説明

IP網通信システム及びIP網通信システムにおける着信音切換方法

【目的】発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の切り換えを行うことが可能なIP網通信システム及びIP網通信システムの着信音切換方法を提供する。
【構成】IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、IPネットワーク網に接続されるとともに通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、IPネットワーク網と通信端末との間に接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおいて、エンドポイント装置は発信側の通信端末の呼種別に応じて設定される複数の鳴動パターンを管理する鳴動パターン管理手段を有し、発信側の通信端末の呼種別に応じて付加される着信音識別情報を着信側のエンドポイント装置に通知し、着信音識別情報に基づき、鳴動パターン管理手段から鳴動パターンの1つを選択し、選択された鳴動パターンを着信側の通信端末へと送信し、発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)ネットワークのプライベートネットワーク上でVoIP(Voice Over Internet Protocol)を用いた呼制御を行う通信、特に、呼制御プロトコルとして、SIP(Session Initiation Protcol)等を用いたIP網通信システムにおける着信音の鳴り分け技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、IPネットワーク網(以下、「VoIP網」と呼ぶ。)及び、公衆交換電話網(以下、「PSTN網」と呼ぶ。)に接続された電話交換機において、例えば、外線着信に対して、交換手が一度応答または対応した上で内線に接続・転送する局線中継台装置といった発信側の通信端末の種別、また、例えば、内線、専用線または外線といった発信側の通信端末の呼種別に応じて着信側の通信端末機の着信音の鳴り分けを実現する着信音切換技術があった。
具体的には、発信側の通信端末の呼種別(内線や専用線からの着信/外線(以下、「局線」と呼ぶ。)から内線への着信/ダイレクトインダイヤル(DID:Direct In Dial)からの着信/ダイレクトインライン(DIL:Direct In Line)からの着信/PBXダイヤルインからの着信)に応じて着信側の通信端末機の着信音を切り換え、着信音にていずれからの着信であるかを区別する技術等である。
【0003】
図14は、従来の着信音切換を可能とするIP網通信システムでの着信音の鳴り分け技術を説明するための図である。
【0004】
従来のIP網通信システム1400は、VoIP網1401及びPSTN網1402のそれぞれに接続されており、VoIP網1401に接続される通信端末1403(1403a、1403b)と、PSTN網1402に接続される通信端末1404とを有している。さらに、VoIP網1401は、呼制御を行う呼制御サーバ1405と、VoIP網1401とVoIP網1401に接続された通信端末1403との間に接続されるエンドポイント装置1406(1406a、1406b)とを備え、これらの構成にてIP網通信システム1400が構成されている。
従来のIP網通信システム1400では、着信側のエンドポイント装置1406bが、VoIP網1401を介した内線からの着信であれば、例えば、事業用電気通信設備にて規定された内線呼出信号(SIR:Second Inter Ringing)に対応する周波数や信号送出間隔を検出、また、PSTN網1402を介した外線からの着信であれば、事業用電気通信設備にて規定された外線呼出信号(IR:Inter Ringing)に対応する周波数や信号送出間隔を検出し、PSTN網からの着信とVoIP網からの着信とを判別することで、通信端末における着信音の鳴り分けを行っていた。
【0005】
すなわち、従来のVoIP装置における着信音の切換技術では、VoIP網を通過した着信であるか、又は、PSTN網を通過した着信であるかを判断し、その上で電話回線に送出する鳴動パターンをそれぞれ指定することで、着信側の通信端末の着信音の切換を実現していた。つまり、従来のVoIP装置における着信音の切換技術は、VoIP網が障害などでPSTN網に迂回接続する場合や、消防や救急等の緊急特番ダイヤル(緊急通報)のためのPSTN網のインターフェースを備えている場合に限られていた。
【特許文献1】特開平11−275231号公報
【非特許文献1】J.Rosenberg編、"SIP:Session InitiationProtocol"、[online]、2002年6月、[2005年2月15日検索]インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc3261.txt?number=3261>
【非特許文献2】M.Arango編、”Media Gateway Control Protocol (MGCP) Version 1.0”、[online]、1999年5月、[2005年2月15日検索]インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc2705.txt?number=2705>
【非特許文献3】ITU−T勧告 H.323
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上で述べたいずれの従来技術も、PSTN網のインターフェースを備えていない、又は、VoIP網のみを介する通信システムにおいて通信を行う場合、通信確立時にやり取りされる呼制御信号情報だけでは、外線からの着信であるのか、または内線・専用線からの着信であるかの判別ができず、発信者の通信端末種別、呼種別による着信音の切り換えを行うことができなかった。
つまり、着信者は、電話端末の着信音から、電話を掛けてきた相手の呼種別を識別することができないため、社外からの外線電話と社内からの内線電話との区別ができず、結果として、会社名又は部署名の応答であるかを特定することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の従来例の課題に鑑み、PSTN網のインターフェースを備えていない、又は、VoIP網のみを介して通信されるIP網通信システムにおいても、着信音の鳴り分けを可能とするIP網通信システムおよびIP網通信システムにおける着信音切換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るIP網通信システムの代表的なものによれば、IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、IPネットワーク網に接続されるとともに、通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、IPネットワーク網と通信端末との間に接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおいて、着信側のエンドポイント装置は、発信側の通信端末の呼種別に応じて設定される複数の鳴動パターンを保持する鳴動パターン管理手段を有しており、発信側の通信端末の呼種別に応じて付加される着信音識別情報を受信するとともに、着信音識別情報に基づき、鳴動パターン管理手段から鳴動パターンの1つを選択し、選択された鳴動パターンを着信側の通信端末へと送信することにより、発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換手段を備える。
【0009】
また、本発明に係るIP網通信システムにおける着信音切換方法の代表的なものの1つによれば、IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、IPネットワーク網に接続されるとともに、通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、IPネットワーク網に接続され、通信端末にも接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおける発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換方法において、発信側の通信端末が接続要求とともに発信側の通信端末の呼種別情報を呼制御サーバに対して送信するステップと、呼制御サーバが呼種別情報に基づき着信音識別情報を生成し、接続要求とともに生成した着信音識別情報を着信側のエンドポイント装置に対し通知するステップと、着信側のエンドポイント装置に予め備えられ、通信端末の呼種別に応じ設定された複数の鳴動パターンを管理する鳴動パターン管理手段より、通知された着信音識別情報に応じた鳴動パターンの1つを選択するとともに、選択された鳴動パターンを着信側の通信端末へと送信するステップとを有する。
【0010】
さらに、本発明に係るIP網通信システムにおける着信音切換方法の他の例によれば、IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、IPネットワーク網に接続されるとともに、通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、IPネットワーク網に接続され、通信端末にも接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおける発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換方法において、発信側の通信端末が接続要求と発信側の通信端末の呼種別情報とを発信側のエンドポイント装置に対して送信するステップと、発信側のエンドポイント装置が呼種別情報に基づき着信音識別情報を生成し、接続要求とともに生成した着信音識別情報を呼制御サーバを介して着信側のエンドポイント装置に通知するステップと、着信側のエンドポイント装置に予め備えられ、通信端末の呼種別に応じ設定された複数の鳴動パターンを管理する鳴動パターン管理手段より、通知された着信音識別情報に応じた鳴動パターンの1つを選択するとともに、選択された鳴動パターンを着信側の通信端末へと送信するステップとを有する。
【0011】
これらの構成により本発明におけるIP網通信システムおよび着信音切換方法によれば、いずれのIP網通信システムにおいても、発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の切り換えを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、インターフェースの有無や、接続される通信網の種類に関係なく、発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の切り換えを行うことが可能となり、結果として、通信端末の着信音から、発信側の呼種別を識別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本願発明を実施するための最良の形態を示す。なお、以下、本発明を実施するための最良の形態においては、呼制御プロトコルとしてSIPを用いるIP網通信システムを例に挙げて説明を行う。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態について、図1−図7の図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるIP網通信システム100の構成を示す構成図であり、図2は、第1の実施形態におけるIP網通信システム100を用いた着信音情報通知方法を説明するための概略図である。
【0016】
図3は、本発明の第1の実施形態におけるIP網通信システム100において、発信側の通信端末に接続されたエンドポイント装置を介した場合における着信音の鳴り分けを示すシーケンス図であり、図4は、図3にて説明したシーケンスにおいて、呼制御サーバ及び着信側のエンドポイント装置間でやり取りされるメッセージ内容を示す図である。
【0017】
図5は、着信音識別情報を付与する呼制御サーバ104に設けられる発信装置・呼種別による鳴動パターン種別を含むテーブルを説明する図であり、図6は、IPネットワークに接続されたIP−PBX装置を介した場合における着信音の鳴り分けを示すシーケンス図である。
【0018】
図7は、本発明のIP網通信システム100を構成する各構成要素を示したブロック図であり、各ブロックは呼制御サーバからエンドポイント装置へ着信音識別情報を通知し、通知された着信音識別情報に基づき着信側通信端末の鳴り分けを実現するまでに関連する構成を示している。
なお、いずれの図においても、同様の構成物には同一符号が付与されている。
【0019】
本発明の第1の実施形態におけるIP網通信システム100は、VoIP網101に接続された発信側の通信端末102(102a、102b、102c)および着信側の通信端末103を備えている。また、第1の実施形態におけるIP網通信システム100においては、VoIP網101にこれらの通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバ104が接続されている。
【0020】
呼制御サーバ104と通信端末102、103との間には、VoIP網101を介して、SIP対応のIP電話アダプタ、アナログ・専用線・局線インターフェースをもつVoIPゲートウェイ、パーソナルコンピュータベースのソフトフォン、ワイヤレス(無線)IP電話などが含まれるSIPエンドポイント装置105(105a,105b,105c)、106が接続されている。
【0021】
また、図1のIP網通信システム100には、一方が、呼制御サーバ104とVoIP網101を介して接続されるとともに、他方に、種類の異なる複数の回線108(局線108a/専用線108b/内線108c)がそれぞれ接続されるインターフェースを有したIP−PBX装置107が設けられている。
【0022】
呼制御サーバ104は、SIPエンドポイント装置105、106やIP−PBX装置107のPBXインターフェース側の端末種別・呼種別を管理するものであり、図7に示すように、VoIP網101に接続されたIP通信制御部701、IP通信制御部701に接続されたSIP制御部702及びIP−PBX制御部703、SIP制御部702及びIP−PBX制御部703に接続された呼制御部704、呼制御部704から送信される電話番号等の通信端末の識別番号と呼種別やIPアドレスを管理する管理データベース201を備えるデータ管理部705を備える。
【0023】
呼制御サーバ104のIP通信制御部701はVoIP網101から送受信したIPパケットの制御を行い、SIP制御部702はVoIP網101に接続されているSIPエンドポイント装置の制御を行う。また、IP−PBX制御部703はVoIP網101に接続されているIP−PBX装置との通信制御を行い、呼制御部704はそれぞれの呼状態の管理や番号翻訳などを行う。データ管理部705は、VoIP網101に接続されているSIPエンドポイント装置やIP−PBX装置の電話番号情報やIPアドレスと電話番号の対応や端末種別・呼種別また、呼種別から着信音識別情報を管理する管理データベース201を備え、発信側の通信端末102より送信された識別番号に基づき、管理データベース201を参照し、対応する着信音識別情報を呼制御部704に対して送信する。
【0024】
また、SIPエンドポイント装置106は、図7に示すように、VoIP網101に接続されたIP通信制御部711、IP通信制御部711に接続されたSIP制御部712、SIP制御部712に接続された呼制御部713、複数の鳴動パターン(周波数や信号送出間隔)を管理する鳴動パターン管理データベース714を備えるデータ管理部715、着信側の通信端末103に接続されたハード制御部716を備える。
【0025】
SIPエンドポイント装置106のIP通信制御部711及び呼制御部713は、呼制御サーバ104のIP通信制御部701及び呼制御部704と同様、IP通信制御部711はVoIP網101から送受信したIPパケットの制御を行い、呼制御部713はそれぞれの呼状態の管理や番号翻訳などを行う。SIP制御部712は、VoIP網101に接続されている呼制御サーバ、SIPエンドポイント装置、IP−PBX装置間におけるパケット送受信の通信制御を行う。データ管理部715は、着信音識別情報と、各呼種別に応じて規定される周波数、信号送出間隔を対応付ける鳴動パターンとを関連付けて管理する鳴動パターン管理データベース714を備え、呼制御サーバ104から通知された着信音識別情報に基づき、鳴動パターン管理データベース714を参照し、対応する鳴動パターンを呼制御部713に対して送信する。ハード制御部716は、着信側の通信端末103とのインターフェース制御を行い、鳴動パターン管理データベース714にて管理している鳴動パターンに基づき、着信側の通信端末103に対し、着信音の鳴り分け指示730を行う。
【0026】
IP−PBX装置107は、IP機能と従来のPBX機能の両方を備えた装置であり、PBXインターフェース側は、従来のPBXがもつ局線(DID/DIL/PBXダイヤルイン)や専用線、内線等の機能を実現する。図7に示すように、IP−PBX装置107は、VoIP網101に接続されたIP通信制御部721、IP通信制御部721に接続された呼制御部722、呼制御部722に接続されたPBX通信制御部723、IP通信制御部721と呼制御部722及びPBX通信制御部723のそれぞれに接続され、電話番号情報、呼種別、IPアドレス等を管理する番号翻訳データベース724を備えるデータ管理部725とを備える。
【0027】
IP−PBX装置107のIP通信制御部721は、VoIP網101から送受信したIPパケットの制御、及びIP−PBXメッセージの生成を行い、呼制御部722はそれぞれの呼状態の管理や番号翻訳などを行う。PBX通信制御部723はPBXインターフェースの内線や専用線、局線の通信制御やサービス機能の制御を行い、データ管理部725は、内線や専用線、局線、呼制御サーバの番号翻訳情報を管理する番号翻訳データベース724を備え、IP−PBXメッセージに付与するメッセージ内容である番号情報(IPアドレス、電話番号、着信音識別情報等)を管理する。
【0028】
以下、図1を用いて、呼制御サーバ104とIP−PBX装置107、SIPエンドポイント装置105、106がVoIP網101に接続された構成で、SIPエンドポイント装置106が着信音の鳴り分けを実現する方法について説明する。
【0029】
まず、呼接続時に呼制御サーバ104は、接続要求とともに発信側の通信端末より送信された発信側通信端末の種別情報(端末種別、呼種別)に基づき、発信側の端末種別や呼種別から予めデータ設定されている対応の着信音を識別する情報(以下、「着信音識別情報」と呼ぶ。)を生成し、着信側のSIPエンドポイント装置106に対して通知する。
【0030】
着信側のSIPエンドポイント装置106は、この通知された着信音識別情報に基づき、予め鳴動パターンが保持された鳴動パターン管理手段から設定された鳴動パターンの1つを選択し、電話機収容回線へ周波数、信号送出間隔を送出し、着信音の鳴り分けを行う。
着信側のSIPエンドポイント装置106の鳴動パターン管理手段においては、外線呼出信号(IR)と内線呼出信号(SIR)、着信転送警告信号:外線個別着信信号(TIR:Third Inter Ringing)、その他の鳴動パターン(予備)の各鳴動パターンが予め設定されており、これらの鳴動パターンに対応する周波数や信号送出間隔を区別することで発信側通信端末の呼種別を確認する。なお、IR、SIR、TIRの呼出信号の電気的条件は、事業用電気通信設備に規定される通りである。
【0031】
次に、図2を用いて、SIP制御信号を用いた着信音識別情報の通知方法を説明する。
図2の着信音識別情報の通知方法では、呼制御サーバ104に設けられた、例えば、電話番号、SIP−URI等の発信側の通信端末102のそれぞれに付与された識別番号と発信側の通信端末102の呼種別とを対応付けて管理する管理データベース201に基づき、呼制御サーバ104がSIPメッセージに発信側の通信端末の端末種別や呼種別に応じて設定される着信音識別情報205を生成し付与する。管理データベース201には、発信側の通信端末102それぞれに付与された識別番号と対応する呼種別とが対応付けられたテーブル等が管理されている。
【0032】
発信時、発信側の通信端末102から呼制御サーバ104に対し、SIPメッセージを含む呼制御信号202が送信される。発信側の通信端末102から呼制御信号202を受信した呼制御サーバ104は、発信側の通信端末の端末種別や呼種別に応じた着信音識別情報を生成し、SIPメッセージに着信音識別情報205を付与した呼制御信号204を着信側のエンドポイント装置106へと送信する。
【0033】
これにより、着信音識別情報205が着信側のSIPエンドポイント装置106へと通知され、通知を受けたSIPエンドポイント装置106が、自身に設けられた鳴動パターン管理手段において、呼制御サーバ104から送信された着信音識別情報に対応する鳴動パターンを選択し、選択した鳴動パターンを着信側の通信端末103へと送信することにより、発信側の通信端末102a〜102cの呼種別に応じた着信音の鳴り分けを実現する。
【0034】
なお、SIPエンドポイント装置105を介さず、IP−PBX装置107を用いる場合においては、IP−PBX装置107および呼制御サーバ104間のやり取りで用いる呼制御信号として、SIPメッセージではなく非標準メッセージ(以下、「IP−PBXメッセージ」と呼ぶ。)を含む呼制御信号203が用いられる。
【0035】
次に、第1の実施形態のIP網通信システムにおける着信音識別情報の通知シーケンスについて図を用いて説明する。
【0036】
図3は、SIPエンドポイント装置105が発信側のシーケンスを説明する図である。
呼制御プロトコルとしてSIPを用いる本第1の実施形態においては、図3に示すように、呼制御サーバ104からSIPエンドポイント装置106への着信音識別情報の通知に、SIPシーケンスの「F2 INVITE(セッション確立要求)メッセージ」が用いられている。
【0037】
呼制御サーバ104は、発信側の通信端末102に付与された識別番号(電話番号)から呼種別を参照し、端末種別・呼種別と一致した着信音識別情報をF2 INVITEメッセージに付与することで、SIPエンドポイント装置106へ着信音識別情報を通知する。
【0038】
SIPでは、テキストベースの“X”で始める拡張パラメータを使用することにより、非標準であるデータフィールドを付与することが可能であるため、本実施形態のIP網通信システム100では、この“X”パラメータを利用して、呼制御サーバ104からSIPエンドポイント装置106への着信音識別情報の通知を行う。第1の実施形態におけるIP網通信システム100においては、この拡張パラメータに着信音識別情報を設定することで、着信側の通信端末における着信音の鳴り分けを実現する。
【0039】
図4に、呼制御サーバ104とSIPエンドポイント装置106間でのSIPメッセージ内容の具体的なやり取り例を示す。
図4において、“X−RingerType:TypeN”401の文字列が着信音識別情報である。本実施形態において、着信音識別情報(X−RingerType:TypeN)は、設定されるそれぞれの鳴動パターン毎に用意される。本実施形態においては、タイプ1(Type1)=IR、タイプ2(Type2)=SIR、タイプ3(Type3)=TIR、タイプ4(Type4)=その他の4パターンが用意されている。
本実施形態のSIPエンドポイント装置106では、それぞれのタイプに合った鳴動パターンを選択して電話機収容回線へ送出し、着信側の通信端末103に対して所定の着信音での呼び出しを指示し着信音の切り換えを行う。
【0040】
図5は、着信音識別情報を付与する呼制御サーバ104内に設けられる発信装置・呼種別による鳴動パターン種別を含む管理テーブル500である。
【0041】
着信音識別情報を付与する呼制御サーバ104においては、発信側の通信端末102における呼種別と、SIPメッセージに付与する着信音識別情報(X−RingerType)と、着信側のSIPエンドポイント装置106が着信側の通信端末103に対し送信する鳴動パターン種別とを対応付けて管理するテーブル500が設けられている。本実施形態におけるIP網通信システム100では、このテーブル500をもとに着信音識別情報を含むSIPメッセージが生成される。
【0042】
このようにして生成されたSIPメッセージが、着信側のSIPエンドポイント装置106に対し送信され、SIPメッセージに含まれる着信音識別情報に基づき、着信側のSIPエンドポイント装置106に設けられた鳴動パターン管理手段により対応する所定の鳴動パターンが選択される。さらに、本発明のIP網通信システムにおいては、選択された鳴動パターンに基づき、着信側の通信端末103に対する着信音の指示がなされることで、着信側の通信端末103は発信側の通信端末102a〜102cの呼種別に応じた着信音の呼び出しを行うことが可能となる。
【0043】
以上、詳細に説明したように本発明の第1の実施形態におけるIP網通信システムおよび着信音切換方法によれば、インターフェースの有無や、接続される通信網の種類に関係なく、発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の切り換えを行うことが可能となり、結果として、通信端末の着信音から、発信側の呼種別を識別することが可能となる。
【0044】
また、IP−PBX装置107が発信側である場合についても、図6に示したシーケンスのように、呼制御サーバ104がIP−PBX装置のPBXインターフェース側の呼種別を参照し、端末種別・呼種別と一致した着信音識別情報を「F2 INVITEメッセージ」に付与することで、着信側の通信端末における着信音の鳴り分けを実現することが可能となる。この場合、SIPエンドポイント装置106へ着信音識別情報を通知し、拡張パラメータに着信音識別情報を設定することにより着信音の鳴り分けが実現される。
【0045】
さらに、呼制御サーバ104にて発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音識別情報を付与する第1の実施形態でのIP網通信システムおよび着信音切換方法によれば、発信側のエンドポイント装置に着信音識別情報設定をサポートしていない装置を用いる場合においても、呼制御サーバ104で対応する着信音識別情報を付与することが可能であるため、いかなる構成を有する発信側のエンドポイント装置であっても着信音の鳴り分けを実現することが可能となる。つまり、エンドポイント装置の性能や規格、製造メーカによらず、IP網通信システムにおける着信音の鳴り分けを実現することが可能となる。
【実施例2】
【0046】
次に、図8−図13の図面を参照して本発明の第2の実施形態におけるIP網通信システムおよび着信音切換方法について説明する。
【0047】
図8は、本発明の第2の実施形態におけるIP網通信システム800の構成を示す構成図であり、図9は、第2の実施形態におけるIP網通信システム800を用いた着信音情報通知方法を説明するための概略図である。
図10は、本発明の第2の実施形態におけるIP網通信システム800において、発信側の通信端末に接続されたエンドポイント装置を介した場合における着信音の鳴り分けを示すシーケンス図であり、図11は、図10にて説明したシーケンスにおいて、発信側のエンドポイント装置及び呼制御サーバ間でやり取りされるメッセージ内容を示す図である。
図12は、本発明の第2の実施形態におけるIP網通信システム800のIPネットワークに接続されたIP−PBX装置を介する場合での着信音の鳴り分けを示すシーケンス図であり、図13は、図12にて説明したシーケンスにおいて、発信側であるIP−PBX装置及び呼制御サーバ間でやり取りされるメッセージ内容を示す図である。
なお、先述の第1の実施形態と同様の構成物には同一符号を付しその詳細な説明は省略する。
【0048】
先の第1の実施形態においては、呼制御サーバ104がSIPエンドポイント装置105の端末種別・呼種別を管理し、呼接続時に着信側のSIPエンドポイント装置106に対して、着信音識別情報を通知することで、着信音の切り換えを実現していた。これに対し、図8に示すように、本発明の第2の実施形態のIP網通信システム800では、呼制御サーバ801が着信音識別情報を通知するのではなく、発信側のSIPエンドポイント装置802(802a、802b、802c)が、自身の有する端末・呼種別情報から着信音識別情報を着信側のSIPエンドポイント装置805に対し着信音識別情報を通知することで、着信音の鳴り分けを実現するものである。
【0049】
また、第2の実施形態のIP網通信システム800においても、一方が、呼制御サーバ801とVoIP網101を介して接続されるとともに、他方に、種類の異なる複数の回線804(局線804a/専用線804b/内線804c)がそれぞれ接続されるインターフェースを有し、かつ、発信側の端末・呼種別情報を通知する機能を有するIP−PBX装置803が設けられている。
【0050】
以下、図9を用いて、第2の実施形態における着信音識別情報の通知方法について詳細に説明する。
【0051】
図9の着信音識別情報の通知方法では、発信側のSIPエンドポイント装置802又はIP−PBX装置803が、例えば、発信側のエンドポイント装置であるIP−PBX装置803およびSIPエンドポイント装置802のそれぞれに設けられた、IP−PBX装置803に接続されたそれぞれの回線804(局線804a/専用線804b/内線804c)を通じて発信する通信端末に付与された識別番号と発信側の通信端末の呼種別とを対応付けて管理する第1の管理データベース901a、又は、発信側SIPエンドポイント装置802に設けられた、例えば、発信側SIPエンドポイント装置に接続される発信側の通信端末の呼種別を管理する第2の管理データベース901bのいずれかに基づき、SIPメッセージ又はIP−PBXメッセージに発信側の通信端末の端末種別や呼種別に応じて設定される着信音識別情報を生成し付与する。なお、管理データベース901には、第1の実施形態において、図5に示したテーブル500と同様のテーブルが設けられており、このテーブルをもとに着信音識別情報を含むSIPメッセージ又はIP−PBXメッセージが生成される。
【0052】
発信時、発信側の通信端末102から発信側のSIPエンドポイント装置802に対し、発信側の通信端末102の端末種別・呼種別情報が通知され、これを受信したSIPエンドポイント装置802は、自身が有する管理データベース901のテーブルを参照し対応する着信音識別情報を生成し、SIPメッセージ内に所定の着信音識別情報を付与した呼制御信号902を、呼制御サーバ801を介して着信側のSIPエンドポイント装置805に対し送信する。
【0053】
第2の実施形態におけるIP網通信システムでは、呼制御サーバ801は発信側のSIPエンドポイント装置802が通知した着信音識別情報をそのまま通過させる。発信側のSIPエンドポイント装置802にて付与された着信音識別情報905が着信側のSIPエンドポイント装置805に通知され、SIPエンドポイント装置805内の鳴動パターン管理手段において、対応する鳴動パターンが選択され、選択された鳴動パターンを着信側の通信端末に対して通知することにより、呼種別に応じた着信音の鳴り分けを実現する。
【0054】
なお、第2の実施形態のIP網通信システムにおいても、発信側がSIPエンドポイント装置802ではなく、IP−PBX装置803の場合は、IP−PBXメッセージに着信音識別情報を追加した呼制御信号903により通知を行い、呼制御サーバ801がIP−PBX装置803から通知された情報をSIPの着信音識別情報に変換することで着信側のSIPエンドポイント装置805への通知を行い、呼種別に応じた着信音の鳴り分けを実現する。
【0055】
次に、図10を用いて、第2の実施形態のIP網通信システムにおける着信音識別情報の通知シーケンスを説明する。
【0056】
呼制御プロトコルとしてSIPを用いた第2の実施形態においては、発信側のSIPエンドポイント装置802にて着信音識別情報が生成され、発信側のSIPエンドポイント装置802から発信されるセッション確立要求メッセージ(F2 INVITEメッセージ)に着信音識別情報が付与されて呼制御サーバ801に着信音識別情報が通知されるとともに、着信音識別情報が付与された「F2 INVITEメッセージ」が着信側のSIPエンドポイント装置805に対して通知される。着信音識別情報が発信側のSIPエンドポイント装置802にて付与されて送信される以外は、先に説明した第1の実施形態と同じシーケンスにて着信音の鳴り分けが実現される。
【0057】
また、図11に示されるように、発信側のSIPエンドポイント装置802と呼制御サーバ801間でやり取りされるSIPメッセージ内容についても、図4と同様であり、“X”パラメータを利用して、拡張パラメータに着信音識別情報(X−RingerType:TypeN 1100)を設定することで、着信側の通信端末における着信音の鳴り分けを実現している。
【0058】
さらに、発信側がIP−PBX装置803の場合におけるシーケンスにおいても、図12に示すように、IP−PBX装置803から送信される接続メッセージに着信音識別情報(RingerType N)を付与し、呼制御サーバ801へと送信するとともに、呼制御サーバ801では、IP−PBX装置803から通知された情報をSIPメッセージ(F2 INVITEメッセージ)に含まれる着信音識別情報に変換し、着信側のSIPエンドポイント装置805に対して通知することで、着信音の鳴り分けを実現する。
【0059】
なお、IP−PBX装置803から送信される接続メッセージは、図13に示されるようなIP−PBX(非標準)メッセージである。
PBX側インターフェースの呼種別からRingerType値(RingerType N 1300)がIP−PBXメッセージ内に追加され、呼制御サーバ801へと通知される。IP−PBXメッセージを受信した呼制御サーバ801は、通知された着信音識別情報(RingerType N)をSIP INVITEメッセージの“X−RingerType:TypeN”の文字列に変換し、着信側のSIPエンドポイント装置805へ通知する。
【0060】
以上、詳細に説明したように本発明の第2の実施形態におけるIP網通信システムおよび着信音切換方法においても、インターフェースの有無や、接続される通信網の種類に関係なく、発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の切り換えを行うことが可能となり、結果として、通信端末の着信音から、発信側の呼種別を識別することが可能となる。加えて、発信側のSIPエンドポイント装置802、IP−PBX装置803にて着信音識別情報を付与する第2の実施形態においては、呼制御サーバ104にて着信音識別情報が付与される第1の実施形態の場合と比べ、呼制御サーバを利用せずに構成された小規模なVoIP網においても着信音の鳴り分けを実現することができるとともに、通信端末側での適用で済むため、呼制御サーバへのソフト処理の削減、管理データベースの削減をも実現することができ、更なる効果を奏することが可能となる。
【0061】
なお、本発明における第1の実施形態、及び第2の実施形態においては、SIPに対応する呼制御サーバとSIPエンドポイント装置に適用した例を示したが、SIPメッセージの拡張パラメータである“X−RingerType:TypeN”(着信音識別情報)をサポートすることでSIP対応装置全般に適用可能である。
【0062】
また、VoIP呼制御プロトコルとして、H.323を適用することも可能である。この場合、呼制御サーバ(ゲートキーパ・IP−PBXサーバ)とH.323エンドポイント装置間で、H.323メッセージの非標準データであるNonStandardDataを利用することで、着信音識別情報を通知することが可能となる。
【0063】
本発明における第1の実施形態において、H.323を用いる場合においては、ゲートキーパ・IP−PBXサーバがNonStandardDataデータフィールドに着信音識別情報を付与し、H.323エンドポイント装置に対して着信音識別情報を通知する。また、本発明における第2の実施形態において、H.323を用いる場合においては、H.323エンドポイント装置がNonStandardDataデータフィールドに着信音識別情報を付与し、ゲートキーパ・IP−PBXサーバを介してH.323エンドポイント装置に対し着信音識別情報を通知する。着信側のH.323エンドポイント装置は、これらの着信音識別情報に基づき鳴り分けを実現する。
【0064】
さらに、本発明においては、VoIP呼制御プロトコルとしてMGCPを適用することも可能である。MGCPにおける呼制御サーバ(コールエージェント・IP−PBXサーバ)とMGCPエンドポイント装置間で、MGCPメッセージの拡張パラメータである“X”パラメータを利用することで、着信音識別情報を通知することが可能となる。
【0065】
本発明における第1の実施形態において、MGCPを用いる場合においては、コールエージェント・IP−PBXサーバが拡張パラメータの“X”パラメータに着信音識別情報を付与し、MGCPエンドポイント装置に対し着信音識別情報を通知する。また、本発明における第2の実施形態において、MGCPを用いる場合においては、MGCPエンドポイント装置が拡張パラメータの“X”パラメータに着信音識別情報を付与し、コールエージェントIP−PBXサーバを介してMGCPエンドポイント装置に対し着信音識別情報を通知する。着信側のMGCPエンドポイント装置は、これらの着信音識別情報に基づき鳴り分けを実現する。
【0066】
その他、第2の実施形態の方法においては、発信側のVoIPエンドポイント装置が発信側の通信端末の有する種別情報(端末種別・呼種別)に応じた着信音識別情報を付与する構成となっているが、第2の実施形態と同様の方法を用いて、発信側のVoIPエンドポイント装置が、この発信側の通信端末の有する種別情報に応じた着信音識別情報の代わりに、発信側通信端末の属性を表す情報を付与する構成を備えることで、発信者別での着信音の鳴り分けも実現することが可能となる。
【0067】
例えば、発信側通信端末の属性種別をType1=家族、Type2=友人、Type3=会社、Type4=その他に設定し、鳴動パターンは、家族=SIR、友人=IR、会社=TIRその他=その他の着信音に設定することで、応答する前に電話端末機の着信音から相手呼種別を識別できるようになる。この場合における着信音識別情報の付与する方法は、発信側エンドポイント装置が宛先電話番号ごとにType1(家族)、Type2(友人)、Type3(会社)の3種をデータベースで管理することで、ダイヤルされた番号が上記3種の番号と一致した場合にそれぞれのTypeを付与し、一致しない場合は、Type4(その他)を付与することで実現する。この着信音の鳴り分け方法は、主に公衆網IP電話網(050網)に適用することもできる。
【0068】
さらに、本第2の実施形態においては、発信側のエンドポイント装置において、自身の有する端末・呼種別に応じた着信音識別情報を付与する場合を例に挙げて説明を行ったが、この他にも、例えば、着信側のエンドポイント装置が、SIPシーケンスの「F5/F6の180Ringing」に着信側の通信端末の呼種別に応じた識別情報(呼出音識別情報)を付与することで、呼出中音(RBT:Ring Back Tone)の切り換えも可能となる。このように呼出中音の鳴り分けを実現することにより、結果として、相手電話番号から呼種別が特定できない場合でも呼出中音から着信者の呼種別を特定できるようになるといった効果も奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1の実施形態におけるIP網通信システムの構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態におけるIP網通信システムを用いた着信音情報通知方法を説明する概略図である。
【図3】第1の実施形態におけるIP網通信システムにおいて、発信側の通信端末に接続されたエンドポイント装置を介した場合における着信音の鳴り分けを示すシーケンス図である。
【図4】図3にて説明したシーケンスにおいて、呼制御サーバ及び着信側のエンドポイント装置間でやり取りされるメッセージ内容を示す図である。
【図5】第1の実施形態におけるIP網通信システムにおいて、着信音識別情報を付与する呼制御サーバ104に設けられる発信装置・呼種別による鳴動パターン種別を含むテーブルを説明する図である。
【図6】第1の実施形態におけるIP網通信システムにおいて、IPネットワークに接続されたIP−PBX装置を介した場合における着信音の鳴り分けを示すシーケンス図である。
【図7】本発明のIP網通信システムを構成する各構成要素を示したブロック図である。
【図8】第2の実施形態におけるIP網通信システムの構成を示す構成図である。
【図9】第2の実施形態におけるIP網通信システムを用いた着信音情報通知方法を説明する概略図である。
【図10】第2の実施形態におけるIP網通信システムにおいて、発信側の通信端末に接続されたエンドポイント装置を介した場合における着信音の鳴り分けを示すシーケンス図である。
【図11】図10にて説明したシーケンスにおいて、発信側のエンドポイント装置及び呼制御サーバ間でやり取りされるメッセージ内容を示す図である。
【図12】第2の実施形態におけるIP網通信システムのIPネットワークに接続されたIP−PBX装置を介する場合での着信音の鳴り分けを示すシーケンス図である。
【図13】図12にて説明したシーケンスにおいて、発信側であるIP−PBX装置及び呼制御サーバ間でやり取りされるメッセージ内容を示す図である。
【図14】従来の着信音切換を可能とするIP網通信システムでの着信音の鳴り分け技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
100 IP網通信システム
101 VoIP網
102a、102b、102c、103 通信端末
104 呼制御サーバ
105a、105b、105c、106 エンドポイント装置
107 IP−PBX装置
108a 局線回線
108b 専用線回線
108c 内線回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、前記IPネットワーク網に接続されるとともに、前記通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、前記IPネットワーク網と前記通信端末との間に接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおいて、
着信側の前記エンドポイント装置は、発信側の前記通信端末の呼種別に応じて設定される複数の鳴動パターンを保持する鳴動パターン管理手段を有しており、
発信側の前記通信端末の呼種別に応じて付加される着信音識別情報を受信するとともに、
前記着信音識別情報に基づき、前記鳴動パターン管理手段から前記鳴動パターンの1つを選択し、
選択された前記鳴動パターンを着信側の前記通信端末へと送信することにより、前記発信側の通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換手段を備えることを特徴とするIP網通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のIP網通信システムにおいて、前記着信音識別情報は前記呼制御サーバにて付与されることを特徴とするIP網通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載のIP網通信システムにおいて、前記呼制御サーバは、前記発信側の通信端末それぞれに付与された識別番号と前記発信側の通信端末の呼種別とを対応付けて管理する管理データベースを有しており、
前記発信側の通信端末から前記管理データベースに対して通知される前記発信側の通信端末に付与された識別番号に基づき、前記発信側の通信端末の呼種別を判別して前記着信音識別情報を生成することを特徴とするIP網通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載のIP網通信システムにおいて、前記鳴動パターンには、外線発信時パターンと内線又は専用線発信時パターンとが含まれていることを特徴とするIP網通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載のIP網通信システムにおいて、前記呼制御サーバには、前記IPネットワーク網上にて電話交換機能を実現するIP−PBX装置が接続されていることを特徴とするIP網通信システム。
【請求項6】
請求項1に記載のIP網通信システムにおいて、前記着信音識別情報は着信側の前記エンドポイント装置にて付与されることを特徴とするIP網通信システム。
【請求項7】
請求項6に記載のIP網通信システムにおいて、前記発信側のエンドポイント装置は、前記発信側の通信端末それぞれに付与された識別番号と前記発信側の通信端末の呼種別とを対応付けて管理する第1の管理データベース、又は、前記発信側のエンドポイント装置に接続される前記発信側の通信端末の呼種別を管理する第2の管理データベースを有しており、
前記発信側の通信端末から前記第1の管理データベースに対して通知される前記発信側の通信端末に付与された識別番号に基づき、前記発信側の通信端末の呼種別を判別して前記着信音識別情報を生成、若しくは、前記第2の管理データベースに基づき、前記発信側の通信端末の呼種別を判別して前記着信音識別情報を生成することを特徴とするIP網通信システム。
【請求項8】
IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、前記IPネットワーク網に接続されるとともに、前記通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、前記IPネットワーク網に接続され、前記通信端末にも接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおける発信側の前記通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換方法において、
発信側の前記通信端末が接続要求とともに前記発信側の通信端末の呼種別情報を前記呼制御サーバに対して送信するステップと、
前記呼制御サーバが前記呼種別情報に基づき着信音識別情報を生成し、前記接続要求とともに生成した前記着信音識別情報を着信側の前記エンドポイント装置に対し通知するステップと、
前記着信側のエンドポイント装置に予め備えられ、前記通信端末の呼種別に応じ設定された複数の鳴動パターンを管理する鳴動パターン管理手段より、通知された前記着信音識別情報に応じた前記鳴動パターンの1つを選択するとともに、選択された前記鳴動パターンを着信側の前記通信端末へと送信するステップとを有することを特徴とするIP網通信システムにおける着信音切換方法。
【請求項9】
請求項8記載の着信音切換方法において、前記呼制御サーバは、前記発信側の通信端末それぞれに付与された識別番号と前記発信側の通信端末の呼種別とを対応付けて管理する管理データベースを備えており、
前記接続要求とともに送信される前記発信側の通信端末から前記管理データベースに対して通知される前記発信側の通信端末に付与された識別番号に基づき、前記発信側の通信端末の呼種別を判別して前記着信音識別情報を生成することを特徴とするIP網通信システムにおける着信音切換方法。
【請求項10】
IPネットワーク網に接続される複数の通信端末と、前記IPネットワーク網に接続されるとともに、前記通信端末間の通信制御を行う呼制御サーバと、前記IPネットワーク網に接続され、前記通信端末にも接続されるエンドポイント装置とを備えるIP網通信システムにおける発信側の前記通信端末の呼種別に応じた着信音の鳴り分けを行う着信音切換方法において、
発信側の前記通信端末が接続要求と前記発信側の通信端末の呼種別情報とを発信側の前記エンドポイント装置に対して送信するステップと、
前記発信側のエンドポイント装置が前記呼種別情報に基づき着信音識別情報を生成し、前記接続要求とともに生成した前記着信音識別情報を前記呼制御サーバを介して着信側の前記エンドポイント装置に通知するステップと、
前記着信側のエンドポイント装置に予め備えられ、前記通信端末の呼種別に応じ設定された複数の鳴動パターンを管理する鳴動パターン管理手段より、通知された前記着信音識別情報に応じた前記鳴動パターンの1つを選択するとともに、選択された前記鳴動パターンを着信側の前記通信端末へと送信するステップとを有することを特徴とするIP網通信システムにおける着信音切換方法。
【請求項11】
請求項10記載の着信音切換方法において、前記発信側のエンドポイント装置は、前記発信側の通信端末それぞれに付与された識別番号と前記発信側の通信端末の呼種別とを対応付けて管理する第1の管理データベース、又は、前記発信側のエンドポイント装置に接続される前記発信側の通信端末の呼種別を管理する第2の管理データベースを有しており、
前記接続要求とともに前記発信側の通信端末から前記第1の管理データベースに対して送信される前記発信側の通信端末に付与された識別番号に基づき、前記発信側の通信端末の呼種別を判別して前記着信音識別情報を生成、若しくは、前記第2の管理データベースに基づき、前記発信側の通信端末の呼種別を判別して前記着信音識別情報を生成することを特徴とするIP網通信システムにおける着信音切換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−237891(P2006−237891A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47881(P2005−47881)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(595125421)沖通信システム株式会社 (131)
【Fターム(参考)】