説明

ICカード及びその製造方法

【課題】非接触通信の共振回路を構成するコンデンサの静電容量値またはアンテナコイルのインダクタンスを高精度に調整できるICカード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードであって、カード本体10と、カード本体に内蔵されたICチップ30と、カード本体に内蔵され、ICチップに接続され、コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)と、少なくともエンボス加工領域ARにおけるカード内部においてICチップと調整用コンデンサを接続して形成され、エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部(43a,43b,43c,43d)とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導により非接触で通信を行う非接触型ICカードまたは接触型と非接触型ICカードの双方の機能を有するICカード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁誘導により非接触で通信を行う機能を有するICカードでは、アンテナコイルとコンデンサを含む共振回路を内蔵して構成されている。
アンテナコイルは、例えばICカードを構成するアンテナ基板上においてコイル状にパターン形成された導電体により構成される。
また、コンデンサは、例えばICカードを構成するICチップ内に内蔵される。
上記の共振回路は、アンテナコイル及びコンデンサが設計値通りの特性であれば特に調整の必要性はない。
【0003】
しかし、ICチップに内蔵されるコンデンサの静電容量値を設計値通りとすることは難しく、例えば製造ロット間でのバラツキが発生し、この場合には、コンデンサの静電容量値調整が必要となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、アンテナコイルと同様にしてアンテナ基板の両面に電極をパターン形成して複数個の調整用コンデンサを予め設けておき、アンテナ基板上にICチップまたはICモジュールを実装した後で、不要な調整用コンデンサに接続する導電層を切断してコンデンサの静電容量値を調整する方法が開示されている。
上記の方法においては、コンデンサの静電容量値を調整した後に、他のカード基板と積層してプレスラミネートしてカード化している。
【0005】
ここで、調整用コンデンサの静電容量値Eは、一対の電極の対向する部分の面積S、電極間に設けられた誘電体(アンテナ基板)の誘電率ε、電極間距離(アンテナ基板の厚さ)dとすると、式(1)で表される。
【0006】
[数1]
E=εS/d ・・(1)
【0007】
特許文献1に記載のICカードの製造方法では、プレスラミネート時にアンテナ基板の厚さが薄く変化し、例えばプレスラミネート前のアンテナ基板の厚さdからプレスラミネート後にdに変化する。この場合、コンデンサの静電容量値は、プレスラミネートにより、式(2)で表される分大きくなる方向に変化する。
【0008】
[数2]
ΔE=εS/d−εS/d=εS・(d−d)/d ・・(2)
【0009】
従って上記の方法では、プレスラミネートでのコンデンサの静電容量値の変化量ΔEを織り込んで調整することが必要となる。
しかし、アンテナ基板に調整用コンデンサの電極を形成したときのアンテナ基板厚さのバラツキとプレスラミネート後のアンテナ基板厚さのバラツキなどがあるため、ΔEを正確に予想してコンデンサの静電容量値を調整するのは非常に困難である。
【0010】
特許文献2には、非接触方式及び接触方式で通信を行うデュアルICカードにおいて、カード基板にICチップ(モジュール)を実装するための凹部を形成するザグリ加工時において、カード基板に予め設けておいた複数個の調整用コンデンサの内の不要なコンデンサを切断する方法が開示されている。
【0011】
しかし、上記の特許文献2に記載の方法では、コンデンサの静電容量値調整をICチップの実装前に行うので、ICチップに内蔵されるコンデンサの静電容量値のバラツキを調整することはできない。
【0012】
特許文献3には、カード化後にカード最表面に導電層を形成してコンデンサとする方法が開示されている。
【0013】
しかし、上記の特許文献3に記載の方法では、アンテナ回路を構成する導電層と同じレイヤーの電極とカード最表面に形成する電極間でコンデンサを構成するので電極間距離が大きくなって静電容量値の確保が難しくなり、最表面に導電層を形成することからカードの美観を損ね、また、製造工程が複雑になるという不利益がある。
【特許文献1】特開2001−10264号公報
【特許文献2】特開2000−235635号公報
【特許文献3】特開2000−123136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
解決しようとする課題は、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードにおいて、非接触方式で通信するための共振回路を構成するコンデンサの静電容量値を高精度に調整することが困難であることである。
上記のコンデンサの静電容量値の調整の他、共振回路を構成するアンテナコイルのインダクタンスを高精度に調整することも同様に困難となっている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかるICカードは、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードであって、カード本体と、前記カード本体に内蔵されたICチップと、前記カード本体に内蔵され、前記ICチップに接続され、前記コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサと、少なくともエンボス加工領域における前記カード内部において前記ICチップと前記調整用コンデンサを接続して形成され、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを有する。
【0016】
上記の本発明にかかるICカードは、好適には、複数個の前記調整用コンデンサと、前記ICチップと複数個の前記調整用コンデンサをそれぞれ接続するように形成された複数個の配線部とを有し、前記複数個の配線部は、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって個別に物理的に切断可能に構成されている。
さらに好適には、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって複数個の前記配線部の少なくとも1つが切断されて、切断された前記配線部に対応する前記調整用コンデンサが前記ICチップから電気的に切り離されている。
また、好適には、複数個の前記調整用コンデンサが各々一定の単位調整量の静電容量値を有し、単位調整量ずつ前記コンデンサの静電容量値を調整可能に構成されている。
【0017】
また、本発明にかかるICカードの製造方法は、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法であって、カード本体に、ICチップと、前記ICチップに接続して前記コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサと、前記ICチップと前記調整用コンデンサを接続して少なくともエンボス加工領域において形成され、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを内蔵してカード化する工程と、前記コンデンサの静電容量値を測定する工程と、前記静電容量値に応じて、前記配線部を物理的に切断または未切断とするように、前記エンボス加工領域においてエンボス加工を行う工程とを有する。
【0018】
上記の本発明にかかるICカードの製造方法は、好適には、前記カード化する工程において、複数個の前記調整用コンデンサと、前記ICチップと複数個の前記調整用コンデンサをそれぞれ接続して、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって個別に物理的に切断可能に構成された複数個の前記配線部とを内蔵するようにカード化する。
さらに好適には、前記エンボス加工を行う工程において、複数個の前記配線部の少なくとも1つを切断して複数個の前記調整用コンデンサの内の少なくとも1つを前記ICチップから電気的に切り離す。
また、好適には、複数個の前記調整用コンデンサとして各々一定の単位調整量の静電容量値を有する調整用コンデンサを設け、単位調整量ずつ前記コンデンサの静電容量値を調整する。
【0019】
また、本発明にかかるICカードは、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードであって、カード本体と、前記カード本体に内蔵されたICチップと、前記カード本体に内蔵され、前記アンテナコイルに接続され、前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する調整回路と、少なくともエンボス加工領域における前記カード内部において、前記アンテナコイルと前記調整回路を接続して、あるいは前記調整回路の一部として、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを有する。
【0020】
上記の本発明にかかるICカードは、好適には、前記調整回路が、前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように複数本に分岐して前記アンテナコイルに並列に接続された導電層であり、当該複数本の導電層に対してそれぞれ前記配線部が形成されている。
さらに好適には、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって複数個の前記配線部の少なくとも1つが切断されている。
また、好適には、複数個の前記導電層が、各々一定の前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように形成されており、単位調整量ずつ前記アンテナコイルのインダクタンスを調整可能に構成されている。
【0021】
また、本発明にかかるICカードの製造方法は、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法であって、カード本体に、ICチップと、前記アンテナコイルに接続して前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する調整回路と、前記アンテナコイルと前記調整回路を接続して、あるいは前記調整回路の一部として、少なくともエンボス加工領域において形成され、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを内蔵してカード化する工程と、前記アンテナコイルのインダクタンスを測定する工程と、前記アンテナコイルのインダクタンスに応じて、前記配線部を物理的に切断または未切断とするように、前記エンボス加工領域においてエンボス加工を行う工程とを有する。
【0022】
また、本発明にかかるICカードの製造方法は、前記カード化する工程において、前記調整回路が、前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように複数本に分岐して前記アンテナコイルに並列に接続された導電層である前記調整回路と、当該複数本の導電層に対してそれぞれ形成された前記配線部を内蔵してカード化する。
さらに、好適には、前記エンボス加工を行う工程において、複数個の前記配線部の少なくとも1つを切断する。
また、好適には、複数個の前記導電層として、各々一定の前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように形成して、単位調整量ずつ前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のICカードによれば、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードにおいて、非接触方式で通信するための共振回路を構成するコンデンサの静電容量値またはアンテナコイルのインダクタンスを高精度に調整することができる。
【0024】
本発明のICカードの製造方法によれば、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法において、非接触方式で通信するための共振回路を構成するコンデンサの静電容量値またはアンテナコイルのインダクタンスを高精度に調整して製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係るICカード及びその製造方法について、図面を参照して説明する。
【0026】
第1実施形態
図1(a)は、本実施形態に係るICカードのレイアウトを示す平面図であり、図1(b)はICカードにエンボス加工により刻印する文字のレイアウトを示す平面図である。
また、図2は図1(a)中のX−X’における断面図である。
【0027】
例えば、厚さが38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートなどからなる樹脂シートであるアンテナ基板11の両面に、厚さ3μm程度のポリエステル系の接着剤などを介して38μm厚の圧延銅箔などが貼り合わされ、フォトリソグラフィー工程による所定パターンのレジスト膜形成とエッチング処理などにより、アンテナ基板11の一方の面にアンテナコイル20と、調整用コンデンサとなる一方の電極40が形成され、他方の面に他方の電極(41a,41b,41c,41d)が形成されている。
【0028】
アンテナコイル20は、例えば平均で1mmの幅のパターンで複数ターン巻かれており、所定のインダクタンスとなるように構成されている。アンテナコイル20のリード部は、例えば150μm程度の幅である。図面上は2ターンで示しているがこれに限定されず、設計に応じて何ターンでもよい。例えば、4ターンで3μHのインダクタンスとなるように構成されている。
【0029】
例えば、アンテナ基板11の他方の面に設けた導電体及びアンテナ基板11を貫通する配線などからなるブリッジ部21を介して、コイルの最外周部はコイル内側に導かれ、コイル最内周部とともにICチップ30に接続されている。ブリッジ部21は、上記に限らず、例えばアンテナ基板11の一方の面上におけるブリッジ状の配線としてもよい。
【0030】
アンテナ基板11の一方の面に形成された一方の電極40と、他方の面に形成された他方の電極(41a,41b,41c,41d)は、アンテナ基板11を介して対向する位置に配置されており、複数個の調整用コンデンサが構成されている。図面上は、他方の電極(41a,41b,41c,41d)の数に応じた4つの調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)が設けられている。
【0031】
一方の電極40は、配線部42を介してICチップ30に接続されており、他方の電極(41a,41b,41c,41d)は、配線部(43a,43b,43c,43d)及び配線部44などを介して、ICチップ30に接続されている。
【0032】
アンテナコイル20、一方の電極40及び他方の電極(41a,41b,41c,41d)などに接続して、アンテナ基板11上に、ICチップ30が実装されている。
ICチップ30は、例えば150μm厚のバルクシリコンチップであり、異方性導電フィルムまたはペーストなどの接着剤31によりアンテナ基板11上に固定されている。
あるいは、ICチップの端子が上記のアンテナコイルなどに直接接続するように構成されていれば、接着剤31としては非導電性のフィルムあるいはペーストでもよい。
ICチップの上面及び/または裏面において、ステンレス板あるいは樹脂による補強がされていてもよい。
【0033】
上記のようにICチップ30が実装されたアンテナ基板11のICチップ30の実装面側に、例えば、テレフタル酸とエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノールを共重合させてなる非結晶性コポリエステルシート(以下非結晶性コポリエステルシートと称する)などからなりスペーサとなる100μmの厚さを有する第1コア基板12、上記の非結晶性コポリエステルシートなどからなり180μmの厚さを有する第2コア基板13、上記の非結晶性コポリエステルシートなどからなり50μmの厚さを有するオーバーシート14が積層してなるシートが、50μmの厚さを有するポリエステル系ホットメルト剤などからなる接着シート15により貼り合わされている。
ここで、第1コア基板12には、ICチップ30に適合する凹部12aが設けられており、凹部12aにICチップ30が嵌入するように貼り合わされている。
【0034】
一方、アンテナ基板11のICチップ30の実装面の裏面側に、例えば、上記の非結晶性コポリエステルシートなどからなり100μmの厚さを有する第3コア基板16、上記の非結晶性コポリエステルシートなどからなり180μmの厚さを有する第4コア基板17、上記の非結晶性コポリエステルシートなどからなり50μmの厚さを有するオーバーシート18が積層してなるシートが、50μmの厚さを有するポリエステル系ホットメルト剤などからなる接着シート19により貼り合わされている。
【0035】
上記のようにして、各アンテナ基板とコア基板などが積層された積層体がカード形状に打ち抜かれてカード本体10が構成されている。
本実施形態においては、上記の構成のカード本体に、ICチップと、ICチップに接続され、コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサを内蔵する構成である。
【0036】
上記の構成において、一方の電極40と他方の電極(41a,41b,41c,41d)からなる複数個の調整用コンデンサをICチップ30に接続する配線部(43a,43b,43c,43d)は、エンボス加工領域ARにおけるカード内部において形成されており、エンボス加工によって物理的に切断可能に構成されている。
【0037】
エンボス加工領域AR及びエンボスの高さについては、特に制限があるものではないが、例えばJIS規格(JIS X 6302−1 第1部 エンボス)で定められた規格を適用できる。例えばこのJIS X 6302−1では、エンボス高さを「目視及び機会読み取り用の場合、未使用時0.40〜0.48mm」と規定されているため、この規格を本実施形態において適用することが可能である。
【0038】
図1(b)に示すように、例えば、エンボス加工による文字「0」の刻印により配線部(43c,43d)が切断されている。一方、配線部(43a,43b)近傍ではドット(.)が配線部配線部(43a,43b)にかからないように形成されているのみであり、配線部(43a,43b)は切断されていない。
【0039】
図3は、上記の構成のICカードにおけるICチップ30と調整用コンデンサの等価回路図である。
ICチップ30に対して、4つの調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)が並列で接続されている。調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)は、他方の電極(41a,41b、41c、41d)にそれぞれ対応するコンデンサである。
ここで、配線部(43c,43d)が切断され、配線部(43a,43b)は切断されていないことから、調整用コンデンサ(C3,C4)に通じる配線部が切断されたことになる。
これにより、調整用コンデンサ(C3,C4)は、ICチップから電気的に切り離されている。
【0040】
図4(a)は、図1(a)中のY−Y’における断面図であり、図4(b)は図1(a)中のZ−Z’における断面図である。
図4(a)に示すように、配線部43bにおいては、これにかかるようにエンボス加工はなされていないので、配線部43bは切断されていない。
一方、図4(b)に示すように、配線部43dにおいては、これにかかるようにエンボス部EMが形成されており、配線部43dは切断されている。
【0041】
上記のように、ICチップ30に接続する配線部(43a,43b,43c,43d)はエンボス加工によって物理的に切断可能に構成されている。
これを実現するためには、例えば厚さ38μmの銅箔からなる配線部を150μm程度の幅に加工して上記の配線部(43a,43b,43c,43d)とする。銅は圧力がかけられたときの伸びが小さく、上記の厚さ及び幅であれば、上記のJIS規格に沿ったエンボス加工で切断できる。
【0042】
アルミニウムなどの伸びの大きな材料の場合では、エンボスの形状やアンテナ基板の配置に工夫をすることで、より確実にエンボス加工で切断できる構成とすることができる。
図2の構成では、アンテナ基板はカードの厚さ方向において中央に配置されているが、厚さ方向のいずれかの方向にアンテナ基板の位置をずらすことで、エンボス加工でより確実に切断できるように調節することが可能である。
【0043】
上記の複数個の調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)が各々一定の単位調整量の静電容量値を有し、単位調整量ずつコンデンサの静電容量値を調整可能に構成されている。
例えば、ICチップ30が非接触通信のためのアンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を構成するコンデンサを内蔵しておりその大きさが32pFであるとする。
このとき、1個あたりの調整用コンデンサの静電容量値としては、例えばそれぞれ1mm×2mmのサイズであり、電極間距離(アンテナ基板と接着剤層の厚さの和)が43μmのときに、0.5pFを実現できる。4個の調整用コンデンサにより、0.5pF刻みで最大2pFの調整が可能である。
【0044】
上記の調整用コンデンサの静電容量値はサイズを調整することで適宜選択でき、例えば0.2pF刻み、0.3pF刻み、0.5pF刻み、あるいは1pF刻みで、最大0.8pF、1.2pF、2pF、あるいは4pFの調整が可能な構成とすることができる。
調整用コンデンサの個数を変更することで、さらに調整幅を変更することが可能である。
【0045】
例えば、アンテナコイルのインダクタンスが上記のように3μHであるとき、非接触通信の周波数を16MHzとすると、これを実現するためにコンデンサの静電容量値をトータルで33pF程度とすることが必要となる。
ここで、上記のようにICチップ30に内蔵されるコンデンサの静電容量値が32pFであるとき、調整用コンデンサで1pFを追加することで、トータル33pFの静電容量値を実現できる。
例えば、上記のように、0.5pF刻みで4個の調整用コンデンサが設けられている場合には、この内の2個の調整用コンデンサに接続する配線部を切断して、2個の調整用コンデンサを回路に残し、2×0.5pF=1pFの調整を行うことができる。
【0046】
上記のようにして、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードが構成されている。
カード本体と、カード本体に内蔵されたICチップと、カード本体に内蔵され、ICチップに接続され、コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサと、少なくともエンボス加工領域におけるカード内部においてICチップと調整用コンデンサを接続して形成され、エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを有する構成である。
【0047】
本実施形態のICカードによれば、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードにおいて、非接触方式で通信するための共振回路を構成するコンデンサの静電容量値を高精度に調整することができる。
特に、カード化した後で静電容量値を調整できるので、プレスラミネート時の静電容量値の変動の影響を受けずに調整することができる。
【0048】
次に、本実施形態のICカードの製造方法について説明する。
図5は、本実施形態のICカードの製造方法の製造工程を示す断面図である。
まず、例えば、アンテナ基板11の両面に圧延銅箔などを貼り合わせ、エッチング加工処理などを行って、アンテナコイル20、調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)となる一方の電極40、他方の電極(41a,41b,41c,41d)をそれぞれ形成する。これと同時に、これらとICチップ30を接続する配線部(図1(a)に示す配線部42、配線部(43a,43b,43c,43d)、配線部44)を形成する。
上記の工程の前後に、ブリッジ部などで用いるアンテナ基板を貫通する配線などを形成してもよい。
次に、異方性導電フィルムなどの接着剤31を用いて、ICチップ30をアンテナ基板11上に実装する。
【0049】
一方、例えば、予め凹部12aを設けた第1コア基板12、第2コア基板13、オーバーシート14を積層し、第1コア基板12上に接着シート15を貼り合わせる。
また、第3コア基板16、第4コア基板17、オーバーシート18を積層し、第3コア基板16上に接着シート19を貼り合わせる。
【0050】
次に、第1コア基板12、第2コア基板13及びオーバーシート14の積層体を、接着シート15の側からアンテナ基板11のICチップ実装面側に、凹部12aにICチップ30が嵌入するようして貼り合わせ、また、第3コア基板16、第4コア基板17及びオーバーシート18の積層体を、接着シート19の側からアンテナ基板11のICチップ実装面の裏面側に貼り合わせて、仮接着された積層体とする。
【0051】
上記のように仮接着された積層体を、プレスラミネート機で、例えば温度120℃、圧力2.0MPa、成形(加熱)時間20分でプレスラミネートする。
次に、カードサイズに打ち抜いて、プレスラミネートされたカードとすることができる。
このときのカードの厚さは、例えばトータルで800μm程度である。
【0052】
次に、得られたカードの共振周波数を調整する。
まず、カードの現状での共振周波数を測定して、現状でのコンデンサの静電容量値を測定する。
次に、目標とする静電容量値に応じて、配線部(43a,43b,43c,43d)を物理的に切断または未切断とするように、エンボス加工領域ARにおいてエンボス加工を行う。
上記のように、複数個の調整用コンデンサ(C1,C2,C3,C4)として各々一定の単位調整量の静電容量値を有する調整用コンデンサを設け、単位調整量ずつコンデンサの静電容量値を調整する。
以上で、図1(a)に示す構成のICカードを製造することができる。
【0053】
本実施形態のICカードの製造方法によれば、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法において、非接触方式で通信するための共振回路を構成するコンデンサの静電容量値を高精度に調整して製造することができる。
【0054】
上記のカード化後のコンデンサの静電容量値の測定及びエンボス加工による静電容量値の調整は、製造ロット毎に一括して行ってもよく、また、カード1枚毎に行ってもよい。
【0055】
調整用コンデンサに接続する配線部を切断するためのエンボス加工の文字は、上記では「0」としているが、これに限らず、種々の文字あるいはその他のキャラクターを用いることができる。また、切断専用のキャラクターを用いてもよい。
【0056】
例えば、共振周波数の測定において、34.2pF−2.99μHの測定値であったとき、0.5pFで4個設けられている調整用コンデンサの内の2個を回路から切り離すことで、33.2pF−2.99μHの測定値となり、共振周波数15.97MHzとすることができる。
【0057】
第2実施形態
図6は、本実施形態に係るICカードのレイアウトを示す平面図である。
カード本体10に、アンテナコイル20に接続して、アンテナコイル20のインダクタンスを調整する調整回路22が形成されている。
上記の調整回路22は、アンテナコイル20の内側の面積を狭めるように複数本に分岐してアンテナコイル20に並列に接続された導電層である。
また、少なくともエンボス加工領域ARにおけるカード内部において、アンテナコイル20と調整回路22を接続して形成され、エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部(23a,23b,23c,23d)が形成されている。
配線部(23a,23b,23c,23d)は、上記の調整回路を構成する複数本の導電層に対してそれぞれ形成されており、また、本実施形態においては、配線部(23a,23b,23c,23d)が調整回路22の一部を構成している。
【0058】
上記の構成において、配線部(23a,23b,23c,23d)はエンボス加工によって物理的に切断可能となっている。配線部(23a,23b,23c,23d)が切断されると、アンテナコイルの内側の面積が変化して、インダクタンスを変化させることができる。
【0059】
上記の調整回路22の複数個の導電層が、各々一定の前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように形成されており、単位調整量ずつアンテナコイル20のインダクタンスを調整可能に構成されている。
例えば、配線部23aから配線部23dの順番で段階的に切断することで、アンテナコイルの内側の面積が段階的に増加し、インダクタンスを段階的に増加させることができる。
例えば、配線部(23a,23b,23c,23d)を配線部23aから1つずつ切断するごとに、0.05μH大きくなるように設計することができる。
【0060】
図7は、上記の構成のICカードにおけるICチップ30と調整回路を有するアンテナコイルの等価回路図である。
ICチップ30に対して、インダクタンスを4段階で調整可能な可変コイルLが形成されている構成となる。
【0061】
上記以外は、第1実施形態と同様である。
図6において調整用コンデンサは示されていないが、第1実施形態と同様にエンボス加工で調整可能な調整用コンデンサを有している構成であってもよい。
【0062】
本実施形態のICカードによれば、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードにおいて、非接触方式で通信するための共振回路を構成するアンテナコイルのインダクタンスを高精度に調整することができる。
【0063】
本実施形態に係るICカードは、上記のようにアンテナコイルのインダクタンスを調整可能に形成することを除いて、第1実施形態と同様に形成することができる。
【0064】
即ち、例えば、カード本体に、ICチップ30と、アンテナコイル20に接続してアンテナコイル20のインダクタンスを調整する調整回路22と、アンテナコイル20と調整回路22を接続して、あるいは調整回路22の一部として、少なくともエンボス加工領域ARにおいて形成され、エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部(23a,23b,23c,23d)とを内蔵してカード化し、次に、アンテナコイル20のインダクタンスを測定し、次に、アンテナコイル20のインダクタンスに応じて、配線部(23a,23b,23c,23d)を物理的に切断または未切断とするように、エンボス加工領域ARにおいてエンボス加工を行う。
【0065】
例えば、カード化する工程において、調整回路22が、アンテナコイル20の内側の面積を狭めるように複数本に分岐してアンテナコイルに並列に接続された導電層である調整回路と、当該複数本の導電層に対してそれぞれ形成された前記配線部を内蔵してカード化する。
この場合、例えば、エンボス加工を行う工程において、複数個の前記配線部の少なくとも1つを切断する。
また、例えば、複数個の前記導電層として、各々一定の前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように形成して、単位調整量ずつ前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する。
【0066】
本実施形態のICカードの製造方法によれば、アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法において、非接触方式で通信するための共振回路を構成するアンテナコイルのインダクタンスを高精度に調整して製造することができる。
【0067】
本実施形態に係るICカード及びその製造方法によれば、以下の効果を享受できる。
(1)カード化した後にコンデンサの静電容量値を調整するので、カード化工程における静電容量分の変化分を織り込んで調整する必要はなく、カード化によって変化量に応じて調整することができる。
(2)多面付けやICチップを連続で実装した場合、隣接する共振回路の影響を受けるが、カード化後の調整では、上記の影響を受けずに調整可能である。
(3)エンボス加工により静電容量値を調整するので、美観を損ねずに実施できる。
(4)製造工程の簡略化が可能である。
(5)最終工程での調整が可能であるので、調整の失敗が生じにくく、高い歩留まりで製造可能である。
【0068】
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
例えば、調整用コンデンサの数は、第1実施形態では4個設けているがこれに限らず、例えば1個でもよい。また、インダクタンス調整用の調整回路の数も、第2実施形態において4個設けているがこれに限らず、例えば1個でもよい。
さらに、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせることも可能である。この場合には非接触方式で通信するための共振回路を構成するコンデンサの静電容量値とアンテナコイルのインダクタンスをともに高精度に調整可能である。
また、例えば、電磁誘導により非接触で通信を行う非接触型ICカードと、接触型と非接触型ICカードの双方の機能を有するICカードにも適用可能である。接触方式で使用する共振回路を構成するコンデンサの静電容量値とアンテナコイルのインダクタンスを調整することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のICカードは、少なくとも非接触方式で通信を行うICカードに適用でき、ハイブリッドカードあるいはデュアルICカードに適用することができる。
【0070】
本発明のICカードの製造方法は、少なくとも非接触方式で通信を行うICカードの製造方法に適用でき、ハイブリッドカードあるいはデュアルICカードを製造する方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態に係るICカードのレイアウトを示す平面図であり、図1(b)はICカードにエンボス加工により刻印する文字のレイアウトを示す平面図である。
【図2】図2は図1(a)中のX−X’における断面図である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態のICカードにおけるICチップと調整用コンデンサの等価回路図である。
【図4】図4(a)は図1(a)中のY−Y’における断面図であり、図4(b)は図1(a)中のZ−Z’における断面図である。
【図5】図5は本発明の第1実施形態のICカードの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6は本発明の第1実施形態に係るICカードのレイアウトを示す平面図である。
【図7】図7は本発明の第2実施形態のICカードにおけるICチップと調整回路を有するアンテナコイルの等価回路図である。
【符号の説明】
【0072】
10…カード本体、11…アンテナ基板、12…第1コア基板、12a…凹部、13…第2コア基板、14…オーバーシート、15…接着シート、16…第3コア基板、17…第4コア基板、18…オーバーシート、19…接着シート、20…アンテナコイル、21…ブリッジ部、22…調整回路、23a,23b,23c,23d…配線部、30…ICチップ、31…接着剤、40…一方の電極、41a,41b,41c,41d…他方の電極、42…配線部、43a,43b,43c,43d…配線部、44…配線部、AR…エンボス加工領域、C1,C2,C3,C4…調整用コンデンサ、EM…エンボス部、L…アンテナコイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードであって、
カード本体と、
前記カード本体に内蔵されたICチップと、
前記カード本体に内蔵され、前記ICチップに接続され、前記コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサと、
少なくともエンボス加工領域における前記カード内部において前記ICチップと前記調整用コンデンサを接続して形成され、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部と
を有するICカード。
【請求項2】
複数個の前記調整用コンデンサと、
前記ICチップと複数個の前記調整用コンデンサをそれぞれ接続するように形成された複数個の配線部と
を有し、
前記複数個の配線部は、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって個別に物理的に切断可能に構成されている
請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって複数個の前記配線部の少なくとも1つが切断されて、切断された前記配線部に対応する前記調整用コンデンサが前記ICチップから電気的に切り離されている
請求項2に記載のICカード。
【請求項4】
複数個の前記調整用コンデンサが各々一定の単位調整量の静電容量値を有し、単位調整量ずつ前記コンデンサの静電容量値を調整可能に構成されている
請求項2または3に記載のICカード。
【請求項5】
アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法であって、
カード本体に、ICチップと、前記ICチップに接続して前記コンデンサの静電容量値を調整する調整用コンデンサと、前記ICチップと前記調整用コンデンサを接続して少なくともエンボス加工領域において形成され、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを内蔵してカード化する工程と、
前記コンデンサの静電容量値を測定する工程と、
前記静電容量値に応じて、前記配線部を物理的に切断または未切断とするように、前記エンボス加工領域においてエンボス加工を行う工程と
を有するICカードの製造方法。
【請求項6】
前記カード化する工程において、複数個の前記調整用コンデンサと、前記ICチップと複数個の前記調整用コンデンサをそれぞれ接続して、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって個別に物理的に切断可能に構成された複数個の前記配線部とを内蔵するようにカード化する
請求項5に記載のICカードの製造方法。
【請求項7】
前記エンボス加工を行う工程において、複数個の前記配線部の少なくとも1つを切断して複数個の前記調整用コンデンサの内の少なくとも1つを前記ICチップから電気的に切り離す
請求項6に記載のICカードの製造方法。
【請求項8】
複数個の前記調整用コンデンサとして各々一定の単位調整量の静電容量値を有する調整用コンデンサを設け、単位調整量ずつ前記コンデンサの静電容量値を調整する
請求項6または7に記載のICカードの製造方法。
【請求項9】
アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードであって、
カード本体と、
前記カード本体に内蔵されたICチップと、
前記カード本体に内蔵され、前記アンテナコイルに接続され、前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する調整回路と、
少なくともエンボス加工領域における前記カード内部において、前記アンテナコイルと前記調整回路を接続して、あるいは前記調整回路の一部として、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部と
を有するICカード。
【請求項10】
前記調整回路が、前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように複数本に分岐して前記アンテナコイルに並列に接続された導電層であり、当該複数本の導電層に対してそれぞれ前記配線部が形成されている
請求項9に記載のICカード。
【請求項11】
前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって複数個の前記配線部の少なくとも1つが切断されている
請求項10に記載のICカード。
【請求項12】
複数個の前記導電層が、各々一定の前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように形成されており、単位調整量ずつ前記アンテナコイルのインダクタンスを調整可能に構成されている
請求項10または11に記載のICカード。
【請求項13】
アンテナコイルとコンデンサを有する共振回路を内蔵して少なくとも電磁誘導により非接触で通信を行うICカードの製造方法であって、
カード本体に、ICチップと、前記アンテナコイルに接続して前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する調整回路と、前記アンテナコイルと前記調整回路を接続して、あるいは前記調整回路の一部として、少なくともエンボス加工領域において形成され、前記エンボス加工領域におけるエンボス加工によって物理的に切断可能に構成された配線部とを内蔵してカード化する工程と、
前記アンテナコイルのインダクタンスを測定する工程と、
前記アンテナコイルのインダクタンスに応じて、前記配線部を物理的に切断または未切断とするように、前記エンボス加工領域においてエンボス加工を行う工程と
を有するICカードの製造方法。
【請求項14】
前記カード化する工程において、前記調整回路が、前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように複数本に分岐して前記アンテナコイルに並列に接続された導電層である前記調整回路と、当該複数本の導電層に対してそれぞれ形成された前記配線部を内蔵してカード化する
請求項13に記載のICカードの製造方法。
【請求項15】
前記エンボス加工を行う工程において、複数個の前記配線部の少なくとも1つを切断する
請求項14に記載のICカードの製造方法。
【請求項16】
複数個の前記導電層として、各々一定の前記アンテナコイルの内側の面積を狭めるように形成して、単位調整量ずつ前記アンテナコイルのインダクタンスを調整する
請求項14または15に記載のICカードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−271656(P2009−271656A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120268(P2008−120268)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】