説明

EMI感受性試験を行うためのシステムおよび方法

デバイスのEMI感受性試験を実行するシステムおよび方法が、開示される。システムは、EMIを発生する複数のデバイスを備えたEMI発生ユニットを備えてもよい。EMIを発生するそれぞれのデバイスは、システムのEMIを発生する他のデバイスによって発生したEMIと比較して、実質的に同様の特性を有するEMIを発生させる。EMIを発生するデバイスのそれぞれは、活動中の携帯ネットワークを少なくとも部分的に模倣するように構成された制御装置によって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に関する相互参照)
本出願は、2009年5月8日に出願されたLemmonによる米国仮出願番号第61/213,121号の、優先権の利益に基づき、その利益を主張するもので、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電磁障害(EMI)に対する電子デバイスの感受性を評価するシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、例えば、携帯電話などの無線デバイスによって発生するEMIに対する、デバイスの感受性を決定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
大部分の電子デバイスは、作動中のデバイスの電気および磁気活動の副産物として、電磁放射線を放出する。1つのデバイスからのこれらの電磁放射線は他のデバイスの動作を妨げる可能性があり、潜在的な問題を引き起こす。別のデバイスによって放出された電磁放射線によるデバイスの電気回路のこのような混信は、電磁障害(EMI)と呼ばれる。電子回路部品を含むどんなデバイスも、EMIを発生する可能性がある。加えて、無線送信機によって発生する意図的な放射は、送信をしないデバイスによって発生する放射より、いくらか大規模となるので、電子デバイス内の無線送信機の存在は、混信を引き起こす可能性のある放射を劇的に増加させる。EMIは、遮断、妨害、または、影響を及ぼされた電子デバイスの有効な性能を劣化若しくは制限する場合がある。場合によっては、影響を及ぼされた電子デバイスが、航空機の電子制御システムなどの、保安または他の重要な機能を実行するデバイスであることがあり得る。
【0004】
携帯電話などの、個人的な無線デバイスの使用の増加は、近年、事業用航空機の電子部品への電磁障害の危険性による、いくらかの安全に対する懸念を生じさせている。例えば、最新の事業用航空機は、さまざまな通信、ナビゲーションおよびシステム制御機能で使用される多くの電子システムを含む。これらのシステムのいくつかは、特定の周波数で電磁信号を意図的に送信および受信する無線デバイスである。携帯電話が航空機内で操作される場合、携帯電話も、電磁信号を送信および受信する場合がある。携帯電話の送信特徴によっては、航空機システムによって使用される周波数帯のうちの1つで携帯電話がEMIを発生させ、このようなシステムの通常動作を危うくすることがあり得る。この懸念は、航空機内での携帯電話および他の個人的な電子デバイスの操作を禁止する連邦規制、および、航空機システムのEMIへの感受性を試験するための航空機システムを評価するガイドラインを、結果としてもたらした。
【0005】
EMIに対する電子デバイスの感受性を試験する現在利用されている方法では、より高いレベルのEMIを特定の周波数範囲内で発生させるために、連続波(CW)信号発生器の使用を必要とする。携帯電話によって発生するEMIに対するデバイスの感受性を試験するためには、電話によって放出される周波数範囲内のEMIが、CW発生器によって発生されなければならない。しかしながら、携帯電話によって使用される周波数は、FCCにより地域携帯通信事業者に認可および制限される。これらの周波数帯のうち、より高いパワーレベルでのCW信号発生器の使用は、携帯「ジャマー」の使用に相当し、米国において違法である。加えて、CW信号発生器によって発生させられるEMI信号は、携帯電話によって発生するEMIの型と厳密に対応していない。携帯電話は、不規則な間隔の短パルスを特徴とするEMIを発生する。CW信号発生器では、EMIのこの型を正確に再現することができないことがあり得る。
【0006】
携帯電話が発生するEMIに対する電子デバイスの感受性の特徴を正確に表すためには、携帯電話によって放出されるタイプのEMIにデバイスがさらされ、デバイスの性能が評価されなければならない。最悪の事態において基幹システムが適切に機能することを確実にするために、携帯電話によって発生するEMIの本質的なタイミングおよび波形特性を保持する著しく高いレベルのEMIにさらされて、システムは試験されなければならない。本文書において説明される発明の実施形態として、電子デバイスを、携帯電話によって発生するEMIの型である、EMIの個々の形にさらすシステムおよび方法が挙げられる。このシステムは、最新の携帯電話によって発生するEMIの特定のレベルおよび周波数に対する電子装置の感受性を特徴づけるために有益である。
【0007】
本文書において説明されるシステムは携帯電話のEMI特性のタイプに対する電子デバイスの感受性を分析するために構成されたが、EMIの任意のタイプに対するデバイスの感受性を分析するために、本発明の実施形態が広く使用されてもよいと考えられる。例えば、本開示に基づくシステムは、EMIを発生している任意のデバイスからの混信に対する、産業、防衛または医療装置の任意の型の感受性を評価するのに、用いられてもよい。
【発明の概要】
【0008】
デバイスのEMI感受性試験を実行するためのシステムおよび方法が、開示される。システムは、本発明の一実施形態によると、EMIを発生する複数のデバイスを備えたEMI発生ユニットを備える。EMI発生ユニットのEMIを発生するそれぞれのデバイスは、ユニットのEMIを発生する他のデバイスと関連して実質的に同様の特性を有するEMIを発生させてもよい。EMI発生ユニットのEMIを発生するデバイスは、また、単一の制御装置によって制御されてもよい。いくつかの実施態様では、EMIを発生するデバイスは携帯送受器でもよく、そして、携帯送受器は活動中の携帯ネットワークを模倣できる制御装置によって制御されてもよい。
【0009】
いくつかの実施態様では、EMI発生ユニットの携帯送受器の各々は、SIMカードを備えてもよい。これらのSIMカードの各々は、他と実質的に同一であるデータを含んでもよい。場合によっては、EMI発生ユニットは、また、複数の信号分波器を備えてもよい。これらのいくつかの場合において、携帯送受器によって放出される信号が複数の構成要素に分割されるように、複数の携帯送受器の各々が信号分波器に電気的に接続されてもよい。これらの構成要素の1つ以上は携帯帯域アンテナの方向に向けられてもよく、少なくとも1つの他の構成要素は同軸ケーブルの長さを通じて制御装置の方向に向けられてもよい。いくつかの実施態様では、このケーブルは、信号を一方向へだけ伝達させる信号絶縁装置を組み込んでもよい。いくつかの実施態様では、携帯送受器の各々が、また、アンテナに結合する信号絶縁装置を備えてもよい。これらの信号絶縁装置は、アンテナに通じる信号の外向きの送信だけを許容してもよい。
【0010】
EMI感受性試験を実行する方法の開示された実施形態は、同時にEMIを発生させるために、制御装置を用いてEMIを発生する複数のデバイスを操作することを含んでもよい。方法は、また、EMIを発生する複数のデバイスによって発生させられたEMIに、試験中の電子デバイスをさらすことを含んでもよい。EMIを発生する複数のデバイスの各々によって発生させられるEMIは、互いに実質的に同様でもよい。
【0011】
本明細書に組み込まれて、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を図示し、その説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による、EMI発生システム(EGS)の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による、図1のEGSに備えられたEMI発生ユニット(EGU)の内部デザインの概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による、EGUの基礎的要素の概略図である。
【図4】本発明の一実施形態による、認証手続中の、図3の携帯電話とEGU制御装置間の通信の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態による、EGUの基礎的要素の概略図である。
【図6】本発明の一実施形態による、簡略EMI発生ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態としては、複数のEMI発生デバイスからの出力を組み合わせることによって電子装置(本明細書では、試験中の装置またはEUTと称される)を高いレベルのEMIにさらすシステムおよび方法が挙げられる。本発明を説明するのに用いられる例示的な実施形態では、これらの複数のEMI発生デバイスは、携帯電話である。しかしながら、一般に、EMI発生デバイスは、EMIを発生する任意のデバイスでもよい。本発明の一実施形態による、システムデザインの概観は、図1に示される。図1のシステムは、EMI発生システム100からのEMIにさらされた試験中の装置(EUT)200で構成される。EMI発生システム100は一連のEMI発生ユニット(EGU)10を備え、それぞれの発生ユニットは、8台の携帯電話20およびEGU制御デバイス30の列からなる。図1に示される例示的なEMI発生システム100は、各々8台の携帯電話20を有する4つのEGU10を備える(合計32台の携帯電話となる)が、EMI発生システム100は、より高いレベルかより低いレベルのEMIを発生させるために、EGU10または携帯電話20の追加または除去によって、拡大縮小することができる。EMI発生システム100を作成するために組み合わせることができる携帯電話20またはEGU10の数に対する公知の理論的な制限は存在しない。
【0014】
図1のシステムは、同時に作動する同じ位置に配置された無線送信機が、それぞれの各個の送信機によって発生するEMIより(例えば、振幅において)大きなEMIの発生源をまとめて作成することができるという原理に基づく。理論的には、それぞれの送信機のアンテナが間隔を置いて同じ点の近傍に位置する場合(1)、それぞれの送信機のアンテナが方向を定められて、同じ向きに位置合わせされる場合(2)、それぞれの送信機が同じ周波数で送信する場合(3)、そして、それぞれの送信機の出力するものが時間同期する場合(4)に、複数の個別的な送信機を備えるシステムによって発生する最終的なEMIは、それぞれの各個の送信機によって発生するEMIの合計に、ほぼ等しくなる。しかしながら、実際に、一まとまりの個別的な送信機からなるシステムでは、これらの4つの状況が、完全に満たされなくてもよい。加えて、環境条件から生じる吸収、反射および/または散乱により、実用システムが、EMIの喪失を招いてもよい。結果として、複数の携帯電話20を備えるEMI発生システム100によって発生する最終的なEMIは、それぞれの各個の携帯電話20によって発生するEMIの合計総量より少なくなることになる。
【0015】
実用システムは、しかしながら、システム固有の喪失の原因である計数逓減率を伴った、作動中の送信機の数の線形関数と近似することになる。この結論は、実験室条件下で経験的に試験することによって確証された。複数の送信機で構成されたEMI発生ユニットを使った経験的試験を通じて、それぞれの送信機が同一周波数で送信し、送信機の出力が正確に時間同期する場合には、EMI発生ユニットによって発生される最終的なEMIは、EMI発生ユニットの送信機の数の線形関数であることが認められた。図1のEMI発生システム100では、これらの2つの条件が、EGU制御装置30を用いることによって、それぞれのEGU10において達成される。
【0016】
複数の送信機を使った経験的試験は、また、すべての送信機のアンテナが互いの近くに配置される場合、各個のアンテナの空間的な位置の差異によってもたらされる誤差が重大でないことを示した。EGU10によって発生する最終的なEMIは、EGU10の携帯電話20の数の線形関数と近似するはずであるので、EMIの任意の所望のレベルは、予め定められた同期された携帯電話20の数によって、発生させることができる。例えば、単一の携帯電話20によって発生するEMIの5倍に相当するEMIのレベルは、10台の携帯電話20を備えるEGU10を必要とすることになる。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による、単一のEGU10の内部デザインの概略図である。図2のEGU10は、EGU制御装置30によって制御される。図2の実施形態では、EGU制御装置30は、携帯電話試験分野では「コールボックス」と称される、市販またはカスタムメイドの無線通信試験システム端末である。コールボックスは、携帯の基地局の一部の機能を代行することができ、標準的な携帯通信プロトコル(GSM、CDMA、など)のいずれかを介して、携帯電話20と通信することができる。コールボックスは、一般的に、携帯送受器製造業者によって、製造の間に送受器を試験するのに用いられる。これらの試験としては、基礎プロトコル機能の検証、または、品質保証目的の送受信装置性能の詳細解析が挙げられる。任意の信号を送信する携帯送受器のために、携帯ネットワークインフラの存在を最初に検出しなければならない。送受器試験の間、コールボックスが携帯ネットワークの存在をシミュレートするために利用され、その結果、活動中の任意の携帯ネットワークインフラとEUTを関連づけることなく、所望の分析を送受器に実行することができる。これにより、分離された試験環境が提供されて、EUTの何らかの故障が活動中の携帯ネットワーク上の支払済加入者に否定的な影響を与えることを防止する。
【0018】
本出願では、携帯電話20によるEMI発生を最大にするため、コールボックスの使用により、携帯電話20の送信機能をEGU10が完全に決定をする。携帯電話20が活動中の携帯ネットワークに接続されるとき、ネットワークと電話の相互作用に基づいて送信機能が自動的に選択されるので、電話の多くの送信機能をユーザは制御しない。例えば、最新の携帯電話は、電話の電力レベルが携帯ネットワークによって動的に制御される適応送信電力機能を有する。この機能のために、活動中の無線ネットワークに接続された電話は、ネットワーク信号強度が低い遠隔位置での高い電力およびネットワーク信号強度が高い位置での低い電力で、自動的に送信をする。このような機能は、意図された使用モデルには都合がよいが、EMI感受性試験の用途にとっては、問題である。携帯電話20の送信電力をユーザが選択できないので、EUT200および携帯電話20を異なる信号強度の領域へ移動させずに、実験室でのEUT200を(EMIに対する携帯電話の感受性を試験するために)携帯電話20の変化するEMIレベルに、さらすことができない。EGU制御装置30は、技術者が携帯電話20のEMI放射を選択的に増加させることができる手段を提供することによって、この問題を緩和する。コールボックスが本明細書で説明される本発明の例示的な実施形態のEGU制御装置30として用いられるが、一般に、EGU10で使用されるEMI発生デバイスを制御するために用いることができる任意のEGU制御装置30を、EGU制御装置30として用いてもよいことは、強調すべきである。
【0019】
市販の例示的な2つのコールボックスとしては、ローデ・シュワルツCMU―200 Universal Radio Communication Tester、および、アジレント8960 Series 10 Wireless Communications Test Setが挙げられる。しかしながら、これらの市販のコールボックスは、携帯電話ユニット試験および品質保証の目的で必要とされるだけなため、一度に1台のみの携帯電話20と相互作用し、1台のみの携帯電話を制御するように設計されている。しかしながら、これらのコールボックスは、EMI発生システムを作成するためには、1つのコールボックスが携帯電話ごとに必要とされるので、理想を言えば適切ではない。例えば、所定のEMI感受性分析試験が50台の携帯電話20の同時使用を必要とする場合には、この試験には50台のコールボックスの使用が必要とされる。実用上の見地から、50台のコールボックスの使用は、少なくともコスト面に基づき、実際的でない。図2のEGU10のレイアウトは、単一のコールボックス(EGU制御装置30)に、複数の携帯電話20を同時に制御させる。このレイアウトは、次の段落で更に説明される。
【0020】
アクセス可能なアンテナコネクタを有する市販のGSM携帯電話のいかなる型が、図2のEGU10で携帯電話20として用いられてもよい。携帯電話20のこのアンテナコネクタは、EGU制御装置30の信号インタフェースに接続される。EGU制御装置30が複数の携帯電話20の制御を可能にするために、それぞれの携帯電話20、EGU10は、同一の加入者識別番号モジュールカードすなわちSIMカードを備える。同一のSIMカードは、一般的に、市販されていない。実際に、SIMカードは、携帯ネットワークオペレータによって通常配布されて、課金および他の目的のために、携帯ネットワークに対して、それぞれの個別的なSIMカードを独自に特定するように予め設定される。すなわち、これらの市販のSIMカードは同一ではなく、したがって、EGU10の携帯電話20として用いることができない。
【0021】
EGU10の携帯電話20で使用されるSIMカードを同一にするため、SIMカードを複製する工程が利用された。SIMカードを複製する工程では、オリジナルのSIMカードの複数の同一コピーを作成するために、(SIMカードに記憶される固有の番号である)国際移動体加入者識別番号すなわちIMSIデータ、および、暗号化データが、1枚のSIMカードから抽出されて、複数の空白のSIMカードへコピーされる。これらのSIMカードが、続いて、EGU10の携帯電話20で用いられる。SIMカードを複製する工程は従来技術において公知である((http://www.kung―foo.com.ar/share/Special_Edition_2002_SIM_Cloning.pdf)等を参照)ため、複製法の詳細は本明細書では取り上げない。この評価では、GSMの観点から同一の携帯電話20でEGU10を構成するという条件を満たすためだけに、SIMカードの複製が実行される。
【0022】
EGU制御装置30が複数の携帯電話20を制御するために、物理的伝導パスが、EGU制御装置30とEGU10のそれぞれの携帯電話20間で維持されなければならない。加えて、それぞれの携帯電話20によって発生する電磁信号は、また、デバイスに効率的にEMIを発生させるために、アンテナ14へと経路を定められなければならない。EGU10の信号分波器12は、2つの構成要素にそれぞれの携帯電話20からの無線信号を分割するのに用いられ、1つはEGU制御装置30へと経路を定められ、もう1つはアンテナ14へと経路を定められる。これらの信号分波器12によって、単一のEGU制御装置30は、EGU10の複数の携帯電話20からのEMI放射を、制御および調整することができる。信号分波器は、入力信号を受け取って、特定の位相および振幅特性を有する複数の出力信号を送達する、受動的な電子デバイスである。市販の任意の信号分波器が、EGU10の信号分波器12として用いられてもよい。評価のために作成された例示的な実施形態では、ミニサーキット社の信号分波器型番ZAPD―2―21―3Wが、それぞれの信号分波器12として用いられた。
【0023】
図2のEGU10は、また、一連の信号絶縁装置16を備える。信号絶縁装置は、一方向へのみ高周波信号を伝搬させる受動的な電子部品である。それは、一方向の油圧弁に相当する無線周波である。EGU10では、信号絶縁装置16は、携帯電話20によって放出される信号が、EGU制御装置30に到達するか、または、互いに到達することを妨げるのに用いられる。その制限の理由は、次の段落において説明される。
【0024】
適切な周波数レスポンスを有する市販の任意の信号絶縁装置が、EGU10の信号絶縁装置16として用いられてもよい。多くの市販の信号絶縁装置は、周波数の小さな範囲に渡って、効果的なだけである。GSM携帯電話は、しかしながら、周波数の広帯域に渡って動作が可能である。この周波数の広帯域は、850MHz、900MHz、1800MHzおよび1900MHzの、4つの帯域におおよそ分類することができる。結果として、信号絶縁装置の2つの異型が、EGU10がすべての利用可能な携帯の帯域に渡って適切に機能するために必要とされることになる。850MHzおよび900MHzの帯域のために、適切な1つの市販の絶縁装置は、DiTom Microwave型番D3I0810Sである。この信号絶縁装置は、800―1000MHzの操作上の周波数範囲を有する。1800MHzおよび1900MHzの帯域のために、適切な1つの市販の絶縁装置は、DiTomMicrowaveD3I1722Sである。この信号絶縁装置は、1700―2200MHzの操作上の周波数範囲を有する。
【0025】
一連の同軸ケーブルが、図2のさまざまな構成要素間で相互接続を提供するために用いられてもよい。携帯送受器を試験するためのコールボックスの典型的な使用の間、アンテナはコールボックスに結合され、そして、コールボックスと携帯送受器間の通信は無線で実行される。しかしながら、本出願では、EGU制御装置30と各々の携帯電話20間の通信は、システムが適切に機能するために、厳密に調節されなければならない。したがって、EGU制御装置30と各々の携帯電話20間の通信は、同軸ケーブルのネットワークによって達成される。任意の同軸ケーブルがこの目的のために用いられてもよいが、例示的なケーブルは、標準的なSMAターミネーションを有するRG―316DSケーブルである。
【0026】
図1のシステムの動作を説明するために、EGU制御装置30と単一の携帯電話20間の相互作用が、最初に説明される。図3は、同軸ケーブルで携帯電話20に接続されたEGU制御装置30を示す。図1のEGU10内部の構成要素の配列は図3に示される配列より複雑だが、図3の構成が図1のEGU10の重要な基礎的要素を形成する。
【0027】
図1のEGU制御装置30として使用されるコールボックスはさまざまな試験機能を実行可能であるが、(試験モードAと呼ばれる)1つのコールボックス試験機能だけが適用上EGU制御装置30として用いられる。この試験機能の間のEGU制御装置30と携帯電話20間の通信が、図4に示される。EGU制御装置30がコールボックスの試験モードAを実行すると説明されるが、複数の携帯電話20による同時のEMI発生を支援することができる任意の試験モードが適用されてもよい。携帯電話20がEGU制御装置30に接続される間、EGU制御装置は活動中の携帯ネットワークのすべての機能を代行し、そして、活動中の携帯ネットワークの代わりにEGU制御装置30と通信していることを携帯電話20は区別できない。
【0028】
通常の使用では、携帯送受器に最初に電源が入れられたとき、送受器は、ネットワーク存在のために利用可能なGSM回線をモニタし始める。ネットワークの存在が検出された場合、送受器はネットワークと同期し、続いてネットワークにその存在を通知する。続く認証問合せおよび応答は、ネットワークへの接続についてデバイスが許可を受ける前に、デバイスのSIMカードが資格を満たす有効な加入者であることを確実に示すために、用いられる。この認証手続の完了後、送受器は、携帯ネットワークのGSMレイヤに登録されたと考えられる。所望の試験機能を開始するためには、送受器は、GSMネットワークに登録されるだけでなく、一般パッケージ無線サービス(GPRS)と呼ばれている、ネットワークによって提供されるパケットデータサービスの規定により、更に動作をしなければならない。このサービスを起動させるために、携帯送受器は、GPRS接続要求を出す。この動作は、デバイスのSIMカードがGPRSサービスにアクセスする許可を確実に得るために用いられる、第2レベルの認証手続を開始させる。この認証手続の完了後、送受器は、ネットワーク上のGPRSサービスに接続されたと考えられる。
【0029】
この試験の展開では、携帯送受器が通信して、通常使用の携帯ネットワークと接続するのと同じように、携帯電話が通信し、EGU制御装置30と接続をする。EGU制御装置30は、活動中の携帯ネットワークの標準的な基地局と同じやり方で、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH)でネットワーク情報を継続的に放送することができる。携帯電話20がBCCHを識別して、BCCHと同期した後、携帯電話20は、その存在を制御装置に通知するために、EGU制御装置30に「位置アップデート」通知を送信する。EGU制御装置30と携帯電話20間の次の認証通信では、携帯電話20が確認されて、EGU制御装置30のGPRSサービスに接続される。
【0030】
接続工程が完了した後、EGU制御装置30は、コールボックスの試験機能、試験モードA、を呼び出す。この試験機能が開始されるとき、EGU制御装置30は携帯電話20に試験パケットを送信する。このデータパケットは、携帯電話20からEGU制御装置30へと応答パケットを起動させる。EGU制御装置30が試験セッションを終了するまで、または、携帯電話20が試験パケットに応答するのを停止するまで、この往復通信は継続する。作動中の試験モードAセッション下で携帯電話20が動作するとき、携帯電話20は、応答データパケットをEGU制御装置30に持続的に送信する。携帯電話20からのこの連続的な送信は、結果としてEMIの発生をもたらす。しかしながら、図3に示される簡略化されたシステムでは、このEMIは、携帯電話20とEGU制御装置30間の同軸ケーブルに含まれる。
【0031】
EMIを空気中に伝達させるために、図3のハードウェア配列は、修正される。この修正は、図5に示される。この場合には、携帯電話20とEGU制御装置30間の信号分波器12が、同軸ケーブル内の一部の信号を、接続されたアンテナ14へと発送させる。絶縁装置16は、また、アンテナ14の信号の外向きの送信だけを許可するように、アンテナ14に結合される。絶縁装置16の存在は、近くで活動中の携帯ネットワークからの信号を携帯電話20が受けるのを妨げ、試験モードAセッションを中断することができる。携帯電話20が、試験モードAの下で、EMIの持続的発生源として目下機能するので、図5に示された配列はEMI試験をする観点から、適切である。図1のEUT200は、目下、感受性分析のためにこれらのEMI放射にさらされることになる。
【0032】
次に、図5のEGU10の基礎的要素の動作を説明しながら、図1のEGU10の全動作をここで説明をする。図1のEGU10は、図5の基礎的要素と追加的な機能の組み合わせを備えてもよい。この機能は、所定の時間で1つの携帯送受器だけと通信をするコールボックスの制限を回避することに関する。上記したように、この制限は、コールボックスが携帯送受器のユニット―レベル評価のために設計されただけの商業的な特殊目的の試験装置であるという事実に起因する。この制限を回避するために、EGU10が、コールボックスの故障を引き起こさずに、複数の携帯電話20を制御するのに適した方法で構成されることになる。
【0033】
図6は、EGU制御装置30が2台の携帯電話20Aおよび20Bに接続された、簡略化された例示的なEGU10'を示す。図6の簡略化されたEGU10'は、携帯電話20Aを有する第1サブシステム40Aおよび携帯電話20Bを有する第2サブシステム40Bと結合されたEGU制御装置30を備える。第1および第2サブシステム40Aおよび40Bは、相互接続され、同軸ケーブルを用いた信号分波器12A経由でEGU制御装置30に接続される。図1のEGU10と図6の簡略化されたEGU10'間の唯一の差異は、第2サブシステム40Bの新たな追加であるため、機能上、図6の簡略化されたEGU10'は、図1のEGU10の動作を完全に表現する。
【0034】
図6に示される第1サブシステム40Aは、図5を参照にして説明された基礎的要素に一致する。図6の第2サブシステム40Bは、EGU制御装置30へのパスの絶縁装置「C」の追加を除いて、第1サブシステム40Aと同一である。スイッチ18は、絶縁装置Cと平行に接続される。スイッチ18は、通常、開いた構成で、そのため、第2サブシステム40BからEGU制御装置30までの信号のパスに絶縁装置Cが接続されている。スイッチ18を閉じることによって、絶縁装置Cを回避することができる。スイッチ18を用いて、第2サブシステム40Bは、2つの手段―スイッチが閉じられるか(すなわち、絶縁装置が回避されるか)、または、スイッチが開かれるか(すなわち、絶縁装置がもたらされるか)―のうちの1つで構成することが可能である。スイッチ18が閉じられると、第2サブシステム40Bの携帯電話20Bは、EGU制御装置30と2方向に通信することができる。スイッチ18が開かれると、携帯電話20BはEGU制御装置30から試験パケットを受信することができるだけで、EGU制御装置30に返信される応答パケットは絶縁装置Cで遮断される。
【0035】
第1および第2サブシステム40Aと40B両方の携帯電話20Aおよび20Bに同時にEMIを発生させるためには、これらの2台の携帯電話20Aと20Bの各々が、図4を参照にして以前に説明された認証および接続段階を実行しなければならない。EGU制御装置30は1度に1つのデバイスとだけ通信するので、この手続は連続して2回(サブシステムの各々につき1回)実行されることになる。加えて、認証および接続手続が続いて起こるために、EGU制御装置30と作動中の携帯電話(20Aまたは20B)間の両方向通信は、この手続の間、必要とされる。認証および接続工程が携帯電話20Aと20B両者のために完了した後、EGU制御装置は、試験モードAセッションを開始することができ、セッションの間、携帯電話20Aと20B両者からの信号は時間同期する。経験的試験を通じて、同期した試験モードAセッションの間にそれぞれの携帯電話20Aおよび20Bによって発生する応答パケットが、同期後、小さなタイミングの不規則性を除いて実質的に同一であると認められた。この発見の意味は、試験セッションを作動させるためには、1台の携帯電話(20Aまたは20B)だけが、EGU制御装置30に応答パケットを送る必要があるということである。これは、第1サブシステム40Aの携帯電話20Aによって提供される機能である。第2サブシステム40Bの携帯電話20Bは、携帯電話20Aと同じ試験パケットを受信するが、携帯電話20Bによって発生する応答パケットは絶縁装置Cで遮断される。これにより、これらの応答パケットが、EGU制御装置30に到達することが妨げられる。EGU制御装置30は、したがって、携帯電話20Aおよび20Bからの2つ別々の試験パケットの応答の融合を受信する結果として、混乱し、試験モードAセッションを停止するのを防止される。
【0036】
図6の簡略化されたEGU10'を開始するために、携帯電話20Aと20Bは電源を切られ、そして、EGU制御装置30が起動させられる。スイッチ18は、また、EGU制御装置30と携帯電話20B間の両方向通信を可能にするために閉じられる。携帯電話20Bが、続いて、電源を入れられる。電源が入れられた後、携帯電話20Bは、図4を参照にして説明をした開始手続を遂行する。携帯電話20Bの初期化手続は、EGU制御装置30からの「GPRS接続受け入れ」メッセージの受領まで続き、そして、このメッセージの受領を含む。ここで、次の手続の間、携帯電話20Bからの通信がEGU制御装置30に到達するのを妨げるために、スイッチ18が開放される。EGU制御装置30の接続ステータスが、続いて消去される。接続ステータスを消去することは、いかなる携帯電話(20Aまたは20B)にも接続されていないかのように、EGU制御装置30を、作動させる。接続ステータスは、EGU制御装置30で手動で消去されてもよく、または、自動的な手続が利用されてもよい。携帯電話20Aが、続いて、電源を入れられ、そして、(図4の)開始手続が、EGU制御装置30からの「GPRS接続受け入れ」メッセージの受領まで遂行され、そして、このメッセージの受領を含む。EGU制御装置30は、続いて、試験モードAセッションを開始する。試験モードAの下で、携帯電話20Aおよび20Bは、EGU制御装置30からの試験パケットを受けて、応答パケットを送信する。しかしながら、第2サブシステム40Bの絶縁装置Cの存在のため、携帯電話20Aによって発生させられた応答パケットだけが、EGU制御装置30に到達する。
【0037】
この展開では、携帯電話20Aからの応答パケットだけがEGU制御装置30に到達するので、両方向通信はEGU制御装置30と携帯電話20Aの間にだけ発生する。したがって、EGU制御装置30は、通常の単一の送受器試験モードAセッションのように、作動する。しかしながら、第2サブシステム40Bの携帯電話20Bも、EGU制御装置30から試験パケットを受信するので、この携帯電話も、アンテナ14Bから放出される応答パケットを送信する。この方法では、第1および第2サブシステム40Aおよび40Bが、刺激されて、EMIを発生する。任意のいくらかの第2サブシステムが、図1に示すような大きなEGU10を作成するために、図6に示すのと同じ方法で、EGU制御装置30に接続することができる。上記したように、EGU10を作成するために互いに結合してもよい携帯電話20の数は、EUT200の評価のためのEMI信号の所望の強度次第となる。複数の第2システム40Bを有する図1のEGU10の動作は、上記されたEGU10'の動作と同一であるが、開始および接続手続は第2サブシステム40Bごとに繰り返される。第1サブシステム40Aは、最後に開始される。
【0038】
8台の携帯電話20を各々有する4つのEGU10を備えた例示的なEGS100が構成されて、数種類のフェデラルエクスプレス航空機内で電子システムのEMI感受性を決定するのに用いられた。この例示的な導入では、それぞれのEGU10は、車輪付カートに取り付けられて、EMI脆弱性が疑われた航空機内の領域に配置された。EGU制御装置30が起動させられ、そして、上記したように、開始および接続手続が実行された。航空機システムは、続いて、EMIの予め定められたレベルにさらされた。標準的な航空電子工学の診断法が、それぞれの電子装置上に結果として生じるEMIの衝撃を決定するために、続いて、実行された。この試験手続の間に、本開示において説明されたシステムおよび方法は、現実的で、EMI感受性評価の目的で必要に応じて作用することができるという検証を、例示的なEMI発生システムが提供した。
【0039】
従来技術において公知の任意の診断法が、電子装置上へのEMIの衝撃を決定するのに用いられてもよい。例えば、この診断法としては、航空機ナビゲーションおよび通信システムに不可欠である自動自己診断手続が挙げられる。診断法としては、また、公開された手動試験手続による器具類制御の手動操作が挙げられる。加えて、この診断法としては、異なる飛行および環境条件をシミュレートするための、さまざまな航空機上のセンサおよびアンテナへの試験装置の接続が挙げられる。
【0040】
CW信号発生器を用いたEMIに対する電子デバイスの感受性を試験するために利用される現在の方法と比較すると、本発明のEMI発生システムおよび方法は、いくつかの利点を有することになる。第1に、認可された周波数の放送に対する規制によって影響を及ぼされる可能性のあるCWシステムとは異なり、FCCによって認可された制限の範囲内で作動している各個の送信機によって、EMIは発生したものであるので、本発明のEMI発生システムは影響を受けない。これは、所望のレベルのEMIを作成する関連送受器すべてによる複合効果である。しかしながら、また、FCC規制の精神を満足させるために、この複合効果が、近くで活動中のネットワーク資源に害を引き起こさないようにするために、管理が更に行われなければならない。EMI発生システムがEMIを発生させるために実際の携帯送受器を使用するので、EMI発生システムによって発生させられるEMIは、携帯デバイスが発生するEMI信号を、同様に表す。
【0041】
上の説明において、制御装置30に結合する複数の個別の携帯電話20を有した1つ以上のEGU10が、EUT200をEMI感受性試験にさらすのに十分な強度のEMIを作成するのに用いられる。しかしながら、いくつかの実施形態では、これらの個別部品のいくつかまたはすべてが、EMIを発生する一体的な構成要素を作成するために互いに結合されてもよいことが、また考察される。例えば、いくつかの実施形態では、複数の携帯電話および制御装置の関連した構成要素が、EMI感受性試験を実行するのに用いることが可能な、EMIを発生する1つの一体的な構成要素を作成するために結合されてもよい。加えて、EMI感受性試験が航空機構成要素で実行される適用を本発明は説明するが、本発明のシステムおよび方法が任意のデバイスのEMI感受性を試験するのに広く用いられてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EMI感受性試験を実行するためのシステムであり、
活動中の携帯ネットワークを少なくとも部分的に模倣するように構成された制御装置と、
前記制御装置に結合するEMI発生ユニットと、
を備えるシステムであって、
前記EMI発生ユニットがEMIを発生する複数のデバイスを備え、EMIを発生するそれぞれのデバイスがEMIを発生するために前記制御装置によって制御され、前記EMIを発生する複数のデバイスの各々によって発生した前記EMIの特性が実質的に同様である、
システム。
【請求項2】
前記EMIを発生するデバイスが携帯送受器であり、前記携帯送受器の各々が、他の携帯送受器のSIMカードと実質的に同一のデータを含んだSIMカードを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記EMI発生ユニットが、信号分波器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記EMIを発生する複数のデバイスのうち少なくとも1つのEMIを発生するデバイスが、前記少なくとも1つのEMIを発生するデバイスによって放出される信号が複数の構成要素に分割されるように、前記信号分波器に電気的に接続され、前記複数の構成要素の1つの構成要素がアンテナの方向に向けられ、そして別の構成要素がケーブルを通じて前記制御装置の方向に向けられる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ケーブルが、前記少なくとも1つのEMIを発生するデバイスを前記制御装置に、一方向へだけ信号を伝搬させる信号絶縁装置を通じて、電気的に接続する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ケーブルが、前記信号絶縁装置と平行に接続されたスイッチを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
EMIを発生する複数のデバイスのそれぞれまたはEMIを発生する複数のデバイスが信号絶縁装置を通じて前記制御装置に無線で結合され、少なくとも1つの信号絶縁装置が前記アンテナを通じた外向きの信号の送信のみを許容するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御装置がコールボックスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記EMIを発生する複数のデバイスの各々が、同軸ケーブルを用いて互いに電気的に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
電子デバイスのEMI感受性試験を実行する方法であり、
同時にEMIを発生させるために、制御装置を用いてEMIを発生する複数のデバイスを操作することと、
前記EMIを発生する複数のデバイスによって同時に発生させられた前記EMIに前記電子デバイスをさらすことと、
を含む方法であって、前記EMIを発生する複数のデバイスの各々によって発生させられた前記EMIが、互いに実質的に同様である、
方法。
【請求項11】
前記EMIを発生する複数のデバイスが、複数の携帯送受器を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
それぞれの携帯送受器が、他の携帯送受器のSIMカードと実質的に同一のデータを含んだSIMカードを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記EMIを発生する複数のデバイスの少なくともいくつかから前記制御装置への信号を信号絶縁装置を用いて遮断することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記EMIを発生する複数のデバイスの少なくともいくつかからの信号を遮断することが、前記制御装置と前記EMIを発生する複数のデバイスの1つだけとの間の両方向通信を許容することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御装置がコールボックスを備え、前記EMIを発生する複数のデバイスを操作することが前記EMIを発生する複数のデバイスのそれぞれに前記コールボックスの試験機能を実行することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記試験機能が試験モードAである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
システムから最終的なEMIを発生させる方法であり、
EMIを発生する複数のデバイスからEMIを発生させることと、
最終的なEMIを発生させるために、前記EMIを発生する複数のデバイスのEMIを発生するそれぞれのデバイスによって発生させられた前記EMIを結合することと、
を含む方法であって、
前記EMIを発生する複数のデバイスのEMIを発生するそれぞれのデバイスによって発生させられた前記EMIが実質的に同様であり、
前記最終的なEMIが、EMIを発生するそれぞれのデバイスによって発生させられた前記EMIより高いレベルのEMIである、
方法。
【請求項18】
前記最終的なEMIが、EMIを発生するデバイスの数によって実質的に線形に変化する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記EMIを発生する複数のデバイスの各々が携帯送受器を備え、そして、それぞれの携帯送受器が他の携帯送受器のSIMカードと実質的に同一のデータを含んだSIMカードを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
EMIを発生する複数のデバイスからEMIを発生させることが、前記EMIを発生する複数のデバイスの各々に同時に試験機能を実行することを含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−526480(P2012−526480A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509969(P2012−509969)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/033855
【国際公開番号】WO2010/129760
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(511016039)フェデラル エクスプレス コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】