説明

L字形工具の柄

【課題】 工具としっかりと簡単に係合するL字形工具の柄を提供する。
【解決手段】 柄はバー21とビーム22とが互いにほぼ垂直なL字形の本体2からなる。ビーム22には、工具のステムの一方と係合する穴221が形成されている。バー21には、工具のステムの他方と係合する溝211と、カバー3と係合する一対の溝23とが形成されている。カバー3は、バー21の溝23と滑らかに係合する一対のフランジ342を形成する一対の隙間341を有しているので、本体2としっかりと係合する。カバー3は、バー21の溝211に対応する溝34を有し、溝211および34が係合穴を形成し、工具のステムの他方と係合する。工具は、ビーム22の穴221と、カバー3がバー21としっかりと係合する前の溝211および34とに簡単に係合する。カバー3は、本体2を工具としっかりと係合させるので、本体2を握ることで簡単に工具を操作することができる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、L字形工具と係合する柄に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図7に示すように、アレンレンチのようなL字形工具10がある。
L字形工具10は、締め具と係合する長さの異なる2つのステム11、12を有している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の主な目的は、工具としっかりと簡単に係合することができるL字形工具の柄を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本考案の請求項1記載のL字形工具の柄によると、L字形工具の一方のステムを組付けるための穴を有するビームと、他方のステムと係合する第1の溝を有するバーと、バーとしっかりと係合するカバーとを備える。
【0005】
本考案の請求項2記載のL字形工具の柄によると、バーは一対の溝を有し、カバーはバーの溝と滑らかに係合する一対のフランジを有する。
本考案の請求項3記載のL字形工具の柄によると、カバーはフランジを形成するための一対の隙間を有する。
本考案の請求項4記載のL字形工具の柄によると、カバーは第2の溝を有し、第1の溝と第2の溝とは他方のステムと係合する穴を形成する。
【0006】
本考案の請求項5記載のL字形工具の柄によると、バーは一対の溝を有し、カバーは一対の溝と滑らかに係合する一対のフランジを有する。
本考案の請求項6記載のL字形工具の柄によると、バーはピンを有し、カバーはピンと係合する孔を有する。
したがって、L字形工具の柄は工具としっかりと簡単に係合することができる。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1と図2に示すように、本考案の第1実施例によるL字形工具の柄は、バー21とビーム22とが互いにほぼ垂直なL字形の本体2からなる。ビーム22には、工具10のステム11、12の一方と係合する穴221が形成されている(図5、図6参照)。バー21には、工具10のステム11、12の他方と係合する第1の溝としての溝211と、カバー3と係合する一対の溝23とが形成されている。溝211は直接バー21の上部に形成されるか、図2に示すように、U字形に曲がった部品218を用いて形成される。カバー3は、バー21の溝23と滑らかに係合する一対のフランジ342を形成する一対の隙間341を有しており、カバー3を本体2としっかりと係合する。カバー3は、バー21の溝211に対応する第2の溝としての溝34を有し、溝211および34が係合穴を形成し、工具10のステム11、12の他方と係合する(図5、図6参照)。工具10は、ビーム22の穴221と、カバー3がバー21としっかりと係合する前の溝211および34とに簡単に係合する。カバー3は、工具10としっかりと係合し、本体2を工具10としっかりと係合させるので、本体2を握ることで簡単に工具10を操作することができる。
【0008】
(第2実施例)
次に、本考案の第2実施例によるL字形工具の柄を図3〜図5に示す。バー21には、カバー3をバー21に固定するための一対のフランジ35と滑らかに係合する一対の溝213が形成されている。バー21には、カバー3の底部分に係合する一対の肩部212が形成され(図4参照)、カバー3の一対のノッチ36に係合する一対の側突出部214が形成され(図3参照)、カバー3の孔37に係合するピン215が形成され(図5、図6参照)、カバー3は本体2のバー21と滑らかにしっかりと係合される。カバー3には、カバー3がバー21の上に係合する前に工具10のステム11、12の一方と係合するリング32を有しているので、カバー3は工具10のステム11、12の一方と固く係合する。
【0009】
ビーム22の穴221と、バー21の溝211および34との横断面形状は必ずしも六角形でなくてもよい。穴221と、バー21の溝211および34との横断面形状がどのような形状であっても、工具10のステム11、12は穴221と、バー21の溝211および34とにしっかりと係合し、ステム11、12は、穴221と、バー21の溝211および34とに係合するとき、本体2によりしっかりと回転される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例によるL字形工具の柄を示す分解図である。
【図2】本考案の第1実施例によるL字形工具の柄を示す断面図である。
【図3】本考案の第2実施例によるL字形工具の柄を示す分解図である。
【図4】本考案の第2実施例によるL字形工具の柄を示す図であって、図5の4−4線断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】本考案の第2実施例によるL字形工具の柄の操作を示すための断面図である。
【図7】本考案によるL字形工具の柄と係合するアレンレンチを示す斜視図である。
【符号の説明】
2 本体
3 カバー
10 L字形工具
11 ステム
12 ステム
21 バー
22 ビーム
23 溝
32 リング
34 溝(第2の溝)
35 フランジ
36 ノッチ
37 孔
211 溝(第1の溝)
212 肩部
213 溝
214 側突出部
215 ピン
218 U字形部品
221 穴
341 隙間
342 フランジ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 L字形工具の一方のステムと係合する穴を有するビームと、他方のステムと係合する第1の溝を有するバーと、前記バーとしっかりと係合するカバーとを備えることを特徴とするL字形工具の柄。
【請求項2】 前記バーは、一対の溝を有し、前記カバーは、前記バーの溝と滑らかに係合する一対のフランジを有することを特徴とする請求項1記載のL字形工具の柄。
【請求項3】 前記カバーは、フランジを形成するための一対の隙間を有することを特徴とする請求項1記載のL字形工具の柄。
【請求項4】 前記カバーは、第2の溝を有し、前記第1の溝と前記第2の溝とは、前記他方のステムと係合する穴を形成することを特徴とする請求項2記載のL字形工具の柄。
【請求項5】 前記バーは、一対の溝を有し、前記カバーは、前記一対の溝と滑らかに係合する一対のフランジを有することを特徴とする請求項1記載のL字形工具の柄。
【請求項6】 前記バーは、ピンを有し、前記カバーは、前記ピンと係合する孔を有することを特徴とする請求項1記載のL字形工具の柄。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第3044680号
【登録日】平成9年(1997)10月15日
【発行日】平成10年(1998)1月6日
【考案の名称】L字形工具の柄
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−5375
【出願日】平成9年(1997)6月23日
【出願人】(597088328)