説明

IRX−2の改良された作製方法

一次細胞由来バイオロジックの高効率な作製方法は、白血球をリンパ球分離培地(LSM)に投入し、培地を自動細胞処理・洗浄システムで洗浄・遠心分離して精製単核細胞(MNC)を得ることによりMNCを精製して汚染細胞を除去し、MNCを密閉式無菌バッグシステムに一晩保存し、MNC誘導混合物をスケーラブル細胞培養システム内でマイトジェンとシプロフロキサシンで刺激し、MNCから一次細胞由来バイオロジックを作製し、誘導混合物からマイトジェンをろ過により除去し、誘導混合物をインキュベーションし、誘導混合物をろ過により清澄して一次細胞由来バイオロジック上澄を得、一次細胞由来バイオロジック上澄から偶発的物質を陰イオン交換クロマトグラフィろ過で除去することによる。密閉システムは、得られる一次細胞由来バイオロジックの汚染を防止する。細胞の自動精製方法。スケーラブルに細胞を誘導する方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は35U.S.C.セクション119(e)のもと2008年4月14日に出願した仮出願第61/044,674の優先権の利益を請求し、これを参照のために本明細書に編入する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、大規模な量のバイオロジック(biologics)を作製する方法に関する。特に、本発明は、一次細胞由来バイオロジック作製のスケールアップ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞からバイオロジックを作製するために使用する技術にはさまざまな方法があり、それは概して所望の産物(product)を得るためにインキュベーションで細胞を刺激し、そして細胞を洗浄する工程を含む。
【0004】
例えば、ファブリシアスに対する米国特許第4,390,623は、ヒト、ウシ又はブタの末梢血単核球細胞から調製した無血清及び無マイトジェンのT細胞成長因子(インターロイキン−2)調製物を開示し、それは液体組織培養培地で数回洗浄し、次いで血清及びマイトジェンを補充した組織培養培地内で刺激される。分離した刺激細胞を、再びフレッシュな組織培養培地で洗浄して、実質的にすべての血清及びマイトジェンを除去する。洗浄した細胞を、フレッシュな組織培養培地に懸濁し、インキュベーション条件下でコンディショニングして成長因子を液体へ移す。刺激細胞から分離した組織培養培地は、さらなる細胞刺激のために再利用する。上澄を限外ろ過膜で50〜100倍に濃縮する。
【0005】
ファブリシアスに対する米国特許第4,406,830は、無血清、無マイトジェンのインターロイキン−1(Il−1)(リンパ球活性化因子LAFとしても知られる)、及び無血清、無マイトジェンのIl−2の作製方法を開示し、それは末梢血単核球(PBL)細胞を無血清液体組織培養培地内でインキュベーションしてPBL細胞表面の残留血清タンパク質を除去し、インキュベーションした細胞をマイトジェンで活性化し、活性化細胞を無菌液で洗浄して細胞からマイトジェンを除去し、そして無血清、無マイトジェンの活性化細胞を液体組織培養培地内でコンディショニングして無血清、無マイトジェンのインターロイキン−1(IL−1)を産生させ、IL−1含有液体組織培養培地を新しい血清糖タンパク質と接触させ、そして細胞をIL−1及び新規な血清糖タンパク質の存在下でインキュベーションしてIL−2合成を誘導し、そしてIL−2(T細胞成長因子)を細胞から組織培養培地の液相へ移すことにより、無血清、無マイトジェンのIL−2を産生させる。
【0006】
テスラに対する米国特許第5,503,828は、誘導及び精製を経るαインターフェロンの大規模作製方法を開示する。末梢血白血球から産生させるαインターフェロンサブタイプ混合物の作製は、(a)バフィーコートを採集し、そして赤血球を塩化アンモニウムでリンスすることによりヒト末梢血白血球を調製し、(b)アール塩(Earle‘s Salts)、L−グルタミン、非必須アミノ酸、4.46mg/mlのトリシン、pH7.4、24μg/mlのネオマイシン硫酸塩、ビタミンB3及び/又はC、炭酸水素ナトリウム及び、0.1〜1.5mg/mlのヒトアガンマ(agamma)血清を含有するイーグル最小必須培地(MEM)を含む誘導培地中に白血球を1〜10×106細胞/mlの細胞密度で懸濁し、(c)プライマーとしての粗又は精製αインターフェロンを、誘導培地に懸濁した白血球に添加し、(d)懸濁液を100〜300rpmで攪拌しながら充分な時間、36℃でインキュベーションし、(e)50〜500ヘマグルチニン単位/mlセンダイウイルスの懸濁液に添加し、(f)懸濁液を100〜300rpmで攪拌しながら充分な時間、36℃でインキュベーションし、(h)約2,500rpmで遠心分離して細胞及び破片を除去し、そして(i)α混合物中の一のαインターフェロンサブタイプを、他のαインターフェロンサブタイプから全く分離することなく、粗αインターフェロンを産物として採取することによる。
【0007】
モリスに対する米国特許第6,350,589は、マルチサブタイプの1型インターフェロンの作製方法を開示する。この方法は、(a)白血球を培養し、(b)白血球を刺激して粗インターフェロンを産生し、(c)粗インターフェロンを濃縮して、低分子汚染物を除去し、(d)濃縮された粗インターフェロンを作製するための液体体積、(e)実質量の血清アルブミン及び他の汚染物を濃縮粗インターフェロンから除去して、複数のサブタイプを含有する部分精製したインターフェロン混合物を作製し、(f)実質的にすべての残余血清アルブミン及び他の汚染物を部分精製インターフェロン混合物から除去して、約50%〜約80%の純度を有するインターフェロン混合物を作製し、(g)約50%〜約80%のインターフェロン混合物を精製して少なくとも約95%の純度を有しかつ約35重量%以下のIFNα−2及びIFNα−8サブタイプを含有するI型インターフェロンの高度に精製された混合物を作製する工程を含む。
【0008】
タロ−ルに対する米国特許第6,896,879は、無血清、無マイトジェン及び無抗生物質のサイトカイン混合物の作製方法を開示する。この作製方法では、単核細胞をヒトドナー「バフィーコート」から密度勾配遠心分離法により分離し、そしてフィトヘマグルチニン(PHA)とともに培養して、IL−2と他のサイトカインを培養中のドナー白血球細胞からの産生と分泌を強化する。その後、培養上澄を無菌的に収穫し、清澄し、そして商用ウイルス除去処理にかける。次いで、上澄をさらに限外ろ過及び精密ろ過によって約10倍に濃縮する。この時点で、ヒト血清アルブミン(Inj,USP)を添加し、次いで濃縮物を生理学的pHまで緩衝させ、表示量(label claim)当たりの目標濃度(例えば400IU/mL)にもってゆく。次いで、濃縮物を第二の限外ろ過(0.22ミクロン級のフィルタ)にかけ、無菌血清型バイアルに無菌的に分配し、そのIL−2含量をラベルする。細胞障害性T−リンパ球株(CTLL−2)による放射化標識チミジンの導入により、産物の力価(product potency)を測定する。さらに、最終注射剤を5種のマーカー:IL−2、IL−1β、GM−CSF、IFN−γ及びTNF−αについてELISAで試験する。.
【0009】
ハッデンに対する米国特許第5,632,983、5,698,194、6,977,072、7,153,499、7,182,942は、IL−1β、IL−2、IL−6、IL−8、INF−γ及びTNF−αからなる特有のサイトカイン混合物である天然サイトカイン混合物(NCM)の作製方法を開示する。複数のHIV陰性肝炎ウイルス陰性ドナー由来の人血のバフィーコート白血球を採取する。ドナーからの細胞をプールし、フィコールハイペーク(ficoll hypaque)密度勾配(Pharmacia)に層状にして無リンパ球の好中球及び赤血球を得る。NCM産生の好ましい実施態様では、リンパ球を洗浄し、そしてX vivo−10培地(Whittaker Bioproducts)中、刺激剤のマイトジェンが入っているフラスコ(MicroCELLector.TM.T−25 Cell Culture Flasks)へ分配する。刺激剤の固定化処理は、パニング手順、すなわち細胞をフラスコ内で分離するためにさまざまな物質を固定化することについて製造者記載のとおりである。X vivo−10培地中の細胞を、80μg/mlのシプロフロキサシン(Miles Lab)とともに、37℃のCO/エアインキュベータ内で、24〜48時間インキュベーションする。インキュベーションに続いて、上澄を流し去って採取する。ヒト血清アルブミン(HSA)を添加して、インターロイキンを安定化させることができる。一般に、HSAは、0.1〜0.5%(w/v)で使用する。上澄を4℃〜−70℃で保存する。プールした上澄を、IL−2のバイオアッセイ、並びに一以上のインターロイキンIL−1〜IL−15、CSF、TNF及びIFNのELISAでサイトカイン含量を測定することにより特徴づける。無菌性を、チオグリコレートブロス中での培養と、当業者に知られるリムルスライセートアッセイにより測定されるエンドトキシンにより試験する。各上澄を、比較できるように、濃度又は投与量のいずれかでそれぞれ標準化する。特に、各上澄のIL−2当量(equivalence)を利用する。DNA及びウイルス排除は、もし使用するなら、限外ろ過、エタノ−ル分画、ポリエチレングリコ−ル/ベントナイト沈殿、及び/又は、静脈注射γグロブリン(IGIV News Update brochure)で使用されている溶媒/界面活性剤処理等の技術を採用する。光化学的不活性化、アルミニウムフタロシアニン又はガンマ照射を使用可能である。この方法は、さらに、以下の本発明で説明する。
【0010】
バイロジック作製に使用する手動法(manual process)にはいくつかの制約があり、例えば、作業者の感度、開放系での汚染の可能性、最終産物の一貫しない比率及びおける全タンパク質レベルであり、そのすべてが医薬級産物の作製を不適にする。過去にこれらの問題を扱うため、ろ過、スターチ、手動式での遠心分離及び洗浄のような面倒な手順が行われた。以前の方法は、一貫しないバッチ及び小規模の産物を作製したベンチトップ(bench top)手順であった。
【0011】
バイオロジック作製で検討を要する別の工程は、ウイルス除去である。患者の安全が最重要であるが、バイオテクノロジープロセスでは組み込まれる(incoming)細胞を汚染する外因性ウイルスの危険性がある。したがって、存在し又は存在しないかもしれないウイルスを除去するための不活性化及び除去工程が求められる。FDA及びICHガイドラインにしたがって数logの除去/不活性化が要求される。監督官庁は、顕著と認められる最低4log10のウイルス不活性化/除去をもたらす製法に含むとともに、未処理バルクの潜在的ウイルスの検査を勧める。その方法は、二(又はそれ以上)の直交性ステップ(orthogonal step)を含み、好ましくは非エンベロープイルスを標的とするものを含むことが提案される。規制ガイドラインは、バリデーション試験が、プロセスのロバスト性をキャラクタライズするために、プロセスが一定範囲の生化学及び生物物理学的特性を示す偶発的ウイルスを除去/不活性化する能力を特徴付けるために行われることを勧める。
【0012】
一次細胞由来バイオロジック作製にとって、ドナー白血球(サイトカイン産生のための原細胞)は、血液センターによってPCRによるウイルス核酸(NHCV及びNHIV)、並びに典型的ウイルス抗原(ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎(HCV)、B型肝炎(HBV)及びヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV))の存在がスクリーニングされる。しかし、他のウイルスであるエプスタインバー(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)及びヒトパルボウイルスB−19(B−19)は、検定を受けたドナー中に依然として存在し得、そして作製に使用されるかもしれない。検出可能レベルのEBVが、最高100%の健常ドナーに存在し得た(ワリングら、2003)。無症候の個人のB−19レベルは、1012/mLより大であること(ドイル及びコルコラン、2006)、及び、1014/mLと同程度の力価で短時間のウイルス血症感染成績(アンダーソン、1985)が報告されている。一次細胞由来バイオロジック製法で使用される広範な細胞洗浄によって、血漿に同伴されるウイルスのほとんどがドナー白血球から本質的に除去され、一次細胞由来バイオロジックバルク中に検出されるすべてのウイルスは、下流の除去/不活性化工程前には感染細胞から放出されたもののみになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
にもかかわらず、産物の安全性を保証するためにロバストな不活性化/除去方法が必要である。
【0014】
一次細胞由来バイオロジックの手動式作製プロセスは労働集約的であり、容易にスケールアップを受け入れにくく、手動法により扱われる無菌液量に制約される。したがって、手動操作を減じ、そして商業化の実用性を達成するために、製法の進歩が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、白血球をリンパ球分離培地(LSM)に投入し、そして該培地を自動細胞処理及び洗浄システムで洗浄及び遠心分離して精製された単核細胞(MNC)を得ることによりMNCを精製して汚染細胞を除去し、MNCを密閉された無菌バッグシステム内に一晩保存し、MNCの誘導混合物をスケーラブルな細胞培養システム内でマイトジェン及びシプロフロキサシンで刺激し、そしてスケーラブルなディスポーザブル細胞培養装置内でMNCから一次細胞由来バイオロジックを作製し、該誘導混合物から該マイトジェンをろ過により除去し、該誘導混合物をインキュベーションし、該誘導混合物をろ過により清澄して一次細胞由来バイオロジック上澄を得て、一次細胞由来バイオロジック上澄を陰イオン交換クロマトグラフィ及び15ナノメータウイルスろ過と、紫外線C(UVC)を用いる可能な付加的ウイルス除去にかけてDNA及び偶発的な物質を一掃することによる、一次細胞由来バイオロジックの作製方法を提供する。
【0016】
本発明は、また、自動細胞プロセッサに細胞を投入し、細胞を自動で洗浄及び遠心分離し、そして精製された細胞を得ることによる細胞の自動精製方法を提供する。
【0017】
本発明は、さらに、スケーラブルな細胞培養システム内で細胞を誘導することによる細胞誘導方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の他の利点は、添付の図面と関連して検討する際に以下の詳細な説明を参照することでよく理解されるとおり、容易に理解できよう。
【0019】
【図1】フェーズII臨床試験で使用した一次細胞由来バイオロジックのサイトカインプロファイルの写真である。
【0020】
【図2】手動法に対する、本発明の商業化スケール一次細胞由来バイオロジックプロセスを含むチャートである。
【0021】
【図3】バフィーコートを20分間遠心分離する写真である。
【0022】
【図4】MNCを分離する写真である。
【0023】
【図5】Ac・T diff2を介して細胞プロセッサで精製されたMNCの細胞集団分析のグラフである。
【0024】
【図6】FEPバッグを一晩保存する写真である。
【0025】
【図7】サイトカインアレイ一次細胞由来バイオロジック(商業化スケールプロセス)の写真である。
【0026】
【図8】培地/誘導剤と混合され、そしてディスポーザブル細胞培養装置へ移される細胞の写真である。
【0027】
【図9】インキュベータ内に設置されるディスポーザブル細胞培養装置の写真である。
【0028】
【図10】中空ファイバーフィルタを用いた細胞洗浄の写真である。
【0029】
【図11】中空ファイバーフィルタを用いた細胞洗浄の写真である。
【0030】
【図12】上澄清澄の写真である。
【0031】
【図13】特異的ペプチドDTHアッセイのグラフである。
【0032】
【図14】ウイルスろ過の写真である。
【0033】
【図15】ウイルスろ過の写真である。
【0034】
【図16】ディスポーザブル陰イオン交換クロマトグラフィによるウイルス除去の写真である。
【0035】
【図17】UVCによるウイルス不活性化の写真である。
【0036】
【図18】UVC後の一次細胞由来バイオロジックのウエスタンブロッド分析の写真である。
【0037】
【図19】UVC前後の一次細胞由来バイオロジックのサイトカインアレイの写真である。
【0038】
【図20】凍結準備のできたバルク一次細胞由来バイオロジックの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、広く、一次細胞由来バイオロジック、好ましくはIRX−2を商業的作製のために大規模量を作るための方法を提供する。この方法は、所望の産物量が大規模に実現可能ないくつかの作製工程を新規に使用する。単核細胞(MNC)は、自動細胞処理及び洗浄システムで、白血球をリンパ球分離培地(LSM)上に投入し、該培地を遠心分離して精製MNCを得ることにより精製して汚染細胞を除去する。MNCは、その後、FEPリンパ球保存バッグ内に一晩保存される。MNCの誘導混合物をディスポーザブルな細胞培養装置内でマイトジェン、好ましくはフィトヘマグルチニン(PHA)、及びシプロフロキサシン(ciprofloxacin)で刺激し、そして一次細胞由来バイオロジックをMNCから作製する。該誘導混合物からマイトジェンをろ過及びタンジェンシャルフローろ過(TFF)モードにより除去し、その後、該誘導混合物をインキュベーションする。該誘導混合物をろ過により清澄して一次細胞由来バイオロジック上澄を得る。最後に、該一次細胞由来バイオロジック上澄を、陰イオン交換クロマトグラフィ及び15ナノメータろ過にかけ、そして適宜の付加的な紫外線−C(UVC)による不活性化により、DNA及び偶発的な物質を一掃する。次いで、最終産物をバイアルに入れ、将来の患者への投与のために保存することができる。
【0040】
本明細書で使用する「一次細胞由来バイオロジック」は、一組のサイトカイン、好ましくは天然及び非組み換え体のサイトカインであり、また、以前はNCM(天然サイトカイン混合物)として知られている。好ましくは、一次細胞由来バイオロジックは、以下に記載するIRX−2であり、二つの用語は、本願を通して交換可能に、意図する意味から逸脱せずに使用される。
【0041】
「IRX−2」は、フィトヘマグルチニン(PHA)及びシプロフロキサシン(CIPRO)により刺激された精製ヒト白血球(単核細胞)により作製される、白血球に由来する一次細胞由来バイオロジックである。主要活性成分は、インターロイキン1β(IL−1β)、インターロイキン2(IL−2)及びγ−インターフェロン(IFN−γ)である。IRX−2は、以前は、米国特許第6,977,072及び7,153,499中に定義及び発表した「NCM」(天然サイトカイン混合物)とも呼ばれる。詳細には、IRX−2は、4−アミノキノロン抗生物質の継続的存在と、マイトジェン(好ましい実施態様ではPHA)の継続的又は脈動的存在とともに調製される。しかし、他のマイトジェンも使用可能である。本発明の好ましい実施態様によれば、IRX−2は60〜6,000pcg/mL、より好ましくは150〜1,800pcg/mLの濃度のIL−1β、600〜60,000pcg/mL、より好ましくは3,000〜12,000pcg/mLの濃度のIL−2、及び200〜20,000pcg/mL、より好ましくは1,000〜4,000pcg/mLの濃度のIFN−γを含有する。
【0042】
IRX−2は、また、60〜6,000pcg/mL、より好ましくは300〜2,000pcg/mLの濃度のIL−6、6000〜600,000pcg/mL、より好ましくは20,000〜180,000pcg/mLの濃度のIL−8、200〜20,000pcg/mL、より好ましくは1,000〜4,000pcg/mLの濃度のTNF−αを含有し得る。組み換え型、天然又はペグ化されたサイトカインもまた使用可能であり、あるいは、IRX−2は、組み換え型、天然又はペグ化されたサイトカインの混合物を含み得る。IRX−2は、さらに、IL−12、GM−CSF(100〜10,000pcg/mL、より好ましくは500〜2,000pcg/mLの濃度にて)及びG−CSFのような他の組み換え型、天然又はペグ化されたサイトカインを含み得る。
【0043】
活性型になって腫瘍細胞(頭頸部癌細胞)を殺傷するT細胞にとって、多数のステップが生起する必要がある。第一に、T細胞が認識可能な細胞抗原が、T細胞に提示されねばならない。リンパ節は、この機能を実行する抗原提示細胞(APC)を含有する。APCは、また、樹枝状細胞として識別され、そしてリンパ節のストロマ内に存在する。したがって、第一ステップは、樹状又はAPC細胞による抗原提示である。第二に、問題抗原に特異的なTH1細胞が発達しなければならない。第三に、細胞傷害性T細胞(CTL)が、抗原を持つ外来性細胞物質を認識後攻撃するために「ヘルプ」され、続いて、リンパ節から侵襲部位へ移動する。サイトカインのインターロイキン2(IL−2)及びインターフェロンガンマ(IFN−γ)を分泌するこれらのTH細胞はTH1細胞と呼ばれ、そして、特異的に刺激するCTL細胞傷害活性及び細胞免疫を伴う。TH2と呼ばれる別のクラスのT細胞は、主としてインターロイキン4(IL−4)、5(IL−5)及び10(IL−10)を分泌し、そして抗体産生を促進する。免疫応答の最初に産生される支配的な「クラス」のサイトカイン(例えばTH1又はTH2)は、相反するタイプのサイトカインの産生を抑制することにより、部分的に継続した免疫応答の発達を「導く(steer)」するよう作用する。したがって、免疫応答は、早期に提示するサイトカインによってTH1(細胞媒介)又はTH2(体液性)方向のいずれかに「向けられる(pointed)」。したがって、ロバストな抗腫瘍免疫応答の開始のためには、免疫応答の初期フェーズ中に存在するTH1偏向サイトカイン(例えばIL−2、IFN−γ)を持つことが重要である。癌免疫療法のゴールは、腫瘍を破壊するために充分な数の腫瘍特異的細胞傷害性T細胞の産生を刺激することであった。
【0044】
IRX−2は、医薬品基準(pharmaceutical standards)のもとで正常で健常な血液ドナーから得られた、フィトヘマグルチニン及びシプロフローキサン刺激単核細胞から産生されるサイトカイン産物である。この産物は、頭頸部癌の治療のために、頭頸部癌を排出するリンパ節内に供給するために、皮下に局部的に注射されることが意図される。この産物は、また、すべての他のタイプの癌及び感染症のために使用し得る。
【0045】
商業的IRX−2プロセスでは、PHA、シプロフロキサシン及び細胞成分を、遠心分離及び洗浄により除去する。さらに、無細胞上澄は、偶発的な物質(DNA,ウイルス)を一掃する処理がされ、その後処方され、フィルタ除菌され、バイアルに詰められる。IRX−2において、インターロイキン2(IL−2)は、ガンマインターフェロン(IFN−γ)、インターロイキン1ベータ(IL−1β)及び腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)とともに、主要な活性サイトカイン成分である。これらのサイトカインは、TH1パスウエイの刺激物質として、細胞免疫を第一に強化する。また、IRX−2の分析では、低レベルの他のサイトカイン構成成分の存在が明らかであるが、これらのサイトカインは、産物の潜在能力に重要でないと考えられる。
【0046】
これらの成分は、さまざまな活動:リンパ球の動員(主にIL−1βによる)、IL−2レセプター(IL−2R)のようなリンパ球成長レセプターのアップレギュレーション(主にIL−1β、IL−2、IFN−γによる)、T細胞増殖強化(主にIL−1β、IL−2による)、TH1機能偏向の維持(主に、IFN−γによる)、及び、腫瘍破壊へ導くT細胞の十分な活性化のために重要であるマクロファージや樹枝状細胞のような抗原提示細胞により(腫瘍)抗原を処理(processing)及び提示(主にIFN−γによる)により細胞免疫を強化するために作用する。IRX−2は、樹枝状細胞の分化及び成熟を促進する。成熟樹枝状細胞は、T細胞へ効率的に抗原提示することが要求される。IRX−2は、また、その上に露出した抗原を有する成熟樹枝状細胞により提示されると特異的になることが可能なナイーブT細胞の産生を誘導する。TNF−αは、臨床上、本質的に活性な成分とみなされないが、IRX−2中のレベルは前述のものと近接し、TNF−αの高い不安定性(lability)のために、その含有量が産物の安定性の指標としてモニタ−される。以下の表1は、フェーズI及びフェーズII臨床試験に使用されるcGMPロットにおけるこれらのサイトカインについての濃度のリストを提供する。
【表1】

【0047】
IRX−2中の付加的なサイトカイン及びケモカインは、ELISAで同定されている。これらは、IL−6、IL−10、IL−12、IL−8、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)及び顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を含む。これらのタンパク質レベルは、IL−6及びIL−8除いて主要な活性成分の濃度よりもかなり低い。それらは、典型的には炎症性反応を伴い、そしてそれらは、多面発現性(pleiotropic、すなわち、周囲細胞及びサイトカイン環境に応じて多重メカニズムを有する)である。表2は、これらのサイトカインのリストと、IRX−2中のそれらのレベルを表す。
【表2】

【0048】
ELISAに加えて、最も一般的な42種のサイトカインのRAYBIOヒトサイトカインアレイ(Ray Biotech,Inc.)は、IRX−2産物のサイトカインプロファイル又は「足跡(footprint)」を提供する。図1は、フェーズII臨床試験に使用したIRX−2のサイトカインプロファイルを示す。
【0049】
IRX−2サイトカイン産物は、従来のサイトカイン療法と以下のように対照をなす:(1)薬理学よりもむしろ生理学用量が使用される;(2)産物は腫瘍内又は静脈内よりも外リンパ(perilymphatically)に投与される;(3)内因性サイトカインレベルを野生型活性細胞からシミュレートするために、産生は組み換え体技術に基づくよりもむしろ活性化白血球に由来する。
【0050】
送達モードは、リンパ節活性化の正常な導入出パスウエイを利用する。通常、腫瘍床のような関心領域からのリンパ管ドレン並びに抗原及び疾患に付随する他の因子は、リンパ管内に移動して所属リンパ節(regional node)へと移る。所属リンパ節では、抗原提示細胞(APC又は樹枝状細胞)が、これらの疾患関連抗原を確保しかつ処理し、そしてそれらをT細胞へ提示する責任を負い、その結果、活性化された抗原特異的T細胞が増殖する。全身よりむしろこの局在部位に天然の一次細胞由来バイオロジックを提示することによって、T細胞を直接活性化して増殖させかつCTL細胞になるとともに、樹枝状細胞機能を促進又は動員する機会が存在する。さらに、より直接の施用によってより低い薬物暴露が可能になり、より低活性のサイトカイン薬物物質は体循環内で消失する。
【0051】
臨床試験で個々のサイトカイン用量の安全性が評価されており、典型的な用量毒性プロファイルが判明している。対照的に、サイトカイン用量反応曲線は、典型的には釣鐘状である。多くのサイトカインのヒト治療用途が承認され、あるいは、フェーズI又はフェーズII臨床実験で評価されている。試験の際、調査されたサイトカインの用量毒性プロファイルは、他のサイトカインの併用投与により影響していない。過去の使用履歴に基づいて、さまざまなサイトカインの毒性の閾値及びIRX−2の全工程中にサイトカインが存在する量における推奨又は評価された用量の比較チャートを表3に、適当な安全マージン(likely margin of safety)とともにその桁の順に従って示す。
【表3】

【0052】
これらの安全マージンが与えられると、IRX−2中に含まれる個々のサイトカインの用量から顕著な毒物学的影響は生じそうにない。
【0053】
本明細書で使用する「単核細胞」(MNC)は、顆粒を含まない造血系の細胞である。MNCは、リンパ球、プラズマ細胞、単球及びマクロファージ並びにマスト細胞を含む。
【0054】
本明細書で使用する「偶発的な物質」は、ウイルス及び毒素であり、そして、たびたび感染性因子であり、これらは細胞株を偶然に汚染する。本発明における偶発的な物質は、不所望の疾患の感染の機会を減じ又は排除するために、患者への投与前に一次細胞由来バイオロジックから除去されることが望ましい。
【0055】
本発明のプロセスを図2の右欄に詳述する。この製法での各工程は、一次細胞由来バイオロジックの大量作製のためのスケールアップを受け入れ易い。
【0056】
この製法の第一工程では、プログラム可能な遠心分離装置である細胞プロセッサ(cell processor)の使用によってMNCを精製して一次細胞由来バイオロジックの作製を汚染するすべての細胞を除去する。この装置を以下の実施例で説明する。MNCをリンパ球分離培地(LSM)に投入し、次いでMNCを遠心分離することにより、MNCがリンパ球及び単球から構成されるように富化される。好ましくは300mLのLSMを使用する。ドナーらからのMNCを同時に精製し、これは複数のドナーを一度に精製することを意味する。好ましくは12ドナーからのMNCを同時精製する。MNCの遠心分離による細胞精製は、顆粒球及び赤血球の除去を最適化するために1500〜3000rpmである。
【0057】
第一工程は、一般に、細胞を自動細胞プロセッサに投入し、細胞を自動で洗浄及び遠心分離し、そして精製細胞を得ることによる、細胞の自動化精製方法である。すなわち、自動化された方法は、精製を望むすべての細胞のために使用でき、それはMNCに限定されない。重要なことには、自動細胞プロセッサの使用は、細胞プロセッサの仕様を調整することで、精製細胞のスケールアップ又はダウンが可能になる。
【0058】
そのような精製プロセスは、以前から細胞の後続使用のために細胞を簡単に精製するために使用されている。サイトカインを作製するために使用されておらず、そして、天然のサイトカインを作製するために使用されてはいない。
【0059】
次いで、密閉された無菌バッグシステムでMNCを一晩保存する。バッグは、好ましくはふっ素化エチレンプロピレン(FEP)バッグである。このバッグの本発明での使用により、サイトカイン産生が通常の産生レベルを超えて最適化される。これは、サイトカイン産生にとって最適であるバッグ内の豊富なOの環境による。
【0060】
次の日、MNCの誘導混合物を、37℃の5%CO中、PHAで2時間、そしてシプロフロキサシンで2時間刺激する。好ましくは80μg/mLのシプロフロキサシンを使用する。誘導がスケーラブルな細胞培養装置内で生起し、これにより以前誘導されていたのよりも大量の混合物の誘導が可能になる。スケーラブルな細胞培養装置を用いた誘導により、以前に手動法で誘導されていたよりも大量のサイトカイン産生が可能になる。したがって本発明は、広く、スケーラブルな細胞培養システム内で細胞を誘導することによる細胞誘導方法を提供する。細胞を誘導して、本発明で誘導されたサイトカインのようなすべての細胞産物を作製することができる。この方法は、サイトカイン誘導に限定されず、すべての所望の産物を誘導することができる。
【0061】
その後、誘導混合物からPHAをろ過により除去する。より詳細には、誘導混合物を滅菌salineで洗浄し、MNCを回収し、その後、培養培地内に80μg/mLのシプロフロキサシンとともに再懸濁する。好ましくはPHAのレベルを<150ng/mL以下に減じる。フィルタは、好ましくはSpectrum(登録商標)CellFlow Plus(登録商標)という中空ファイバーフィルタであり、そして接線流モード(tangential flow mode)で使用する。その後、インキュベーション混合物を、好ましくは24時間、インキュベーションする。通常、使用されるべき細胞を得るために細胞洗浄プロセスを使用する。本発明は、洗浄を使用してPHAを除去するが、細胞は、さらなるサイトカインを産生するために培地内に戻される。この工程及び本製法の各工程でのフィルタはスケーラブルであり、すべての適当なフィルタを使用できる。24時間後、I型(TH1)サイトカインで構成される一次細胞由来バイオロジックが作製される。次いで、この誘導混合物を清澄、すなわち収集して、MNCから一次細胞由来バイオロジック上澄を得る。細胞を0.45μmのフィルタを持つフルオロダイン(fluorodyne)膜でろ過する。フィルタは、好ましくはFLUORODYNE II(商標)(Pall)であり、フィルタを使用し、実施例でさらに記載する。この自動化工程は、一次細胞由来バイオロジックの以前の手動式遠心分離に比べて利点をもたらす。
【0062】
本作製方法の最後の工程は、陰イオン交換クロマトグラフィ及び15ナノメータウイルスろ過にかけることにより一次細胞由来バイオロジック上澄からDNA及び偶発的な物質を一掃(clearing)することである。UVCにかけることにより、付加的なウイルス不活性化を達成することができる。上記したように、ウイルスやDNAのようなさまざまな偶発的な物質が一掃される。一掃されるウイルスには、限定されるわけでないが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎(HCV)、B型肝炎(HBV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV)、シミアンウイルス40(SV40)、ブタパルボウイルス(PPV)、仮性狂犬病ウイルス(PRV)、A型肝炎(HAV)、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)、シンドビス、レオ及びアデノウイルスを含む。好ましくは陰イオン交換及び15ナノメータウイルスろ過工程は、4log10を超えるウイルスを一掃する。
【0063】
UVCにかけるとき、一次細胞由来バイオロジック上澄をUVC放射源に沿って螺旋状に流すことにより、UVCは一次細胞由来バイオロジックへ均一に送達される。好ましくは、波長254nmかつ最高150J/mの線量のUVCが一次細胞由来バイオロジックへ送達される。
【0064】
作製される特異的一次細胞由来バイオロジックは、好ましくはIRX−2(以前は、NCMとして知られる)である。IRX−2中に作製するサイトカインは、IL−1β、IL−2及びIFN−γを含む。IL−2及びIL−1βは、好ましくは10:1の比に作製される。好ましくは、一バッチで合計4Lより大のIRX−2が作製される。好ましくは、一次細胞由来バイオロジック上澄を濃縮し、そして300〜1800pg/mLのIL−1β、4000〜8000pg/mLのIL−2、1000〜3800pg/mLのIFN−γ、及び1000〜4300pg/mLのTNF−αへ処方することができる。この誘導混合物は、適宜、積極的にガスが入れられる(gassed)。
【0065】
本明細書にあるデ−タは、IRX−2製法が以下のプロセス改良:(1)自動細胞プロセッサを用いたMNC精製、(2)VUELIFE(登録商標、American Fluoroseal Corporation)FEPバッグ中でのMNC保存、(3)スケーラブルな細胞培養装置内での誘導、(4)中空ファイバー(HF)フィルタシステムを使用した細胞洗浄、及び(5)0.45μmフィルタを用いたろ過を介する培養上澄の清澄、(6)陰イオン交換クロマトグラフィろ過によるDNA除去、(7)二段の連続した15ナノメータフィルタを用いたウイルス除去、及び(8)付加的なウイルス不活性化はUVCにかける、ことにより達成可能になり、顕著に改善されることを示す。各ユニット操作の評価とその変更は、重要なパラメータは、許容可能な作業範囲内で保持されること及び本製法がその規格に合う産物を提供可能なことを示す。
【0066】
本商業化方法を、さらにいくつかのバッチを実行することにより評価したが、すべての工程改良は、すべてのサイトカインを以前の手動法で見られるような典型的な比率で作製した。一次細胞由来バイオロジック成分の比較性及び生物学的同等性をRAYBIOヒトサイトイカン抗体アレイ(RayBiotech,Inc.)及びペプチド結合ワクチンモデルにより確認した。これらのデータに基づいて、本商業化方法は、手動式のIRX−2製法に匹敵し、そして首尾一貫しかつ再生産可能な産物を作製する。
【0067】
図2に示すように、以前のIRX−2製法からの開発と変更が以下の作製工程のそれぞれにおいてなされた。第一に、精製工程において手動式遠心分離から自動細胞プロセッサへの変更があった。MNCの一晩保存は、ポリプロピレンチューブ内のMNCの一晩保存からVUELIFE(登録商標)FEPバッグ内のMNCの一晩保存に変更された。細胞洗浄は、手動式遠心分離から中空ファイバー(HF)フィルタシステムに変更することにより改善された。ディスポーザブルな細胞培養装置(Cell Factory)を使用することにより誘導が改善され、製法のスケーラビリティが達成された。また、手動式遠心分離から0.45μmフィルタを用いる単回通過(single pass)ろ過へ変更することにより、培養上澄の収集/清澄が改善された。DNA除去は、陰イオン交換クロマトグラフィフィルタを用いるろ過により改善された。ウイルス除去は、二段の連続した15ナノメータフィルタを用いたろ過により改善された。さらに、UVCにかけることによりウイルス不活性化を改善できる。
【0068】
これらの変更のために、IRX−2の商業的作製方法は、以前の手動法に比べて改善されている。全体として、自動細胞プロセッサの使用により、作製時間及び労力の減少が、以前の製法でのたくさんのエラーとIRX−2のバッチ間変動を取り除く。例えば、作業者のエラーは自動化により減少する。体積のスケールアップは、システム設計と自動化により達成される。さらに、密閉されたバッグシステムが使用されるので汚染は避けられ、これは、以前の方法に比べて非常に大きい利点である無菌製法を提供する。ウイルス排除の利点を以下に説明する。
【0069】
IRX−2作製の商業化方法は、専用のウイルス除去工程としての連続したナノろ過(nanofiltration)15Nフィルタによるウイルス排除を含み、そしてまたディスポーザブルな陰イオン交換クロマトグラフィユニットによるDNA除去を含む。15Nフィルタは、製造者及びエンドユーザによって行われた試験でヒト免疫不全ウイルスタイプ1(HIV−1)、仮性狂犬病ウイルス(PRV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)及びブタパルボウイルス(PPV)の除去に対して高度に効果的であることが示されている。対照的に、陰イオン交換は、選ばれた目標ウイルスに対して効果的であることが示されている。患者の安全を最良に確保するために、さまざまなモデルウイルスを除去又は不活性化することの可能な二つの直交性(orthogonal)の方法を持つことが強く勧められる(FDA Points To Consider,1993)。
【0070】
追加のウイルス排除方法をIRX−2プロセスへ付加するために、本発明に不活性化工程としてUVC不活性化を加える。以下の実施例で説明するように、試験を、20〜150J/mの広範囲のUV線量にわたって行ったが、サイトカインELISA、ウエスタンブロッド、サイトカインアレイ又はCTLL−2バイオアッセイを用いたサイトカイン含有量に顕著な変化を示さなかった。さらに、TNF−αのついての新規なバイオアッセイが開発されたが、これは不安定なサイトカインの生物活性を測定する。TNF−α生物活性のある程度の減少が検出されたが、このロスは他の処理工程で典型的に見られるロスに匹敵した。これらの同じUVC線量(100J/m)にて、4log10より大のウイルス不活性化を、モデルウイルスのPPV及びBVDV並びに血液由来ウイルスのHAVで達成した。HIVは、<2log10のウイルス不活性化へと最小限に不活性化された。このUVC技術を利用すると、IRX−2の多様な実験室バッチが現状のスケールで首尾よく作製され、そして、UVC製法のロバストネスを確認するバルク出荷規格をパスした。改良プロセスはロバストであり、そして、A型肝炎及びパルボウイルスB19及びのような非エンベロープイルスやエンベロープウイルス(型肝炎ウイルス)を含む広範囲のウイルス汚染を不活性化する不活性化工程を含むことにより、患者のより良好な保護を提供する。
【0071】
実施例中のデータは、IRX−2サイトカイン収率を減少させることないウイルス排除方法の補足となり得る新規なウイルス不活性化技術、UVC照射の進歩を要約する。これらの要件及び原料物質(source material)のヒト白血球に基づいて、試験ウイルスの4log10の不活性化が、有益となるべきこの追加手順の望まれる目標である。UVC不活性化は、IRX−2製法での二種類の既存のウイルス排除方法である陰イオン交換及び15Nろ過と組み合わせたとき、潜在的に、非エンベロープウイルスの総ウイルス不活性化/除去を12log10以上に増大させ得る。
【0072】
IRX−2製法での開発/変更は、以下の作製工程:Cobe2991自動細胞処理遠心分離、リンパ球保存のための無菌バッグの使用、ディスポーザブルな細胞培養装置内での誘導、中空ファイバーろ過を用いた細胞洗浄、陰イオン交換クロマトグラフィを用いたDNA除去、二段の連続した15ナノメータろ過を用いたウイルス除去、及び追加のUVCによるウイルス不活性化でなされた。図2は、追加のUVCウイルス不活性化をもつIRX−2プロセスを説明する。
【0073】
本発明を以下の実施例を参照することによりさらに詳細に説明する。これらの実施例は説明の目的だけに提供され、他に特記しない限り限定する意図ではない。したがって、本発明は、以下の実施例に限定されるとは全く解釈されるべきではなく、むしろ本明細書が提供する教示の結果から自明であるすべての変更を包含すると解釈すべきである。
【実施例】
【0074】
〔実施例1〕
【0075】
細胞プロセッサ/FEPバッグ保存を用いたMNCの精製
【0076】
LSM分画試験(Fraction Studies)
【0077】
IRX−2プロセスのLSM精製工程の目的は、汚染細胞(顆粒球、赤血球及び血小板)を除去して、リンパ球及び単球からなる単核細胞(MNC)に富んだ調製物を得ることである。
【0078】
顆粒球は、PHA誘導(すなわちPHA結合により)を妨害するとともに、正確な細胞計数を妨害することによりサイトカイン収率を悪化させる原因となり得る。顆粒球の実際のプロセス制限(process limit)はまだ測定されていない。IR−2の製法開発の初期には、顆粒球除去がCoulter Ac・T diff2血球計算器で管理され、そのプロセス制限はNMT5%(Ac・T diff2の検出限界)に設定された。
【0079】
以前の製法では、MNCは、リンパ球分離培地密度勾配(LSM、FICOLL−HYPAQUE 1077(Sigma)と等価)上で遠心分離することにより、手動式に精製される。各献体(donation)を別個に精製し、サイトカイン誘導の直前に最高24の献体をプールする。これは、高純度を生じるが、24ドナー(作業者一人当たり12ドナー)を処理するのに二人の作業者が8〜10時間フルシフトを必要とする手動処理の限界のために、スケールアップに適さない。
【0080】
本発明の改良方法では、LSM精製が、密閉された無菌バッグシステムとプログラム可能な遠心分離装置の細胞プロセッサを用いて行われる。この商業化方法により、白血球を12ドナー連合で処理できる。これにより、一人の作業者が一シフトあたり最高36のドナーを処理可能になる。
【0081】
この商業化方法では、バッグを無菌的に充填し、白血球をプールする。この白血球バッグを無菌的にハーネス(harness)に取り付ける。白血球を単一のバッグ内にプールし、そのバッグを熱でシールする。バッグを細胞プロセッサ及びバルブ内に据え、そして、色分けされた細管(tubing)を整列(aligned)させる。白血球に負荷がかかり、遠心分離される。バフィーコートが調製され、濃縮され、そして、回収される。第二のバッグを細胞プロセッサ内に据える。バフィーコートが20mL/分にてLSM上に層状にされ、そして20分間、遠心分離される(図3)。MNCは、図4に示す第三のバッグ内に分離する。細胞をsalineでプログラムされた洗浄サイクルで洗浄し、無血清培養培地に再懸濁する。
【0082】
結果:
【0083】
MNCのLSM精製に細胞プロセッサを使用することの実用性を検討するために、このプロセスの初期の開発は、細胞プロセッサによるMNC精製及び分画中の発現細胞の無菌的回収を含んだ。これらの分画を、Coulter Ac・T diff2分析器で分析したが、精製MNCに本質的に顆粒球が無いことが示された。
【表4】

【0084】
図5及び表4は、細胞プロセッサから採集された分画の相対的な細胞分布を示す。これは、細胞プロセッサから要求純度(≦5%顆粒球)を満たす最高100mLのMNCを4x10細胞にもなる全収率で回収する潜在能力を示す。これは一人の作業者によって精製できる細胞の10倍の増大に等しい。ほとんどのMNCを含有する分画(分画3〜6)を無菌的に採集し、プールし、標準的洗浄法で洗浄し、FEPバッグ内で一晩、保存した。
【0085】
IRX−2作製のために、MNCを使用して、適当なサイトカインレベルのIL−1β、IL−2及びIFN−γを有するIR−Xバッチを作製した。
【0086】
MNC保存試験
【0087】
以前の製法では、精製MNCを、ポリプロピレン遠心チューブ内に一晩保存する。細胞プロセッサを用いて、1回運転当たり作製される大量のMNCのために、200mLポリプロピレンチューブ中の40mLの各ドナーMNC(約5x10)を保存する代替手段が実用化された。高収率の細胞に適応するために(FEP)バッグを使用して、MNCを一晩(37℃、5%C0)保存した。FEPバッグ保存バッグは、樹枝状細胞の増大、ヒトリンパ球の保存及びLAK細胞の産生のために利用されてきたが、高いガス透過性及び低い結合特性の理由からリンパ球保存に適する。細胞を保存するために、FEPバッグ内の濃度を、ポリプロピレンチュ−ブ内の濃度と等価になるまで調整した。MNC生存度及び細胞濃度を、GUAVA VIACOUNT(Guava Technologies)を用いてモニタ−した。
【0088】
図6は、保存プロセスを示す。MNCをバッグから無菌的に取り出し、FEPバッグへ無菌的に移す。このFEPバッグを一晩保存する。
【0089】
結果:
【0090】
精製されたMNCについて、細胞濃度と生存度を対比することにより、一晩の保存処理を評価した。Day1(FEPバッグへの希釈時)及びDay2(PHA誘導前)に、試料をGuava(登録商標)Viacount(登録商標)により評価した。表5に見られるとおり、MNCは、一晩保存の間、細胞濃度にロスを示さず、高い生存度(95%)を保持し、これは保存方法の適性を説明している。
【表5】

【0091】
細胞タイプのキャラクタリゼーション及び分布試験
【0092】
細胞プロセッサで作製したMNCを充分に評価するために、精製MNC中のさまざまな細胞集団を検査して新規方法対手動式のLSM精製の比較可能性を調べた。細胞集団を定量化するために、細胞判別(CD)マーカーを用いて蛍光標識セルソーター(FACS)によりMNCを分析した。
【0093】
結果:
【0094】
表6に、手動式LSM精製法により調製されるのと、自動細胞プロセッサ法により調製されるのとの両方について、細胞集団分布に関するデ−タを示す。
【0095】
元来の方法については、FACS分析をDay2のプールしたMNCをPHA誘導の直前に行った。商業化方法では、細胞集団をサンプリングし、Day1(一晩保存前)とDay2(一晩保存後)の両方で試験した。
【表6】

【0096】
表10にあるデータにより、手動法に対する商業化方法の同等性が確認される。得られたMNC調製物は、入手可能な文献(Brutel de la Riviereら、1977)で予測された現在の規格の≦5%を下回る顆粒球含量をもって作製された。このデ−タは、細胞プロセッサによって生成したMNCは、標準法と細胞分布及び純度が等価であったことを示している。
【0097】
インキュベーション(Day2)後の商業化方法での単球濃度(CD14/CD45)は、以前の手動法と比べて一貫して低く現れることが観測された。新しく調製したMNC(Day1)の検査から、単球マーカー(CD14)が18%から12%へ若干降下することが明らかになった。
【0098】
細胞集団の若干の相違を、細胞プロセッサで精製した、作製直後と一晩インキュベーション前のMNCの細胞集団を測定することによりさらに調査した。
【0099】
表10は、細胞プロセッサから直ぐにサンプリングした単核細胞は、以前の製法で見られたものと同等に見えることを示す。これらのデ−タから、細胞がサンプリングされ分析される時間が集団プロファイルに大きく影響することが明らかである。新規な製法では、一晩保存後にサンプリングした細胞は、単球のCD14CD45マーカーが若干低めのシフトを有する。このCD14CD45集団の変化は、異種ドナーリンパ球を用いた単球の活性化に起因し、これは混合リンパ球反応(MLR)と呼ばれる。文献(ジョルダン及びリッター、2002)によれば、この反応はT細胞を刺激して、IRX−2製法の一次産物であるTH1サイトカイン(すなわちIL−1β、TNF−α及びIFN−γ)を産生する。これらが産物中に望まれるので、プールを一晩保持することはIRX−2作製に対して負の影響を示さない。
【0100】
2〜3Lバッチ試験
【0101】
この試験の目的は、細胞プロセッサで精製MNCを利用するいくつかの2〜3LのIRX−2開発バッチを作製することであった。同日に行ったいくつかの運転からの精製MNC細胞調製物をプールして、10スタック(stack)細胞培養装置を作製するために充分な細胞を作製した。
【0102】
結果:
【0103】
商業化方法からのサイトカイン作製の等価性を、多数のELISAアッセイ及びCTLL−2バイオアッセイにより確認した。さまざまなサイトカインの最終産物範囲を、サイトカインを正規化することによりIL−2の目標濃度7000pg/mLと推算した。表7に示されるように、作製したバルク産物を配合して、すべてのサイトカインアッセイをパスし、フェーズI及びII臨床産物に匹敵する。
【表7】

【0104】
改良方法における主要な相違は、複数のドナー由来の精製MNC(単球、T細胞、B細胞及びNK細胞)を、マイトジェン誘導に先立って一晩一緒にインキュベーションすることである。この方法から新規なサイトカイン種、特にTH2サイトカイン(すなわち、IL−3、IL−4及びIL−5)を産生しないことを確認するため、そして細胞プロセッサで生成したMNCからのサイトカイン作製の同等性を証明するために、IRX−2改良方法を42種のヒトサイトカイン、ケモカイン及び成長因子を検出するサイトカインアレイ(Array3、RAYBIOヒトサイトカイン抗体(RayBiotech,Inc.))によって分析した。細胞プロセッサで生成したMNCからIRX−2におけるこれらの最も共通するサイトカインのアレイ分析(ファンら、2001)は、IRX−2商業化産物プロファイル又は「フットプリント」は、サイトカイン組成が現在の産物と同等であり、そして、図7に示すように、新規なサイトカイン(すなわち2型サイトカイン)を誘導しないことを確認した。
【0105】
〔実施例2〕
【0106】
中空フィルタシステムを使用した細胞洗浄
【0107】
自動MNC洗浄法を開発したが、これは誘導したMNCからプロセスケミカルフィトヘマグルチニン(PHA)、マイトジェンを手動式遠心分離による洗浄と同等レベルまで効率的に除去するとともに、細胞生存度及びIRX−2サイトカイン作製能力を維持する。
【0108】
IRX−2製法の第二工程では、マイトジェン、フィトヘマグルチニン(PHA)及びシプロフロキサシンを添加することにより、プールしたMNCを誘導して、生物学的活性なサイトカインを作製する。PHAと協力して、シプロフロキサシンは、IL−2及びIFN−γを含むI型サイトカインの細胞誘導転写を刺激する。図8は、培地/誘導剤と混合され、そしてディスポーザブル細胞培養装置へ移される細胞を示す。図9は、インキュベータ内に設置されたディスポーザブル細胞培養装置を示す。誘導後、誘導混合物、培養培地及び細胞を無菌的に収穫し、そして細胞を遠心分離により回収する。細胞培養装置を無菌salineで3回洗浄し、約20%の細胞を、CF表面に付着したままの約80%の細胞を持つ、抱き合わせた洗浄液から回収する。その後、回収した細胞を、80μg/mLのシプロフロキサシンを有する新規なX−Vivo10培養培地に再懸濁し、そして細胞培養装置へ戻す。サイトカイン生成は、無マイトジェンのバルクIRX−2を作製する追加の24時間の間に生起する。
【0109】
洗浄プロセスの効率性を評価し、そしてプロセス不純物の最小限の残余を確かめるために、最終バルク産物の残留PHAをELISAにより試験する。最終産物の残留PHAの規格は、PHA ELISAアッセイの検出限界の<150ng/mLである。
【0110】
改良方法では、細胞洗浄及びPHA除去は、図10及び11に示す接線流モードの中空ファイバーろ過を用いて達成される。サイトカイン作製に加えて等価性を説明するために使用する重要な出力パラメータ(output parameters)は、PHA除去率及び生存細胞回収率である。
【0111】
結果:
【0112】
これらのPHAの低い残留レベルをより正確に測定するために、より感度の高い新規なPHA ELISAが開発され、そして証明された。表8は、遠心分離を用いて処理されたIRX−2臨床ロット(フェーズI及びII臨床作製で使用)のPHA含有量を、中空ファイバーろ過法により洗浄を行った6ロットのものと対比する。新規な方法では、マイトジェンがPHAの規格限界を下回るレベルまで除去されている。
【表8】

【0113】
表9は、二つの異なるバッチからHF洗浄方法を用いた洗浄細胞の%細胞回収率を示す。以下に見られるように、二時間のインキュベーション後にセルファクトリー(cell factory)から回収した誘導混合物(「CS含量」と表示)は、細胞培養装置内で最初に誘導した出発細胞の少数分の一を含有する(12%)。これらのデ−タから、中空ファイバー洗浄法後は、トリパンブルー色素排除試験法により測定した、細胞が適当な生存度と最小のロスをもって、充分なアッセイ変動性内で回収されたことが確認される。
【表9】

【0114】
新規な方法の細胞洗浄により作製されたサイトカインの分析を、典型的なIRX−2サイトカインを示す表10に表す。
【表10】

【0115】
これらの予備デ−タから、中空ファイバー(HF)ろ過システムは、骨が折れかつ時間のかかる手動式遠心分離に代わって、IRX−2作製に適したPHA除去、細胞回収及びサイトカイン作製をもって、細胞洗浄に使用できることが確認された。
【0116】
〔実施例3〕
【0117】
IRX−2培養上澄の収集/清澄
【0118】
0.45ミクロンろ過の上澄清澄方法を開発したが、これは培養上澄から細胞を効率的に除去し、そしてIRX−2サイトカインの収率を極端に減少させることなく手動式遠心分離と同等である。重要なIRX−2サイトカインの無除去はほとんどないことが示される。上澄清澄を図12に示す。
【0119】
結果:
【0120】
現在のIRX−2プロセスの間、誘導されたサイトカインを含有する培養上澄を、遠心分離を用いて清澄した(すなわち細胞除去)。このプロセスを合理化及びスケールアップするために、0.45ミクロンろ過膜フィルタの細胞除去及び上澄清澄を評価した。同じPVDF膜材料を、IRX−2プロセスの他のステージ(陰イオン交換プレフィルタ及び最終産物無菌級フィルタ)で使用し、そして、最小のタンパク質結合のものを選択した。データ評価は、IRX−2培養上澄をフルオロダイン膜でろ過したときに最小のサイトカイン除去を示す(表11)。フィルタは、所望するIRX−2バッチスケールにしたがって(バッチ体積対フィルタ面積比と一定のデルタPを用いて)スケールアップ又はダウンされる。
【表11】

【0121】
〔実施例4〕
【0122】
実行可能バッチ(feasibility batches)
【0123】
この試験の目的は、現在の規模(2〜3L)でIRX−2プロセスのすべての新規な方法と組み合わせていくつかのバッチを作製することである。この試験により、IRX−2を作製するためのこれらの自動化された「スケーラブル」な方法が、手動式のIRX−2プロセスと等価であることが確認される。
【0124】
結果:
【0125】
本願に述べたすべての改良プロセスを利用して三つの実用可能バッチを作製した。完全な改良方法を利用したIRX−2製品のサイトカイン分析を表12に示す。これらのバッチを、目標とするIL−2濃度の7000pg/mLに正規化し、手動法により作製した2の臨床ロットと対比した。これらのバッチの分析は、新規な製法が、典型的なサイトカインレンジのIRX−2を作製したことを示した。
【表12】

【0126】
また、中空ファイバー洗浄法によるPHA除去は、<150ng/mL(表13)のQC開放(release)規格を満足するPHAレベルを持った許容可能産物を提供し、そして、安全な用量(167ng/kg)よりかなり低いレベル、又は毒性レベル(833,000ng/kg)より4桁低い典型的な用量の50ng/kgを提供することが確認された。これは、明らかに残留プロセスマイトジェンの低レベルが安全な産物を表していることを証明する。
【表13】

【0127】
分析的試験に加えて、改良方法により作製したIRX−2は、また、in vivoモデルのペプチド結合ワクチンモデルにおいて同等のパフォーマンスを示した。IRX−2は、細胞傷害性T細胞の産生、又は遅延型過敏反応(DTH、ナイラー及びヘッデン、2003)により測定されるマウスのT細胞応答を禁止(illicit)することが示されている。手動法及び商業化方法の両方で作られたIRX−2のサンプルは両方とも、抗原にPSMAペプチド結合KLHを使用したマウスの遅延型過敏反応(DTH)を誘導した(表14及び図13)。これは、in vivoモデルの等価な生物学的パフォーマンスを確認し、そして、改良方法により作製されるIRX−2の同等性を支持するデータを提供する。
【表14】

【0128】
プロトコ−ル:マウスをPSMA−KLH結合ワクチン及び標準方法又は改良方法により調製したIRX−2で免疫した。マウスは、IRX−2単独での9回の追加注入を受け、そして14日及び28日目に追加免疫した。ペプチドに対するDTH応答を、追加免疫9日後の足蹠腫脹の増大として計測した。
【0129】
結論
【0130】
ここに示すデータは、IRX−2プロセスは、提案したプロセス改良:(1)自動細胞プロセッサを用いたMNC精製、(2)MNCのFEPバッグ中での保存、(3)中空ファイバー(HF)フィルタシステムを用いた細胞洗浄、(4)ディスポーザブルな細胞培養装置内でのサイトカイン誘導及び産生、並びに(5)PVDF 0.45μmフィルタを用いたろ過による培養上澄の清澄により顕著に改善されることを示す。各ユニット操作とその変更の評価は、重要なパラメータは、許容可能な作業範囲内に維持されることと、本製法がその規格に合う産物を提供可能であることを示す。さらに、本製法をすべてプロセス改善したいくつかのバッチを実施することにより評価したが、それらは、現在の製法で以前に見られたように、すべてのIRX−2を典型的な比率で作製した。一次細胞由来バイオロジック成分の同等性と生物学的同等性を、RAYBIOヒトサイトカイン抗体アレイ(RayBiotech,Inc.)及びペプチド結合ワクチンモデルで確認した。これらのデータに基づくと、改良方法は、現在のIRX−2製法と同等であり、そして、一貫性と再現性のある産物を作製する。変更の要約を以下に表21にさらに見ることができる。
【0131】
〔実施例5〕
【0132】
ウイルス排除
【0133】
上記したように、IRX−2作製の以前の方法は、ウイルス専用除去工程(図14及び15に示す)のような二段の15Nフィルタを連続に用いるナノろ過によるウイルス排除を含み、また、(MQ)ディスポーザブル陰イオン交換クロマトグラフィユニット(図16に示す)によるDNA除去を含む。
【0134】
UVC処理
【0135】
UVCシステム(新規な螺旋流水力混合(spiral flow hydraulic mixing)付き反応器、図17に示す)は、これらの限界を克服し、そして用途をバイオテクノロジー産物への使用を目標とするために設計された(シュミットら、2005、シュミット及びカウリング、2007)。UVCを用いた試験は、顕著なタンパク質損傷を招くことなくウイルスを不活性化する新規な反応器でのUVC処理の有効性を実証している(ワンら、2004)。ウイルス及びモック固定化(mock spiked)αプロティナーゼインヒビター(Alpha PI)溶液をさまざまなUVC線量で試験した。ウイルス試料の残留感染力をアッセイし、そしてポリメラーゼチェインリアクション(PCR)で増幅した。また、モック固定化試料のタンパク質保全性をアッセイした。Alpha PI(血漿タンパク質)を、生物学的活性の減少によりUV誘導ダメージを容易に検出できるUV−吸収アミノ酸に基づき目標タンパク質として選択した。一本鎖又は二本鎖、長鎖又は短鎖のRNA又はDNAゲノムを持ったエンベロープ及び非エンベロープウイルスを含む多様性パネル(diverse panel)のウイルスを試験した。Alpha−PIのUVC処理は、SV40、PPV、HAV、シンドビス、レオ及びアデノウイルスの4log10を超える不活性化を生じ、これは、すべての試験ウイルスが、核酸のタイプやエンベロープの存在にかかわらず不活性化されることを実証した。
【0136】
この試験で、最小のゲノムを持つウイルスは、UVC処理に対して最も感応的であることが判明し、そして、≧2.0kbのPCR増幅の検出は、ウイルス感染力と相関した。ウイルス不活性化を顕著に達成した線量は、クエンチャーの不在下でも>90%のタンパク質活性の復元をもたらした。ウイルス不活性化の反応論は、比較的線形であり、そして、ウイルスの小さな耐性分画(resistant fraction)も生き残らなかった。さらに、PPVは、PCR及び感染力アッセイの両方によりUV照射試験のB19の適当なモデルであることを示した。UVC処理のプロセス開発の要約を以下の表22にさらにリストする。
【0137】
UVivatec(登録商標)UVCシステム
【0138】
UVC反応器では、照射線源に沿った新規な水力螺旋流が流体流内の高度に効率的な混合を誘導し、UVC照射の高線量を溶液へ均等かつ均質に送達でき、こうして照射チャンバー内の所望の滞在時間がきわめて短く、そしてUVC処理が制御可能である(ワンら、2004、シュミットら、2005、シュミット及びカウリング、2007)。同心UVC源(254nm)を持った石英管の周りに螺旋状に巻かれる円筒状のポリ(テトラフルオロエチレンン)管が、反応器の照射チャンバーを形成する(図38)。流体流はランプに沿って螺旋状に移動するとき、高度に効率的な混合を提供し、UV光に対してウイルス露出を最適化し、全体積の均質かつ制御可能な照射を可能にする二次循環流(secondary circulating flows、Dean渦)が生成する。
【0139】
UVCの殺ウイルス活性を最適化し、そしてタンパク質損傷を最小化するために、UVCシステムは波長254nmのUVC照射を利用する。この波長はウイルスの核酸成分を特異的標的とするのに選択された。図39は、ウイルスがこの波長でいかに不活性化さるとともに、タンパク質が比較的影響されないことを実証する(シュミットら、2007)。
【0140】
さらに、ウイルスを不活性化するのに必要な線量は、血漿産物に使用されるUV照射で以前に記載された1000〜2000J/mより10倍低い(チンら、1995、チンら、1997、カイレット−ファウケットら、2004、スガワラら、2001)。
【0141】
UVC線量は、典型的には、UVフルエンシー(fluency)の単位で記載され、そして、(1)ランプにより放射される平均放射照度、(2)照射チャンバー内の滞在時間、及び(3)試験溶液の光学密度(Ws/cm2=J/cm2)に依存する(ワンら、2004、リら、2005)。UVC処理に先立ち、溶液のA254を測定してタンパク質溶液により生成される干渉(interference)を決定し、そして、A254に基づいて必要な線量を達成するための必要な流速を計算する。
【0142】
ウイルス排除試験
【0143】
IRX−2商業化方法は、最高11log10の偶発性ウイルス汚染を除去又は不活性化することが示されている、効果確認済みの二種類のウイルス排除方法を含む(すなわち、陰イオン交換クロマトグラフィ及び15nmろ過)。第三の方法であるUVウイルス不活性化(UVC)のIRX−2プロセスへの用途を評価した。UVC技術に関して以前に刊行されたデータ(ワンら、2004、シュミットら2005、シュミット及びカウリング、2007)と一致して、偶発的な非エンベロープウイルスを殺傷することが知られている最高150J/mの線量は、IRX−2サイトカインの最小の不活性化を示す。
【0144】
100J/mの線量は、PPV及びHAVを含むいくつかの目標ウイルスに対して4logs不活性化することが示され(ワンら、2004、シュミットら、2005、シュミット及びカウリング、2007)、そしてIRX−2サイトカインに対しては最小の影響を持つことが示された。したがって、それがIRX−2のための目標線量として選択された。
【0145】
この試験のために使用したウイルスの選定は、出発材料の性質及び起源並びに作製に用いた原料(すなわち、ヒト白血球に由来するバイオテク産物(biotech product))に基づいた。使用した各ウイルスは、原材料(この場合、ヒト血液)を汚染し得る関連ウイルス、又は予測される汚染種について認識されたモデルである。さらに、モデルウイルスを(無血清又は低タンパク質培地内で)高力価株(high titer stock)を生育及び創製する能力と、敏感かつ信頼性のあるアッセイでのそれらの検出し易さで選択した。この試験に使用したウイルスは、HIV−1、BVDV、HAV及びPPVであった。使用したウイルスは、UVCシステムのウイルスを排除する能力を充分に試験するために、広い範囲の物理化学的特性を示す。<100J/mの範囲の低線量のUVCがより大きなエンベロープウイルスに対して効果的であることは予期しなかった。したがって、仮性狂犬病ウイルス(PRV、大きなエンベロープウイルスの典型的な代用物)は、この予備試験では試験しなかった。
【0146】
IRX−2中でのUVCのウイルス排除能力を、二つのウイルス排除試験で確認した。IRX−2試料(約50ml)をモデル及び血液由来ウイルスでスパイク(spike)し、そして40〜150J/mにわたるUVC線量に曝露した。表15は、100J/mでの結果を示し、そして実証したUVC技術は、4log10のウイルス不活性化を提供することができる。
【表15】

【0147】
スケールダウンしたプロセス条件のもとで、UVCは、試験した3種類のウイルス(PPV、HAV及びBVDV)の4logs10を超えるウイルス排除を実証した。7logsを超えたPPVがUVCで不活性化された。PPV(B−19のモデル)は最小ウイルスの一つであり、また他の方法(溶媒/洗浄剤、pH又は熱)では最も不活性化しにくいウイルスである(チンら、1995)。最近の研究により、UVC不活性化の間のパラレル比較においてPPVがB−19の適当なモデルである適性が確認されている(ワンら、2004)。ヒトパルボウイルスB−19は、ヒト血漿中>1012IU/mLに達し得、そして血液由来製品の潜在的ハザードである(トレイ及びコーコラン、2006)。HIV−1は、おそらくその大きなゲノムサイズ(80〜110nm)のために、UVCでは不活性化の効率が若干低い(1.9logs)が、これは潜在的にUVCを用いた不活性化をより困難にする(ワンら、2004)が、しかしIRX−2に付加される場合は、10logs10を超えるウイルス排除に増大する。
【0148】
この試験は、IRX−2プロセスのためのUVC工程の有効性を証明する。さらに、UVCは、PPV、HAV及びBVDVの4logsを超える除去を実証し、したがって、IRX−2製法における付加的なウイルス排除工程を提供する。UVCの付加では、データが、累積的評価プロセス(cumulative validated process)をとおした全排除(total clearance)は、HIV−1について≧10.5logs、HAVについて≧11.2、BVDVについて≧11.3、そしてPPVについて18.9logsを示したことを表している。
【0149】
2〜3LバッチUVC
【0150】
UVCシステムを充分に評価するため、新規な製法を用いて4つのバッチを調製したが、これらは、UVCを用いたプロセスを含むすべての一体化してプロセス変更を含む。
【表16】

【0151】
結果:
【0152】
現状の規模(2〜3.5L)で作製した実験室スケールバッチのUVC処理は、TNF−α生物活性の若干の検出可能なロスを示し、TNF−α生物活性の回収率は93%であり、そしてELISAによれば92%であり、したがって小規模試験での当初の発見、すなわちIRX−2は、これらの条件のもとではUVC照射に影響されないことを確認した。ELISA又はバイオアッセイ(CTLL−2)によるすべての他のサイトカインは、非エンベロープウイルスのHAV及びPPVを効率的に不活性化する100J/mの線量にてIRX−2サイトカインのきわめて良好な回収率を示した。
【0153】
UVC処理したIRX−2に由来するIRX−2に関する最も一般的なサイトカイン(ハンら、2001)のアレイ分析(Ray Biotech)によれば、IRX−2産物はUVC処理前後のサイトカイン組成において同等のようであることが明らかになった(図19)。
【0154】
結論
【0155】
ここに示すデータは、IRX−2プロセスが提案されたUVC不活性化処理の付加により顕著に改善され、そしてウイルス不活性化法として有効であることを示す。不活性化工程の付加は、規制基準(regulatory requirements)を満足し、そして現状のIRX−2プロセスにおいて、ロバストなウイルス不活性化/除去法を加える。このユニット操作及びその変更の評価は、重要なパラメータが許容可能な作業範囲内に維持されること及び、この製法がその規格を満たす産物を提供し得ることを示す。UVC不活性化後、IRX−2バルク産物を凍結し(図20に示す)、そして患者への配布のために用意することができる。
【0156】
本願をとおして、米国特許をはじめとするさまざまな刊行物を、著者及び年度、並びに番号による特許を参照する。刊行物の詳細な書誌情報(Full citations)を以下にリストする。これらの刊行物及び特許の全体の開示を、本発明が関係する現在の技術をより充分に記載するために、本願に参照として編入する。
【0157】
本発明を実例で説明してきたが、使用した用語は、限定よりもむしろ説明する単語の本質の中にあると意図されることを理解するべきである。
【0158】
明らかに、本発明の多くの改変と変更が上記教示に徴して可能である。したがって、添付の請求の範囲の範囲内で本発明を特に記載しない限り実施できると理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血球をリンパ球分離培地(LSM)に投入し、そして該培地を自動細胞処理及び洗浄システムで洗浄及び遠心分離して精製された単核細胞(MNC)を得ることによりMNCを精製して汚染細胞を除去し、
該MNCを密閉された無菌バッグシステム内に一晩保存し、
該MNCの誘導混合物をスケーラブルな細胞培養システム内でマイトジェン及びシプロフロキサシンで刺激し、そして該MNCから一次細胞由来バイオロジックを作製し、
該誘導混合物から該マイトジェンをろ過により除去し、
該誘導混合物をインキュベーションし、
該誘導混合物をろ過により清澄して一次細胞由来バイオロジック上澄を得て、
該一次細胞由来バイオロジック上澄から陰イオン交換クロマトグラフィによりDNAを除去し、そして、
該一次細胞由来バイオロジック上澄からウイルスを二段の連続した15ナノメータウイルスろ過で除去する、
工程を含む、一次細胞由来バイオロジックの作製方法。
【請求項2】
前記精製工程は、さらに、複数のドナーからMNCを同時に精製することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記精製工程は、さらに、顆粒球及び赤血球の除去を最適化するために、1500〜3000rpmで20分間、遠心分離することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記遠心分離工程は、さらに、血小板を1.2x1010細胞を下回るレベルまで除去することを規定する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記作製工程は、さらに、IL−2及びIL−1βを10:1の比に作製することを規定する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記刺激工程は、さらに、該MNCの誘導混合物をマイトジェン及び80μg/mLのシプロフロキサシンで刺激することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記作製工程は、さらに、IL−1β、IL−2及びIFN−γを含むIRX−2を作製することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記作製工程は、さらに、少なくとも4LのIRX−2を作製することを規定する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記作製工程は、さらに、300〜1800pg/mLのIL−1β、4000〜8000pg/mLのIL−2、1000〜3800pg/mLのIFN−γ、及び1000〜4300pg/mLのTNF−αへ処方するサイトカイン濃縮物を作製することを規定する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記マイトジェン除去工程は、さらに、該誘導混合物を滅菌salineで洗浄し、MNCを回収し、そして、培養培地内に80μg/mLのシプロフロキサシンとともに再懸濁することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記刺激工程は、さらに、該MNCの誘導混合物をフィトヘマグルチニン(PHA)及びシプロフロキサシンで刺激することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記マイトジェン除去工程は、さらに、PHAのレベルを<150ng/mL以下まで除去することを規定する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記マイトジェン除去工程は、さらに、接線流モードでろ過することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記インキュベーション工程は、さらに、24時間インキュベーションすることを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記清澄工程は、さらに、該誘導混合物を、0.45μmフィルタでろ過することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ウイルス除去工程は、さらに、4log10を超えるウイルスを除去することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ウイルス除去工程は、さらに、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、C型肝炎(HCV)、B型肝炎(HBV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス(HTLV)、シミアンウイルス40(SV40)、ブタパルボウイルス(PPV)、仮性狂犬病ウイルス(PRV)、A型肝炎(HAV)、ウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)、シンドビス、レオ及びアデノウイルスからなる群から選択されるウイルスを一掃することを規定する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
さらに、該一次細胞由来バイオロジック上澄を紫外線−C(UVC)にかけることにより、一次細胞由来バイオロジック上澄から偶発的な物質を一掃する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記UVCにかける工程は、さらに、一次細胞由来バイオロジック上澄をUVC放射源に沿って螺旋状に流すことによりUVCを一次細胞由来バイオロジックへ均一に送達することを規定する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記均一に送達する工程は、さらに、波長254nmのUVCを一次細胞由来バイオロジックへ均一に送達することを規定する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記均一に送達する工程は、さらに、最高150J/mの線量のUVCを一次細胞由来バイオロジックへ送達することを規定する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
自動細胞プロセッサに細胞を投入し、
細胞を自動で洗浄及び遠心分離し、そして、
精製された細胞を得る
工程を含む、細胞の自動化精製方法。
【請求項23】
さらに、精製される細胞をスケールアップ又はダウンするために細胞プロセッサの仕様を調整する工程を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記投入工程は、さらに、白血球を自動細胞プロセッサ内のリンパ球分離培地(LSM)に投入することを規定する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
スケーラブルな細胞培養システム内で細胞を誘導し、そして、
細胞産物を作製する
工程を含む、細胞を誘導する方法。
【請求項26】
前記作製工程は、さらに、IRX−2のサイトカインを作製することを規定する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記サイトカインは、さらに、IL−1β、IL−2及びIFN−γを規定する、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−516582(P2011−516582A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504242(P2011−504242)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/040511
【国際公開番号】WO2009/137238
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(505401687)アイ アール エックス セーラピューティクス, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】