説明

IMSベースのホームノードBにおけるモビリティ

本発明は、IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末(100)のセッションを、移動体通信ネットワークのホームノードB(200)から移動体通信ネットワークの他のセッション制御ノード(300)にハンドオーバするための方法に関する。移動端末(100)は回線交換によって前記ホームノードB(200)にアタッチされ、セッションのホームノードB(200)への回線交換型レグと、セッションのホームノードB(200)及びIMS間のパケット交換型レグとの接続を可能にする相互接続機能ユニット(500)が設けられ、回線交換型レグがトランザクション識別子によって特定され、相互接続機能ユニットへのハンドオーバ要求メッセージが、ホームノードB又はホームノードBゲートウェイから相互接続機能ユニットへのメッセージ内のトランザクション識別子を含むように拡張される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPマルチメディアサブシステムでアンカーされる移動端末セッションを、ホームノードBから他のセッション制御ノードにハンドオーバする方法に関する。本発明はさらに、セッションのホームノードBへの回線交換型レグとセッションのホームノードBとIMSとの間のパケット交換型レグとの間を、ホームノードB及びホームノードBゲートウェイに接続することを可能にする相互作用機能ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体ネットワークは純粋な回線交換型(CS)ネットワークからIPベースのネットワークに向かって進化している最中であり、インターネット、ワールドワイドウェブ及びデータ通信産業にも用いられているIPベースのインフラストラクチャへ統合されつつある。
【0003】
このようなトレンドにより、移動体ネットワークは有線ネットワークの進化ステップにほぼ追従しており、DSLアクセスやWLANアクセスを介したVoIPが今日の既存技術である。
【0004】
IMS(IPマルチメディアサブシステム)ネットワークを導入し、IMSサービスを提供するモバイルオペレータは、それらサービスをGSM/WCDMA加入者にも利用できるようにすることを望んでいる。GSM/WCDMA加入者のグループから/への呼は、IMSエンジンが呼及び呼関連サービスを実行できるようにIMSネットワークを通じてルーティングされる。このコンセプトはIMS集中型サービス(ICS)と呼ばれる。3GPPにおけるIMS集中型サービス作業項目は、CSアクセスをIMSサービスへアクセスするために用いる(3GPP TS 23.292参照)ことを目標とし、IMSサービス継続性によって補完されている(3GPP TS 23.237参照)。
【0005】
ICSトレンドと平行して、パケットコアはエヴォルブドパケットシステム(EPS)の一部として進化しており(EPC: Evolved Packet Core)、eUTRANを新たな無線アクセスネットワークとしてサポートしている。この議論の一部として、1つの無線音声呼の継続性(SR-VCC)についての作業結果が3GPP SA2に規定されており(3GPP TS 23.216参照)、パケット交換型(PS)ドメインから回線交換型(CS)ドメインへのIMS音声呼のドメイン間ハンドオーバ(HO)を可能としている。SR-VCCは、eUTRAN/PS UTRANからCS UTRAN/GERANへのSR-VCCもサポートするIMS集中型ソリューションのために、ICSと組み合わせることができる。
【0006】
現在、業界の興味は、移動端末に対して無線アクセスを提供するための所謂ホーム(e)ノードB(HNB又はHeNB)に向けられている。ここで、ノードB又はeノードBは、移動端末が屋内で優れたカバレージの元で動作可能となるよう、顧客の敷地(家又は職場)に設置されるもので、特に屋内でのカバレージが悪い場所で興味深い。
【0007】
基本的な配備シナリオにおいて、HNBはHNBゲートウェイ(HNGW)に接続され、HNBゲートウェイはRNC(無線ネットワークコントローラ)のように、すなわちIu-cs及びlu-psリファレンスポイントを用いて、CS及びPSコアネットワークに接続される。
【0008】
フェムトフォーラムは(現在では3GPPも)、別の設置シナリオであるIMSベースのHNBを検討している。ここでは、HNGW又はHNBがIMSコアに向かうIMSリファレンスポイントをサポートする。
【0009】
しかし、これはホームノードBゲートウェイを通じてルーティングされていた呼が、移動交換局を介してではなくIMSを介して直接ルーティングされうることを意味する。移動端末のユーザがホームノードBのカバー範囲外に移動すると、呼及び関連する全てのセッションをMSCであってよい次の呼/セッション制御ノードにハンドオーバする必要がある。ハンドオーバされた呼についてセッションが開始されるか、既存のセッションをハンドオーバする必要がある場合、呼及び対応するセッションを特定しなければならない。
【0010】
検討されている1つの方法は、完全なMSC(移動交換局)機能を有する相互接続機能ユニット(IWF)を必要とするという問題を有しているが、どのようにしてサービスを移動端末に提供するかについての詳細は不明である。さらに、呼の保留(hold)、3者会議通話、呼転送のような呼中(mid-call)のサービスをどのように処理すべきかが不明確である。
【発明の概要】
【0011】
従って、ホームノードBからMSCのような他のセッション制御ノードにハンドオーバ中又はハンドオーバ後に、IMSでアンカーされている移動端末セッションを特定する可能性を提供することへの要求が存在する。
【0012】
この要求は、独立請求項の特徴によって満たされる。従属請求項には、本発明の好ましい実施形態が説明される。
【0013】
本発明の第1の見地によれば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末のセッションを、移動通信ネットワークのホームノードBから前記移動通信ネットワークの他のセッション制御ノードにハンドオーバするための方法が提供される。移動端末は回線交換によりホームノードBにアタッチされ、ホームノードBへのセッションの回線交換型レグと、ホームノードとIMSとの間のセッションのパケット交換型レグとの間の接続を可能にする相互接続機能ユニット(IWF)が提供される。回線交換型レグはトランザクション識別子を用いて特定される。本発明によれば、相互接続機能ユニットは、前記トランザクション識別子を含んだハンドオーバ要求メッセージを受信し、相互接続機能ユニットは受信したハンドオーバ要求メッセージをIMSのサービス集中化及び継続性アプリケーションサーバ(ACC AS)に転送する。本発明の基本的なコンセプトは、前記ホームノードB又は前記ホームノードBゲートウェイとIWFとの間で前記トランザクション識別子をどのように処理するかを規定することにより上述した問題を解決することである。本発明によれば、前記ハンドオーバ要求メッセージはホームノードBゲートウェイ又はホームノードBから前記相互接続機能ユニットへの前記トランザクション識別子を含むように拡張される。回線交換型及びパケット交換型レグはHNBで必ずしも終端される必要はなく、IWFがHNBの外部に設けられる場合にはCSレグがHNBを超えてIWFまで延びてもよい。前記CSレグは前記HNBに至るが、2つのレグが異なる複数の場所で交差して、前記PSレグが前記IMSまで通じてもよい。
【0014】
好ましい実施形態によれば、セッションが他のセッション制御ノード(例えばMSC)にハンドオーバされている場合、前記相互接続機能ユニットは前記他のセッション制御ノードから前記トランザクション識別子を含んだ任意のシグナリングを受信する。これは、IWFがアンカーMSCとして振る舞うこと(そして既存のMSCの他に配備されること)を意味する。具体的には、前記呼/セッションがハンドオーバされる前記他のセッション制御ノードは、DTAPメッセージを相互接続機能ユニットに転送するであろう。インタフェースは、従前のネットワークにおいてMSC間で用いられているものと同様にシグナリングを転送するように構成される。luインタフェースは無線アクセスネットワークを用いてシグナリングを転送するように構成される。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記相互接続機能ユニットは前記セッションが関連付けられた呼を特定するために前記トランザクション識別子を用いるとともに、要求された任意のサービスを開始する。さらに、前記luインタフェースはトランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするように構成されてよい。前記相互接続機能ユニットに受信されたハンドオーバ要求メッセージは、セッション転送要求であってよい。好ましくは、前記相互接続機能ユニットは前記他のセッション制御ノード、例えばMSCへのハンドオーバコマンドを開始する。
【0016】
本発明の別の見地によれば、IMSによってアンカーされている移動端末のセッションを、ホームノードBから他のセッション制御ノードにハンドオーバする相互接続機能ユニットであって、前記移動端末が回線交換によって前記ホームノードBにアタッチされていることを特徴とする相互接続機能ユニットが提供される。前記相互接続機能ユニットは前記ホームノードBへの前記セッションの回線交換型レグと前記ホームノードB及び前記IMS間のセッションのパケット交換型レグとの間の接続を可能にする。本発明よれば、前記相互接続機能ユニットは、通常は回線交換型レグを特定するために用いられるトランザクション識別子を含んだハンドオーバ要求メッセージを受信するように構成されたインタフェースを有する。本発明の一実施形態によれば、前記インタフェースはトランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするように構成されたluインタフェースである。前記相互接続機能ユニットは、前記ホームノードB、前記ホームノードBゲートウェイ、及び前記呼がハンドオーバされる前記セッション制御ノードのいずれかに設けられてよいし、あるいは独立ノードであってもよい。そのノードの中に前記相互接続機能ユニットが設けられているという事実により、対応するインタフェースもそれに応じて構成されなければならない。本発明の一実施形態によれば、前記相互接続機能ユニットと前記MSCとの間のEインタフェースは、トランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするように構成される。
【0017】
本発明の別の見地によれば、ホームノードBからのセッションを引き継ぐとともに、上述した相互接続機能ユニットを有するセッション制御ユニットが提供される。別の実施形態によれば、前記相互接続機能ユニットは前記ホームノードBゲートウェイに統合される。さらに別の実施形態において、前記相互接続機能ユニットは前記ホームノードB内に含まれる。
【0018】
本発明の別の見地によれば、IMSにアンカーされている移動端末のセッションをホームノードBから他のセッション制御ノードにハンドオーバするための方法であって、前記ホームノードB又はホームノードBゲートウェイから前記相互接続機能ユニットにハンドオーバ要求メッセージが送信され、前記ハンドオーバ要求メッセージがトランザクション識別子を有することを特徴とする方法が提供される。さらに、前記ホームノードB又はホームノードBゲートウェイはハンドオーバコマンドを前記移動端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術に係る移動端末ハンドオーバの仕組みを示す図である。
【図2】ホームノードBゲートウェイとセッションがハンドオーバされるMSCとの間に設けられるIWFユニットを用いる、本発明に係るハンドオーバの仕組みを示す図である。
【図3】図2の実施形態において用いることのできるホームノードBゲートウェイの模式的な実施形態を示す図である。
【図4】相互接続機能ユニットがホームノードBゲートウェイに設けられる、本発明に係るセッションハンドオーバの別の実施形態を示す図である。
【図5】セッションがハンドオーバされるMSCにIWFユニットが設けられる、本発明に係るセッションハンドオーバの実施形態を示す図である。
【図6】図5のMSCの模式図である。
【図7】IWFユニットが組み込まれたホームノードBの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
図1に、移動端末100が、無線アクセスを提供するためのホームノード200を用いるシナリオを示す。ホームノードB200はluhインタフェースを介してホームノードBゲートウェイ250に接続され、ホームノードBゲートウェイ250はRNCと同様に回線交換型コアネットワークに接続されている。luパケット交換型インタフェースを用いるSGSN400へのパケット交換型コネクションが設けられ、一方でMSC/MGW300へのコネクションに対してはlu回線交換型インタフェースが設けられている。図1に示すこのシナリオにおいては、既存のハンドオーバの仕組みが用いられる。
【0021】
図2に、トランザクション識別子が本発明に従ってホームノードBと相互接続機能ユニットとの間で処理される実施形態を示す。相互接続機能ユニットは、移動端末100のホームノードBゲートウェイ250に対する回線交換型のアタッチと、ホームノードBゲートウェイ250からIMSへのパケット交換型コネクションとの接続を可能にする。従って、移動端末100が回線交換によってホームノードBにアタッチされ、アクティブであることが前提条件となる。移動端末100が矢印に示すように移動すると、ホームノードBから、移動通信ネットワーク内の、ホームノードBも接続されている他の制御ノードへのハンドオーバを行うために以下の手順が実行される。
【0022】
セッションステップ1〜8に関する以下の番号付けは、図2に示されるとおりである。
【0023】
1. セッションがIMSでアンカーされ、発呼については移動端末100により、また着呼についてはホームノードBゲートウェイ250により、トランザクション識別子が割り当てられる。ゲートウェイ250は移動端末に向かう回線交換型呼レグ(点線)をIMSに向かう呼レグ(破線)と接続する。破線は、ゲートウェイからプロキシ/インタロゲート呼サービス制御機能(P/I-CSCF)へのコネクションを示しており、セッションはP/I-CSCFから在圏CSCF(S-CSCF)に送信され、S-CSCF420はサービス集中化及び継続性アプリケーションサーバ430(SCC AS)に接続されている。ゲートウェイ250は、移動端末100又はメディアゲートウェイ250によって開始されたトランザクション識別子を保存する。移動端末及びホームノードBゲートウェイはトランザクション識別子を知っており、トランザクション識別子は呼に対するサービスが呼び出されると、その呼を特定するために用いられる。
【0024】
2. ホームノードBゲートウェイ250は、例えばホームノードBが送信する測定報告に基づいて、ハンドオーバの必要性を判定する。どの隣接セルを測定すべきかの情報をホームノードBが移動端末に提供できるように隣接セルが構成されねばならない。
【0025】
3. ホームノードBは、同一のトランザクション識別子を用いて、IWF500へのセッション転送要求(3GPP TS 23.237参照)を開始する。IWF500はこの要求をSCC AS430に転送する。図示する実施形態においては、SCC AS430がスタンドアロンのアプリケーションサーバであることを仮定しているが、本発明はそのような形態に限定されない。SCC AS機能は、IWF又は他の任意の機能と同じ場所に置かれてもよい。
【0026】
4. SCC AS430がセッション転送を実行する。
【0027】
5. 破線の呼レグが解放される。
【0028】
6. HNGW250は必要なハンドオーバをIWFに送信する。
【0029】
7. IWF500は、目標MSC300へ向かうMSC間ハンドオーバコマンドを開始する。
【0030】
8. HNGWはハンドオーバコマンドを移動端末に転送し、移動端末は回線交換型(太い実線)へのハンドオーバを実行する。
【0031】
この実施形態において、IWF500はアンカーMSCとして振る舞い、既存のMSCとは別に配備される必要がある。従って、ステップ8で呼がハンドオーバされるMSC300は、トランザクション識別子を含んだ任意のシグナリングも、特にはDTAPメッセージをIWF500に転送するであろう。Eインタフェースは従前のネットワークにおいてMSC間で用いられているものと同様にシグナリングを転送するように構成される。luインタフェースは無線アクセスネットワークを用いてシグナリングを転送するように構成される。
【0032】
IWFは、呼の特定並びに要求された任意のサービスを開始するために、ホームノードBゲートウェイ250から供給されたトランザクション識別子を用いる。さらに、(とりわけ、DTAPシグナリングを搬送する)luリファレンスポイントが、トランザクション識別子情報のやりとりをサポートするように拡張される。以下でさらに示すように、IWFはMSCにも含まれていてよい。この状況においてもluリファレンスポイントは拡張される必要があり、またMSCはトランザクション識別子を正しく処理する必要性による影響を受ける。さもなければ、このソリューションはホームノードBにおける終端呼に対してのみ、かつトランザクション識別子にホームノードBゲートウェイ及びIWFユニット500の両方が知っているデフォルト番号が割り当てられている場合のみ機能する。
【0033】
図示する実施形態において、呼中サービス(mid-call service)はセッション転送中にサポートされる。これを実現するためには、移動端末100はICS能力を必要とするが、それにより、従前の移動端末ではなくなる。あるいは、TS 23.237に記載されるような呼中のサービスをサポートするための拡張を有するIWFが必要となる。
【0034】
図3に、ホームノードBゲートウェイをより詳細に示す。ホームノードBゲートウェイは、ホームノードBへのコネクションのためのluhインタフェース251と、相互接続機能ユニット500へのコネクションのためのluインタフェースと、IMSへのコネクションのためのMw/Mgインタフェースとを有している。さらに、ストレージユニット253に保存されているTIDがセッション転送要求に含まれるような方法でIWFユニット500へのセッション転送要求を処理するトランザクション識別子(TID)処理ユニット252が設けられている。図示した実施形態では、ホームノードBゲートウェイ250に設けられた様々なユニットが個別のユニットとして示され、また本発明の理解に必要な機能のみが示されている。当業者には既知であるように、ホームノードBゲートウェイ250はこれ以外の機能エンティティを有している。さらに、ホームノードBゲートウェイによって実行される機能は、例えば、HNBの処理システムに、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって組み込まれる。
【0035】
図4は、相互接続機能ユニットがホームノードBゲートウェイ250’内に含まれる別の実施形態を示している。このソリューションにおいて、Eインタフェースを有するホームノードBゲートウェイが、以下に説明するハンドオーバ手順に用いられる。ここでもステップの番号は図4と対応している。
【0036】
1. セッションがIMSでアンカーされる。HNGW250’は在圏MSCとして振る舞い、移動端末100へ向かうCS呼レグ(点線)をIMSへ向かう呼レグ(破線)と接続する。
【0037】
2. HNGW250’は、測定報告に基づいてハンドオーバの必要性を判定する。
【0038】
3. HNGW250’はMSC-MSCハンドオーバを開始する。
【0039】
4. HNGW250’はハンドオーバコマンドを移動端末100に送信し、目標RAN(無線アクセスネットワーク)へ移動する。
【0040】
5. HNGW250’は目標MSC300を介した新しい呼レグ(実線)をIMSへ向かう呼レグ(破線)と接続する。HNGW250’はアンカーMSCとして呼に留まる。
【0041】
この状況において、ホームノードBゲートウェイ250’はアンカーMSCとして振る舞い、ホームノードBゲートウェイはSC能力によってICS用に拡張されたMSCサーバである。図4に示す実施形態はさらに、ハンドオーバ中及び前における呼中サービスについてのサポートを提供する。
【0042】
図5は、IWFユニット500が図6に示すMSCユニットに統合された別の実施形態を示す。この実施形態において、図6に示すように、MSC300’は、トランザクション識別子処理ユニット510及びトランザクション識別子を保存してよいストレージユニット520を有するIWFユニット500を備え、IWFユニット500を統合するMSC300’へのコネクションのためのluインタフェース310が設けられている。
【0043】
ホームノードBから同一通信ネットワーク内のMSCへのハンドオーバ手順を図5に示す。
【0044】
1. セッションがIMSでアンカーされる。HNGW250は移動端末100へ向かうCS呼レグ(点線)をIMSへ向かう呼レグ(破線)と接続する。HNGW250は(移動端末100又はHNGWが開始した)トランザクション識別子を保存する。移動端末100はCSアタッチされる。
【0045】
2. HNGW250は、測定報告に基づいてハンドオーバの必要性を判定する。測定報告はホームノードB200とMSC300’に接続されたそれぞれのアンテナから移動端末が受信した無線信号の信号強度に関する情報を含んでいる。
【0046】
3. HNGW250は、同一のトランザクション識別子を用いて、MSC300’へのセッション転送要求を開始する。MSC300’は要求をSCC AS430に転送する。
【0047】
4. SCC AS430がセッション転送を実行する。
【0048】
5. 破線の呼レグが解放される。
【0049】
6. HNGWは必要なハンドオーバをMSCに送信する。
【0050】
7. HNGWはハンドオーバコマンドを移動端末100に送信し、移動端末100はCS(実線)へのハンドオーバを実行する。
【0051】
この実施形態は、MSC内にIWFを有する場合と同様である。しかし、専用のシグナリングを使用可能とするために、IWFとMSC機能との間の外部インタフェースの代わりにただ1つの論理ノードが用いられる。MSCは呼を特定するために、HNGW250から供給されるトランザクション識別子を用いる。luリファレンスポイント(DTAPシグナリング)は、トランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするために拡張される。MSCはトランザクション識別子を正しく処理する必要性による影響を受ける。さもないと、このソリューションはHNBでの終端呼にのみ機能する。さらに、呼中サービス(mid-call service)が、セッション転送中にサポートされる。移動端末100がICS能力を必要とする(従って従前のUEではない)か、MSC/IWFがTR 23.838に記載されるような呼中のサービスをサポートするための拡張を有する。改変されたluインタフェースの利点は以下の通りである。ネットワーク動作モード1がHNBに対してサポート可能である(すなわち、RA/LA及びGsインタフェースの組み合わせ)。ネットワーク動作モード又はNOMはTS 23.060で用いられる用語である。NOM1において、ネットワークはMSCとSGSNとの間のGsインタフェースをサポートし、Gsインタフェースは例えばCS呼び出しメッセージを(その呼び出しを移動端末に転送する)SGSNに送信するために使用可能である。NOM2及びNOM3において、Gsインタフェースは存在せず、MSC及びSGSNがCS及びPSサービスに関してそれぞれ移動端末を呼び出す。移動端末がNOM1をブロードキャストするセルとNOM2又はNOM3をブロードキャストするセルとの間で移動した場合、移動端末はRA/LA更新手順を実行しなければならない。そのため、NOM1/Gsのサポートを展開してきたオペレータにとって、NOM1をサポート可能なホームNBソリューションはアイドルモードシグナリングを削減可能かもしれない。アイドルモビリティ管理はHSSインタラクションなしに処理可能である。
【0052】
上述した実施形態において、相互接続機能ユニットはホームノードBゲートウェイもしくは呼がハンドオーバされるMSCに設けられるか、スタンドアロンなユニットであった。さらに、通信をホームノードBからIWF及びMSCに向けて直接受け渡すことが可能である。この状況において、IWFはホームノードB、ホームノードBゲートウェイ、又はMSCのいずれかに存在することができる。図7において、IWFユニット500を、IWFユニット500が有する、TID処理ユニット510及びトランザクション識別子を保存するためのストレージ520とともに統合するホームノードB200’を示す。ゲートウェイ250との通信のためのluhインタフェースが設けられている。IWFユニットがホームノードBに含まれない場合には、ホームノードB及びホームノードBゲートウェイとの間に存在するプロトコルを通じてトランザクション識別子が送信される。
【0053】
要約すると、本発明は、IMSにアンカーされている音声セッションを、ホームノードBから、同一通信ネットワークの他の呼制御ノード又はセッション制御ノードにハンドオーバすることを可能とする。さらに、本発明は、ホームノードBから移動体通信ネットワークへのハンドオーバについて、呼中サービスをサポートすることを可能にする。
【0054】
他の略語
3GPP 第3世代パートナシッププロジェクト
DTAP 直接転送アプリケーションパート
GERAN GSM EDGE無線アクセスネットワーク
GSM 移動体通信のための広域システム
IP インターネットプロトコル
MSC 移動交換局
TS 技術仕様
(e)UTRAN (エヴォルブド)ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
VoIP ボイスオーバIP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末(100)のセッションを、移動体通信ネットワークのホームノードB(200)から前記移動体通信ネットワークの他のセッション制御ノード(300)にハンドオーバするための方法であって、前記移動端末(100)は回線交換によって前記ホームノードBにアタッチされており、相互接続機能ユニット(500)が、前記セッションの前記ホームノードB(200)への回線交換型レグと、前記セッションの前記ホームノードB(200)及び前記IMS間のパケット交換型レグとの接続を可能にし、前記回線交換型レグがトランザクション識別子によって特定され、
前記方法が、
前記相互接続機能ユニット(500)により、前記トランザクション識別子を含んだハンドオーバ要求メッセージを受信するステップと、
前記相互接続機能ユニット(500)により、前記受信したハンドオーバ要求メッセージを、前記IMSのサービス集中化及び継続性アプリケーションサーバ(SCC AS)に転送するステップと、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記セッションがハンドオーバされている場合、前記相互接続機能ユニット(500)は前記他のセッション制御ノードからの前記トランザクション識別子を含んだシグナリングを受信することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記相互接続機能ユニット(500)は、前記セッションが関連付けられた呼を特定するために前記トランザクション識別子を用いるとともに、要求されたサービスを開始することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
luインタフェースが、トランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするように拡張されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ハンドオーバ要求メッセージを受信する前記ステップが、セッション転送要求を受信するステップを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記相互接続機能ユニット(500)が、前記他のセッション制御ノード(300)へのハンドオーバコマンドを開始することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末(100)のセッションを、移動体通信ネットワークのホームノードB(200)から前記移動体通信ネットワークの他のセッション制御ノード(300)にハンドオーバするための相互接続機能ユニット(500)であって、前記移動端末(100)は回線交換によって前記ホームノードBにアタッチされており、前記相互接続機能ユニット(500)は、前記セッションの前記ホームノードB(200)への回線交換型レグと、前記セッションの前記ホームノードB(200)及び前記IMS間のパケット交換型レグとの接続を可能にし、前記回線交換型レグがトランザクション識別子によって特定され、
前記相互接続機能ユニット(500)が、前記トランザクション識別子を含んだハンドオーバ要求メッセージを受信するように構成されたインタフェースを有することを特徴とする相互接続機能ユニット(500)。
【請求項8】
前記インタフェースは前記トランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするように構成されたluインタフェースであることを特徴とする請求項7記載の相互接続機能ユニット(500)。
【請求項9】
前記トランザクション識別子に関する情報のやりとりをサポートするように構成されたEインタフェースをさらに有することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の相互接続機能ユニット(500)。
【請求項10】
ハンドオーバの過程でホームノードBからセッションを引き継ぐセッション制御ユニット(300')であって、前記セッションはIPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている、回線交換で前記ホームノードBにアタッチされている移動端末のセッションであり、前記セッション制御ユニットが、請求項7又は請求項8に記載の相互接続機能ユニットを有することを特徴とするセッション制御ユニット(300')。
【請求項11】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末のセッションを処理するホームノードBゲートウェイ(250')であって、前記移動端末は移動体通信ネットワークの前記ホームノードBゲートウェイ(250')に回線交換でアタッチされており、前記ホームノードBゲートウェイ(250')が、請求項7又は請求項8に記載の相互接続機能ユニットを有することを特徴とするホームノードBゲートウェイ(250')。
【請求項12】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末のセッションを処理するホームノードB(200')であって、前記移動端末は移動体通信ネットワークの前記ホームノードBに回線交換でアタッチされており、前記ホームノードBが、請求項7又は請求項8に記載の相互接続機能ユニットを有することを特徴とするホームノードB(200')。
【請求項13】
IPマルチメディアサブシステム(IMS)でアンカーされている移動端末(100)のセッションを、移動体通信ネットワークのホームノードB(200)から前記移動体通信ネットワークの他のセッション制御ノードにハンドオーバするための方法であって、前記移動端末(100)は回線交換によって前記ホームノードB(200)にアタッチされており、相互接続機能ユニット(500)が、前記セッションの前記ホームノードBへの回線交換型レグと、前記セッションの前記ホームノードB及び前記IPマルチメディアサブシステム間のパケット交換型レグとの接続を可能にし、前記回線交換型レグがトランザクション識別子によって特定され、
前記方法が、
前記ホームノードB(200)又はホームノードBゲートウェイ(250)により、前記トランザクション識別子を含んだハンドオーバ要求メッセージを前記相互接続機能ユニット(500)に送信するステップと、
ハンドオーバコマンドを前記移動端末に送信するステップと、を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−514924(P2012−514924A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544870(P2011−544870)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050153
【国際公開番号】WO2010/079214
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】