説明

DNAチップの測定装置

【課題】外部環境に影響されることなく、安定した測定が可能なDNAチップの測定装置を提供する。
【解決手段】DNAチップの測定装置は、配線パターンと配線パターンを被覆した防湿コーティングとを有する回路基板50と、回路基板の配線パターンに電気的に接続され回路基板から突出しているとともに、DNAチップ10の測定電極に当接する先端部を有する複数の測定プローブピン54と、測定プローブピンを保持しているとともに回路基板に固定されたプローブピンホルダ52と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DNA等の複数の核酸プローブを固定し、核酸プローブと検体から抽出した核酸との反応から、特定の塩基配列あるいは特定の遺伝子の存在を判定するDNAチップの測定装置、特に電気化学的な反応を利用して、ハイブリダイゼーションの有無を検出する電流検出型DNAチップの測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲノム医学やゲノム薬理学の進歩により、特定の塩基配列あるいは特定の遺伝子の存在を検出することによって、薬に対する効果や副作用、発病の可能性や病気の進行程度等が診断できるようになってきた。この特定の塩基配列あるいは特定の遺伝子の存在を手軽に検出する手法として、DNAチップ(DNAマイクロアレイ)を用いる手法が提供されている。このようなDNAチップとして、電流検出法を用いて特定の塩基配列あるいは特定の遺伝子の存在を検出する電流検出型のDNAチップが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
電流検出型のDNAチップは、絶縁基板上に金等の導電性金属薄膜からなる複数の作用極および測定極と、これらの電極を接続し電気化学的な測定回路を形成する配線とを有し、作用極には、既知の核酸等からなる一本鎖の核酸プローブが固定化されている。このDNAチップは、通常、カセット内に収納されている。そして、測定時には、カセットを測定装置内の所定位置に装填し、核酸プローブへの検体の充填、加熱、洗浄、電流検出が行われる。
【0004】
測定装置は、例えば、昇降可能に設けられた複数の測定プローブピンを備え、これらの測定プローブピンは回路基板に電気的に接続され、回路基板を介して分析装置に接続されている。測定時、これらの測定プローブピンは、DNAチップの測定極に押圧接触される。そして、測定プローブピンを通してDNAチップに電圧を印加するとともに、DNAチップから発生する微小電流を検出している(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特許第3930517号公報
【特許文献1】特許第3648258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したDNAチップの測定装置により電流検出を行う場合、測定装置は通常、一般環境、あるいは空調制御された環境下に設置されて使用される。しかし、測定プローブピンにより検出される検出電流は微弱であり、外部環境条件に影響を受け易く、環境条件によっては、正常に測定できない場合が生じる。特に、高湿度条件下や、ある事情により空調制御ができなくなった場合など、空気中の水分量が変動し、回路基板に水分が付着するなどの影響により、正確な電流値が検出できない場合がある。
【0006】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、外部環境に影響されることなく、安定した測定が可能なDNAチップの測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の態様に係るDNAチップの測定装置は、配線パターンと前記配線パターンを被覆した防湿コーティングとを有する回路基板と、前記回路基板の配線パターンに電気的に接続され前記回路基板から突出しているとともに、DNAチップの測定電極に当接する先端部を有する複数の測定プローブピンと、前記測定プローブピンを保持しているとともに前記回路基板に固定されたプローブピンホルダと、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、外部環境に影響されることなく、安定した電流測定が可能なDNAチップの測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る電流検出型DNAチップの測定装置について詳細に説明する。
初めに、測定に用いるDNAチップについて説明する。
図1は、本実施形態に係るDNAチップを内蔵したカセットの外観を示し、図2は、このカセットを分解して示している。図1および図2に示すように、DNAチップ10は、基板30と基板上に形成された複数の電極とを有している。DNAチップ10は、シリコン樹脂等で形成された流路パッキン12と共に、ポリカーボネート等の樹脂で形成されたカセット14内に組み込まれている。
【0010】
DNAチップ10は、ガラス、Si、樹脂等により矩形状に形成された絶縁性を有する基板30と、基板の一方の表面上に金等の導電性を有する金属膜をパターニングすることにより形成された複数の電極、つまり、複数の作用極32、複数の測定極34a、34b、対極36、および参照極38と、電極間を電気的に接続し測定回路を構成した複数の配線40と、を有している。基板30の上面は、電極を除いて、例えば有機レジスト等からなる絶縁層によって覆われている。
【0011】
作用極32は例えば2つ設けられ、各作用極32の露出した表面には、例えば既知の配列を持ち一本鎖にした合成オリゴDNAが核酸プローブとして固定されている。各作用極32は、複数の配線40を介して対応する測定極34aに電気的に接続されている。対極36および参照極38の各々は、複数の配線40を介して対応する測定極34bに電気的に接続されている。基板30の他方の表面、ここでは、背面には、加熱時の基板30の熱分布を均一とするための図示しない無機膜が形成されている。
【0012】
DNAチップ10は、カセット14内に組み込まれている。カセット14は、矩形箱状のトップカバー16aと、トップカバーに嵌合されトップカバーの底面を閉塞した矩形板状のボトムカバー16bとを有している。ボトムカバー16bにはDNAチップ10よりも僅かに小さな矩形状の開口18が形成されている。DNAチップ10は、その背面側が開口18に重なった状態で、ボトムカバー16bとトップカバー16aとの間に配置収納されている。開口18を通して、無機膜およびDNAチップ10をヒータ等により加熱することができる。
【0013】
流路パッキン12は、トップカバー16aとDNAチップ10との間に配置され、DNAチップ10の電極側の表面に密着した状態で保持されている。DNAチップ10の作用極32、対極36および参照極38を含む電極部分は、流路パッキン12によって覆われ、基板30の上面と流路パッキンとにより流路が形成されている。この流路に検体あるいは電解液等を充填し流すことにより、電極部にこれらの検体、電解液を供給することができる。
【0014】
トップカバー16aには、検体及び薬液の注入孔20および排出孔21、並びに、矩形状の測定開口22が形成されている。注入孔20および排出孔21は流路パッキン12の流路に連通している。注入孔20から注入された検体は、流路パッキン12の流路を通してDNAチップ10の電極部に供給された後、他方から排出孔21から排出される。また、測定開口22は、DNAチップ10の測定極34a、34bに対向して設けられている。カセット14の外側から測定開口22を通して、電流検出用の測定プローブピンをカセット14内に挿入し、DNAチップ10の測定極に接触させることができる。
【0015】
次に、上述したDNAチップ10のカセット14を用いてDNAチップ10の測定を行う測定装置について説明する。
図3は、測定装置を概略的に示す断面図であり、図4は、測定プローブピンによるDNAチップの測定状態を概略的に示し、図5は、プローブユニットを示す正面図、図6は、測定装置のプローブユニットを示す斜視図、図7は、プローブピンと回路基板との接続部を拡大して示す断面図、図8は、回路基板の背面側における接続部を示す平面図である。
【0016】
図3に示すように、測定装置60は、ハウジング61と、このハウジング内に配設されたカセット支持機構62と、複数の測定プローブピンを並べたプローブユニット64と、プローブユニット64を当接位置および退避位置に駆動する駆動機構66と、を備えている。
【0017】
図3および図4に示すように、カセット支持機構62は、カセット14を支持するカセットホルダ68を有している。カセットホルダ68はほぼ直方体形状に形成され、その中央部に、カセット14を装着可能なほぼ矩形状の係合凹所70が形成されている。係合凹所70の底部には、複数のばね71によって弾性的に支持された支持板72が設けられている。係合凹所70に装着されたカセット14は、支持板72上に弾性的に支持される。
【0018】
カセットホルダ68は、ガイドレール73により床とほぼ平行な方向に沿って移動可能に支持され、ここでは、図3に破線で示す、カセット14を取外し可能な装着位置と、実線で示す、DNAチップ10の測定が可能な測定位置との間を移動可能に支持されている。また、カセット支持機構62は、カセットホルダ68を装着位置と測定位置との間で移動させる移動機構74を有している。移動機構74は、複数の駆動ローラ、これらの駆動ローラを駆動するモータ等を備えている。なお、ハウジング61の一側壁には、カセットホルダ68が通過する挿通口63が形成されている。
【0019】
図3ないし図6に示すように、プローブユニット64は、矩形状の回路基板50と、回路基板に固定されたプローブピンホルダ52と、プローブピンホルダに保持されているとともに回路基板50に電気的に接続された複数本の測定プローブピン54と、を有している。
【0020】
回路基板50は、第1表面50aおよびこれと反対側に位置した第2表面50bとを有し、第1表面には導電層からなる多数の配線パターン51が形成され、同様に、第2表面には導電層からなる多数の配線パターンが形成されている。回路基板50には、第1表面50a側の配線パターン51と第2表面50b側の配線パターンとを電気的に接続した複数のスルーホール55が形成されている。第2表面50b上には、図示しない複数の電子部品が実装されている。後述するプローブピンホルダ52が固定された領域を除いて、回路基板50の第1表面50a、第2表面50bおよびスルーホール55内は、防湿コーティング剤56により被覆されている。これにより、第1表面50a側の配線パターン51および第2表面50b側の配線パターンも防湿コーティング剤56により被覆されている。防湿コーティング剤としては、種々のものを選択でき、例えば、株式会社弘輝製のセフティコートB−30(商品名)を用いることができる。
【0021】
図5ないし図7に示すように、プローブピンホルダ52は、例えば、合成樹脂等の絶縁材料により角柱形状に形成され、その一端面は、回路基板50の第1表面50aに気密に接着固定されている。これにより、プローブピンホルダ52は、回路基板50の第1表面50aからほぼ垂直に延出している。複数の測定プローブピン54は、プローブピンホルダ52を気密に貫通して延び、プローブピンホルダ52により、回路基板50に対してほぼ垂直に延出した状態で保持されている。測定プローブピン54は、互いに所定の間隔を置いて、例えば、4列に並んで設けられている。
【0022】
各測定プローブピン54の先端部54aは、プローブピンホルダ52から下方に突出し、DNAチップ10の測定電極に当接可能となっている。図7および図8に示すように、各測定プローブピン54の基端部54bは、回路基板50を貫通して回路基板50の第2表面50b側に突出し、更に、その突出端が回路基板50にハンダ付けされ、配線パターンに電気的に接続されている。測定プローブピン54は、ほぼ鉛直方向に沿って延びているとともに、鉛直方向に沿って変位可能に支持されている。更に、各測定プローブピン54は、図示しない弾性材により鉛直方向下方に向かって付勢されている。
【0023】
回路基板50の第1表面50aにおいて、防湿コーティング剤56は、プローブピンホルダ52が固定された領域を除いて、全面に被覆されている。回路基板50の第2表面50bにおいて、防湿コーティング剤56は、配線パターン53、スルーホール55、および、測定プローブピン54のハンダ付け部を被覆している。
【0024】
図3、図4、図5に示すように、上記のように構成されたプローブユニット64は、回路基板50の第2表面50b側に設けられた一対の支持脚57を介して、ユニットホルダ79に支持されている。これにより、プローブユニット64は、回路基板50がほぼ水平に位置し、測定プローブピン54が下方に向かって延出した状態で、配設されている。
【0025】
ユニットホルダ79は駆動機構66により昇降可能に支持されている。駆動機構66は、ハウジング61の底壁に立設された支柱78、ほぼ水平に延びているとともに支柱78に昇降自在に支持されたアーム状のユニットホルダ79、このユニットホルダ79を昇降させる昇降機構80を備えている。プローブユニット64は、ユニットホルダ79の延出部に取り付けられ、ユニットホルダと共に昇降可能となっている。また、プローブユニット64は、ユニットホルダ79に対して水平方向に移動可能に設けられている。
【0026】
プローブユニット64は、駆動機構66により水平方向および鉛直方向に移動され、測定位置に移動したカセット14に対して、測定プローブピン54がDNAチップ10の測定極34a、34bに当接する当接位置と、測定プローブピン54がカセットから離間する退避位置との間を移動される。
【0027】
測定装置60は、回路基板50および図示しない配線を介して複数の測定プローブピン54に電気的に接続された測定器82、および測定器に接続された分析器84を備えている。測定器82は、測定プローブピン54に所定の電圧を印加する電源、測定プローブピン54を介して検出される微小反応電流を測定する電流計等を有している。分析器84は、測定器82により測定された微小反応電流に応じて、DNAチップ10により検出された検体DNAの配列を分析し判定する。
その他、測定装置60は、図示しない、DNAチップ10に検体DNAを供給する検体供給部、DNAチップを加熱する加熱機構等を備えている。
【0028】
上記のように構成されたDNAチップ10を用いて検査を行う場合、まず、カセット支持機構62のカセットホルダ68を装着位置に移動させ、このカセットホルダの係合凹所70にカセット14を装着する。続いて、カセット支持機構62によりカセットホルダ68を測定装置60内に引き込み、測定位置に移動させる。
【0029】
続いて、検体供給部により、検体から抽出し増幅した検体DNAを、カセット14の注入孔20から流路パッキン12の流路12a内に注入し、作用極32に供給する。また、加熱機構により、カセット14の開口18を通してDNAチップ10を加熱し、核酸プローブが固定化された作用極32の部分を所定の第1温度に加熱する。これにより、核酸プローブ41と検体DNAとをハイブリダイゼーション反応させる。この際、核酸プローブ41と検体DNAとが相補的な配列を有していれば、これらが結合して二本鎖のDNAとなる。
【0030】
その後、DNAチップ10を第2温度に維持した状態で、反応に関与せず一本鎖のままの検体DNAを洗い流す。続いて、DNAチップ10を第3温度にした後、二本鎖になったDNAにだけ選択的に結合し、かつ電気化学的に活性な性質を持つ核酸挿入剤を、カセット14の注入孔20から流路パッキン12の流路内に注入し、作用極32、対極36、参照極38に供給する。
【0031】
この状態で、駆動機構66によりプローブユニット64を退避位置から当接位置に移動させる。これにより、複数の測定プローブピン54は、カセット14の外側から測定開口22を通してカセット内に入り、その先端は、DNAチップ10の対応する測定極34a、34bに当接する。この際、カセット14は支持板72により上方に向かって弾性的に付勢され、各測定プローブピン54も下方に向かって弾性的に付勢されている。そのため、測定プローブピン54は、その長さに多少のばらつき等がある場合でも、対応する測定極に確実に接触することができるとともに、測定極に当接する際の衝撃が吸収され、測定プローブピンおよびDANチップの損傷が防止される。
【0032】
測定プローブピン54を測定極34a、34bに接触させた状態で、測定器82からプローブピンを通して対極36と作用極32との間に所望の電圧を印加するとともに、三端子法により、作用極32に流れる反応電流を、測定プローブピンを介して検出する。更に、測定器82により検出された反動電流に基づいて、分析器84により、DNAチップ10により検出された検体DNAの配列を分析し判定する。
【0033】
核酸挿入剤は二本鎖になった核酸プローブにのみ選択的に結合している。また、各作用極32に固定化されている核酸プローブの配列は予め既知となっている。そのため、どの作用極32に反応電流が流れたかを測定プローブピンで検出することにより、検体DNAと結合した核酸プローブを検出でき、その結果として、検体DNAの配列を判定することができる。
【0034】
測定終了後、プローブユニット64は、当接位置から退避位置に戻され、カセット14は、カセット支持機構62により装填位置に移動され、カセットホルダ68から取外される。
【0035】
以上のように構成されたDNAチップの測定装置60によれば、測定プローブピン54が電気的に接続されている回路基板50の配線パターンおよびスルーホールは、防湿コーティング剤によって被覆され、湿気等に対して高い耐性を有している。そのため、測定装置60を種々の外部環境下、特に高湿条件下で使用する場合においても、外部環境に影響されることなく、微小電流を安定して測定することができる。
【0036】
図9は、防湿コーティングが施されていない回路基板を有する比較例に係る測定装置により測定した微小電流の測定結果を示し、図10は、上記実施形態に係る測定装置により測定した微小電流の測定結果を示している。これらの比較から、本実施形態に係る測定装置による測定結果は、誤判定による波形の乱れがなく、幅広い動作環境下において、DNAチップで生じる微小電流を安定してかつ正確に測定されていることが分かる。
以上のことから、DNAチップを安定して測定し、検体DNAの配列を確実に分析し判定可能な信頼性の高い測定装置が得られる。
【0037】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0038】
例えば、DNAチップにおける電極の数、および測定プローブピンの本数は、前述した実施形態に限らず、必要に応じて増減可能である。回路基板の防湿コーティング剤は、前述した実施形態に限らず、種々選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、この発明の実施形態に係る測定装置に用いるDNAチップカセットを示す斜視図。
【図2】図2は、前記DNAチップカセットを分解して示す分解斜視図。
【図3】図3は、この発明の実施形態に係る測定装置を概略的に示す図。
【図4】図4は、前記測定装置におけるDNAチップの測定状態を示す側面図。
【図5】図5は、前記測定装置におけるプローブユニットを示す正面図。
【図6】図6は、前記プローブユニットを示す斜視図。
【図7】図7は、前記プローブユニットの一部を拡大して示す断面図。
【図8】図8は、前記プローブユニットの回路基板の第2表面側を示す平面図。
【図9】図9は、比較例に係る測定装置による測定結果を示す図。
【図10】図10は、前記実施形態に係る測定装置による測定結果を示す図。
【符号の説明】
【0040】
10…DNAチップ、12…流路パッキン、14…カセット、30…基板、
32…作用極、34a、34b…測定極、36…対極、38…参照極、
50…回路基板、50a…第1表面、50b…第2表面、51…配線パターン、
52…プローブピンホルダ、54…測定プローブピン、56…防湿コーティング剤、
60…測定装置、62…カセット支持機構、64…プローブユニット、
66…駆動機構、68…カセットホルダ、74…移動機構、79…ユニットホルダ、
82…測定器、84…分析器、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線パターンと前記配線パターンを被覆した防湿コーティングとを有する回路基板と、
前記回路基板の配線パターンに電気的に接続され前記回路基板から突出しているとともに、DNAチップの測定電極に当接する先端部を有する複数の測定プローブピンと、
前記測定プローブピンを保持しているとともに前記回路基板に固定されたプローブピンホルダと、を備えたDNAチップの測定装置。
【請求項2】
前記回路基板は、配線パターンが形成された第1表面と、配線パターンが形成された第2表面と、前記第1表面側の配線パターンと前記第2表面側の配線パターンとを電気的に接続した複数のスルーホールと、を有し、前記第1表面、第2表面およびスルーホール内は、前記防湿コーティングにより被覆されている請求項1に記載のDNAチップの測定装置。
【請求項3】
前記プローブピンホルダは、柱状に形成され前記回路基板の第1表面に固定され、前記プローブピンは前記プローブピンホルダを貫通して延び、前記プローブピンホルダから突出した前記先端部と、前記回路基板の配線パターンに電気的に接続された基端部と、を有し、
前記第1表面は、前記プローブピンホルダが固定された領域を除いて、前記防湿コーティングにより被覆されている請求項2に記載のDNAチップの測定装置。
【請求項4】
DNAチップを取外し可能な装着位置と、DNAチップの測定が可能な測定位置との間を移動可能に前記DNAチップを支持する支持機構と、
前記測定位置に移動したDNAチップに対して、前記測定プローブピンの先端部が前記DNAチップの測定極に当接する当接位置と、前記測定プローブピンが前記DNAチップから離間する退避位置との間で前記プローブピンホルダおよび回路基板を移動させる駆動機構と、を備えている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のDNAチップの測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−81873(P2010−81873A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254346(P2008−254346)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】