説明

GLP−1受容体アゴニスト・バイオアッセイ

GLP-1受容体アゴニスト化合物のような試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を測定するための細胞ベースのバイオアッセイを本明細書に提供する。例示的なGLP-1受容体アゴニスト化合物には、エキセンジン、エキセンジン・アナログ、GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)アナログが含まれる。バイオアッセイは、GLP-1受容体アゴニスト化合物(例えば、エクセナチド)およびGLP-I受容体を有する6-23(クローン6)細胞を含む試料中に生成するcAMPを定量的に測定するのに有用であり、それによって生成したcAMPの量をGLP-I受容体アゴニスト化合物(例えば、エクセナチド)のGLP-I受容体アゴニスト活性に相関させることができる。好適な細胞ベースのバイオアッセイには、酵素結合免疫ソルベントアッセイおよび均質時間分解蛍光アッセイが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、その開示を出典明示して本明細書の一部とみなす、2008年5月23日に出願した米国特許出願番号61/0,55,842号に基づく優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、GLP-1受容体アゴニスト化合物についての細胞ベースのアッセイに関する。
【背景技術】
【0003】
細胞ベースのアッセイまたはバイオアッセイの開発は、アポトーシスを含む細胞毒性アッセイから細胞増殖および代謝アッセイの範囲にわたり得る。細胞ベースのアッセイの開発には、GLPおよびGMP lot release、薬物効能ならびに薬物精製および製造サポートに関する薬物安定性を特徴付けするために用いるハイスループット・スクリーニングアッセイおよび他の慣例的なアッセイも含まれ得る。受容体結合、受容体活性化、細胞シグナル伝達、薬物内在化および細胞下局在化のような作用の機構は、関心のある薬物化合物を用いた処理の後の細胞ベースのアッセイにおいて描写し得る。バイオアッセイの開発は、ELISAおよび免疫組織化学的方法を含む種々の様式で条件付けした培地、細胞ライゼートまたは全細胞を試験することを包含し得る。
【0004】
エキセンジン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH2(配列番号:1))はアメリカドクトカゲ(Heloderma suspectum)の唾液中に見出されたペプチドであり;エキセンジン-3(HSDGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS-NH2(配列番号:2))はメキシコドクトカゲ(Heloderma horridum)の唾液中に見出されたペプチドである。エキセンジンは、グルカゴン-様ペプチド(GLP)ファミリーの幾つかのメンバーに対してある程度のアミノ酸配列類似性を有している。例えば、エキセンジン-4は、グルカゴン-様ペプチド-1(GLP-1)(7-37)(HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号:22))と約53%の配列同一性を有する。しかしながら、エキセンジン-4は、GLP-1が発現する哺乳動物プログルカゴン遺伝子のアメリカドクトカゲ・ホモログではない異なる遺伝子から転写される。さらに、合成エキセンジン-4ペプチドの構造はGLP-1の構造の一連の修飾によって生成されなかったため、エキセンジン-4はGLP-1(7-37)のアナログではない。Nielsenら,Current Opinion in Investigational Drugs,4(4):401-405(2003)。
【0005】
エクセナチドとしても知られている合成エキセンジン-4は、BYETTA(登録商標)(Amylin Pharmaceuticals,Inc.,Eli Lilly and Company)として市販されている。BYETTA(登録商標)には、エクセナチド、保存剤(例えば、メタクレゾール)、等張剤(例えば、マンニトール)および緩衝液(例えば、酢酸緩衝液)が含まれる。エクセナチドの週一回処方が現在開発されており、出典明示して本明細書の一部とみなすWO 2005/102293に記載されている。この週一回処方には、エクセナチドおよび生分解性ポリマー(例えば、ポリ(ラクチド/グリコリド共重合体)マイクロスフェアが含まれ、本明細書においてはEQWという(Amylin Pharmaceuticals,Inc.,Eli Lilly and Company,Alkermes,Inc.)。
【0006】
当該技術分野においては、BYETTA(登録商標)のようなGLP-1受容体アゴニスト化合物を含む医薬組成物の効能および活性を測定し、エクセナチドのようなGLP-1受容体アゴニスト化合物の効力および活性を測定するための新しくかつ改良されたバイオアッセイに対する要望が存在する。これらの要望を満たす細胞ベースのバイオアッセイを本明細書に記載する。
【発明の概要】
【0007】
GLP-1受容体アゴニスト化合物(またはGLP-1受容体アゴニスト化合物を含む組成物)と機能的GLP-1受容体を有する6-23(クローン6)細胞との相互作用によって生成するサイクリック・アデノシン3'5'-モノリン酸(cAMP)を定量的に測定するのに有用なバイオアッセイを本明細書に記載する。この相互作用によって生成するcAMPの量は、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性と相関する。
【0008】
(GLP-1受容体アゴニスト活性を有するかまたは有しない可能性のある)試験化合物と機能的GLP-1受容体を有する6-23(クローン6)細胞との相互作用によって生成するサイクリック・アデノシン3'5'-モノリン酸(cAMP)を定量的に測定するのに有用なバイオアッセイを本明細書に記載する。相互作用によって生成するcAMPの量は、試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性と相関する。このバイオアッセイは、エクセナチドのような標準に対する既知または未知の化合物のGLP-1受容体結合活性を測定するのに有用である。1の形態において、試験化合物は組成物中の成分とすることもできる。
【0009】
(i)試験化合物または試験化合物を含む組成物ならびに(ii)6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;細胞ベースのアッセイを用いて試料中のcAMPを定量的に測定し、ついで、試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を提供する。例示的な細胞ベースのアッセイには、酵素結合免疫ソルベントアッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay)および均質時間分解蛍光アッセイ(homogeneous time-resolved fluorescence assay)が含まれる。1の形態において、試験化合物はGLP-1受容体アゴニスト化合物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試験化合物を含む組成物はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0010】
GLP-1受容体アゴニスト化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;先の試料、抗-cAMP抗体および標識cAMPを含む化合物を合することによって反応混合物を形成し;試料中のcAMPを定量的に測定し;ついで、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を本明細書で提供する。1の形態において、抗-cAMP抗体を含む化合物は、検出可能な基(例えば、蛍光基)で標識した抗体、抗-cAMPモノクローナル抗体を含む化合物である。1の形態において、試料は、医薬組成物のような組成物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試料はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0011】
(i)GLP-1受容体アゴニスト化合物;(ii)6-23(クローン6)細胞;および(iii)標識cAMPを含む化合物を含む試料を調製し;先の試料および抗-cAMP抗体を含む化合物を合することによって反応混合物を形成し;試料中のcAMPを定量的に測定し;ついで、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を本明細書で提供する。1の形態において、抗-cAMP抗体を含む化合物は、検出可能な基(例えば、蛍光基)で標識した抗-cAMPモノクローナル抗体を含む化合物である。1の形態において、試料は、医薬組成物のような組成物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試料はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0012】
GLP-1受容体アゴニスト化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;先の試料、希土酸化物クリプタートまたは希土酸化物キレートに結合した抗-cAMP抗体(例えば、モノクローナル抗体)を含む第1の化合物、および蛍光標識cAMPを含む第2の化合物を合することによって反応混合物を形成し;反応混合物を照射し;試料中のcAMPの存在または量を定量的に測定し;ついで、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を本明細書で提供する。1の形態において、希土酸化物のクリプタートおよびキレートは、テルビウム・クリプタート、ユーロピウム・クリプタート、ジスプロシウム・クリプタート、サマリウム・クリプタート、ネオジム・クリプタート、テルビウム・キレート、ユーロピウム・キレート、ジスプロシウム・キレート、サマリウム・キレートおよびネオジム・キレートから選択される。1の形態において、試料は、医薬組成物のような組成物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試料はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0013】
GLP-1受容体アゴニスト化合物、6-23(クローン6)細胞および蛍光標識cAMPを含む化合物を含む試料を調製し;先の試料および希土酸化物クリプタートまたは希土酸化物キレートに結合した抗-cAMP抗体(例えば、モノクローナル抗体)を含む化合物を合することによって反応混合物を形成し;反応混合物を照射し;試料中のcAMPの存在または量を定量的に測定し;ついで、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を本明細書で提供する。1の形態において、試料は、医薬組成物のような組成物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試料はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0014】
GLP-1受容体アゴニスト化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;先の試料を刺激するための剤を添加して6-23(クローン6)細胞中のcAMPの生成を生じさせ;先の刺激した試料、約620nmの測定用波長にて発した蛍光を生じることができるユーロピウム-クリプタートに結合した抗-cAMPモノクローナル抗体を含む第1の化合物;約665nmの補正用波長で蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMPを含む第2の化合物を合することによって反応混合物を形成し;外部放射線源によって約337nmの単一励起波長にて工程(c)からの反応混合物を照射し;約620nmの発せられた蛍光および反応混合物の干渉パラメータを考慮した約665nmの発せられた蛍光の両方を同時に測定し;約665nmの第2の化合物によって発せられた蛍光に基づいて約620nmの第1の化合物によって発せられた蛍光について補正した蛍光を計算し;試料中のcAMPの存在または定量的な量に対して補正した蛍光の読みを相関させ;ついで、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を本明細書で提供する。1の形態において、反応混合物は、6-23(クローン6)細胞を溶解することができる緩衝液を含む。1の形態において、試料は医薬組成物のような組成物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試料はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0015】
GLP-1受容体アゴニスト化合物、6-23(クローン6)細胞および約665nmの補正用波長で蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMPを含む化合物を含む試料を調製し;先の試料を刺激するための剤を添加して6-23(クローン6)細胞中にcAMPを生じさせ;先の刺激した試料、約620nmの測定用波長にて発した蛍光を生じさせることができるユーロピウム-クリプタートに結合した抗-cAMPモノクローナル抗体を含む化合物を合することによって反応混合物を形成し;外部放射線源によって約337nmの単一励起波長にて反応混合物を照射し;約620nmの発せられた蛍光および反応混合物の干渉パラメータを考慮した約665nmの発せられた蛍光の両方を同時に測定し;約665nmの化合物によって発せられた蛍光に基づいて約620nmの化合物によって発せられた蛍光について補正した蛍光を計算し;ついで、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対してcAMPの量を相関させることによって化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法を本明細書で提供する。1の形態において、反応混合物は、6-23(クローン6)細胞を溶解することができる緩衝液を含む。1の形態において、試料は医薬組成物のような組成物である。1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はエクセナチドである。1の形態において、試料はBYETTA(登録商標)またはEQWである。
【0016】
GLP-1受容体アゴニスト化合物(例えば、エクセナチド)のGLP-1受容体アゴニスト活性は行政官庁(例えば、米国食品医薬品局)に提出する書類に用いることができ、GLPコンプライアンス、GMPコンプライアンスおよび質制御の書類の資料による裏付けを支持することにおいても用いることができる。定量的な結果をさらに用いて製造工程を最適化することができ、定量的な結果を得る工程を用いて標準作業法(SOP)を調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は実施例に記載した方法に従って調製したエクセナチドについてのバイオアッセイ較正標準である。
【図2】図2は実施例2に記載したREF100およびREF50の比較である。
【図3】図3はBYETTA(登録商標)処方成分(例えば、マンニトール、メタクレゾール、酢酸緩衝液)のみを含み、有効成分エクセナチドを含まないBYETTA(登録商標)プラセボ(BPB)に対してREF100を比較するグラフである。図中、白抜き丸はBPBを表し、黒丸はREF100を表す。このグラフは、BYETTA(登録商標)用の処方成分がエクセナチド参照標準と比較して有意なcAMP応答を全く生じないことを示している。
【図4】図4はロット1のBYETTA(登録商標)TEST 100に対してREF100を比較するグラフであり、BYETTA(登録商標)が試験標準の相対効力とほぼ同じである相対効力を有することを示している。図中、白抜き丸はBYETTA(登録商標)を表し、黒丸はREF100を表す。
【図5】図5はEQW処方成分(例えば、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)マイクロスフェア)のみを含み、有効成分エクセナチドを含まないEQWプラセボ(EQWPB)試料に対してREF100を比較するグラフである。図中、白抜き丸はEQWPBを表し、黒丸はREF100を表す。このグラフは、EQW用の処方成分がエクセナチド参照標準と比較して有意なcAMP応答を全く生じないことを示している。
【図6】図6はロット1のEQW TEST100に対してREF100を比較するグラフであり、EQWが試験標準の相対効力と同様の相対効力を有することを示している。図中、白抜き丸はEQWを表し、黒丸はREF100を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
予期せぬことに、rMTC 6-23(クローン6)セルラインを用いる細胞ベースのアッセイが、GLP-1受容体を有する他のセルラインの使用または膜を生きている細胞から採取した場合のGLP-1受容体を有する細胞膜と比較した場合に、細胞ベースのアッセイで生じたcAMPの効力および活性に基づく化合物(例えば、既知の試験化合物、未知の試験化合物、GLP-1受容体アゴニスト化合物)のGLP-1受容体アゴニスト活性を測定するための優れた結果を提供することを見出した。
【0019】
GLP-1受容体アゴニスト化合物についての細胞ベースのアッセイで6-23(クローン6)セルラインを用いて、GLP-1受容体アゴニスト活性に相関させたcAMPの効力および活性について生成した予期せぬ優れたシグナルのために、化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を示す結果は、行政官庁(例えば、米国食品医薬品局)に提出する書類を調製することにおける;GLPコンプライアンス、GMPコンプライアンスおよび品質制御を示す書類を裏付ける書類を調製することにおける;およびGLP-1受容体アゴニスト化合物(例えば、エクセナチド)の製造法を最適化するための、既知のGLP-1受容体アゴニスト化合物のアナログを製造するのに有用である。
【0020】
本明細書に記載するバイオアッセイの1の形態において、化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性は、6-23(クローン6)細胞を用いた細胞ベースのアッセイにおけるcAMP生成に相関することによって定量的に測定する。細胞ベースのアッセイは生きている6-23(クローン6)細胞を用いる。細胞ベースのアッセイは、生きている6-23(クローン6)細胞から採取済みの細胞膜は用いない。6-23(クローン6)細胞は、ATCC(登録商標)番号CRL-1607(商標)としてアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションおよびECACC番号87042206としてヨーロピアン・コレクション・オブ・セル・カルチャーズから入手可能である。
【0021】
本明細書に記載する方法において、細胞ベースのアッセイは、いずれの当該技術分野で知られているものともし得る。1の形態において、細胞ベースのアッセイは酵素結合免疫ソルベントアッセイ(ELISA)である。ELISAキットは、Cell Sciences(登録商標)(Canton,MA)のような多数の供給源から市販されている。ELISAキットを用いる方法は当該技術分野で知られており、キットには、一般的に、例えば、試料、標準、較正曲線をどのように調製するか、およびどのように実験を行うかに関する指示マニュアルが含まれる。もう1の形態において、細胞ベースのアッセイは均質時間分解蛍光アッセイ(HTRF(登録商標))である。HTRF(登録商標)キットはCisbso International(Bedford,MA)から市販されている。HTRF(登録商標)キットを用いる方法は当該技術分野で知られており、キットには、一般的に、例えば、試料、標準、較正曲線をどのように調製するか、およびどのように実験を行うかに関する指示マニュアルが含まれる。均質時間分解蛍光細胞ベースのアッセイは、出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第5,527,684号およびCisbio HTRF(登録商標)Product Centerから入手可能な書類参照番号62AM4PEB rev02(2007年8月)に記載されている。出典明示して本明細書の一部とみなすwww.htrf.com/products/gpcr/camp/を参照されたい。
【0022】
所望により、刺激剤を本明細書に記載する方法において用いて、試験化合物またはGLP-1受容体アゴニスト化合物(例えば、エクセナチド)と合した場合の6-23(クローン6)細胞におけるcAMPの産生を増大することができる。例示的な刺激剤には、フォルスコリン、抗利尿ホルモン(ADH)、プロスタグランジン(例えば、PGE1、PGE2)、リン酸ジエステラーゼ阻害剤(例えば、サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ阻害剤)などが含まれる。例示的なサイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ阻害剤はIBMX(イソブチルメチルキサンチン)である。IBMXはcAMPおよびcGMP産生細胞を増加する。IBMXはSigmaから市販されている(カタログ番号I7018)。
【0023】
所望により、溶解剤を含む緩衝液を本明細書に記載する方法において用いて6-23(クローン6)細胞によって生成されるcAMP活性を測定することができる。例示的な溶解緩衝液には、トリス-HCl、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、デオキシコール酸ナトリウム、オクチルフェノールポリ(エチレングリコール-エーテル)x(Triton-X)、ノニルフェノキシポリエトキシルエタノール(NP-40)またはそれらの二種またはそれを超える組合せが含まれる。例示的な溶解緩衝液は、細胞膜に孔を開けて細胞を溶解すると考えられているSDSを含む緩衝液P2である。
【0024】
「GLP-1受容体アゴニスト化合物」とは、GLP-1受容体活性を有する化合物をいう。かかる例示的な化合物には、エキセンジン、エキセンジン・アナログ、エキセンジン・アゴニスト、GLP-1(7-37)、GLP-1(7-37)アナログ、GLP-1(7-37)アゴニストなどが含まれる。
【0025】
「エキセンジン」なる語には、アメリカドクトカゲの唾液分泌物に見出される天然(または天然物の合成バージョン)のエキセンジン・ペプチドが含まれる。特に関心のあるエキセンジンには、エキセンジン-3およびエキセンジン-4が含まれる。所望により、本明細書に記載する方法に用いるためのエキセンジン、エキセンジン・アナログおよびエキセンジン・アゴニストはアミド化されていてもよく、分子の酸形態、医薬上許容される塩形態、またはいずれか他の生理学的に活性な形態ともし得る。
【0026】
「エキセンジン・アナログ」とは、エキセンジン参照ペプチドの生物活性を誘起し、好ましくはエキセンジン参照ペプチド(例えば、エキセンジン-4)と同等またはそれよりも良好な効力を有する、または出典明示して本明細書の一部とみなすHargroveら,Regulatory Peptides,141:131-119(2007)によって記載されているような受容体結合および/または競合実験のような当該技術分野で知られている測定法によって評価した場合に、エキセンジン参照ペプチドと比較して5桁以内(プラスまたはマイナス)の効力を有するものである。好ましくは、エキセンジン・アナログは、1μM未満のアフィニティー、より好ましくは3nM未満または1nM未満のアフィニティーでかかるアッセイにおいて結合するであろう。「エキセンジン・アナログ」なる語は、「エキセンジン・アゴニスト」をもいい得る。
【0027】
エキセンジン・アナログには、化学的に誘導化または改変した本明細書に記載するペプチド、例えば、非-天然アミノ酸残基(例えば、タウリン、β-アミノ酸残基、γ-アミノ酸残基およびD-アミノ酸残基)、アミド、エステルおよびC-末端ケトン修飾のようなC-末端官能基修飾、ならびに例えばアミノ酸、ピログルタミン酸に見出されるようなアシル化アミン、シッフ塩基または環化のようなC-末端ケトン修飾およびN-末端官能基修飾を有するペプチドも含まれる。エキセンジン・アナログは、ペプチドミメティックのような他の化学基も含み得る。
【0028】
例示的なエキセンジンおよびエキセンジン・アナログには、エキセンジン-4(配列番号:1);エキセンジン-3(配列番号:2);Leu14-エキセンジン-4(配列番号:3);Leu14,Phe25-エキセンジン-4(配列番号:4);Leu14,Ala19,Phe25-エキセンジン-4(配列番号:5);エキセンジン-4(1-30)(配列番号:6);Leu14-エキセンジン-4(1-30)(配列番号:7);Leu14,Phe25-エキセンジン-4(1-30)(配列番号:8);Leu14,Ala19,Phe25-エキセンジン-4(1-30)(配列番号:9);エキセンジン-4(1-28)(配列番号:10);Leu14-エキセンジン-4(1-28)(配列番号:11);Leu14,Phe25-エキセンジン-4(1-28)(配列番号:12);Leu14,Ala19,Phe25-エキセンジン-4(1-28)(配列番号:13);Leu14,Lys17,20,Ala19,Glu21,Phe25,Gln28-エキセンジン-4(配列番号:14);Leu14,Lys17,20,Ala19,Glu21,Gln28-エキセンジン-4(配列番号:15);オクチルGly14,Gln28-エキセンジン-4(配列番号:16);Leu14,Gln28,オクチルGly34-エキセンジン-4(配列番号:17);Phe4,Leu14,Gln28,Lys33,Glu34,Ile35,36,Ser37-エキセンジン-4(1-37)(配列番号:18);Phe4,Leu14,Lys17,20,Ala19,Glu21,Gln28-エキセンジン-4(配列番号:19);Val11,Ile13,Leu14,Ala16,Lys21,Phe25-エキセンジン-4(配列番号:20);エキセンジン-4-Lys40(配列番号:21);リキシセナチド(lixisenatide)(Sanofi-Aventis/Zealand Pharma);CJC-1134(ConjuChem,Inc.);[Nε-(17-カルボキシヘプタデカン酸)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)Lys32]エキセンジン-4-NH2;[デスアミノ-His1,Nε-(17-カルボキシヘプタデカノイル)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Arg12,27,NLe14,Nε-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)Lys32]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)Lys20]-エキセンジン-4-NH2;[Nε-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)Lys20]-エキセンジン-4-NH2;[Nε-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(11-カルボキシ-ウンデカノイル-アミノ)Lys20]エキセンジン-4-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-AEEA-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-MPA)-アルブミン;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-AEEA-MPA)-アルブミン;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-MPA)-アルブミンなどが含まれる。AEEAとは[2-(2-アミノ)エトキシ)]エトキシ酢酸をいう。EDAとはエチレンジアミンをいう。MPAとはマレイミドプロピオン酸をいう。所望により、エキセンジンおよびエキセンジン・アナログはアミド化されていてもよい。
【0029】
本明細書に記載する方法に有用な他のエキセンジンおよびエキセンジン・アナログには、出典明示して本明細書の一部とみなすWO 98/05351;WO 99/07404;WO 99/25727;WO 99/25728;WO 99/40788;WO 00/41546;WO 00/41548;WO 00/73331;WO 01/51078;WO 03/099314;米国特許第6,956,026号;米国特許第6,506,724号;米国特許第6,703,359号;米国特許第6,858,576号;米国特許第6,872,700号;米国特許第6,902,744号;米国特許第7,157,555号;米国特許第7,223,725号;米国特許第7,220,721号;米国特許公開2003/0036504号;および米国特許公開2006/0094652号に記載されているものが含まれる。
【0030】
「GLP-1(7-37)アナログ」とは、出典明示して本明細書の一部とみなすHargroveら,Regulatory Peptides,141:113-119(2007)によって記載されている受容体結合アッセイまたはイン・ビボ(in vivo)血液グルコースアッセイのような当該技術分野で知られている測定法によって評価した場合に、GLP-1(7-37)と同様の生物活性を誘起するペプチドまたは他の化合物をいう。1の形態において、「GLP-1(7-37)アナログ」なる語は、GLP-1(7-37)のアミノ酸配列と比較した場合に1、2、3、4、5、6、7または8個のアミノ酸の置換、挿入、欠失またはそれらの2またはそれを超える組合せを有するアミノ酸配列を有するペプチドをいう。1の形態において、GLP-1(7-37)アナログはGLP-1(7-36)である。GLP-1(7-37)アナログには、該分子のアミド化形態、酸形態、医薬上許容し得る塩形態、およびいずれか他の生理学的に活性な形態が含まれる。
【0031】
例示的なGLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)アナログには、GLP-1(7-37)(配列番号:22);GLP-1(7-36)(配列番号:23);リラグルチド(Novo NordiskからのVICTOZA(登録商標));アルビグルチド(GlaxoSmithKlineからのSYNCRIA(登録商標));タスポグルチド(Hoffman La-Roche);LY2189265(Eli Lilly and Company);LY2428757(Eli Lilly and Company);デスアミノ-His7,Arg26,Lys34(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-l(7-37);デスアミノ-His7,Arg26,Lys34(Nε-オクタノイル)-GLP-l(7-37);Arg26,34,Lys38(Nε-(ω-カルボキシペンタデカノイル))-GLP-l(7-38);Arg26,34,Lys36(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-l(7-36);Aib8,35,Arg26,34,Phe31-GLP-1(7-36))(配列番号:24);HXaa8EGTFTSDVSSYLEXaa22Xaa23AAKEFIXaa30WLXaa33Xaa34GXaa36Xaa37;式中、Xaa8はA、VまたはG;Xaa22はG、KまたはE;Xaa23はQまたはK;Xaa30はAまたはE;Xaa33はVまたはK;Xaa34はK、NまたはR;Xaa36はRまたはG;およびXaa37はG、H、Pまたは存在しない(配列番号:25);Arg34-GLP-1(7-37)(配列番号:26);Glu30-GLP-1(7-37)(配列番号:27);Lys22-GLP-1(7-37)(配列番号:28);Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-37)(配列番号:29);Val8,Glu22,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号:30);Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34-GLP-1(7-37)(配列番号:31);Val8,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36-GLP-1(7-37)(配列番号:32);Gly8,36,Glu22,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号:33);Val8,Glu22,Gly36Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号:34);Gly8,36,Glu22,Lys33,Asn34,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号:35);Val8,Glu22,Lys33,Asn34,Gly36,Pro37-GLP-1(7-37)(配列番号:36);Gly8,36,Glu22-GLP-1(7-36)(配列番号:37);Val8,Glu22,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号:38);Val8,Glu22,Asn34,Gly36-GLP-1(7-36)(配列番号:39);Gly8,36,Glu22,Asn34-GLP-1(7-36)(配列番号:40)が含まれる。所望により、各GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)アナログはアミド化されていてもよい。
【0032】
1の形態において、GLP-1(7-37)またはGLP-1(7-37)アナログは、免疫グロブリン(例えば、IgG、IgE、IgGなど)のFc部に(直接的にまたは連結基によって)共有結合している。例えば、配列番号:25-40のいずれか1は、AESKYGPPCPPCPAPXaa16Xaa17Xaa18GGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFXaa80STYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGXaa230(式中、Xaa16はPまたはE;Xaa17はF、VまたはA;Xaa18はL、EまたはA;Xaa80はNまたはA;およびXaa230はKまたは存在しない(配列番号:41))の配列を含む免疫グロブリンのFc部に共有結合していてもよい。連結基は、いずれの化学基(例えば、アミノ酸および/または化学基)であってもよい。1の形態において、連結基は(-GGGGS-)x(配列番号:42)(式中、xは1、2、3、4、5または6;好ましくは2、3または4;より好ましくは3)である。1の形態において、免疫グロブリンのFc部に共有結合したGLP-1(7-37)アナログは、アミノ酸配列:HGEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLVKGGGGGGGSGGGGSGGGGSAESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG(配列番号:43)を含む。
【0033】
もう1の形態において、GLP-1(7-37)またはGLP-1(7-37)アナログは、1または2のポリエチレングリコール分子に(直接的または連結基を介して)共有結合し得る。例えば、GLP-1(7-37)アナログは、アミノ酸配列:HXaa8EGTFTSDVSSYLEXaa22QAAKEFIAWLXaa33KGGPSSGAPPPC45C46-Z(式中、Xaa8は:D-Ala、G、V、L、I、SまたはT;Xaa22はG、E、DまたはK;Xaa33はVまたはI;およびZはOHまたはNH2)(配列番号:44)を含み得、所望により、(i)1のポリエチレングリコール基がC45に共有結合していてもよく、(ii)1のポリエチレングリコール基がC46に共有結合していてもよく、または(iii)1のポリエチレングリコール基がC45に共有結合し、かつ、1のポリエチレングリコール基がC46に結合していてもよい。1の形態において、GLP-1(7-37)アナログは、HVEGTFTSDVSSYLEEQAAKEFIAWLIKGGPSSGAPPPC45C46-NH2(配列番号:45)であり、所望により、(i)1のポリエチレングリコール基がC45に共有結合していてもよく、(ii)1のポリエチレングリコール基がC46に共有結合していてもよく、または(iii)1のポリエチレングリコール基がC45に共有結合し、かつ、1のポリエチレングリコール基がC46に結合していてもよい。
【0034】
1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物は、他の治療剤を含む単一の医薬組成物中に存在する。かかる治療剤には、小分子(例えば、抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤)ならびにアミリン、アミリン・アナログ、PYY、PYYアナログ、GIP、GIPアナログ、レプチン、レプチン・アナログなどのようなペプチドが含まれる。2またはそれを超える有効成分を含む医薬組成物を、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体結合活性を測定するために本明細書に記載するバイオアッセイに用いることができる。医薬組成物中のさらなる有効成分は、バイオアッセイを妨害してはならない。
【0035】
1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物はもう1のペプチド(例えば、アミリン、アミリン・アナログ、PYY、PYYアナログ、GIP、GIPアナログ、レプチン、レプチン・アナログなど)に結合してハイブリッド・ペプチドを形成する。GLP-1受容体アゴニスト化合物およびもう1の治療剤ペプチドを含むハイブリッド・ペプチドは、例えば、出典明示して本明細書の一部とみなすWO 2005/077072およびWO 2007/022123に記載されている。ハイブリッド・ペプチドは、GLP-1受容体アゴニスト化合物を含むハイブリッド・ペプチドのその部分のGLP-1受容体結合活性を測定するために本明細書に記載するバイオアッセイに用いることができる。その部分がGLP-1受容体結合活性を有していないハイブリッド・ペプチドは、バイオアッセイを妨害してはならない。
【0036】
1の形態において、GLP-1受容体アゴニスト化合物は、ポリエチレングリコール、ポリアミノ酸、脂肪酸、アルブミン、免疫グロブリン、免疫グロブリンFcフラグメントなどのような1またはそれを超えるポリマーに結合していてもよい。GLP-1受容体アゴニスト化合物に結合したポリマーは、化合物のGLP-1受容体結合活性を測定するバイオアッセイの能力を妨害してはならない。
【0037】
GLP-1受容体アゴニスト化合物は、本明細書に記載するバイオアッセイに用いるために医薬組成物の形態で存在し得る。かかる医薬組成物は当該技術分野で知られており、例えば、出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第7,521,423;米国特許第7,456,254;WO 2000/037098;WO 2005/021022;WO 2005/102293;WO 2006/068910;WO 2006/125763;WO 2009/068910;米国特許公開第2004/0106547などに記載されている。
【0038】
GLP-1受容体アゴニスト化合物は、当該技術分野でよく知られている方法、例えば、Engら,J.Biol.Chem.,265:20259-62(1990)に記載されているペプチド精製;Raufmanら,J.Biol.Chem.,267:21432-37(1992)に記載されている標準固相ペプチド合成技術;Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor(1989)に記載されている組換えDNA技術などによって調製し得る。
【0039】
実施例
以下の実施例を示して本開示をより十分に説明する。これらの実施例は説明目的のみのものであって、本開示または特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0040】
実施例1
バイオアッセイは本明細書に記載するように調製して行った。細胞ベースのアッセイで使用するためにラット甲状腺癌6-23(クローン6)細胞を得た。試験化合物および組成物には、エクセナチド:BYETTA(登録商標);およびEQWを含ませた。参照標準はエクセナチドとした。細胞ベースのアッセイは、カタログ番号62AM4PEBのようなCisbioから入手可能なHTRF(登録商標)cAMP dynamic 2 1,000アッセイキットを用いて行った。
【0041】
HTRF(登録商標)標準および較正はキット中の指示書に従って調製した。詳細には、HTRF(登録商標)較正標準、HTRF(登録商標)cAMP較正対照、細胞ノイズ、HTRF(登録商標)陰性対照、HTRF(登録商標)陽性対照を調製した。試験は、フォルスコリンを用いて行い、6-23(クローン6)細胞のcAMP活性を測定した。
【0042】
エクセナチド試験試料は、約0.25mg/mLのエクセナチドに相当する30mM酢酸緩衝液(約4.5のpH)中のほぼ60μMのエクセナチドの溶液として調製した。エクセナチド試験試料は室温に平衡化し、60秒間ボルテックス攪拌した。エクセナチド試験試料は1:100、1:10および1:6に希釈した。
【0043】
250μg/mLのエクセナチドを含むBYETTA(登録商標)試験試料は、1:100、1:10および1:6に希釈した。
【0044】
EQWは乾燥薬剤製品として製造する。EQW試料は以下のようにして調製した:50mg±5mgの乾燥エクセナチド製品を20mLのシンチレーション・バイアルに入れ、つづいてジメチルスルフォキシド(DMSO)中に20%の酢酸を含む溶液10mLを加えた。そのシンチレーション・バイアルを常温の水で満たした超音波処理バス中のフローティングラックに置き、20分間超音波処理した。得られた溶液には60μM濃度のエクセナチドが含まれていた。その後に、EQW試験試料を1:100、1:10および1:6に希釈した。
【0045】
6-23(クローン6)細胞は、平坦な容器に入れて細胞培養ラボから得た。5mLのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いて細胞を脱着させた。例えば、5mLのEDTAは細胞の反対の部分に添加して予め濯いだ。EDTA溶液が細胞単層の表面全体と接触するように容器を揺さぶった。溶液は吸入した。新たな5mLのEDTAのアリコットを5mL血清学ピペットを用いて細胞表面の単層に加え、室温にて約5-11分間インキュベートした。細胞は、平坦な容器の両側を軽くたたくことによって取り除いた。ピペットを用いて細胞を動かした。細胞混合物をフラスコに移し、5mLのHEPES-BCM溶液をそれに加えた。細胞を濯ぎ、ついで1000rpmで5分間遠心した。細胞ペレットを取り出し、動かした。細胞カウントは1mL当たり約3.00±2.00×106細胞であった。その細胞を1mL当たり約4.00±0.25×105細胞の目的濃度まで希釈し、IBMXを含む刺激緩衝液4.5mLに入れた。
【0046】
HEPES-BCM溶液は以下のようにして調製した:1666μLの30%牛血清アルブミン(BSA)(Amercscoカタログ番号K719-60ml)を500mLのハンク緩衝化塩類溶液(HBSS)容器に加えた。HBSS/BSA調製物は室温にて攪拌した。HEPES緩衝液をHBSS/BSA調製物に加えて、5mMのHEPES濃度とした。調製物のpHを1NのNaOH水溶液を用いて7.40に調整した。ついで、その溶液を0.22μmメンブレンフィルターで濾過した。
【0047】
エクセナチド試験試料(すなわち、エクセナチド、BYETTA(登録商標)、EQW)を調製し、以下のように行った:(1)25μLのエクセナチド試験試料およびcAMP蛍光色素コンジュゲートを含む溶液をウェルに加え;(2)25μLの6-23(クローン6)細胞溶液をウェルに加え;(3)合した溶液を室温にて30±2分インキュベートし;(4)溶解緩衝液中のEu-標識抗体調製物50μLをウェルに加え;ついで、(5)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。
【0048】
エクセナチド参照試料を標準として調製し、以下のように行った:(1)25μLエクセナチドおよびcAMP-蛍光色素コンジュゲートを含む溶液をウェルに加え;(2)25μLの6-23(クローン6)細胞溶液をウェルに加え;(3)合した溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(4)溶解緩衝液中の50μLのEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(5)その混合物を60分間インキュベートし;ついで(6)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。エクセナチド参照試料を調製する目的は、いずれかの溶液中の公知の濃度(例えば、エクセナチド参照標準の公知の希釈率)のエクセナチドが、参照標準の含量の画分として%エクセナチド含量を測定することを示すことである。100%を超える画分は、より高いエクセナチド含量を示し、100%未満の画分は参照標準と比較してより低いエクセナチド含量を示す。
【0049】
陰性対照(FRETを含まない)を調製し、以下のように行った:(1)6-23(クローン6)細胞およびエクセナチドを含む50μLのHEPES-BCMをウェルに加え;(2)ウェル中の溶液を室温にて30±2分インキュベートし;(3)50μLのEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(4)その混合物を少なくとも60分間インキュベートし;ついで、(5)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。
【0050】
標準としてエクセナチド参照試料を調製し、以下のように行った:(1)エクセナチドおよびcAMP-蛍光色素コンジュゲートを含む25μLの溶液をウェルに加え;(2)25μLの6-23(クローン6)細胞溶液をウェルに加え;(3)合した溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(4)50μLの溶解緩衝液中のEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(5)混合物を60分間インキュベートし;ついで、(6)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。エクセナチド参照試料を調製する目的は、いずれかの溶液中のエクセナチドの既知の濃度(例えば、エクセナチド参照標準の既知の希釈)を示し、バイオアッセイが参照標準の含量の関数として%エクセナチド含量を測定することを示すためである。100%を超える画分はより高いエクセナチド含量を示し、100%未満の画分は参照標準と比較してより低いエクセナチド含量を示す。
【0051】
陰性対照(FRETを含まない)を調製し、以下のように行った:(1)6-23(クローン6)細胞およびエクセナチドを含む50μLのHEPES-BCMをウェルに加え;(2)ウェル中の溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(3)50μLのEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(4)混合物を少なくとも60分間インキュベートし;ついで、(5)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。
【0052】
較正標準は既知量のcAMPの試料であり、それを8の異なる濃度で用いてcAMPの濃度に対する蛍光応答を相関した。この場合において、較正を用いてHTRF(登録商標)キットが製造業者の規格に適合していることを確認した。較正標準を調製し、以下のように行った:(1)25μLの各標準をウェルに加え;(2)IBMXを含む25μLの刺激緩衝液をウェルに加え;(3)合した溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(4)50μLの溶解緩衝液中のEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(5)混合物を60分間インキュベートし;ついで、(6)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。較正標準を図1に示す。
【0053】
HTRF(登録商標)陽性対照(最大FRET)を調製し、以下のように行った:(1)6-23(クローン6)細胞、エクセナチドおよびcAMP-蛍光色素コンジュゲートを含む25μLのHEPES-BCMをウェルに加え;(2)IBMXを含む25μLの刺激緩衝液をウェルに加え;(3)ウェル中の合した溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(3)50μLの溶解緩衝液中のEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(4)混合物を少なくとも60分間インキュベートし;ついで、(5)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。
【0054】
細胞ノイズ溶液(陽性対照および6-23(クローン6)細胞)を調製し、以下のように行った:(1)6-23(クローン6)細胞およびcAMP-蛍光色素コンジュゲートを含む25μLのHEPES-BCM溶液をウェルに加え;(2)IBMXを含む25μLの刺激緩衝液をウェルに加え;(3)ウェル中の合した溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(3)50μLの溶解緩衝液中のEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(4)混合物を60分間インキュベートし;ついで、(5)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。
【0055】
フォルスコリン溶液を調製し、以下のように行った:(1)25μLのHEPES-BCM溶液中のフォルスコリンをウェルに加え;(2)25μLの6-23(クローン6)細胞溶液をウェルに加え;(3)ウェル中の合した溶液を室温にて30±2分間インキュベートし;(4)50μLのEu-標識抗体調製物をウェルに加え;(5)混合物を60分間インキュベートし;ついで、(5)HTRF(登録商標)可能なプレートリーダーで結果を読んだ。
【0056】
各々620nmおよび665nmの蛍光強度データとして96-ウェルプレートの各ウェルからデータを収集した。620nmの蛍光強度を超える665nmの蛍光強度は、以下の等式に従って計算した:
【0057】
【数1】

【0058】
陰性対照の平均値は以下の等式に従って計算した:
【数2】

【0059】
比は以下の等式に従ってHTRF(登録商標)陰性対照に対して補正した:
【数3】

【0060】
このデータ変換により、プレートリーダーから独立した値を得た。デルタFは時間分解蛍光機器プラットフォームの異なるブランドおよび技術にわたって良好な測定であると予想した。各ウェルについてのデルタFを計算した。
【0061】
ついで、デルタFを、cAMPの不存在下で発生した最大信号、最大デルタF、にわたって分けて、式:
【数4】

【0062】
に従ってアッセイの間に発生した最大信号と比較した信号の正規化した比を得た。
【0063】
一連の反復測定値については、平均比を式:
【数5】


に従って計算した。
【0064】
標準偏差は式:
【数6】


に従って計算した。
【0065】
%CVは式:
【数7】


に従って計算した。
【0066】
実施例2:参照および試験としてのエクセナチドの分析
先の実施例1を参照して、以下の酢酸緩衝液中のエクセナチド溶液(pH=4.5)を参照試料として用いた:50%エクセナチド(REF50:0.125mg/mL);75%エクセナチド(REF075:0.188mg/mL);100%エクセナチド(REF100:250mg/mL);125%エクセナチド(REF125:0.313mg/mL);および150%エクセナチド(REF150:0.375mg/mL)。参照試料をこれらの希釈率でそれ自体(したがって、参照標準および試験溶液の両方として作用する)に対して試験して、方法が種々のエクセナチドを含む溶液中のエクセナチド含量を定量したことを示した。REF100およびREF50の比較を図2に示す。
【0067】
バイオアッセイは、各試料についての複数回で表1中の「N」なる項を有する列に示す各試料についての反復回数行った。表1は、バイオアッセイが6-23細胞に対するエクセナチドのGLP-1受容体活性を定量化したことを示している。すべての濃度は8%未満以内のCVのそれらの名目値で測定した。このことは、GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体活性ならびに処方化ビヒクル中の化合物の含量の両方を定量化するバイオアッセイの能力も示している。
【0068】
【表1】

%CV1=100*(SD/平均相対効能);%CV2=100*(SD/名目平均値)
【0069】
実施例3:NYETTA(登録商標)の分析
本実施例は、BYETTA(登録商標)(例えば、0.25mg/mLのエクセナチド)のような医薬処方を分析するためのバイオアッセイの有用性を示す。バイオアッセイを3回反復BYETTA(登録商標)調製物で行って、実施例2に示したエクセナチド参照標準と比較した相対効力を測定した。対照実験を行って、処方成分(例えば、マンニトール、メタクレゾール、酢酸緩衝液)がバイオアッセイにおける応答を誘起しなかったことを示した。
【0070】
BYETTA(登録商標)プラセボ(BPB)試料を調製し、以下のように行った:処方成分(例えば、マンニトール、メタクレゾール、酢酸緩衝液)を0.25mg/mLのBYETTA(登録商標)溶液の1:6000の希釈物と等しい濃度で調製した。3のBPB希釈物(1:100、1:10、1:6)を同様にして調製し、エクセナチド試験試料希釈物を調製した。
【0071】
プラセボ効果:標準(REF100)から生成したデータをBPB応答値と比較した。すべてのBPB培地希釈物のDF/最大DF応答は66.9%ないし70.9%の範囲であり(参照標準の5-パラメータモデルの非線形回帰からのパラメータ「a」としてとった上部漸近線は68.9%)、REF100データの上部漸近線のほぼ3%以内の値のデータ散乱のように見えた。図3(白抜き丸はBPBを表し、黒丸はREF100を表す)に示すように、このデータはBPBがエクセナチド参照標準と比較して有意なcAMP応答を全く生じないことを示している。
【0072】
BYETTA(登録商標)についてのバイオアッセイを実施例1で論じたように行い、相対効力を表2に示す。BYETTA(登録商標)TEST100のロット1に対するREF100の比較を図4に示す。BYETTA(登録商標)TEST100は、商業的BYETTA(登録商標)製品(したがって、100%;REF100が商業的BYETTA(登録商標)製品と同じ濃度に処方化されたBYETTA(登録商標)参照標準になるであろう)に対応する試料である。BYETTA(登録商標)のロット2および3に対するREF100の比較(示さず)は、表2によって裏付けられる図4のものに対応する。平均相対効力(N=3)、標準偏差および%CVは以下のものとして計算された:BYETTA(登録商標)ロット1、2および3は各々105.0%、3.0%および2.8%。
【0073】
【表2】

【0074】
実施例4:EQWの分析
本実施例は、EQW(ポリ(ラクチド-co-グリコリド)マイクロスフェア中のエクセナチド;5%の理論エクセナチド負荷)についてのこのバイオアッセイの有用性を示す。実施例に詳記したように、3のEQW反復調製物に対して実験を行って、エクセナチド参照標準と比較した相対効力を決定した。対照実験は、処方成分(例えば、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)マイクロスフェア)がバイオアッセイにおける応答を誘起しなかったことを示した。
【0075】
EQWプラセボ(EQWPB)(DMSO溶液中の20%酢酸中の50±5mgのバルクのマイクロスフェア(〜0%負荷)の溶液)を以下のように調製した:EQWPBをマトリクス成分を含むDMSO/20%AcOHに入れ、DMSO/20%酢酸中のマイクロスフェア崩壊から生じる、0.25mg/mLのエクセナチド溶液の1:6000の希釈率に相当する濃度で希釈溶媒を加えた。試験試料希釈率と同様にして、3のEQWPB希釈物を調製した(例えば、1:100、1:10、1:6)。
【0076】
プラセボ応答:標準(REF100)から生じたデータをEQWPB応答値と比較した。すべてのEQWPB中央希釈物のDF/DFmax応答は、66.9%から70.9%の範囲にあり(上部漸近線は、参照標準の5-パラメータモデルの非-線形回帰からのパラメータ「a」としてとった68.9%)、REF100データの上部漸近線のほぼ3%以内の値のデータ散乱のようであった。図5(白抜き丸はEQWPBを表し、黒丸はREF100を表す)に示すように、このデータはEQWPBがエクセナチド参照標準と比較して顕著なcAMP応答を生じなかったことを示している。
【0077】
EQWについてのバイオアッセイを実施例1に論じたように行い、相対効力を表2に示す。EQW TEST100に対するREF100の比較を図5に示す。EQWのロット2および3に対するREF100の比較(示さず)は、以下の表3によって裏付けられる図5のものに対応する。平均相対効力(N=3)、標準偏差および%CVは以下のものとして計算された:EQWロット1、2および3は各々80.9%、6.8%および8.4%。
【0078】
【表3】

【0079】
本明細書に引用したすべての刊行物は出典明示して本明細書の一部とみなす。当業者であれば、本開示または添付する請求の範囲の意図または範囲から逸脱することなく詳細な説明に対して変化および修飾をなし得ることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(i)試験化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;
(ii)細胞ベースのアッセイを用いて試料中のcAMPを定量的に測定し;ついで、
(iii)試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項2】
試料が(i)試験化合物を含む医薬組成物および(ii)6-23(クローン6)細胞を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
細胞ベースのアッセイが酵素結合免疫ソルベントアッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay)である請求項1記載の方法。
【請求項4】
細胞ベースのアッセイが均質時間分解蛍光アッセイである請求項1記載の方法。
【請求項5】
試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(a)試験化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;
(b)(i)工程(a)からの試料;
(ii)抗-cAMP抗体を含む化合物;および
(iii)検出可能に標識したcAMPを含む化合物
を合することによって反応混合物を形成し;
(c)試料中のcAMPを定量的に測定し;ついで
(d)試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項6】
試料が(i)試験化合物を含む医薬組成物および(ii)6-23(クローン6)細胞を含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項5記載の方法。
【請求項8】
試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(a)(i)試験化合物;(ii)6-23(クローン6)細胞;および(iii)検出可能に標識したcAMPを含む試料を調製し;
(b)工程(a)からの試料および抗-cAMP抗体を合することによって反応混合物を形成し;
(c)試料中のcAMPを定量的に測定し;ついで
(d)試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項9】
試料が、(i)試験化合物を含む医薬組成物;(ii)6-23(クローン6)細胞;および(iii)検出可能に標識したcAMPを含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項8記載の方法。
【請求項11】
試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(a)試験化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;
(b)(i)工程(a)からの試料;
(ii)希土酸化物クリプタートまたは希土酸化物キレートに結合した抗-cAMP抗体;および
(iii)蛍光基に結合したcAMP
を合することによって反応混合物を形成し;
(c)工程(b)からの反応混合物を照射し;
(d)試料中のcAMPの量を定量的に測定し;ついで
(e)試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項12】
試料が、(i)試験化合物を含む医薬組成物および(ii)6-23(クローン6)細胞を含む請求項11記載の方法。
【請求項13】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
抗-cAMP抗体が、テルビウム・クリプタート、ユーロピウム・クリプタート、ジスプロシウム・クリプタート、サマリウム・クリプタート、ネオジム・クリプタート、テルビウム・キレート、ユーロピウム・キレート、ジスプロシウム・キレート、サマリウム・キレート、ネオジム・キレート、またはそれらの2またはそれを超える組合せに結合している請求項11記載の方法。
【請求項15】
抗-cAMP抗体が抗-cAMPモノクローナル抗体である請求項11記載の方法。
【請求項16】
蛍光基がアロフィコシアニン、アロフィコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、またはそれらの2またはそれを超える組合せである請求項11記載の方法。
【請求項17】
蛍光基が架橋したアロフィコシアニンである請求項11記載の方法。
【請求項18】
試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(a)試験化合物;6-23(クローン6)細胞;および蛍光基に結合したcAMPを含む試料を調製し;
(b)(i)工程(a)からの試料;および
(ii)希土酸化物クリプタートまたは希土酸化物キレートに結合した抗-cAMP抗体
を合することによって反応混合物を形成し;
(c)工程(b)からの反応混合物を照射し;
(d)試料中のcAMPの存在または量を定量的に測定し;ついで
(e)試験化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項19】
試料が、(i)試験化合物を含む医薬組成物;(ii)6-23(クローン6)細胞;および(iii)蛍光基に結合したcAMPを含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項18記載の方法。
【請求項21】
抗-cAMP抗体が抗-cAMPモノクローナル抗体である請求項18記載の方法。
【請求項22】
抗-cAMPモノクローナル抗体が、テルビウム・クリプタート、ユーロピウム・クリプタート、ジスプロシウム・クリプタート、サマリウム・クリプタート、ネオジム・クリプタート、テルビウム・キレート、ユーロピウム・キレート、ジスプロシウム・キレート、サマリウム・キレート、ネオジム・キレート、またはそれらの2またはそれを超える組合せに結合している請求項18記載の方法。
【請求項23】
蛍光基がアロフィコシアニン、アロフィコシアニンB、フィコシアニンC、フィコシアニンR、またはそれらの2またはそれを超える組合せである請求項18記載の方法。
【請求項24】
蛍光基が架橋したアロフィコシアニンである請求項18記載の方法。
【請求項25】
エクセナチドのGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(a)エクセナチドおよび6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;
(b)工程(a)からの試料を刺激するための剤を加えて、6-23(クローン6)細胞中にcAMPを生成させ;
(c)(i)工程(b)からの試料;
(ii)約620nmの測定用波長の蛍光を生成することができるユーロピウム-クリプタートに結合した抗-cAMPモノクローナル抗体;および
(iii)約665nmの補正用波長の蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMP
を合することによって反応混合物を形成し;
ここに、反応混合物は6-23(クローン6)細胞を溶解することができる緩衝液を含み;
(d)外部放射線源によって約337nmの単一励起波長にて工程(c)からの反応混合物を照射し;
(e)第1の化合物による約620nmの蛍光および反応混合物の干渉パラメータを考慮した第2の化合物による約665nmの蛍光の両方を同時に測定し;
(f)約665nmの第2の化合物によって発せられた蛍光に基づいて約620nmの第1の化合物によって発せられた蛍光について補正した蛍光を計算し;
(g)試料中のcAMPの存在または定量的な量に対して補正した蛍光の読みを相関させ;ついで、
(h)エクセナチドのGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項26】
試料が、(i)エクセナチドを含む医薬組成物および(ii)6-23(クローン6)細胞を含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
医薬組成物がマイクロスフェアを含む請求項26記載の方法。
【請求項28】
医薬組成物が少なくとも2の医薬上許容し得る賦形剤を含む請求項26記載の方法。
【請求項29】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項25記載の方法。
【請求項30】
エクセナチドのGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって、
(a)エクセナチド;6-23(クローン6)細胞;および約665nmの補正用波長の蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMPを含む試料を調製し;
(b)工程(a)からの試料を刺激するための剤を加えて、6-23(クローン6)細胞中にcAMPを生成させ;
(c)(i)工程(b)からの試料;および
(ii)約620nmの測定用波長の蛍光を生成することができるユーロピウム-クリプタートに結合した抗-cAMPモノクローナル抗体;
を合することによって反応混合物を形成し;
ここに、反応混合物は6-23(クローン6)細胞を溶解することができる緩衝液を含み;
(d)外部放射線源によって約337nmの単一励起波長で工程(c)からの反応混合物を照射し;
(e)約620nmの蛍光および反応混合物の干渉パラメータを考慮した約665nmの蛍光の両方を同時に測定し;
(f)約665nmの化合物によって発せられた蛍光に基づいて約620nmの化合物によって発せられた蛍光について補正した蛍光を計算し;
(g)試料中のcAMPの存在または定量的な量に対して補正した蛍光の読みを相関させ;ついで、
(h)エクセナチドのGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
ことを含む該方法。
【請求項31】
試料が、(i)エクセナチドを含む医薬組成物;(ii)6-23(クローン6)細胞;および(iii)約665nmの補正用波長の蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMPを含む請求項30記載の方法。
【請求項32】
医薬組成物がマイクロスフェアを含む請求項31記載の方法。
【請求項33】
医薬組成物が少なくとも2の医薬上許容し得る賦形剤を含む請求項31記載の方法。
【請求項34】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項31記載の方法。
【請求項35】
試験化合物がGLP-1受容体アゴニスト化合物である請求項1、2、5、6、8、9、11、12、18または19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
試験化合物がエキセンジンまたはエキセンジン・アナログである請求項1、2、5、6、8、9、11、12、18または19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
試験化合物がGLP-1(7-37)またはGLP-1(7-37)アナログである請求項1、2、5、6、8、9、11、12、18または19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
試験化合物がエクセナチドである請求項1、2、5、6、8、9、11、12、18または19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
試験化合物がリラグルチド;アルビグルチド;タスポグルチド;LY2189265;LY2428757;リキシセナチド(lixisenatide);CJC-1134;NN9535;[Nε-(17-カルボキシヘプタデカン酸)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(17-カルボキシヘプタデカノイル)Lys32]エキセンジン-4-NH2;[デスアミノ-His1,Nε-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Arg12,27,NLe14,Nε-(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)Lys32]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)Lys20]-エキセンジン-4-NH2;[Nε-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)Lys20]エキセンジン-4-NH2;[Nε-(11-カルボキシ-ウンデカノイルアミノ)Lys20]-エキセンジン-4-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-AEEA-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-MPA)-アルブミン;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-AEEA-MPA)-アルブミン;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-MPA)-アルブミン;GLP-l(7-38);デスアミノ-His7,Arg26,Lys34(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37);デスアミノ-His7,Arg26,Lys34(Nε-オクタノイル)-GLP-l(7-37);Arg26,34,Lys38(Nε-(ω-カルボキシペンタデカノイル))-GLP-l(7-38);Arg26,34,Lys36(Nε-(γ-Glu(N-α-ヘキサデカノイル)))-GLP-l(7-36);または配列番号:1−40および43−45のいずれか1のアミノ酸配列を含むいずれかのペプチドであり;配列番号:25−40のいずれか1のアミノ酸配列を含むペプチドは所望により配列番号:42のアミノ酸配列に結合していてもよく;試験化合物は所望によりアミド化されていてもよい請求項1、2、5、6、8、9、11、12、18または19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって:
(a)GLP-1受容体アゴニスト化合物および6-23(クローン6)細胞を含む試料を調製し;
(b)工程(a)からの試料を刺激するための剤を加えて6-23(クローン6)細胞中にcAMPを生成させ;
(c)(i)工程(b)からの試料;
(ii)約620nmの測定用波長の蛍光を生成することができるユーロピウム-クリプタートに結合した抗-cAMPモノクローナル抗体;および
(iii)約665nmの補正用波長の蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMP
を合することによって反応混合物を形成し;
ここに、反応混合物は6-23(クローン6)細胞を溶解することができる緩衝液を含み;
(d)外部放射線源によって約337nmの単一励起波長にて工程(c)からの反応混合物を照射し;
(e)第1の化合物による約620nmの蛍光および反応混合物の干渉パラメータを考慮した第2の化合物による約665nmの蛍光の両方を同時に測定し;
(f)約665nmの第2の化合物によって発せられた蛍光に基づいて約620nmの第1の化合物によって発せられた蛍光について補正した蛍光を計算し;
(g)試料中のcAMPの存在または定量的な量に対して補正した蛍光の読みを相関させ;ついで、
(h)エクセナチドのGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
工程を含む該方法。
【請求項41】
試料が、(i)GLP-1受容体アゴニスト化合物を含む医薬組成物および(ii)6-23(クローン6)細胞を含む請求項38記載の方法。
【請求項42】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項40記載の方法。
【請求項43】
GLP-1受容体アゴニスト化合物のGLP-1受容体アゴニスト活性を検出または測定するための方法であって:
(a)GLP-1受容体アゴニスト化合物;6-23(クローン6)細胞;および約665nmの補正用波長の蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMPを含む試料を調製し;
(b)工程(a)からの試料を刺激するための剤を加えて6-23(クローン6)細胞中にcAMPを生成させ;
(c)(i)工程(b)からの試料;および
(ii)約620nmの測定用波長の蛍光を生成することができるユーロピウム-クリプタートに結合した抗-cAMPモノクローナル抗体
を合することによって反応混合物を形成し;
ここに、反応混合物は6-23(クローン6)細胞を溶解することができる緩衝液を含み;
(d)外部放射線源によって約337nmの単一励起波長にて工程(c)からの反応混合物を照射し;
(e)約620nmの蛍光および反応混合物の干渉パラメータを考慮した約665nmの蛍光の両方を同時に測定し;
(f)約665nmの化合物によって発せられた蛍光に基づいて約620nmの化合物によって発せられた蛍光について補正した蛍光を計算し;
(g)試料中のcAMPの存在または定量的な量に対して補正した蛍光の読みを相関させ;ついで、
(h)エクセナチドのGLP-1受容体アゴニスト活性に対して試料中のcAMPの量を相関させる
工程を含む該方法。
【請求項44】
試料が、(i)エクセナチドを含む医薬組成物;(ii)6-23(クローン6)細胞;および(iii)約665nmの補正用波長の蛍光を発することができる蛍光基に結合したcAMPを含む請求項43記載の方法。
【請求項45】
さらに、反応混合物をインキュベートすることを含む請求項43記載の方法。
【請求項46】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がエキセンジンまたはエキセンジン・アナログである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がGLP-1(7-37)またはGLP-1(7-37)アナログである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がエクセナチドである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
GLP-1受容体アゴニスト化合物が配列番号:2-54および60のいずれか1のアミノ酸配列を含むペプチドであり、ここにGLP-1受容体アゴニスト化合物は所望によりアミド化されていてもよい請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がエキセンジン-4-Lys40(ε-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-AEEA-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-MPA)-NH2;エキセンジン-4-Lys40(ε-MPA)-アルブミン;エキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-AEEA-MPA)-アルブミン;またはエキセンジン-4-Lys40(ε-AEEA-MPA)-アルブミンである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がリキシセナチド(lixisenatide)である請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がリラグルチドである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がアルビグルチドである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がタスポグルチドである請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
GLP-1受容体アゴニスト化合物が(A)(i)C45またはC46の1のポリエチレングリコール基または(ii)C45のポリエチレングリコール基およびC46のポリエチレングリコール基に共有結合した配列番号:44のアミノ酸配列;または(B)(i)C45またはC46の1のポリエチレングリコール基または(ii)C45のポリエチレングリコール基およびC46のポリエチレングリコール基に共有結合した配列番号:45のアミノ酸配列を含む請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
GLP-1受容体アゴニスト化合物が(i)配列番号:43のアミノ酸配列または(ii)配列番号:41のアミノ酸配列に共有結合した配列番号:25-40のアミノ酸配列のいずれか1を含む請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
配列番号:25-40のいずれか1のアミノ酸配列が、配列番号:42(式中、xは1、2、3、4、5または6)のアミノ酸配列を介して配列番号:41のアミノ酸配列に共有結合している請求項56記載の方法。
【請求項58】
式中、xが2、3または4である請求項57記載の方法。
【請求項59】
GLP-1受容体アゴニスト化合物がLY2189265またはLY2428757である請求項40、41、43または44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
試料がVICTOZA(登録商標)である請求項1、5、8、11、18、25、30、40または43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
試料がSYNCRIA(登録商標)である請求項1、5、8、11、18、25、30、40または43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
試料がEQWである請求項1、5、8、11、18、25、30、40または43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
試料がBYETTA(登録商標)である請求項1、5、8、11、18、25、30、40または43のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−523052(P2011−523052A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510592(P2011−510592)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044135
【国際公開番号】WO2009/143014
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(598133654)アミリン・ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】AMYLIN PHARMACEUTICALS, INC.
【住所又は居所原語表記】9360 Towne Centre Drive, San Diego, CA 92121 USA
【Fターム(参考)】