LEDモジュールおよびそれを用いた照明器具
【課題】低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能なLEDモジュールおよびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】LED9を有する光源部1、光源部1を保持する枠体2、光の配光を制御可能なレンズユニット3、枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4、回動子4が回動することでレンズユニット3を移動可能とする変換機構8を備え、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、光の配光を制御するレンズ部3bとを有し、変換機構8は、傾斜片5aを有する第1傾斜部5、傾斜片5aの一表面が摺接可能な傾斜面を有する第2傾斜部6、傾斜片5aの他表面が摺接可能な摺接部7、レンズユニット3が回動するのを防ぐ回動防止部2dで構成され、基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部5bが一体に設けられ、回動子4に、規制部5bに係脱自在に係止可能な係止部が一体に設けられる。
【解決手段】LED9を有する光源部1、光源部1を保持する枠体2、光の配光を制御可能なレンズユニット3、枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4、回動子4が回動することでレンズユニット3を移動可能とする変換機構8を備え、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、光の配光を制御するレンズ部3bとを有し、変換機構8は、傾斜片5aを有する第1傾斜部5、傾斜片5aの一表面が摺接可能な傾斜面を有する第2傾斜部6、傾斜片5aの他表面が摺接可能な摺接部7、レンズユニット3が回動するのを防ぐ回動防止部2dで構成され、基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部5bが一体に設けられ、回動子4に、規制部5bに係脱自在に係止可能な係止部が一体に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDモジュールおよびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、浴槽などのスポット照明として使用され、光源としてLEDを用いた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、図24および図25に示す構成の照明装置が開示されている。この照明装置は、略円筒形状に形成され内周面に雌ネジ溝81aが設けられた装置本体81と、略円筒形状に形成され外周面に装置本体81の雌ネジ溝81aと螺合する雄ネジ溝82aが設けられた調整部82とを備えている。なお、雌ネジ溝81aおよび雄ネジ溝82aの各々は、多条ネジからなる。
【0004】
また、この照明装置は、調整部82の内周側に配置された略円筒状の内筒部83と、6個のLED87が装置本体81の軸線を中心とした円周上に等間隔で配置された基板84と、凸レンズ形状に形成されたレンズ部88を有する配光部85とを備えている。また、この照明装置は、ヒートシンク86を備えている。
【0005】
調整部82の先端部(図25では、左端部)には、使用者が摘んで回転させるために、外側方向に突出した外側環状凸部82bが設けられている。また、調整部82の先端部には、配光部85の位置決めをするために、内側方向に突出した内側環状凸部82cが設けられている。
【0006】
配光部85は、円盤状に形成されたレンズアレイ板85aと、レンズアレイ板85aに立設された区画板85bとを有している。また、レンズアレイ板85aには、基板84に搭載された各LED87の各々の光軸上に位置するように、上述のレンズ部88が設けられている。
【0007】
レンズアレイ板85aの周端部は、調整部82の内側環状凸部82cと内筒部83の先端(図25では、左端)との隙間によりできる環状凹部91(図25参照)に、回転摺動可能に嵌め込まれている。なお、内筒部83の基端側(図25では、右端側)には、外側方向に突出した内筒環状凸部83aが設けられている。
【0008】
上述の照明装置では、調整部82と内筒部83とが、固定筒である装置本体81に対する移動筒を構成しており、配光部85を装置本体81の軸線に沿って移動させる。ここにおいて、装置本体81の外周面には、ネジ92,92により第1カバー部93および第2カバー部94が取り付けられる。これにより、上述の照明装置では、調整部82の前進が、第1カバー部93および第2カバー部94の前部(図25では、左部)により規制されるので、調整部82が前進しすぎて装置本体81から脱落するのを防止することができる。
【0009】
基板84には、6本の基板スリット84aが、装置本体81の軸線を中心として放射状に設けられている。ここにおいて、配光部85の区画板85bは、隣接するレンズ部88同士の間にレンズアレイ板85aの中心から放射状に配置されるとともに、基板84側に向って延びるように板状に形成されており、貫通孔である上述の各基板スリット84aに挿通される。つまり、上述の照明装置では、区画板85bと、この区画板85bが挿通する基板スリット84aとで、調整部82を回転させても配光部85が供回りすることを防止する回転止め機構を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−299679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の照明装置では、配光部85を回転させることなく装置本体81の軸線に沿って移動させることができる。したがって、上述の照明装置では、LED87とレンズ部88との位置関係がずれることなく、LED87とレンズ部88との距離を無段階に変更することが可能となるので、光の照射範囲を所望とする広さに無段階に調整することが可能である。
【0012】
しかしながら、この照明装置では、配光部85を装置本体81の軸線に沿って移動させたときに、調整部82が装置本体81から脱落するのを防止するために、第1カバー部93、第2カバー部94およびネジ92,92が必要であり、コストアップが懸念される。
【0013】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能なLEDモジュールおよびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のLEDモジュールは、LEDを有する光源部と、前記光源部を保持する枠体と、前記LEDから放射される光の配光を制御可能なレンズユニットと、前記枠体の内側に配置され前記枠体に回動自在に保持される円筒状の回動子と、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動することで前記レンズユニットを前記回動子の中心軸に沿って移動可能とする変換機構とを備え、前記レンズユニットは、円板状の基体と、前記基体に形成され前記LEDから放射される光の配光を制御するレンズ部とを有し、前記変換機構は、前記基体の外周方向の一方向に沿って前記基体の一面から離れるように傾斜する傾斜片を有する第1傾斜部と、前記傾斜片の一表面が前記基体の外周方向に摺接可能な傾斜面を有する第2傾斜部と、前記傾斜片の他表面が前記基体の外周方向に摺接可能な摺接部と、前記レンズユニットが前記基体の外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部とで構成され、前記第1傾斜部は、前記基体の周端部に一体に複数設けられ、前記第2傾斜部および前記摺接部の各々は、前記回動子に一体に複数設けられ、前記回動防止部は、前記枠体の内側面に複数突設されており、前記基体に、前記回動子が前記枠体から脱離するのを防ぐために前記回動子の回動範囲を規制する規制部が一体に設けられ、前記回動子に、前記規制部に係脱自在に係止可能な係止部が一体に設けられてなることを特徴とする。
【0015】
このLEDモジュールにおいて、前記枠体の内側面には、内方へ突出する凸部が設けられ、前記回動子に、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部が形成され、前記スリット部に前記凸部を導入するための導入部が前記スリット部に連通するように形成されてなることが好ましい。
【0016】
このLEDモジュールにおいて、前記光源部は、前記LEDが実装された配線基板を保持可能なホルダを有し、前記ホルダに、前記配線基板の周端部を保持する保持爪が突設され、前記ホルダと前記枠体との一方に、係合爪が突設され、他方に、前記係合爪が係合する係合穴が形成されてなることが好ましい。
【0017】
このLEDモジュールにおいて、前記ホルダには、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において、前記回動子を前記枠体の前記凸部との間に保持する保持部が一体に設けられてなることが好ましい。
【0018】
このLEDモジュールにおいて、前記保持部は、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において前記凸部に対応する位置に配置され、且つ、前記回動子が回動するときに前記スリット部の周部を前記枠体の前記凸部との間に保持するように形成されて、前記凸部は、正面視長円状に形成されてなることが好ましい。
【0019】
このLEDモジュールにおいて、前記スリット部の内周壁には、前記凸部に弾接可能な突起が一体に設けられてなることが好ましい。
【0020】
本発明の照明器具は、前記LEDモジュールと、前記LEDモジュールを保持する器具本体とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のLEDモジュールにおいては、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【0022】
本発明の照明器具においては、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能なLEDモジュールを用いた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1のLEDモジュールの分解斜視図である。
【図2】同上のLEDモジュールにおけるホルダを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図3】同上のLEDモジュールにおける枠体を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図4】同上のLEDモジュールにおけるレンズユニットを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図5】同上のLEDモジュールにおける回動子を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図6】同上のLEDモジュールに関し、回動子を枠体に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図7】同上のLEDモジュールに関し、(a)はレンズユニットを回動子に取り付ける方法を説明する説明図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図8】(a)(b)は同上のLEDモジュールに関し、光源部を枠体に取り付ける方法を説明する説明図、(c)は(b)のD−D断面図である。
【図9】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を説明する説明図である。
【図10】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を説明する他の説明図である。
【図11】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を説明する別の説明図である。
【図12】(a)は同上のLEDモジュールに関し、レンズユニットが光源部から最も離れた状態を示す斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図13】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を示す斜視図である。
【図14】(a)は同上のLEDモジュールに関し、レンズユニットが光源部に最も近づいた状態を示す斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図15】同上のLEDモジュールを器具本体に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図16】実施形態1の照明器具の構成例を示す斜視図である。
【図17】同上の照明器具の他の構成例を示す斜視図である。
【図18】実施形態2のLEDモジュールにおいて、(a)は回動子の斜視図、(b)は光源部を除き一部破断した斜視図である。
【図19】実施形態3のLEDモジュールにおいて光源部を除いたものを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図20】同上のLEDモジュールにおける枠体を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図21】同上のLEDモジュールにおけるレンズユニットを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図22】同上のLEDモジュールにおける回動子を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図23】同上のLEDモジュールに関し、(a)はレンズユニットが光源部から最も離れた状態を示す斜視図、(b)はレンズユニットが光源部に最も近づいた状態を示す斜視図、(c)は(a)のE−E断面図である。
【図24】従来例の照明装置の分解斜視図である。
【図25】同上の照明装置において、レンズアレイ板をLEDから遠ざけた状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
以下、本実施形態のLEDモジュールについて、図1〜図15を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態のLEDモジュール10は、LED9を有する光源部1と、光源部1を保持する枠体2と、LED9から放射される光の配光を制御可能なレンズユニット3と、枠体2の内側に配置され枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4とを備えている。また、このLEDモジュール10は、回動子4が回動子4の外周方向に回動することでレンズユニット3を回動子4の中心軸に沿って移動可能とする変換機構8を備えている。
【0026】
光源部1は、複数(本実施形態では、7つ)のLED9と、これら複数のLED9が実装される1枚の配線基板11と、配線基板11に電気的に接続された一対の電線12,12とを有するLEDユニット29を備えている。なお、図1では、7つのLED9のうち5つのLED9が見えている。また、複数のLED9の電気的な接続関係は、直列接続や並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。
【0027】
LED9としては、例えば、青色光を放射するLEDチップ(以下、青色LEDチップ)と、青色LEDチップから放射された青色光により励起されブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いることができる。このようなLED9は、例えば、青色LEDチップ(図示せず)と、この青色LEDチップが実装された1つの実装基板9aと、青色LEDチップを覆い黄色蛍光体を含有した第1の透光性材料からなる色変換部(図示せず)とを有している。なお、1つの実装基板9aに実装される青色LEDチップの個数は、1個でもよいし、複数個でもよい。また、第1の透光性材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどを用いることができる。
【0028】
また、このLED9は、青色LEDチップおよび色変換部を封止した第2の透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる凸レンズ状の封止部9bを有している。
【0029】
ここにおいて、LED9の蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、LED9は、紫〜近紫外線を放射するLEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。さらに、LED9は、赤色光を放射するLEDチップと緑色光を放射するLEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。
【0030】
配線基板11は、例えば、金属ベースプリント配線板により形成されており、平面視において多角形状(本実施形態では、八角形状)に形成されている。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、配線基板11として金属ベースプリント配線板を用いているが、これに限らず、例えば、ガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材により形成されたプリント配線板、セラミック基板などを用いてもよい。また、本実施形態では、配線基板11の外周形状を、平面視において八角形状としているが、これに限らず、例えば、四角形状、五角形状、円形状などであってもよい。
【0031】
配線基板11における各LED9の実装面側(図1では、下側)には、各LED9と電気的に接続可能な一対の第1電極部(図示せず)が、配線基板11に形成された導体パターン(図示せず)の一部によりそれぞれ形成されている。ここにおいて、各LED9は、アノード電極が一対の第1電極部の一方に電気的に接続され、カソード電極が他方に電気的に接続されている。
【0032】
また、配線基板11における各LED9の実装面側には、各LED9および各一対の第1電極部以外の部位の大部分を覆う白色のレジスト層などからなる反射層(図示せず)が形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、各LED9から放射された光が配線基板11に吸収されるのを抑制することが可能となる。
【0033】
また、配線基板11における各LED9の実装面側には、一対の電線12,12を電気的に接続可能な一対の端子部15,15(図1および図8参照)が配置されている。ここにおいて、各電線12は、各端子部15と電気的に接続可能な導電体12a(図8参照)が絶縁被覆部12b(図8参照)により覆われた被覆電線であり、各端子部15に電気的に接続される導電体12aの一部が露出している。また、配線基板11における各LED9の実装面側には、複数のLED9に給電するための一対の第2電極部(図示せず)が、上記導体パターンの一部により形成されている。ここにおいて、一対の端子部15,15は、一対の第2電極部に半田により電気的に接続されている。なお、図1および図8では、一対の端子部15,15のうち一方の端子部15が見えている。また、本実施形態のLEDモジュール10では、配線基板11の各第2電極部の近傍に、極性を示す“+”、“−”を表記してもよい。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、一対の電線12,12の誤接続を防止することが可能となる。
【0034】
各端子部15は、U字状の端子板により構成されており、これら端子板の両脚片が、各第2電極部の各々に電気的に接続されている。
【0035】
また、配線基板11における各LED9の実装面側とは反対側(図1では、上側)には、電気絶縁性および熱伝導性を有する放熱シート14が配置されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、光源部1で発生した熱を、放熱シート14を通してLEDモジュール10を保持する器具本体20(図15参照)側へ効率よく放熱することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態のLEDモジュール10では、光源部1が、各LED9が実装された配線基板11を保持可能なホルダ13を有している。
【0037】
ホルダ13は、合成樹脂材料(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13を、黒色の合成樹脂材料により構成している。
【0038】
また、ホルダ13は、配線基板11を収納する有底筒状(本実施形態では、有底円筒状)のホルダ本体13aと、ホルダ本体13aの開口側(図1では、上側)において外方へ延設された鍔部13bとを有している。
【0039】
ホルダ本体13aの深さ寸法は、配線基板11の厚み寸法よりも若干大きく設定されている。また、ホルダ本体13aの内周形状は、配線基板11の外周形状よりも若干大きく設定されている。
【0040】
ホルダ本体13aの内底面には、配線基板11をホルダ本体13aの外周方向に位置決めするためのリブ13c(図2参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。ここで、配線基板11の周端部は、配線基板11がホルダ本体13a内に収納された状態においてホルダ本体13aの各リブ13cに対応する位置の各々に、切欠き部11aが形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、配線基板11を、ホルダ本体13a内においてホルダ本体13aの外周方向に位置決めすることが可能となる。なお、図2では、2つのリブ13cのうち1つのリブ13cが見えている。また、図1では、2つの切欠き部11aのうち1つの切欠き部11aが見えている。
【0041】
また、ホルダ本体13aの内底面には、配線基板11の周端部を保持する保持爪13d(図3参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。要するに、ホルダ13に、配線基板11の周端部を保持する保持爪13dが突設されている。ここで、配線基板11の周端部には、各保持爪13dが配線基板11を保持するための突片11bが配線基板11と一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13が配線基板11を保持することが可能となる。また、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ本体13aの底部において各保持爪13dの近傍に、貫通孔13fが形成されており、各保持爪13dが配線基板11を保持した状態を確認することが可能となっている。
【0042】
また、ホルダ本体13aの側部には、配線基板11に電気的に接続された一対の電線12,12を外部へ導出する導出部13eが設けられている。ここにおいて、ホルダ本体13aの底部には、ホルダ13が配線基板11を保持した状態において配線基板11に実装された各LED9を露出させる複数の窓孔13g(図2参照)が形成されている。本実施形態のLEDモジュール10では、1つのLED9を取り囲む平面視円形状である4つの窓孔13gと、ホルダ13の導出部13eの近傍に位置する3つのLED9を取り囲む平面視三角形状である窓孔13gとが、複数の窓孔13gを構成している。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13が配線基板11を保持した状態において配線基板11に電気的に接続された一対の電線12,12を、導出部13eを通して外部へ導出することが可能となる。以下、本実施形態のLEDモジュール10では、説明の便宜上、平面視三角形状である窓孔13gを、窓孔13h(図2参照)と称する。
【0043】
ホルダ13の鍔部13bには、枠体2がホルダ13を係合するための係合爪13k(図3参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。要するに、ホルダ13には、係合爪13kが突設されている。なお、各係合爪13kは、ホルダ本体13aの底面に沿った一方向に弾性変形が可能となっている。
【0044】
また、鍔部13bの内周部には、配線基板11の上記反対側へ突出した突壁13m(図2参照)が、鍔部13bと一体に設けられている。
【0045】
枠体2は、例えば、合成樹脂材料(PBTなど)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2を、黒色の合成樹脂材料により構成している。
【0046】
また、枠体2は、中央部に円形状の開口孔を有する板状(本実施形態では、円板状)の底壁2aと、底壁2aの外周縁から光源部1側(図1では、上側)に向かって突出する円筒状の第1側壁2bと、開口孔の内周縁から光源部1側とは反対側に向かって突出する円筒状の第2側壁2cとを連続一体に形成して構成されている。
【0047】
第1側壁2bの内側面には、ホルダ13の各係合爪13kが各別に係合する複数(本実施形態では、2つ)の係合穴2g(図3参照)が形成されている。要するに、枠体2には、ホルダ13の係合爪13kが係合する係合穴2gが形成されている。本実施形態のLEDモジュール10では、人が、ホルダ13の各係合爪13kを第1側壁2bの各係合穴2gの位置に合わせた後に、ホルダ13を押し込むことによって、各係合爪13kが各係合穴2gに各別に係合され、ホルダ13を枠体2に保持させることが可能となる(図8参照)。ここで、第1側壁2bの内側面には、ホルダ13の各係合爪13kを各係合穴2gへ導入するための導入部2h(図3参照)が、各係合穴2gの各々の近傍に形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13の各係合爪13kを第1側壁2bの各係合穴2gに各別に係合させる作業性を向上させることが可能となる。なお、図3では、2つの係合穴2gのうち1つの係合穴2gが見えている。また、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13に係合爪13kを突設し、枠体2に係合穴2gを形成しているが、枠体2に係合爪13kを突設し、ホルダ13に係合穴2gを形成してもよい。
【0048】
したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、光源部1が、LED9が実装された配線基板11を保持可能なホルダ13を有し、このホルダ13に、配線基板11の周端部を保持する保持爪13dが突設され、ホルダ13と枠体2との一方に、係合爪13kが突設され、他方に、係合爪13kが係合する係合穴2gが形成されているので、例えば、ねじなどの固定具を用いることなく、光源部1と枠体2とを組み立てることが可能となる。
【0049】
また、第1側壁2bにおいて第2側壁2c側とは反対側(図1では、上側)の端部に、ホルダ13を枠体2の外周方向に位置決めするための凹部2j(図1および図3など参照)が、枠体2の外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、4箇所)に形成されている。ここにおいて、ホルダ13の鍔部13bは、ホルダ13が枠体2に保持された状態において第1側壁2bの各凹部2jに対応する位置の各々に、突片13n(図1および図2など参照)が突設されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13が枠体2の外周方向に回動するのを防止することが可能となる。
【0050】
レンズユニット3は、透光性材料(例えば、アクリル樹脂、ガラスなど)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3を、アクリル樹脂(メタアクリル樹脂(PMMA)など)により構成している。
【0051】
また、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、基体3に形成され各LED9の各々から放射される光の配光を各別に制御する複数(本実施形態では、7つ)のレンズ部3bとを有している。
【0052】
基体3aは、配線基板11に実装された各LED9と対向する部位の各々に、各レンズ部3bが一体に形成されている。本実施形態のLEDモジュール10では、各レンズ部3bの光出射面側が、凸曲面状(例えば、非球面状)に形成されている。ここにおいて、本実施形態では、ホルダ本体13aの底部における配線基板11側とは反対側(図1では、下側)に、平面視において各窓孔13g,13hの各々を取り囲むように上記反対側へ突出し各レンズ部3bの光入射面の周部に当接可能な周壁13jが、ホルダ本体13aと一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、周壁13jを遮光壁として利用することが可能となり、各LED9から放射された光が、各LED9の各々と対向するレンズ部3b以外の他のレンズ部3bの光入射面に入射するのを抑制することが可能となる。また、本実施形態では、ホルダ13の周壁13jを黒色の合成樹脂材料により構成しているので、各LED9から放射された光が、各LED9の各々と対向するレンズ部3b以外の他のレンズ部3bの光入射面に入射するのをさらに抑制することが可能となる。また、本実施形態では、ホルダ13の窓孔13hの内側に配置される3つのLED9において、隣接するLED9同士の間に、各電線12が配置されている(図1参照)。さらに、本実施形態では、各電線12の外径寸法と、周壁13jの高さ寸法とを略同じ寸法に設定している。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、一対の電線12,12を遮光壁として利用することが可能となる。
【0053】
ところで、枠体2の第1側壁2bの内側面には、レンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部2d(図3参照)が、枠体2の外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に内方へ向かって突設されている。ここにおいて、レンズユニット3の基体3aの周端部は、枠体2の内側にレンズユニット3が配置された状態において枠体2の第1側壁2bの各回動防止部2dに対応する位置の各々に、切欠き部3cが形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の回動によりレンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防止することが可能となる。また、ホルダ13の鍔部13bは、このホルダ13が枠体2に係合された状態において枠体2の各回動防止部2dに対応する位置の各々に、各回動防止部2dと当接するのを回避するための第1切欠き部13qが形成されている。また、ホルダ13の鍔部13bには、器具本体20(図15参照)がLEDモジュール10を保持するための第2切欠き部13r(図2参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に形成されている。
【0054】
各回動防止部2dには、LEDモジュール10を器具本体20に固定するための固定ねじ(図示せず)が螺合する固定ねじ孔16(図3参照)が形成されている。各固定ねじ孔16は、底壁2aの開口孔の中心線に平行な方向に沿って形成されている。
【0055】
また、第1側壁2bの外側面には、各回動防止部2dに対応する位置の各々に、底壁2aの開口孔の中心線に平行な方向に沿った溝部2eが形成されている。各溝部2eは、底壁2aの開口孔の中心線に平行な方向の長さ寸法が、第1側壁2bの高さ寸法の半分に設定されており、第1側壁2bにおいて第2側壁2c側に配置されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2を成形する際に、第1側壁2bの外側面にひけが生じるのを抑制することが可能となる。
【0056】
また、第1側壁2bの内側面には、内方へ突出する凸部2fが、枠体2の外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。要するに、枠体2の内側面には、内方へ突出する凸部2fが設けられている。
【0057】
回動子4は、例えば、合成樹脂材料(PBTなど)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4を、黒色の合成樹脂材料により構成している。したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2および回動子4を、黒色の合成樹脂材料により構成しているので、各レンズ部3bの光出射面側の周部から出射される光を遮断することが可能となり、光源部1からの光を一定範囲に集光させることが可能となる。
【0058】
また、回動子4は、円筒状に形成された回動子本体4aと、この回動子本体4aにおける中心軸に沿った方向の一端部(図1では、上端部)に外方へ延設された複数(本実施形態では、2つ)の外鍔部4bとを有している。ここで、各外鍔部4bの突出寸法は、枠体2の底壁2aの幅寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4を枠体2の内側に配置することによって、枠体2が回動子4を保持することが可能となる。
【0059】
回動子本体4aの他端部側(図1では、下端部側)の外側壁には、人が回動子4を指で回動させる際に、指の滑りを抑制するための滑り止め部4cが、回動子本体4aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。本実施形態のLEDモジュール10では、各滑り止め部4cを、回動子本体4aの外側壁においてこの回動子本体4aにおける中心軸に沿った方向に形成された複数の溝4jにより構成している。各溝4jは、回動子本体4aの外側壁において回動子本体4aの外周方向に沿って形成されており、断面視形状がV字状に形成されている。
【0060】
また、回動子本体4aの他端部側の外側壁には、枠体2に対する回動子4の回動位置を示す目印4dが、回動子本体4aの外周方向に離間して複数(本実施形態では、2つ)設けられている。ここにおいて、枠体2の第2側壁2cにおいて第1側壁2b側とは反対側(図1では、下側)の外側壁には、光源部1とレンズユニット3との間の距離を調整するための目盛り部2kが、枠体2の外周方向に離間して複数(本実施形態では、2つ)設けられている。本実施形態のLEDモジュール10では、各目盛り部2kを、光源部1とレンズユニット3との間の距離を示す複数(本実施形態では、5つ)の目盛り2mにより構成している。したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、人が、枠体2に対して回動子4を回動させる際に、回動子本体4aの目印4dを、枠体2の目盛り部2kにおける複数の目盛り2mのうちの1つの目盛り2mに合わせることによって、光源部1とレンズユニット3との間の距離を容易に調整することが可能となる。
【0061】
各外鍔部4bの外周端には、回動子4が枠体2に保持された状態において第1側壁2bの内面に沿って外周壁4eが延設されている。
【0062】
各外周壁4eには、回動子4がこの回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部4fが、回動子本体4aの外周方向に沿って形成されている。要するに、回動子4には、回動子4がこの回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部4fが形成されている。各スリット部4fには、各凸部2fを各別に導入するための導入部4gがこれらスリット部4fに連通するようにそれぞれ形成されている。要するに、スリット部4fに、凸部2fを導入するための導入部4gがスリット部4fに連通するように形成されている。各導入部4gは、各スリット部4fにおいて回動子本体4a側(図1では、下側)に配置されている。
【0063】
したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2の内側面に、内方へ突出する凸部2fが設けられ、回動子4に、回動子4が回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部4fが形成され、スリット部4fに、凸部2fを導入するための導入部4gがスリット部4fに連通するように形成されているので、回動子4を枠体2に回動自在に保持させることが可能となり(図6参照)、回動子4を回動子4の外周方向に回動させることが可能となる。また、本実施形態では、各導入部4gをスリット部4fにおいて回動子本体4a側に配置しているので、枠体2の各凸部2fを回動子4の各導入部4gに導入することによって、回動子4を枠体2に取り付けることが可能となる。ホルダ13の鍔部13bには、このホルダ13が枠体2に係合された状態において、回動子4を枠体2の凸部2fとの間に保持する一対の保持部18,18がホルダ13と一体に設けられている。要するに、ホルダ13には、このホルダ13が枠体2に係合された状態において、回動子4を枠体2の凸部2fとの間に保持する保持部18が一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2の各凸部2fの形状が変形するのを抑制することが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、複数対の保持部18,18が、ホルダ13の鍔部13bに設けられている。
【0064】
本実施形態のLEDモジュール10では、各一対の保持部18,18が、ホルダ13が枠体2に係合された状態において、枠体2の各凸部2fに対応する位置の各々に配置されている。具体的に説明すると、各一対の保持部18,18は、ホルダ13が枠体2に係合された状態において、一対の保持部18,18の間に枠体2の各凸部2fが位置するように配置されている。また、本実施形態では、各一対の保持部18,18が、回動子4が回動するときに、回動子4の各外周壁4eにおける各スリット部4fの周部を保持するように形成されている。ここで、各凸部2fは、正面視長円状に形成されている。したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、保持部18が、ホルダ13が枠体2に係合された状態において凸部2fに対応する位置に配置され、且つ、回動子4が回動するときにスリット部4fの周部を保持するように形成されて、各凸部2fが正面視長円状に形成されているので、枠体2の各凸部2fや回動子4の各スリット部4fの内周壁が変形するのを抑制することが可能となる。また、本実施形態では、各凸部2fを正面視長円状に形成しているので、各凸部2fが各スリット部4fと摺接する面積が大きくなり、枠体2が回動子4を保持する保持力を高めることが可能となる。
【0065】
ところで、変換機構8は、レンズユニット3の基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aの一面(図1では、下面)から離れるように傾斜する傾斜片5aを有する第1傾斜部5と、傾斜片5aの一表面5d(図1および図4参照)が基体3aの外周方向に摺接可能な傾斜面6a(図5参照)を有する第2傾斜部6と、傾斜片5aの他表面5c(図4参照)が基体3aの外周方向に摺接可能な摺接部7と、上述の回動防止部2dとで構成されている。
【0066】
第1傾斜部5は、レンズユニット3の基体3aの周端部に、この基体3aの外周方向に離間して基体3aと一体に複数(本実施形態では、4つ)設けられている。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、各第1傾斜部5が、レンズ部3bの光出射面側へ突出するように設けられている。
【0067】
また、各第1傾斜部5は、基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aから徐々にレンズ部3bの光出射面側へ突出するように傾斜する上述の傾斜片5aと、基体3aと一体に形成され傾斜片5aを支持する支持片5bとを連続一体に形成して構成されている。
【0068】
第2傾斜部6は、回動子4の各外鍔部4bに、回動子本体4aの外周方向に離間して回動子4と一体にレンズユニット3側(図1では、上側)へ向かって複数(本実施形態では、2つ)ずつ突設されている。
【0069】
摺接部7は、回動子4の各外鍔部4bに、回動子本体4aの外周方向に離間して回動子4と一体にレンズユニット3側へ向かって複数(本実施形態では、2つ)ずつ突設されている。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、第2傾斜部6および摺接部7の各々が、回動子4に一体に複数設けられている。
【0070】
また、各第1傾斜部5の傾斜片5aの各々には、回動子4の各摺接部7を傾斜片5aの他表面5cに各別に導くための切欠き部5eが形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の各摺接部7が、レンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの他表面5cに摺接することが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の各外鍔部4bにおける各摺接部7の近傍の各々に、貫通孔4hが形成されており、各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの他表面5cに摺接した状態を確認することが可能となっている。
【0071】
以下、本実施形態のLEDモジュール10に関して、回動子4の回動に対してレンズユニット3が回動子4の中心軸に沿って移動するのを、図9〜図14に基づいて説明する。
【0072】
本実施形態のLEDモジュール10では、図9に示すように、枠体2の各凸部2fが回動子4の各スリット部4fの各導入部4g側とは反対側(図9では、左側)の端部に配置された場合、回動子4の各第2傾斜部6および各摺接部7が、レンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの一端部側(図4では、右端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も長くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も狭くなる。ここで、本実施形態のLEDモジュール10では、図10に示すように、人が、図10中に示した矢印の方向に回動子4を回動させると、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの他表面5cを基体3aの外周方向の一方向に摺接するとともに、回動子4の各第2傾斜部6の傾斜面6aがレンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの一表面5dを基体3aの外周方向の一方向に摺接し、徐々に、レンズユニット3が光源部1側へ近づくように移動するので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が徐々に短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が徐々に広くなる。
【0073】
そして、本実施形態のLEDモジュール10では、図11に示すように、枠体2の各凸部2fが回動子4の各スリット部4fの各導入部4g側(図11では、右側)の端部に配置された場合、回動子4の各第2傾斜部6および各摺接部7が、レンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの他端部側(図4では、左端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も広くなる。
【0074】
ここにおいて、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3の各第1傾斜部5の支持片5bが、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部としての機能を有している。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3の基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部(支持片5b)が一体に設けられている。また、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の各摺接部7が、規制部(支持片5b)に係脱自在に係止可能な係止部としての機能を有している。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4に、規制部(支持片5b)に係脱自在に係止可能な係止部(摺接部7)が一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の回動範囲を規制することが可能となり、例えば、ねじなどの固定具を用いることなく、回動子4が枠体2から脱離するのを防止することが可能となる。
【0075】
以上説明した本実施形態のLEDモジュール10では、LED9を有する光源部1と、光源部1を保持する枠体2と、LED9から放射される光の配光を制御可能なレンズユニット3と、枠体2の内側に配置され枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4と、回動子4が回動子4の外周方向に回動することでレンズユニット3を回動子4の中心軸に沿って移動可能とする変換機構8とを備え、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、基体3aに形成されLED9から放射される光の配光を制御するレンズ部3bとを有している。また、本実施形態のLEDモジュール10では、変換機構8は、基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aの一面から離れるように傾斜する傾斜片5aを有する第1傾斜部5と、傾斜片5aの一表面5dが基体3aの外周方向に摺接可能な傾斜面6aを有する第2傾斜部6と、傾斜片5aの他表面5cが基体3aの外周方向に摺接可能な摺接部7と、レンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部2dとで構成され、第1傾斜部5は、基体3aの周端部に一体に複数設けられ、第2傾斜部6および摺接部7の各々は、回動子4に一体に複数設けられ、回動防止部2dは、枠体2の内側面に複数突設されており、基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部(支持片5b)が一体に設けられ、回動子4に、規制部(支持片5b)に係脱自在に係止可能な係止部(摺接部7)が一体に設けられることによって、図24および図25に示した構成の従来例の照明装置に比べて、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【0076】
以下、本実施形態のLEDモジュール10を用いた照明器具の一例について、図15および図16に基づいて説明する。
【0077】
本実施形態の照明器具30は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10を保持する器具本体20とを備えている。
【0078】
器具本体20は、例えば、アルミニウムなどの金属により構成することができる。
【0079】
また、器具本体20は、中央部に円形状の開口孔を有する板状(本実施形態では、円板状)の底壁21aと、底壁21aの外周縁からLEDモジュール10側(図15では、下側)に向かって突出する側壁21bとを連続一体に形成して構成された本体部21を有している。また、器具本体20は、LEDモジュール10で発生した熱を放熱する放熱部22を有しており、この放熱部22は、本体部21の底壁21aにおいてLEDモジュール10側とは反対側(図15では、上側)に配置されている。なお、本実施形態の照明器具30では、器具本体20を金属により構成しているが、これに限らず、例えば、金属以外の材料により構成してもよい。
【0080】
本体部21の底壁21aの内周部には、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、器具本体20の外部へ導出するための切欠き部23が形成されている。
【0081】
また、本体部21の底壁21aには、LEDモジュール10を保持する保持片25が、底壁21aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。本実施形態の照明器具30では、本体部21の各保持片25を、LEDモジュール10のホルダ13の各切欠き部13rに通してホルダ13を保持することによって、器具本体20がLEDモジュール10を保持することが可能となる。なお、図15では、2つの保持片25のうち1つの保持片25が見えている。
【0082】
また、本体部21の底壁21aには、LEDモジュール10を器具本体20に固定するための上記固定ねじを挿通する固定ねじ挿通孔26が、底壁21aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。ここで、各固定ねじ挿通孔26は、LEDモジュール10が器具本体20に保持された状態において、LEDモジュール10における各回動防止部2dの各固定ねじ孔16に対応する位置の各々に設けられている。これにより、本実施形態の照明器具30では、LEDモジュール10を器具本体20に固定することが可能となる。なお、図15では、2つの固定ねじ挿通孔26のうち1つの固定ねじ挿通孔26が見えている。
【0083】
本体部21の側壁21bには、上述の照明器具30を、例えば、配線ダクト40(図16参照)に保持された保持具41(図16参照)に取り付けるための第1の取付ねじ(図示せず)を螺合するねじ孔28が、底壁21aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。なお、図15では、2つのねじ孔28のうち1つのねじ孔28が見えている。
【0084】
放熱部22は、LEDモジュール10における放熱シート14と接触可能な板状(本実施形態では、円板状)の接触部22aと、この接触部22aにおいてLEDモジュール10側とは反対側(図15では、上側)に立設された複数の板状の放熱フィン22bとで構成することができる。なお、本実施形態の照明器具30では、放熱部22を本体部21に取り付ける手段として、例えば、放熱部22を本体部21に取り付けるための第2の取付ねじ(図示せず)を用いているが、放熱部22を本体部21に取り付ける手段は、これに限るものではない。
【0085】
接触部22aの外周端には、放熱部22が本体部21に取り付けられた状態において、本体部21の底壁21aの切欠き部23に対応する位置に、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、器具本体20の外部へ導出するための切欠き部24が設けられている。本実施形態の照明器具30では、切欠き部23と切欠き部24とが、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、底部21aおよび接触部22aのLEDモジュール10側から上記反対側へ導出するための導出孔27を構成している。
【0086】
以下、本実施形態の照明器具30の使用例について、図16に基づいて説明する。
【0087】
本実施形態の照明器具30は、例えば、天井面に設置される配線ダクト40に取り付けられるスポットライトとして使用される。この照明器具30は、器具本体20を配線ダクト40に保持させるための保持具41と、配線ダクト40に設けられた導電板(図示せず)に電気的に接続されLEDモジュール10に電源を供給する電源ユニット42とを有している。なお、図16に示した構成の照明器具30では、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、照明器具30から導出された1本の電源ケーブル31により構成している。また、本実施形態の照明器具30では、使用例として、配線ダクト40に取り付けられたスポットライトを例示しているが、これに限らず、例えば、図17に示すように、天井材に埋め込み配置されるスポットライトなどであってもよい。
【0088】
以上説明した本実施形態の照明器具30では、上述のLEDモジュール10と、LEDモジュール10を保持する器具本体20とを備えているので、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【0089】
(実施形態2)
以下、本実施形態のLEDモジュール10について、図18に基づいて説明する。
【0090】
本実施形態のLEDモジュール10の基本構成は、実施形態1と同じであり、回動子4の各スリット部4fの内周壁に、枠体2の各凸部2fに弾接可能な突起19が一体に設けられる点が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、図18中に付した符号Pは、一部が破断した箇所を示している。
【0091】
本実施形態のLEDモジュール10では、突起19を、回動子4の各スリット部4fに複数(本実施形態では、4つ)ずつ形成している。ここで、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2の凸部2fに対して突起19を1対複数で設けているが、1対1で設けてもよい。
【0092】
したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、スリット部4fの内周壁に、凸部2fに弾接可能な突起19が一体に設けられているので、人が回動子4を回動させるときに、各スリット部4fの各突起19が枠体2の各凸部2fに各別に弾接するので、人にクリック感を与えることが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10を、実施形態1で説明した照明器具20に用いてもよい。
【0093】
(実施形態3)
本実施形態のLEDモジュール10の基本構成は、実施形態1と同じであり、枠体2、レンズユニット3および回動子4の一部が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0094】
レンズユニット3の各レンズ部3bは、図21に示すように、光入射面側が凸曲面状に形成されている。各レンズ部3bの光入射面側の中央部には、凹部52が形成されており、これら各凹部52の内面が、各LED9からの光を入射する光入射面を構成している。なお、本実施形態では、各第1傾斜部5が、レンズ部3bの光入射面側へ突出するように形成されている。
【0095】
回動子4の各外周壁4eにおける外周面の各々には、図22に示すように、枠体2が回動子4を保持するための凸部50が、外方に向かって突設されている。ここにおいて、枠体2の第1側壁2bには、図20に示すように、回動子4が回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部51が複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。各スリット部51は、枠体2の第1側壁2bの外周方向に沿って形成されている。また、各スリット部51には、各凸部50を導入するための導入部51aが、各スリット部51に連通するように形成されている。各導入部51aは、各スリット部51において回動子本体4側とは反対側(図19では、上側)に配置され開放されている。
【0096】
以下、本実施形態のLEDモジュール10に関して、回動子4の回動に対してレンズユニット3が回動子4の中心軸に沿って移動するのを、図23に基づいて説明する。
【0097】
本実施形態のLEDモジュール10では、図23(a)に示すように、回動子4の各凸部50が枠体2の各スリット部51の各導入部51a側とは反対側(図23では、右側)の端部に配置された場合、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの一端部側(図21では、右端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も長くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も狭くなる。ここで、本実施形態のLEDモジュール10では、人が、図23(b)中に示した矢印の方向に回動子4を回動させると、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの傾斜面5cを摺接し、徐々に、レンズユニット3が光源部1側へ近づくように移動するので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が徐々に短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が徐々に広くなる。
【0098】
そして、本実施形態のLEDモジュール10では、図23(b)に示すように、回動子4の各凸部50が枠体2の各スリット部51の各導入部51a側(図23では、左側)の端部に配置された場合、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの他端部側(図21では、左端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も広くなる。
【0099】
また、レンズユニット3の基体3aの周端部には、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部53(図21参照)が、この基体3aと一体に設けられている。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3の基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部53が一体に設けられている。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、規制部53が、基体3aの周端部に複数(本実施形態では、2つ)設けられている。
【0100】
また、回動子4の各外周壁4eには、規制部53に係脱自在に係止可能な係止部54(図19および図22など参照)が、この回動子4の各外周壁4eと一体に設けられている。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4に、規制部53に係脱自在に係止可能な係止部54が一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の回動範囲を規制することが可能となり、例えば、ねじなどの固定具を用いることなく、回動子4が枠体2から脱離するのを防止することが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、抑制部54が、回動子4の各外周壁4eに1つずつ設けられている。
【0101】
以上説明した本実施形態のLEDモジュール10でも、LED9を有する光源部1と、光源部1を保持する枠体2と、LED9から放射される光の配光を制御可能なレンズユニット3と、枠体2の内側に配置され枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4と、回動子4が回動子4の外周方向に回動することでレンズユニット3を回動子4の中心軸に沿って移動可能とする変換機構8とを備え、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、基体3aに形成されLED9から放射される光の配光を制御するレンズ部3bとを有している。また、本実施形態のLEDモジュール10では、変換機構8は、基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aの一面から離れるように傾斜する傾斜片5aを有する第1傾斜部5と、傾斜片5aの一表面5dが基体3aの外周方向に摺接可能な傾斜面6aを有する第2傾斜部6と、傾斜片5aの他表面5cが基体3aの外周方向に摺接可能な摺接部7と、レンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部2dとで構成され、第1傾斜部5は、基体3aの周端部に一体に複数設けられ、第2傾斜部6および摺接部7の各々は、回動子4に一体に複数設けられ、回動防止部2dは、枠体2の内側面に複数突設されており、基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部53が一体に設けられ、回動子4に、規制部53に係脱自在に係止可能な係止部54が一体に設けられることによって、図24および図25に示した構成の従来例の照明装置に比べて、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1 光源部
2 枠体
2d 回動防止部
2f 凸部
2g 係合穴
3 レンズユニット
3a 基体
3b レンズ部
4 回動子
4f スリット部
4g 導入部
5 第1傾斜部
5a 傾斜片
5b 支持片(規制部)
5c 他表面
5d 一表面
6 第2傾斜部
6a 傾斜面
7 摺接部(係止部)
8 変換機構
9 LED
10 LEDモジュール
11 配線基板
13 ホルダ
13d 保持爪
13k 係合爪
18 保持部
19 突起
20 器具本体
30 照明器具
53 規制部
54 係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDモジュールおよびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、浴槽などのスポット照明として使用され、光源としてLEDを用いた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、図24および図25に示す構成の照明装置が開示されている。この照明装置は、略円筒形状に形成され内周面に雌ネジ溝81aが設けられた装置本体81と、略円筒形状に形成され外周面に装置本体81の雌ネジ溝81aと螺合する雄ネジ溝82aが設けられた調整部82とを備えている。なお、雌ネジ溝81aおよび雄ネジ溝82aの各々は、多条ネジからなる。
【0004】
また、この照明装置は、調整部82の内周側に配置された略円筒状の内筒部83と、6個のLED87が装置本体81の軸線を中心とした円周上に等間隔で配置された基板84と、凸レンズ形状に形成されたレンズ部88を有する配光部85とを備えている。また、この照明装置は、ヒートシンク86を備えている。
【0005】
調整部82の先端部(図25では、左端部)には、使用者が摘んで回転させるために、外側方向に突出した外側環状凸部82bが設けられている。また、調整部82の先端部には、配光部85の位置決めをするために、内側方向に突出した内側環状凸部82cが設けられている。
【0006】
配光部85は、円盤状に形成されたレンズアレイ板85aと、レンズアレイ板85aに立設された区画板85bとを有している。また、レンズアレイ板85aには、基板84に搭載された各LED87の各々の光軸上に位置するように、上述のレンズ部88が設けられている。
【0007】
レンズアレイ板85aの周端部は、調整部82の内側環状凸部82cと内筒部83の先端(図25では、左端)との隙間によりできる環状凹部91(図25参照)に、回転摺動可能に嵌め込まれている。なお、内筒部83の基端側(図25では、右端側)には、外側方向に突出した内筒環状凸部83aが設けられている。
【0008】
上述の照明装置では、調整部82と内筒部83とが、固定筒である装置本体81に対する移動筒を構成しており、配光部85を装置本体81の軸線に沿って移動させる。ここにおいて、装置本体81の外周面には、ネジ92,92により第1カバー部93および第2カバー部94が取り付けられる。これにより、上述の照明装置では、調整部82の前進が、第1カバー部93および第2カバー部94の前部(図25では、左部)により規制されるので、調整部82が前進しすぎて装置本体81から脱落するのを防止することができる。
【0009】
基板84には、6本の基板スリット84aが、装置本体81の軸線を中心として放射状に設けられている。ここにおいて、配光部85の区画板85bは、隣接するレンズ部88同士の間にレンズアレイ板85aの中心から放射状に配置されるとともに、基板84側に向って延びるように板状に形成されており、貫通孔である上述の各基板スリット84aに挿通される。つまり、上述の照明装置では、区画板85bと、この区画板85bが挿通する基板スリット84aとで、調整部82を回転させても配光部85が供回りすることを防止する回転止め機構を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−299679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の照明装置では、配光部85を回転させることなく装置本体81の軸線に沿って移動させることができる。したがって、上述の照明装置では、LED87とレンズ部88との位置関係がずれることなく、LED87とレンズ部88との距離を無段階に変更することが可能となるので、光の照射範囲を所望とする広さに無段階に調整することが可能である。
【0012】
しかしながら、この照明装置では、配光部85を装置本体81の軸線に沿って移動させたときに、調整部82が装置本体81から脱落するのを防止するために、第1カバー部93、第2カバー部94およびネジ92,92が必要であり、コストアップが懸念される。
【0013】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能なLEDモジュールおよびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のLEDモジュールは、LEDを有する光源部と、前記光源部を保持する枠体と、前記LEDから放射される光の配光を制御可能なレンズユニットと、前記枠体の内側に配置され前記枠体に回動自在に保持される円筒状の回動子と、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動することで前記レンズユニットを前記回動子の中心軸に沿って移動可能とする変換機構とを備え、前記レンズユニットは、円板状の基体と、前記基体に形成され前記LEDから放射される光の配光を制御するレンズ部とを有し、前記変換機構は、前記基体の外周方向の一方向に沿って前記基体の一面から離れるように傾斜する傾斜片を有する第1傾斜部と、前記傾斜片の一表面が前記基体の外周方向に摺接可能な傾斜面を有する第2傾斜部と、前記傾斜片の他表面が前記基体の外周方向に摺接可能な摺接部と、前記レンズユニットが前記基体の外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部とで構成され、前記第1傾斜部は、前記基体の周端部に一体に複数設けられ、前記第2傾斜部および前記摺接部の各々は、前記回動子に一体に複数設けられ、前記回動防止部は、前記枠体の内側面に複数突設されており、前記基体に、前記回動子が前記枠体から脱離するのを防ぐために前記回動子の回動範囲を規制する規制部が一体に設けられ、前記回動子に、前記規制部に係脱自在に係止可能な係止部が一体に設けられてなることを特徴とする。
【0015】
このLEDモジュールにおいて、前記枠体の内側面には、内方へ突出する凸部が設けられ、前記回動子に、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部が形成され、前記スリット部に前記凸部を導入するための導入部が前記スリット部に連通するように形成されてなることが好ましい。
【0016】
このLEDモジュールにおいて、前記光源部は、前記LEDが実装された配線基板を保持可能なホルダを有し、前記ホルダに、前記配線基板の周端部を保持する保持爪が突設され、前記ホルダと前記枠体との一方に、係合爪が突設され、他方に、前記係合爪が係合する係合穴が形成されてなることが好ましい。
【0017】
このLEDモジュールにおいて、前記ホルダには、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において、前記回動子を前記枠体の前記凸部との間に保持する保持部が一体に設けられてなることが好ましい。
【0018】
このLEDモジュールにおいて、前記保持部は、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において前記凸部に対応する位置に配置され、且つ、前記回動子が回動するときに前記スリット部の周部を前記枠体の前記凸部との間に保持するように形成されて、前記凸部は、正面視長円状に形成されてなることが好ましい。
【0019】
このLEDモジュールにおいて、前記スリット部の内周壁には、前記凸部に弾接可能な突起が一体に設けられてなることが好ましい。
【0020】
本発明の照明器具は、前記LEDモジュールと、前記LEDモジュールを保持する器具本体とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明のLEDモジュールにおいては、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【0022】
本発明の照明器具においては、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能なLEDモジュールを用いた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1のLEDモジュールの分解斜視図である。
【図2】同上のLEDモジュールにおけるホルダを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図3】同上のLEDモジュールにおける枠体を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図4】同上のLEDモジュールにおけるレンズユニットを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図5】同上のLEDモジュールにおける回動子を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図6】同上のLEDモジュールに関し、回動子を枠体に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図7】同上のLEDモジュールに関し、(a)はレンズユニットを回動子に取り付ける方法を説明する説明図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図8】(a)(b)は同上のLEDモジュールに関し、光源部を枠体に取り付ける方法を説明する説明図、(c)は(b)のD−D断面図である。
【図9】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を説明する説明図である。
【図10】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を説明する他の説明図である。
【図11】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を説明する別の説明図である。
【図12】(a)は同上のLEDモジュールに関し、レンズユニットが光源部から最も離れた状態を示す斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図13】同上のLEDモジュールに関し、回動子を回動させた状態を示す斜視図である。
【図14】(a)は同上のLEDモジュールに関し、レンズユニットが光源部に最も近づいた状態を示す斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。
【図15】同上のLEDモジュールを器具本体に取り付ける方法を説明する説明図である。
【図16】実施形態1の照明器具の構成例を示す斜視図である。
【図17】同上の照明器具の他の構成例を示す斜視図である。
【図18】実施形態2のLEDモジュールにおいて、(a)は回動子の斜視図、(b)は光源部を除き一部破断した斜視図である。
【図19】実施形態3のLEDモジュールにおいて光源部を除いたものを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図20】同上のLEDモジュールにおける枠体を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図21】同上のLEDモジュールにおけるレンズユニットを示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図22】同上のLEDモジュールにおける回動子を示し、(a)は前側から見た斜視図、(b)は後側から見た斜視図である。
【図23】同上のLEDモジュールに関し、(a)はレンズユニットが光源部から最も離れた状態を示す斜視図、(b)はレンズユニットが光源部に最も近づいた状態を示す斜視図、(c)は(a)のE−E断面図である。
【図24】従来例の照明装置の分解斜視図である。
【図25】同上の照明装置において、レンズアレイ板をLEDから遠ざけた状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態1)
以下、本実施形態のLEDモジュールについて、図1〜図15を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態のLEDモジュール10は、LED9を有する光源部1と、光源部1を保持する枠体2と、LED9から放射される光の配光を制御可能なレンズユニット3と、枠体2の内側に配置され枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4とを備えている。また、このLEDモジュール10は、回動子4が回動子4の外周方向に回動することでレンズユニット3を回動子4の中心軸に沿って移動可能とする変換機構8を備えている。
【0026】
光源部1は、複数(本実施形態では、7つ)のLED9と、これら複数のLED9が実装される1枚の配線基板11と、配線基板11に電気的に接続された一対の電線12,12とを有するLEDユニット29を備えている。なお、図1では、7つのLED9のうち5つのLED9が見えている。また、複数のLED9の電気的な接続関係は、直列接続や並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。
【0027】
LED9としては、例えば、青色光を放射するLEDチップ(以下、青色LEDチップ)と、青色LEDチップから放射された青色光により励起されブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いることができる。このようなLED9は、例えば、青色LEDチップ(図示せず)と、この青色LEDチップが実装された1つの実装基板9aと、青色LEDチップを覆い黄色蛍光体を含有した第1の透光性材料からなる色変換部(図示せず)とを有している。なお、1つの実装基板9aに実装される青色LEDチップの個数は、1個でもよいし、複数個でもよい。また、第1の透光性材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどを用いることができる。
【0028】
また、このLED9は、青色LEDチップおよび色変換部を封止した第2の透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる凸レンズ状の封止部9bを有している。
【0029】
ここにおいて、LED9の蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、LED9は、紫〜近紫外線を放射するLEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。さらに、LED9は、赤色光を放射するLEDチップと緑色光を放射するLEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。
【0030】
配線基板11は、例えば、金属ベースプリント配線板により形成されており、平面視において多角形状(本実施形態では、八角形状)に形成されている。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、配線基板11として金属ベースプリント配線板を用いているが、これに限らず、例えば、ガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材により形成されたプリント配線板、セラミック基板などを用いてもよい。また、本実施形態では、配線基板11の外周形状を、平面視において八角形状としているが、これに限らず、例えば、四角形状、五角形状、円形状などであってもよい。
【0031】
配線基板11における各LED9の実装面側(図1では、下側)には、各LED9と電気的に接続可能な一対の第1電極部(図示せず)が、配線基板11に形成された導体パターン(図示せず)の一部によりそれぞれ形成されている。ここにおいて、各LED9は、アノード電極が一対の第1電極部の一方に電気的に接続され、カソード電極が他方に電気的に接続されている。
【0032】
また、配線基板11における各LED9の実装面側には、各LED9および各一対の第1電極部以外の部位の大部分を覆う白色のレジスト層などからなる反射層(図示せず)が形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、各LED9から放射された光が配線基板11に吸収されるのを抑制することが可能となる。
【0033】
また、配線基板11における各LED9の実装面側には、一対の電線12,12を電気的に接続可能な一対の端子部15,15(図1および図8参照)が配置されている。ここにおいて、各電線12は、各端子部15と電気的に接続可能な導電体12a(図8参照)が絶縁被覆部12b(図8参照)により覆われた被覆電線であり、各端子部15に電気的に接続される導電体12aの一部が露出している。また、配線基板11における各LED9の実装面側には、複数のLED9に給電するための一対の第2電極部(図示せず)が、上記導体パターンの一部により形成されている。ここにおいて、一対の端子部15,15は、一対の第2電極部に半田により電気的に接続されている。なお、図1および図8では、一対の端子部15,15のうち一方の端子部15が見えている。また、本実施形態のLEDモジュール10では、配線基板11の各第2電極部の近傍に、極性を示す“+”、“−”を表記してもよい。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、一対の電線12,12の誤接続を防止することが可能となる。
【0034】
各端子部15は、U字状の端子板により構成されており、これら端子板の両脚片が、各第2電極部の各々に電気的に接続されている。
【0035】
また、配線基板11における各LED9の実装面側とは反対側(図1では、上側)には、電気絶縁性および熱伝導性を有する放熱シート14が配置されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、光源部1で発生した熱を、放熱シート14を通してLEDモジュール10を保持する器具本体20(図15参照)側へ効率よく放熱することが可能となる。
【0036】
また、本実施形態のLEDモジュール10では、光源部1が、各LED9が実装された配線基板11を保持可能なホルダ13を有している。
【0037】
ホルダ13は、合成樹脂材料(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13を、黒色の合成樹脂材料により構成している。
【0038】
また、ホルダ13は、配線基板11を収納する有底筒状(本実施形態では、有底円筒状)のホルダ本体13aと、ホルダ本体13aの開口側(図1では、上側)において外方へ延設された鍔部13bとを有している。
【0039】
ホルダ本体13aの深さ寸法は、配線基板11の厚み寸法よりも若干大きく設定されている。また、ホルダ本体13aの内周形状は、配線基板11の外周形状よりも若干大きく設定されている。
【0040】
ホルダ本体13aの内底面には、配線基板11をホルダ本体13aの外周方向に位置決めするためのリブ13c(図2参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。ここで、配線基板11の周端部は、配線基板11がホルダ本体13a内に収納された状態においてホルダ本体13aの各リブ13cに対応する位置の各々に、切欠き部11aが形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、配線基板11を、ホルダ本体13a内においてホルダ本体13aの外周方向に位置決めすることが可能となる。なお、図2では、2つのリブ13cのうち1つのリブ13cが見えている。また、図1では、2つの切欠き部11aのうち1つの切欠き部11aが見えている。
【0041】
また、ホルダ本体13aの内底面には、配線基板11の周端部を保持する保持爪13d(図3参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。要するに、ホルダ13に、配線基板11の周端部を保持する保持爪13dが突設されている。ここで、配線基板11の周端部には、各保持爪13dが配線基板11を保持するための突片11bが配線基板11と一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13が配線基板11を保持することが可能となる。また、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ本体13aの底部において各保持爪13dの近傍に、貫通孔13fが形成されており、各保持爪13dが配線基板11を保持した状態を確認することが可能となっている。
【0042】
また、ホルダ本体13aの側部には、配線基板11に電気的に接続された一対の電線12,12を外部へ導出する導出部13eが設けられている。ここにおいて、ホルダ本体13aの底部には、ホルダ13が配線基板11を保持した状態において配線基板11に実装された各LED9を露出させる複数の窓孔13g(図2参照)が形成されている。本実施形態のLEDモジュール10では、1つのLED9を取り囲む平面視円形状である4つの窓孔13gと、ホルダ13の導出部13eの近傍に位置する3つのLED9を取り囲む平面視三角形状である窓孔13gとが、複数の窓孔13gを構成している。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13が配線基板11を保持した状態において配線基板11に電気的に接続された一対の電線12,12を、導出部13eを通して外部へ導出することが可能となる。以下、本実施形態のLEDモジュール10では、説明の便宜上、平面視三角形状である窓孔13gを、窓孔13h(図2参照)と称する。
【0043】
ホルダ13の鍔部13bには、枠体2がホルダ13を係合するための係合爪13k(図3参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。要するに、ホルダ13には、係合爪13kが突設されている。なお、各係合爪13kは、ホルダ本体13aの底面に沿った一方向に弾性変形が可能となっている。
【0044】
また、鍔部13bの内周部には、配線基板11の上記反対側へ突出した突壁13m(図2参照)が、鍔部13bと一体に設けられている。
【0045】
枠体2は、例えば、合成樹脂材料(PBTなど)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2を、黒色の合成樹脂材料により構成している。
【0046】
また、枠体2は、中央部に円形状の開口孔を有する板状(本実施形態では、円板状)の底壁2aと、底壁2aの外周縁から光源部1側(図1では、上側)に向かって突出する円筒状の第1側壁2bと、開口孔の内周縁から光源部1側とは反対側に向かって突出する円筒状の第2側壁2cとを連続一体に形成して構成されている。
【0047】
第1側壁2bの内側面には、ホルダ13の各係合爪13kが各別に係合する複数(本実施形態では、2つ)の係合穴2g(図3参照)が形成されている。要するに、枠体2には、ホルダ13の係合爪13kが係合する係合穴2gが形成されている。本実施形態のLEDモジュール10では、人が、ホルダ13の各係合爪13kを第1側壁2bの各係合穴2gの位置に合わせた後に、ホルダ13を押し込むことによって、各係合爪13kが各係合穴2gに各別に係合され、ホルダ13を枠体2に保持させることが可能となる(図8参照)。ここで、第1側壁2bの内側面には、ホルダ13の各係合爪13kを各係合穴2gへ導入するための導入部2h(図3参照)が、各係合穴2gの各々の近傍に形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13の各係合爪13kを第1側壁2bの各係合穴2gに各別に係合させる作業性を向上させることが可能となる。なお、図3では、2つの係合穴2gのうち1つの係合穴2gが見えている。また、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13に係合爪13kを突設し、枠体2に係合穴2gを形成しているが、枠体2に係合爪13kを突設し、ホルダ13に係合穴2gを形成してもよい。
【0048】
したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、光源部1が、LED9が実装された配線基板11を保持可能なホルダ13を有し、このホルダ13に、配線基板11の周端部を保持する保持爪13dが突設され、ホルダ13と枠体2との一方に、係合爪13kが突設され、他方に、係合爪13kが係合する係合穴2gが形成されているので、例えば、ねじなどの固定具を用いることなく、光源部1と枠体2とを組み立てることが可能となる。
【0049】
また、第1側壁2bにおいて第2側壁2c側とは反対側(図1では、上側)の端部に、ホルダ13を枠体2の外周方向に位置決めするための凹部2j(図1および図3など参照)が、枠体2の外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、4箇所)に形成されている。ここにおいて、ホルダ13の鍔部13bは、ホルダ13が枠体2に保持された状態において第1側壁2bの各凹部2jに対応する位置の各々に、突片13n(図1および図2など参照)が突設されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、ホルダ13が枠体2の外周方向に回動するのを防止することが可能となる。
【0050】
レンズユニット3は、透光性材料(例えば、アクリル樹脂、ガラスなど)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3を、アクリル樹脂(メタアクリル樹脂(PMMA)など)により構成している。
【0051】
また、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、基体3に形成され各LED9の各々から放射される光の配光を各別に制御する複数(本実施形態では、7つ)のレンズ部3bとを有している。
【0052】
基体3aは、配線基板11に実装された各LED9と対向する部位の各々に、各レンズ部3bが一体に形成されている。本実施形態のLEDモジュール10では、各レンズ部3bの光出射面側が、凸曲面状(例えば、非球面状)に形成されている。ここにおいて、本実施形態では、ホルダ本体13aの底部における配線基板11側とは反対側(図1では、下側)に、平面視において各窓孔13g,13hの各々を取り囲むように上記反対側へ突出し各レンズ部3bの光入射面の周部に当接可能な周壁13jが、ホルダ本体13aと一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、周壁13jを遮光壁として利用することが可能となり、各LED9から放射された光が、各LED9の各々と対向するレンズ部3b以外の他のレンズ部3bの光入射面に入射するのを抑制することが可能となる。また、本実施形態では、ホルダ13の周壁13jを黒色の合成樹脂材料により構成しているので、各LED9から放射された光が、各LED9の各々と対向するレンズ部3b以外の他のレンズ部3bの光入射面に入射するのをさらに抑制することが可能となる。また、本実施形態では、ホルダ13の窓孔13hの内側に配置される3つのLED9において、隣接するLED9同士の間に、各電線12が配置されている(図1参照)。さらに、本実施形態では、各電線12の外径寸法と、周壁13jの高さ寸法とを略同じ寸法に設定している。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、一対の電線12,12を遮光壁として利用することが可能となる。
【0053】
ところで、枠体2の第1側壁2bの内側面には、レンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部2d(図3参照)が、枠体2の外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に内方へ向かって突設されている。ここにおいて、レンズユニット3の基体3aの周端部は、枠体2の内側にレンズユニット3が配置された状態において枠体2の第1側壁2bの各回動防止部2dに対応する位置の各々に、切欠き部3cが形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の回動によりレンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防止することが可能となる。また、ホルダ13の鍔部13bは、このホルダ13が枠体2に係合された状態において枠体2の各回動防止部2dに対応する位置の各々に、各回動防止部2dと当接するのを回避するための第1切欠き部13qが形成されている。また、ホルダ13の鍔部13bには、器具本体20(図15参照)がLEDモジュール10を保持するための第2切欠き部13r(図2参照)が、ホルダ本体13aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に形成されている。
【0054】
各回動防止部2dには、LEDモジュール10を器具本体20に固定するための固定ねじ(図示せず)が螺合する固定ねじ孔16(図3参照)が形成されている。各固定ねじ孔16は、底壁2aの開口孔の中心線に平行な方向に沿って形成されている。
【0055】
また、第1側壁2bの外側面には、各回動防止部2dに対応する位置の各々に、底壁2aの開口孔の中心線に平行な方向に沿った溝部2eが形成されている。各溝部2eは、底壁2aの開口孔の中心線に平行な方向の長さ寸法が、第1側壁2bの高さ寸法の半分に設定されており、第1側壁2bにおいて第2側壁2c側に配置されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2を成形する際に、第1側壁2bの外側面にひけが生じるのを抑制することが可能となる。
【0056】
また、第1側壁2bの内側面には、内方へ突出する凸部2fが、枠体2の外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に突設されている。要するに、枠体2の内側面には、内方へ突出する凸部2fが設けられている。
【0057】
回動子4は、例えば、合成樹脂材料(PBTなど)により構成することができる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4を、黒色の合成樹脂材料により構成している。したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2および回動子4を、黒色の合成樹脂材料により構成しているので、各レンズ部3bの光出射面側の周部から出射される光を遮断することが可能となり、光源部1からの光を一定範囲に集光させることが可能となる。
【0058】
また、回動子4は、円筒状に形成された回動子本体4aと、この回動子本体4aにおける中心軸に沿った方向の一端部(図1では、上端部)に外方へ延設された複数(本実施形態では、2つ)の外鍔部4bとを有している。ここで、各外鍔部4bの突出寸法は、枠体2の底壁2aの幅寸法よりも若干大きく設定されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4を枠体2の内側に配置することによって、枠体2が回動子4を保持することが可能となる。
【0059】
回動子本体4aの他端部側(図1では、下端部側)の外側壁には、人が回動子4を指で回動させる際に、指の滑りを抑制するための滑り止め部4cが、回動子本体4aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。本実施形態のLEDモジュール10では、各滑り止め部4cを、回動子本体4aの外側壁においてこの回動子本体4aにおける中心軸に沿った方向に形成された複数の溝4jにより構成している。各溝4jは、回動子本体4aの外側壁において回動子本体4aの外周方向に沿って形成されており、断面視形状がV字状に形成されている。
【0060】
また、回動子本体4aの他端部側の外側壁には、枠体2に対する回動子4の回動位置を示す目印4dが、回動子本体4aの外周方向に離間して複数(本実施形態では、2つ)設けられている。ここにおいて、枠体2の第2側壁2cにおいて第1側壁2b側とは反対側(図1では、下側)の外側壁には、光源部1とレンズユニット3との間の距離を調整するための目盛り部2kが、枠体2の外周方向に離間して複数(本実施形態では、2つ)設けられている。本実施形態のLEDモジュール10では、各目盛り部2kを、光源部1とレンズユニット3との間の距離を示す複数(本実施形態では、5つ)の目盛り2mにより構成している。したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、人が、枠体2に対して回動子4を回動させる際に、回動子本体4aの目印4dを、枠体2の目盛り部2kにおける複数の目盛り2mのうちの1つの目盛り2mに合わせることによって、光源部1とレンズユニット3との間の距離を容易に調整することが可能となる。
【0061】
各外鍔部4bの外周端には、回動子4が枠体2に保持された状態において第1側壁2bの内面に沿って外周壁4eが延設されている。
【0062】
各外周壁4eには、回動子4がこの回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部4fが、回動子本体4aの外周方向に沿って形成されている。要するに、回動子4には、回動子4がこの回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部4fが形成されている。各スリット部4fには、各凸部2fを各別に導入するための導入部4gがこれらスリット部4fに連通するようにそれぞれ形成されている。要するに、スリット部4fに、凸部2fを導入するための導入部4gがスリット部4fに連通するように形成されている。各導入部4gは、各スリット部4fにおいて回動子本体4a側(図1では、下側)に配置されている。
【0063】
したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2の内側面に、内方へ突出する凸部2fが設けられ、回動子4に、回動子4が回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部4fが形成され、スリット部4fに、凸部2fを導入するための導入部4gがスリット部4fに連通するように形成されているので、回動子4を枠体2に回動自在に保持させることが可能となり(図6参照)、回動子4を回動子4の外周方向に回動させることが可能となる。また、本実施形態では、各導入部4gをスリット部4fにおいて回動子本体4a側に配置しているので、枠体2の各凸部2fを回動子4の各導入部4gに導入することによって、回動子4を枠体2に取り付けることが可能となる。ホルダ13の鍔部13bには、このホルダ13が枠体2に係合された状態において、回動子4を枠体2の凸部2fとの間に保持する一対の保持部18,18がホルダ13と一体に設けられている。要するに、ホルダ13には、このホルダ13が枠体2に係合された状態において、回動子4を枠体2の凸部2fとの間に保持する保持部18が一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2の各凸部2fの形状が変形するのを抑制することが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、複数対の保持部18,18が、ホルダ13の鍔部13bに設けられている。
【0064】
本実施形態のLEDモジュール10では、各一対の保持部18,18が、ホルダ13が枠体2に係合された状態において、枠体2の各凸部2fに対応する位置の各々に配置されている。具体的に説明すると、各一対の保持部18,18は、ホルダ13が枠体2に係合された状態において、一対の保持部18,18の間に枠体2の各凸部2fが位置するように配置されている。また、本実施形態では、各一対の保持部18,18が、回動子4が回動するときに、回動子4の各外周壁4eにおける各スリット部4fの周部を保持するように形成されている。ここで、各凸部2fは、正面視長円状に形成されている。したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、保持部18が、ホルダ13が枠体2に係合された状態において凸部2fに対応する位置に配置され、且つ、回動子4が回動するときにスリット部4fの周部を保持するように形成されて、各凸部2fが正面視長円状に形成されているので、枠体2の各凸部2fや回動子4の各スリット部4fの内周壁が変形するのを抑制することが可能となる。また、本実施形態では、各凸部2fを正面視長円状に形成しているので、各凸部2fが各スリット部4fと摺接する面積が大きくなり、枠体2が回動子4を保持する保持力を高めることが可能となる。
【0065】
ところで、変換機構8は、レンズユニット3の基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aの一面(図1では、下面)から離れるように傾斜する傾斜片5aを有する第1傾斜部5と、傾斜片5aの一表面5d(図1および図4参照)が基体3aの外周方向に摺接可能な傾斜面6a(図5参照)を有する第2傾斜部6と、傾斜片5aの他表面5c(図4参照)が基体3aの外周方向に摺接可能な摺接部7と、上述の回動防止部2dとで構成されている。
【0066】
第1傾斜部5は、レンズユニット3の基体3aの周端部に、この基体3aの外周方向に離間して基体3aと一体に複数(本実施形態では、4つ)設けられている。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、各第1傾斜部5が、レンズ部3bの光出射面側へ突出するように設けられている。
【0067】
また、各第1傾斜部5は、基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aから徐々にレンズ部3bの光出射面側へ突出するように傾斜する上述の傾斜片5aと、基体3aと一体に形成され傾斜片5aを支持する支持片5bとを連続一体に形成して構成されている。
【0068】
第2傾斜部6は、回動子4の各外鍔部4bに、回動子本体4aの外周方向に離間して回動子4と一体にレンズユニット3側(図1では、上側)へ向かって複数(本実施形態では、2つ)ずつ突設されている。
【0069】
摺接部7は、回動子4の各外鍔部4bに、回動子本体4aの外周方向に離間して回動子4と一体にレンズユニット3側へ向かって複数(本実施形態では、2つ)ずつ突設されている。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、第2傾斜部6および摺接部7の各々が、回動子4に一体に複数設けられている。
【0070】
また、各第1傾斜部5の傾斜片5aの各々には、回動子4の各摺接部7を傾斜片5aの他表面5cに各別に導くための切欠き部5eが形成されている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の各摺接部7が、レンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの他表面5cに摺接することが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の各外鍔部4bにおける各摺接部7の近傍の各々に、貫通孔4hが形成されており、各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの他表面5cに摺接した状態を確認することが可能となっている。
【0071】
以下、本実施形態のLEDモジュール10に関して、回動子4の回動に対してレンズユニット3が回動子4の中心軸に沿って移動するのを、図9〜図14に基づいて説明する。
【0072】
本実施形態のLEDモジュール10では、図9に示すように、枠体2の各凸部2fが回動子4の各スリット部4fの各導入部4g側とは反対側(図9では、左側)の端部に配置された場合、回動子4の各第2傾斜部6および各摺接部7が、レンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの一端部側(図4では、右端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も長くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も狭くなる。ここで、本実施形態のLEDモジュール10では、図10に示すように、人が、図10中に示した矢印の方向に回動子4を回動させると、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの他表面5cを基体3aの外周方向の一方向に摺接するとともに、回動子4の各第2傾斜部6の傾斜面6aがレンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの一表面5dを基体3aの外周方向の一方向に摺接し、徐々に、レンズユニット3が光源部1側へ近づくように移動するので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が徐々に短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が徐々に広くなる。
【0073】
そして、本実施形態のLEDモジュール10では、図11に示すように、枠体2の各凸部2fが回動子4の各スリット部4fの各導入部4g側(図11では、右側)の端部に配置された場合、回動子4の各第2傾斜部6および各摺接部7が、レンズユニット3の各第1傾斜部5における傾斜片5aの他端部側(図4では、左端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も広くなる。
【0074】
ここにおいて、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3の各第1傾斜部5の支持片5bが、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部としての機能を有している。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3の基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部(支持片5b)が一体に設けられている。また、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の各摺接部7が、規制部(支持片5b)に係脱自在に係止可能な係止部としての機能を有している。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4に、規制部(支持片5b)に係脱自在に係止可能な係止部(摺接部7)が一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の回動範囲を規制することが可能となり、例えば、ねじなどの固定具を用いることなく、回動子4が枠体2から脱離するのを防止することが可能となる。
【0075】
以上説明した本実施形態のLEDモジュール10では、LED9を有する光源部1と、光源部1を保持する枠体2と、LED9から放射される光の配光を制御可能なレンズユニット3と、枠体2の内側に配置され枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4と、回動子4が回動子4の外周方向に回動することでレンズユニット3を回動子4の中心軸に沿って移動可能とする変換機構8とを備え、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、基体3aに形成されLED9から放射される光の配光を制御するレンズ部3bとを有している。また、本実施形態のLEDモジュール10では、変換機構8は、基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aの一面から離れるように傾斜する傾斜片5aを有する第1傾斜部5と、傾斜片5aの一表面5dが基体3aの外周方向に摺接可能な傾斜面6aを有する第2傾斜部6と、傾斜片5aの他表面5cが基体3aの外周方向に摺接可能な摺接部7と、レンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部2dとで構成され、第1傾斜部5は、基体3aの周端部に一体に複数設けられ、第2傾斜部6および摺接部7の各々は、回動子4に一体に複数設けられ、回動防止部2dは、枠体2の内側面に複数突設されており、基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部(支持片5b)が一体に設けられ、回動子4に、規制部(支持片5b)に係脱自在に係止可能な係止部(摺接部7)が一体に設けられることによって、図24および図25に示した構成の従来例の照明装置に比べて、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【0076】
以下、本実施形態のLEDモジュール10を用いた照明器具の一例について、図15および図16に基づいて説明する。
【0077】
本実施形態の照明器具30は、LEDモジュール10と、LEDモジュール10を保持する器具本体20とを備えている。
【0078】
器具本体20は、例えば、アルミニウムなどの金属により構成することができる。
【0079】
また、器具本体20は、中央部に円形状の開口孔を有する板状(本実施形態では、円板状)の底壁21aと、底壁21aの外周縁からLEDモジュール10側(図15では、下側)に向かって突出する側壁21bとを連続一体に形成して構成された本体部21を有している。また、器具本体20は、LEDモジュール10で発生した熱を放熱する放熱部22を有しており、この放熱部22は、本体部21の底壁21aにおいてLEDモジュール10側とは反対側(図15では、上側)に配置されている。なお、本実施形態の照明器具30では、器具本体20を金属により構成しているが、これに限らず、例えば、金属以外の材料により構成してもよい。
【0080】
本体部21の底壁21aの内周部には、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、器具本体20の外部へ導出するための切欠き部23が形成されている。
【0081】
また、本体部21の底壁21aには、LEDモジュール10を保持する保持片25が、底壁21aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。本実施形態の照明器具30では、本体部21の各保持片25を、LEDモジュール10のホルダ13の各切欠き部13rに通してホルダ13を保持することによって、器具本体20がLEDモジュール10を保持することが可能となる。なお、図15では、2つの保持片25のうち1つの保持片25が見えている。
【0082】
また、本体部21の底壁21aには、LEDモジュール10を器具本体20に固定するための上記固定ねじを挿通する固定ねじ挿通孔26が、底壁21aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。ここで、各固定ねじ挿通孔26は、LEDモジュール10が器具本体20に保持された状態において、LEDモジュール10における各回動防止部2dの各固定ねじ孔16に対応する位置の各々に設けられている。これにより、本実施形態の照明器具30では、LEDモジュール10を器具本体20に固定することが可能となる。なお、図15では、2つの固定ねじ挿通孔26のうち1つの固定ねじ挿通孔26が見えている。
【0083】
本体部21の側壁21bには、上述の照明器具30を、例えば、配線ダクト40(図16参照)に保持された保持具41(図16参照)に取り付けるための第1の取付ねじ(図示せず)を螺合するねじ孔28が、底壁21aの外周方向に離間して複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。なお、図15では、2つのねじ孔28のうち1つのねじ孔28が見えている。
【0084】
放熱部22は、LEDモジュール10における放熱シート14と接触可能な板状(本実施形態では、円板状)の接触部22aと、この接触部22aにおいてLEDモジュール10側とは反対側(図15では、上側)に立設された複数の板状の放熱フィン22bとで構成することができる。なお、本実施形態の照明器具30では、放熱部22を本体部21に取り付ける手段として、例えば、放熱部22を本体部21に取り付けるための第2の取付ねじ(図示せず)を用いているが、放熱部22を本体部21に取り付ける手段は、これに限るものではない。
【0085】
接触部22aの外周端には、放熱部22が本体部21に取り付けられた状態において、本体部21の底壁21aの切欠き部23に対応する位置に、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、器具本体20の外部へ導出するための切欠き部24が設けられている。本実施形態の照明器具30では、切欠き部23と切欠き部24とが、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、底部21aおよび接触部22aのLEDモジュール10側から上記反対側へ導出するための導出孔27を構成している。
【0086】
以下、本実施形態の照明器具30の使用例について、図16に基づいて説明する。
【0087】
本実施形態の照明器具30は、例えば、天井面に設置される配線ダクト40に取り付けられるスポットライトとして使用される。この照明器具30は、器具本体20を配線ダクト40に保持させるための保持具41と、配線ダクト40に設けられた導電板(図示せず)に電気的に接続されLEDモジュール10に電源を供給する電源ユニット42とを有している。なお、図16に示した構成の照明器具30では、LEDモジュール10における一対の電線12,12を、照明器具30から導出された1本の電源ケーブル31により構成している。また、本実施形態の照明器具30では、使用例として、配線ダクト40に取り付けられたスポットライトを例示しているが、これに限らず、例えば、図17に示すように、天井材に埋め込み配置されるスポットライトなどであってもよい。
【0088】
以上説明した本実施形態の照明器具30では、上述のLEDモジュール10と、LEDモジュール10を保持する器具本体20とを備えているので、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【0089】
(実施形態2)
以下、本実施形態のLEDモジュール10について、図18に基づいて説明する。
【0090】
本実施形態のLEDモジュール10の基本構成は、実施形態1と同じであり、回動子4の各スリット部4fの内周壁に、枠体2の各凸部2fに弾接可能な突起19が一体に設けられる点が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、図18中に付した符号Pは、一部が破断した箇所を示している。
【0091】
本実施形態のLEDモジュール10では、突起19を、回動子4の各スリット部4fに複数(本実施形態では、4つ)ずつ形成している。ここで、本実施形態のLEDモジュール10では、枠体2の凸部2fに対して突起19を1対複数で設けているが、1対1で設けてもよい。
【0092】
したがって、本実施形態のLEDモジュール10では、スリット部4fの内周壁に、凸部2fに弾接可能な突起19が一体に設けられているので、人が回動子4を回動させるときに、各スリット部4fの各突起19が枠体2の各凸部2fに各別に弾接するので、人にクリック感を与えることが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10を、実施形態1で説明した照明器具20に用いてもよい。
【0093】
(実施形態3)
本実施形態のLEDモジュール10の基本構成は、実施形態1と同じであり、枠体2、レンズユニット3および回動子4の一部が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0094】
レンズユニット3の各レンズ部3bは、図21に示すように、光入射面側が凸曲面状に形成されている。各レンズ部3bの光入射面側の中央部には、凹部52が形成されており、これら各凹部52の内面が、各LED9からの光を入射する光入射面を構成している。なお、本実施形態では、各第1傾斜部5が、レンズ部3bの光入射面側へ突出するように形成されている。
【0095】
回動子4の各外周壁4eにおける外周面の各々には、図22に示すように、枠体2が回動子4を保持するための凸部50が、外方に向かって突設されている。ここにおいて、枠体2の第1側壁2bには、図20に示すように、回動子4が回動子4の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部51が複数箇所(本実施形態では、2箇所)に設けられている。各スリット部51は、枠体2の第1側壁2bの外周方向に沿って形成されている。また、各スリット部51には、各凸部50を導入するための導入部51aが、各スリット部51に連通するように形成されている。各導入部51aは、各スリット部51において回動子本体4側とは反対側(図19では、上側)に配置され開放されている。
【0096】
以下、本実施形態のLEDモジュール10に関して、回動子4の回動に対してレンズユニット3が回動子4の中心軸に沿って移動するのを、図23に基づいて説明する。
【0097】
本実施形態のLEDモジュール10では、図23(a)に示すように、回動子4の各凸部50が枠体2の各スリット部51の各導入部51a側とは反対側(図23では、右側)の端部に配置された場合、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの一端部側(図21では、右端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も長くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も狭くなる。ここで、本実施形態のLEDモジュール10では、人が、図23(b)中に示した矢印の方向に回動子4を回動させると、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの傾斜面5cを摺接し、徐々に、レンズユニット3が光源部1側へ近づくように移動するので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が徐々に短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が徐々に広くなる。
【0098】
そして、本実施形態のLEDモジュール10では、図23(b)に示すように、回動子4の各凸部50が枠体2の各スリット部51の各導入部51a側(図23では、左側)の端部に配置された場合、回動子4の各摺接部7がレンズユニット3の各傾斜片5aの他端部側(図21では、左端部側)の端部に配置されるので、光源部1とレンズユニット3との間の距離が最も短くなり、光源部1の各LED9から放射される光の照射範囲が最も広くなる。
【0099】
また、レンズユニット3の基体3aの周端部には、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部53(図21参照)が、この基体3aと一体に設けられている。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、レンズユニット3の基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部53が一体に設けられている。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、規制部53が、基体3aの周端部に複数(本実施形態では、2つ)設けられている。
【0100】
また、回動子4の各外周壁4eには、規制部53に係脱自在に係止可能な係止部54(図19および図22など参照)が、この回動子4の各外周壁4eと一体に設けられている。要するに、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4に、規制部53に係脱自在に係止可能な係止部54が一体に設けられている。これにより、本実施形態のLEDモジュール10では、回動子4の回動範囲を規制することが可能となり、例えば、ねじなどの固定具を用いることなく、回動子4が枠体2から脱離するのを防止することが可能となる。なお、本実施形態のLEDモジュール10では、抑制部54が、回動子4の各外周壁4eに1つずつ設けられている。
【0101】
以上説明した本実施形態のLEDモジュール10でも、LED9を有する光源部1と、光源部1を保持する枠体2と、LED9から放射される光の配光を制御可能なレンズユニット3と、枠体2の内側に配置され枠体2に回動自在に保持される円筒状の回動子4と、回動子4が回動子4の外周方向に回動することでレンズユニット3を回動子4の中心軸に沿って移動可能とする変換機構8とを備え、レンズユニット3は、円板状の基体3aと、基体3aに形成されLED9から放射される光の配光を制御するレンズ部3bとを有している。また、本実施形態のLEDモジュール10では、変換機構8は、基体3aの外周方向の一方向に沿って基体3aの一面から離れるように傾斜する傾斜片5aを有する第1傾斜部5と、傾斜片5aの一表面5dが基体3aの外周方向に摺接可能な傾斜面6aを有する第2傾斜部6と、傾斜片5aの他表面5cが基体3aの外周方向に摺接可能な摺接部7と、レンズユニット3が基体3aの外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部2dとで構成され、第1傾斜部5は、基体3aの周端部に一体に複数設けられ、第2傾斜部6および摺接部7の各々は、回動子4に一体に複数設けられ、回動防止部2dは、枠体2の内側面に複数突設されており、基体3aに、回動子4が枠体2から脱離するのを防ぐために回動子4の回動範囲を規制する規制部53が一体に設けられ、回動子4に、規制部53に係脱自在に係止可能な係止部54が一体に設けられることによって、図24および図25に示した構成の従来例の照明装置に比べて、低コストで、光の照射範囲を所望の範囲に変更可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1 光源部
2 枠体
2d 回動防止部
2f 凸部
2g 係合穴
3 レンズユニット
3a 基体
3b レンズ部
4 回動子
4f スリット部
4g 導入部
5 第1傾斜部
5a 傾斜片
5b 支持片(規制部)
5c 他表面
5d 一表面
6 第2傾斜部
6a 傾斜面
7 摺接部(係止部)
8 変換機構
9 LED
10 LEDモジュール
11 配線基板
13 ホルダ
13d 保持爪
13k 係合爪
18 保持部
19 突起
20 器具本体
30 照明器具
53 規制部
54 係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを有する光源部と、前記光源部を保持する枠体と、前記LEDから放射される光の配光を制御可能なレンズユニットと、前記枠体の内側に配置され前記枠体に回動自在に保持される円筒状の回動子と、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動することで前記レンズユニットを前記回動子の中心軸に沿って移動可能とする変換機構とを備え、前記レンズユニットは、円板状の基体と、前記基体に形成され前記LEDから放射される光の配光を制御するレンズ部とを有し、前記変換機構は、前記基体の外周方向の一方向に沿って前記基体の一面から離れるように傾斜する傾斜片を有する第1傾斜部と、前記傾斜片の一表面が前記基体の外周方向に摺接可能な傾斜面を有する第2傾斜部と、前記傾斜片の他表面が前記基体の外周方向に摺接可能な摺接部と、前記レンズユニットが前記基体の外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部とで構成され、前記第1傾斜部は、前記基体の周端部に一体に複数設けられ、前記第2傾斜部および前記摺接部の各々は、前記回動子に一体に複数設けられ、前記回動防止部は、前記枠体の内側面に複数突設されており、前記基体に、前記回動子が前記枠体から脱離するのを防ぐために前記回動子の回動範囲を規制する規制部が一体に設けられ、前記回動子に、前記規制部に係脱自在に係止可能な係止部が一体に設けられてなることを特徴とするLEDモジュール。
【請求項2】
前記枠体の内側面には、内方へ突出する凸部が設けられ、前記回動子に、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部が形成され、前記スリット部に前記凸部を導入するための導入部が前記スリット部に連通するように形成されてなることを特徴とする請求項1記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記光源部は、前記LEDが実装された配線基板を保持可能なホルダを有し、前記ホルダに、前記配線基板の周端部を保持する保持爪が突設され、前記ホルダと前記枠体との一方に、係合爪が突設され、他方に、前記係合爪が係合する係合穴が形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記ホルダには、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において、前記回動子を前記枠体の前記凸部との間に保持する保持部が一体に設けられてなることを特徴とする請求項3記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記保持部は、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において前記凸部に対応する位置に配置され、且つ、前記回動子が回動するときに前記スリット部の周部を前記枠体の前記凸部との間に保持するように形成されて、前記凸部は、正面視長円状に形成されてなることを特徴とする請求項4記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記スリット部の内周壁には、前記凸部に弾接可能な突起が一体に設けられてなることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のLEDモジュールと、前記LEDモジュールを保持する器具本体とを備えてなることを特徴とする照明器具。
【請求項1】
LEDを有する光源部と、前記光源部を保持する枠体と、前記LEDから放射される光の配光を制御可能なレンズユニットと、前記枠体の内側に配置され前記枠体に回動自在に保持される円筒状の回動子と、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動することで前記レンズユニットを前記回動子の中心軸に沿って移動可能とする変換機構とを備え、前記レンズユニットは、円板状の基体と、前記基体に形成され前記LEDから放射される光の配光を制御するレンズ部とを有し、前記変換機構は、前記基体の外周方向の一方向に沿って前記基体の一面から離れるように傾斜する傾斜片を有する第1傾斜部と、前記傾斜片の一表面が前記基体の外周方向に摺接可能な傾斜面を有する第2傾斜部と、前記傾斜片の他表面が前記基体の外周方向に摺接可能な摺接部と、前記レンズユニットが前記基体の外周方向に回動するのを防ぐ回動防止部とで構成され、前記第1傾斜部は、前記基体の周端部に一体に複数設けられ、前記第2傾斜部および前記摺接部の各々は、前記回動子に一体に複数設けられ、前記回動防止部は、前記枠体の内側面に複数突設されており、前記基体に、前記回動子が前記枠体から脱離するのを防ぐために前記回動子の回動範囲を規制する規制部が一体に設けられ、前記回動子に、前記規制部に係脱自在に係止可能な係止部が一体に設けられてなることを特徴とするLEDモジュール。
【請求項2】
前記枠体の内側面には、内方へ突出する凸部が設けられ、前記回動子に、前記回動子が前記回動子の外周方向に回動自在に回動するのを案内するスリット部が形成され、前記スリット部に前記凸部を導入するための導入部が前記スリット部に連通するように形成されてなることを特徴とする請求項1記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記光源部は、前記LEDが実装された配線基板を保持可能なホルダを有し、前記ホルダに、前記配線基板の周端部を保持する保持爪が突設され、前記ホルダと前記枠体との一方に、係合爪が突設され、他方に、前記係合爪が係合する係合穴が形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記ホルダには、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において、前記回動子を前記枠体の前記凸部との間に保持する保持部が一体に設けられてなることを特徴とする請求項3記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記保持部は、前記ホルダが前記枠体に係合された状態において前記凸部に対応する位置に配置され、且つ、前記回動子が回動するときに前記スリット部の周部を前記枠体の前記凸部との間に保持するように形成されて、前記凸部は、正面視長円状に形成されてなることを特徴とする請求項4記載のLEDモジュール。
【請求項6】
前記スリット部の内周壁には、前記凸部に弾接可能な突起が一体に設けられてなることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のLEDモジュール。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のLEDモジュールと、前記LEDモジュールを保持する器具本体とを備えてなることを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−89502(P2013−89502A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229945(P2011−229945)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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