FFC/FPC用コネクタ
【課題】FFC/FPC用コネクタにおいて挿入口を広げ作業性を向上させる。
【解決手段】ハウジング(11)と、ハウジングに取り付けられた複数のコンタクト(21)と、なお、複数のコンタクトはFFC/FPCがコネクタ(10)の開口部から挿入された場合に、それぞれ対応するFFC/FPCの電極パッドと電気的に接触する接触部(28)をそれぞれ有し、ハウジングの上部に配置され、ハウジングの案内部(13)に沿って移動可能に取り付けられたスライダ(12)とを有し、なお、スライダは複数のコンタクトにそれぞれ形成された係合部(31)と係合しており、スライダを上方に移動させることにより、係合部を介してコンタクトの接触部を上方に持ち上げて開口部を広げ、そしてスライダを下方に移動させることにより、接触部を下方に押し下げることにより接触部をFFC/FPCの電極パッドとそれぞれ電気的に接触させるコネクタ。
【解決手段】ハウジング(11)と、ハウジングに取り付けられた複数のコンタクト(21)と、なお、複数のコンタクトはFFC/FPCがコネクタ(10)の開口部から挿入された場合に、それぞれ対応するFFC/FPCの電極パッドと電気的に接触する接触部(28)をそれぞれ有し、ハウジングの上部に配置され、ハウジングの案内部(13)に沿って移動可能に取り付けられたスライダ(12)とを有し、なお、スライダは複数のコンタクトにそれぞれ形成された係合部(31)と係合しており、スライダを上方に移動させることにより、係合部を介してコンタクトの接触部を上方に持ち上げて開口部を広げ、そしてスライダを下方に移動させることにより、接触部を下方に押し下げることにより接触部をFFC/FPCの電極パッドとそれぞれ電気的に接触させるコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に用いられるFFC(Flat Flexible Cable)またはFPC(Flexible Printed Circuit)等の平型柔軟ケーブルまたは回路を接続するために使用されるZIF(Zero Insertion Force)構造の小型電気コネクタに関するものであり、特に、FFC/FPCの装着性及びスライダロックの作業性の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FFC/FPCにおいて、これらと電気接続するケーブルを受けるコネクタは、作業性からZIFタイプが用いられ、一般的にはスライダタイプの構造のコネクタが主と使用されてきた。
【0003】
この場合、従来の小型のFFC/FPC用コネクタにおいて、ZIF構造を用いて平型柔軟ケーブルを水平接続する構造を採用する場合、FFC/FPCの接続相手であるコネクタの構造によりFFC/FPCの電気接点を平型ケーブルの上側に配置するかまたは下側に配置するスライダ方式が採用された。
【0004】
しかし、スライダタイプの構造においては、FFC/FPCをコネクタに装着した状態において、スライダをロックさせるためにコネクタの部品を機械的に動かすのに使用し得る部分の面積が少なくなっている。このため、電子機器の小型化のために低背化されたコネクタにおいては更に稼動部分が小さくなってしまい、コネクタに対するFFC/FPCの挿抜の作業性に問題が生じている。
【0005】
また、近年平型柔軟ケーブを接続するコネクタを使用する電子機器の高機能化により、この種のコネクタを用いて伝送する信号数が多くなっている。その結果としてコネクタも多極化してきている。しかし、従来の上接点タイプのコネクタの作業性の悪さがこの多極化のためにさらに顕著になってきた。
【0006】
FFC/FPC用コネクタにおいては、従来から図8および図9に示すような上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ、図10に示すようなバックフリップ方式のコネクタ、図11に示すような下接点タイプのフリップ方式のコネクタが主として使用されてきた。
【0007】
最初に、図8および図9に示すような、FFC/FPC106の電極109が、スライダ103の移動によって、コネクタ101のコンタクト114と接触するスライドタイプのコネクタが開発された。スライド方式のコネクタには、図8および図9に示すようなFFC/FPC106における複数の電極109が柔軟性部材118の上部に配置されている状態で電気的接触が行われる上接点タイプと、FFC/FPC106の電極が下部に配置されている状態で電気的接触が行われる下接点タイプ(図示せず)がある。
【0008】
上接点タイプは図8(a)に示すようにFFC/FPC106の電極109が上側に配置されているのでコネクタ101に対する位置合わせがし易い。しかし下接点タイプの場合にはFFC/FPC106の電極が見えないため、ケーブルの両端をガイドラインとして使用し位置合わせを行う必要がある。このようにFFC/FPC106の電極は下側に配置されており見えないためFFC/FPC106の挿入時の位置合わせが難しい。このため従来から主として図8および図9に示されているような上接点タイプが使用されてきた。
【0009】
図8(a)は上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ101の斜視図である。図8(b)は図8(a)のX1−X1’における断面図である。コネクタ101が回路基板113上に表面実装方式によって取り付けられた状態を示している。
【0010】
コネクタ101は主としてハウジング102およびスライダ103によって構成される。図8(a)および(b)に示すように、スライダ103を手前方向(スライダ引き出し方向)107に引出した後、多数の電気的接触部105が配置されたハウジング102の開口部104に、FFC/FPC106の接触端部115を挿入する。接触端部115には柔軟性のあるFFC/FPC106において通常必要な機械的強度を得るための補強板108が取付けられている。
【0011】
スライド・リフト方式においては、FFC/FPC106の装着時に、コネクタ101の上部に配置されたスライダ103を、手前方向(スライダ引き出し方向)107へ移動させることにより、開口部104のコンタクトギャップ116を広げることとなり、FFC/FPC106の挿入作業性を容易にする。また半田リフロー時にコネクタ101にかかる応力は無い。
【0012】
FFC/FPC106の挿入後FFC/FPC106はスライダ103を用いてロックされる。図9に示すようにスライダ103を後方から前方に押し付ける作業によって確実なロックが可能となる。コンタクト114は分岐して開口部104の方に延伸する上部ビーム110および下部ビーム111を有する。上部ビーム110の先端にはFFC/FPC106の電極109と接触するための突出部が形成された接触部117が形成されている。
【0013】
FFC/FPC106をコネクタ101に装着した後、FFC/FPC106の電極109とコンタクト114を電気的に接続させ、そして接触部117コネクタ101をロックするために、図9(b)に示すようにスライダ103を図面右方向に押し込む必要がある。しかし、このタイプのコネクタの構造においてはスライダ103を補強板108と下部ビーム111との間に押し込むためのスライダの押し代112が小さく、多極化した場合には作業性に難がある。
【0014】
このように、スライドタイプにおいては、FFC/FPC106の挿入はし易いがスライダ103は押し難いという問題がある。これはスライダ103の上部にFFC/FPC106配置されている構造のため、スライダ103に対しては両サイドのスライダ押し代112しか押せないためである。112がFFC/FPC装着時の押し代である。多極化した場合には、FFC/FPC106の下部に位置するスライダ103は適切なジグを用いて押す必要ある。即ちFFC/FPC106がスライダ103の上になる構造のため、スライダ103の中央部はFFC/FPC106に覆われ押すことができない。局数が増加すると冶具等を使用した挿入が必要となる。
【0015】
上述の通り、図8および図9に示すようなスライダ方式の上接点タイプのコネクタ101においてはスライダ103の両サイドしか押せないため作業性が悪い。このため所謂バックフリップタイプのコネクタが開発された。
【0016】
図8および9に示した上接点タイプのスライドタイプ方式もコネクタにおいてはスライダが押し難いという作業性の問題点を改善するために、所謂バックフリップタイプのコネクタが開発され、その使用も始まっている。
【0017】
図10にバックフリップタイプのコネクタ131を示す。コネクタ131は主にハウジング132と、ハウジング132内に取付けられたコンタクト133、そしてコンタクト133を駆動するアクチュエータ134を有する。図10(a)はFFC/FPCが挿入されたがアクチュエータ134を操作する前の状態を示す。図10(b)はFFC/FPCを挿入した後、アクチュエータ134を操作してコンタクト133がFFC/FPCの表面の電極(図示せず)と電気的に接続した状態を示す。
【0018】
コンタクト133は中央に直立する支柱部137を有し、この支柱部137の上部138から左右に水平に延伸する接触ビーム135と回転ビーム136とからなる水平ビームを143を有する。アクチュエータを134を回転軸140を中心とした右回り141に回転することにより、コンタクト133の回転ビーム136の先端部142を押し上げ、水平ビーム143を支柱部137の上部138を中心に左回り144に回転させることによりコンタクト133の接触ビーム135の先端部144を下げる。接触ビーム135の先端部144を押し下げることによりFFC/FPC145とコンタクト133の電気的接続が行われる。
【0019】
かかる構造においては、フリップを持ち上げてもFFC/FPC145に対する挿入口146の広さは変わらず(図10(a)のA寸法)、挿入口146を形成する狭いスリットを狙ってのFFC/FPC145の挿入作業が必要となる。
【0020】
接触ビーム135と回転ビーム136とからなるシーソーバネの場合、接触部である先端部149は大きく持上がらずに、NON−ZIF構造の様に先端部149の接触部147がFFC/FPC145の表面148と摺動することがある。また、印刷回路基板150に半田リフローする時にハウジング132を構成するインシュレータやコンタクト133のバネに応力が掛かる状態であり、リフロー熱による影響を強く受けるという問題がある。またこの構造では上下両側にガイドを有する開口部を形成する必要がある。
【0021】
このように、バックフリップタイプのコネクタにおいては、スライダを閉める時の作業性は改善されたものの、FFC/FPCを装着する際に開口部は広がらず、小型低背化されたコネクタでは装着がさらに困難になるという問題が出ている。
【0022】
バックフリップ方式の構造においてはFFC/FPCを挿入する開口部を広げることができないという問題、そしてFFC/FPCの挿入作業が難しいというスライドタイプの欠点を改善するために、下接点フリップタイプ方式のコネクタが開発された。
【0023】
図11に回路基板172上に配置された下接点フリップタイプ方式のコネクタ160を示す。図11の下接点フリップタイプ方式のコネクタ160においては、アクチュエータ161を左回りに回転させることにより、アクチュエータ161の先端に配置された押圧部162がコンタクト164の上部ビーム167に形成されたガイド169に規制されて回転することによってFFC/FPC163を押し下げ、コンタクト164の下部ビーム170の接触部168に接触させる。かかる対応のために、図11に示す下接点タイプのコネクタ160においては、インシュレータからなるハウジング165の嵌合面側上部166に配置されたアクチュエータ161を回転させてFFC/FPC163をロックする場合に、広い面でFFC/FPC163の上面を押せるように工夫された構造が使用されている。
【0024】
更にFFC/FPC163の挿入時には、この嵌合面上部に配置されたアクチュエータ161が上方に開くことにより広い開口部171が形成され、FFC/FPC163の挿入および装着性を向上させるという効果がある。
【0025】
図11に示すような下接点タイプのコネクタ160においては、コンタクト164の接触部168が下方に配置されており、嵌合面上部のアクチュエータ161を回転させる等でこの構造を可能としている。しかし、一般的に、上接点コネクタの場合は、コンタクト接触部が上方に配置されており、小型コネクタに於いては下接点と同じ程度の作業性を得ることは困難であった。
【0026】
ロック作業性の改善案として、図10に示すようなバックフリップタイプのコネクタ131が開発され、ロックするために押圧する作業の改善は図られた。しかし上接点タイプのバックフリップタイプコネクタではFFC/FPCの装着時に開口部が広くならず、装着性は下接点タイプのコネクタより劣るものとなっていた。
【0027】
上記の通り、スライダタイプのコネクタは、FFC/FPCを装着した後にコネクタをロックのためにスライダを押す部分が小さく、特に多極化用のコネクタにおいては作業性に問題がある。多極化した場合には、ロックのためにスライダ部分のFFC下部を適切なジグ等を用いて押す必要がある。
【0028】
バックフリップタイプのコネクタにおいては、フリップを持ち上げてもFFC/FPCを挿入するための挿入口の広さは変わらない。このため、狭いスリットに対する挿入作業が必要となる。
【0029】
図10に示すようなシーソーバネの場合、接触部は大きく持上がらず、NON−ZIFのように接触部が摺動することが在り得る。また、リフロー時にインシュレータやコンタクトのバネに応力が掛かる状態であり、リフロー熱による影響を強く受けるという問題がある。
【特許文献1】特開2000−223190
【特許文献2】特開2001−257020
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
電子機器の多機能化に伴い信号線数が多くなり極数が増加するFFC/FPC用コネクタにおいて、多芯化しても良好な作業性と安定した信頼性を得るコネクタを供給する必要がある。また、機器の組立てを良好にし、機器生産の安定と安価な供給を可能にするためのコネクタが必要がある。
【0031】
このため、小型FFC/FPC用コネクタとしてのZIF(Zero Insertion Force)タイプの水平接続上接点タイプのコネクタにおいて、FFC/FPCの装着性及びスライダロックの作業性を改善することの可能なコネクタを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の実施の形態に記載のコネクタは、FFC/FPC用のコネクタであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた複数のコンタクトと、なお、前記複数のコンタクトはFFC/FPCが前記コネクタの開口部から挿入された場合に、それぞれ対応するFFC/FPCの電極パッドと電気的に接触する接触部をそれぞれ有し、前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの案内部に沿って移動可能に取り付けられたスライダとを有し、なお、前記スライダは前記複数のコンタクトにそれぞれ形成された係合部と係合しており、
前記スライダを上方に移動させることにより、前記係合部を介して前記コンタクトの前記接触部を上方に持ち上げて開口部を広げ、FFC/FPCを前記コネクタに挿入可能にし、そして前記スライダを下方に移動させることにより、前記接触部を下方に押し下げることにより前記接触部をFFC/FPCの電極パッドとそれぞれ電気的に接触させる
コネクタを含む。
【0033】
また、前記案内部はハウジング上部に形成された傾斜部を有し、前記スライダは前記傾斜部に沿って上方又は下方に移動するコネクタを含む。
【0034】
また、前記案内部は前記開口部の両側に配置されているコネクタを含む。
【0035】
また、前記スライダは水平方向に延在する複数の孔部を有し、前記孔部が前記複数のコンタクトのそれぞれ対応する係合部と係合するコネクタを含む。
【0036】
また、前記コンタクトは、前記コネクタが使用される電子機器の回路基板に接続される接続端子と、前記接続端子の分岐部から分岐して上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに固定される下部ビームとを有するコネクタを含む。
【0037】
さらに、前記上部ビームはさらに前記係合部を構成する作動ビームと前駆接触部を有する接触ビームとに分岐するコネクタを含む。
【0038】
さらに、前記上部ビームはその中間部に複数の湾曲部を有する波状部が形成されているコネクタを含む。
【0039】
また、前記コンタクトは回路基板に接続するための接続端子と、前記接続端子の分岐部から上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに取り付けられている下部ビームを有し、前記上部ビームの先端部は作動ビームと接触ビームに分岐し、作動ビームは前記スライダの移動に連動するため前記スライダに係合する前記係合部を有するコネクタを含む。
【0040】
また、前記スライダは前記コンタクトの係合部と係合するための複数の孔を有するコネクタを含む。
【0041】
本発明の実施の形態に記載のコネクタは、FFC/FPC用のコネクタであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた弾性金属材料により形成された複数のコンタクトと、前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの上面に形成された案内部に沿って上方斜め方向に移動可能なように取り付けられたスライダとを有し、
前記スライダを上方斜め方向に移動させることにより、前記スライダが前記コンタクトの端部を上方に持ち上げることにより前記FFC/FPCが挿入される開口部を広げるコネクタを含む。
【発明の効果】
【0042】
上記構成により下接点タイプのコネクタと同様にFFC/FPCの装着時に開口部が広がり、スライダをロックする際にもスライダを押す部分が大きな面積を有するコネクタの形成が可能となる。
【0043】
また、コネクタ上部に配置されたスライダを後方へ(例えば図3においては右方向)押すことにより、上方にスライダが持ち上がり、同時にコンタクトギャップを広げることが可能となり、FFC/FPCの挿入作業性を容易となる。
【0044】
また、FFC/FPC装着後のスライダロックは、スライダを後方から手前に(例えば図3においては左方向)押し下げる作業で確実なロックが可能となる。
【0045】
かかる特徴を有するため、本発明に係るコネクタを用いた電子機器の組立工程における作業性の改善に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に説明する本発明の実施形態においては、FFC/FPCとの接続に使用されるコネクタを構成するコンタクト、インシュレータ、およびスライダの形状を夫々工夫し、上接点方式の接触構造でありながら嵌合部の上方に配置された表面積の大きなスライダを後方にスライドすることにより、インシュレータとスライダの独特の形状よりスライダが上方に持ち上がる構造を有する。そして上方に持ち上がったスライダが、FFC/FPCの電極パッドに対応するコンタクトの接触部を上方に持ち上げ、FFC/FPCが挿入される挿入部のコンタクトギャップの寸法を広くする構造を採用する。
【0047】
以下の実施形態に示されるコネクタは、小型FFC/FPC用コネクタとして好適に使用可能であり、ZIFタイプの構造を有する。FFC/FPCを水平に接続することが可能であり、上接点タイプの構造を有する。インシュレータを用いたハウジングの嵌合部側の上方にスライダを配置することにより、FFC/FPCの装着後のスライダロック作業を容易にする。スライダを開放した状態では、FFC/FPCを装着する開口部が広がる。挿入作業性を改善するために、スライダをハウジング上部において上方にスライドすることにより、コンタクトの接触部を持ち上げてZIF構造とすることが可能なコネクタ構造を提供するものである。
【0048】
以下の実施形態に示されるコネクタにおいては、コンタクトの接触部付近から延伸された、接触部持ち上げ用コンタクトの構造を有し、この持ち上げ用コンタクトにスライダの一部が掛かっている。この接触部持ち上げ用コンタクトとスライダ掛かり部はある程度自由に位置が変わるようになっている。インシュレータとスライダも同様にある程度自由に移動するようになっている。ハウジングに対しスライダを後方に移動させることにより、スライダが上方斜め方向に移動するよう構成された形状により、スライダが上方に持ち上がると、コンタクトに形成された接触部持ち上げ用部分を上方に移動させることにより、コンタクトギャップを広げることができる構造を有する。
【0049】
図1に本発明によるコネクタの一実施の形態の斜視図を示す。この実施の形態によるコネクタ10は主として複数の金属性接触子(図示せず)が配列されたハウジング11と、ハウジング11上をハウジング11に設けられた傾斜部13または適切な案内部(図示せず)に沿って上方斜め方向にスライドしながら移動可能なスライダ12を有する。ハウジング11およびスライダ12は合成樹脂等のインシュレータを用いて形成され、射出成形により作製することができる。
【0050】
図1はスライダ12が上方斜め方向にスライド移動した第1の位置にある状態を示している。ハウジング11の下方部分には複数の溝15が形成され、それぞれにコンタクト21の下部ビーム24が配置されている。スライダ12には上記コンタクトの上部ビーム23の作動ビーム25(図示せず)が挿入される複数の孔27(図示せず)が形成され、各孔27はスライダ12の後部面19において開口する開口部14を形成する
図2はコネクタ10の部品分解図である。下部にハウジング11を、上部にスライダ12を示す。ハウジング11の側面には凹部17が形成されており、傾斜部13と共にスライダ12をスライド移動可能に維持することができる。なお本発明は図1に示すような傾斜部の使用に限定されるものではなく、スライダ12を上方斜め方向に移動するために適切な案内部、例えば傾斜して延在する溝形状または突起形状等を適切に使用することも可能である。スライダ12は水平の梁部分34と、梁部分の両端に形成された側部35を有する。梁部分34にはコンタクト21の各係合部31と係合するための複数の孔27が設けられており、開口部14まで延在する。側部35は傾斜部17を有するハウジング11の対応する端部36と組み合わされ、傾斜部17にガイドされて上下斜め方向の移動を可能にする。
【0051】
図1のX−X’における断面を図3に示す。上部ビーム23または下部ビーム24はハウジング11に形成された溝15内に固定されている。例えば図4(a)に示すように上部ビーム23および下部ビーム24に複数の突起を有する係止部41を設けることにより、ハウジング11内に係止させることができる。係止するための形状および配置は図4に示す形状および配置に限定されるものではない。他の事例として、例えば、コンタクト21の一部をハウジングに埋め込むことにより固定することも可能である。
【0052】
図3においては、スライダ12内に水平方向に形成された孔27内にコンタクト21の作動ビーム25挿入されている。このため、スライダ12の上方向または下方向への移動に対応して、作動ビーム25も上方向または下方向への移動し、このためコンタクト21の上部ビームを上方向および下方向に回転させることができる。上部ビームの回転により、上部ビームの先端に形成された接触ビーム26を上方向または下方向へ移動させることができる。
【0053】
図3はスライダ12が上方斜め方向に移動した第1の位置にある状態を示している。スライダ12が上方斜めに移動したことにより、スライダ12に形成された孔27も上方に移動し、孔27内の作動ビーム25が上方に移動している。このため上部ビームの接触部28と下部ビームの下部対応部29との間隙が広げられた状態を示している。
【0054】
図4(a)〜図4(c)はコンタクト21についての実施の形態を示す。図4(a)において、コンタクト21は弾性金属材料によって形成され、このコネクタが使用される電子機器の回路基板に接続される接続端子22と、接続端子22の分岐部37から上方に延伸する上部ビーム23とハウジング11に固定される下部ビーム24を有する。この実施の形態では、接続端子22は回路基板に表面実装方式により好適に実装可能なように平坦な半田付け面33を有している。上部ビーム23の先端部は分岐部38において作動ビーム25と接触ビーム26に分岐してU字形((注)図4では横方向に寝ている)を形成する。作動ビーム25はスライダの移動に連動するためスライダに係合する係合部31を有する。
【0055】
接触ビーム26の先端部の下部にはFFC/FPCの対応する接触パッドと接触して電気導通を行うため下方に突出する接触部28が形成されている。
【0056】
この実施の形態において、作動ビーム25と接触ビーム26とはU字形状を形成し、作動ビーム25がスライダ12の上下動に連動して上下動すると、作動ビーム25の上下動に連動して接触部28が上下動する構造になっている。この機構においては、作動ビーム25の上下動に連動して接触部28が上下動すれば良く、作動ビーム25と接触ビーム26とがU字形状を形成することに限定されるものではない。U字形状を形成することにより作動ビーム25の先端部と接触ビーム26の接触部28の上下動の幅をほぼ等しくすることができる。
【0057】
この実施の形態において、上部ビーム23は分岐部37および分岐部38の中間に複数の湾曲部を有する波状部40が形成されている。このような波状部40の形成により、直線状の中間部を有する場合よりも上部ビーム23の上下動がより容易になる。但し本発明は図4に示すような複数の湾曲部を有する波状部の形成に限定されるものではない。必要な場合には、例えば直線状の中間部、円弧状に湾曲した中間部等を有する形状であっても良い。
【0058】
図4(a)は、FFC/FPCが挿入され、コンタクト21がFFC/FPCの電極パッドと接触した状態においてコンタクト21がほとんど弾性変形しないようになる形状の場合を示している。一方図4(b)は、コンタクト21の形状を、図3に示すようにスライダ12が上方に移動した状態、即ちFFC/FPCが挿入可能になっている状態においてコンタクト21がほとんど弾性変形しないようになる形状の場合を示している。図4(a)および図4(b)が表面実装形式により接続端子22の半田付け面33を印刷基板の表面に半田付けするのに対し、図4(c)は印刷基板のスルーホールを通して半田付け端子42を挿入し印刷基板の裏面において半田付けするのに好適なコンタクトの形状を示している。
【0059】
図5にこの実施形態のコネクタを用いた場合の、FFC/FPCの挿入および電気的接続の実行の状態についてそれぞれ断面図を用いて示す。
【0060】
図5(a)はFFC/FPCの挿入される前の状態を示す。スライダ12は右方向上方の第1の位置に移動している。このためスライダ12の水平方向の孔27も上方に移動した状態となる。従って、孔27内に挿入された作動ビーム25も上方位置に配置される。このため作動ビーム25と連動する接触ビーム26の接触部28も上方位置に配置される。接触部28に対応する、下部ビーム24の先端部の下部対応部29は固定されているので、接触部28と下部対応部29との間隙45は、補強板46を備えたFFC/FPC47の厚さ48に比べ大きくなる。このため補強板46を備えたFFC/FPC47の先端部53は間隙45を容易に通過することができる。
【0061】
図5(b)はFFC/FPC47の先端部53がコネクタ10内に完全に挿入された状態を示す。コンタクト21の接触部28と接触部28に対向する下部対応部29の間にFFC/FPC47が配置され、FFC/FPC47の電極パッド50がコンタクト21の接触部28に対し露出して配置されている。
【0062】
図5(c)はスライダ12が傾斜部13に沿って左方向下方52に移動した状態を示す。スライダ12は左方向下方の第2の位置に移動している。このためスライダ12の水平方向の孔27も下方に移動した状態となるこのため、孔27内に挿入された作動ビーム25も下方位置に移動する。このため作動ビーム25と連動する接触ビーム26の接触部28も孔27の上部壁51に押圧されて下方に移動する。このため接触ビーム26の接触部28はFFC/FPC47の電極パッド50と確実に接触することができるようになる。
【0063】
図6にこの実施の形態に係るコネクタの側面図を示す。図6(a)は接触部28が電極パッド50と接触可能になるよう、スライダ12が左方向下方の第2の位置に移動している場合を示す。図6(b)はFFC/FPC47が挿入可能となるように、コンタクト21の接触部28と下部対応部29との間隙45を大きく広げるために、スライダ12が右方向上方の第1の位置に移動している場合を示す。なお20はコネクタ10を電子機器に取付ける取付金具であり、例えば回路基板に半田付けによって取付けることができる。22は接続端子である、図6にはスライダ12の水平方向への移動状態そして垂直方向へ持ち上がる状態が示されている。
【0064】
図7にこの実施の形態に係るコネクタ10のスライダ12が第2の位置(図7(a))および第1の位置(図7(b))にある場合の斜視図である。スライダ12の移動はスライダ12の相対する側部55、56を指で掴んで行うことができる。このためコネクタ10が回路基板に固定されている場合であってもFFC/FPCの着脱を容易に行うことができる。
【0065】
以上本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態の記載に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された範囲内において任意に変更、修正することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明によるコネクタの一実施の形態の斜視図を示す図である。
【図2】本発明のコネクタ10の部品分解図である。
【図3】図1のX−X’における断面を示す。
【図4】コンタクトについての実施の形態を示す図である。
【図5】本発明のコネクタを用いた場合の、FFC/FPCの挿入および電気的接続の実行の状態についての断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコネクタの側面図を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコネクタ10のスライダ12が第2の位置(図7(a))および第1の位置(図7(b))にある場合の斜視図である。
【図8】従来の上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ(FFC/FPC挿入前)を示す図である。
【図9】従来の上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ(FFC/FPC挿入後)を示す図である。
【図10】従来のバックフリップタイプのコネクタを示す図である。
【図11】従来の下接点フリップタイプ方式のコネクタを示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10 … コネクタ、 11 … ハウジング、 12 … スライダ、 13 … 傾斜部、 14 … 開口部、 15 … 溝、 16 … 開口部、 17 … 凹部、 18 …下方部分、 19 …後部面、 20 … 取付金具、 21 … コンタクト、 22 … 接続端子、 23 … 上部ビーム、 24 … 下部ビーム、 25 … 作動ビーム、 26 … 接触ビーム、 27 … 孔、 28 … 接触部、 29 … 下部対応部、 30 … 内部側壁、 31 … 係合部、 32 … U字形状部、 33 … 半田付け面、 34 … 梁部分、 35 … 側部、 36 … 端部、 37 … 分岐部、 38 … 分岐部、 40 … 波状部、 41 … 係止部 45 … 間隙、 46 … 補強板、 47 … FFC/FPC、 48 … 厚さ、 50 … 電極パッド、 51 … 上部壁、 52 … 左方向下方、 53 … 先端部、 55 … 側部、 56 … 側部、 101 … スライド・リフト方式のコネクタ、 102 … ハウジング、 103 … スライダ、 104 … 開口部、 105 … 接触部、 106 … FFC/FPC、 107 … スライダ引き出し方向、 108 … 補強板、 109 … 電極、 110 … 上部ビーム、 111 … 下部ビーム、 112 … スライダ押し代、 113 … 基板、 114 … コンタクト、 115 … 接触端部、 116 … コンタクトギャップ、 117 … 接触部、118 … 柔軟性部材、 131 … コネクタ、 132 … ハウジング、 133 … コンタクト、 134 … アクチュエータ、 135 … 接触ビーム、 136 … 回転ビーム、 137 … 支柱部、 138 … 支柱部上部、 140 … 回転軸、 141 … 右回り、 142 … 先端部、 143 … 水平ビーム、 144 … 先端部、 145 … FFC/FPC、 146 … 挿入口、 147 … 接触部、 148 … FFC/FPC145の表面、 149 … 先端部、 150 … 印刷回路基板、 160 … コネクタ、 161 … アクチュエータ、 162 … 押圧部、 163 … FFC/FPC、 164 … コンタクト、 165 … ハウジング、 166 … 上部、 167 … 上部ビーム、 168 … 接触部、 169 … ガイド 170 … 下部ビーム、 171 … 開口部、 172 … 回路基板、
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に用いられるFFC(Flat Flexible Cable)またはFPC(Flexible Printed Circuit)等の平型柔軟ケーブルまたは回路を接続するために使用されるZIF(Zero Insertion Force)構造の小型電気コネクタに関するものであり、特に、FFC/FPCの装着性及びスライダロックの作業性の改善に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FFC/FPCにおいて、これらと電気接続するケーブルを受けるコネクタは、作業性からZIFタイプが用いられ、一般的にはスライダタイプの構造のコネクタが主と使用されてきた。
【0003】
この場合、従来の小型のFFC/FPC用コネクタにおいて、ZIF構造を用いて平型柔軟ケーブルを水平接続する構造を採用する場合、FFC/FPCの接続相手であるコネクタの構造によりFFC/FPCの電気接点を平型ケーブルの上側に配置するかまたは下側に配置するスライダ方式が採用された。
【0004】
しかし、スライダタイプの構造においては、FFC/FPCをコネクタに装着した状態において、スライダをロックさせるためにコネクタの部品を機械的に動かすのに使用し得る部分の面積が少なくなっている。このため、電子機器の小型化のために低背化されたコネクタにおいては更に稼動部分が小さくなってしまい、コネクタに対するFFC/FPCの挿抜の作業性に問題が生じている。
【0005】
また、近年平型柔軟ケーブを接続するコネクタを使用する電子機器の高機能化により、この種のコネクタを用いて伝送する信号数が多くなっている。その結果としてコネクタも多極化してきている。しかし、従来の上接点タイプのコネクタの作業性の悪さがこの多極化のためにさらに顕著になってきた。
【0006】
FFC/FPC用コネクタにおいては、従来から図8および図9に示すような上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ、図10に示すようなバックフリップ方式のコネクタ、図11に示すような下接点タイプのフリップ方式のコネクタが主として使用されてきた。
【0007】
最初に、図8および図9に示すような、FFC/FPC106の電極109が、スライダ103の移動によって、コネクタ101のコンタクト114と接触するスライドタイプのコネクタが開発された。スライド方式のコネクタには、図8および図9に示すようなFFC/FPC106における複数の電極109が柔軟性部材118の上部に配置されている状態で電気的接触が行われる上接点タイプと、FFC/FPC106の電極が下部に配置されている状態で電気的接触が行われる下接点タイプ(図示せず)がある。
【0008】
上接点タイプは図8(a)に示すようにFFC/FPC106の電極109が上側に配置されているのでコネクタ101に対する位置合わせがし易い。しかし下接点タイプの場合にはFFC/FPC106の電極が見えないため、ケーブルの両端をガイドラインとして使用し位置合わせを行う必要がある。このようにFFC/FPC106の電極は下側に配置されており見えないためFFC/FPC106の挿入時の位置合わせが難しい。このため従来から主として図8および図9に示されているような上接点タイプが使用されてきた。
【0009】
図8(a)は上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ101の斜視図である。図8(b)は図8(a)のX1−X1’における断面図である。コネクタ101が回路基板113上に表面実装方式によって取り付けられた状態を示している。
【0010】
コネクタ101は主としてハウジング102およびスライダ103によって構成される。図8(a)および(b)に示すように、スライダ103を手前方向(スライダ引き出し方向)107に引出した後、多数の電気的接触部105が配置されたハウジング102の開口部104に、FFC/FPC106の接触端部115を挿入する。接触端部115には柔軟性のあるFFC/FPC106において通常必要な機械的強度を得るための補強板108が取付けられている。
【0011】
スライド・リフト方式においては、FFC/FPC106の装着時に、コネクタ101の上部に配置されたスライダ103を、手前方向(スライダ引き出し方向)107へ移動させることにより、開口部104のコンタクトギャップ116を広げることとなり、FFC/FPC106の挿入作業性を容易にする。また半田リフロー時にコネクタ101にかかる応力は無い。
【0012】
FFC/FPC106の挿入後FFC/FPC106はスライダ103を用いてロックされる。図9に示すようにスライダ103を後方から前方に押し付ける作業によって確実なロックが可能となる。コンタクト114は分岐して開口部104の方に延伸する上部ビーム110および下部ビーム111を有する。上部ビーム110の先端にはFFC/FPC106の電極109と接触するための突出部が形成された接触部117が形成されている。
【0013】
FFC/FPC106をコネクタ101に装着した後、FFC/FPC106の電極109とコンタクト114を電気的に接続させ、そして接触部117コネクタ101をロックするために、図9(b)に示すようにスライダ103を図面右方向に押し込む必要がある。しかし、このタイプのコネクタの構造においてはスライダ103を補強板108と下部ビーム111との間に押し込むためのスライダの押し代112が小さく、多極化した場合には作業性に難がある。
【0014】
このように、スライドタイプにおいては、FFC/FPC106の挿入はし易いがスライダ103は押し難いという問題がある。これはスライダ103の上部にFFC/FPC106配置されている構造のため、スライダ103に対しては両サイドのスライダ押し代112しか押せないためである。112がFFC/FPC装着時の押し代である。多極化した場合には、FFC/FPC106の下部に位置するスライダ103は適切なジグを用いて押す必要ある。即ちFFC/FPC106がスライダ103の上になる構造のため、スライダ103の中央部はFFC/FPC106に覆われ押すことができない。局数が増加すると冶具等を使用した挿入が必要となる。
【0015】
上述の通り、図8および図9に示すようなスライダ方式の上接点タイプのコネクタ101においてはスライダ103の両サイドしか押せないため作業性が悪い。このため所謂バックフリップタイプのコネクタが開発された。
【0016】
図8および9に示した上接点タイプのスライドタイプ方式もコネクタにおいてはスライダが押し難いという作業性の問題点を改善するために、所謂バックフリップタイプのコネクタが開発され、その使用も始まっている。
【0017】
図10にバックフリップタイプのコネクタ131を示す。コネクタ131は主にハウジング132と、ハウジング132内に取付けられたコンタクト133、そしてコンタクト133を駆動するアクチュエータ134を有する。図10(a)はFFC/FPCが挿入されたがアクチュエータ134を操作する前の状態を示す。図10(b)はFFC/FPCを挿入した後、アクチュエータ134を操作してコンタクト133がFFC/FPCの表面の電極(図示せず)と電気的に接続した状態を示す。
【0018】
コンタクト133は中央に直立する支柱部137を有し、この支柱部137の上部138から左右に水平に延伸する接触ビーム135と回転ビーム136とからなる水平ビームを143を有する。アクチュエータを134を回転軸140を中心とした右回り141に回転することにより、コンタクト133の回転ビーム136の先端部142を押し上げ、水平ビーム143を支柱部137の上部138を中心に左回り144に回転させることによりコンタクト133の接触ビーム135の先端部144を下げる。接触ビーム135の先端部144を押し下げることによりFFC/FPC145とコンタクト133の電気的接続が行われる。
【0019】
かかる構造においては、フリップを持ち上げてもFFC/FPC145に対する挿入口146の広さは変わらず(図10(a)のA寸法)、挿入口146を形成する狭いスリットを狙ってのFFC/FPC145の挿入作業が必要となる。
【0020】
接触ビーム135と回転ビーム136とからなるシーソーバネの場合、接触部である先端部149は大きく持上がらずに、NON−ZIF構造の様に先端部149の接触部147がFFC/FPC145の表面148と摺動することがある。また、印刷回路基板150に半田リフローする時にハウジング132を構成するインシュレータやコンタクト133のバネに応力が掛かる状態であり、リフロー熱による影響を強く受けるという問題がある。またこの構造では上下両側にガイドを有する開口部を形成する必要がある。
【0021】
このように、バックフリップタイプのコネクタにおいては、スライダを閉める時の作業性は改善されたものの、FFC/FPCを装着する際に開口部は広がらず、小型低背化されたコネクタでは装着がさらに困難になるという問題が出ている。
【0022】
バックフリップ方式の構造においてはFFC/FPCを挿入する開口部を広げることができないという問題、そしてFFC/FPCの挿入作業が難しいというスライドタイプの欠点を改善するために、下接点フリップタイプ方式のコネクタが開発された。
【0023】
図11に回路基板172上に配置された下接点フリップタイプ方式のコネクタ160を示す。図11の下接点フリップタイプ方式のコネクタ160においては、アクチュエータ161を左回りに回転させることにより、アクチュエータ161の先端に配置された押圧部162がコンタクト164の上部ビーム167に形成されたガイド169に規制されて回転することによってFFC/FPC163を押し下げ、コンタクト164の下部ビーム170の接触部168に接触させる。かかる対応のために、図11に示す下接点タイプのコネクタ160においては、インシュレータからなるハウジング165の嵌合面側上部166に配置されたアクチュエータ161を回転させてFFC/FPC163をロックする場合に、広い面でFFC/FPC163の上面を押せるように工夫された構造が使用されている。
【0024】
更にFFC/FPC163の挿入時には、この嵌合面上部に配置されたアクチュエータ161が上方に開くことにより広い開口部171が形成され、FFC/FPC163の挿入および装着性を向上させるという効果がある。
【0025】
図11に示すような下接点タイプのコネクタ160においては、コンタクト164の接触部168が下方に配置されており、嵌合面上部のアクチュエータ161を回転させる等でこの構造を可能としている。しかし、一般的に、上接点コネクタの場合は、コンタクト接触部が上方に配置されており、小型コネクタに於いては下接点と同じ程度の作業性を得ることは困難であった。
【0026】
ロック作業性の改善案として、図10に示すようなバックフリップタイプのコネクタ131が開発され、ロックするために押圧する作業の改善は図られた。しかし上接点タイプのバックフリップタイプコネクタではFFC/FPCの装着時に開口部が広くならず、装着性は下接点タイプのコネクタより劣るものとなっていた。
【0027】
上記の通り、スライダタイプのコネクタは、FFC/FPCを装着した後にコネクタをロックのためにスライダを押す部分が小さく、特に多極化用のコネクタにおいては作業性に問題がある。多極化した場合には、ロックのためにスライダ部分のFFC下部を適切なジグ等を用いて押す必要がある。
【0028】
バックフリップタイプのコネクタにおいては、フリップを持ち上げてもFFC/FPCを挿入するための挿入口の広さは変わらない。このため、狭いスリットに対する挿入作業が必要となる。
【0029】
図10に示すようなシーソーバネの場合、接触部は大きく持上がらず、NON−ZIFのように接触部が摺動することが在り得る。また、リフロー時にインシュレータやコンタクトのバネに応力が掛かる状態であり、リフロー熱による影響を強く受けるという問題がある。
【特許文献1】特開2000−223190
【特許文献2】特開2001−257020
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
電子機器の多機能化に伴い信号線数が多くなり極数が増加するFFC/FPC用コネクタにおいて、多芯化しても良好な作業性と安定した信頼性を得るコネクタを供給する必要がある。また、機器の組立てを良好にし、機器生産の安定と安価な供給を可能にするためのコネクタが必要がある。
【0031】
このため、小型FFC/FPC用コネクタとしてのZIF(Zero Insertion Force)タイプの水平接続上接点タイプのコネクタにおいて、FFC/FPCの装着性及びスライダロックの作業性を改善することの可能なコネクタを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の実施の形態に記載のコネクタは、FFC/FPC用のコネクタであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた複数のコンタクトと、なお、前記複数のコンタクトはFFC/FPCが前記コネクタの開口部から挿入された場合に、それぞれ対応するFFC/FPCの電極パッドと電気的に接触する接触部をそれぞれ有し、前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの案内部に沿って移動可能に取り付けられたスライダとを有し、なお、前記スライダは前記複数のコンタクトにそれぞれ形成された係合部と係合しており、
前記スライダを上方に移動させることにより、前記係合部を介して前記コンタクトの前記接触部を上方に持ち上げて開口部を広げ、FFC/FPCを前記コネクタに挿入可能にし、そして前記スライダを下方に移動させることにより、前記接触部を下方に押し下げることにより前記接触部をFFC/FPCの電極パッドとそれぞれ電気的に接触させる
コネクタを含む。
【0033】
また、前記案内部はハウジング上部に形成された傾斜部を有し、前記スライダは前記傾斜部に沿って上方又は下方に移動するコネクタを含む。
【0034】
また、前記案内部は前記開口部の両側に配置されているコネクタを含む。
【0035】
また、前記スライダは水平方向に延在する複数の孔部を有し、前記孔部が前記複数のコンタクトのそれぞれ対応する係合部と係合するコネクタを含む。
【0036】
また、前記コンタクトは、前記コネクタが使用される電子機器の回路基板に接続される接続端子と、前記接続端子の分岐部から分岐して上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに固定される下部ビームとを有するコネクタを含む。
【0037】
さらに、前記上部ビームはさらに前記係合部を構成する作動ビームと前駆接触部を有する接触ビームとに分岐するコネクタを含む。
【0038】
さらに、前記上部ビームはその中間部に複数の湾曲部を有する波状部が形成されているコネクタを含む。
【0039】
また、前記コンタクトは回路基板に接続するための接続端子と、前記接続端子の分岐部から上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに取り付けられている下部ビームを有し、前記上部ビームの先端部は作動ビームと接触ビームに分岐し、作動ビームは前記スライダの移動に連動するため前記スライダに係合する前記係合部を有するコネクタを含む。
【0040】
また、前記スライダは前記コンタクトの係合部と係合するための複数の孔を有するコネクタを含む。
【0041】
本発明の実施の形態に記載のコネクタは、FFC/FPC用のコネクタであって、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた弾性金属材料により形成された複数のコンタクトと、前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの上面に形成された案内部に沿って上方斜め方向に移動可能なように取り付けられたスライダとを有し、
前記スライダを上方斜め方向に移動させることにより、前記スライダが前記コンタクトの端部を上方に持ち上げることにより前記FFC/FPCが挿入される開口部を広げるコネクタを含む。
【発明の効果】
【0042】
上記構成により下接点タイプのコネクタと同様にFFC/FPCの装着時に開口部が広がり、スライダをロックする際にもスライダを押す部分が大きな面積を有するコネクタの形成が可能となる。
【0043】
また、コネクタ上部に配置されたスライダを後方へ(例えば図3においては右方向)押すことにより、上方にスライダが持ち上がり、同時にコンタクトギャップを広げることが可能となり、FFC/FPCの挿入作業性を容易となる。
【0044】
また、FFC/FPC装着後のスライダロックは、スライダを後方から手前に(例えば図3においては左方向)押し下げる作業で確実なロックが可能となる。
【0045】
かかる特徴を有するため、本発明に係るコネクタを用いた電子機器の組立工程における作業性の改善に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に説明する本発明の実施形態においては、FFC/FPCとの接続に使用されるコネクタを構成するコンタクト、インシュレータ、およびスライダの形状を夫々工夫し、上接点方式の接触構造でありながら嵌合部の上方に配置された表面積の大きなスライダを後方にスライドすることにより、インシュレータとスライダの独特の形状よりスライダが上方に持ち上がる構造を有する。そして上方に持ち上がったスライダが、FFC/FPCの電極パッドに対応するコンタクトの接触部を上方に持ち上げ、FFC/FPCが挿入される挿入部のコンタクトギャップの寸法を広くする構造を採用する。
【0047】
以下の実施形態に示されるコネクタは、小型FFC/FPC用コネクタとして好適に使用可能であり、ZIFタイプの構造を有する。FFC/FPCを水平に接続することが可能であり、上接点タイプの構造を有する。インシュレータを用いたハウジングの嵌合部側の上方にスライダを配置することにより、FFC/FPCの装着後のスライダロック作業を容易にする。スライダを開放した状態では、FFC/FPCを装着する開口部が広がる。挿入作業性を改善するために、スライダをハウジング上部において上方にスライドすることにより、コンタクトの接触部を持ち上げてZIF構造とすることが可能なコネクタ構造を提供するものである。
【0048】
以下の実施形態に示されるコネクタにおいては、コンタクトの接触部付近から延伸された、接触部持ち上げ用コンタクトの構造を有し、この持ち上げ用コンタクトにスライダの一部が掛かっている。この接触部持ち上げ用コンタクトとスライダ掛かり部はある程度自由に位置が変わるようになっている。インシュレータとスライダも同様にある程度自由に移動するようになっている。ハウジングに対しスライダを後方に移動させることにより、スライダが上方斜め方向に移動するよう構成された形状により、スライダが上方に持ち上がると、コンタクトに形成された接触部持ち上げ用部分を上方に移動させることにより、コンタクトギャップを広げることができる構造を有する。
【0049】
図1に本発明によるコネクタの一実施の形態の斜視図を示す。この実施の形態によるコネクタ10は主として複数の金属性接触子(図示せず)が配列されたハウジング11と、ハウジング11上をハウジング11に設けられた傾斜部13または適切な案内部(図示せず)に沿って上方斜め方向にスライドしながら移動可能なスライダ12を有する。ハウジング11およびスライダ12は合成樹脂等のインシュレータを用いて形成され、射出成形により作製することができる。
【0050】
図1はスライダ12が上方斜め方向にスライド移動した第1の位置にある状態を示している。ハウジング11の下方部分には複数の溝15が形成され、それぞれにコンタクト21の下部ビーム24が配置されている。スライダ12には上記コンタクトの上部ビーム23の作動ビーム25(図示せず)が挿入される複数の孔27(図示せず)が形成され、各孔27はスライダ12の後部面19において開口する開口部14を形成する
図2はコネクタ10の部品分解図である。下部にハウジング11を、上部にスライダ12を示す。ハウジング11の側面には凹部17が形成されており、傾斜部13と共にスライダ12をスライド移動可能に維持することができる。なお本発明は図1に示すような傾斜部の使用に限定されるものではなく、スライダ12を上方斜め方向に移動するために適切な案内部、例えば傾斜して延在する溝形状または突起形状等を適切に使用することも可能である。スライダ12は水平の梁部分34と、梁部分の両端に形成された側部35を有する。梁部分34にはコンタクト21の各係合部31と係合するための複数の孔27が設けられており、開口部14まで延在する。側部35は傾斜部17を有するハウジング11の対応する端部36と組み合わされ、傾斜部17にガイドされて上下斜め方向の移動を可能にする。
【0051】
図1のX−X’における断面を図3に示す。上部ビーム23または下部ビーム24はハウジング11に形成された溝15内に固定されている。例えば図4(a)に示すように上部ビーム23および下部ビーム24に複数の突起を有する係止部41を設けることにより、ハウジング11内に係止させることができる。係止するための形状および配置は図4に示す形状および配置に限定されるものではない。他の事例として、例えば、コンタクト21の一部をハウジングに埋め込むことにより固定することも可能である。
【0052】
図3においては、スライダ12内に水平方向に形成された孔27内にコンタクト21の作動ビーム25挿入されている。このため、スライダ12の上方向または下方向への移動に対応して、作動ビーム25も上方向または下方向への移動し、このためコンタクト21の上部ビームを上方向および下方向に回転させることができる。上部ビームの回転により、上部ビームの先端に形成された接触ビーム26を上方向または下方向へ移動させることができる。
【0053】
図3はスライダ12が上方斜め方向に移動した第1の位置にある状態を示している。スライダ12が上方斜めに移動したことにより、スライダ12に形成された孔27も上方に移動し、孔27内の作動ビーム25が上方に移動している。このため上部ビームの接触部28と下部ビームの下部対応部29との間隙が広げられた状態を示している。
【0054】
図4(a)〜図4(c)はコンタクト21についての実施の形態を示す。図4(a)において、コンタクト21は弾性金属材料によって形成され、このコネクタが使用される電子機器の回路基板に接続される接続端子22と、接続端子22の分岐部37から上方に延伸する上部ビーム23とハウジング11に固定される下部ビーム24を有する。この実施の形態では、接続端子22は回路基板に表面実装方式により好適に実装可能なように平坦な半田付け面33を有している。上部ビーム23の先端部は分岐部38において作動ビーム25と接触ビーム26に分岐してU字形((注)図4では横方向に寝ている)を形成する。作動ビーム25はスライダの移動に連動するためスライダに係合する係合部31を有する。
【0055】
接触ビーム26の先端部の下部にはFFC/FPCの対応する接触パッドと接触して電気導通を行うため下方に突出する接触部28が形成されている。
【0056】
この実施の形態において、作動ビーム25と接触ビーム26とはU字形状を形成し、作動ビーム25がスライダ12の上下動に連動して上下動すると、作動ビーム25の上下動に連動して接触部28が上下動する構造になっている。この機構においては、作動ビーム25の上下動に連動して接触部28が上下動すれば良く、作動ビーム25と接触ビーム26とがU字形状を形成することに限定されるものではない。U字形状を形成することにより作動ビーム25の先端部と接触ビーム26の接触部28の上下動の幅をほぼ等しくすることができる。
【0057】
この実施の形態において、上部ビーム23は分岐部37および分岐部38の中間に複数の湾曲部を有する波状部40が形成されている。このような波状部40の形成により、直線状の中間部を有する場合よりも上部ビーム23の上下動がより容易になる。但し本発明は図4に示すような複数の湾曲部を有する波状部の形成に限定されるものではない。必要な場合には、例えば直線状の中間部、円弧状に湾曲した中間部等を有する形状であっても良い。
【0058】
図4(a)は、FFC/FPCが挿入され、コンタクト21がFFC/FPCの電極パッドと接触した状態においてコンタクト21がほとんど弾性変形しないようになる形状の場合を示している。一方図4(b)は、コンタクト21の形状を、図3に示すようにスライダ12が上方に移動した状態、即ちFFC/FPCが挿入可能になっている状態においてコンタクト21がほとんど弾性変形しないようになる形状の場合を示している。図4(a)および図4(b)が表面実装形式により接続端子22の半田付け面33を印刷基板の表面に半田付けするのに対し、図4(c)は印刷基板のスルーホールを通して半田付け端子42を挿入し印刷基板の裏面において半田付けするのに好適なコンタクトの形状を示している。
【0059】
図5にこの実施形態のコネクタを用いた場合の、FFC/FPCの挿入および電気的接続の実行の状態についてそれぞれ断面図を用いて示す。
【0060】
図5(a)はFFC/FPCの挿入される前の状態を示す。スライダ12は右方向上方の第1の位置に移動している。このためスライダ12の水平方向の孔27も上方に移動した状態となる。従って、孔27内に挿入された作動ビーム25も上方位置に配置される。このため作動ビーム25と連動する接触ビーム26の接触部28も上方位置に配置される。接触部28に対応する、下部ビーム24の先端部の下部対応部29は固定されているので、接触部28と下部対応部29との間隙45は、補強板46を備えたFFC/FPC47の厚さ48に比べ大きくなる。このため補強板46を備えたFFC/FPC47の先端部53は間隙45を容易に通過することができる。
【0061】
図5(b)はFFC/FPC47の先端部53がコネクタ10内に完全に挿入された状態を示す。コンタクト21の接触部28と接触部28に対向する下部対応部29の間にFFC/FPC47が配置され、FFC/FPC47の電極パッド50がコンタクト21の接触部28に対し露出して配置されている。
【0062】
図5(c)はスライダ12が傾斜部13に沿って左方向下方52に移動した状態を示す。スライダ12は左方向下方の第2の位置に移動している。このためスライダ12の水平方向の孔27も下方に移動した状態となるこのため、孔27内に挿入された作動ビーム25も下方位置に移動する。このため作動ビーム25と連動する接触ビーム26の接触部28も孔27の上部壁51に押圧されて下方に移動する。このため接触ビーム26の接触部28はFFC/FPC47の電極パッド50と確実に接触することができるようになる。
【0063】
図6にこの実施の形態に係るコネクタの側面図を示す。図6(a)は接触部28が電極パッド50と接触可能になるよう、スライダ12が左方向下方の第2の位置に移動している場合を示す。図6(b)はFFC/FPC47が挿入可能となるように、コンタクト21の接触部28と下部対応部29との間隙45を大きく広げるために、スライダ12が右方向上方の第1の位置に移動している場合を示す。なお20はコネクタ10を電子機器に取付ける取付金具であり、例えば回路基板に半田付けによって取付けることができる。22は接続端子である、図6にはスライダ12の水平方向への移動状態そして垂直方向へ持ち上がる状態が示されている。
【0064】
図7にこの実施の形態に係るコネクタ10のスライダ12が第2の位置(図7(a))および第1の位置(図7(b))にある場合の斜視図である。スライダ12の移動はスライダ12の相対する側部55、56を指で掴んで行うことができる。このためコネクタ10が回路基板に固定されている場合であってもFFC/FPCの着脱を容易に行うことができる。
【0065】
以上本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態の記載に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された範囲内において任意に変更、修正することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明によるコネクタの一実施の形態の斜視図を示す図である。
【図2】本発明のコネクタ10の部品分解図である。
【図3】図1のX−X’における断面を示す。
【図4】コンタクトについての実施の形態を示す図である。
【図5】本発明のコネクタを用いた場合の、FFC/FPCの挿入および電気的接続の実行の状態についての断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコネクタの側面図を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコネクタ10のスライダ12が第2の位置(図7(a))および第1の位置(図7(b))にある場合の斜視図である。
【図8】従来の上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ(FFC/FPC挿入前)を示す図である。
【図9】従来の上接点タイプのスライド・リフト方式のコネクタ(FFC/FPC挿入後)を示す図である。
【図10】従来のバックフリップタイプのコネクタを示す図である。
【図11】従来の下接点フリップタイプ方式のコネクタを示す図である。
【符号の説明】
【0067】
10 … コネクタ、 11 … ハウジング、 12 … スライダ、 13 … 傾斜部、 14 … 開口部、 15 … 溝、 16 … 開口部、 17 … 凹部、 18 …下方部分、 19 …後部面、 20 … 取付金具、 21 … コンタクト、 22 … 接続端子、 23 … 上部ビーム、 24 … 下部ビーム、 25 … 作動ビーム、 26 … 接触ビーム、 27 … 孔、 28 … 接触部、 29 … 下部対応部、 30 … 内部側壁、 31 … 係合部、 32 … U字形状部、 33 … 半田付け面、 34 … 梁部分、 35 … 側部、 36 … 端部、 37 … 分岐部、 38 … 分岐部、 40 … 波状部、 41 … 係止部 45 … 間隙、 46 … 補強板、 47 … FFC/FPC、 48 … 厚さ、 50 … 電極パッド、 51 … 上部壁、 52 … 左方向下方、 53 … 先端部、 55 … 側部、 56 … 側部、 101 … スライド・リフト方式のコネクタ、 102 … ハウジング、 103 … スライダ、 104 … 開口部、 105 … 接触部、 106 … FFC/FPC、 107 … スライダ引き出し方向、 108 … 補強板、 109 … 電極、 110 … 上部ビーム、 111 … 下部ビーム、 112 … スライダ押し代、 113 … 基板、 114 … コンタクト、 115 … 接触端部、 116 … コンタクトギャップ、 117 … 接触部、118 … 柔軟性部材、 131 … コネクタ、 132 … ハウジング、 133 … コンタクト、 134 … アクチュエータ、 135 … 接触ビーム、 136 … 回転ビーム、 137 … 支柱部、 138 … 支柱部上部、 140 … 回転軸、 141 … 右回り、 142 … 先端部、 143 … 水平ビーム、 144 … 先端部、 145 … FFC/FPC、 146 … 挿入口、 147 … 接触部、 148 … FFC/FPC145の表面、 149 … 先端部、 150 … 印刷回路基板、 160 … コネクタ、 161 … アクチュエータ、 162 … 押圧部、 163 … FFC/FPC、 164 … コンタクト、 165 … ハウジング、 166 … 上部、 167 … 上部ビーム、 168 … 接触部、 169 … ガイド 170 … 下部ビーム、 171 … 開口部、 172 … 回路基板、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FFC/FPC用のコネクタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた複数のコンタクトと、なお、前記複数のコンタクトはFFC/FPCが前記コネクタの開口部から挿入された場合に、それぞれ対応するFFC/FPCの電極パッドと電気的に接触する接触部をそれぞれ有し、
前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの案内部に沿って移動可能に取り付けられたスライダとを有し、なお、前記スライダは前記複数のコンタクトにそれぞれ形成された係合部と係合しており、
前記スライダを上方に移動させることにより、前記係合部を介して前記コンタクトの前記接触部を上方に持ち上げて開口部を広げ、FFC/FPCを前記コネクタに挿入可能にし、そして前記スライダを下方に移動させることにより、前記接触部を下方に押し下げることにより前記接触部をFFC/FPCの電極パッドとそれぞれ電気的に接触させる
コネクタ。
【請求項2】
前記案内部はハウジング上部に形成された傾斜部を有し、前記スライダは前記傾斜部に沿って上方又は下方に移動する請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記案内部は前記開口部の両側に配置されている請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記スライダは水平方向に延在する複数の孔部を有し、前記孔部が前記複数のコンタクトのそれぞれ対応する係合部と係合する請求項1記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、前記コネクタが使用される電子機器の回路基板に接続される接続端子と、前記接続端子の分岐部から分岐して上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに固定される下部ビームとを有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項6】
前記上部ビームはさらに前記係合部を構成する作動ビームと前駆接触部を有する接触ビームとに分岐する請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記上部ビームはその中間部に複数の湾曲部を有する波状部が形成されている請求項5または請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記コンタクトは回路基板に接続するための接続端子と、前記接続端子の分岐部から上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに取り付けられている下部ビームを有し、前記上部ビームの先端部は作動ビームと接触ビームに分岐し、作動ビームは前記スライダの移動に連動するため前記スライダに係合する前記係合部を有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項9】
前記スライダは前記コンタクトの係合部と係合するための複数の孔を有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項10】
FFC/FPC用のコネクタであって、
ハウジングと
前記ハウジングに取り付けられた弾性金属材料により形成された複数のコンタクトと、
前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの上面に形成された案内部に沿って上方斜め方向に移動可能なように取り付けられたスライダとを有し、
前記スライダを上方斜め方向に移動させることにより、前記スライダが前記コンタクトの端部を上方に持ち上げることにより前記FFC/FPCが挿入される開口部を広げるコネクタ。
【請求項1】
FFC/FPC用のコネクタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた複数のコンタクトと、なお、前記複数のコンタクトはFFC/FPCが前記コネクタの開口部から挿入された場合に、それぞれ対応するFFC/FPCの電極パッドと電気的に接触する接触部をそれぞれ有し、
前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの案内部に沿って移動可能に取り付けられたスライダとを有し、なお、前記スライダは前記複数のコンタクトにそれぞれ形成された係合部と係合しており、
前記スライダを上方に移動させることにより、前記係合部を介して前記コンタクトの前記接触部を上方に持ち上げて開口部を広げ、FFC/FPCを前記コネクタに挿入可能にし、そして前記スライダを下方に移動させることにより、前記接触部を下方に押し下げることにより前記接触部をFFC/FPCの電極パッドとそれぞれ電気的に接触させる
コネクタ。
【請求項2】
前記案内部はハウジング上部に形成された傾斜部を有し、前記スライダは前記傾斜部に沿って上方又は下方に移動する請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記案内部は前記開口部の両側に配置されている請求項1記載のコネクタ。
【請求項4】
前記スライダは水平方向に延在する複数の孔部を有し、前記孔部が前記複数のコンタクトのそれぞれ対応する係合部と係合する請求項1記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、前記コネクタが使用される電子機器の回路基板に接続される接続端子と、前記接続端子の分岐部から分岐して上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに固定される下部ビームとを有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項6】
前記上部ビームはさらに前記係合部を構成する作動ビームと前駆接触部を有する接触ビームとに分岐する請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記上部ビームはその中間部に複数の湾曲部を有する波状部が形成されている請求項5または請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記コンタクトは回路基板に接続するための接続端子と、前記接続端子の分岐部から上方に延伸する上部ビームと前記ハウジングに取り付けられている下部ビームを有し、前記上部ビームの先端部は作動ビームと接触ビームに分岐し、作動ビームは前記スライダの移動に連動するため前記スライダに係合する前記係合部を有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項9】
前記スライダは前記コンタクトの係合部と係合するための複数の孔を有する請求項1記載のコネクタ。
【請求項10】
FFC/FPC用のコネクタであって、
ハウジングと
前記ハウジングに取り付けられた弾性金属材料により形成された複数のコンタクトと、
前記ハウジングの上部に配置され、前記ハウジングの上面に形成された案内部に沿って上方斜め方向に移動可能なように取り付けられたスライダとを有し、
前記スライダを上方斜め方向に移動させることにより、前記スライダが前記コンタクトの端部を上方に持ち上げることにより前記FFC/FPCが挿入される開口部を広げるコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−198532(P2008−198532A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33963(P2007−33963)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(596029797)アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(596029797)アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド (34)
【Fターム(参考)】
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