説明

LEDユニットおよびそれを用いた照明器具

【課題】小型化を図ることが可能なLEDユニットおよびそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】LEDユニット10は、LED1が実装された配線基板2と、LED1からの光を出射する出射部8を有し配線基板2を収納可能な筐体4と、配線基板2に接続され筐体4から導出される一対の配線3a,3bと、筐体4を外部に取り付けるための一対の取付部16a,16bとを備える。筐体4の平面視において規定方向の一端部には、配線3aを導出する第1導出部14と取付部16aとが設けられ、他端部に配線3bを導出する第2導出部15と取付部16bとが設けられる。取付部16aと取付部16bとは、筐体4の平面視における対角線上に設けられる。第1導出部14と取付部16aの群と第2導出部15と取付部16bの群とは、出射部8を中心として点対称で、第1導出部14および第2導出部15の幅寸法は、筐体4の幅寸法よりも小さく設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDユニットおよびそれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、図18に示すような発光ユニット62が提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示された発光ユニット62は、発光モジュール61と、この発光モジュール61の外側を覆う箱状のカバー部材60とを備えている。
【0003】
発光モジュール61は、光源部64と、この光源部64を被覆するシリコーン樹脂からなる被覆部材65とから構成されている。光源部64は、略四角形状に形成された基板66と、この基板66に実装された発光素子63と、リード線であるリード部材67とを備えている。なお、発光素子63は、セラミックスで形成されたパッケージ本体63aと、このパッケージ本体63aに実装されたLEDチップ(図示せず)と、このLEDチップを封止するモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0004】
カバー部材60は、一面側(図18の紙面の奥側)に開口部を有している。このカバー部材60の開口部側の対向側壁には、被覆部材65に形成されリード部材67を導出する突出部65aが嵌合するコ字状の切欠き部(図示せず)が形成されている。
【0005】
また、切欠き部が形成された対向側壁の開口部側には、外側に延出する取付舌片60bが対角線上に形成されており、カバー部材60が180度回転対称の形態をなしている。この取付舌片60bには、取付ねじを挿通するねじ穴が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−108808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示された発光ユニット62では、カバー部材60の開口部側において一対の対向側壁の各々の中央部に突出部65aが形成され、カバー部材60の平面視において各突出部65aを結ぶ中心線に対して各取付舌片60bが互いに異なる側に配置されているので、発光ユニット62の平面視において上記中心線と直交する幅方向の小型化を図ることが難しかった。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型化を図ることが可能なLEDユニットおよびそれを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のLEDユニットは、LEDが実装された配線基板と、前記LEDから放射された光を出射する出射部を有し前記配線基板を収納可能な筐体と、前記配線基板に電気的に接続され前記筐体から導出される少なくとも一対の配線と、前記筐体を外部に取り付けるための少なくとも一対の取付部と、を備え、前記筐体の平面視において規定方向の一端部に一方の前記配線を導出する第1導出部と一方の前記取付部である第1取付部とが設けられ、前記規定方向の他端部に他方の前記配線を導出する第2導出部と他方の前記取付部である第2取付部とが設けられて、前記第1取付部と前記第2取付部とは、前記筐体の平面視における対角線上に設けられ、前記第1導出部と前記第1取付部の群と、前記第2導出部と前記第2取付部の群とは、前記出射部を中心として点対称であり、前記第1導出部および前記第2導出部それぞれにおける前記配線の導出方向に直交する方向の幅寸法は、前記筐体における前記直交する方向の幅寸法よりも小さく設定されてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の照明器具は、前記LEDユニットと、前記LEDユニットに電源を供給する電源ユニットと、前記LEDユニットと前記電源ユニットとを保持する器具本体とを備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のLEDユニットにおいては、小型化を図ることが可能となる。
【0012】
本発明の照明器具においては、小型化を図ることが可能なLEDユニットを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態のLEDユニットの概略分解斜視図である。
【図2】同上のLEDユニットを示し、(a)は上側から見た斜視図、(b)は下側から見た斜視図である。
【図3】同上のLEDユニットを示し、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図4】同上のLEDユニットを示し、(a)は図2(a)のA−A断面図、(b)は図2(a)のB−B断面図、(c)は側面図である。
【図5】同上のLEDユニットにおける第1筐体を示し、(a)は上側から見た斜視図、(b)は下側から見た斜視図である。
【図6】同上のLEDユニットにおける第1筐体を示し、(a)は平面図、(b)は下面図である。
【図7】同上のLEDユニットにおける第1筐体を示し、(a)は図6(b)のA−A断面図、(b)は正面図である。
【図8】同上のLEDユニットにおける第1筐体を示し、(a)は図6(b)のB−B断面図、(b)は図6(b)のC−C断面図である。
【図9】同上のLEDユニットにおける第1筐体を示し、(a)は図6(b)のD−D断面図、(b)は側面図である。
【図10】同上のLEDユニットにおける第2筐体を示し、(a)は上側から見た斜視図、(b)は下側から見た斜視図である。
【図11】同上のLEDユニットにおける第2筐体を示し、(a)は平面図、(b)は下面図である。
【図12】同上のLEDユニットにおける第2筐体を示し、(a)は図11(a)のA−A断面図、(b)は正面図である。
【図13】同上のLEDユニットにおける第2筐体を示し、(a)は図11(a)のB−B断面図、(b)は図11(a)のC−C断面図、(c)は側面図である。
【図14】同上のLEDユニットにおける第1筐体に関し、(a)は第2筐体と溶着する箇所を示す説明図、(b)は封止材が流れる経路を説明する説明図である。
【図15】同上のLEDユニットにおける第1筐体に関し、(a)は配線が取り付けられた状態を示す説明図、(b)は電線が取り付けられた状態を示す説明図である。
【図16】実施形態の照明器具を示し、(a)は概略構成図、(b)はLEDユニットから出射される光の照射範囲を説明する説明図である。
【図17】同上の照明器具の他の構成例を示す概略構成図である。
【図18】従来例の発光ユニットを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態のLEDユニットについて、図1〜図17を参照しながら説明する。
【0015】
本実施形態のLEDユニット10は、例えば、照明器具の光源として用いられるものである。このLEDユニット10は、LED1が実装された配線基板2と、LED1から放射された光を出射する出射部8を有し配線基板2を収納可能な箱状の筐体4と、配線基板2に電気的に接続され筐体4から導出される一対の配線3a,3bとを備えている。
【0016】
LED1としては、例えば、青色光を放射するLEDチップ(以下、青色LEDチップと称する)と、青色LEDチップから放射された青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いることができる。このようなLED1は、例えば、青色LEDチップ(図示せず)と、この青色LEDチップが実装された実装基板1aと、青色LEDチップを覆い黄色蛍光体を含有した第1の透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる色変換部(図示せず)と、青色LEDチップおよび色変換部を封止した第2の透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる封止部1bとを有している。なお、LED1の蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、LED1は、紫〜近紫外線を放射するLEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。さらに、LED1は、赤色光を放射するLEDチップと緑色光を放射するLEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。また、LED1から放射される光の色は、白色に限るものではない。
【0017】
配線基板2は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材に適宜の導体パターン(図示せず)が形成されたプリント配線板により形成されている。また、配線基板2には、LED1と電気的に接続可能な一対の端子部2a,2bが、上記導体パターンの一部により形成されている。また、本実施形態では、LED1のアノード電極が端子部2aに接続されており、LED1のカソード電極が端子部2bに接続されている。なお、本実施形態では、配線基板2として上述のプリント配線板を用いているが、これに限らず、例えば、金属ベースプリント配線板、セラミック基板などを用いてもよい。また、配線基板2におけるLED1の実装側(図1では、上側)の一面には、一対の端子部2a,2bの近傍に端子部2a,2bの極性を示す“+”、“−”がそれぞれ表記されている。
【0018】
本実施形態では、配線基板2の一対の端子部2a,2b間に、LED1の絶縁破壊を防止するためのツェナーダイオード28が電気的に接続されている。なお、ツェナーダイオード28は、配線基板2におけるLED1の実装側の一面に実装されている。
【0019】
また、配線基板2におけるLED1の実装側には、LED1および各端子部2a,2b以外の部位の大部分を覆う白色のレジスト層などからなる反射層(図示せず)が形成されている。これにより、本実施形態では、LED1から放射された光が配線基板2に吸収されるのを抑制することが可能となる。
【0020】
また、配線基板2の一対の端子部2a,2bには、一対の配線3a,3bが、半田からなる接合部(図示せず)を介して電気的にそれぞれ接続されている。本実施形態では、一方の配線3aが端子部2aと電気的に接続されており、他方の配線3bが端子部2bと電気的に接続されている。ここで、本実施形態における各配線3a,3bは、配線基板2に電気的に接続可能な導電体3c(図3参照)が絶縁被覆部3d(図3参照)により覆われた被覆電線であり、筐体4内において導電体3cの一部が露出している。
【0021】
本実施形態のLEDユニット10は、筐体4内で各配線3a,3bおよび配線基板2の各々とは電気的に絶縁された1本の電線7を備えている。本実施形態では、一例として、電線7の一端部側を電源ユニット11(図16および図17参照)と電気的に接続し、他端部側をLEDユニット10の他方の配線3bと電気的に接続して使用される。したがって、本実施形態のLEDユニット10では、配線基板2とは別体に電線7を備えることによって、配線基板2に戻り電線としての機能を有する導体パターンが形成された場合に比べて、配線基板2に起因するLEDユニット10の電力損失を抑制することが可能となる。
【0022】
また、電線7は、一端部側が他のLEDユニット10の電線7の他端部側と電気的に接続可能となっており、他端部側が他のLEDユニット10の電線7の一端部側と電気的に接続可能となっている。
【0023】
筐体4は、配線基板2におけるLED1の実装側に配置され上述の出射部8を具備する第1筐体5と、配線基板2における上記実装側とは反対側(図1では、下側)に配置される板状の第2筐体6とを有している。本実施形態では、第1筐体5および第2筐体6が、例えば、アクリル樹脂(メタアクリル樹脂(PMMA)など)により形成されている。
【0024】
第1筐体5は、配線基板2側(図1では、下側)に開口部5a(図5および図6参照)を有する箱状に形成されている。また、第1筐体5は、筐体4の平面視において規定方向(図6では、左右方向)の一端部(図6では、左端部)に一方の配線3aを導出する第1導出部14が設けられている。また、第1筐体5は、筐体4の平面視において上記規定方向の他端部(図6では、右端部)に他方の配線3bを導出する第2導出部15が設けられている。要するに、本実施形態では、筐体4の平面視において上記規定方向の一端部に一方の配線3aを導出する第1導出部14が設けられ、上記規定方向の他端部に他方の配線3bを導出する第2導出部15が設けられている。ここにおいて、電線7は、一端部側が第1導出部14から導出され、他端部側が第2導出部15から導出されている。
【0025】
また、第1筐体5は、配線基板2側に開口部13aを有する第1収納室13が形成されている。この第1収納室13は、LED1が実装された配線基板2を収納する。
【0026】
第1収納室13の底部13bの中央部には、配線基板2に実装されたLED1と対向する部位に、上述の出射部8が形成されている。本実施形態では、出射部8が、LED1から放射される配光を制御するレンズ部9であり、出射面側が凸形状に形成されている。
【0027】
レンズ部9において配線基板2と対向する部位の中央部には、LED1の一部が収納される凹所9cが設けられている。本実施形態では、LED1の光出射面とレンズ部9の凹所9cの内面との間には、空隙29が設けられている。また、本実施形態では、LED1の光出射面を半球面状に形成しており、レンズ部9の凹所9cを半楕円球状に形成してある。これにより、本実施形態では、LED1の光出射面から出射された光がレンズ部9の凹所9cにおけるすべての内面に入射可能となり、光の利用効率を高めることが可能となる。
【0028】
また、レンズ部9において配線基板2と対向する部位の周部には、配線基板2と当接する円筒状の周壁18が配線基板2側へ突設されている。この周壁18には、LED1からの熱を放熱するための溝部18cが複数箇所(図示例では、2箇所)に形成されている。ここで、本実施形態では、周壁18が、平面視において半円弧状の第1周壁18aと、平面視において半円弧状の第2周壁18bとで構成されている。
【0029】
第1周壁18aおよび第2周壁18bの各々において配線基板2と対向する部位には、第1筐体5を配線基板2に位置決めするための第1突起18dが複数個(図示例では、2個)ずつ設けられている。ここにおいて、配線基板2には、レンズ部9の周壁18における各第1突起18dと対向する部位に、各第1突起18dを各別に収納する第1収納孔2cが貫設されている。
【0030】
また、第1収納室13の底部13bにおいて配線基板2と対向する部位には、配線基板2と当接可能な第1リブ19が複数箇所(図示例では、4箇所)に設けられている。また、本実施形態では、4つの第1リブ19のうち2つの第1リブ19に、第1筐体5を配線基板2に位置決めするための第2突起19aがそれぞれ形成されている。ここにおいて、配線基板2には、第1収納室13の2つの第1リブ19に形成された各第2突起19aと対向する部位に、各第2突起19aを各別に収納する第2収納孔2dが貫設されている。
【0031】
また、第1収納室13の底部13bにおいてレンズ部9以外で且つ配線基板2と対向する部位には、電線7の一部を収納する収納溝13cが、レンズ部9の第1周壁18aに沿って形成されている。要するに、本実施形態では、筐体4の内面における出射部8の外側の部位に収納溝13cが形成されている。これにより、本実施形態では、電線7の一部が出射部8と配線基板2との間に入るのを防止することが可能となる。
【0032】
本実施形態では、第1収納室13の内側面に、収納溝13cに一部が収納された電線7を第1周壁18aとで挟持する突部13eが、複数箇所(図示例では、2箇所)に突設されている。また、本実施形態では、第1収納室13における4つの第1リブ19のうち1つの第1リブ19に、上述の突部13eが設けられている。言い換えれば、本実施形態では、第1収納室13において収納溝13cに一部が収納された電線7を第1周壁18aとで挟持する突部13eが、3箇所に設けられている。要するに、本実施形態では、第1筐体5において第1収納室13の突部13eと第1周壁18aとが、収納溝13cに一部が収納された電線7を張力止めする張力止部としての機能を有している。これにより、本実施形態では、電線7に作用する張力を低減するための別部品が不要となり、低コストで電線7の張力止め機能を付与することが可能となる。
【0033】
また、第1収納室13の底部13bにおけるレンズ部9以外の部位には、レンズ部9に近づくに従って第1筐体5と第2筐体6との間の距離が徐々に小さくなるように形成された傾斜部13dが設けられている。この傾斜部13dは、レンズ部9に近づくに従って第1筐体5における第2筐体6とは反対側の一表面(図3では、上面)と第2筐体6との間の距離が徐々に小さくなるように形成されている。これにより、本実施形態では、レンズ部9の光出射面(レンズ面)の面積を増やすことが可能となり、光の利用効率を高めることが可能となる。
【0034】
本実施形態では、一方の配線3aにおける導電体3cの一部が、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間に配置されて配線基板2の端子部2aに電気的に接続されている。また、本実施形態では、他方の配線3bにおける導電体3cの一部が、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間に配置されて配線基板2の端子部2bに電気的に接続されている。ここで、本実施形態では、一対の配線3a,3bにおける導電体3cの一部の各々が、上記接合部を介して一対の端子部2a,2bに電気的にそれぞれ接続されている。要するに、本実施形態では、各配線3b,3bにおける導電体3cの一部が、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間に配置されて配線基板2に半田により電気的に接続されている。これにより、本実施形態では、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間の距離を、各配線3a,3bにおいて絶縁被覆部3dを含む外径寸法よりも小さく設定することが可能で、一対の配線3a,3bにおける導電体3cの一部の各々と一対の端子部2a,2bとを電気的にそれぞれ接続した半田からなる上記接合部が盛り上がった部分の高さまで小さく設定することが可能となるので、第1筐体5に傾斜部13dを設けない場合に比べて、筐体4における配線基板2の厚み方向に沿った高さ寸法を小さくすることが可能となる。
【0035】
第1導出部14は、配線基板2側に開口部31aを有する第2収納室31(図5および図6など参照)が形成されている。この第2収納室31は、一方の配線3aおよび電線7の一部を収納する。また、第2収納室31は、第1収納室13と第1仕切壁部20で仕切られている。第1仕切壁部20には、一方の配線3aを挿通した第1挿通穴20bが形成されている。また、第1仕切壁部20には、電線7を挿通した第2挿通穴20cが形成されている。ここにおいて、第2収納室31は、第1仕切壁部20に形成された第1挿通穴20bおよび第2挿通穴20cを通して第1収納室13と連通している。
【0036】
第2収納室31の底部31dは、第1筐体5の傾斜部13dから離れるに従って第1筐体5と第2筐体6との間の距離が一定となるように形成された第1平坦部14eを構成している。なお、本実施形態では、第2収納室31の第1平坦部14eと第2筐体6との間の距離が、一方の配線3aにおいて絶縁被覆部3dを含む外径寸法よりも若干大きく設定されている。
【0037】
第2導出部15は、配線基板2側に開口部32aを有する第3収納室32(図5および図6など参照)が形成されている。この第3収納室32は、他方の配線3bおよび電線7の一部を収納する。また、第3収納室32は、第1収納室13と第2仕切壁部21で仕切られている。第2仕切壁部21には、他方の配線3bを挿通した第3挿通穴21bが形成されている。また、第2仕切壁部21には、電線7を挿通した第4挿通穴21cが形成されている。ここにおいて、第3収納室32は、第2仕切壁部21に形成された第3挿通穴21bおよび第4挿通穴21cを通して第1収納室13と連通している。
【0038】
第3収納室32の底部32dは、第1筐体5の傾斜部13dから離れるに従って第1筐体5と第2筐体6との間の距離が一定となるように形成された第2平坦部15eを構成している。なお、本実施形態では、第3収納室32の第2平坦部15eと第2筐体6との間の距離が、他方の配線3bにおいて絶縁被覆部3dを含む外径寸法よりも若干大きく設定されている。
【0039】
ところで、本実施形態では、第1導出部14および第2導出部15の各々が、筐体4の平面視における上記規定方向に沿った中心線に対して互いに異なる側に配置されている。具体的に説明すると、第1導出部14は、筐体4における上記一端部において、上記厚み方向および一方の配線3aの導出方向に直交する方向の一方(図1では、右下側)に配置されている。また、第2導出部15は、筐体4における上記他端部において、上記直交する方向の他方(図1では、左上側)に配置されている。ここにおいて、第1導出部14および第2導出部15における上記直交する方向の幅寸法は、筐体4における上記直交する方向の幅寸法よりも小さく設定されている。
【0040】
また、第1導出部14において筐体4の上記規定方向の一端部(図6では、左端部)には、一方の配線3aを導出するための第1導出穴14bが形成されている。また、第1導出部14における上記一端部には、電線7を導出するための第2導出穴14cが形成されている。
【0041】
また、第2収納室31の底部31dにおける配線基板2と対向する部位には、第1挿通穴20bを通して第1導出穴14bから導出された一方の配線3aの一部を、第1導出部14における第2収納室31の内壁とで挟持する第2リブ22が突設されている(図15(a)など参照)。要するに、本実施形態では、第2リブ22が、一方の配線3aの一部を第1導出部14の内壁とで挟持する第1張力止部を構成している。これにより、本実施形態では、一方の配線3aに作用する張力を低減するための別部品が不要となり、低コストで一方の配線3aの張力止め機能を付与することが可能となる。また、本実施形態では、一方の配線3aに作用する張力を低減することが可能となるので、一方の配線3aにおいて露出された導電体3cの一部と配線基板2の端子部2aとの上記接合部に応力が作用して断線するのを防止することが可能となる。
【0042】
また、第2導出部15において筐体4の上記規定方向の一端部(図6では、右端部)には、他方の配線3bを導出するための第3導出穴15bが形成されている。また、第2導出部15における上記一端部には、電線7を導出するための第4導出穴15cが形成されている。
【0043】
また、第3収納室32の底部32dにおける配線基板2と対向する部位には、第3挿通穴21bを通して第3導出穴15bから導出された他方の配線3bの一部を、第2導出部15における第3収納室32の内壁とで挟持する第3リブ23が突設されている。要するに、本実施形態では、第3リブ23が、他方の配線3bの一部を第2導出部15の内壁とで挟持する第2張力止部を構成している。これにより、本実施形態では、他方の配線3bに作用する張力を低減するための別部品が不要となり、低コストで他方の配線3bの張力止め機能を付与することが可能となる。また、本実施形態では、他方の配線3bに作用する張力を低減することが可能となるので、他方の配線3bにおいて露出された導電体3cの一部と配線基板2の端子部2bとの上記接合部に応力が作用して断線するのを防止することが可能となる。
【0044】
また、第1筐体5は、筐体4の上記規定方向の一端部および他端部に、筐体4を器具本体12(図16および図17参照)に取り付けるための第1取付部16aおよび第2取付部16bがそれぞれ形成されている。第1取付部16aおよび第2取付部16bは、筐体4における上記中心線に対して第1導出部14および第2導出部15とは反対側にそれぞれ配置されている。ここで、本実施形態では、第1導出部14および第1取付部16aが、筐体4における上記幅寸法内に収まるように形成されている。また、第2導出部15および第2取付部16bが、筐体4における上記幅寸法内に収まるように形成されている。
【0045】
各取付部16a,16bには、筐体4を器具本体12に取り付けるための取付ねじ(図示せず)をこれら各取付部16a,16bの一表面側(図1では、上面側)から挿通する第1挿通孔16cが貫設されている。
【0046】
第2筐体6は、板状に形成されている。第2筐体6の配線基板2側(図1では、上側)には、第1筐体5の第1収納室13、第2収納室31および第3収納室32の外周縁(図14(a)中に示した一点鎖線の部分)と対向する部位に、配線基板2側へ突出する突壁24が設けられている。
【0047】
突壁24の配線基板2側には、第1導出部14の第1導出穴14bに対応する位置に、一方の配線3aを導出するための第1導出穴24bが形成されている。また、突壁24の配線基板2側には、第1導出部14の第2導出穴14cに対応する位置に、電線7を導出するための第2導出穴24cが形成されている。さらに、突壁24の配線基板2側には、第2導出部15の第3導出穴15bに対応する位置に、他方の配線3bを導出するための第3導出穴24aが形成されている。また、突壁24の配線基板2側には、第2導出部15の第4導出穴15cに対応する位置に、電線7を導出するための第4導出穴24dが形成されている。本実施形態では、第1筐体5の配線基板2側と第2筐体6の突壁24の先端面とを突き合わせてこの突き合わせた部分を溶着(例えば、超音波溶着など)することによって、第1筐体5と第2筐体6とが結合されている。
【0048】
また、第2筐体6には、第1筐体5の第1導出部14および第2導出部15の各々と対向する部位に、第1導出部14および第2導出部15の各々の内部に封止材を充填するための貫通孔6aが設けられている。これにより、本実施形態では、各導出穴14b,14c,15b,15c,24a〜24dを通して筐体4内に水などが浸入するのを防止することが可能となる。本実施形態のLEDユニット10では、筐体4の第1導出部14および第2導出部の内部に、封止材が充填される。これにより、本実施形態では、各導出穴14b,14c,15b,15c,24a〜24dを通して筐体4内に水などが浸入するのを防止することが可能となる。なお、図3では、封止材を省略している。
【0049】
また、第2筐体6には、第1筐体5の第1導出部14および第2導出部15の各々と対向する部位に、第1導出部14および第2導出部15の各々の内部に封止材を充填する際に第1導出部14および第2導出部15内の大気を外部へ排出するための排気孔6bが貫設されている。この排気孔6bは、第1導出部14および第2導出部15の内部に充填される封止材が、図14(b)中に示す矢印の経路で流れ込むように形成されている。
【0050】
また、第2筐体6の配線基板2側には、第1筐体5における各挿通穴20b,20c,21b,21cに対応する位置に、各配線3a,3bや電線7の一部と当接可能な第4リブ25が突設されている。これにより、本実施形態では、第2筐体6の貫通孔6aから充填された封止材が、各挿通穴20b,20c,21b,21cを通して第1収納室13内に侵入するのを防止することが可能となる。ここにおいて、本実施形態では、第1筐体5における各挿通穴20b,20c,21b,21cと第2筐体6における各第4リブ25とが、第1筐体5と第2筐体6とを逆向きに結合するのを防止する機能を有している。また、第1筐体5における上記直交する方向の一側面(図1では、右下側面)には、第1筐体5と第2筐体6とを逆向きに結合するのを防止するための第1目印である第1突片30aが外方へ突設されている。また、第2筐体6における上記直交する方向の一側面(図1では、右下側面)には、第1筐体5の第1突片30aに対応する位置に、第1筐体5と第2筐体6とを逆向きに結合するのを防止するための第2目印である第2突片30bが外方へ突設されている。
【0051】
また、第2筐体6には、第1筐体5の第1取付部16aおよび第2取付部16bの各第1挿通孔16cに対応する位置に、上記取付ねじを第1筐体5側から挿通する第2挿通孔6cが貫設されている。以下、説明の便宜上、本実施形態では、第1挿通孔16cと第2挿通孔6cとを合わせて取付ねじ挿通孔17と称することもある。
【0052】
本実施形態のLEDユニット10は、第1筐体5の第1挿通孔16cと第2筐体6の第2挿通孔6cとの間に介在するスペーサ26を有している。なお、図2では、スペーサ26を省略している。
【0053】
スペーサ26は、例えば、ステンレスなどにより形成されており、円筒状の本体部26aと、本体部26aの外周壁から外方へ延設された複数の脚片26bとを有している。なお、本体部26aの外径寸法は、筐体4の各取付ねじ挿通孔17の内径寸法よりも若干小さく設定されている。また、スペーサ26は、LEDユニット10を器具本体12に取り付けるときに、上記取付ねじによる応力が筐体4に作用するのを抑制する機能を有している。
【0054】
しかして、本実施形態のLEDユニット10では、第1導出部14および第2導出部15の各々が、筐体4の平面視における上記規定方向に沿った中心線に対して互いに異なる側にあり、第1取付部16aおよび第2取付部16bそれぞれが、筐体4における上記中心線に対して第1導出部14および第2導出部15とは反対側にあるので、図18に示した構成の発光ユニット62に比べて、小型化を図ることが可能となる。また、本実施形態では、第1導出部14および第2導出部15の各々が筐体4における上記中心線に対して互いに異なる側にあり、第1取付部16aおよび第2取付部16bそれぞれが筐体4における上記中心線に対して第1導出部14および第2導出部15とは反対側にあるので、筐体4において上記直交する方向へ突出する部位をなくすことが可能となり、LEDユニット10における上記直交する方向の幅寸法を小さくすることが可能となる。
【0055】
以下、本実施形態の照明器具について、図16および図17に基づいて説明する。
【0056】
本実施形態の照明器具は、上述のLEDユニット10と、LEDユニット10に電源を供給する電源ユニット11と、LEDユニット10と電源ユニット11とを保持する器具本体12とを備えている。ここにおいて、本実施形態では、LEDユニット10を複数個備えており、図16に示した構成の照明器具ではLEDユニット10を16個備え、図17に示した構成の照明器具ではLEDユニット10を36個備えている。また、図16および図17それぞれに示した照明器具では、複数個のLEDユニット10が電気的に直列接続されており、電源ユニット11がこれら複数個のLEDユニット10に電源を供給する。具体的に説明すると、本実施形態では、LEDユニット10の一方の配線3aが電源ユニット11や他のLEDユニット10の他方の配線3bと電気的に接続されており、このLEDユニット10の他方の配線3bがさらに他のLEDユニット10の一方の配線3aやこのLEDユニット10の電線7と電気的に接続されている。また、LEDユニット10の電線7の一端部側が電源ユニット11や他のLEDユニット10の電線7の他端部側と電気的に接続されており、このLEDユニット10の電線7の他端部側がさらに他のLEDユニット10の電線7の一端部側やこのLEDユニット10の他方の配線3bと電気的に接続されている。なお、本実施形態では、複数個のLEDユニット10の電気的な接続関係を直列接続としているが、これに限らず、例えば、並列接続としてもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続としてもよい。
【0057】
器具本体12は、一面側に開口部12bを有する矩形箱状に形成されている。
【0058】
器具本体12の底部12aには、LEDユニット10の筐体4の各取付ねじ挿通孔17に対応する位置に、上記取付ねじを螺合させる取付ねじ孔(図示せず)が複数箇所に形成されている。ここにおいて、本実施形態の照明器具では、LEDユニット10を器具本体12に取り付ける場合、上記取付ねじを各取付部16a,16bの上記一表面側から取付ねじ挿通孔17に挿通して器具本体12の上記取付ねじ孔に螺合させることによって、器具本体12にLEDユニット10が取り付けられる。
【0059】
また、上述の照明器具は、例えば、任意の文字や所定の図形などが一表面側(図16(b)では、左面側)に形成された矩形板状の前面パネル27を備えている。つまり、本実施形態の照明器具は、看板用途に用いられる照明器具である。なお、本実施形態の照明器具は、看板用途に限るものではない。
【0060】
また、器具本体12は、開口部12b側に、前面パネル27が取り付け可能となっている。本実施形態では、器具本体12に取り付けられたLEDユニット10から出射された光が、前面パネル27の他表面側を照射する(図16(b)参照)。なお、図16(b)に示した例では、LEDユニット10から出射された光の広がり角度が、164°となっている。
【0061】
したがって、本実施形態の照明器具では、小型化を図ることが可能なLEDユニット10を備えた照明器具を提供することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 LED
2 配線基板
3a 一方の配線
3b 他方の配線
3c 導電体
3d 絶縁被覆部
4 筐体
5 第1筐体
6 第2筐体
7 電線
8 出射部
9 レンズ部
10 LEDユニット
11 電源ユニット
12 器具本体
13d 傾斜部
14 第1導出部
15 第2導出部
16a 第1取付部
16b 第2取付部
22 第1張力止部(第2リブ)
23 第2張力止部(第3リブ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDが実装された配線基板と、前記LEDから放射された光を出射する出射部を有し前記配線基板を収納可能な筐体と、前記配線基板に電気的に接続され前記筐体から導出される少なくとも一対の配線と、前記筐体を外部に取り付けるための少なくとも一対の取付部と、を備え、前記筐体の平面視において規定方向の一端部に一方の前記配線を導出する第1導出部と一方の前記取付部である第1取付部とが設けられ、前記規定方向の他端部に他方の前記配線を導出する第2導出部と他方の前記取付部である第2取付部とが設けられて、前記第1取付部と前記第2取付部とは、前記筐体の平面視における対角線上に設けられ、前記第1導出部と前記第1取付部の群と、前記第2導出部と前記第2取付部の群とは、前記出射部を中心として点対称であり、前記第1導出部および前記第2導出部それぞれにおける前記配線の導出方向に直交する方向の幅寸法は、前記筐体における前記直交する方向の幅寸法よりも小さく設定されてなることを特徴とするLEDユニット。
【請求項2】
請求項1記載のLEDユニットと、前記LEDユニットに電源を供給する電源ユニットと、前記LEDユニットと前記電源ユニットとを保持する器具本体とを備えてなることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−45775(P2013−45775A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252559(P2012−252559)
【出願日】平成24年11月16日(2012.11.16)
【分割の表示】特願2011−181919(P2011−181919)の分割
【原出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】