説明

ICカード、該カードに接続される電子回路装置及び該電子回路装置の制御方法

【課題】ICカードを、動きを検出し、検出された動きを表すメッセージを受信し、処理し、受信メッセージの要求された機能を制御するように構成する。
【解決手段】本発明のICカードは、電子装置と対話する手段と、カードの動き、方向を表す信号を生成する動き又は方向センサと、前記信号に基づいて、少なくとも動き又は位置のタイプを識別する識別手段とを有し、記電子装置により実行可能な、前記識別されたタイプに関係するコマンドを送信する送信手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はICカード、該カードに接続される電子回路装置及び該電子回路装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子装置に動き、方向センサを備え、前記センサにより検出される動き又は位置に応じて前記電子装置を機能させることが提案されてきた;例えば、電子装置の機能は、同装置により実行される動き(ユーザの意図的な動作による)によりトリガーされる。
【0003】
この意味で、公報WO2007/149747は取り出し可能カードに動きセンサを設けることが提案されている。これは、センサにより検出された事象(即ち、動き)を表すメッセージを、カードを収納する電子装置に送信することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
もし、この解決方法により、電子装置を換えることなく、全体として動きセンサにより与えられることが可能になるけれども、前記装置は、検出された動きを表すメッセージを受信し、処理し、受信メッセージの要求された機能を制御するように構成されることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特に、この制約を回避し、電子装置の構成を変えずに、カードが動きセンサを持つメリットを電子装置に与えるために、本発明は、電子装置と対話する手段、動き又は位置センサ(カードの動き又は方向を表す信号を生成する)、前記信号に基づいて、少なくとも1のタイプの動き又は位置を識別するための手段を持ち、電子装置により実行可能で、識別タイプに関係するコマンドを送信する手段を持つことを特徴とするICカード(microcircuit card)を提案する。
【0006】
従って、動き検出から実行される動作の決定に至る決定ステップ(複数)は、カードにおいて実行される。該カードは、前記装置が前記決定ステップを知ることなく、電子装置に実行可能コマンドを送信する。
【0007】
例えば、ICカードは識別モジュールである。この場合、コマンドは、識別モジュールのtoolkit からのコマンドであることができる;実際には、ICカードは例えば、移動電話ネットワーク識別子(例えば、SIM,USIM)カードであり、コマンドはSIM Toolkit commandであることができる。
【0008】
例えば、電子装置により実行されるときに、コマンドは、電子装置により信号の再生を行うようにできる(例えば、メニュー表示、オペレータの表示又は音声信号の再生)。
【0009】
電子装置が通信装置である場合、コマンドは通信を開始するように構成することができる(コマンドが電子装置により実行されるとき)。
【0010】
動きセンサは、例えば、加速度メータ(accelerometer)である;別のタイプのセンサであってもよい。
【0011】
次に、より詳細に説明すると、ICカードは、電子装置から送られてくる、事象(例えば、ツールボックス(通常SIM Toolkitタイプ)の事象)を表す情報であって、例えば受信信号を表す情報を、受信する受信手段を有している;識別手段は、事象が検出されたときに、動き又は位置タイプを正確に識別するように構成されることができる。また、例えば、コマンドは、この場合、事象に関係することができる(例えば、受信信号に)。
【0012】
別の実施例によれば、先行のものとの組み合わせにおいて、ユーザの操作を検出する検出手段、検出された操作に応じて、装置の動き又は位置のタイプを装置の機能と関係付ける手段を設けることができる。ユーザに、使用方法についての柔軟性を与えることができる。
【0013】
また、前記信号に基づいて、カード又は電子装置の方向を決定する手段を設けることができる。関係する方向はユーザが行う特定の動きの後で決定することができる。
【0014】
更に、少なくとも対話により開始される条件下で、装置宛に、装置のマイクロプロセッサにより実行されるプログラム(このプログラムは、このマイクロプロセッサにより実行される命令を含む)を送信する送信手段を設け、例えば、後記するように、ICカードにおいて実行される処理アルゴリズムのインストールプログラムを自動的に実行することができる。
【0015】
本発明は、また、前記したICカードを持ち、該カードと対話する電子装置を提案する。
【0016】
最後に、本発明は、動き又は方向センサを持つICカードと対話し、次のステップを有することを特徴とする電子装置のコマンド方法を提案する。
−動き又は方向センサによりカードの動きまたは方向を表す信号を生成するステップ;
−前記信号に基づいて動き又は位置のタイプを識別するステップ;
−電子装置宛に識別されたタイプに関係するコマンドをカードが送信するステップ;
−前記コマンドの実行により電子装置の機能を実行するステップ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
別の本発明の特徴と有利な点は、図面を参照しつつ、以下の説明を読むことにより明らかである。
【図1】本発明を実行するのに使われる移動電話の主要な構成要素を表す。
【図2】本発明に基づいて生成されるICカードの主要な構成要素を表す。
【図3】図1,2の装置の第1のアプリケーションの例を表す。
【図4】上記装置の第2のアプリケーションの例を表す。
【図5】図1の装置の動きに関係する機能に対する方法を示す。
【図6a】図6aは本発明の実施例における方法を示す。
【図6b】図6bは本発明の実施例における方法を示す。
【図7】図6aの複数ステップの変形を示す。
【図8】図2のICカードをイニシャライズするときに実行される方法を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、通信電子装置100(ここでは、移動電話)の主要構成要素が示されている。
【0019】
移動電話100は、マイクロプロセッサ130を備えている。同プロセッサには不揮発性メモリ140(例えばフラッシュメモリ)及び揮発性メモリ(RAM)150が接続されている。
【0020】
移動電話はキーパッド120、表示装置110を有している。これらは移動電話のユーザのインターフェース手段である。
【0021】
最後に、移動電話はICカード200(詳細は後記する)を収納している。同カードは、例えば、物理的接続手段160を介して、マイクロプロセッサ130とデータの交換を行うように構成されている。別の構成として、IC回路130とICカード200との間でデータを交換するために、他の手段が設けられている。例えば、無線通信手段、近距離無線通信手段が好ましい。
【0022】
図2には、ICカード200の主要な構成要素が示されている。
【0023】
ICカードには、マイクロプロセッサ210と、これに接続される不揮発性メモリ220が設けられている。
【0024】
入出力インターフェース240(接続手段160における、対応接点と接続するように構成された接点)により、ICカード200のマイクロプロセッサ210は外部装置と対話する。特に、ICカード200が接続手段160と接続されているときには、移動電話100のマイクロプロセッサ130と対話する。
【0025】
ICカード200は、動きセンサ230を有している。ここで、加速度メータタイプのセンサである。このセンサは、地上の基準フレームにおける、(ここでは、少なくともICカードの少なくとも1の次元に基づく加速度を使って)ICカード200の少なくとも一つの動きの要素(component)に対しアクセスすることができる。
【0026】
変形例として、動きセンサ230は、1つの軸の周りのカードの回転スピードを測定するジャイロスコープであってよい。更に、別のやり方として、動きセンサ230を位置センサにより置き換えることができる。例えば、地球の磁界に関係してICカード200の位置を決定するように構成された磁気センサであることができる(この点については、EP1731098を参照)。
【0027】
一以上の位置又は動きセンサは、本発明の範囲から逸脱することなく、当然にICカード200において使用される。
【0028】
更に、最初の実施例において、動きセンサ230は(マイクロプロセッサ210に対して)所定時間に検出された動きを表す情報を(常時又はマイクロプロセッサからの問い合わせに対して)与えることができる。
【0029】
第2のタイプの実施例において、動きセンサ230は複数の検出値を記憶することができ、これら値の時系列値(前記複数の値を含め)を、例えば特別の期間に又は他の期間に、マイクロプロセッサの要求に応じて配送することができる。
【0030】
ICカード200は、例えば、電話(特に移動電話)ネットワーク加入者識別カード、例えばSIM(Subscriber Identity Module),USIM(Universal Subscriber Identity Module)、又はRUIM(Removable Universal Identity Module)である。
【0031】
図3は本装置の応用例である。
【0032】
この例において、電話器が、同一の電話ネットワークの接続されている他の電子装置から呼を受け取ると(ステップE300)、ステップE302において、これをICカード200に通報する(例えば、SIM Toolkit eventを使って)。次に、ICカード200のマイクロプロセッサ210は、ステップE304において、入ってきた呼が検出された旨の情報を受け取る。
【0033】
次に、マイクロプロセッサ210は、ステップE306において、センサ320からのデータを使って動き検出アルゴリズム(又はプログラム)を実行する。このアルゴリズムは、例えば、ICカード200の不揮発性メモリ220に記憶されている。
【0034】
次に、マイクロプロセッサ210は、移動電話100のマイクロプロセッサ130に、検出された動きのタイプに基づくコマンドを送る。
【0035】
例えば、マイクロプロセッサ210は、ステップE306において検出された動きの機能として、不揮発性メモリ220において所定のメッセージを選択し、コマンド(例えば、SIM Toolkit command)を送信し、移動電話ネットワークを介して前記選択されたメッセージを、例えばSMSメッセージ(この場合、SIM Toolkit commandは、“send SMS”である)又はMMSメッセージを使って送信する。別の方法としてボイスメッセージを送信することができる。
【0036】
もし、電話で2つのタップ(taps)が検出されると(センサにより、2つのシリーズの低増幅振動の検出)、例えば、第1のタイプのメッセージが重要である。また、第1の方向次に反対方向で反復される動きの場合(反応が無い別の例において)、第2のタイプのメッセージが重要である。第1タイプのメッセージと第2タイプのメッセージ(各タイプのメッセージ関係している)は、不揮発性メモリ220に記憶される。
【0037】
前記SIM Toolkit commandは、移動電話100のマイクロプロセッサ130に送られる。前記移動電話はステップE312で,それを受け取り、実行する。それにより、ステップE314において、ICカードの動きセンサにより検出される動きに応じて、移動電話ネットワークを介して、予め選択されたメッセージの送信が行われる。
【0038】
図4は、前記装置の別の応用例である。
【0039】
この応用において、前記動きセンサ230は、ステップE400において、常時、ICカードの200の動きを検出する(即ち、ICカード200を収容する移動電話100の動き)。
【0040】
検出された動きの値は、周期的に落下運動サイン(例えば不揮発性メモリ220に記憶されている)と比較される。この点については、USP出願2001/004234を参照されたい。
【0041】
ステップE404で、落下が検出されたか否かが決定される(比較ステップE402の結果に応じて)。
【0042】
もし、落下が検出されなかった場合、動きの連続検出はステップE400で連続検出が継続される。
【0043】
反対に、不揮発性メモリ220に記憶されたサイン(signaiture)と動き検出値が比較され、落下が検出された場合(例えば、電話を携帯する人物の落下の動きに対応するサイン)、マイクロプロセッサ210は、移動電話100にマイクロプロセッサ130により実行されるコマンドを送信する。これは、GSM11.14標準により定義されるSIM Toolkit機能である。
【0044】
マイクロプロセッサ210がマイクロプロセッサ130に送信するコマンドは(インターフェース240及び接続手段160を介して送られる)、例えば、エマージェンシーセンターに通報するために、移動電話ネットワークを使って、移動電話100による呼を生成する可能性がある。移動電話の所有者との通信が(SIM Toolkit“SET UP CALL”を使って)開始される。
【0045】
他方、プロセッサ210により送信されるコマンドは、メッセージの移動電話ネットワークを介して、メッセージ送信を実行する(例えば、SMSタイプのメッセージ。その場合SIM Toolkit“SEND SMS”が使われる)。このメッセージは特に、別の情報(例えば、セルネットワークにおいて移動電話100が接続されている子を識別することにより入手される、又は、GPS位置決め手段により入手さえる移動電話の位置情報)と共に、予約者識別番号を含むことができる。
【0046】
移動電話は、このような検出を行うために予め構成されていないとしても、ICカード200により検出された動きに基づいて、呼またはメッセージを発することが理解される。
【0047】
前記した(複数)実施例において、ICカードの動き又は位置から、移動電話100の動きと位置を推定することができる。これら2つの要素は物理的に関係しているからである。
【0048】
しかし、移動電話100の内のICカード200の位置を表示することは好ましい(特に、動きにより開始されるコマンドが移動電話に関係する方向及びICカード200に依存する場合)。これは、移動電話100にICカード200を最初に挿入するときにしか実行されないステップである。
【0049】
第1実施例によると、移動電話110におけるカード200の位置は、表示装置110に対応するメニュー表示に応答して、キーボード120を使って、ユーザにより表示される。同メニューは、ICカード200により記憶されている(不揮発性メモリ220)。また、電話による表示は、カード200が移動電話100に送るコマンドSIM Toolkit“SELECT ITEM”により制御される。
【0050】
第2の実施例において、アプリケーションがマイクロプロセッサ210により実行され、移動電話1000と共に特定の動きを実行することを、ユーザに対し要求するメッセージが表示装置110に表示される。
【0051】
ユーザが実行した電話100の特定の動きを、カード200の中に設けられた動きセンサ230が検出することにより、プロセッサ210がICカードおよび移動電話100に関係する方向を推定することができる。
【0052】
図5は、電話の動きに関係する機能を形成する方法を表す。例えば、移動電話100におけるICカードの位置に関する記述を補完するものである。
【0053】
この方法は、移動電話100の表示画面110上に可能な表示を行うこと及びステップE500においてインターフェース手段(ここでは、キーボード)を使ってユーザによる動き(複数)から1を選択することから始まる。
【0054】
実施例によると、ユーザにこの動きを実行させ、ステップE502においてテストを実行することができる:動きセンサ230により検出されるような動きに応じて、情報を表示する。この情報により、ユーザは、ステップE502のテストを必要に応じて繰り返し、所定の動きに近づくことができる。ユーザが行い、動きセンサ230が検出する動きが、ステップE500で選択された予め決められた動きに十分類似しない間は(例えば、動きサインで)繰り返される。
【0055】
次に、ユーザは、ステップ500で選択される動きに関係する動作を、インターフェース手段110,120を使って選択することが要求される:関係する動作は、通常、移動電話100により実行される1つの機能である。例えば、メニューの表示、所定番号の呼び出し、メッセージの送信(例えばSMSタイプ)、インターネットワークへの接続又は、電話網以外の無線通信手段の実行(例えば、Bluetooth(登録商標)、又はWIFI)である。
【0056】
一旦ユーザが動作を選択すると、ステップE500で選択された動きはステップE504で選択された操作(action)に関係付けられ、例えば、不揮発性メモリ220にその関係付けが記憶される。
【0057】
従って、移動電話100の機能についての続くステップで、ステップE508で示されるように、動きセンサ230により動き(ステップE500で予め選択された動き;例えば、小さい振幅の短い時間の動きとして、センサ230により検出された電話の上への短時間のタップ)が検出された場合、マイクロプロセッサ210は、前記したように、例えば、適切なSIM Toolkit command(例えば、上記のオペレータのメニューを表示する例の場合”SELECT ITEM”)を使って、移動電話100のマイクロプロセッサ130による、検出された動きに関係する動作(例えば、オペレータのメニュのようなメニュー表示)の実行を要求する(ステップE510)。
【0058】
一つの実施例において、前記ステップE500とE502は、自由な動きをユーザに対し要求する表示に、ユーザによる動き(続いて、ユーザの希望に基づいて、予定される操作に関係する動き)の検出に、置き換えられる。
【0059】
図6aと図6bは、実行可能な一つの例において実行される方法を示している。動き又は位置センサ230から出力される信号の処理は、電話100のマイクロプロセッサ130により実行される。
【0060】
この方法において、ユーザは、例えば、ステップE602において電話をスイッチを入れる。これによりステップE204においてICカードに電源が入り、プロトコールISO7816とUSB(ICカードは、標準ISO7816-12に準拠した2つのタイプのプロトコールに基づいて通信を行うように構成された接点を有している)に基づいて、これら2つの部品の間の通信を開始される(ステップE606、E608)。
【0061】
ICカード200は、ステップE610で、少なくとも不揮発性メモリ220の1部分がマス ストアレッジ メモリ(memoire de masse;ここでは、USBプロトコールに基づく)であることを宣言する。前記宣言されたマス ストアレッジ メモリは“autorun(自動実行)”タイプのプログラムを有している。これは、このマス ストアレッジ メモリに接続されるプロセッサにより自動的に実行される。
【0062】
従って、ステップE612において、移動電話100のマイクロプロセッサ130は、この自動実行プログラムを検出し、揮発性メモリ150にロードし(ステップE610で宣言されたマス ストアレッジ メモリから)、自動開始プログラムを実行する。次に記載されるステップE614乃至E622の実行を行う。
【0063】
ステップE614において、自動開始プログラムは、動きセンサのデータ処理のアルゴリズムをインストールするためのファイルの要求を、ICカード200宛てに送出する。
【0064】
ICカードは、要求されたインストールファイル(installtion file)を不揮発性メモリから読み取り、ステップE616において、移動電話宛に送信する。
【0065】
マイクロプロセッサ130はインストールファイルのバージョンを確認し、ステップE620でインストール済みの同一タイプのファイルのバージョンと比較する。
【0066】
既に、同一タイプのファイルがインストールされており、ICカードから受け取ったバージョンが、インストール済みバージョンと同一か、それより前のものである場合、ステップE622は行わない。
【0067】
別のケースの場合、E622で、ステップE616で受け取ったファイルを使って、処理アルゴリズムのインストールに進む。
【0068】
前記のインストールされたばかりの処理アルゴリズムは、移動電話100の操作の、例えば、バックグラウンドタスクとして、後半のステップで実行される。
【0069】
ここに記載した例において、このアルゴリズムは特にステップE624を有している。このステップにおいて、ICカード200(正確には、不揮発性メモリ220)に記憶された動きサインが要求される。
【0070】
ステップE626において、ICカード200は要求されたサインを送信する。
【0071】
また、処理アルゴリズムは、ICカード200から、動き又は位置センサ230により検出される移動電話の動き又は位置を表す値を要求するステップE628を含む。
【0072】
例えば、ステップE624及びステップE628の要求は、APDUコマンドの形式を取ることに留意すべきである。
【0073】
ステップE630において、測定された値(複数)は、電話100に送られる。
【0074】
処理アルゴリズムは、比較ステップE632を含む。このステップで、特定の動きが検出される場合には、移動電話により受信された最後の測定値が動きサインと比較され、ステップE634で決定される。
【0075】
そうではない場合、処理アルゴリズムはステップE628に戻る(周期的に、繰り返される)。その場合、センサ230により測定された新しい値(複数)がAPDUコマンドを使って要求される。
【0076】
反対に、もし特定タイプの動きが、ステップE634において検出されると、ステップE636において 、処理アルゴリズムは、ICカード200のマイクロプロセッサ210宛てに、検出された動きタイプを示す情報を送信する。
【0077】
この情報を受信すると、既に上記したように、マイクロプロセッサ210は、検出された動きタイプに応じてコマンドを選択する(ステップE638)。
【0078】
選択されたコマンドは、マイクロプロセッサ210により、移動電話100のマイクロプロセッサ130に送られる(例えば、SIM Toolkit commandの形式で)。
【0079】
マイクロプロセッサ130は選択されたコマンドを受け取り、ステップE642でそれを実行する。
【0080】
上記した方法を使うと、移動電話100において処理の一部(特に、メモリとプロセッサ資源を大量に使う部分)を実行し、ICカード200の内の動き/位置センサの存在から来る処理負担を軽減することができる。
【0081】
しかしながら、処理アルゴリズムの自動的インストールのおかげで、この目的に合うように構成されていない移動電話においても、本方法が実行できる。
【0082】
図7は、図6aのステップE614、E622の変形例を示す。
【0083】
電話において実行されるこの方法のステップ(即ち、ステップE702、E708,E716、E718、E720)は、ICカードにあるautorunプログラムにおいて実行され、電話に自動的にロードされ、実行される。このことは、図6aで既に説明したものと同様である(この理由で、図6aのステップE602乃至E612に等価な先立つステップは詳細には説明しない)。
【0084】
ステップE702において、autorunプログラムは、電話100のプロセッサ130にICカード200宛てに要求を送信させ、ICカードが加入者及び関係するサインの識別子を送る。
【0085】
次に、ステップE704において、ICカードは、加入者の識別に関係する暗号化サインの計算を行う(例えば、ICカードに記憶されたプライベートキーを使って)。
【0086】
次に、ICカードはステップE706において、識別子と暗号化サインを電話100宛てに送信する。
【0087】
続いて、ステップE708において、電話は、サインの識別子を含む要求を遠隔のサーバに送信する。
【0088】
遠隔のサーバに対する接続は、例えば、移動電話100を電話網に接続する手段を用いて実行される(例えば、遠隔のサーバとの通信は電話網、インターネット網を介して行われる)。
【0089】
このためには、電話により実行されるautorunプログラムは遠隔サーバに接続するアドレスを含む(変形例では、このアドレスは、ICカードに記憶され、電話からICカードへの要求により取得することができる)。
【0090】
ステップE702乃至E708の変形例によれば、ICカードから自動的にロードされるプログラムは、識別子及びICカードの暗号化サインを含む。その場合ステップE702乃至E706は不要である。
【0091】
次に、ステップE708において、遠隔サーバは、ステップE710において要求を受け取り、ステップE712において受け取った暗号化サインを検証する(例えば、カードのプライベートキーに関係する公開キーを使って)。
【0092】
当然、前記の方法を介する別のICカードの認証手段を考えることができる。その場合、ステップE712は、要求の送信者の正当性を検証する。
【0093】
サインが検証されたとき、ステップE714に進む。このステップでは遠隔サーバは、関係するサイン(又は別の認証手段)のあるインストールファイルを送信する。該インストールファイルは、複数のインストールファイルの中から、ステップE710で受け取った識別子に応じて選択される。
【0094】
当然、ステップE712において、サインが正しく検証されない場合は、プロセスが終了され、ステップE714は実行されない。
【0095】
ステップE714が実行されない場合、電話はステップE716で情報ファイルと関係サインを受け取る。
【0096】
電話(正確にはマイクロプロセッサ130)は、ステップE718においてサインを検証する。アプリケーションの合法性(legitimacy)及び/又は完全性を管理するように、これらは電話にロードされている。
【0097】
検証がポジティブな場合、動き/位置センサから出される値の処理アルゴリズムは、ステップE716で受け取ったインストールファイルを使って、電話100にインストールされる。
【0098】
次に、このアルゴリズムは、例えば、バックグラウンド タスクとして、図6bのステップE624及び次のステップにおいて説明したように、実行される。
【0099】
図8に、ICカード200のイニシャライズ時に実行され、これが、電話の内のICカードの最初の利用かどうかを決定し、最初の利用ではない場合、前記のインストールプログラムの自動的実行を禁止する方法を示す(図6のステップE608における通信について説明した)。
【0100】
この方法はステップE802で、例えば、オプション”IMEI”とSIM Toolkit command “Provide Local Information”を使って、ICカードから電話の識別子を要求することから開始される。これにより、ICカードが電話100の唯一の識別子IMEI(”International Mobile Equipment Identifier”)を取得することができる。
【0101】
ICカード200は、ステップE804において、応答として、この識別子を受け取り、ステップE806で、本方法を前に実行したときに予め記憶された識別子と、受け取った識別子を比較する(後記ステップE816を参照)。
【0102】
識別子が一致するとき(ステップE808)、図6a,7に関する記載で述べたプログラムの自動的実行の禁止に進む(ステップE810);例えば、禁止は自動的実行ファイルの名称を変更することにより行われ、もはや、そのファイル名は自動的開始ファイルではない。変形例として、ファイルを移動したり、又はその属性を変更し、隠れファイルとし、自動的に実行されないようにすることもできる。他の選択として単にファイル削除とすることができる。
【0103】
ステップE808において識別子が一致していない場合(最初に、ICカードを持つ移動電話のスイッチがオンされた場合)、ステップE812に進む。このとき、プログラムの自動的実行が開始される;いかに禁止されているかに依存するが、自動的実行を開始するには、自動的実行を意味する形式にファイル名を戻す、自動的実行を可能にする範囲にファイルを移す、属性を変更し隠れファイルと見なされないようにする、又は自動的開始ファイルを再インストールする(前に削除されている場合)ことである。必要があれば、移動電話100を使った通信により、例えば遠隔サーバにICカードの識別子を含む関係ファイルを入手するための要求を送信して行う。
【0104】
一旦、ステップE812で自動実行がアクティブにされる場合、ステップE804で受け取った識別子をステップE816で記憶され、続いてスイッチが投入されたときに、ICカード付移動電話100に既に第1番目のスイッチ投入が実行されていることが表示される。
【0105】
とにかく、ステップE810乃至E816は、例えば、図6aに記載されたステップE610に続くものである。
【0106】
前記の実施例は本発明を実施することができる例であって、これに限定されるものではない。用語の“動き”は、時間の経過と共に、関係するオブジェクトの空間における展開(evolution)を意味する;“動き”は、複数の個別の動きであることができる(ユーザにより実行される)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードであって、
−電子装置と対話する手段;
−カードの動き、方向を表す信号を生成する動き又は方向センサ;
−前記信号に基づいて、少なくとも動き又は位置のタイプを識別する識別手段;を有し、
−前記電子装置により実行可能な、前記識別されたタイプに関係するコマンドを送信する送信手段を有することを特徴とする
ICカード。
【請求項2】
前記ICカードは識別モジュールであって、前記コマンドが識別モジュールのツールボックスのコマンドである請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記カードは移動電話網識別カードであり、前記コマンドはSIM Toolkitタイプのコマンドである請求項2に記載のICカード。
【請求項4】
前記コマンドが前記電子装置により実行されるときに、前記コマンドが前記電子装置により信号の再生が実行される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項5】
前記再生は前記電子装置の表示装置におけるオペレータメニューの表示である請求項4に記載のICカード。
【請求項6】
前記電子装置は通信装置であり、前記コマンドは、前記電子装置により実行されるときに通信を開始するように構成される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項7】
前記動き船さは加速度メータである請求項1乃至6のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項8】
前記電子装置から、事象を示す情報を受信する受信手段、前記事象検出時にタイプを識別するように構成された識別手段を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のICカード。
但し、前記コマンドは前記事象に関係するものである。
【請求項9】
ユーザの操作を検出検出手段と、検出された操作に応じて、前記装置の動き又は位置のタイプを銭装置の機能に関係付ける手段を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項10】
前記表示信号に基づいて、前記カードと電子装置に関係する方向を決定する決定手段を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項11】
少なくとも対話により開始する条件下で、前記装置宛に、装置のマイクロプロセッサにより実行可能なプログラムを送信する送信手段を有する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に基づき、前記ICカードと対話を行う電子装置。
【請求項13】
動き又は方向センサを持つICカードと対話し、次のステップを有することを特徴とする電子装置のコマンド方法。
−動き又は方向センサによりカードの動き又は方向を表す信号を生成するステップ;
−前記信号に基づいて動き又は位置のタイプを識別するステップ;
−電子装置宛に、前記識別されたタイプに関係するコマンドをカードにより送信するステップ;
−前記コマンドの実行により、前記電子装置の機能を実行するステップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−108506(P2010−108506A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−251041(P2009−251041)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(508372630)オベルトゥル テクノロジ (11)
【Fターム(参考)】