はヘテロアルキレニルの2〜4の隣接原子のいずれかはフェニルを含んでいてもよい。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、あるいはエステル、アミド又は(C1〜C5アルキル)-COOHを有する無水物から選ばれるin vivoで加水分解可能な機能性誘導体を含む。
【0080】
式Vの化合物の例は、
2, 3, 3, 14, 14, 15-ヘキサメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジ-カルバモイル-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 14-ジエチル-3, 14-ジメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラ- (2-プロペニル)-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラ-シクロヘキシル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジブロモ-3, 3, 14, 14-テトラフェニル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
1, 2-シクロプロピリデン-ビス- (3, 3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
9, 9-ペンタメチレン-3, 3-15, 15-テトラメチル-ヘプタデカン-1, 17-二カルボン酸;
1, 2-シクロヘキシリデン-ビス- (3, 3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1, 2-フェニレン- (3, 3 -ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
3, 3, 15, 15-テトラメチル-9-チア-ヘプタデカン-1, 17-二カルボン酸;
9-オキサ-3, 3, 15, 15-テトラメチル-ヘプタデカン-1, 17-二カルボン酸;
9-アザ-3, 3, 15, 15-テトラメチル-ヘプタデカン-1, 17-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラメチル-6, 11-ジチアヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジフルオロ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 2, 15, 15-テトラフルオロ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 2, 15, 15-テトラクロロ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラヒドロキシメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジクロロ-3, 14-ジ (クロロメチル)-3, 14-ジメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジクロロ-3, 3, 14, 14-テトラ (クロロメチル)-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラ- (4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラ- (4-クロロフェニル)-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラ- (4-メチル-フェニル)-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラ- (4-メトキシ-フェニル)-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;及び
その薬学的に許容される塩を含む。
【0081】
式Vの化合物の更なる例は、
1, 1, 14, 14-テトラ (エトキシカルボニル)-2, 2, 13, 13-テトラメチル-テトラデカン;
1, 1, 16, 16-テトラ (エトキシカルボニル)-2, 2, 15, 15-テトラメチル-ヘキサデカン;
1, 1, 12, 12-テトラ (エトキシカルボニル)-2, 2, 11, 11-テトラメチル-ドデカン;
3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 16, 16-テトラメチル-オクタデカン-1, 18-二カルボン酸;
3, 3, 12, 12-テトラメチル-テトラデカン-1, 14-二カルボン酸;
1, 14-ジ-(エトキシカルボニル)-1, 14-ジシアノ-2, 2, 13, 13-テトラメチル-テトラデカン;
2, 15-ジシアノ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジブロモ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 3, 3, 14, 14, 15-ヘキサメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
1, 14-ジエトキシカルボニル-2, 2, 13, 13-テトラメチル-テトラデカン;
1, 14-ジ- (エトキシカルボニル)-1,14-ジブロモ-2, 2, 13, 13-テトラメチル-テトラデカン;
1, 14-ビス-カルバモイル-2, 2, 13, 13-テトラメチル-テトラデカン;
2, 15-ジクロロ-3, 3, 14, 14-テトラメチルヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジブロモ-3, 3, 14, 14-テトラメチルヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
2, 15-ジヒドロキシ-3, 3, 14, 14-テトラメチルヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
1, 14-ジ- (カルボメトキシ)-1, 14-ジブロモ-2, 2, 13, 13-テトラメチルテトラデカン;
1, 14-ジ- (カルボメトキシ)-1, 14-ジクロロ-2, 2, 13, 13-テトラメチルテトラデカン;
2, 15-ジメトキシ-3, 3, 14, 14-テトラメチルヘキサデカン-1,16-二カルボン酸;
1, 1, 18, 18-テトラ (カルボエトキシ) -2, 2, 17, 17-テトラメチルオクタデカン;
3, 3, 18, 18-テトラメチルエイコサン-1, 20-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラメチル-8-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラフェニル-6, 11-ジケトヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
3, 3, 14, 14-テトラフェニルヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;
1, 4-フェニレン-ビス [(1,1-ジメチル-ブト-4-イル)-ジプロピオン酸ジメチルエステル];
1, 4-フェニレン-ビス [ (1, 1-ジメチル-ブト-4-イル)-ジプロピオン酸];
1, 4-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-5-ヘキサン酸メチルエステル);
1, 3-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-5-ヘキサン酸メチルエステル);
1, 4-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1, 3-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1, 4-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1, 3-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1, 4- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1, 3- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1, 4- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1, 3- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸3);
1, 4-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-7-イル-5-ヘプテン酸);
1, 3-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-7-イル-5-ヘプテン酸);
1, 4-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1, 3-フェニレン-ビス (3, 3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1, 4- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1, 3- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1, 4- (シクロヘキシリデン-ビス (3, 3-ジメチル-5-オキソ-7-イル-ヘプタン酸);及び
その薬学的に許容される塩を含む。
【0082】
式Vの置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、米国特許第4,689,344号明細書に記載されている。
【0083】
本発明において有用な置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の例は、下記式VI:
【0084】
【化9】

【0085】
[式中、R1及びR2は各々独立に、場合によりOH、(C1〜C6アルキル)-O-、F、Cl、Brもしくはフェニルによって置換されていてもよい無置換又は置換のC1〜C6アルキルを表し、ここで当該フェニルは、場合により、OH、(C1〜C6アルキル)-O-、C1〜C6アルキル、F、ClもしくはBr、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、場合によりOH、(C1〜C6アルキル)-O-、C1〜C6アルキル、F、ClもしくはBr又は複素環によって置換されたフェニルによって1回以上置換されている;
X及びYは各々独立に水素原子、C1〜C6アルキル、(C1〜C6アルキル)-O-、HO、NC-、F、Cl、Br、COOH、(C1〜C6アルキル)-O-C(=O)-又は(C1〜C6アルキル)-N(H)-C(=O)-を表す;
Qは、8〜14の炭素原子のアルキレニルラジカル又は炭素原子及びS、S(O)、S(0)2、N(H)、N(C1〜C6アルキル)、N(CH2-フェニル)及びOから選ばれるヘテロ原子を有する8〜14員のヘテロアルキレニルラジカルからなるラジカルを表す、ここで当該アルキレニル又はヘテロアルキレニルは場合によりオキソ(=O)、F、Cl、Br、OH又は(C1〜C6アルキル)-O-によって置換されていてもよく、当該アルキレニル又はヘテロアルキレニルの1〜4の隣接原子のいずれかはC3〜C7シクロアルキルを含んでいてもよく、及び当該アルキレニル又はヘテロアルキレニルの2〜4の隣接原子のいずれかはフェニルを含んでいてもよい。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、あるいはエステル、アミド又は(C1〜C5アルキル)-COOHを有する無水物から選ばれるin vivoで加水分解可能な機能性誘導体を含む。
【0086】
式VIの化合物の例は、
2, 15-ジフルオロ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-1, 16-ヘキサデカン二カルボン酸;
2, 15-ジクロロ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸ジイソプロピルエステル;
2, 2, 15, 15-テトラクロロ-3, 3, 14, 14-テトラメチル-ヘキサデカン-1, 16-二カルボン酸;及び
その薬学的に許容される塩を含む。
【0087】
式VIの置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、米国特許第4,711,896号明細書に記載されている。
【0088】
本発明において有用な置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の例は、下記式VII:
【0089】
【化10】

【0090】
[式中、R1、R2、R3及びR4は各々独立に、水素原子、Cl〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C7シクロアルキル、フェニル及びフェニル-(Cl〜C3アルキレニル)もしくは複素環式ラジカルから選ばれる無置換又は置換のヒドロカルビルラジカルを表し;
R5及びR6は独立に、水素原子、ヒドロキシル、Cl〜C6アルキル、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、Cl〜C6アルコキシ又はCF3を表し;
Qは、無置換又は置換の2〜14の炭素原子の直鎖からなるラジカルを表し、炭素原子の1以上はO、S、S(O)、S(0)2、N(H)、N(Cl〜C6アルキル)及びN(CH2フェニル)から選ばれるヘテロ原子によって置換されていてもよい;
ここで、置換基はオキソ(=O)、F、C1、Br、OH又は(Cl〜C6アルキル)-O-から選ばれ、及び直鎖の1〜4の隣接原子のいずれかはC3〜C7シクロアルキルを含んでいてもよく、直鎖の2〜4の隣接原子のいずれかはフェニルを含んでいてもよい。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩、あるいはC1〜C6アルキルエステル、無置換アミド、C 1〜C6アルキルアミド、ビス(C1〜C6アルキル)アミド、C1〜Cカルボン酸を有する無水物、及びCOOH基とR5又はR6のいずれかのOH基との間の脱水閉環によって形成されるラクトンから選ばれるそのカルボキシル基のin vivoで加水分解可能な機能性誘導体を含む。
【0091】
式VIIの化合物の更なる例は、がそれぞれ水素原子でない化合物を含む。
【0092】
式VIIの化合物の更なる例は、
4, 4, 11, 11-テトラメチルテトラデカン二カルボン酸;
ジエチル 4, 4, 13, 13-テトラメチルヘキサデカ-2, 5, 11, 14-テトラエンジオネート;
4, 4, 13, 13-テトラメチルヘキサデカン二カルボン酸;
4, 4, 15, 15-テトラメチルオクタデカン二カルボン酸;
2, 2, 15, 15-テトラメチルヘキサデカン二カルボン酸;
2, 2, 17, 17-テトラメチルオクタデカン二カルボン酸;及び
その薬学的に許容される塩を含む。
【0093】
式VIIの置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、PCT国際特許出願第WO 98/30530号パンフレットに記載されている。
【0094】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、米国特許出願第10/205,939号;米国特許第6,410,802号明細書;同第6,459,003号明細書;及び同第6,506,799号明細書;米国特許出願公報第US 2003/0065195号;及びPCT国際特許出願第WO 00/59855号パンフレットに記載されている。
【0095】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物及びその薬学的に許容される塩は、米国特許出願第09/976,867号; US 2003/0018013号;及びPCT国際特許出願第WO 02/30863号パンフレットに記載されている。
【0096】
置換ジアルキルチオエーテルは、米国特許出願第09/976,898号;及び同第09/976,899号;米国特許出願公報第US 2002/0077316号;及び同第US 2003/0022865号;及びPCT国際特許出願第WO 02/30882号パンフレット及び同第WO 02/30884号パンフレットに記載されている。
【0097】
置換ジアルキルケトンは、米国特許出願第09/976,938号;米国特許出願公報第US 2003/0078239号及びPCT国際特許出願第WO 02/30860号パンフレットに記載されている。
【0098】
本発明の方法で使用される化合物は、一般的に、本明細書に参考として組み込まれた上記参考中に開示された方法を実施することによって調製できることが理解できよう。
【0099】
本発明の方法で使用された化合物は、酸付加及び/又は塩基付加塩を含むがこれらに限定されない薬学的に許容される塩を更に形成することができることが理解できよう。当該酸付加塩は、塩基性化合物から形成され、一方、塩基付加塩は酸性化合物から形成される。当該塩体の全ては、本発明の方法、組成物又は組み合わせで有用な化合物の範囲内である。
【0100】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等の無機酸由来の非毒性塩、及び脂肪族モノ-及びジカルボン酸、フェニル-置換アルカノイック酸、ヒドロキシアルカノイック酸、アルカン二カルボン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸等の有機酸由来の毒性塩を含む。従って、かかる塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、二亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ピロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等を含む。アルギニン塩等のアミノ酸の非毒性塩及びグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩も本発明の範囲に画されている(例えばBerge S. M. et al., "Pharmaceutical Salts,"J. of Pharma. Sci., 1977; 66: 1を参照されたい)。
【0101】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の酸付加塩は、当該化合物の遊離塩基体を十分な量の所望の酸を接触させることにより調製して、慣用的な方法で非毒性塩を製造することができる。当該化合物の遊離塩基体は、形成された酸付加塩を塩基と接触させ、次いで当該化合物の遊離塩基体を慣用的な方法で単離することによって得られる。当該化合物の遊離塩基体は、溶解度、結晶構造、吸湿性等の特定の物性においてその対応する酸付加塩体といくらか異なるが、当該化合物の遊離塩基体及びその対応する酸付加塩体は、本発明の方法、組成物又は組み合わせにおいて同等に使用することができる。
【0102】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、当該化合物の遊離酸体を、アルカリもしくはアルカリ土類金属カチオン等の金属カチオン又はアミン、特に有機アミンと接触させることによって調製できる。好適な金属カチオンの例は、ナトリウムカチオン(Na+)、カリウムカチオン(K+)、マグネシウムカチオン(Mg2+)、カルシウムカチオン(Ca2+)等を含む。好適なアミンの例は、N, N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン及びプロカインである(例えばBerge, supra., 1977を参照されたい)。
【0103】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の塩基付加塩は、当該化合物の遊離酸体を、十分な量の所望の塩基と接触させることにより調製して、慣用的な方法で当該塩を製造することができる。当該化合物の遊離酸体は、形成された当該塩体を酸と接触させ、次いで慣用的な方法で当該化合物の遊離酸を単離することによって得られる。当該化合物の遊離酸体は、溶解度、結晶構造、吸湿性等の特定の物性においてその対応する塩体といくらか異なるが、当該塩は、本発明の方法、組成物又は組み合わせにおいて同等に使用することができる。
【0104】
本発明の方法において有用な化合物は、非溶媒和物及び水和物を含む溶媒和物として存在し得る。一般的に、水和物を含む溶媒和物は、非溶媒和物と同等である。本発明の方法は、水和物を含む、化合物のいずれかの溶媒和物及びその混合物を使用できる。
【0105】
本発明の方法において有用な化合物は、1以上のキラル中心を有し、かつ各中心がR又はS配置として存在することができる。本発明の方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物のいずれかのジアステレオマー、エナンチオマーもしくはエピマー、又はその薬学的に許容される塩、及びその混合物を使用することができる。
【0106】
本発明の方法で有用な特定の化合物は、2以上の互変異性体として存在し得る。置換ジアルキルエーテル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン又は置換-アルキル化合物の互変異性体は、例えばエノール化/脱エノール化、1, 2-ヒドリド、1, 3-ヒドリド又は1, 4-ヒドリドシフト等によって交換し得る。本発明の方法は、当該化合物の互変異性体のいずれか及びその混合物を使用することができる。
【0107】
その幾何学的形、エントゲーゲン及びツザメン、シス及びトランス並びにその混合物の全てが本発明の方法、組成物及び組み合わせに使用することができる場合に、本発明の方法で有用な化合物の中には、エントゲーゲン又はツザメン配置として存在し得るアルケニル基を有するものがある。
【0108】
その幾何学的形、シス及びトランス並びにその混合物の全てが本発明の方法、組成物及び組み合わせに使用することができる場合に、本発明の方法で有用な化合物の中には、2以上の炭素原子において置換され得るシクロアルキル基を有するものがある。
【0109】
その包接化合物及びその混合物を含む全てのその物理的形状が本発明の方法、組成物及び組み合わせに使用することができる場合に、本発明の方法で有用な化合物の中には、非晶質又は結晶固体として存在し得るものがある。
【0110】
1以上の原子が、本来一般的に見られる原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子によって置換されるという事実を別にすれば、本発明の方法は、上に列挙した化合物と等しい同位体標識化合物を使用することができる。本発明の方法で使用される化合物に組み込まれ得る同位体の例は、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子、フッ素原子及び塩素原子の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clを含むがこれらに限定されない。
【0111】
3H及び14C等の特定の同位体標識化合物は、薬物及び/又は基質の組織内分布試験で有用である。トリチウム化すなわち3H同位体及び炭素-14すなわち14C同位体は、その調製及び検出可能性の容易さで知られている。更に、デュウテリウム2H等の重同位体置換は、大きな代謝的安定性から得られる特定の治療的利点、例えば増加したin vivoでの半減期又は低減した投薬必要量をもたらし、そのためある環境下で使用することができる。本発明の方法における上記の化合物の同位体標識化合物は、一般的に上又は以下で参考として組み込まれた方法あるいは本明細書に開示されているとしたら、スキーム及び/又は実施例及び調製に開示された方法を実施することによって、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬に置換することによって調製することができる。
【0112】
本発明で有用な特定の化合物は、非溶媒和物及び水和物を含む溶媒和物として存在し得る。一般的に、水和物を含む溶媒和物は非溶媒和物と等価であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0113】
本発明の方法で用いられる化合物はアルカノイック酸及びエステルと呼ばれる。例えば下記式:
【0114】
【化11】

【0115】
で表される化合物は、ペンタン酸、特に2-メチル-2-n-プロピル-5- (3-メチル- 3-ヒドロキシ-カルボニル) ペントキシ ペンタン酸と命名する。式Iでn及びmが同一であり、かつRl、R2、R3及びR4が全て同一のアルキル基であり、かつYl及びY2がいずれもカルボキシ基である化合物に関し、当該化合物はオキシビスアルカノイック酸と呼ばれる。例えばn及びmがいずれも4である下記式:
【0116】
【化12】

【0117】
の化合物は、6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)と命名する。
【0118】
本発明の方法で有用な典型的な化合物を以下の表1に表す。
【0119】
【表1】

【0120】
本発明の化合物は、有機化学の分野で周知の方法論を用いることによって調製することができる。典型的な合成では、カルボキシ置換アルキルハライドは、塩基存在下でカルボキシ置換アルカノールと反応し、縮合し、本発明の化合物を与える。
【0121】
カルボキシエステルを使用すると、Y及びY2がいずれもCORSである本発明の化合物が得られる。簡単なケン化は、必要な場合には、エステル基の一つ又は両方を遊離の酸に変換する。前記縮合反応は以下に表す:
【0122】
【化13】

【0123】
ここで、ハロはブロモ、クロロ又はヨード等である。一般的に反応は、一般的にベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等の不活性有機溶媒中で、アルカノールを約1等量の水素化ナトリウム又は金属ナトリウム等の塩基とまず反応させることによって行う。これは、その後容易に1等量のアルキルハライドと反応して本発明の化合物を製造するアルカノールの酸化物を経る。約50℃〜約120℃の高温で実施する場合には、反応は一般的に実質的に約2〜約10時間で完了する。本発明の化合物は、例えば濃縮によって単に反応溶媒を除去することにより、容易に単離できる。生成物は、必要ならば、酢酸エチル、ベンゼン、ヘキサン等の溶媒からの再結晶又は例えばシリカゲル等の固担体上でのクロマトグラフィーなどの一般的な手段によって、精製することができる。
【0124】
本発明の化合物を調製する別の方法は、ジ-ハロ置換ジアルキルエーテルとα,α-二置換酢酸もしくはエステル、エタナール又はメチルテトラゾールとの反応を伴う。かかる反応を下記に示す:
【0125】
【化14】

【0126】
上記工程は、好ましくは、R1及びR2がR3及びR4とそれぞれ同一であり、かつY1及びY2が同一である本発明の化合物を調製するために用いることができる。かかる場合に、ハロ置換ジアルキルエーテルは2等量以上の酢酸誘導体又は例えば下記のようなテトラゾールと反応する。
【0127】
【化15】

【0128】
反応は、一般的に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等の溶媒中で及び水素化ナトリウム、金属ナトリウム、ブチルリチウム等の塩基存在下で行うことができる。約0℃〜約50℃の温度で行う場合には、反応は、一般的に約2〜約10時間で完了する。生成物すなわち本発明の化合物は、反応溶媒を除去することにより容易に単離することができ、必要ならばクロマトグラフィー、再結晶等を含む通常の方法によって更に精製することができる。
【0129】
場合によっては、いくつかの反応性基を除去可能な有機ラジカルで保護し、望ましくない副反応を抑えることが望ましい。例えば、ヒドロキシ及び遊離カルボキシ基は、実施される化学反応に入るその能力を除くラジカルと共に得られ、当該ラジカルは、遊離のヒドロキシ又はカルボキシ基を再生する必要がある場合に容易に除去できる。典型的なヒドロキシとカルボキシ保護基、及びその結合と次の除去の方法は、Greene及びWutsによって、「有機合成における保護基」, 2nd Ed., John Wiley & Sons, Inc, New York, NY, 1991で十分に議論されている。例えば、ヒドロキシ基は、必要ならば水素化分解によって容易に除くことができるo-ベンジル基に変換することによって容易に保護することができる。カルボキシ基は、一般的に例えばパラ-ニトロベンジルエステル又は2,2,2-トリクロロエチルエステルに変換することができる。かかるエステル基は、必要ならば容易に加水分解され、遊離のカルボキシ基を与える。
【0130】
上記のように、本発明のカルボン酸は無機塩基又は有機塩基との反応によって容易に塩を形成する。かかる塩の例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の塩基によって形成される無機塩を含むがこれらに限定されない。典型的な有機塩基はトリエチルアミン、ピリジン、メチルアミン等を含む。
【実施例】
【0131】
以下の詳細な実施例は本発明の化合物の合成及び使用を更に説明する。当該実施例は例示に過ぎず、本発明を何ら限定するものとして解釈されるものでない。
【0132】
実施例1 6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)
61 g (600 mmol)のジイソプロピルアミンを含む600 mLの乾燥テトラヒドロフランに水素化ナトリウム (28 g の60% 鉱油分散, 700 mmol)を攪拌させた溶液に、52.9 g (600 mmol)のイソ酪酸を加えた。当該混合物を24℃で30分間攪拌し、次いでアイス/アセトンバス中で0℃まで冷却した。当該冷溶液に286 mLの2.1 M n-ブチルリチウム溶液 (600 mmol)を加え、混合物を0℃で1時間攪拌した。当該冷攪拌反応混合物に59.7 g (297 mmol) の4,4'-ジクロロブチルエーテルを15分間以上かけて一滴ずつ加えた。当該混合物を24℃に昇温し、48時間攪拌した、反応混合物を600 mLの水を加えて希釈した。水層を分離し、200 mLのジエチルエーテルで洗浄し、次いで約150 mLの6N 塩酸でpH 5.0 (コンゴレッド)の酸性にした。当該酸性水溶液を300 mLずつのジエチルエーテルで3回抽出した。このエーテル抽出物を併せ、飽和食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を減圧下で濃縮によって除去し、生成物を油として得た。当該油を160℃、3 mmHgで蒸留し、66.7 gの6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)を得た。mp 49-51 ℃。元素分析 計算値:C16H30O5として、C, 63.47 ; H, 9.88;実測値: C, 63.75 ; H, 10. 00。
【0133】
実施例2〜9
実施例1の一般的な手法に従うことによって、以下の化合物を調製した:
7,7'-オキシビス (2,2-ジメチルへプタン酸)、
5,5'-オキシビス (2,2-ジメチルペンタン酸)、
4,4'-オキシビス (2,2-ジメチルブタン酸)、
8,8'-オキシビス (2,2-ジメチルオクタン酸)、
エチル 2, 2-ジメチル-5- (4-メチル-4-エトキシカルボニルペンチルオキシ) ペンタン酸塩、
エチル 2, 2-ジメチル-6- (5-メチル-5-エトキシカルボニルヘキシルオキシ) ヘキサン酸塩、
メチル 2, 2-ジメチル-8- (7-メチル-7-メトキシカルボニルオクチルオキシ) オクタン酸塩及び
7- (4-メチル-4-ヒドロキシカルボニルペンチルオキシ)-2,2-ジメチルへプタン酸。
【0134】
本発明の更なる実施態様は、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される希釈剤、担体もしくは賦形剤を含む医薬組成物の有効量をそれを必要としている哺乳動物に投与することを含む、結晶CRPレベルを低減し、全身性炎症を軽減し及び前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する方法を含む。当該化合物は、簡便な経口又は非経口投与のために製剤化することができる。経口製剤に使用される典型的な医薬担体及び賦形剤は、ラクトース;ショ糖;トウモロコシでんぷん及び馬鈴薯でんぷん等のでんぷん;メチル及びエチルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン;タルク;植物油、ゴマ油、綿実油等の油;及びポリエチレングリコール等のグリコールを含む。経口調製物は、典型的には、錠剤、カプセル剤、乳濁液剤、液剤等の形態である。例えば、ポリマーマトリックス又は浸透圧ポンプ等を用いる徐放剤もまた使用することができる。典型的な製剤は、賦形剤又は担体と共に投与される活性ジアルキルエーテルを約5%重量〜約95%重量含む。当該医薬調製物は、このましくは単位剤形である。かかる剤形では、当該調製物は、好適な量の活性成分を含む単位用量に再分割することができる。当該単位剤形は包装調製物でもよく、当該包装物は、包装された錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤等の分離量を含む。また、単位剤形はカプセル剤、錠剤、カプセル剤又はトローチ剤そのものでもよく、あるいは包装形態中のこれらのうちのいずれかの好適な数でもよい。チェリーフレーバー及びオレンジフレーバー等の香料を組み入れることもできる。必要ならば組成物は、他の交換可能な治療剤を含んでもよい。
【0135】
非経口投与用では、当該化合物は、簡便な筋肉内及び静脈内送達のために、生理食塩水、5%グルコース水溶液等の希釈剤と共に製剤化することができる。当該化合物は、座薬の形態でワックス及びゲルと共に製剤化することもできる。当該化合物はまた、経皮的送達に非常に好適であり、パッチ等の形態で浸透剤等と共に製剤化することができる。以下の例は、本発明の方法で有用な典型的な製剤を更に例示する。
【0136】
実施例10
【0137】
【表2】

【0138】
成分は、均一になるまで混合し、#4硬ゼラチンカプセルに充填した。各カプセルを200 mgの混合物で満たし、各カプセルは100 mgの活性ジアルキルエーテルを含む。結晶CRPを低減するため、当該カプセルを成人に日に1〜3回の割合で投与した。
【0139】
実施例11
【0140】
【表3】

【0141】
ジアルキルエーテル、ラクトース及び150 gのトウモロコシでんぷんをゼラチン水溶液と混合した。湿った造粒を選別し、乾燥し、そして再度選別した。乾燥顆粒をステアリン酸マグネシウム及び残余のトウモロコシでんぷんと混合し、当該混合物を15/32インチの標準凹形パンチを用いて698 mg錠剤に圧縮した。各錠剤は500 mgの活性ジアルキルエーテルを含む。
【0142】
実施例12
【0143】
【表4】

【0144】
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸塩は、ポリソルベート60又はツィーン60等の製品でもよい。マグネシウム-珪酸アルミニウムの複合体は、ゲル形成剤である。Veegum H. V.等の製品を使用することもできる。当該物質は10 ccの蒸留水中で一晩水和した。混合物は、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸塩、チェリーフレーバー模造品、30 ccの蒸留水及びジアルキルエーテルから調製し、ホモジナイザーを通過させた。激しく攪拌しながら、糖類、グリセリン、クエン酸ナトリウム及びナトリウム・カルボキシ-メチルセルロースを加え、次いでマグネシウム-珪酸アルミニウムの水和複合体及び赤色色素の2 ccの水溶液を加えた。得られた懸濁液をホモジナイズし、クエン酸でpH 5.0に調整し、蒸留水で最終体積100 ccに希釈した。当該懸濁液の55 cc経口投薬単位は200 mgの活性ジアルキルエーテルを含む。必要ならば、赤色色素及びチェリーフレーバー模造品は省略するか、又は他の着色剤及び香料と置換することができる。
【0145】
実施例13
【0146】
【表5】

【0147】
【表6】

【0148】
ヒドロキシプロピルセルロース結合剤水溶液は、低剪断ミキサーで調製した。6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)及び修飾ラクトース・一水和物を流体床造粒機に装填した。当該結合剤溶液をスプレーすることによって、上部スプレー造粒法を流体床造粒機中で実施した。乾燥顆粒はComilミルを通過させ、選別された顆粒は、均一になるまで好適なブレンダー中でクロスカルメロース・ナトリウムと混合した。選別されたステアリン酸マグネシウムをブレンダーに加え、均一になるまで混合した。最終混合物を好適な錠剤プレスを使って丸い形の錠剤に圧縮した。当該錠剤は、約3%の重量増となるように好適な被覆パンでフィルム・コーティングした。
【0149】
実施例14
【0150】
【表7】

【0151】
6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)・カルシウム塩、ラクトース・一水和物、セルロース マイクロクリスタリン及びクロスカルメロース・ナトリウムを選別し、当該成分をブレンダーに装填し、均一になるまで混合した。選別されたステアリン酸マグネシウムを加え、均一になるまで混合した。340 mgの粉末混合物を好適なカプセル充填機を用いてサイズ #0 Coni-Snapカプセル殻中に包んだ。
【0152】
実施例15
上述のように、本発明のジアルキルエーテルは、血漿CRPレベルを低減するために有用である。血漿CRPレベルを低減するジアルキルエーテル能は、当業者によって用いられる通常のin vivoでの研究を用いて測定した。
【0153】
無作為化、二重盲目、プラセボ-コントロール、群間平衡比較、用量-応答による多施設研究を米国では11施設とカナダ1施設で行った。HDL-Cレベルが35 mg/dL(0.9 mmol/L)未満の好適な患者を、国立コレステロール教育プログラム(NCEP)ステップ1節食に従って実施された期間中に、6週間の一重盲目プラセボ節食した後に選択した。当該NCEPステップ1節食ガイドラインは以下の通りである:
【0154】
【表8】

【0155】
無作為化の前の2及び4週で測定された平均血清TGレベルが、200 mg/dL(2.3 mmol/L)未満か又は200 mg/dL(2.3 mmol/L)以上であったかによって、HDL-Cレベルが35 mg/dL(0.9 mmol/L)未満の好適な患者を階層化した。各TG階層内で、患者を無作為化し、150、300、600又は900 mgの6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルヘキサン酸)・カルシウム塩又はプラセボを毎日、12週間投与した。
【0156】
患者
好適な患者は、べースラインHDL-Cが35 mg/dL未満の18〜80歳の(自然閉経後又は外科的に不胎化した)分娩する能性のない女性又は男性であった。標準の上限(ULN)の3倍を超えるクレアチンホスホキナーゼ(CPK)、35 kg/m2を超える肥満度指数、許容可能な降圧療法を受けているかいないかにかかわらず、常時95 mmHgを超える最低血圧と定義される制御不可能な高血圧、制御不可能な糖尿病(HbA1cが10%を超える)、ULNの2倍を超えるアスパルテート・アミノトランスフェラーゼ (AST)もしくはアラニン・アミノトランスフェラーゼ (ALT)を含む肝臓不全、ULNの2倍を超える血中尿素窒素 (BUN)もしくはクレアチニンと定義される腎臓不全、又は制御不可能な甲状腺機能低下症 (ULNの1.5倍を超える甲状腺刺激ホルモン)を有する患者を除いた。また、胆嚢疾患又は膵炎の病歴、1週間で14を超えるアルコール飲料を消費する経歴のある患者、又は脂質変更薬物に対して周知の過敏症を有する患者を除いた。心筋梗塞症、深刻もしくは不安定な狭心症、冠動脈バイパス移植又は最近3ケ月内に入院を要するいずれかの他の心血管系イベントのある患者も当該研究から除いた。患者は当該研究の過程でいずれかの他の脂質変更薬物を服用することは許されず、研究前に脂質変更薬物療法を受けている場合には、更に4週間の洗い流し期間を経過することを必要とした。イソトレチノイン、インシュリン、ワルファリン、免疫抑制剤及び断続的全身性ステロイドの使用も禁止した。
【0157】
試料分析
血液試料は全て12時間絶食後に集め、当業者に周知の方法を用いて分析した;当該方法を以下に簡潔に述べる。血清コレステロール及びトリグリセリドの濃度は、日立747分析器で酵素的比色分析法を用いて測定した。HDL-C試料は、ヘパリン及び塩化マンガンを用いて非HDLリポ蛋白の沈殿後の上清から得た。CRP濃度は、ネフロメーター(Dade Behring, Marburg, Germany)で免疫比濁法を用いて測定した。CRPを測定するために高感度試験を用いた(Dade Behring, Marburg, Germany)。
【0158】
統計的解析
治療群当たり15患者の試料数は、各トリグリセリド階層におけるプラセボ群と少なくとも一つの6,6'-オキシビス (2,2- ジメチルへキサン酸)・カルシウム塩用量群との間で、ベースラインから12週までにHDL-Cのパーセント変化において30%差を検出するために、90%を超える検出力を与えるように計画した。当該計算により、0.05のDunnett調整両側アルファ(Dunnett-adjusted two-sides alpha)及び18%の一般的標準偏差を推定した。
【0159】
各TG階層内では、最小二乗(LS)法及びp-値を求めることによってCRPの最終訪問時におけるベースラインからのパーセント変化を解析するために、ベースラインCRP値の効果を有するANCOVAモデル、治療及びサイトを用いた。p-値は多様性のため調整しなかった。
【0160】
正規性及び残差の視覚分析のためのShapiro-Wilk試験を正規性の推定が合理的であるかか決定するために用いた。全ての患者においてCRPレベルは通常分散していないため、平均パーセント変化を提示し、Conoverの非パラメーターANCOVAを当該階層のデータを解析するために用いた。
【0161】
ベースライン統計データ
合計161患者を無作為化した。当該患者のうちで、67人(無作為化した14人はプラセボであり、53人は積極的な治療を受けている)は200 mg/dL未満のTGレベルを有し、94人(無作為化した18人はプラセボであり、76人は積極的な治療を受けている)は200 mg/dL以上のTGレベルを有していた。患者の特徴は、脂質パラメーターの明らかな例外があるが、一般的にTG階層を越えて同様であった(表2)。
【0162】
【表9】

【0163】
TGが200 mg/dL以上又はTGが200 mg/dL未満の患者において、他のベースライン平均値は以下の通りである:CRP 2.6及び2.6 mg/L。当該研究は152患者について完了した。6人は逆事象のために取止め、3人は投与又は個人的理由のために研究を完了することができなかった。薬物療法の研究への承諾は、錠剤計数によってクリニック訪問時に判断し、治療群間で類似していることが判った。研究の最後には、97%のプラセボ治療患者及び96%の積極的治療患者については少なくとも80%の承諾を得た。
【0164】
150、300、600又は900 mgの6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)・カルシウム塩又はプラセボの投与によるCRPレベルのベースラインからのパーセント変化を表3に示す。900 mg/日用量における200 mg/dL TG以上の階層及び200 mg/dL TG未満の階層では、CRPのレベルは、それぞれ57% (プラセボに対し、p<0.001)及び54% (プラセボに対し、p<0.05)減少した。600 mg/日用量における200 mg/dL TG以上の階層では、CRPレベルは29% (プラセボに対し、p<0.05)減少した。600 mg/日用量における200 mg/dL TG未満の階層では、58%のCRPレベルの減少を示したが、個々の対象レベル間の変化の程度のため、当該減少は統計的には重要でななかった。
【0165】
【表10】

【0166】
実施例16
上述のように、ジアルキルエーテルは、前炎症性サイトカイン誘導CRP産生の阻害に有用である。コルチコイド デキサメタソンの存在下、急性期応答が、前炎症性サイトカインIL-6及びIL-1で刺激された培養ヒト肝臓癌細胞に要約されることが、研究により明らかになっている(Lozanski G, Berthier F, and Kushner I, 1997; Biochem J. 328: 271-275)。類似の肝臓癌細胞系を用いて、我々は、サイトカイン刺激ヒト肝臓癌PLC/PRF/5細胞によるCRP産生に対する6,6'- オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)の効果を評価した。
【0167】
材料及び方法
ヒト肝臓癌細胞株PLC/PRF/5 (American Type Culture Collection, CRL-8024, Manassas, VA, USA)は、10% 牛胎児血清 (Cat No. 16000-044 Gibco, Grand Island, NY. USA)を補充した、ATCC (Cat. No. 30-2003 American Type Culture Collection, Manassas, VA, USA)によって改変されたイーグル最小必須培地中で維持した。デキサメタソンはSigma, St. Louis, Mo, USA, (Cat No. D-8893)から購入した。IL-6及びIL-1βはR & D System, Minneapolis, MN. USA. (Cat. No. 206-IL- 010, 201-LB005)から、及びCRPエライザキットはAlpha Diagnostic International, Inc., San Antonio, TX. USA. (Cat. No. 1000) から購入した。DC蛋白質試験キットはBio- Rad Labs, Hercules, CA USA (Cat No 500-0116)から購入した。
【0168】
細胞培養及び薬物治療
6ウェルプレート中のコンフルエントPLC/PRF/5単層(分裂後6日)を暖める前の培地で3回洗浄した。次いで当該細胞を異なった用量の6,6'-オキシビス (2,2- ジメチルへキサン酸)を添加又は非添加の培地1mlで処理した。1時間後、当該培地を、サイトカイン (lOng/ml IL-6及び1ng/ml IL-l)、1μM デキサメタソン及び指示された用量の6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)を含む新鮮な培地と交換した。24時間インキュベーション後、当該培地を集め、室温で1000 rpmで5分間遠心した。上清を集め、CRP及び蛋白質分析のために冷凍した。当該細胞はまた、総細胞蛋白質測定に使用した。
【0169】
CRP測定
CRP蛋白質濃度をCRPエライザキット(Alpha Diagnostic International, Inc. San Antonio, TX. USA (Cat. No. 1000))を使って測定した。CRP対照標準(10 μl)又は培地(10 μl)を抗体被覆プレートにピペットで取り、次いで抗体-酵素複合体(100 μl)を各ウェルに添加し、混合物を室温で60分間インキュベートした。このインキュベーションの後、当該ウェルを、100 μlのHRP基質溶液A及び100 μlのHRP基質溶液B(溶液A及びBはCRPキットの製造者によって記載されている通りである)を補充した水道水で5回洗浄し、室温で60分間インキュベートした。当該インキュベーションの最後に、50 μlの(CRPキットの製造者によって記載されている)停止溶液を各ウェルに加え、当該プレートをSpectra Max Plus, Molecular Devices分光光度計で450 nmの吸収を測定するために用いた。
【0170】
総細胞蛋白質測定
当該培地を除いた後、6ウェルプレート中の細胞を総細胞蛋白質測定のために以下のように用いた。各ウェル中の細胞に0.1N NaOH (1 ml)を加え、混合物を-20℃で一晩冷凍した。翌日、当該細胞溶解物を採取し、蛋白質濃度をDC Protein試験キットを用いて測定した。牛胎児血清対照標準 (l0 μl)又は細胞溶解物 (10 μl)をマイクロプレートにピペットで取り、次いで試薬A (25 μl)及び試薬B (200 μl)(試薬A及びBはDC Protein試験キットの製造者によって記載されている通りである)を各ウェルに加え、室温で15分間インキュベートした。このインキュベーションの最後に、当該プレートをSpectra Max Plus, Molecular Devices分光光度計で690 nmの吸収を測定するために用いた。
【0171】
データ解析
CRP標準曲線(ng/mlで表示)は、CRPキットの供給メーカーによって提供された標準CRP溶液の異なった量について、450 nm吸収値を測定し、そしてゼロCRPコントロール試料の450 nm吸収を差し引くことにより当該値を修正することによって作成した。実験試料のCRPの測定は、以下のようにして行った:lO μlの細胞培地試料を2点又は3点で、450 nm吸収を測定するために使用した。次いで、平均吸収を計算し、ゼロCRPレベルから得られた450 nm吸収を差し引くことによって修正した。次いで、当該修正吸収値を、上記CRP標準曲線を用いて細胞培地中のCRPレベル(ng/mlで表示)を推定するために使用した。処理間の統計的相違を、Prism統計プログラムを用いる統計的有意差のために決定し、評価した。当該試験の有効性は、ハイスループットスクリーニング試験のためのZ因子を計算することによって決定した(Ji-Hu Zhang et al. 1999 ; J Biomol Screening, 4: 67-73を参照されたい)。
【0172】
結果
図1から明らかなように、500 μM又はそれ以上の用量の6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)は、ヒト肝臓癌細胞株 PLC/PRF/5 (Z因子が0.47)による前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を効果的に阻害した。理論に拘束されるものではないが、当該結果は、6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)がCRP遺伝子の活性化及び/又は蛋白質の分泌を引き起こすサイトカインシグナル経路の1以上のステップを妨害している、ことを示唆している。
【0173】
実施例17
無作為化、二重盲目、プラセボ-コントロール、群間平衡比較、用量-応答による多施設研究を高コレステロール患者において行った。当該研究は、3期間行った:(1)必要ならば脂質療法の洗い流し訪問時;(2)限定期間;及び(3)8週間の二重盲目処理期間。以下で議論するデータは、膨大な研究の一部である。
【0174】
研究群
男性及び女性は次のいずれかである:
1)単独療法としてスタチンを受け、初期のクリニック洗い流し訪問時に100 mg/dLを超えるLDL-Cレベルを有する者;あるいは
2)初期のクリニック洗い流し訪問時から非脂質変更薬物を受け、2回の限定訪問において以下の平均LDL-Cレベルを有する者:
a. NCEP ATP III CHD 危険率が10%以上ならば130 mg/dL以上;又は
b. NCEP ATP III CHD 危険率が10%未満ならば160 mg/dL以上。
【0175】
深刻な心臓、腎臓(クレアチニンが2.0 mg/dLを超える)又は肝臓(アラニン・アミノトランスフェラーゼ[ALT]又はアスパルテート・アミノトランスフェラーゼ[AST]が1. 5 x 標準の上限[ULN]を超える)疾患を有する患者、説明のつかいないCPKレベルが3 x ULNを超える患者、肥満度指数[BMI]が38 kg/m2を超える患者、トリグリセリド[TG]が400 mg/dLを超える患者、又は年齢が70歳を超える患者は、出産の可能性のある、妊娠中の又は授乳中の女性と同様に、除外した。
【0176】
好適な患者の一部を無作為化し、プラセボ、300、600又は900 mg/日の6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)・カルシウム塩を服用させた。当該群の各々は13〜15患者であった。
【0177】
血液試料を2週目、1週目、無作為化及びその毎2週間後に採集した。CRPレベルを実施例15と同じ高感度試験を用いて測定した。6週目及び8週目のCRPレベルの平均を各患者について計算した。10を超える値は、当該値が急性炎症の兆候であるため、解析には含めなかった。各投薬群に関し、平均値を測定した。当該平均値をベースラインでの平均CRP値と比較した。300、600、900 mg/日の6,6'-オキシビス (2,2-ジメチルへキサン酸)・カルシウム塩又はプラセボの投与によるCRPレベルのベースラインからのパーセント変化を図2に示す。CRPのレベルは、プラセボ群では9.4 %増加したのに対し、300、600及び900 mg用量において、それぞれ、26 %(プラセボに対してp=0.16)、42 %(プラセボに対してp<0.01)及び35 %(プラセボに対してp<0.01)減少した。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】実施例16に記載のようにして、PLC/PRF/5 ヒト肝臓癌細胞を、指示した用量の6,6'-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)を用いて又は用いずに処理し、当該細胞媒質中のCRPレベルを測定した。バーは各処理群の平均-SEMを示す。
【図2】患者を実施例17記載のようにしてX軸(mg/day)に示した用量で治療した。実施例17記載のようにして計算した平均CRPパーセント変化をY軸に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における血漿CRPレベルを低下させる医薬の製造のための、ジアルキルエーテル又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
哺乳動物における血漿CRPレベルを低下させる医薬の製造のための、下記式:
【化1】

[式中、n及びmは独立に2〜9の整数であり;
R1、R2、R3及びR4は独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルであるか、あるいはR1及びR2はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、及びR3及びR4はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、独立に3〜6の炭素原子を有する炭素環式環を形成し得る;
Y1及びY2は独立にCOOH、CHO、テトラゾール及びCOOR5(但し、R5はC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換アルキル、アルケニル又はアルキニルである)であり;ここで当該アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ及びフェニルから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項3】
哺乳動物における血漿CRPレベルを低下させる医薬の製造のための、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルへキサン酸)又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項4】
哺乳動物における全身性炎症を軽減する医薬の製造のための、ジアルキルエーテル又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項5】
哺乳動物における全身性炎症を軽減する医薬の製造のための、下記式:
【化2】

[式中、n及びmは独立に2〜9の整数であり;
R1、R2、R3及びR4は独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルであるか、あるいはR1及びR2はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、及びR3及びR4はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、独立に3〜6の炭素原子を有する炭素環式環を形成し得る;
Y1及びY2は独立にCOOH、CHO、テトラゾール及びCOOR5(但し、R5はC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換アルキル、アルケニル又はアルキニルである)であり;ここで当該アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ及びフェニルから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項6】
哺乳動物における全身性炎症を軽減する医薬の製造のための、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルへキサン酸)又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項7】
哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する医薬の製造のための、ジアルキルエーテル又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項8】
哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する医薬の製造のための、下記式:
【化3】

[式中、n及びmは独立に2〜9の整数であり;
R1、R2、R3及びR4は独立にC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルであるか、あるいはR1及びR2はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、及びR3及びR4はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、独立に3〜6の炭素原子を有する炭素環式環を形成し得る;
Y1及びY2は独立にCOOH、CHO、テトラゾール及びCOOR5(但し、R5はC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、置換アルキル、アルケニル又はアルキニルである)であり;ここで当該アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、ハロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ及びフェニルから選ばれる1又は2の基で置換されていてもよい。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項9】
哺乳動物における前炎症性サイトカイン誘導CRP産生を阻害する医薬の製造のための、6,6’-オキシビス(2,2-ジメチルへキサン酸)又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
前記哺乳動物がヒトである、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
【請求項11】
前記医薬が薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を更に含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−508973(P2006−508973A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552969(P2004−552969)
【出願日】平成15年11月5日(2003.11.5)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004930
【国際公開番号】WO2004/045596
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】