説明

IDカード作成システム及びIDカード作成方法

【課題】作成途中で異常が発生した場合に生じる処理時間のロスを減少して、IDカードの作成を効率良く行う。
【解決手段】IDカード作成システム100であって、カード作成装置2のCPUは、IDカード1に対するコマンドの送信後のICリーダライタの待機時間をコマンド毎に設定する。設定された待機時間を各コマンドと対応付けてタイムアウト時間設定ファイルとして記憶部に記憶する。CPUは、ICリーダライタからコマンドを送信する際に、送信されるコマンドに対応する待機時間をタイマに計時させる。CPUは、タイマにより計時される待機時間内に、ICリーダライタによってIDカードのI/F部から送信された返信コマンドが受信されたと判定された場合に、ICリーダライタの待機状態を解除させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員証や各種免許証等のIDカードを作成するIDカード作成システム及びIDカード作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばEEPROM等から構成される不揮発性のメモリ及びCPU等の制御部を有するICチップを内蔵した社員証や各種免許証等のIDカードが普及している(例えば、特許文献1参照。)。
このIDカードの作成にあっては、リーダライタ等の所定の外部機器からIDカードに各種のコマンド(命令)を送信し、受信したコマンドに従ってICチップの制御部が駆動して所定の情報がデータメモリに記録されるようになっている。
【特許文献1】特許第3539690号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のIDカードの作成において、IDカードは、各コマンドの実行後に所定のレスポンスを外部機器に送信するようになっており、外部機器は、レスポンスの受信後、次のコマンドの送信等を実行するようになっている。つまり、外部機器は、一のコマンドを送信した後、IDカードからのレスポンスを受信するまでは、次のコマンドの送信の実行を待機した状態となる。
ところで、外部機器の待機時間は、IDカードにおける各コマンドの実行終了までに係る時間がコマンド毎に異なるため、当該IDカードにて実行されるコマンドのうち、実行終了までに最も長く時間がかかるコマンドに合わせて設定されている。しかしながら、かかる場合には、IDカードにて短い時間で実行可能なコマンドの通信異常が発生した際にも、外部機器は不必要に長時間待機することとなり処理時間のロスが大きくなってしまうといった問題がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、IDカードの作成途中で異常が発生した場合に生じる処理時間のロスを減少することができ、IDカードの作成を効率良く行うことができるIDカード作成システム及びIDカード作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ICチップを具備するIDカードに対して前記ICチップにより実行される各種の命令を送信する命令送信手段を備えるIDカード作成システムであって、
前記IDカードは、前記命令送信手段から送信された命令の前記ICチップによる実行後に命令実行済情報を送信する命令実行済情報送信手段を備え、
前記命令実行済情報送信手段から送信された前記命令実行済情報を受信する命令実行済情報受信手段と、
前記命令送信手段による一の命令の送信後に当該命令送信手段による他の命令の送信を待機した状態とする処理待機手段と、
前記処理待機手段の待機時間を前記命令送信手段により送信される命令毎に設定する待機時間設定手段と、
前記待機時間設定手段により設定された前記待機時間を各命令と対応付けて記憶する待機時間記憶手段と、
前記命令送信手段から命令を送信する際に、前記待機時間記憶手段から命令に対応する前記待機時間を読み出して、当該待機時間を計時する待機時間計時手段と、
前記待機時間計時手段により計時される前記待機時間内に、前記命令実行済情報受信手段によって前記命令実行済情報が受信されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記命令実行済情報が前記命令実行済情報受信手段により受信されたと判定された場合に、前記処理待機手段による待機状態を解除する待機状態解除手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のIDカード作成システムにおいて、
前記命令送信手段、前記処理待機手段、前記待機時間設定手段、前記待機時間記憶手段、前記待機時間計時手段、前記判定手段及び前記待機状態解除手段を備え、前記IDカードと情報通信を行うカード通信装置と、
前記カード通信装置と通信回線を介して接続された制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
操作に基づいて、命令毎に前記待機時間を入力する待機時間入力手段と、
前記待機時間入力手段により入力された前記待機時間を各命令と対応付けて前記カード通信装置に送信する待機時間送信手段と、を備え、
前記カード通信装置は、
さらに、前記待機時間送信手段から送信された前記待機時間を受信する待機時間受信手段を備え、
前記待機時間設定手段は、前記待機時間受信手段による前記待機時間の受信に基づいて、当該待機時間を命令毎に設定することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のIDカード作成システムにおいて、
前記待機時間設定手段は、作成される前記IDカードの種類に応じて前記待機時間を設定することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のIDカード作成システムにおいて、
前記命令送信手段と前記IDカードとの通信リトライ回数を命令毎に設定するリトライ回数設定手段と、
前記リトライ回数設定手段により設定された前記通信リトライ回数を記憶するリトライ回数記憶手段と、
前記判定手段によって前記命令実行済情報が前記命令実行済情報受信手段により受信されていないと判定された場合に、前記命令実行済情報に係り前記ICチップにより実行されなかった命令に対応する前記通信リトライ回数を前記リトライ回数記憶手段から読み出し、前記通信リトライ回数に従って前記命令送信手段に命令を再送信させる通信リトライ処理を実行するリトライ処理実行手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
ICチップを具備するIDカードに対して前記ICチップにより実行される各種の命令を送信する処理を行うIDカード作成方法であって、
一の命令の送信後に他の命令の送信を待機した状態とする処理と、
前記他の命令の送信を待機する待機時間を送信される命令毎に設定する処理と、
設定された前記待機時間を各命令と対応付けて記憶する処理と、
命令を送信する際に、当該命令に対応する前記待機時間を読み出して、当該待機時間を計時する処理と、
計時される前記待機時間内に、送信された命令の前記ICチップによる実行後に前記IDカードから送信された命令実行済情報の受信が行われたか否かを判定する処理と、
前記命令実行済情報の受信が行われたと判定された場合に、待機状態を解除する処理と、を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、IDカードのICチップにより実行され、実行終了までの時間が様々な命令毎に、一の命令の送信後に他の命令の送信を待機した状態とする待機時間を設定することができることとなって、命令の通信異常が発生しても少なくとも各命令に応じて設定された待機時間だけ待機すれば良くなることから、従来のように、各命令の待機時間以上に不必要に長時間待機した状態となることを防止することができる。従って、IDカードの作成途中で異常が発生した場合に生じる処理時間のロスを減少することができ、IDカードの作成を効率良く行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、カード通信装置を制御する制御装置にて入力設定されたIDカードの待機時間に基づいて、カード通信装置における各命令の待機時間を簡便に設定することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、作成されるIDカードの種類に応じて待機時間を適正に設定することができる。つまり、同一の命令であってもIDカードの種類によっては実行終了までの時間が異なることとなるが、かかる場合にも、待機時間の設定を適正に行うことにより、IDカードの作成途中での処理時間のロスを好適に減少することができ、IDカードの作成をより効率良く行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、特に、IDカードの作成途中で異常が発生してICチップにより命令の実行がなされなかった場合に、命令毎に設定された通信リトライ回数に従って当該命令の再送信を適正に行うことができる。従って、IDカードの作成をより効率良く行うことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、IDカードのICチップにより実行され、実行終了までの時間が様々な命令毎に、一の命令の送信後に他の命令の送信を待機した状態とする待機時間を設定することができることとなって、命令の通信異常が発生しても少なくとも各命令に応じて設定された待機時間だけ待機すれば良くなることから、従来のように、各命令の待機時間以上に不必要に長時間待機した状態となることを防止することができる。従って、IDカードの作成途中で異常が発生した場合に生じる処理時間のロスを減少することができ、IDカードの作成を効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した好適な一実施形態として例示するIDカード作成システムの全体構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のIDカード作成システム100は、例えば、IDカード1を作成するカード発行装置2と、このカード発行装置2と例えば通信ケーブル(通信回線)等を介して通信可能に接続され、当該カード発行装置2を制御する制御装置3とを備え、カード発行装置2に備わるICリーダライタ29(図4参照)とIDカード1のICチップ10とが非接触方式により通信して顔画像情報や個人情報等の所定の情報をICチップ10に記録するようになっている。
また、IDカード発行システム100は、制御装置3と所定の通信回線を介して接続され、カード発行装置2にIDカードを供給するカード供給装置4と、IDカードに所定のプリントを形成するプリンタ5とを備えて構成されている。
【0017】
先ず、制御装置3について図2及び図3を参照して説明する。
ここで、図2は、制御装置3の要部構成を示すブロック図である。また、図3は、制御装置3の記憶部33に記憶された待機時間設定ファイルf1のデータ構造の一例を模式的に示した図である。
制御装置3は、例えばパーソナルコンピュータ等により構成され、具体的には、図2に示すように、CPU31と、RAM32と、記憶部33と、操作入力部34と、表示部35と、通信制御部36等を備えている。
【0018】
CPU(Central Processing Unit)31は、制御装置3の各部を統括的に制御するものであり、記憶部33に記憶されている制御装置3としての機能に関る各種プログラムを読み出してRAM32の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行するようになっている。具体的には、CPU31は、操作入力部34や通信制御部36を介して入力されるデータに応じて、所定のプログラムに従った各種処理を実行し、処理結果をRAM32の格納領域に格納するようになっている。また、CPU31は、処理結果を表示するための表示情報を生成して表示部35に対して出力するようになっている。
【0019】
RAM(Random Access Memory)32は、例えば、書き換え可能なメモリであり、CPU31の制御下にて記憶部33から読み出されたプログラムや各種データ等の格納領域や作業領域等を構成している。
【0020】
記憶部33は、例えば、ハードディスク等から構成されており、CPU31の制御下にて実行される待機時間入力設定プログラム33a等の各種プログラム、各プログラムの処理に係るデータ等を記憶している。
待機時間入力設定プログラム33aは、CPU31に、ICリーダライタ29とIDカード1との通信におけるIDカード1の待機時間をユーザによる操作入力部34の操作に基づいて所定のコマンド毎に設定する処理に係る機能を実現させるためのプログラムである。
ここで、IDカード1の待機時間は、具体的には、ICリーダライタ29からIDカード1のICチップ10にコマンドを送信してからICチップ10にてコマンドが実行された後に当該ICチップ10から送信される返信コマンド(命令実行済情報)がICリーダライタ29により受信されるまで他のコマンドの送信を待機する時間のことである。また、IDカード1の待機時間は、各コマンドに応じてそれぞれ所定時間に設定されている。
【0021】
また、設定されたIDカード1の待機時間は、待機時間設定ファイルf1として記憶部33の所定の記憶領域に記憶されるようになっている(図3参照)。
なお、本実施形態にあっては、待機時間設定ファイルf1として、IDカード1の待機時間が、例えばカードの種類に応じて設定されたものを例示している。さらに、待機時間設定ファイルf1にあっては、ユーザによる操作入力部34の所定操作に基づいて、コマンド毎に設定されたICリーダライタ29とIDカード1との通信のタイムアウト後にカード発行装置2にて実行される通信リトライ処理(後述)の通信リトライ回数を格納するようにしても良い。
【0022】
なお、図3及び図5(後述)に例示する待機時間設定ファイルf1及びタイムアウト時間設定ファイルf2に格納されているコマンド等は一例であり、これらに限られるものではない。
【0023】
表示部35は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等により構成されており、CPU31から出力された所定の表示制御信号に従って各種の画面表示を行うようになっている。
【0024】
操作入力部34は、例えば、マウスや各種の操作キーによって構成されるキーボード(図示略)を備え、当該マウスやキーボードのユーザによる操作に基づいて操作信号をCPU31に出力する。具体的には、操作入力部34は、待機時間入力手段として、ユーザによる操作入力部34の操作に基づいて、IDカード1の待機時間の入力設定処理にて各コマンド毎に待機時間の入力を行うことができるようになっている。
【0025】
通信制御部36は、CPU31の制御下にて、カード発行装置2との間で情報の通信制御を行うためのものである。具体的には、通信制御部36は、待機時間送信手段として、待機時間入力設定プログラム33aの実行に基づいて入力設定されたIDカード1の待機時間を各命令と対応付けてカード発行装置2に送信するようになっている。即ち、通信制御部36は、例えば、CPU31の制御下にて記憶部33から読み出された待機時間設定ファイルf1の待機時間をIDカード毎にカード発行装置2に送信するようになっている。
【0026】
次に、カード発行装置2について図4及び図5を参照して説明する。
ここで、図4は、カード発行装置2の要部構成を示すブロック図である。また、図5は、カード発行装置2の記憶部23に記憶されたタイムアウト時間設定ファイルf2のデータ構造の一例を模式的に示した図である。
カード発行装置2は、制御装置3の通信制御部36から送信される所定の顔画像情報や個人情報に基づいてIDカード1を作成するものであり、図4に示すように、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、通信制御部26と、ICリーダライタ29、タイマ20等を備えている。
【0027】
CPU21は、カード発行装置2の各部を統括的に制御するものであり、記憶部23に記憶されているカード発行装置2としての機能に関る各種プログラムを読み出してRAM22の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行するようになっている。
【0028】
RAM22は、例えば、書き換え可能なメモリであり、CPU21の制御下にて記憶部23から読み出されたプログラムや各種データ等の格納領域や作業領域等を構成している。
【0029】
記憶部23は、例えば、電気的にデータの書きこみ、及び消去が可能な読み出し専用のメモリであるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory )等から構成されており、CPU21の制御下にて実行される各種プログラム、各プログラムの処理に係るデータ等を記憶している。
具体的には、記憶部23は、処理待機プログラム23a、待機時間設定プログラム23b、リトライ回数設定プログラム23c、待機時間計時プログラム23d、判定プログラム23e、待機状態解除プログラム23f、リトライ処理実行プログラム23g等を記憶している。
【0030】
処理待機プログラム23aは、CPU21に、処理待機手段として、ICリーダライタ29による一のコマンドの送信後に他のコマンドの送信を待機した状態とする処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。
なお、他のコマンドの送信の待機状態にあっては、当該他のコマンドの送信以外のカード発行装置2において実行される各種処理は実行可能となっている。
【0031】
待機時間設定プログラム23bは、CPU21に、待機時間設定手段として、ICリーダライタ29からICチップ10にコマンドを送信した後に、ICリーダライタ29の待
機時間をコマンド毎に設定する処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。具体的には、CPU21による待機時間設定プログラム23bの実行に基づいて、制御装置3から送信されたコマンド毎の待機時間の通信制御部26による受信に基づいて、待機時間をコマンド毎に設定するようになっている。さらに、CPU21による待機時間設定プログラム23bの実行に基づいて、作成されるIDカード1の種類に応じて待機時間が設定されるようになっている。
なお、設定されたコマンド毎の待機時間は、IDカード1の種類毎のタイムアウト時間設定ファイルf2として、記憶部(待機時間記憶手段)23の所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
【0032】
リトライ回数設定プログラム23cは、ICリーダライタ29とIDカード1との通信のタイムアウト後に実行される通信リトライ処理におけるコマンドの通信リトライ回数をコマンド毎に設定する処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。具体的には、CPU21によるリトライ回数設定プログラム23cの実行に基づいて、制御装置3から送信され通信制御部26により受信されたコマンド毎の通信リトライ回数に従って設定されるようになっている。
なお、設定された通信リトライ回数は、タイムアウト時間設定ファイルf2に各コマンドと対応付けて記憶されるようになっている。ここで、タイムアウト時間設定ファイルf2を記憶する記憶部23は、リトライ回数記憶手段を構成している。
【0033】
待機時間計時プログラム23dは、CPU21に、待機時間計時手段として、ICリーダライタ29からコマンドを送信する際に、記憶部23のタイムアウト時間設定ファイルf2から送信されるコマンドに対応する待機時間を読み出して、当該待機時間をタイマ20に計時させる処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。
【0034】
判定プログラム23eは、CPU21に、判定手段として、タイマ20により計時される待機時間内に、ICリーダライタ29によってICチップ10から送信される返信コマンドが受信されたか否かを判定する処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。
【0035】
待機状態解除プログラム23fは、CPU21に、待機状態解除手段として、判定プログラム23eの実行に基づいて、待機時間内に返信コマンドがICリーダライタ29により受信されたと判定された場合に、当該ICリーダライタ29の待機状態を解除させる処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。
【0036】
リトライ処理実行プログラム23gは、CPU21に、リトライ処理実行手段として、判定プログラム23eの実行に基づいて、返信コマンドが待機時間内にICリーダライタ29により受信されていないと判定された場合に、ICリーダライタ29からコマンドを再送信させる通信リトライ処理にかかる機能を実現させるためのプログラムである。具体的には、CPU21によるリトライ処理実行プログラム23gの実行に基づいて、ICチップ10により実行されなかったコマンドに対応する通信リトライ回数を記憶部23のタイムアウト時間設定ファイルf2から読み出し、通信リトライ回数に従ってICリーダライタ29にコマンドを再送信させる処理を行うようになっている。
【0037】
通信制御部26は、CPU21の制御下にて、制御装置3との間で情報の通信制御を行うためのものである。
具体的には、通信制御部26は、待機時間受信手段として、制御装置3の通信制御部36から送信されたIDカード1の待機時間を受信するようになっている。
【0038】
ICリーダライタ29は、例えば、CPU21の制御下にて駆動し、カード供給装置4
から供給されるIDカード1のICチップ10と電磁誘導波を用いて非接触方式により通信して、顔画像情報や個人情報等の所定の情報をICチップ10の記憶部13に記録させたり、記憶部13に記録されている各種の情報を消去したり読み取るためのものである。
具体的には、ICリーダライタ29は、命令送信手段として、IDカード1の作成の際に、例えば制御装置3から送信され通信制御部26により受信されたICチップ10により実行される各種のコマンドをIDカード1に対して送信するようになっている。
また、ICリーダライタ29は、命令実行済情報受信手段として、IDカード1のICチップ10によるコマンドの実行後にアンテナから送信される返信コマンドを受信するようになっている。なお、受信された返信コマンドは、CPU21に対して出力されるようになっている。
このように、ICリーダライタ29は、IDカード1と情報の通信を行うカード通信装置を構成している。
【0039】
タイマ20は、例えば、計時回路を備え、ICリーダライタ29からのコマンドの送信の際に記憶部23から読み出されたタイムアウト時間設定ファイルf2の当該コマンドに対応する待機時間に従って計時を行うものである。
【0040】
次に、IDカード1について図6を参照して説明する。
ここで、図6は、IDカード1の要部構成を示すブロック図である。
IDカード1は、ICリーダライタ29から送信される電磁誘導波を受信することにより駆動して、コマンドの実行を行うものであり、具体的には、図6に示すように、CPU11と、RAM12と、記憶部13と、インターフェース(I/F)部16等を有するICチップ10が設けられている。
【0041】
I/F部16は、ICリーダライタ29とのデータ通信や、電磁誘導波の受信により電力の生成を行うものであり、具体的には、例えば、アンテナ(図示略)によりICリーダライタ29との間で信号の送信及び受信を行う通信制御部161と、アンテナによる電磁誘導波の受信に基づいて直流電圧を各部に供給する電源部162とを備えている。
通信制御部161は、命令実行済情報送信手段として、ICリーダライタ29から送信されたコマンドの当該ICチップ10のCPU11による実行後にCPU11から出力される返信コマンドを送信するものである。具体的には、通信制御部161は、例えば、CPU11から出力される返信コマンドを変調回路(図示略)により変調して、アンテナを介してICリーダライタ29に出力するようになっている。
【0042】
CPU11は、記憶部13に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM12の作業領域に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行するようになっている。
具体的には、CPU11は、所定のプログラムの実行に基づいて、I/F部16により受信されたコマンドを実行する処理の制御を行い、また、当該処理の実行後に、コマンドを実行済であることを表す返信コマンドをI/F部16に対して出力するようになっている。
ここで、返信コマンドは、例えば、CPU11によるコマンドの実行が正常に行われた場合(正常レスポンス)にも、正常に行われなかった場合(異常レスポンス)にも出力されるようになっている。
【0043】
RAM12は、例えば、書き換え可能なメモリであり、CPU11の制御下にて記憶部13から読み出されたプログラムや各種データ等の格納領域や作業領域等を構成している。
記憶部13は、例えば、電気的にデータの書きこみ、及び消去が可能な読み出し専用のメモリであるEEPROM等から構成されており、CPU11の制御下にて実行される各種プログラム、各プログラムの処理に係るデータ等を記憶している。
【0044】
カード供給装置4は、例えば、制御装置3の制御下にて駆動して、カード発光装置2やプリンタ5に所定のIDカード1を供給するようになっている。
【0045】
プリンタ5は、例えば、制御装置3の制御下にて駆動して、カード供給装置4から供給されるIDカード1に対して、制御装置3から送信された個人情報や顔画像情報に係るプリントデータに基づいて所定のプリントを形成するようになっている。
【0046】
次に、IDカード作成システム100によるカード作成処理について、図7及び図8を参照して説明する。
ここで、図7及び図8は、カード作成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0047】
以下に説明するカード作成処理にあっては、予め、制御装置3のCPU31による待機時間入力設定プログラム33aの実行に基づいて、当該IDカード作成システム100にて作成が想定される全ての種類のIDカード1の待機時間をコマンド毎に設定する処理が行われて、記憶部33に待機時間設定ファイルf1として格納されているものとする。
また、当該待機時間設定ファイルf1には、CPU31によるリトライ回数設定プログラム23cの実行に基づいて設定された、各コマンドの通信リトライ処理における通信リトライ回数がそれぞれコマンド毎に対応付けられている。
【0048】
図7に示すように、先ず、カード発行装置2のCPU21の制御下にて、作成されるIDカード1により実行されるコマンドの待機時間のうち、最も時間の長いものをタイムアウト時間設定ファイルf2のデフォルトの待機時間として設定する(ステップS1)。
その後、制御装置3のCPU31は、所定の制御プログラムの実行に基づいて通信制御部36を制御して、記憶部33から待機時間設定ファイルf1を読み出して、当該待機時間設定ファイルf1をカード発行装置2に送信する(ステップS2)。
カード発行装置2にあっては、制御装置3から送信された待機時間設定ファイルf1を通信制御部26により受信すると、CPU21は、記憶部23から待機時間設定プログラム23bを読み出してRAM22に展開し、この待機時間設定プログラム23bを実行して、受信された待機時間設定ファイルf1に基づいて記憶部23のタイムアウト時間設定ファイルf2をIDカード1の種類毎に設定して書き換える処理を行う(ステップS3)。
なお、CPU21は、タイムアウト時間設定ファイルf2の書き換えにおいて、待機時間設定ファイルf1に格納されている通信リトライ回数を読み出して、当該通信リトライ回数を各コマンドに対応付けて記憶するようになっている。
【0049】
その後、制御装置3の制御下にて、カード供給装置4による所定のプログラムの実行に基づいて、所定のIDカード1のカード発行装置2に対する供給が開始されると(ステップS4)、カード発行装置2のCPU21は、所定のプログラムの実行に基づいて、ICリーダライタ29の所定位置にIDカード1が挿入されているか否かを判定する(ステップS5)。ここで、IDカード1が挿入されていると判定されると(ステップS5;YES)、CPU21は、所定のプログラムの実行に基づいて、当該IDカード1の種類を判別するカード種判別処理を実行する(ステップS6)。
続けて、CPU21は、カード種判別処理により判別されたIDカード1の種類に対応するタイムアウト時間設定ファイルf2を当該IDカード1の作成において用いられるファイルとして設定する(ステップS7)。
次に、CPU21は、通信制御部26を制御して、カード種判別処理により判別されたIDカード1の種類を識別するためのカード認識情報を制御装置3に送信する(ステップS8)。
【0050】
制御装置3にあっては、カード発行装置2から送信されたカード認識情報を通信制御部36により受信すると、CPU31は、通信制御部36を制御して、受信されたカード認識情報に対応するIDカード1のICチップ10により実行される活性化コマンドを例えば記憶部33から読み出してカード発行装置2に送信する(ステップS9)。
【0051】
カード発行装置2にあっては、制御装置3から送信された活性化コマンドを通信制御部26により受信すると、CPU21は、ICリーダライタ29を制御して、受信された活性化コマンドをIDカード用の通信データに変換して当該IDカード1に送信する(ステップS10)。さらに、コマンドの送信の際に、CPU21は、記憶部23から処理待機プログラム23aを読み出してRAM22に展開し、この処理待機プログラム23aに従ってICリーダライタ29を待機状態にさせる処理を行うとともに、記憶部23から待機時間計時プログラム23dを読み出してRAM22に展開し、この待機時間計時プログラム23dの実行に基づいて、送信されるコマンドに対応する待機時間をタイムアウト時間設定ファイルf2から読み出し、当該待機時間に従ってタイマ20による計時を開始する。
【0052】
IDカード1にあっては、カード発行装置2から送信された活性化コマンドをI/F部16の通信制御部161により受信すると、ICチップ10のCPU11は、所定のコマンド実行プログラムの実行に基づいて、受信された活性化コマンドを実行する処理を行った後、コマンドの実行終了に係る所定の返信コマンドをI/F部16を介してICリーダライタ29に送信する(ステップS11)。
なお、このとき、I/F部16によりコマンドを受信することができなかった場合には、IDカード1のI/F部16から返信コマンドの送信が行われない通信異常が発生することとなる。
【0053】
IDカード1から返信コマンドが送信された場合に、当該返信コマンドをICリーダライタ29により受信すると、CPU21は、タイマ20による計時を停止した後、記憶部23から判定プログラム23eを読み出してRAM22に展開し、この判定プログラム23eの実行に基づいて、返信コマンドの受信がコマンドに対応する待機時間内に行われたか否かを判定する(ステップS12)。
ここで、返信コマンドの受信が待機時間内に行われたと判定されると(ステップS12;YES)、CPU21は、所定のプログラムの実行に基づいて、受信した返信コマンドがICチップ10による正常なコマンドの実行終了にかかるものであるか否か(正常レスポンスであるか否か)を判定する(ステップS13)。
そして、ステップS13にて、返信コマンドが正常レスポンスであると判定されると(ステップS13;正常)、CPU21は、記憶部23から待機状態解除プログラム23fを読み出してRAM22に展開し、この待機状態解除プログラム23fの実行に基づいて、ICリーダライタ29の待機状態を解除させた後、通信制御部26を制御して、ICチップ10によるコマンドの実行が正常に終了したことを表すレスポンス情報を制御装置3に送信する(ステップS14)。
【0054】
制御装置3にあっては、カード発行装置2から送信されたレスポンス情報を受信すると、CPU31は、所定のプログラムの実行に基づいて、ICチップ10により次に実行されるコマンドがあるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、次のコマンドがあると判定されると(ステップS15;YES)、CPU31は、所定の制御プログラムに基づいて通信制御部36を制御して、ICチップ10により次に実行されるコマンド、例えば、Selectコマンド等をカード発行装置2に送信する(ステップS16)。
【0055】
カード発行装置2にあっては、制御装置3から送信されたコマンドを通信制御部26に
より受信すると、CPU21は、ステップS10とほぼ同様に、IDカード1に対するコマンドの送信、ICリーダライタ29を待機状態にさせる処理、及び待機時間のタイマ20による計時処理の実行を制御する(ステップS17)。
また、IDカード1にあっては、カード発行装置2から送信されたコマンドをI/F部16の通信制御部161により受信すると、ICチップ10のCPU11は、ステップS11とほぼ同様の処理を行って、コマンドの実行が終了した場合には、返信コマンドをICリーダライタ29に送信する処理の実行を制御する(ステップS18)。
その後、カード発行装置2のCPU21の制御下にて、ステップS12に移行して、それ以降の処理が実行される。
【0056】
一方、ステップS12にて、返信コマンドが受信されることなくタイマ20により待機時間まで計時されると、即ち、待機時間内に返信コマンドが受信されていないと判定されると(ステップS12;NO)、或いは、ステップS13にて、返信コマンドが正常レスポンスではないと判定されると(ステップS13;異常)、CPU21は、記憶部23からリトライ処理実行プログラム23gを読み出してRAM22に展開し、このリトライ処理実行プログラム23gの実行に基づいて、通信リトライ処理を実行する。
この通信リトライ処理にあっては、CPU21は、返信コマンドが受信されなかった、即ち、通信がタイムアウトされたコマンドに対応する通信リトライ回数を記憶部23のタイムアウト時間設定ファイルf2から読み出し、通信リトライ回数に従ってICリーダライタ29にコマンドを再送信させる処理を実行させるようになっている。具体的には、CPU21は、先ず、実行される通信リトライ処理(コマンドの再送信)の回数が通信リトライ回数内であるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、コマンドの再送信が通信リトライ回数内であると判定されると(ステップS19;YES)、CPU21は、ステップS10に移行して、ICリーダライタ29によるコマンドの再送信の実行の制御等、及びそれ以降の処理の実行を制御する。
なお、通信リトライ処理が実行される毎に、CPU21は、例えば、記憶部23の所定の記憶領域に実行済の通信リトライ処理の回数を記憶するようになっている。
【0057】
また、ステップS19にて、通信リトライ処理をタイムアウト時間設定ファイルf2に規定された回数を既に行っている場合には(ステップS19;NO)、CPU21は、通信制御部26を制御して、ICチップ10によるコマンドの実行が正常に行われることなく終了したこと(エラー終了)を表すレスポンス情報を制御装置3に送信する(ステップS20)。
制御装置3にあっては、カード発行装置2から送信されたレスポンス情報を通信制御部36により受信すると、CPU31は、所定のプログラムの実行に基づいてエラー処理を実行して、当該カード作成処理を終了する(ステップS21)。
【0058】
以上のように、本実施形態のIDカード作成システム100によれば、IDカード1のICチップ10により実行され、実行終了までの時間が様々なコマンド毎に、当該コマンドのIDカード1に対する送信後にICリーダライタ29を他のコマンドの送信を待機した状態とさせる待機時間を設定して、記憶部23にタイムアウト時間設定ファイルf2として記憶することができる。そして、コマンドの送信の際に、タイムアウト時間設定ファイルf2からコマンドに対応する待機時間を読み出して、タイマ20により計時される待機時間内に、ICチップ10から返信コマンドが送信されて受信されたと判定した場合に、ICリーダライタ29の待機状態を解除させることができる。従って、コマンドの通信異常が発生しても少なくとも各コマンドに応じて設定された待機時間だけICリーダライタ29を待機させれば良くなることから、従来のように、ICリーダライタ29が各コマンドの待機時間以上に不必要に長時間待機した状態となることを防止することができる。
これにより、IDカード1の作成途中で異常が発生した場合に生じる処理時間のロスを減少することができ、IDカード1の作成を効率良く行うことができる。
【0059】
また、制御装置3にて、ユーザによる操作入力部34の所定の操作に基づいてIDカード1の待機時間を入力設定して、設定されたIDカード1の待機時間を各コマンドと対応付けてカード発行装置2に送信することができ、カード発行装置2にあっては、IDカード1の待機時間の受信に基づいて、当該待機時間をコマンド毎に適正に設定することができる。このように、各コマンドの待機時間を制御装置3にて入力設定されたIDカード1の待機時間に基づいて簡便に設定することができる。
さらに、IDカード作成システム100にて作成されるIDカード1の種類に応じて各コマンドの待機時間を適正に設定することができる。即ち、同一のコマンドであってもIDカード1の種類によっては実行終了までの時間が異なることとなるが、かかる場合にも、待機時間の設定をIDカード1の種類に応じて適正に行うことができることとなって、IDカード1の作成途中での処理時間のロスを好適に減少することができ、IDカード1の作成をより効率良く行うことができる。
【0060】
また、IDカード1の作成途中で異常が発生してICチップ10によりコマンドの実行がなされなかった場合であっても、タイムアウト時間設定ファイルf2に記憶され、コマンド毎に設定された通信リトライ回数に従って当該コマンドのICリーダライタ29からの再送信を適正に行うことができる。また、通信リトライ処理において通信異常が再度発生しても、従来のものに比べて、加算される待機時間の量を少なくすることができる。従って、IDカード1の作成をより効率良く行うことができる。
【0061】
さらに、タイムアウト時間設定ファイルf2のデフォルトの待機時間として、作成されるIDカード1により実行されるコマンドの待機時間のうち、最も時間の長いものが設定されるので、制御装置3から送信されたコマンドに対応する待機時間がタイムアウト時間設定ファイルf2に設定されていない場合には、デフォルトとして設定された待機時間を用いることで、如何なるコマンドに対してもその通信異常の判定を適正に行うことができる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、待機時間の設定をカード発行装置2にて行うようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、制御装置3にて待機時間の設定を行って、設定された待機時間をカード発行装置2に送信して当該カード発行装置2の記憶部23に記憶させるようにしても良い。
【0063】
また、上記実施形態では、カード発行装置2は、通信リトライ処理を実行するようにしたが、通信リトライ処理を実行するか否かは適宜変更しても良い。即ち、通信リトライ処理を実行しない場合には、カード発行装置2のCPU21は、所定の制御プログラムの実行に基づいて、通信制御部26を制御して、エラー終了を表すレスポンス情報を制御装置3に送信するタイムアウト処理を実行するようになっている。
【0064】
さらに、上記実施形態では、制御装置3の通信制御部36は、カード発行装置2に対して、待機時間設定ファイルf1の待機時間をIDカード1毎に送信するように構成されたものを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、待機時間設定ファイルf1に含まれる全てのIDカード1に係る情報を一度に送信するようにしても良いし、各IDカード1のコマンド毎に個別に送信するようにしても良い。
【0065】
また、制御装置3により制御されるカード発行装置2の数は、上記実施形態に例示したように、一つに限られるものではなく、適宜変更することができる。
さらに、ICリーダライタ29とIDカード1との通信方式は、非接触方式に限られる
ものではなく、例えば、接触方式により行うようにしても良い。
加えて、例えば、カード供給装置4とプリンタ5とカード発行装置2とを一装置として構成するようにしても良いし、プリンタ5とカード発行装置2とを一装置で構成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明を適用した好適な一実施形態として例示するIDカード作成システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のIDカード作成システムに備わる制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の制御装置の記憶部に記憶された待機時間設定ファイルのデータ構造の一例を模式的に示した図である。
【図4】図1のIDカード作成システムに備わるカード発行装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】図4のカード発行装置の記憶部に記憶されたタイムアウト時間設定ファイルのデータ構造の一例を模式的に示した図である。
【図6】図1のIDカード作成システムにより作成されるIDカードの要部構成を示すブロック図である。
【図7】図1のIDカード作成システムによるカード作成処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7のカード作成処理の続きを示す図である。
【符号の説明】
【0067】
100 IDカード作成システム
1 IDカード
10 ICチップ
16 I/F部
161 通信制御部(命令実行済情報送信手段)
2 カード発行装置
21 CPU(処理待機手段、待機時間設定手段、待機時間計時手段、判定手段、待機状態解除手段、リトライ回数設定手段、リトライ処理実行手段)
23 記憶部(待機時間記憶手段、リトライ回数記憶手段)
26 通信制御部(待機時間受信手段)
29 ICリーダライタ(カード通信装置、命令送信手段、命令実行済情報受信手段)3 制御装置
34 操作入力部(待機時間入力手段)
36 通信制御部(待機時間送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップを具備するIDカードに対して前記ICチップにより実行される各種の命令を送信する命令送信手段を備えるIDカード作成システムであって、
前記IDカードは、前記命令送信手段から送信された命令の前記ICチップによる実行後に命令実行済情報を送信する命令実行済情報送信手段を備え、
前記命令実行済情報送信手段から送信された前記命令実行済情報を受信する命令実行済情報受信手段と、
前記命令送信手段による一の命令の送信後に当該命令送信手段による他の命令の送信を待機した状態とする処理待機手段と、
前記処理待機手段の待機時間を前記命令送信手段により送信される命令毎に設定する待機時間設定手段と、
前記待機時間設定手段により設定された前記待機時間を各命令と対応付けて記憶する待機時間記憶手段と、
前記命令送信手段から命令を送信する際に、前記待機時間記憶手段から命令に対応する前記待機時間を読み出して、当該待機時間を計時する待機時間計時手段と、
前記待機時間計時手段により計時される前記待機時間内に、前記命令実行済情報受信手段によって前記命令実行済情報が受信されたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記命令実行済情報が前記命令実行済情報受信手段により受信されたと判定された場合に、前記処理待機手段による待機状態を解除する待機状態解除手段と、を備えることを特徴とするIDカード作成システム。
【請求項2】
前記命令送信手段、前記処理待機手段、前記待機時間設定手段、前記待機時間記憶手段、前記待機時間計時手段、前記判定手段及び前記待機状態解除手段を備え、前記IDカードと情報通信を行うカード通信装置と、
前記カード通信装置と通信回線を介して接続された制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
操作に基づいて、命令毎に前記待機時間を入力する待機時間入力手段と、
前記待機時間入力手段により入力された前記待機時間を各命令と対応付けて前記カード通信装置に送信する待機時間送信手段と、を備え、
前記カード通信装置は、
さらに、前記待機時間送信手段から送信された前記待機時間を受信する待機時間受信手段を備え、
前記待機時間設定手段は、前記待機時間受信手段による前記待機時間の受信に基づいて、当該待機時間を命令毎に設定することを特徴とする請求項1に記載のIDカード作成システム。
【請求項3】
前記待機時間設定手段は、作成される前記IDカードの種類に応じて前記待機時間を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のIDカード作成システム。
【請求項4】
前記命令送信手段と前記IDカードとの通信リトライ回数を命令毎に設定するリトライ回数設定手段と、
前記リトライ回数設定手段により設定された前記通信リトライ回数を記憶するリトライ回数記憶手段と、
前記判定手段によって前記命令実行済情報が前記命令実行済情報受信手段により受信されていないと判定された場合に、前記命令実行済情報に係り前記ICチップにより実行されなかった命令に対応する前記通信リトライ回数を前記リトライ回数記憶手段から読み出し、前記通信リトライ回数に従って前記命令送信手段に命令を再送信させる通信リトライ処理を実行するリトライ処理実行手段と、を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のIDカード作成システム。
【請求項5】
ICチップを具備するIDカードに対して前記ICチップにより実行される各種の命令を送信する処理を行うIDカード作成方法であって、
一の命令の送信後に他の命令の送信を待機した状態とする処理と、
前記他の命令の送信を待機する待機時間を送信される命令毎に設定する処理と、
設定された前記待機時間を各命令と対応付けて記憶する処理と、
命令を送信する際に、当該命令に対応する前記待機時間を読み出して、当該待機時間を計時する処理と、
計時される前記待機時間内に、送信された命令の前記ICチップによる実行後に前記IDカードから送信された命令実行済情報の受信が行われたか否かを判定する処理と、
前記命令実行済情報の受信が行われたと判定された場合に、待機状態を解除する処理と、を行うことを特徴とするIDカード作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−330891(P2006−330891A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150759(P2005−150759)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】