説明

HER2標的化療法に対する乳癌細胞の感受性を決定するためのバイオマーカー

本発明は、腫瘍細胞などの細胞中のシグナル伝達経路の成分の発現及び/又は活性化状態を検出するための組成物及び方法を提供する。本発明を用いることによって得られたシグナル伝達経路の成分の発現及び/又は活性化についての情報を、癌診断、予後診断、及び癌治療の設計に用いることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
HER2活性を調節する化合物に対する細胞の感受性を決定する方法であって:
(a)細胞を前記化合物と接触させる工程;
(b)前記細胞を溶解させて細胞抽出物を生成する工程;
(c)前記細胞抽出物中のHER2又はp95HER2の活性化レベルを決定する工程;及び
(d)工程(c)で決定されたHER2又はp95HER2の活性化レベルをHER2又はp95HER2の参照活性化レベルと比較する工程;を含み、
HER2又はp95HER2の前記参照活性化レベルと比較してより高い細胞抽出物中のHER2又はp95HER2レベルの存在が、前記細胞が前記化合物に対して感受性でないことを示す、前記方法。
【請求項2】
前記化合物がHER2活性を阻害する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物がモノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記モノクローナル抗体がトラスツズマブ(Herceptin(商標))、ペルツズマブ(2C4)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記チロシンキナーゼ阻害剤がゲフィチニブ、エルロチニブ、ピリチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
HER2又はp95HER2の前記参照活性化レベルが前記化合物を用いて処理された化合物感受性細胞から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物感受性細胞がBT−474細胞である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞抽出物中のHER2活性化のレベルがHER2の参照活性化レベルより少なくとも2〜3倍高い、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞抽出物中のp95HER2活性化レベルがp95HER2の参照活性化レベルより少なくとも5倍高い、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
HER2又はp95HER2の参照活性化レベルと比較して同様の又はより低い前記細胞抽出物中のHER2又はp95HER2レベルの存在が、前記細胞が前記化合物に対して感受性であることを示す、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
HER2又はp95HER2の前記参照活性化レベルが前記化合物で処理されていない細胞から得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記細胞抽出物中のHER2及びp95HER2両方の活性化レベルを決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
HER2又はp95HER2の活性化レベルがHER2又はp95HER2のリン酸化レベルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記細胞抽出物中の追加のシグナル伝達分子1種又は2種以上の活性化レベルを決定する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記追加のシグナル伝達分子1種又は2種以上がEGFR(HER1)、HER3、HER4、PI3K、AKT、MEK、PTEN、SGK3、4E−BP1、ERK2(MAPK1)、ERK1(MAPK3)、PDK1、P70S6K、GSK−3β、Shc、IGF−1R、c−MET、c−KIT、VEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、受容体二量体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
HER3の参照活性化レベルと比較してより高い前記細胞抽出物中のHER3活性化レベルの存在が、前記細胞が前記化合物に対して感受性でないことを示す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞抽出物中のHER3活性化レベルがHER3の参照活性化レベルより少なくとも2〜3倍高い、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
PI3Kの参照活性化レベルと比較してより高い前記細胞抽出物中のPI3K活性化レベルの存在が、前記細胞が前記化合物に対して感受性でないことを示す、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記受容体二量体がp95HER2/HER3へテロ二量体、HER2/HER2ホモ二量体、HER2/HER3へテロ二量体、HER1/HER2ヘテロ二量体、HER2/HER3ヘテロ二量体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
p95HER2/HER3ヘテロ二量体の参照活性化レベルと比較してより高いp95HER2/HER3ヘテロ二量体活性化レベルの存在が、前記細胞が前記化合物に対して感受性でないことを示す、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞が腫瘍細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記腫瘍細胞が循環腫瘍細胞又は腫瘍から得られた微細針吸引液(FNA)細胞である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記腫瘍細胞が乳癌細胞である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記細胞が試料から単離される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記試料が乳癌を有する被験者から得られる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記試料が全血、血清、血漿、又は腫瘍組織試料である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
工程(d)で得られた比較の結果を読み取り可能なフォーマットでユーザーに提供する工程(e)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
工程(c)のHER2又はp95HER2の活性化レベルを決定する工程がリン酸化HER2又はリン酸化p95HER2に特異的な抗体を用いて前記細胞抽出物中のHER2又はp95HER2のリン酸化レベルを検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
工程(c)のHER2の活性化レベルの決定が、以下の段階:
(i)細胞抽出物をHER2に特異的な捕捉抗体の希釈系列とインキュベートして複数の捕捉された受容体を形成する段階であって、前記捕捉抗体が固体支持体上に拘束されている段階;
(ii)前記複数の捕捉された受容体をHER2に特異的な活性化状態非依存性抗体及び活性化状態依存性抗体を含む検出抗体とインキュベートして複数の検出可能な捕捉された受容体を形成する段階であって、
前記活性化状態非依存性抗体が促進成分を用いて標識化されており、前記活性化状態依存性抗体がシグナル増幅対の第1のメンバーを用いて標識化されており、そして前記促進成分が前記シグナル増幅対の第1のメンバーへチャネリングして該メンバーと反応する酸化剤を生成する段階;
(iii)前記複数の検出可能な捕捉された受容体を前記シグナル増幅対の第2のメンバーとインキュベートして増幅シグナルを生成する段階;及び
(iv)前記シグナル増幅対の第1及び第2のメンバーから生成された前記増幅シグナルを検出する段階;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
工程(c)のp95HER2の活性化レベルの決定が、以下の段階:
(i)前記細胞抽出物を、全長HER2の細胞外ドメイン(ECD)結合領域に特異的な複数のビーズとインキュベートする段階;
(ii)前記細胞抽出物から前記複数のビーズを除去し、それによって全長HER2を除去して、全長HER2を含まない細胞抽出物を形成する段階;
(iii)前記全長HER2を含まない細胞抽出物を全長HER2の細胞内ドメイン(ICD)結合領域に特異的な捕捉抗体の希釈系列とインキュベートして複数の捕捉された受容体を形成する段階であって、前記捕捉抗体が固体支持体に拘束されている段階;
(iv)前記複数の捕捉された受容体を、全長HER2のICD結合領域に特異的な活性化状態非依存性抗体及び活性化状態依存性抗体を含む検出抗体とインキュベートして、複数の検出可能な捕捉された受容体を形成する段階であって、
前記活性化状態非依存性抗体が促進成分を用いて標識化されており、前記活性化状態依存性抗体がシグナル増幅対の第1のメンバーを用いて標識化されており、そして前記促進成分が前記シグナル増幅対の第1のメンバーへチャネリングして該メンバーと反応する酸化剤を生成する段階;
(v)前記複数の検出可能な捕捉された受容体を、前記シグナル増幅対の第2のメンバーとインキュベートして、増幅シグナルを生成する段階;及び
(vi)前記シグナル増幅対の第1及び第2のメンバーから生成された前記増幅シグナルを検出する段階;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
ECD結合領域に特異的な複数のビーズがストレプトアビジン−ビオチン対を含んでおり、ストレプトアビジンがビーズに結合しており、ビオチンが抗体に結合している、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記抗体が全長HER2のECD結合領域に特異的である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記支持体がガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項34】
前記捕捉抗体がアドレス可能なアレイにおける固体支持体上に拘束されている、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項35】
前記活性化状態非依存性抗体が前記促進成分を用いて直接的に標識化されている、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項36】
前記活性化状態依存性抗体が前記シグナル増幅対の第1のメンバーを用いて直接的に標識化されている、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項37】
前記活性化状態依存性抗体が、該活性化状態依存性抗体にコンジュゲートされた結合対の第1のメンバーと前記シグナル増幅対の第1のメンバーにコンジュゲートされた結合対の第2のメンバーとの間の結合を介して、前記シグナル増幅対の第1のメンバーを用いて標識化されている、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項38】
前記結合対の第1のメンバーがビオチンである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記結合対の第2のメンバーがストレプトアビジンである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記促進成分がグルコースオキシダーゼである、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項41】
前記グルコースオキシダーゼ及び前記活性化状態非依存性抗体がスルフヒドリル活性化デキストラン分子にコンジュゲートされている、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記スルフヒドリル活性化デキストラン分子が分子量約500kDaを有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記酸化剤が過酸化水素(H)である、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記シグナル増幅対の第1のメンバーがペルオキシダーゼである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ペルオキシダーゼが西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記シグナル増幅対の第2のメンバーがチラミド試薬である、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記チラミド試薬がビオチン−チラミドである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記増幅シグナルが、活性化チラミドを生成する、前記ビオチン−チラミドのペルオキシダーゼ酸化によって生成される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記活性化チラミドが直接的に検出される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記活性化チラミドがシグナル検出性試薬の添加により検出される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記シグナル検出性試薬がストレプトアビジン標識化フルオロフォアである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記シグナル検出性試薬がストレプトアビジン標識化ペルオキシダーゼと発色試薬との組み合わせである、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記発色試薬が3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である、請求項52に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47a】
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【図47b】
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【図47c】
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【図47d】
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【図47e】
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【図47f】
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【図48a】
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【図48b】
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【図48c】
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【図49】
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【図50】
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【公表番号】特表2012−526992(P2012−526992A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511029(P2012−511029)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/034814
【国際公開番号】WO2010/132723
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(508161207)プロメテウス ラボラトリーズ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】