説明

LED照明ユニット

【課題】従来の光源に近いLED光源をもたらしたが、これらは、LED光源に固有の他の特徴を活かすことができなかった。
【解決手段】光発生部21と、光分析部31と、コントローラ51と、第1の通信インタフェース41とを有する照明ユニット20が開示される。光発生部21および光分析部31は、透明窓を有するハウジング内に収容される。光発生部21はLEDの複数のグループを含み、各グループは他のグループとは異なるスペクトルの光を発する。光分析部31は、各グループによって発生される光の輝度およびハウジングの外側の場所からくる光の輝度に関連する輝度信号を発生する。コントローラ51は、輝度信号に応じて各LEDを流れる電流を調整する。第1の通信インタフェース41は、照明ユニット20の動作中に照明ユニット20の外部の装置と通信してコマンドを受けるためにコントローラ51によって利用される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発光ダイオード(LED)は、白熱電球および蛍光灯に基づく従来の光源における魅力的な代替候補である。LEDは、白熱光よりもかなり高いエネルギ変換効率を有するとともに、非常に長い寿命を有する。また、LEDは、蛍光灯に関連する高電圧システムを必要とせず、「点光源」にかなり近い光源を形成することができる。後者の特徴は、平行光学系または他の結像光学系を利用する光源にとって特に重要である。
【0002】
LEDは比較的狭いスペクトル帯域の光を発する。そのため、任意の知覚色の光源を形成するために、多くのLEDからの光を1つの照明設備で組み合わせなければならず、あるいは、何らかの形態のリン光体変換層を使用して狭帯域光を所望の色を有する光へと変換しなければならない。これは、一部のLED光源の構造を複雑にするが、様々なカラーLEDによって発せられる光の比率を変えることにより変化可能な色あるいは全てのLEDへの電力を変えることにより変化可能な輝度を有する光源のための基礎も与える。一方、蛍光灯に基づく従来の光源は、所定の色および輝度の光を発する。
【0003】
単一のLEDに基づく光源は、光源が発生できる光量が比較的制限される。一般に、LEDは数ワットを下回る消費電力を有する。したがって、従来の照明設備に取って代わる高輝度光源を提供するためには、各光源で比較的多くの数のLEDを使用しなければならない。
【0004】
また、LEDは使用に伴って劣化する。一般に、光出力は使用に伴って減少し、場合によっては、LEDにより発せられるスペクトルが変化して、劣化が色ずれを引き起こす。一般に、異なる色の光を発するLEDは異なる劣化特性(経時特性)を有する。これは、LEDの劣化プロファイルが製造プロセスおよび材料並びに他の要因によって決まるからである。3つの異なる色のLEDに基づく光源では、輝度及び/又はスペクトルの変化により、光源によって発せられる光の色が変化する。これらの問題を正すため、多くのLED光源は、LEDによって発生される光を測定し且つ各LEDへの駆動電流を調整して所望の色を維持する何らかの形態の光検出器を含む。
【0005】
LED光源の設計に立ち入った殆どの努力は、従来の光源に代わる代替物としてのLED光源の幅広い使用を妨げる前述した問題を克服することに向けられてきた。結果として得られる構造は、従来の光源に代わる代替物としてのそれらの可能性を実現するに近いLED光源をもたらしたが、これらの装置は、LED光源に固有の多くの他の特徴を活かすことができなかった。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、光発生部と、光分析部と、コントローラと、第1の通信インタフェースとを有する照明ユニットを含む。光発生部および光分析部は、透明窓を有するハウジング内に収容されている。光発生部はLEDの複数のグループを含み、各グループは他のグループとは異なるスペクトルの光を発する。グループのうちの少なくとも1つは複数のLEDを含む。光分析部は、各グループによって発生される光の輝度に関連する輝度信号を発生する。コントローラは、輝度信号に応じて各LEDを流れる電流を調整する。第1の通信インタフェースは、照明ユニットの動作中に照明ユニットの外部の装置と通信してコマンドを受けるため及び/又は情報を送信するためにコントローラによって利用される。また、光分析部は、ハウジングの外側の場所からくる光の輝度に関連する周辺輝度信号も発生する。本発明の1つの態様において、コントローラは、周辺輝度信号の変化に応じてLEDのうちの1つを流れる電流を変えることにより、周辺光の変化を補償することができる。
【0007】
本発明の他の態様において、グループのうちの1つは、そのグループのスペクトルの光を発する予備のLEDを含むことができる。コントローラは、そのグループ内で欠陥があるLEDを検出すると、欠陥のあるLEDの代わりに予備のLEDを接続させる。
【0008】
本発明の他の態様において、コントローラは、周辺光輝度信号を特定する情報を第1の通信インタフェースによって送る。
【0009】
本発明の更に他の態様において、第1の通信インタフェースは、ハウジングの外側からの光信号を受けるための検出器を含む。光信号は、照明ユニットに対してコマンドを送り且つ照明ユニットをプログラムするためにユーザにより利用される携帯型のコマンドユニットによって供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明がその利点を与える様態は、本発明の1つの実施形態に係るLED照明ユニットを示す図1を参照して更に容易に理解できる。LED照明ユニット20は、複数のLEDを有する光発生部21と、LEDから及びLEDが動作している背景から到達する光を測定する光分析器31と、通信インタフェース41と、コントローラ51とを含む。
【0011】
ここで、本発明の1つの実施形態に係る光発生部の概略図である図2を参照する。一般に、光発生部210は、LEDのグループ22に分けることができる複数のLED23を含んでおり、1つのグループの各LEDは同じスペクトルの光を発し、異なるグループは異なるスペクトルを発する。LEDは、以下で更に詳しく説明するドライバ(駆動装置)24によって給電される。各グループにおけるLEDの数は、LED照明ユニット20により発生されるその色の最大光量と、光源において望まれる信頼度とによって決定される。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態では、各グループに予備のLEDが含まれている。特定のグループでLEDが機能しなくなると、そのグループ内の予備のうちの1つが、機能しなくなったLEDに取って代わるために作動される。予備の数が所定の臨界点に達すると、光源が完全に機能しなくなる前に光源を取り替えることができるように、コントローラ51がこの事実をユーザまたは中央コントローラに伝える。光源が動作している建物が後述するように中央コントローラを含む場合、コントローラ51は、中央コントローラに対して、当該光源を特定するメッセージを送るだけである。中央コントローラが存在しない場合、コントローラ51は、差し迫った故障を知らせるとともに近い将来に光源を交換すべきであることを知らせるために、最初にONされるときに出力される色を変えて点滅させることにより、あるいは、周期的にストロボフラッシュしあるいは点滅させることにより、ユーザに合図することができる。
【0013】
単位時間当たりに各LEDにより発生される光の量は、当該時間にわたってそのLEDを流れる平均電流によって決まる。平均電流は、LEDを流れる定電流を設定することにより、あるいは、速すぎて観察者の眼で知覚できない頻度でLEDのオンおよびオフを繰り返すことにより設定することができる。後者の場合には、「オン」期間中の電流が最大所望電流に設定され、LEDがオンされている間の各サイクルの一部を調整することにより平均電流が設定される。LEDによって発せられるスペクトルがLEDを流れる電流に応じて変化する場合には、後者の方式が好ましい。これは、各光輝度設定におけるLEDを流れる電流が同じであり、そのため、知覚される光輝度が変化してもスペクトルが変化しないからである。以下で更に詳しく説明するように、後者の方式も特定の制御方式にうまく適合される。なお、基本的には、2つの方法を組み合わせる制御方式も利用できる。
【0014】
各LEDによって発生される光の量は、LED照明ユニット20によって発せられるべき光の知覚色とその光の輝度とによって決定される。本発明の1つの実施形態において、光発生部は、スペクトルの赤色領域、緑色領域、青色領域で光を発するLEDの3つのグループを含む。発生される光の知覚色は、LEDの各グループからの光の輝度の比率によって決定される。なお、LED照明ユニット20により発せられる色の所望範囲に応じて、あるいは、演色評価数などの更なるパラメータを制御して最適化するために、更に数が多いあるいは少ないLEDグループを用いる他のカラー方式を利用できる。
【0015】
前述したように、LEDは、全てのLEDが同じスペクトルの光を発するグループにまとめられる。LEDに関しては3つの基本的な駆動方式が存在する。ここで、3つの基本的なLED駆動方式の概略図である図3A〜3Cを参照する。1つの方式では、図3Aに示されるように、所与のグループ内の全てのLEDが直列に接続され、そのため、同じ電流を用いて各LEDが駆動される。この方式では、グループから所望の光出力を供給するため、コントローラ51の制御下にある単一の駆動回路241によって電流が制御される。この方式は1つの駆動回路しか必要としない。しかしながら、この方式は多くの問題を有する。開回路の形成によって任意のLEDが機能しなくなると、グループ全体からの光が失われる。また、この方式は、LEDの全てが同一であり、したがって、同じ電流が各LEDにとって適していると思われる。予備のLEDに対応するため、通常は「オフ」である第2の駆動回路が必要とされる。
【0016】
第2の方式では、図3Bに示されるように、LEDの全てが並列に駆動される。この方式も1つのドライバ242だけを必要とする。しかしながら、LEDのうちの1つが短絡によって機能しなくなると、グループが失われる。また、この方式は、共通の駆動電位が各LEDにとって最適であると思われる。この方式でも、予備のLEDに対応するため、通常は「オフ」である第2の駆動回路が必要とされる。
【0017】
第3の方式では、別個のドライバ243を用いて各LEDが駆動され、LEDの電流が個別に調整される。この方式は、より多くの駆動回路を必要とするが、各LEDを個別に最適化できる。また、何らかの理由で1つのLEDが機能しなくなる場合、そのグループ内の残りのLEDは正常に機能し続ける。この方式は、予備のLEDが各グループ内に含まれる本発明の実施形態において特に魅力的である。そのような実施形態では、他のLEDと異なるように予備のLEDを取り扱うことなく、機能しなくなったLEDの損失に起因して失われた光に取って代わるため、予備のLEDおよびドライバを作動させることができる。なお、個々のLEDは、一般に、同じ製造ラインで製造される場合でも互いに異なっている。そのため、これらの実施形態は、LED間の相違とは無関係に各LEDが同じ量の光を発生するように動作できる。ここで、各LEDを流れる電流は、各LEDがオン時に同じ量の光を発生するように調整される。次に、LEDのデューティサイクルは、最大レベルを下回る光レベルが望ましい場合に、LEDのグループから所望の光出力を供給するように調整される。
【0018】
また、LEDが使用に伴って劣化することに留意すべきである。したがって、LEDが劣化すると、一般に、各LEDを流れる電流を増大して、LEDの光出力を所望の値に維持する必要がある。ここでも、先と同様、LED毎に異なる劣化の影響を補正する際に、別個のドライバを利用する実施形態が有用である。
【0019】
正確な電流を決定して各LED毎に使用するため、コントローラ51は、各LEDによって生成される光を監視できなければならず、任意に、LED照明ユニット20を取り囲む領域からの光を監視できなければならない。光分析器31がこの機能を果たす。ここで、本発明に係る光分析器の1つの実施形態を示す図4を参照する。光分析器311は、各LEDによって発せられる光を測定するとともに、LED照明ユニットが作動している部屋312内の周辺光を、LEDの全てがオフのときに部屋から光分析器に到達する光を監視することにより測定する。
【0020】
光分析器311は多数の光検出器から構成されており、各光検出器は1つのフォトダイオード324と1つの帯域通過フィルタ325とを含む。典型的なフォトダイオードが321および322で示されている。各フォトダイオードは、LEDのグループのうちの1つから発する光を検出する。また、LED照明ユニット20の外側の領域から発する光を測定するために1つ以上のフォトダイオードが位置決めされている。別の方法として、後述する方式と類似する時系列方式を使用して全てのLEDを測定するために単一のフォトダイオードを使用することができる。
【0021】
各LEDを流れる電流を制御して特定の色の光源を与えることに加え、コントローラ51は、部屋内すなわちLED照明ユニット20の外側の領域312内の周辺光を測定する。1つの態様において、コントローラ51は、LED照明ユニット20からの光を増大あるいは減少させて、部屋内の周辺光の変化を補償する。
【0022】
LED照明ユニット20以外の光源から発生する光が増大する場合、コントローラ51は、部屋内の光レベルを特定のレベルにできる限り近く維持するため、LED照明ユニット20により発生される光を減少させる。また、逆の場合も同様である。なお、このレベルは、日時などの他の要因に応じてあるいは部屋が占められているか否かに応じて変えることもできる。そのような実施形態において、コントローラ51は、日付を計算するためにクロックなどの他のハードウェアおよびソフトウェアを含むことができる。
【0023】
コントローラ51は、光分析器311内のこれらのフォトダイオードの出力を利用して、各LEDから発する光を決定する。LEDの各グループは同じスペクトルを発する複数のLEDを含むため、コントローラ51は、各LEDによって発生される光を、グループ内の他のLEDによって発せられる光から区別しなければならない。1つの実施形態において、コントローラ51は、現在測定されているLEDを除き、グループ内のLEDの全てをオフにし、それ故、そのLEDによって発生される信号光を個別に測定することができる。前述したように、LEDはパルスモードで動作されることが好ましい。フォトダイオードの応答は人間の眼の時間分解能に比べて速いため、この較正測定は、部屋内の人が1つのグループ内のLEDのうちの1つを除く全てがオフされていた短い期間に気付くことなく達成することができる。
【0024】
LED照明ユニット20が部屋内の周辺光の輝度を調整するだけで済む場合には、周辺光輝度だけが測定されなければならないため、単一のフォトダイオードを利用できる。しかしながら、本発明の1つの実施形態では、コントローラ51が周辺光の色変化も補償する。この場合、周辺光センサは、部屋内の異なるスペクトル帯域の光の輝度を測定し且つ発光部の色出力および輝度出力の両方を調整して部屋内の輝度及び/又は色の任意の変化を補償する複数のフォトダイオードを含む。
【0025】
周辺光を測定するために使用されるフォトダイオードは、光源の外側の領域から光を受けるように位置決めされていなければならない。LEDからの光を測定するフォトダイオードも同様に、LEDによって発せられる光をサンプリングするように位置決めされていなければならない。1つの実施形態では、光源の外側から光を受けるように1つのフォトダイオードが位置決めされており、また、LEDからの光の一部を光分析器のフォトダイオードへと反射するためにミラー341および同様の物体が使用される。
【0026】
また、LED照明ユニット20は通信インタフェース41を含む。従来の照明ユニットとは異なり、LED照明ユニット20は、光源の通常の「オン、オフ」機能の他に、多くの機能を実施する。例えば、前述したように、LED照明ユニット20は、それが配置されている部屋内の照明状態を監視するとともに、日時または他の要因に依存する様々な照明機能を与えることができる。また、光分析部は、中央コントローラまたはホームコントロールシステムの役に立ち得る部屋内の周辺照明状態の測定を行なう。この情報は、コントローラ51によって利用できるとともに、複数のそのような光源が存在し且つ様々な光源からデータを集める場合には照明を調整する中央コントローラによっても利用できる。
【0027】
一般に、通信インタフェース41は、LED照明ユニット20によって利用されあるいはLED照明ユニット20により生成される情報を送受信するための通信経路を与える。この場合、コントローラ51は、それが配置される特定の照明ユニットを識別する固有のアドレスを含むことができる。以下では、このアドレスが入力される様態について更に詳しく説明する。
【0028】
インタフェースは、多くの異なる通信経路を利用することができる。例えば、LED照明ユニット20は、図1に示される端末によって給電されるべく接続される。建物内の給電ラインにわたってデータを送受信するための方式は技術的に周知であり、したがって、ここでは詳しく説明しない。本説明の上では、60Hzの電源周波数をかなり上回り、したがって電力ライン振動から容易に区別される周波数で情報が送受信されることに気付けば十分である。この特徴を伴わなくてもLED照明ユニット20が電源に接続されなければならないため、データおよびコマンド通信のために給電ラインを利用するコストは、比較的安価であり、建物の様々な部分にあるLED照明ユニット間およびそのようなLED照明ユニットと中央コントローラとの間で情報を通信するための便利な機構を与える。
【0029】
給電ライン通信は装置間でデータを通信するのに便利であるが、人と照明ユニットとの間の通信は、給電ラインの他に、何らかの形態のインタフェースを必要とする。これは、建物の電力網に差し込まれる装置によって与えることができるが、ユーザが持ち運べる携帯装置を利用することもできる。
【0030】
1つの実施形態において、LED照明ユニット20は、ユーザとLED照明ユニット20との間でデータおよびコマンドを通信するために光信号を利用する。ユーザは、信号発信装置71のプッシュボタンにより入力されるコマンドを光分析部31により検出される光信号へと変換する携帯型信号発信装置71を使用できる。前記光信号は、当該信号を周辺背景光から区別するために特定の周波数に変調できる。あるいは、装置71からの光信号は、異なるスペクトル領域を利用できる。この場合、光分析部31は、これらの光信号のための別個の検出器を含む必要がある。
【0031】
なお、LED照明ユニット20は、光源および受光器、すなわち、光発生部と、周辺光を測定する光分析器の部分とをそれぞれ既に含む。そのため、LED照明ユニット20は、パルス状の光信号を発生して受けることによりデータを送受信できる。光源および受光器は既に存在するため、そのような光信号を利用するデータ通信を実施するコストは比較的少ない。また、装置71は、方向選択性を有することができるため、幾つかの照明ユニットを有する部屋内で一度に1つの照明ユニットを扱うことができる。光通信のオプションは、装置71がキーチェーンなどによって伝えることができる携帯型送信器である実施形態において特に魅力がある。そのような実施形態において、ユーザは、装置を照明ユニットに向け、装置上の特定のボタンを押す。したがって、ユーザは、照明スイッチを使用することなく光をオンまたはオフすることができる。これにより、多くの照明ユニットを同じ回路上に配置して個別に制御することもできる。例えば、携帯装置は、所望のコマンドを送信するための低電力レーザを含むことができる。ユーザは、オン/オフ機能に加えて、部屋内の光レベルまたは個々のLED照明ユニットにより発生される光の色を調整することができる。
【0032】
最後に、ユーザは、コントローラ51をプログラムするために装置71を利用することができる。電力ラインインタフェースにより個々の照明ユニットと通信するシステムコントローラを利用する実施形態では、各照明ユニットに固有のアドレスが与えられなければならない。従来の電力ライン制御される装置において、各装置は、一般に、ユーザが装置にアドレスを与えることができるようにする何らかの形態の機械的なスイッチを有する。そのようなスイッチのコストはかなりのものである。あるいは、製造業者によって供給される各装置は、固有のアドレスを用いてプログラムすることができる。製造される装置の数は非常に多大であるため、アドレスは非常に多数である。システムセットアップのある時点で、ユーザは、アドレスをシステムに入力することによりあるいはシステムにより見出される装置を装置の物理的な場所に関連付けることにより、これらの多数のアドレスを扱わなければならない。いずれの場合にも、プロセスは誤りを免れない。本発明は、ユーザがアドレスを装置の場所に関連付けられる値に設定できるようにすることにより、これらを回避する。
【0033】
また、ユーザは、コントローラ51をプログラムして、特定の日時または特定の日に光をオン/オフするなどの他の機能を実行することができる。また、コントローラ41は、モーションセンサから信号を受信して、誰かが部屋に入るときに光をオンするなど、動きが検出された際に特定のコマンドを実行することもできる。
【0034】
なお、光通信インタフェースおよび給電ライン通信インタフェースの両方を有するLED照明ユニットは、家または他の建物における照明を自動化する際に特に有用である。電力ラインインタフェースは、建物全体における照明状態を、1つ以上の重要な場所から表示、制御できるようにする中央制御システムまたは複数の制御システムに対する接続を提供する。光インタフェースは、他の部屋の照明ユニットを妨害することなく且つ壁スイッチまたは中央コントローラの場所へ移動する必要なく個々のユーザが自分の居る特定の部屋で作動している照明ユニットを制御できるようにする方法を提供する。
【0035】
光通信および給電ライン通信が特に魅力的であるが、他の形態の通信を利用することもできる。例えば、通信インタフェース41は、ローカルコントローラまたはリモートコントローラと通信するために使用されるWiFiリンクなどのRF通信リンク46を含むことができる。同様に、LED照明ユニット20は、有線イーサネットネットワークなどで使用されるタイプの配線通信ポート45を含むことができる。また、通信インタフェース内にマイクロフォンおよび音響トランスデューサを含ませることにより音響通信方式も使用できる。
【0036】
本発明の光分析機能は、光検出器が他の波長帯域で選択的に感度が良い場合に他の有用な情報を与えるために利用できる。例えば、周辺光センサのうちの1つが赤外線の光を測定する場合、LED照明ユニット20は、LED照明ユニット20の周囲の領域の温度に関する情報を与えることができる。そのような機能は火災探知の形態を与えることができる。
【0037】
また、光発生機能および光分析機能は、煙検出機能を与えるために利用できる。光発生部によって発生される光は、LED照明ユニットで発生される光を所定の周波数で変調し且つ適切な光検出器の出力の一部を変調周波数で検出することにより、LED照明ユニットの外側の周辺光から区別することができる。光源の外側の領域が煙で満たされる場合には、光発生部で発生される光のかなりの部分が、当該領域が煙で満たされていない場合よりも光分析器へと反射されて戻される。そのため、コントローラ51は、煙検出機能を与えることができる。煙検出の結果は、警報を発生する中央コントローラへ送ることができる。
【0038】
前述した煙検出機能は、光発生部21が光を発生しているときにだけ働く。しかしながら、赤外線の光を発生し且つ常にパルス駆動される更なるLEDを含めることにより、光発生部が可視領域の光を発生していない場合にこの機能を与えることができる。
【0039】
本発明の前述した実施形態はフォトダイオードに基づく光検出器を利用する。しかしながら、フォトトランジスタなどの他の形態の光検出器を利用することができる。
【0040】
本発明に対する様々な変形例は、前述した説明および添付図面から当業者に明らかとなる。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係るLED照明ユニットを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る光発生部の概略図である。
【図3A】3つの基本的な駆動方式の概略図である。
【図3B】3つの基本的な駆動方式の概略図である。
【図3C】3つの基本的な駆動方式の概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光分析器を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
20:LED照明ユニット
21:光発生部
31:光分析器
41:通信インタフェース
45:通信ポート
46:RF通信リンク
51:コントローラ
71:信号発信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニットであって、
LEDの複数のグループを有し、各グループは他のグループとは異なるスペクトルの光を発し、前記グループのうちの1つは複数のLEDを含む、光発生部と、
前記グループのそれぞれによって発生される光の輝度に関連する輝度信号を発生する光分析部と、
前記輝度信号に応答して前記各LEDを流れる電流を調整するコントローラと、
透明な窓を有し、前記光発生部および前記光分析部が内部にあるハウジングと、
前記照明ユニットの動作中に前記照明ユニットの外部の装置と通信してコマンドを受信するために前記コントローラが利用する第1の通信インタフェースと、
を備え、
前記光分析部は、前記ハウジングの外側の場所から発生する光の輝度に関連する周辺輝度信号も発生する、照明ユニット。
【請求項2】
前記コントローラが、前記周辺輝度信号の変化に応答して前記LEDのうちの1つを流れる電流を変える、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記グループのうちの1つが、そのグループのスペクトルの光を発する予備のLEDを有し、前記コントローラは、そのグループ内で欠陥があるLEDを検出するとともに、前記欠陥のあるLEDの代わりに前記予備のLEDを接続させる、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記コントローラが、前記周辺光輝度信号を特定する情報を前記第1の通信インタフェースによって送る、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記第1の通信インタフェースが、前記ハウジングの外側からの光信号を受信するための検出器を備えている、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項6】
外部電源から前記照明ユニットに給電するための給電インタフェースを更に備え、前記第1の通信インタフェースは、前記給電インタフェースを介して信号を受信するための受信器および送信器を備えている、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記第1の通信インタフェースが、RF信号を送信および受信するための送信器および受信器をそれぞれ備えている、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項8】
外部電源から前記照明ユニットに給電するための給電インタフェースと第2の通信インタフェースとを更に備え、該第2の通信インタフェースは、送信器と、前記給電インタフェースを介して前記信号を受信するための受信器とを備えている、請求項5に記載の照明ユニット。
【請求項9】
前記光分析部が、筐体の外側から受け取られる光スペクトルの赤外部の光を示す信号を発生する赤外線検出器を更に備えている、請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項10】
前記光信号が、前記照明ユニットのアドレスを指定する情報を含み、前記コントローラは、前記第2の通信インタフェースを介して受け取られた、そのアドレスに向けられたコマンドに応答する、請求項8に記載の照明ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−103319(P2008−103319A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−246508(P2007−246508)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(506076606)アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (129)
【Fターム(参考)】