説明

DC−DCコンバータの制御回路および制御方法

【課題】入力電圧の変動や、電圧比較器のオフセット電圧などに起因する、基準電圧からの出力電圧の誤差を低減することが可能であるDC−DCコンバータ制御回路および制御方法を提供すること。
【解決手段】制御部9は積分回路12、電圧比較器COMP1、1ショットフリップフロップFF1を備える。積分器10は、DC−DCコンバータ1の出力電圧Voutと基準電圧Vrとの差の積分値を計算し、出力電圧Vxを出力する。減衰器11は、減衰後の出力電圧Vxと基準電圧Vrとを加算し、調整基準電圧Vr’を出力する。電圧比較器COMP1は、調整基準電圧Vr’よりも出力電圧Voutが小さくなることに応じて、トランジスタFET1を導通状態とする。平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように、しきい値電圧である調整基準電圧Vr’の値の制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC−DCコンバータの制御回路および制御方法に関し、特に基準電圧からの出力電圧の誤差を改善することが可能なDC−DCコンバータの制御回路および制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6はコンパレータ方式のDC−DCコンバータ100を示した図である。制御部109の電圧比較器COMP100はDC−DCコンバータ100の出力電圧Voutを基準電圧Vrと比較し、出力電圧Voutが基準電圧Vrよりも高いときはローレベルを出力し、出力電圧Voutが基準電圧Vrよりも低いときはハイレベルを出力する。1ショットフリップフロップFF100は、セット入力端子Sにハイレベルの信号が入力されると、セット状態になり、非反転出力端子Qからハイレベルの信号を出力する。そして一定時間が経過するとリセット状態に戻り、非反転出力端子Qからローレベルの信号を出力する。
【0003】
尚、上記の関連技術として特許文献1乃至4が開示されている。
【特許文献1】特開平10−225105号公報
【特許文献2】特開2000−32744号公報
【特許文献3】特開2000−287439平号公報
【特許文献4】特開平10−210734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしコンパレータ制御方式のDC−DCコンバータ100では、入力電圧Vinや平滑コンデンサC100の等価直列抵抗ESRに依存して、出力電圧Voutにリップル電圧が発生する。よって当該リップル電圧により、出力電圧Voutの平均値と目標となる基準電圧Vrとの間に誤差を生じるため問題である。また、電圧比較器COMP100にオフセット電圧や回路遅延時間が存在することによっても、出力電圧Voutと基準電圧Vrの間に誤差が生じるため問題である。
【0005】
本発明は前記背景技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、入力電圧の変動や、電圧比較器のオフセット電圧および回路遅延時間などに起因する、基準電圧からの出力電圧の誤差を低減することができると共に、負荷急変に高速応答することが可能であるDC−DCコンバータ制御回路およびDC−DCコンバータの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明におけるDC−DCコンバータ制御回路では、入力電圧から第1基準電圧に応じた出力電圧を生成するスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、DC−DCコンバータの出力電圧と第1基準電圧との差電圧の積分値を求める積分回路を備え、DC−DCコンバータの出力と積分回路の出力との比較結果に応じてメインスイッチングトランジスタを制御することを特徴とする。
【0007】
第1基準電圧はDC−DCコンバータの出力電圧の平均値の目標電圧値であり、予め定められる値である。積分回路は、DC−DCコンバータの出力電圧と第1基準電圧との差電圧の積分値を求める。積分により、DC−DCコンバータの出力電圧のリップル電圧が平均化される。そして、DC−DCコンバータの出力電圧の平均値と第1基準電圧との誤差が取得される。
【0008】
積分回路の出力とDC−DCコンバータの出力との比較結果に応じてスイッチングトランジスタが制御される、フィードバック制御が行われる。積分回路の出力がしきい値となり、DC−DCコンバータの出力が積分回路の出力と交差することに応じて、スイッチングトランジスタのスイッチングが制御される。そして積分回路の出力は、DC−DCコンバータの出力電圧の平均値と第1基準電圧との誤差に応じて調整される。よって、DC−DCコンバータの出力電圧の平均値と第1基準電圧との誤差が補償され、両電圧値が一致するように、しきい値である積分回路の出力の制御が行われる。これにより、DC−DCコンバータの出力電圧の平均値の、第1基準電圧に対する誤差を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のDC−DCコンバータの制御回路および制御方法によれば、入力電圧の変動や、電圧比較器のオフセット電圧および回路遅延時間などに起因する、基準電圧からの出力電圧の誤差を低減することができると共に、負荷急変に高速応答することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態を、図1乃至図3を用いて説明する。図1に、本特許によるコンパレータ制御方式のDC−DCコンバータ1を示す。図1は、本発明に係るDC−DCコンバータ1の回路図である。DC−DCコンバータ1は、パワー部8、制御部9を備える。
【0011】
パワー部8は、メインスイッチング素子であるトランジスタFET1、同期整流スイッチ回路であるトランジスタFET2、チョークコイルL1、平滑コンデンサC1、ダイオードD1を備える。図1に於いて、トランジスタFET1の入力端子に入力電圧Vinが接続され、トランジスタFET1の出力端子にチョークコイルL1の入力端子が接続される。チョークコイルL1の出力端子はDC−DCコンバータ1の出力端子Voutに接続される。またトランジスタFET1の制御端子には制御部9の出力端子DHが接続される。トランジスタFET2の入力端子はグランドに接地され、出力端子はチョークコイルL1の入力端子に接続される。またトランジスタFET2の制御端子には制御部9の出力端子DLが接続される。またダイオードD1が、トランジスタFET2に並列に接続される。チョークコイルL1の出力端子とグランドとの間には、平滑コンデンサC1が接続される。そしてパワー部8からは出力電圧Voutが出力される。出力電圧Voutは、制御部9の入力端子FB1に入力される。
【0012】
制御部9は、積分回路12、電圧比較器COMP1、1ショットフリップフロップFF1を備える。積分回路12は、積分器10と減衰器11とを備える。積分器10は、積分抵抗R3,積分コンデンサC2、演算増幅器AMP1、ダイオードD2およびD3を備える。演算増幅器AMP1の非反転入力端子には基準電圧Vrが入力される。また演算増幅器AMP1の反転入力端子には、DC−DCコンバータ1の出力電圧Voutが積分抵抗R3を介して入力される。また演算増幅器AMP1の出力端子と反転入力端子との間に積分コンデンサC2が接続される。また、演算増幅器AMP1の出力端子から反転入力端子へ向かう方向を順方向とするダイオードD3が、積分コンデンサC2と並列に接続される。また、演算増幅器AMP1の反転入力端子から出力端子へ向かう方向を順方向とするダイオードD2が、積分コンデンサC2と並列に接続される。また、積分器10の時定数TCがトランジスタFET1のスイッチング周期より大きくなるように、積分抵抗R3の抵抗値および積分コンデンサC2の容量値が設定される。
【0013】
減衰器11は抵抗素子R4とR5を備える。抵抗素子R4の入力端子には基準電圧Vrが入力され、抵抗素子R5の入力端子には演算増幅器AMP1の出力電圧Vxが入力される。抵抗素子R4とR5との出力端子は共通接続された上で、電圧比較器COMP1の非反転入力端子に接続される。減衰器11からは、調整基準電圧Vr’が出力される。
【0014】
電圧比較器COMP1の反転入力端子には制御部9の入力端子FB1が接続され、非反転入力端子には減衰器11の出力端子が接続される。電圧比較器COMP1の出力端子は、1ショットフリップフロップFF1のセット入力端子Sに接続される。1ショットフリップフロップFF1の非反転出力端子Qは制御部9の出力端子DHに接続され、反転出力端子*Qは制御部9の出力端子DLに接続される。
【0015】
まず比較として、一般的なコンパレータ制御方式のDC−DCコンバータ100の動作に付いて図6および図7を用いて説明する。図6に示すDC−DCコンバータ100の構成については、図1のDCコンバータ1から積分器10および減衰器11を取り除いた構成と同様であるため、詳細な説明はここでは省略する。
【0016】
図6のDC−DCコンバータ100の動作波形を、図7に示す。入力電圧Vinが高く、VinHであるとき(期間S1)を説明する。図7の期間S1における時間t100において、DC−DCコンバータの出力電圧Voutが基準電圧Vrよりも低くなると、電圧比較器COMP100はハイレベルを出力して1ショットフリップフロップFF100がセットされる。1ショットフリップフロップFF100がセットされると、トランジスタFET100が導通状態とされ、入力電圧VinからチョークコイルL100を介して負荷に電流が供給され、DC−DCコンバータ100の出力電圧Voutが上昇する。またトランジスタFET200は非導通状態とされる。
【0017】
1ショットフリップフロップFF1により定まる所定の期間Ton1が経過し、時間t101になると、1ショットフリップフロップFF100はリセット状態に戻り、トランジスタFET100が非導通状態となるとともに、トランジスタFET200が導通状態となる。よって、チョークコイルL100に蓄えられたエネルギはトランジスタFET200を介して負荷に供給されるが、チョークコイルL100に流れる電流はエネルギーの放出に伴って徐々に減少し、DC−DCコンバータ100の出力電圧Voutも徐々に低下する。期間Toff1が経過した時間t102において、DC−DCコンバータ100の出力電圧Voutが基準電圧Vrよりも低い値となると、電圧比較器COMP100がハイレベルを出力して1ショットフリップフロップFF100は再びセット状態とされる。そして上記の期間Ton1とToff1とを繰り返すことで、出力電圧Voutにはリップルが発生する。
【0018】
ここで平均出力電圧Vaveと入力電圧Vinとの関係について説明する。コンパレータ方式では、一般的にリップル電圧が発生する。このとき期間S1における、基準電圧Vrを基準としたリップル電圧の振幅の最大値を、リップル電圧振幅値Vrip1と定義する。そしてリップル電圧振幅値Vrip1は、平滑コンデンサC1の等価直列抵抗ESRおよびチョークコイルL100に流れる電流の時間的変化量である電流変化量ΔIL1により下式で表される。
Vrip1=ΔIL1×ESR ・・・式(1)
【0019】
ここで電流変化量ΔIL1は、チョークコイルL100のインダクタンスL、トランジスタFET1のオン時間である期間Ton1を用いて下式で表される。
ΔIL1=(Vin−Vout)/L×Ton1 ・・・式(2)
式(1)(2)より、入力電圧Vinに依存してチョークコイルL100に流れる電流変化量ΔILが変動することに応じて、リップル電圧の振幅が変わることが分かる。
【0020】
そしてコンパレータの回路遅延時間などの誤差が無いものとすると、期間S1における平均出力電圧Vave1は、下式で表される。
Vave1=Vr+Vrip1/2 ・・・式(3)
よって式(3)より、平均出力電圧Vave1がリップル電圧振幅値Vrip1に依存し、リップル電圧振幅値Vrip1がΔILを介して入力電圧Vinに依存することが分かる。すなわち、平均出力電圧Vave1が入力電圧Vinに依存することが分かる。またスイッチング周期は周期P100となる。
【0021】
次に時間t110において、入力電圧Vinが低く、低位入力電圧VinLとされるとき(期間S2)を説明する。式(2)より、期間S2における電流量変化量ΔIL2は、期間S1における電流変化量ΔIL1に比して小さくされる。すると式(3)より、期間S2における平均出力電圧Vave2はVave1に比して低下する。よって図7に示すように、DC−DCコンバータ100の出力電圧は、平均出力電圧Vave1からVave2へ低下する。またスイッチング周期は、周期P100からP200へと短くなる。
【0022】
すなわち、平均出力電圧Vaveは、リップル電圧振幅値Vripに依存することが分かる。そしてリップル電圧の振幅が小さい場合には平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに近い値となり、振幅が大きい場合には平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrよりも大きい値とされる。
【0023】
以上のように、コンパレータ制御方式のDC−DCコンバータ100では、入力電圧Vinや等価直列抵抗ESRの値に応じて、基準電圧Vrと平均出力電圧Vaveとの間に誤差を生じる。
【0024】
また、電圧比較器COMP1に回路遅延やオフセットが存在するような場合には、出力電圧Voutの最低値は、しきい値電圧である基準電圧Vrと一致しないこととなる。これにより、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの間に誤差が発生する。
【0025】
本発明に係るDC−DCコンバータ1の動作について、図1乃至図3を用いて説明する。入力電圧Vinが、高位入力電圧VinHから低位入力電圧VinLへ移行する場合における、DC−DCコンバータ1の動作波形を図2に示す。
【0026】
まず、期間S1の定常状態における動作を説明する。図1の回路に於いて、積分器10の時定数TC(=R3×C2)は、トランジスタFET1のスイッチング周期よりも十分大きく設定されている。よって積分器10は、DC−DCコンバータ1の出力電圧Voutと基準電圧Vrとの差の積分値を計算し、出力電圧Vxを出力する。減衰器11では、後述するように出力電圧Vxの減衰が行われる。そして減衰後の出力電圧Vxと基準電圧Vrとが加算され、調整基準電圧Vr’とされる。
【0027】
電圧比較器COMP1では、調整基準電圧Vr’が非反転入力端子に入力され、出力電圧Voutが反転入力端子に入力される。よって図2に示すように、DC−DCコンバータ1の出力電圧Voutが、調整基準電圧Vr’よりも小さくなることに応じて、電圧比較器COMP1からはハイレベルの信号が出力される。すると1ショットフリップフロップFF1は、期間Ton1の間セット状態とされ、このときトランジスタFET1が導通状態、トランジスタFET2が非導通状態とされるため、出力電圧Voutが上昇する。また1ショットフリップフロップFF1は、期間Toff1の間リセット状態とされ、出力電圧Voutが下降する。そして期間Ton1とToff1とが交互に繰り返される。
【0028】
以上の動作より、制御部9では、DC−DCコンバータ1の平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され、平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように、しきい値電圧である調整基準電圧Vr’の値の制御が行われる。よって期間S1における定常状態では、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するようにバランスしている。
【0029】
次に図2の時間t0において、入力電圧Vinが、高位入力電圧VinHから低位入力電圧VinLへ移行する場合における、平均出力電圧Vaveおよび調整基準電圧Vr’の過渡状態を説明する。入力電圧Vinの移行に応じて、リップル電圧振幅値Vripは、Vrip1からVrip2へ低下する。すると式(3)より、平均出力電圧Vaveは、Vr+(Vrip1)/2から、Vr+(Vrip2)/2へ低下するため、平均出力電圧Vaveは基準電圧Vrよりも低くなる。
【0030】
このように平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrよりも低くなるときは、積分器10は、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの差の積分値に応じて出力電圧Vxを上昇させる。これにより、図2の期間S2に示すように調整基準電圧Vr’を上昇させる。その結果、時間t1において、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するように補償される。そして時間t1以降の期間S3においては、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するようにバランスし、定常状態となる。
【0031】
また入力電圧Vinが、低位入力電圧VinLから高位入力電圧VinHへ移行する場合における、DC−DCコンバータ1の動作波形を図3に示す。期間S11の定常状態における動作を説明する。期間S11では、前述の通り、制御部9では、DC−DCコンバータ1の平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され、平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように、しきい値電圧である調整基準電圧Vr’の値の制御が行われる。よって期間S11では、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するようにバランスしている。
【0032】
次に図3の時間t10において、入力電圧Vinが、低位入力電圧VinLから高位入力電圧VinHへ移行すると、リップル電圧振幅値Vripは、Vrip2からVrip1へ増加する。すると式(3)より、平均出力電圧Vaveが上昇するため、平均出力電圧Vaveは基準電圧Vrよりも高くなる。このように平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrよりも高くなるときは、積分器10は、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの差の積分値に応じて調整基準電圧Vr’を低下させる(図3、期間S12)。その結果、時間t11において、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するように補償される。そして時間t11以降の期間S13においては、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するようにバランスし、定常状態となる。
【0033】
なお、電圧比較器COMP1に回路遅延やオフセットが存在するような場合においても、制御部9により平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrが合致するように補償される。よって回路遅延やオフセット等の影響を受けることなく、平均出力電圧Vaveを基準電圧Vrに一致させることができる。
【0034】
またダイオードD2およびD3の作用について説明する。積分コンデンサC2に並列に接続されるダイオードD2及びD3は、演算増幅器AMP1の出力電圧Vxを一定値以内に抑えるためのクランプ回路として作用する。
【0035】
DC−DCコンバータ1の起動時や負荷短絡時などにおいては、出力電圧Voutの値が基準電圧Vrに比して非常に低い値へ遷移することに応じて、演算増幅器AMP1の出力電圧Vxは最大値となる。このとき出力電圧Vxを電圧比較器COMP1へ直接入力すると、積分器10のゲインが高いため、DC−DCコンバータ1のフィードバックの応答性が必要以上に高くなる。その結果、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとが等しくなるように調整基準電圧Vr’の値の制御を行う際に、両電圧が一致するまでに必要な収束時間が長くなるおそれがある。よってダイオードD3を備えることによって、出力電圧Vxの値をダイオードD3のオフセット電圧でクランプすることができ、出力電圧Vxを一定値以内に抑えることが可能となる。なおオフセット電圧には、例えば0.7(V)が用いられる。
【0036】
同様に負荷の停止時などにおいては、出力電圧Voutの値が基準電圧Vrに比して高い値へ遷移することに応じて、演算増幅器AMP1の出力電圧Vxは最小値となる。この場合も同様にして、積分器10のゲインが高いため、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとが等しくなるように調整基準電圧Vr’を調整する際に必要な収束時間が長くなるおそれがある。よってダイオードD2を備えることによって、出力電圧Vxの値をダイオードD2のオフセット電圧でクランプすることができ、出力電圧Vxを一定値以内に抑えることが可能となる。
【0037】
これにより、ダイオードD2、D3を備えることで、DC−DCコンバータ1の起動時や負荷短絡時などにおいて、出力電圧Voutが極端に基準電圧Vrから外れている状態での制御部9の誤動作を防止することができる。よって出力電圧Voutの変動時において、DC−DCコンバータ1の平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され両者が一致するまでの収束時間を短くすることができる。なお、出力電圧Voutの低下に対する補償のみを行い、上昇に対する補償が不要である場合には、ダイオードD3のみを備え、ダイオードD2を不要とすることで、積分器10の回路構成を簡略化することもできる。
【0038】
また減衰器11の作用について説明する。積分器10にダイオードD2、D3をクランプ回路として備える場合においても、まだ積分器10の出力のゲインが大きい場合がある。この場合、DC−DCコンバータ1のフィードバックの応答性が必要以上に高くなる結果、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとを等しくするように調整基準電圧Vr’を調整する際の収束時間が長くなるおそれがある。そこで積分器10の出力ゲインをさらに減衰させるために、減衰器11が用いられる。
【0039】
減衰器11は、積分器10によって得られる、出力電圧Voutと基準電圧Vrとの差の積分値を、基準電圧Vrに加算することで調整基準電圧Vr’を得る。減衰器11では下式(4)が成立する。
Vr’=(Vx×R4+Vr×R5)/(R4+R5) ・・・式(4)
つまり、出力電圧VxをR4/(R4+R5)に分圧して減衰させると共に、基準電圧VrをR5/(R4+R5)に分圧して減衰させる。そして減衰後の出力電圧Vxと基準電圧Vrとを加算することで、調整基準電圧Vr’を得ている。
【0040】
ここで出力電圧Vxは、リップル電圧の振幅に応じて、調整基準電圧Vr’の値を調整する作用を有する。よって出力電圧Vxの振幅は、出力電圧Voutに発生するリップル電圧の最大リップル幅に対応できる値を確保できれば十分である。よってリップル電圧の最大リップル幅に応じて、出力電圧Vxと基準電圧Vrとの減衰比を定めればよい。
【0041】
一般に、リップル電圧の振幅は、基準電圧Vrよりも十分に小さいため、基準電圧Vrに比して出力電圧Vxの出力振幅をより多く減衰する必要がある。よって例えば積分器10にダイオードD2、D3を備えない場合には、演算増幅器AMP1の出力電圧Vxの出力振幅を数十分の一に減衰すればよい。また例えば、積分器10にダイオードD2、D3を備える場合には、出力電圧Vxの出力振幅がダイオードによりある程度抑えられるため、出力電圧Vxの出力振幅を十分の一程度に減衰すればよい。よって、出力電圧Vxの出力振幅の減衰の度合いに応じて、抵抗素子R5の抵抗値が抵抗素子R4の十〜数十倍となるように設定される。
【0042】
これにより、ダイオードD2、D3によるクランプ量が少ない場合においても、減衰器11を用いることで、より出力電圧Vxを狭い一定値以内に抑えることが可能となる。よって減衰器11を備えることで、DC−DCコンバータ1の起動時や負荷短絡時などにおいて、出力電圧Voutが極端に基準電圧Vrから外れている状態での制御部9の誤動作を防止することができる。
【0043】
以上詳細に説明したとおり、本実施形態に係るDC−DCコンバータ1の制御部9によって、入力電圧Vinや等価直列抵抗ESRの値に応じて、基準電圧Vrと出力電圧Voutとの間に発生する誤差を、低減することが可能となる。よって平均出力電圧Vaveを、より基準電圧Vrに近づけることが可能となるため、正確な出力電圧Voutを得ることが可能となる。
【0044】
また、電圧比較器COMP1に回路遅延やオフセットが存在するような場合においても、制御部9により、平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように補償することができる。これにより、より基準電圧Vrに一致した平均出力電圧Vaveを得ることが可能となる。
【0045】
またダイオードD2及びD3や、減衰器11によって、演算増幅器AMP1の出力電圧Vxの振幅を抑えることができる。これにより、出力電圧Voutの変動時において、DC−DCコンバータ1の平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され、両者が一致するまでの収束時間を短くすることができる。
【0046】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。
【0047】
図1に係る積分回路12では減衰器11を備えるとしたが、この形態に限られない。減衰器11を備えず、演算増幅器AMP1の出力電圧Vxが電圧比較器COMP1に入力される形態でもよい。この場合においても、DC−DCコンバータ1の平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され、平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように、しきい値電圧である出力電圧Vxの値の制御が行われる。
【0048】
また積分器10はダイオードD2及びD3を備えるとしたが、この形態に限られない。減衰器11で十分に出力電圧Vxの振幅を抑えることができ、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとを等しくするように調整基準電圧Vr’を調整する際の収束時間が短くできる場合には、ダイオードD2、D3を省略することができ、回路簡略化を図ることができる。また、集積回路で積分コンデンサC2を接合容量で実現する場合には、積分コンデンサC2とダイオードD3とを一体のものとして作製することができる。これによっても回路簡略化を図ることができる。
【0049】
また本発明では、同期整流方式のDC−DCコンバータ1について図1の回路を用いて説明したが、この形態に限られない。例えば図1においてトランジスタFET2、出力端子DL、反転出力端子*Qを備えないとする非同期整流方式のDC−DCコンバータであってもよい。この場合においても平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償されることは言うまでもない。
【0050】
また本発明では、固定オン時間制御のDC−DCコンバータ1について図1の回路を用いて説明したが、この形態に限られない。例えば図4に示すように、固定周期PWM制御のDC−DCコンバータ1aにも本発明を適用することが可能である。制御部9aは、フリップフロップFF1a、発振器OSC、電圧比較器COMP1aを備える。電圧比較器COMP1aの反転入力端子には調整基準電圧Vr’が入力され、非反転入力端子には出力電圧Voutが入力される。フリップフロップFF1aのリセット端子Rには電圧比較器COMP1aの出力端子が接続され、セット入力端子Sには発振器OSCの出力端子が接続される。その他の構成は、図1の制御部9と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0051】
発振器OSCは、所定周期ごとにフリップフロップFF1aをセット状態にする。よってトランジスタFET1は、所定周期ごとに導通状態にされる。また電圧比較器COMP1aは、しきい値である調整基準電圧Vr’よりもDC−DCコンバータ1aの出力電圧Voutが大きくなることに応じて、トランジスタFET1を非導通状態とする。これにより、固定周期PWM制御のDC−DCコンバータ1aにおいても、平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され、平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように、しきい値電圧である調整基準電圧Vr’の値の制御が行われる。
【0052】
また本発明では、固定オン時間制御のDC−DCコンバータ1について図1の回路を用いて説明したが、この形態に限られない。例えば図5に示すように、SAW(鋸歯状波)発振器とPWM電圧比較器とにより制御されるDC−DCコンバータ1bにも本発明を適用することが可能である。制御部9bは、フリップフロップFF1b、SAW発振器SO、直流増幅器AMP2、PWM電圧比較器COMP2備える。直流増幅器AMP2の非反転入力端子には調整基準電圧Vr’が入力され、反転入力端子には出力電圧Voutが入力される。ここで直流増幅器AMP2は、固定利得広帯域増幅器である。またPWM電圧比較器COMP2の反転入力端子には直流増幅器AMP2の出力端子が接続され、非反転入力端子にはSAW発振器SOの出力端子が接続される。フリップフロップFF1aのリセット端子RにはPWM電圧比較器COMP2の出力端子が接続され、セット入力端子SにはSAW発振器SOの出力端子が接続される。その他の構成は、図1の制御部9と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0053】
SAW発振器SOは、所定周期ごとにフリップフロップFF1bをセット状態にすることで、トランジスタFET1を所定周期ごとに導通状態にする。直流増幅器AMP2は、調整基準電圧Vr’と出力電圧Voutとの差電圧を、出力電圧Voutの周波数特性に依存することなく増幅し、出力電圧Vo1を出力する。またPWM電圧比較器COMP2では、直流増幅器AMP2の出力電圧Vo1よりもSAW発振器SOの出力電圧が大きくなることに応じて、フリップフロップFF1bをリセット状態にし、トランジスタFET1を非導通状態とする。よって、DC−DCコンバータ1bの出力電圧Voutが、調整基準電圧Vr’よりも小さくなることに応じて、トランジスタFET1を非導通状態とされる。すなわち、出力電圧Voutのピーク値が調整基準電圧Vr’によって制御される。
【0054】
そして積分回路12は、入力電圧Vinの値が低い場合には平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの差の積分値に応じて調整基準電圧Vr’を低下させ、入力電圧Vinの値が高い場合には平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの差の積分値に応じて調整基準電圧Vr’を上昇させる。以上の動作より、制御部9bでは、DC−DCコンバータ1bの平均出力電圧Vaveと基準電圧Vrとの誤差が補償され、平均出力電圧Vaveが基準電圧Vrに一致するように、しきい値電圧である調整基準電圧Vr’の値の制御が行われる。これにより、基準電圧Vrと出力電圧Voutとの間に発生する、入力電圧Vinに起因した誤差やPWM電圧比較器COMP2に存在する回路遅延やオフセットに起因した誤差を低減することが可能となる。
【0055】
また抵抗素子R4の入力端子に入力されるのは基準電圧Vrに限られない。例えば接地電位であってもよく、この場合にも、出力電圧Vxを減衰させることが可能となる。また例えば、基準電圧Vrと異なる第2の基準電圧であってもよい。
【0056】
また本発明では、降圧型のDC−DCコンバータ1について説明したが、この形態に限られない。トランジスタFET2をメインスイッチングトランジスタとして用い、トランジスタFET1を同期整流スイッチ回路として用いることにより、本発明を昇圧型のDC−DCコンバータに適用できることは言うまでもない。
【0057】
なお、基準電圧Vrは第1基準電圧の一例、積分抵抗R3は第1抵抗素子の一例、抵抗素子R4は第2抵抗素子の一例、抵抗素子R5は第3抵抗素子の一例、ダイオードD3は第1ダイオードの一例、ダイオードD2は第2ダイオードのそれぞれ一例である。
【0058】
ここで、本発明の技術思想により、背景技術における課題を解決するための手段を以下に列記する。
(付記1)
入力電圧から第1基準電圧に応じた出力電圧を生成するスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、
前記DC−DCコンバータの出力電圧と前記第1基準電圧との差電圧の積分値を求める積分回路を備え、
前記DC−DCコンバータの出力と前記積分回路の出力との比較結果に応じてメインスイッチングトランジスタを制御することを特徴とするDC−DCコンバータ制御回路。
(付記2)
前記積分回路は、
前記DC−DCコンバータの出力電圧が反転入力端子に入力され、前記第1基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力端子と前記反転入力端子との接続経路上に備えられるキャパシタと、
一端に前記DC−DCコンバータの出力電圧が入力され、他端が前記反転入力端子に接続される第1抵抗素子と
を備えることを特徴とする付記1に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記3)
前記キャパシタと前記第1抵抗素子とにより求まる時定数は、前記メインスイッチングトランジスタのスイッチング周期よりも大きくされることを特徴とする付記2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記4)
前記演算増幅器の前記出力端子から前記反転入力端子へ向かう方向を順方向として、前記キャパシタと並列接続される第1ダイオードを備えることを特徴とする付記2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記5)
前記演算増幅器の前記反転入力端子から前記出力端子へ向かう方向を順方向として、前記キャパシタと並列接続される第2ダイオードを備えることを特徴とする付記2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記6)
前記積分回路は、
前記演算増幅器の出力電圧を減衰して前記制御部へ出力する減衰器を備えることを特徴とする付記2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記7)
前記減衰器は、
入力端子に第2基準電圧が印加される第2抵抗素子と、
前記第2抵抗素子よりも大きい抵抗値を有し、入力端子に前記演算増幅器の出力電圧が印加され、出力端子が前記第2抵抗素子の出力端子と共通接続される第3抵抗素子と
を備えることを特徴とする付記6に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記8)
前記第2基準電圧は前記第1基準電圧と等しくされることを特徴とする付記7に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記9)
反転入力端子に前記DC−DCコンバータの出力が入力され、非反転入力端子に前記積分回路の出力が入力されるコンパレータを備え、
前記積分回路の出力よりも前記DC−DCコンバータの出力が小さくなることに応じて前記メインスイッチングトランジスタを導通制御することを特徴とする付記1に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記10)
反転入力端子に前記DC−DCコンバータの出力が入力され、非反転入力端子に前記積分回路の出力が入力される第2演算増幅器と、
鋸歯状波発振器と、
反転入力端子に前記第2演算増幅器の出力が入力され、非反転入力端子に前記鋸歯状波発振器の出力が入力されるPWMコンパレータとを備え、
前記積分回路の出力よりも前記DC−DCコンバータの出力が大きくなることに応じて前記メインスイッチングトランジスタを非導通制御することを特徴とする付記1に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
(付記11)
入力電圧から第1基準電圧に応じた出力電圧を生成するスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、
前記DC−DCコンバータの出力電圧と前記第1基準電圧との差電圧の積分値を求めるステップと、
前記DC−DCコンバータの出力と前記積分値に応じた出力との比較結果に応じてメインスイッチングトランジスタを制御するステップと
を備えることを特徴とするDC−DCコンバータの制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るDC−DCコンバータ1の回路図
【図2】入力電圧Vinが低くなる場合のDC−DCコンバータ1の動作波形
【図3】入力電圧Vinが高くなる場合のDC−DCコンバータ1の動作波形
【図4】固定周期PWM制御のDC−DCコンバータ1aの回路図
【図5】SAW発振器とPWM電圧比較器とを備えるDC−DCコンバータ1bの回路図
【図6】コンパレータ方式のDC−DCコンバータ100
【図7】DC−DCコンバータ100の動作波形
【符号の説明】
【0060】
1、1a DCコンバータ
9、9a 制御部
10 積分器
11 減衰器
12 積分回路
AMP1 演算増幅器
C2 積分コンデンサ
COMP1 電圧比較器
COMP1a 電圧比較器
D1乃至D3 ダイオード
ESR 等価直列抵抗
TC 時定数
Vave 平均出力電圧
Vin 入力電圧
Vout 出力電圧
Vr 基準電圧
Vr’ 調整基準電圧
Vrip リップル電圧振幅値
Vx 出力電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧から第1基準電圧に応じた出力電圧を生成するスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、
前記DC−DCコンバータの出力電圧と前記第1基準電圧との差電圧の積分値を求める積分回路を備え、
前記DC−DCコンバータの出力と前記積分回路の出力との比較結果に応じてメインスイッチングトランジスタを制御することを特徴とするDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項2】
前記積分回路は、
前記DC−DCコンバータの出力電圧が反転入力端子に入力され、前記第1基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力端子と前記反転入力端子との接続経路上に備えられるキャパシタと、
一端に前記DC−DCコンバータの出力電圧が入力され、他端が前記反転入力端子に接続される第1抵抗素子と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項3】
前記キャパシタと前記第1抵抗素子とにより求まる時定数は、前記メインスイッチングトランジスタのスイッチング周期よりも大きくされることを特徴とする請求項2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項4】
前記演算増幅器の前記出力端子から前記反転入力端子へ向かう方向を順方向として、前記キャパシタと並列接続される第1ダイオードを備えることを特徴とする請求項2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項5】
前記演算増幅器の前記反転入力端子から前記出力端子へ向かう方向を順方向として、前記キャパシタと並列接続される第2ダイオードを備えることを特徴とする請求項2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項6】
前記積分回路は、
前記演算増幅器の出力電圧を減衰して前記制御部へ出力する減衰器を備えることを特徴とする請求項2に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項7】
前記減衰器は、
入力端子に第2基準電圧が印加される第2抵抗素子と、
前記第2抵抗素子よりも大きい抵抗値を有し、入力端子に前記演算増幅器の出力電圧が印加され、出力端子が前記第2抵抗素子の出力端子と共通接続される第3抵抗素子と
を備えることを特徴とする請求項6に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項8】
前記第2基準電圧は前記第1基準電圧と等しくされることを特徴とする請求項7に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項9】
反転入力端子に前記DC−DCコンバータの出力が入力され、非反転入力端子に前記積分回路の出力が入力されるコンパレータを備え、
前記積分回路の出力よりも前記DC−DCコンバータの出力が小さくなることに応じて前記メインスイッチングトランジスタを導通制御することを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ制御回路。
【請求項10】
入力電圧から第1基準電圧に応じた出力電圧を生成するスイッチングレギュレータ方式のDC−DCコンバータにおいて、
前記DC−DCコンバータの出力電圧と前記第1基準電圧との差電圧の積分値を求めるステップと、
前記DC−DCコンバータの出力と前記積分値に応じた出力との比較結果に応じてメインスイッチングトランジスタを制御するステップと
を備えることを特徴とするDC−DCコンバータの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−116823(P2007−116823A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305748(P2005−305748)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】