説明

LED照明制御システム

【課題】LEDの照度を自由に変更できるLED照明制御システムを提供することを目的としている。
【解決手段】LED照明制御システムは、手摺り笠木2等の建築部材に設けられた照明装置取付用凹溝10に嵌合固定される本体ケースと、前記本体ケース内の長手方向に所定間隔を置いて取付けられ、夫々LED6が実装されてなる複数のLED基板と、前記LED6の照度を所定時間毎に変化させるLED制御ユニット100とを有してなることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダの手摺り等の建築部材に取り付けて使用されるLEDの照度を制御するLED照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ベランダで夜間に洗濯物を干すような場合、室内の照明がカーテン等で遮断されるとベランダが暗闇となって、物干し作業が非常にやり難くなることが知られている。そこで、そのような問題点を解消すべく、例えば、特許文献1に記載のようなLED照明装置を用いて物干し作業を行うことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−097763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなLED照明装置は固定された照度で周囲を照らすことしかできず、LEDの照度を自由に変更できるものではなかった。そのため、LEDの照度が低くても充分な時間帯であっても、照度が固定されているため常時同じ照度で周囲を照らさなければならず、無駄な電力を消費してしまうという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、LEDの照度を自由に変更できるLED照明制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明する。請求項1に係るLED照明制御システムは、手摺り笠木2等の建築部材に設けられた凹溝(照明装置取付用凹溝10)に嵌合固定される本体ケース12と、前記本体ケース12内の長手方向に所定間隔を置いて取付けられ、夫々LED6が実装されてなる複数のLED基板14と、前記LED6の照度を所定時間毎に変化させるLED制御ユニット100とを有してなることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係るLED照明制御システムは、上記請求項1に記載のLED照明制御システムにおいて、前記LED制御ユニット100は、前記LED6の照度を変化させるPWM信号を生成するPWM信号生成手段(PWM信号生成部104)を有してなることを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項3に係るLED照明制御システムは、上記請求項2に記載のLED照明制御システムにおいて、前記LED制御ユニット100は、さらに、前記LED6の所定時間毎の照度が設定可能な照度時間設定手段(タイマスイッチ部101,照度設定部103)を有し、前記PWM信号生成手段(PWM信号生成部104)は、前記照度時間設定手段(タイマスイッチ部101,照度設定部103)にて設定された照度に適したPWM信号を生成してなることを特徴としている。
【0009】
一方、請求項4に係るLED照明制御システムは、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載のLED照明制御システムにおいて、前記LED制御ユニット100は、前記LED6が使用される周囲の光量を検知する光量検知手段(光センサ107a)と、該光量検知手段(光センサ107a)にて検知した光量が所定レベルの閾値以上かあるいは以下かを判定する光量判定手段(光量判定部107b)と、該光量判定手段(光量判定部107b)の判定結果に応じて前記LED6の点灯/消灯を制御するLED駆動手段(LED駆動部102)とを有してなることを特徴としている。
【0010】
そして、請求項5に係るLED照明制御システムは、上記請求項4に記載のLED照明制御システムにおいて、前記LED制御ユニット100は、さらに、前記閾値を自由に設定可能な閾値設定手段(閾値設定部107c)を有してなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係るLED照明制御システムでは、手摺り笠木2等の建築部材に設けられた凹溝(照明装置取付用凹溝10)に嵌合固定される本体ケース12内に複数のLED基板14が所定間隔を置いて取付けられ、その各LED基板14には夫々LED6が実装されている。そして、これらLED6の照度をLED制御ユニット100によって、所定時間毎に変化させることができる。そのため、周囲がまださほど暗くなっていない時間帯には、低い照度で周囲を照らし、周囲が暗くなる時間帯には、より高い照度で周囲を照らすことができるため、本発明によれば、常時LED6の最大照度で周囲を照らした場合に比べ、電力を節電できることになる。それゆえ、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0012】
また、請求項2の発明によれば、LED制御ユニット100は、LED6の照度を変化させるPWM信号を生成するPWM信号生成手段(PWM信号生成部104)を有しているから、LED6の照度は、PWM信号にて変化することとなる。それゆえ、電圧自体は変化しないため、電力損失を低く抑えることができる。さらには、PWM信号にてLED6の照度を変化させることにより、LED6が常時点灯することがないため、LED6の温度上昇を抑えることができ、LED6の製品寿命を長く保つことができる。
【0013】
さらに、請求項3の発明によれば、LED制御ユニット100は、LED6の所定時間毎の照度が設定可能な照度時間設定手段(タイマスイッチ部101及び照度設定部103)を有しているから、使用者は、LED6を使用する周囲の周辺環境に応じてLED6の照度を設定することができる。
【0014】
一方、請求項4の発明によれば、光量検知手段(光センサ107a)にてLED6が使用される周囲の光量を検知し、その検知した光量が所定レベルの閾値以上かあるいは以下かを光量判定手段(光量判定部107b)に判定し、その判定結果に応じてLED駆動手段(LED駆動部102)が、上記LED6の点灯/消灯を制御する。それゆえ、LED6を使用する周囲の周辺環境に応じてLED6の点灯/消灯を制御することができるため、より消費電力を低く抑えることができる。
【0015】
さらに、請求項5の発明によれば、閾値設定手段(閾値設定部107c)にて、上記所定レベルの閾値を自由に設定できるから、LED6を使用する周囲の周辺環境に応じた設定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は本発明に係るLED照明制御システムの手摺りを室外側から見た正面図、(b)は(a)のA−A線拡大断面図である。
【図2】図1のB−B線拡大断面図である。
【図3】(a)は図2の矢印Cで示す部分の拡大図、(b)は(a)に示すLED照明装置を照明装置取付用凹溝に嵌め込もうとしている状態を示す拡大斜視図である。
【図4】LED照明装置を示す拡大斜視図である。
【図5】LED制御ユニットのブロック図である。
【図6】タイマスイッチ部の正面図である。
【図7】LEDの照度を所定時間毎に設定した場合の設定例を示すグラフ図である。
【図8】PWM信号の出力幅を夫々示し、(a)は出力幅100%のPWM信号を示す図、(b)は出力幅75%のPWM信号を示す図、(c)は出力幅50%のPWM信号を示す図、(d)は出力幅25%のPWM信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るLED照明制御システムの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。図1及び図2には、ベランダの室外側端部に設置されたLED照明制御システムの一部を構成する手摺り40を室外側から見たものが示されており、この手摺り40は、ベランダ通路Tの室外側端部に設けられた堰壁S上に沿って支柱1を一定間隔に立設し、これら支柱1・・・の上端部に手摺り笠木2を架け渡すと共に、隣り合う支柱1,1の下端部同士を下枠3によって連結し、隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内にガラス板(パネル)5を嵌装してなるものである。
【0018】
さらに詳しく、隣り合う両支柱1,1と手摺り笠木2と下枠3とで形成される区画4内でのガラス板5の取付構造について説明すると、左右各支柱1は、図1(b)及び図2に示すように、角筒状の支柱本体28と、この支柱本体28の室外側面に突設された目地枠29とからなる。そして、下枠3は、左右に対向する支柱1,1の目地枠29,29間に介装されていて、下枠3の端部が支柱本体28にビス30で固定されている。一方、ガラス板5は、その上端部が後述する手摺り笠木2の基枠8のガラス嵌合部11に嵌合され、左右各端部が目地枠29のガラス嵌合部32に嵌合された状態で、区画4内に嵌装されている。なお、符号33は、化粧カバーであって、支柱1の目地枠29を挟んで対向する両側の区画4,4の両下枠3,3の対向端面間の隙間34を覆い、ビス35によって両下枠に固定されている。
【0019】
ところで、手摺り笠木2は、図2に示すように、支柱1の上端面に載設固定されるアルミ押出形材製の基枠8と、この基枠8の上面側を覆うように流線形状に形成され、基枠8に対し取外し可能に係嵌固定されるアルミ押出形材製の笠木本体9とからなる。そして、手摺り笠木2全体の横断面形状において、通路T側端部2aが比較的細い流線型に形成され、その反対側の屋外側端部2bが比較的太い流線型に形成される。
【0020】
さらに、通路T側端部2aは、支柱1の通路側側面1aよりベランダ通路T側へ出っ張るように形成され、通路Tと反対側の端部である屋外側端部2bは、支柱1の屋外側側面1bよりも屋外側へ若干出っ張るように形成される。そして、この通路T側の出っ張り端部2aの下面側には、多数のLED6を笠木長手方向に一定間隔に配設してなるLED照明装置7が装備され、このLED照明装置7によってベランダ通路Tを照らすことができるようになっている。一方、屋外側端部2bの下面側には、当該端部2bと下枠3と隣り合う両支柱1,1とによって形成される区画4内に上記ガラス板5が嵌装されている。
【0021】
また、手摺り笠木2を形成する基枠8の下面には、図2及び図3(a)に示すように、手摺り笠木2の通路T側端部2aに、照明装置取付用凹溝10が手摺り笠木2の長手方向に沿ってその全長にわたり凹設されている。そして、図2に示すように、反対側の屋外側端部2bにはガラス板嵌合部11が凹設されている。さらに、図2又は図3(a)に示すように、上記基枠8の両側端部に被係嵌部8a,8bが形成され、笠木本体9の両側端には、基枠8の被係嵌部8a,8bに係嵌可能な係嵌部9a,9bが形成されている。これにより、笠木本体9は、その係嵌部9a,9bが基枠8の被係嵌部8a,8bに係嵌されて、基枠8に対し取外し可能に係嵌固定されることとなる。
【0022】
他方、上記LED照明装置7は、図3(a),(b)に示すように、手摺り笠木2の通路T側端部2aの下面に手摺り笠木2の長手方向に沿って凹設された照明装置取付用凹溝10に嵌合固定される。そして、図4に示すように、上記LED照明装置7は、所定長さに切断可能なアルミ押出形材からなる本体ケース12と、この本体ケース12内にその長手方向一定間隔に保持されて、夫々複数のLED6を定位置に実装した複数のLED基板14と、これらLED基板14を電気的に接続する接続配線15と、この接続配線15の両端部に設けられたジョイントコネクタ26,27とからなる。
【0023】
上記本体ケース12は、アルミ押出形材からなるもので、図3(a),(b)及び図4に示すように、両側壁部17,18と、両側壁部17,18の下端部側同士をつなぐ連結壁部19と、この連結壁部19の下面側の両側端部にLED基板14の両側端部が嵌合するように対向形成された両側一対の嵌合凹部20,21と、両側壁部17,18の夫々上端部に夫々外向きに突設されていて、上記照明装置取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの夫々奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌する両側一対の係嵌突起24,25とによって構成される。そして、この本体ケース12は、図3(b)に示すように、連結壁部19の下面と両側一対の嵌合凹部20,21との間にLED基板14を嵌合保持して、このLED基板14の下面側に取り付けられたLED6(図3(a)参照)を両側一対の嵌合凹部20,21の間から下方へ向けて発光できるようになっている。なお、両側壁部17,18は、図3(b)に示すように、上端部に形成された両係嵌突起24,25の外法幅Waが照明装置取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの内法幅Wbよりも僅かに大きくなるように形成されている。
【0024】
ここで、上記LED照明装置7を組み立てる方法を説明すると、まず、各LED基板14の表面側所定位置に、例えば2個のLED6(図4参照)と抵抗(図示省略)とを実装し、この基板14の裏面側にプリントされている配線(図示省略)に接続する。そして、本体ケース12を図4に示すように逆様に引っ繰り返した状態で、この本体ケース12の一端側から、所要数個のLED基板14・・・を、連結壁部19と両側一対の嵌合凹部20,21との間に挿入嵌合して、これらのLED基板14・・・を同図に示すように所定間隔に位置決めし、連結壁部19の背面側に逃がした接続配線15によって電気的に接続する。一方、接続配線15は、図4に示すように、当該両端部に夫々、ジョイントコネクタのオス端子26とメス端子27が取り付けられ、また、図3(a)に少しだけ示すように、LED基板14を配設した本体ケース12の連結壁部19の下部側には、シール材36が取り付けられている。このシール材36は、液状又は半液状の硬化性シリコン樹脂等で形成され、LED基板14を埋め尽くすと共に、LED6の表面のみが下向きに露出する状態となるように装填されている。これにより、防水処理が施される。なお、シール材36を硬化性シリコン樹脂で形成する場合は、LED基板14を連結壁部19の下部側に固定するための保持部材としてシール材36を利用することも可能である。
【0025】
このように組み立てられるLED照明装置7は、例えば図1(a)に示す手摺りの隣り合う支柱1,1間のピッチに相当する長さに形成され、その長さに形成された所要本数のLED照明装置7は、手摺り笠木2の通路T側端部2aの照明装置取付用凹溝10に対して、一端部側から順次、図3(b)に示すような状態で嵌め込まれ、手摺り笠木2の全長に亘ってその照明装置取付用凹溝10内で本体ケース12の端面同士が当接し合う状態になるように取り付けられる。そしてこの取付けの際、各LED照明装置7は、図4に示すようなジョイントコネクタのオス端子26とメス端子27とを、本体ケース12内で互いに他のLED照明装置7のジョイントコネクタのオス端子26とメス端子27との凹凸嵌合することによって相互に電気的に接続し、手摺り笠木2の全長に形成されている照明装置取付用凹溝10の全長に亘って一連のLED照明装置7・・・が間断なく連続的に取り付けられる。また、この一連のLED照明装置7・・・の一端側のジョイントコネクタ26,27は、図2に示す、LED制御ユニット100に電気的に接続されている。なお、この一連のLED照明装置7の他端側では、ジョイントコネクタのオス端子26とメス端子27と互いに係合させればよい。
【0026】
一方、LED照明装置7の本体ケース12を手摺り笠木2の照明装置取付用凹溝10に嵌合するにあたって、両側壁部17,18上端部の両係嵌突起24,25は図3(b)に示すように外法幅Waが照明装置取付用凹溝10の対向壁面10a,10bの内法幅Wbよりも僅かに大きいため、両側壁部17,18の上端部側を凹溝10に突入させて、係嵌突起24,25を凹溝10の壁面10a,10bに沿わせながら押し込むことにより、係嵌突起24,25が壁面10a,10bの奥部に設けられた係嵌凹部22,23に係嵌される。これにより、本体ケース12は、凹溝10に対し抜け出し不能に固定される。
【0027】
また、図3に示すように、本体ケース12の連結壁部19は両側壁部17,18に対し所定角度で斜光するように形成されている。それゆえ、この連結壁部19の下面に沿って取り付けられるLED基板14は、水平面に対し所定角度傾斜することとなる。ここで、例えば、LED基板14の所定角度の傾斜が、水平面に対し室内側上り傾斜30°だとすると、LED基板14の下面に配設されるLED6も水平面に対して30°傾斜することとなるため、手摺りの使用においてLED照明装置7のLED基板14のLED6から発光される光は、図2に示すように、手摺り笠木2の通路T側端部2aから室内側へ30°の傾斜角度でベランダ通路を照らすようになる。これにより、夜間ベランダで洗濯物を干すような場合に、上記のようにLED6を発光させれば、室内の照明がカーテン等で遮断されていても、ベランダが明るくなって物干しが非常にやり易くなる。また、手摺り笠木2の通路T側端部2a下面側に設けたLED照明装置7の使用によって、LED6が、ベランダ以外の段差のある通路や階段では、歩行者の足元を的確に照らすことができるため、歩行者の安全を充分に確保できる。なお、本実施形態においては、連結壁部19の下面に沿って取り付けられるLED基板14が水平面に対し所定角度傾斜している例を示したが、勿論傾斜させずとも良い。
【0028】
他方、上記LED制御ユニット100は、LED6の照度を所定時間毎に変化するように制御するもので、図5に示すように構成されるものである。すなわち、LED制御ユニット100は、図5に示すように、タイマスイッチ部101を有し、このタイマスイッチ部101は、上記所定時間を設定することができるものである。
【0029】
より詳しくは、タイマスイッチ部101は、図6に示すように5系統の出力回路CH1〜CH5を有し、この各出力回路CH1〜CH5は、各出力回路CH1〜CH5に夫々対応したスイッチ101a1〜101a5にて「入」/「切」することができるようになっている。さらに、タイマスイッチ部101は、LCD表示部101bを有し、現在の時刻、あるいは、各出力回路CH1〜CH5の設定時刻を確認できるようになっている。また、タイマスイッチ部101は、モード切替スイッチ101cを有し、このモード切替スイッチ101cを切り替えることで、上記各出力回路CH1〜CH5の設定モードあるいは動作モードを切り替えることができるようになっている。
【0030】
すなわち、このモード切替スイッチ101cが設定モードに切り替えられている時は、タイマスイッチ部101に設けられている時刻合わせキー101dを、例えば、長押しすることにより、LCD表示部101bに表示されている時刻及び各出力回路CH1〜CH5に対応している数字が点滅し、時刻を設定できるようになる。これにより、使用者は、各出力回路CH1〜CH5の動作開始時刻及び動作終了時刻を夫々時刻設定キー101e,101fを用いて所定の時刻に設定し、セットキー101gにて当該設定時刻をセットすることができる。そして、当該設定時刻をセットし終えた後モード切替スイッチ101cが動作モードに切り替えられると、各出力回路CH1〜CH5は、夫々設定された動作開始時刻に有効信号(「Hi」パルスあるいは「Low」パルス)を、LED駆動部102に出力し(図5参照)、動作終了時刻になると無効信号(動作開始時刻に出力されたパルスとは逆のパルス)をLED駆動部102に出力する。なお、各出力回路CH1〜CH5からは、通常無効信号が夫々出力されている。
【0031】
さらに、LED制御ユニット100は、図5に示すように、照度設定部103を有しており、上記のように構成されるタイマスイッチ101にて設定された所定時間毎のLED6の照度を設定することができる。すなわち、照度設定部103は、タイマスイッチ部101と同様5系統の出力回路が設けられており、その5系統の出力回路毎にLED6の照度を設定でき、その設定された照度設定値がPWM信号生成部104に出力されるというものである。
【0032】
具体的には、図7に示すように、タイマスイッチ部101にて、出力回路CH1の動作開始時刻が18時に動作終了時刻が20時に設定され、出力回路CH2の動作開始時刻が20時に動作終了時刻が22時に設定され、出力回路CH3の動作開始時刻が22時に動作終了時刻が0時に設定され、出力回路CH4の動作開始時刻が0時に動作終了時刻が2時に設定され、出力回路CH5の動作開始時刻が2時に動作終了時刻が6時に設定された際、その設定時間毎のLED6の照度を照度設定部103にて設定するものである。すなわち、出力回路CH1の動作時に、LED6の照度を30ルクスにしたい場合、LED6の最大照度を60ルクスとすると、その半分になるため、「50」と設定する。そして、出力回路CH2の動作時に、LED6の照度を60ルクスにしたい場合、そのままの照度であるため、「100」あるいは「00」と設定する。さらに、出力回路CH3の動作時に、LED6の照度を45ルクスにしたい場合、LED6の最大照度を60ルクスとすると、その3/4になるため、「75」と設定する。また、出力回路CH4の動作時に、LED6の照度を30ルクスにしたい場合、LED6の最大照度を60ルクスとすると、その半分になるため、「50」と設定する。そして、出力回路CH4の動作時に、LED6の照度を15ルクスにしたい場合、LED6の最大照度を60ルクスとすると、その1/4になるため、「25」と設定する。そして、このように設定されたこれら設定値がPWM信号生成部104に夫々出力されることとなる。なお、本実施形態にて説明した照度設定部103は、LED6の最大照度に対するパーセンテージを設定する例を示したが、直接、照度を設定するような構成にしても良い。
【0033】
一方、上記PWM信号生成部104は、上記照度設定部103に設定された設定値に応じたPWM信号を生成し、LED駆動部102に出力するものである。すなわち、上記照度設定部103にて設定された設定値が「100」あるいは「00」の場合は、PWM信号生成部104は、図8(a)に示すPWM信号を生成し、上記照度設定部103にて設定された設定値が「75」の場合は、図8(b)に示すPWM信号を生成し、上記照度設定部103にて設定された設定値が「50」の場合は、図8(c)に示すPWM信号を生成し、上記照度設定部103にて設定された設定値が「25」の場合は、図8(d)に示すPWM信号を生成し、夫々生成した信号をLED駆動部102に出力するものである。
【0034】
他方、LED駆動部102は、タイマスイッチ部101より出力される出力回路CH1〜CH5の出力信号に基づき、PWM信号生成部104にて生成された信号をD/A変換部105に出力するものである。具体的には、図7に示すように、タイマスイッチ部101にて、出力回路CH1の動作開始時刻が18時に動作終了時刻が20時に設定されている場合、その時間内、出力回路CH1より有効信号が出力されているため、LED駆動部102は、その有効信号に基づき、照度設定部103にて最初に設定された値「50」に応じたPWM信号(図8(c)参照)を選択し、D/A変換部105に出力する。また、タイマスイッチ部101にて、出力回路CH2の動作開始時刻が20時に動作終了時刻が22時に設定されていると、その時間内、出力回路CH2より有効信号が出力されているため、LED駆動部102は、その有効信号に基づき、照度設定部103にて2番目に設定された値「100」あるいは「00」に応じたPWM信号(図8(a)参照)を選択し、D/A変換部105に出力する。そして、タイマスイッチ部101にて、出力回路CH3の動作開始時刻が22時に動作終了時刻が0時に設定されていると、その時間内、出力回路CH3より有効信号が出力されているため、LED駆動部102は、その有効信号に基づき、照度設定部103にて3番目に設定された値「75」に応じたPWM信号(図8(b)参照)を選択し、D/A変換部105に出力する。さらに、タイマスイッチ部101にて、出力回路CH4の動作開始時刻が0時に動作終了時刻が2時に設定されていると、その時間内、出力回路CH4より有効信号が出力されているため、LED駆動部102は、その有効信号に基づき、照度設定部103にて4番目に設定された値「50」に応じたPWM信号(図8(c)参照)を選択し、D/A変換部105に出力する。そして、タイマスイッチ部101にて、出力回路CH5の動作開始時刻が2時に動作終了時刻が6時に設定されていると、その時間内、出力回路CH5より有効信号が出力されているため、LED駆動部102は、その有効信号に基づき、照度設定部103にて最後に設定された値「25」に応じたPWM信号(図8(d)参照)を選択し、D/A変換部105に出力するというものである。なお、D/A変換部105は、上記LED駆動部102より出力されたデジタル信号をアナログ変換し、LED6へ出力するものである。
【0035】
しかして、LED6の照度は、上述したようにPWM信号にて変化させるものであるから、電圧自体は変化しないため、電力損失を低く抑えることができる。さらには、PWM信号にてLED6の照度を変化させることにより、LED6が常時点灯することがないため、LED6の温度上昇を抑えることができ、LED6の製品寿命を長く保つことができる。また、タイマスイッチ部101及び照度設定部103にて、所定時間毎のLED6の照度を設定することができるから、使用者は、LED6を使用する通路T(図2参照)周辺の環境に応じて自由にLED6の照度を設定することができる。
【0036】
ところで、LED駆動部102には、図5に示すように、さらに、人感センサ106と光センサ部107が電気的に接続されている。人感センサ106は、当該人感センサ106から所定の範囲内に人が存在するか否かを検知するもので、その検知内容がLED駆動部102に出力される。LED駆動部102は、人感センサ106より受信した信号に基づき、人を検知した場合は、上述した所定時間毎に設定されたPWM信号を出力し、人を検知していない場合は、上記PWM信号の出力を停止する。これにより、LED6を無駄に点灯させることがないため、消費電力を低く抑えることができる。
【0037】
一方、光センサ部107は、図5に示すように、光センサ107aと、光量判定部107bと、閾値設定部107cと、光センサスイッチ部107dとで構成されている。光センサ107aは、フォトダイオード等の光電変換素子よりなり、通路T(図2参照)周辺の光量を検知し、その検知した光量を光量判定部107bに出力する。光量判定部107bは、上記検知された光量が所定レベルの閾値以上か以下かを判定し、上記検知された光量が所定レベルの閾値以下であれば、LED6を点灯させる指令信号をLED駆動部102に出力し、上記検知された光量が所定レベルの閾値以下であれば、LED6を消灯させる指令信号をLED駆動部102に出力する。また、閾値設定部107cは、上記所定レベルの閾値を自由に設定できるものであり、設定された値が光量判定部107bに出力される。これにより、LED6を使用する通路T(図2参照)の周辺環境に応じた設定をすることができる。さらに、光センサスイッチ部107dは、光センサ107aの動作をON/OFFすることができるもので、その設定されたON/OFF信号を光量判定部107bに出力する。なお、光量判定部107bは、上記光センサスイッチ部107dよりOFF信号が出力された際、LED駆動部102に光センサ107aの動作を停止させたとの信号を出力する。すなわち、この場合、LED駆動部102に光センサ部107が電気的に接続されていないことと同様の状態となる。
【0038】
一方、LED駆動部102は、上記LED6の点灯/消灯の指令信号及び人感センサ106の信号に基づき、上述した所定時間毎に設定されたPWM信号を出力あるいはその出力を停止させるものである。すなわち、上記光量判定部107bにて判定した信号がLED6を点灯させる指令信号でなお且つ人感センサ106にて人を検知した場合、LED駆動部102は、上述した所定時間毎に設定されたPWM信号を出力する。そして、上記光量判定部107bにて判定した信号がLED6を点灯させる指令信号でなお且つ人感センサ106にて人を検知していない場合、LED駆動部102は、上述した所定時間毎に設定されたPWM信号を停止する。さらに、上記光量判定部107bにて判定した信号がLED6を消灯させる指令信号の場合、LED駆動部102は、人感センサ106における人の検知の有無に関わらず、上述した所定時間毎に設定されたPWM信号を停止する。これにより、LED6を無駄に点灯させることがないため、消費電力を低く抑えることができる。なお、タイマスイッチ部101にて設定された所定時間以外に、上記光量判定部107bにて判定した信号がLED6を点灯させる指令信号でなお且つ人感センサ106にて人を検知した場合は、LED駆動部102より図8(a)〜(d)に示す何れかのPWM信号を出力させるようにしておけばよい。
【0039】
しかして、上記詳述した本実施形態によれば、手摺り笠木2等の建築部材に設けられた照明装置取付用凹溝10に嵌合固定される本体ケース12内に複数のLED基板14が所定間隔を置いて取付けられ、その各LED基板14には夫々LED6が実装されている。そして、これらLED6の照度をLED制御ユニット100によって、所定時間毎に変化させることができる。そのため、例えば、図7に示すように、周囲がまださほど暗くなっていない時間帯は、低い照度で周囲を照らし、周囲が暗くなる時間帯には、より高い照度で周囲を照らすことができる。それゆえ、本実施形態によれば、LED6の最大照度で周囲を照らした場合に比べ、図7に示す斜線部分の電力が節電できることとなるから、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、図示は省略しているが、LED制御ユニット100の電源は、外部電源を用いても良いし、内蔵バッテリを用いても良い。
【0041】
また、本実施形態においては、人感センサ106と光センサ部107を2つ設ける例を示したが、人感センサのみ又は光センサ部のみを設けても良いことは言うまでもない。
【0042】
さらに、本実施形態によれば、LED6の所定時間毎の照度の設定を、タイマスイッチ部101と照度設定部103の2つを用いて設定する例を示したが、勿論タイマスイッチ部101と照度設定部103を融合させたもの(例えば、図6に示す装置で照度を設定できるようにしたもの)で設定できるようにしても良い。また、本実施形態では、タイマスイッチ部101と照度設定部103は5系統の出力回路を設ける例を示したが、5系統に限らず、何系統でも良い。
【符号の説明】
【0043】
2 手摺り笠木
6 LED
10 照明装置取付用凹溝(凹溝)
12 本体ケース
14 LED基板
100 LED制御ユニット
101 タイマスイッチ部(照度時間設定手段)
102 LED駆動部(LED駆動手段)
103 照度設定部(照度時間設定手段)
104 PWM信号生成部(PWM信号生成手段)
107 光センサ部
107a 光センサ(光量検知手段)
107b 光量判定部(光量判定手段)
107c 閾値設定部(閾値設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺り笠木等の建築部材に設けられた凹溝に嵌合固定される本体ケースと、
前記本体ケース内の長手方向に所定間隔を置いて取付けられ、夫々LEDが実装されてなる複数のLED基板と、
前記LEDの照度を所定時間毎に変化させるLED制御ユニットとを有してなるLED照明制御システム。
【請求項2】
前記LED制御ユニットは、前記LEDの照度を変化させるPWM信号を生成するPWM信号生成手段を有してなる請求項1に記載のLED照明制御システム。
【請求項3】
前記LED制御ユニットは、さらに、前記LEDの所定時間毎の照度が設定可能な照度時間設定手段を有し、
前記PWM信号生成手段は、前記照度時間設定手段にて設定された照度に適したPWM信号を生成してなる請求項2に記載のLED照明制御システム。
【請求項4】
前記LED制御ユニットは、前記LEDが使用される周囲の光量を検知する光量検知手段と、該光量検知手段にて検知した光量が所定レベルの閾値以上かあるいは以下かを判定する光量判定手段と、該光量判定手段の判定結果に応じて前記LEDの点灯/消灯を制御するLED駆動手段とを有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のLED照明制御システム。
【請求項5】
前記LED制御ユニットは、さらに、前記閾値を自由に設定可能な閾値設定手段を有してなる請求項4に記載のLED照明制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−174627(P2012−174627A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37866(P2011−37866)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成22年11月17日〜19日 社団法人日本能率協会主催の「第32回ジャパンホーム&ビルディングショー「ジャパンホームショー2010」」に出品
【出願人】(000131120)株式会社サンレール (23)
【Fターム(参考)】