説明

DLL4に対する抗体およびその使用

本発明は、DLL4に対する標的結合剤およびかかる薬剤の使用に関する。さらに具体的には、本発明は、DLL4を指向する完全ヒトモノクローナル抗体に関する。記載したこれらの標的結合剤は、DLL4の活性および/または過剰生産と関連する疾患の治療において、ならびに診断として有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
特異的にDLL4と結合する単離した抗体、またはその結合断片であって、該抗体は1つまたは複数の以下の特性を示し、該特性は:
ヒトDLL4と200pM未満のKで結合すること;
カニクイザルDLL4と交差反応をすること;
マウスDLL4と弱い交差反応をすること;
ほぼ同等の親和性でカニクイザルDLL4と結合すること;
DLL1またはJagged 1と顕著に結合しないこと;
対照と比較して、二次元培養におけるHUVEC細胞増殖のDLL4刺激による阻害の85%超の解除を示すこと;
対照と比較して、0.08μg/mlの濃度で、二次元培養におけるHUVEC細胞管形成の50%超の阻害を示すこと;および
時間が0の時の対照と比較して、4時間の時点で、50%未満の内部移行を示すこと、
である単離した抗体、またはその結合断片。
【請求項2】
哺乳動物において前記抗体が腫瘍増殖および/または転移を阻害する、請求項1に記載の単離した抗体。
【請求項3】
前記抗体がDLL4と100pM未満のKdで結合する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項4】
前記抗体が、配列番号90の連続したアミノ酸の全特定部分の、少なくとも3つのアミノ酸残基を有する少なくとも1つのアミノ酸配列の任意の組み合わせを含むエピトープと結合する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項5】
前記抗体が4B4、2H10、21F7、12A1、17F3、9G8、20G8、21H3、1E4、3A7、4B3、1D4または21H3RKのうちの任意の1つである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項6】
a)表2もしくは13に示すCDR3配列;
b)表2もしくは13に示すCDR1、CDR2もしくはCDR3配列のうちの任意の1つ;
c)表2に示す可変軽鎖配列のCDR1、CDR2およびCDR3配列;または
d)表2に示す可変重鎖配列のCDR1、CDR2およびCDR3配列
を含むアミノ酸配列を含む単離した抗体。
【請求項7】
DLL4と免疫特異的に結合し、
(a)配列番号6のVH CDR1と同一のまたは配列番号6のVH CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号6のVH CDR1;
(b)配列番号6のVH CDR2と同一のまたは配列番号6のVH CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号6のVH CDR2;
(c)配列番号6のVH CDR3と同一のまたは配列番号6のVH CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号6のVH CDR3;
(d)配列番号8のVL CDR1と同一のまたは配列番号8のVL CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号8のVL CDR1;
(e)配列番号8のVL CDR2と同一のまたは配列番号8のVL CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号8のVL CDR2;および
(f)配列番号8のVL CDR3と同一のまたは配列番号8のVL CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号8のVL CDR3
を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項8】
前記抗体が、
(a)配列番号6のVH CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに
(b)配列番号8のVL CDR1、CDR2およびCDR3
を含む請求項7に記載の単離した抗体。
【請求項9】
抗体もしくはその断片がDLL4と免疫特異的に結合し、配列番号6のアミノ酸と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域を含み、かつ配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域を含み、前記抗体がDLL4との結合活性を有する、単離した抗体またはその結合断片。
【請求項10】
DLL4と免疫特異的に結合し、
(a)配列番号30のVH CDR1と同一のまたは配列番号30のVH CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号30のVH CDR1;
(b)配列番号30のVH CDR2と同一のまたは配列番号30のVH CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号30のVH CDR2;
(c)配列番号30のVH CDR3と同一のまたは配列番号30のVH CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号30のVH CDR3;
(d)配列番号32のVL CDR1と同一のまたは配列番号32のVL CDR1に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号32のVL CDR1;
(e)配列番号32のVL CDR2と同一のまたは配列番号32のVL CDR2に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号32のVL CDR2;および
(f)配列番号32のVL CDR3と同一のまたは配列番号32のVL CDR3に対して1、2もしくは3つのアミノ酸残基置換を含むアミノ酸配列を有する配列番号32のVL CDR3
を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項11】
前記抗体が、
(a)配列番号30のVH CDR1、CDR2およびCDR3;ならびに
(b)配列番号32のVL CDR1、CDR2およびCDR3
を含む請求項10に記載の単離した抗体。
【請求項12】
DLL4と免疫特異的に結合し、配列番号30のアミノ酸と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域を含み、かつ配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域を含み、前記抗体がDLL4との結合活性を有する、単離した抗体またはその結合断片。
【請求項13】
抗体が、表9の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む配列番号6を含む配列、を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項14】
抗体が、表10の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む配列番号8を含む配列、を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項15】
抗体が、表5の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む配列番号30を含む配列、を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項16】
抗体が、表6の各行に示される生殖系列および非生殖系列残基の任意の1つの固有の組み合わせを含む配列番号32を含む配列、を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項17】
前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項18】
前記抗体が完全ヒトモノクローナル抗体の結合断片である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の単離した抗体。
【請求項19】
前記抗体がFab、Fab’、F(ab’)、FvおよびdAb断片からなる群から選択される、請求項18に記載の単離した抗体。
【請求項20】
DLL4への結合に対して、4B4、2H10、21F7、12A1、17F3、9G8、20G8、21H3、1E4、3A7、4B3、1D4または21H3RKのうちの任意の1つの抗体と競合するモノクローナル抗体。
【請求項21】
4B4、2H10、21F7、12A1、17F3、9G8、20G8、21H3、1E4、3A7、4B3、1D4または21H3RKのうちの任意の1つの抗体と同じDLL4上のエピトープと結合するモノクローナル抗体。
【請求項22】
単離した抗体またはその結合断片であって、
PTA−10181という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab2H10VLOPと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列;
PTA−9502という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab2H10VHOPと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列;または、
PTA−9502という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab2H10VHOPと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列、およびPTA−10181という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab2H10VLOPと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列
を含むアミノ酸配列を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項23】
単離した抗体またはその結合断片であって、
PTA−9517という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab9G8VHと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列;
PTA−9516という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab9G8VLOPT1と命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列;または、
PTA−9517という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab9G8VHと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列、およびPTA−9516という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab9G8VLOPT1と命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列
を含むアミノ酸配列を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項24】
単離した抗体またはその結合断片であって、
PTA−9501という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab21H3VHと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列;
PTA−9500という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab21H3VLOPと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列;または、
PTA−9501という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab21H3VHと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの重鎖CDRを含む可変重鎖アミノ酸配列、およびPTA−9500という番号でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託されたMab21H3VLOPと命名されたプラスミドの中のポリヌクレオチドによってコードされる少なくとも1つ、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つの軽鎖CDRを含む可変軽鎖アミノ酸配列
を含むアミノ酸配列を含む単離した抗体またはその結合断片。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の抗体を含む組成物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の抗体を含む医薬組成物。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の抗体をコードする核酸分子。
【請求項28】
動物における悪性腫瘍を治療する方法であって、悪性腫瘍の治療を必要としている動物を選択すること、および請求項1〜27のいずれか一項に記載の抗体の治療有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項29】
前記動物がヒトである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記抗体が、完全ヒトモノクローナル抗体4B4、2H10、21F7、12A1、17F3、9G8、20G8、21H3、1E4、3A7、4B3、1D4または21H3RKからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記悪性腫瘍が、黒色腫、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、グリオーマ、肝細胞(肝臓)ガン、甲状腺腫瘍、胃(gastric)(胃(stomach))ガン、前立腺ガン、乳ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、肺ガン、グリア芽腫、子宮内膜ガン、腎臓ガン、結腸ガン、膵臓ガン、食道ガン、頭頸部ガン、中皮腫、肉腫、胆管(biliary)ガン(胆管ガン(cholangiocarcinoma))、小腸腺ガン、小児悪性腫瘍および扁平上皮ガンからなる群から選択される、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
非腫瘍性疾患を治療する方法であって、非腫瘍性疾患の治療を必要としている動物を選択すること、および請求項1〜31のいずれか一項に記載の抗体の治療有効量を前記動物に投与することを含む方法。
【請求項33】
前記動物がヒトである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記抗体が、抗体4B4、2H10、21F7、12A1、17F3、9G8、20G8、21H3、1E4、3A7、4B3、1D4または21H3RKからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
非腫瘍性疾患が、眼疾患、炎症性疾患、心疾患および敗血症からなる群から選択される、請求項32〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
悪性腫瘍を治療する、請求項25に記載の組成物の使用。
【請求項37】
前記悪性腫瘍が、黒色腫、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、グリオーマ、肝細胞(肝臓)ガン、甲状腺腫瘍、胃(gastric)(胃(stomach))ガン、前立腺ガン、乳ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、肺ガン、グリア芽腫、子宮内膜ガン、腎臓ガン、結腸ガン、膵臓ガン、食道ガン、頭頸部ガン、中皮腫、肉腫、胆管(biliary)ガン(胆管ガン(cholangiocarcinoma))、小腸腺ガン、小児悪性腫瘍および扁平上皮ガンからなる群から選択される、請求項36に記載の組成物の使用。
【請求項38】
非腫瘍性疾患を治療する、請求項25に記載の組成物の使用。
【請求項39】
前記非腫瘍性疾患が、眼疾患、炎症性疾患、心疾患および敗血症からなる群から選択される、請求項38に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−502650(P2012−502650A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527407(P2011−527407)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051217
【国際公開番号】WO2010/032060
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【Fターム(参考)】