説明

ICチップ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラム

【課題】情報処理装置からICチップへの電源供給を適切に制御することで、情報処理装置の消費電力を削減可能なICチップを提供する。
【解決手段】CE機器150に搭載可能なICチップ100であって、CE機器から電源を供給されてICチップの動作に必要な処理を行う処理部104と、非接触通信によりリーダライタ200から送信される高周波信号を検知し、高周波信号の検知状態を示す検知信号50をCE機器に出力するRF信号検知部106と、少なくとも検知信号に応答してCE機器から入力される制御信号52に応じて、CE機器からロジック部等に対する電源供給を制御する電源供給制御部108と、を備える。これにより、ICチップは、検知信号に応答してCE機器等の情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置からの電源供給を適切に制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触通信によるデータの送受信、データの読出しおよび書込みが可能なICチップ(RFIDモジュール等)が普及しており、ICチップを搭載したコンシューマエレクトロニクス製品(以下では、CE機器とも称する。)等の情報処理装置も開発されている。ICチップによれば、例えば、設定処理、決済処理、認証処理等、CE機器の高機能化に伴って複雑化した各種の処理が簡単に操作可能となり、CE機器を利用するユーザの利便性を向上させることができる。
【0003】
ICチップは、高周波信号(以下では、RF信号とも称する。)の送受信を行うアンテナ、ICチップの動作に必要な処理を行う処理部を含んで構成される。ICチップは、CE機器に搭載可能に構成され、CE機器から供給される電源および信号により処理部を駆動することで、データの送受信等各種の処理を行う。この種のICチップは、有線端子付きのICチップとも称される。
【0004】
従来、有線端子付きのICチップでは、CE機器での電源のオン/オフ切り替えに応じてCE機器からの電源供給がオン/オフ切り替えされ、またはCE機器からの電源供給がCE機器により制御されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前者の場合、CE機器の電源がオンの状態である限り、CE機器からICチップに電源が供給され続けるので、CE機器の消費電力が増加してしまうという問題があった。また、後者の場合、例えばリーダライタ等の外部機器との間でデータの送受信を行うタイミングに応じて、ICチップに対する電源供給をCE機器が適切にオン/オフ切り替えすることが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報処理装置からICチップへの電源供給を適切に制御することで、情報処理装置の消費電力を削減可能な、新規かつ改良された、ICチップ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、情報処理装置に搭載可能なICチップであって、情報処理装置から電源を供給されてICチップの動作に必要な処理を行う処理部と、非接触通信により外部機器から送信される高周波信号を検知し、高周波信号の検知状態を示す検知信号を情報処理装置に出力する高周波信号検知部と、少なくとも検知信号に応答して情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置から処理部に対する電源供給を制御する電源供給制御部と、を備えるICチップが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、ICチップは、外部機器からの高周波信号を検知し、検知状態を示す検知信号を情報処理装置に出力し、少なくとも検知信号に応答して情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置から処理部に対する電源供給を制御する。これにより、ICチップは、検知信号に応答して情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置からの電源供給を適切に制御することができる。
【0009】
また、上記高周波信号検知部は、外部機器から送信される高周波信号に基づく電源を供給されて作動してもよい。これにより、外部機器からの高周波信号に基づく電源により高周波信号を検知可能となるので、情報処理装置の消費電力を削減することができる。
【0010】
また、上記高周波信号検知部は、情報処理装置から電源を供給されて作動してもよい。これにより、情報処理装置からの電源により高周波信号を検知可能となるので、非接触電力伝送を行うための構成を省略することができる。
【0011】
また、上記電源供給制御部は、さらに、処理部による処理状況に応答して情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置から処理部に対する電源供給を制御してもよい。これにより、処理部の処理状況に応答して情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置からの電源供給を適切に制御することができる。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点によれば、ICチップを搭載可能な情報処理装置であって、ICチップに電源を供給可能な電源供給部と、非接触通信により外部機器から送信される高周波信号の検知状態を示す検知信号をICチップから入力され、少なくとも検知信号に応答して、電源供給部からICチップの処理部に対する電源供給を、ICチップに制御させるための制御信号をICチップに出力する制御部と、を備え、ICチップは、情報処理装置から電源を供給されてICチップの動作に必要な処理を行う処理部と、非接触通信により外部機器から送信される高周波信号を検知し、高周波信号の検知状態を示す検知信号を情報処理装置に出力する高周波信号検知部と、少なくとも検知信号に応答して情報処理装置から入力される制御信号に応じて、情報処理装置から処理部に対する電源供給を制御する電源供給制御部と、を有する情報処理装置が提供される。
【0013】
かかる構成によれば、情報処理装置は、外部機器からの高周波信号の検知状態を示す検知信号をICチップから入力され、電源供給部からICチップの処理部に対する電源供給を、ICチップに制御させるための制御信号をICチップに出力する。これにより、情報処理装置は、検知信号に応答してICチップに出力する制御信号に応じて、ICチップへの電源供給をICチップに適切に制御させることができる。
【0014】
また、上記制御部は、さらに、ICチップの処理部による処理状況に応答して、電源供給部から処理部に対する電源供給を、ICチップに制御させるための制御信号をICチップに出力してもよい。これにより、ICチップの処理状況に応答してICチップに出力する制御信号に応じて、ICチップへの電源供給をICチップに適切に制御させることができる。
【0015】
また、制御部は、検知信号または処理部による処理状況に応答して、電源供給部から処理部に対する電源供給を制御してもよい。これにより、ICチップへの電源供給を適切に制御することができる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第3の観点によれば、本発明の第2の観点による情報処理装置および外部機器からなる情報処理システムが提供される。また、上記課題を解決するために、本発明の第4の観点によれば、本発明の第1の観点によるICチップがプログラム動作による電源制御を実行可能な構成を有する場合に、本発明の第1の観点によるICチップに適用可能な電源制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。さらに、上記課題を解決するために、本発明の第5の観点によれば、本発明の第2の観点による情報処理装置に適用可能な電源制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、情報処理装置からICチップへの電源供給を適切に制御することで、情報処理装置の消費電力を削減可能な、ICチップ、情報処理装置、情報処理システム、およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[情報処理システムの構成]
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、情報処理システムは、ICチップ100を搭載したCE機器150(情報処理装置)およびリーダライタ200(外部機器)を含んで構成される。
【0021】
ICチップ100は、CE機器150等の情報処理装置に搭載されて利用される。ICチップ100は、アンテナ102、処理部104、RF信号検知部106、および電源供給制御部108を含んで構成される。
【0022】
アンテナ102は、リーダライタ200等の外部機器との間で、非接触通信によりデータを送受信するために用いられる。処理部104は、CE機器150から電源および信号を供給されて、ICチップ100の動作に必要な処理を行う。RF信号検知部106は、リーダライタ200から送信されるRF信号を検知し、RF信号の検知状態を示す検知信号をCE機器150(後述するホストCPU155)に出力する。電源供給制御部108は、少なくとも検知信号に応答してCE機器150から入力される制御信号に応じて、CE機器150からの電源供給を制御する。
【0023】
CE機器150は、非限定的に、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機、オーディオ機器、携帯電話、腕時計、体温計、万歩計等である。CE機器150は、ホストCPU(制御部)155およびバッテリ(電源供給部)160を含んで構成される。
【0024】
ホストCPU155は、図示しないメモリ等に格納されているプログラムを実行することで、CE機器150の動作に必要な処理制御を行う。また、ホストCPU155は、RF信号の検知状態を示す検知信号をICチップ100から入力され、少なくとも検知信号に応答して、バッテリ160からICチップ100への電源供給をICチップ100に制御させるための制御信号をICチップ100に出力する。バッテリ160は、ICチップ100およびホストCPU155を駆動するために、ICチップ100およびホストCPU155に電源を供給する。
【0025】
リーダライタ200は、例えばパーソナルコンピュータ等、図示しない制御装置に接続されて利用される。リーダライタ200は、ICチップ100との間で、非接触通信によりデータを送受信するために用いられるアンテナ202を有する。
【0026】
本実施形態に係る情報処理システムでは、ICチップ100は、リーダライタ200のRF信号を検知し、RF信号の検知状態を示す検知信号をCE機器150(ホストCPU155)に出力する。CE機器150は、検知信号を入力され、少なくとも検知信号に応答して、バッテリ160からICチップ100に対する電源供給を、ICチップ100に制御させるための制御信号をICチップ100に出力する。そして、ICチップ100は、入力された制御信号に応じて、CE機器150からの電源供給を制御する。これにより、ICチップ100では、少なくとも検知信号に応答してCE機器150から入力される制御信号に応じて、CE機器150からの電源供給が適切に制御され、CE機器150の消費電力を削減することができる。
【0027】
[ICチップ100の構成]
次に、図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係るICチップ100について説明する。図2は、本実施形態に係るICチップ100の構成例を示す図である。
【0028】
図2に示すように、ICチップ100は、RF信号検知部106、電源供給制御部108、ロジック部110、整流回路111、リミッタ112、クロック抽出回路114、復調回路116、負荷変調回路118を含んで構成される。ここで、処理部104は、RF信号検知部106、電源供給制御部108、ロジック部110、クロック抽出回路114、復調回路116、および負荷変調回路118を含んで構成される。また、ICチップ100は、アンテナ端子120、電源端子(VDD122、VSS123)、検知信号端子124、制御信号端子126、ホストインタフェース128を含んで構成される。
【0029】
整流回路111は、アンテナ102からアンテナ端子120を介して入力されるRF信号を整流し、復調回路116等の他の回路要素に出力する。リミッタ112は、アンテナ端子120間に生じる電圧を所定の値に制限する。クロック抽出回路114は、整流回路111を介してRF信号からクロックを抽出し、ロジック部110等に出力する。復調回路116は、アンテナ端子120を介して入力されるRF信号から整流回路111を介した信号を復調し、復調後のRF信号をデータとしてロジック部110に出力する。負荷変調回路118は、ロジック部110からデータを入力され、入力されるデータに応じてRF信号に負荷をかけて変調し、変調後のRF信号をアンテナ端子120を介してアンテナ102に出力する。
【0030】
RF信号検知部106は、アンテナ端子120を介して入力されるRF信号を検知し、RF信号の検知状態を示す検知信号を検知信号端子124を介してホストCPU155に出力する。RF信号検知部106は、電源生成回路によりRF信号から生成される電源を、動作電源として動作可能に構成されてもよい。また、RF信号検知部106は、バッテリ160から供給される電源を自らの動作電源として動作可能に構成されてもよい。なお、前者の場合、電圧レギュレータ等を含む電源生成回路は、RF信号検知部106の一部として構成されてもよく、RF信号検知部106と別の回路として構成されてもよい。後者の場合、例えば電源端子VDD122から電源供給制御部108に至る配線がRF信号検知部106まで延長される。
【0031】
電源供給制御部108は、バッテリ160から電源端子VDD122、VSS123を介して供給される電源から、クロック抽出回路114、復調回路116、負荷変調回路118からなるアナログ回路用の電源、およびロジック部110用の電源を生成する。また、電源供給制御部108は、ホストCPU155から制御信号端子126を介して入力される制御信号に応じて、バッテリ160からロジック部110、クロック抽出回路114、復調回路116、負荷変調回路118への電源供給をオン/オフ切替えする。
【0032】
ロジック部110は、復調回路116から入力されるデータに対して所定の処理を行い、ホストCPU155に出力し、ホストCPU155から入力されるデータに対して所定の処理を行い、負荷変調回路118に出力する。なお、ロジック部110とホストCPU155との間では、ホストインタフェース128を介してデータが入出力される。以下では、ロジック部110が配線ロジックとして構成される場合を想定するが、ロジック部110は、図示しないメモリ等から読み出されるプログラムにより動作するCPUとして構成されてもよい。ロジック部110がCPUとして構成される場合、ロジック部110は、上記した所定の処理とともに、他の回路構成による機能を代替するように構成されてもよい。
【0033】
バッテリ160からの電源供給がオフの状態では、整流回路111、リミッタ112、およびRF信号検知部106のみが作動する。ここで、整流回路111およびリミッタ112は、電源供給なしで動作し、RF信号検知部106は、RF信号から生成された電源により作動してもよく、バッテリ160から供給される電源により作動してもよい。
【0034】
一方、バッテリ160からの電源供給がオンの状態では、バッテリ160から電源供給制御部108を介して、ロジック部110、クロック抽出回路114、復調回路116、および負荷変調回路118等、ICチップ100の動作に必要な処理を行う処理部104に電源が供給される。
【0035】
[情報処理システムの動作]
次に、図3および図4を参照しながら、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。図3および図4は、本実施形態に係る情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。図3および図4には、検知信号50および制御信号52のタイミングチャートが併記されている。
【0036】
まず、図3に示す動作について説明する。ここで、ICチップ100のRF信号検知部106に対する電源供給が行われている状態を想定する。なお、RF信号検知部106に対する電源供給は、CE機器150がリーダライタ200に近接された状態でリーダライタ200の非接触電力伝送により行われてもよく、CE機器150のバッテリ160により行われてもよい。
【0037】
例えば、CE機器150がリーダライタ200に近接されると、ICチップ100は、RF信号検知部106によりリーダライタ200からのRF信号を検知する(ステップS10)。RF信号を検知すると、ICチップ100は、RF信号検知部106によりRF信号の検知を示す検知信号50をホストCPU155に出力する(S12)。
【0038】
検知信号50を入力されると、ホストCPU155は、バッテリ160からICチップ100への電源供給をオンさせる制御信号52を電源供給制御部108に出力する(S14)。制御信号52を入力されると、電源供給制御部108は、バッテリ160からの電源供給をオンにするための制御を行う(S16)。これにより、ICチップ100では、ICチップ100の動作に必要な処理を行う処理部104に電源が供給される。
【0039】
そして、ICチップ100とリーダライタ200との間では、ポーリング要求、ポーリング応答を介してデータの送受信処理が行われる(S18)。なお、ステップS10〜S18の間は、ICチップ100は、RF信号の検知を示す検知信号50を継続的にホストCPU155に出力し、ホストCPU155は、バッテリ160からの電源供給をオンさせる(オンに維持させる)制御信号52を継続的に電源供給制御部108に出力している。
【0040】
データの送受信処理の終了後または送受信処理の途中で、例えば、CE機器150がリーダライタ200から隔離されると、ICチップ100は、RF信号検知部106によりリーダライタ200からのRF信号を検知しなくなる(S20)。RF信号を検知しなくなると、ICチップ100は、RF信号検知部106によりRF信号の非検知を示す検知信号50をホストCPU155に出力する(S22)。
【0041】
RF信号の非検知を示す検知信号50を入力されると、ホストCPU155は、バッテリ160からICチップ100への電源供給をオフさせる制御信号52を電源供給制御部108に出力する(S24)。制御信号52を入力されると、電源供給制御部108は、バッテリ160からの電源供給をオフにするための制御を行う(S26)。これにより、ICチップ100では、処理部104に電源が供給されなくなる。なお、この状態では、RF信号検知部106に対する電源供給がバッテリ160により行われてもよく、行われなくてもよい。
【0042】
ICチップ100とリーダライタ200との間では、例えば、タイミングチャートに示されているように検知信号50および制御信号52が入出力される。タイミングチャートには、検知信号50がローアクティブであり、制御信号52がハイアクティブである場合が示されている。この場合、検知信号50は、RF信号の検知状態でロー状態、RF信号の非検知状態でハイ状態に切り替えられ、制御信号52は、電源のオン状態でハイ状態、電源のオフ状態でロー状態に切り替えられる。なお、検知信号50は、ハイアクティブに設定されてもよく、制御信号52も、ローアクティブに設定されてもよい。
【0043】
つまり、RF信号検知部106は、RF信号を検知している間は、ロー状態の検知信号50をホストCPU155に出力し、ホストCPU155は、検知信号50がロー状態の間は、ハイ状態の制御信号52を電源供給制御部108に出力する。そして、電源供給制御部108は、制御信号52がハイ状態の間は、バッテリ160から処理部104への電源供給をオン状態に制御する。
【0044】
一方、RF信号検知部106は、RF信号を検知していない間は、ハイ状態の検知信号50をホストCPU155に出力し、ホストCPU155は、検知信号50がハイ状態の間は、ロー状態の制御信号52を電源供給制御部108に出力する。そして、電源供給制御部108は、制御信号52がロー状態の間は、バッテリ160から処理部104への電源供給をオフ状態に制御する。
【0045】
これにより、リーダライタ200からのRF信号が検知されている間は、バッテリ160から処理部104への電源供給が行われ、RF信号が検知されていない間は、電源供給が停止されるので、CE機器150からの電源供給を適切に制御することができる。
【0046】
次に図4に示す動作について説明する。なお、図4に示す動作のステップS30〜S38については、図3に示す動作のステップS10〜S18と同様であるので説明を省略する。
【0047】
図4に示す動作の場合、ICチップ100とリーダライタ200との間では、読取り要求、読取り応答を介してデータの送受信処理(S40、S42)が行われ、ICチップ100からの読取り応答により送受信処理が終了する。
【0048】
データの送受信処理が終了すると、ホストCPU155は、処理部104に電源を供給する必要がないと判断し、バッテリ160からICチップ100への電源供給をオフさせる制御信号52を電源供給制御部108に出力する(S44)。ここで、ICチップ100は、RF信号の検知を示す検知信号50を継続的にホストCPU155に出力している。
【0049】
制御信号52を入力されると、電源供給制御部108は、バッテリ160からの電源供給をオフにするための制御を行う(S46)。これにより、ICチップ100では、処理部104に電源が供給されなくなる。なお、この状態では、RF信号検知部106に対する電源供給が、リーダライタ200の非接触電力伝送により行われてもよく、バッテリ160により行われてもよく、または行われなくてもよい。
【0050】
図4に示す動作の場合、データの送受信処理が終了すると、ホストCPU155は、制御信号52をロー状態に切り替えて電源供給制御部108に出力する。ここで、RF信号検知部106は、RF信号が検知されているので、ロー状態の検知信号50をホストCPU155に引き続き出力している。そして、電源供給制御部108は、制御信号52がロー状態になると、バッテリ160から処理部104への電源供給をオフ状態に制御する。
【0051】
これにより、ICチップ100の動作に必要な処理が行われている間は、バッテリ160から処理部104への電源供給が行われ、処理が終了すると電源供給が停止されるので、CE機器150からの電源供給をより適切に制御することができる。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0053】
例えば、上記実施形態の説明では、検知信号または処理部104の処理状況に応答して、ホストCPU155から入力される制御信号に応じて、電源供給制御部108がバッテリ160からの電源供給を間接的に制御する場合について説明した。しかし、電源供給制御部108が電源供給を制御する代わりに、ホストCPU155がバッテリ160からの電源供給を直接的に制御してもよい。これにより、ICチップ100への電源供給をICチップ100側ではなくCE機器150側で適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るICチップの構成例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本実施形態に係る情報処理システムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0055】
100 ICチップ
104 処理部
106 RF信号検知部
108 電源供給制御部
150 CE機器
155 ホストCPU
160 バッテリ
200 リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に搭載可能なICチップであって、
前記情報処理装置から電源を供給されて前記ICチップの動作に必要な処理を行う処理部と、
非接触通信により外部機器から送信される高周波信号を検知し、高周波信号の検知状態を示す検知信号を前記情報処理装置に出力する高周波信号検知部と、
少なくとも前記検知信号に応答して前記情報処理装置から入力される制御信号に応じて、前記情報処理装置から前記処理部に対する電源供給を制御する電源供給制御部と、
を備える、ICチップ。
【請求項2】
前記高周波信号検知部は、前記外部機器から送信される高周波信号に基づく電源を供給されて作動する、請求項1に記載のICチップ。
【請求項3】
前記高周波信号検知部は、前記情報処理装置から電源を供給されて作動する、請求項1に記載のICチップ。
【請求項4】
前記電源供給制御部は、さらに、前記処理部による処理状況に応答して前記情報処理装置から入力される前記制御信号に応じて、前記情報処理装置から前記処理部に対する電源供給を制御する、請求項1に記載のICチップ。
【請求項5】
ICチップを搭載可能な情報処理装置であって、
前記ICチップに電源を供給可能な電源供給部と、
非接触通信により外部機器から送信される高周波信号の検知状態を示す検知信号を前記ICチップから入力され、少なくとも前記検知信号に応答して、前記電源供給部から前記ICチップの処理部に対する電源供給を、前記ICチップに制御させるための制御信号を前記ICチップに出力する制御部と、
を備え、
前記ICチップは、
前記情報処理装置から電源を供給されて前記ICチップの動作に必要な処理を行う処理部と、
非接触通信により前記外部機器から送信される高周波信号を検知し、高周波信号の検知状態を示す前記検知信号を前記情報処理装置に出力する高周波信号検知部と、
少なくとも前記検知信号に応答して前記情報処理装置から入力される前記制御信号に応じて、前記情報処理装置から前記処理部に対する電源供給を制御する電源供給制御部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、前記処理部による処理状況に応答して、前記電源供給部から前記処理部に対する電源供給を、前記ICチップに制御させるための前記制御信号を前記ICチップに出力する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記検知信号または前記処理部による処理状況に応答して、前記電源供給部から前記処理部に対する電源供給を制御する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置および外部機器からなる情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記ICチップに電源を供給可能な電源供給部と、
非接触通信により外部機器から送信される高周波信号の検知状態を示す検知信号を前記ICチップから入力され、少なくとも前記検知信号に応答して、前記電源供給部から前記ICチップの処理部に対する電源供給を、前記ICチップに制御させるための制御信号を前記ICチップに出力する制御部と、
を備え、
前記ICチップは、
前記情報処理装置から電源を供給されて前記ICチップの動作に必要な処理を行う処理部と、
非接触通信により前記外部機器から送信される高周波信号を検知し、高周波信号の検知状態を示す前記検知信号を前記情報処理装置に出力する高周波信号検知部と、
少なくとも前記検知信号に応答して前記情報処理装置から入力される前記制御信号に応じて、前記情報処理装置から前記処理部に対する電源供給を制御する電源供給制御部と、
を有し、
前記外部機器は、前記ICチップとの間で非接触通信を行う非接触通信部を備える、情報処理システム。
【請求項9】
情報処理装置に搭載可能なICチップに適用可能な電源制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記電源制御方法は、
非接触通信により外部機器から前記ICチップに送信される、高周波信号の検知状態を示す検知信号が前記ICチップから前記情報処理装置に出力されると、少なくとも前記検知信号に応答して前記情報処理装置から入力される制御信号に応じて、前記ICチップの動作に必要な処理を行うための前記情報処理装置からの電源供給を制御する電源制御ステップを含む、プログラム。
【請求項10】
ICチップを搭載可能な情報処理装置に適用可能な電源制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記電源制御方法は、
非接触通信により外部機器から前記情報処理装置に送信される、高周波信号の検知状態を示す検知信号を前記ICチップから入力され、少なくとも前記検知信号に応答して、前記ICチップの動作に必要な処理を行うための前記情報処理装置からの電源供給を、前記ICチップに制御させるための制御信号を前記ICチップに出力する制御ステップを含む、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−67075(P2010−67075A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233775(P2008−233775)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.万歩計
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】