説明

LED照明器具装置

【課題】照度を保ちながら眩しさを感じさせない照明器具装置を提供する。
【解決手段】LED照明器具装置100は、異なる波長で発光する複数の発光ダイオード(LED)と、複数の発光ダイオードの出力を調整するための制御部110とを備え、複数の発光ダイオードは、500nm以下の短波長で発光する短波長LED群120と、500nmよりも長い波長で発光するLED群130とを含み、制御部110は、短波長LED群120の出力を停止または減少させることが可能であるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光ダイオード(LED)を光源とする照明器具装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置は、白熱電球や蛍光灯を使用したものが一般的である。白熱電球や蛍光灯などの光源を備える照明器具装置においては、従来、光源の出力を抑えて、人の目に入る光の量を減少させることによって、眩しさを低減させている。
【0003】
例えば、特開平9−7771号公報(特許文献1)に記載の点灯スイッチ装置においては、周囲の明るさを検知する照度センサーの検知結果によって、ランプを全点灯するか減光するかを制御する。周囲が暗い場合には、ランプを消灯状態から徐々に明るくして、全点灯よりも出力の低い減光レベルまで、ランプの出力を上げる。
【0004】
また、特開平9−266073号公報(特許文献2)に記載の照明器具は、深夜にランプを点灯する場合には、人の顔面周辺の照度が1〜5ルックス程度になるようにランプの出力を制御している。
【特許文献1】特開平9−7771号公報
【特許文献2】特開平9−266073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開平9−7771号公報(特許文献1)に記載の点灯スイッチ装置や、特開平9−266073号公報(特許文献2)に記載の照明装置のように、光源の出力を減少させて減光して照明の調光を行なう照明器具装置の場合、全体の照度をかなり下げなければ眩しさを感じる。眩しさを感じない程度にまで照度を下げるためには、光源の出力をかなり減少させる必要がある。眩しさを感じない程度にまで光源の出力を減少させると、照明を点灯させていても周囲の状況が視認しにくくなるので、安全上好ましくない。
【0006】
そこで、この発明の目的は、照度を保ちながら眩しさを感じさせない照明器具装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に従ったLED照明器具装置は、異なる波長で発光する複数の発光ダイオード(LED)と、複数の発光ダイオードの出力を調整するための制御手段とを備え、複数の発光ダイオードは、500nm以下の短波長で発光する第一の発光ダイオードと、500nmよりも長い波長で発光する第二の発光ダイオードとを含み、制御手段は、第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させることが可能であるように構成されている。
【0008】
従来の照明器具装置に用いられる白熱電球や蛍光灯などの光源からは、様々な波長の光が放射されている。可視領域の光であっても、短波長の光はエネルギーが強く、このような光が目に入ると眩しさを感じる原因となる。
【0009】
したがって、白熱灯や蛍光灯の眩しさを低減させる場合のように全ての波長の光について出力を停止または減少させて光の量を減らして眩しさを低減させるのではなく、特に眩しさを感じさせやすい短波長の光のみを出力停止または減少させることによって、照度を保ちながら眩しさを低減させることができる。
【0010】
そこで、特定の波長の光で発光することが可能な発光ダイオード(LED)を照明器具装置の光源として用いる。異なる波長で発光する複数の発光ダイオードを用いることによって、特定の波長の光で発光する発光ダイオードだけを出力停止または減光させることができ、また、様々な色の照明に調光することができる。500nm以下の短波長で発光する第一の発光ダイオードと、500nmよりも長い波長で発光する第二の発光ダイオードとを光源とすることによって、可視領域の光のうち、眩しさの原因となる500nm以下の短波長の光だけを選択して照射停止または減光することができる。
【0011】
このようにすることにより、照度を保ちながら眩しさを感じさせない照明器具装置を提供することができる。
【0012】
また、網膜色素変性症などの網膜疾患、角膜疾患などがあり眩しさを感じやすい人にとっても、眩しさを感じさせず明るい照明が可能となる。眩しさが低減されるので、コントラストが明瞭に見える照明となる。
【0013】
この発明に従ったLED照明器具装置においては、制御手段は、使用者が第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させるための出力切替手段を含むことが好ましい。
【0014】
このようにすることにより、使用者の必要に応じて、眩しさを低減させた照明と、光量を上げて明るくした照明とを切り替えることができる。
【0015】
この発明に従ったLED照明器具装置は、所定の時間帯を記憶するための記憶手段を備え、制御手段は、記憶手段に記憶されている所定の時間帯において、第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させるように第一の発光ダイオードを制御する所定時間帯制御を行い、記憶手段に記憶されている所定の時間帯以外の時間帯において、所定時間帯制御を行なわないことが好ましい。
【0016】
このようにすることにより、例えば所定の時間帯を深夜に設定した場合、使用者が意識して照明を調整しなくても、眩しさを低減させた照明を点灯させることができるので、眩しい照明によって覚醒してしまい、その後寝付けなくなることを防ぐことができる。
【0017】
この発明に従ったLED照明器具装置は、発光ダイオードの周囲の照度を検知するための照度検知手段を備え、制御手段は、照度検知手段によって検知される照度が所定の値よりも小さい場合には、第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させるように第一の発光ダイオードを制御することが好ましい。
【0018】
このようにすることにより、周囲が暗い場合には自動的に眩しさを低減させた照明を点灯し、周囲が明るい場合には自動的に照度の高い照明を点灯することが可能となる。周囲の明るさに応じて眩しさを低減させた照明を使用することができるので、明るさに目が慣れていない状態で急に眩しい光を見ることを防ぐことができる。また、周囲が明るい場合に照明の照度を高くすることによって、効率のよい照明をすることができる。
【0019】
この発明に従ったLED照明器具装置においては、制御手段は、第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させる場合には、第二の発光ダイオードの出力を調整するように第一の発光ダイオードと第二の発光ダイオードを制御することが好ましい。
【0020】
眩しさを低減するために500nm以下の短波長の光を照射停止したり減光したりすると、照明光から青や紫の光が除かれるので、照明の色は赤みが強くなる。
【0021】
そこで、このようにすることにより、眩しさを低減させた照明にした場合にも、第二の発光ダイオードの出力を調整して照明の色味や全体の光量を調整することによって、眩しさを低減させた光が極端に赤いなどの色味から受ける不快感を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、照度を保ちながら眩しさを感じさせない照明器具装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施の形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、LED照明器具装置100は、制御手段として制御部110と、500nm以下の短波長で発光する第一の発光ダイオードとして短波長LED群120と、500nmよりも長い波長で発光する第二の発光ダイオードとして非短波長LED群130と、電源部140と、照明の点灯と消灯とを切り替えるためのスイッチ部150とを備える。短波長LED群120は、それぞれ異なる波長の光を発光するLEDa1、LEDa2・・・LEDanのn個のLEDを含む。非短波長LED群130は、それぞれ異なる波長の光を発光するLEDb1、LEDb2・・・LEDbmのm個の発光ダイオードを含む。短波長LED群120と非短波長LED群130は、それぞれ、同一の波長で発光する発光ダイオードを複数個含んでいてもよい。
【0026】
短波長LED群120と非短波長LED群130を構成する個々の発光ダイオードには、制御部110を介して電源部140から電力が供給される。制御部110は、短波長LED群120と非短波長LED群130を構成する個々の発光ダイオードの出力を調整する。ここで、制御部110が短波長LED群120を構成する個々の発光ダイオードの出力を停止または減少させるときの照明を「遮光モード」といい、「遮光モード」でない照明を「通常モード」という。
【0027】
制御部110は、「遮光モード」の照明を行なうときには、非短波長LED群130を構成する個々の発光ダイオードの出力を調整して、光量が小さくなり過ぎて眩しさは感じないが周囲の視認が困難になるということや、非短波長LED群130のみによる照明でも光量が大き過ぎて眩しさが解消されないといったことがないようにし、また、照明光の赤みが強くなり過ぎないようにする。
【0028】
使用者は、スイッチ部150をONにして照明を点灯させ、スイッチ部150をOFFにして照明を消灯させることができる。
【0029】
図2は、この発明の第1実施形態として、LED照明器具装置の全ての発光ダイオードを点灯するときの照明光の分光分布図である。
【0030】
図2に示すように、500nm以下の短波長で発光する短波長LED群120を構成する発光ダイオード(LEDa1、LEDa2・・・LEDan)と、500nmよりも長い波長で発光する非短波長LED群130を構成する発光ダイオード(LEDb1、LEDb2・・・LEDbm)が全て点灯することによって、500nm以下の短波長領域Aと500nmよりも長い波長の領域Bを含む可視光範囲内の全範囲にわたって光の分布が広がっている。図2中には複数のピーク波長が見られるが、個々の発光ダイオードの出力を調整することによって、各波長におけるピークの相対強度比が調整され、発光ダイオードが発光する様々な波長の光の混合による照明色が得られる。このように、発光ダイオードを光源に用いることによって、明るく演色性のよい照明装置100を実現することができる。
【0031】
図3は、この発明の第1実施形態として、短波長LED群を構成する発光ダイオードを全て消灯するときの照明光の分光分布図である。
【0032】
図3に示すように、制御部110が短波長LED群120を構成する発光ダイオードを全て消灯させるように制御して「遮光モード」の照明を行なうときには、500nm以下の短波長領域Aの光は見られなくなる。500nmよりも長い波長の領域Bには、非短波長LED群130を構成する発光ダイオードの波長と出力に対応して複数のピークが見られる。
【0033】
ここでは「遮光モード」として、500nm以下の全波長の発光ダイオードについて出力を停止しているが、500nm以下の波長のうち一部の波長の発光ダイオードのみ出力を停止してもかまわないし、出力を完全に停止せずに出力を減少させることによっても眩しさを低減することができる。
【0034】
このように、LED照明器具装置100は、異なる波長で発光する複数の発光ダイオード(LED)と、複数の発光ダイオードの出力を調整するための制御部110とを備え、複数の発光ダイオードは、500nm以下の短波長で発光する短波長LED群120と、500nmよりも長い波長で発光する非短波長LED群130とを含み、制御部110は、短波長LED群120の出力を停止または減少させることが可能であるように構成されている。
【0035】
従来の照明器具装置に用いられる白熱電球や蛍光灯などの光源からは、様々な波長の光が放射されている。可視領域の光であっても、短波長の光はエネルギーが強く、このような光が目に入ると眩しさを感じる原因となる。
【0036】
したがって、白熱灯や蛍光灯の眩しさを低減させる場合のように全ての波長の光について出力を停止または減少させて光の量を減らして眩しさを低減させるのではなく、特に眩しさを感じさせやすい短波長の光のみを出力停止または減少させることによって、照度を保ちながら眩しさを低減させることができる。
【0037】
そこで、特定の波長の光で発光することが可能な発光ダイオード(LED)を照明器具装置100の光源として用いる。異なる波長で発光する複数の発光ダイオード(短波長LED群120、LED郡130)を用いることによって、様々な色の照明に調光することができる。このようなLED照明器具装置100においては、可視領域の光のうち、眩しさの原因となる500nm以下の短波長の光だけを照射停止または減光することができる。
【0038】
このようにすることにより、照度を保ちながら眩しさを感じさせないLED照明器具装置100を提供することができる。
【0039】
また、網膜色素変性症などの網膜疾患、角膜疾患などがあり眩しさを感じやすい人にとっても、眩しさを感じさせず明るい照明が可能となる。眩しさが低減されるので、コントラストが明瞭に見える照明となる。
【0040】
また、この発明に従ったLED照明器具装置100においては、制御部110は、短波長LED群120の発光ダイオードの出力を停止または減少させる場合には、非短波長LED群130の出力を調整するように短波長LED群120のLEDa1、LEDa2・・・LEDanと、非短波長LED群130のLEDb1、LEDb2・・・LEDbmを制御する。
【0041】
眩しさを低減するために500nm以下の短波長の光を照射停止したり減光したりすると、照明光から青や紫の光が除かれるので、照明の色は赤みが強くなる。
【0042】
そこで、このようにすることにより、眩しさを低減させた照明にした場合にも、非短波長LED群130の出力を調整して照明の色味や全体の光量を調整することによって、眩しさを低減させた光が極端に赤いなどの色味から受ける不快感を抑制することができる。
【0043】
(第2実施形態)
図4は、この発明の第2実施形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【0044】
図4に示すように、LED照明器具装置101は、第1実施形態のLED照明器具装置100と異なる点として、スイッチ部150が電源スイッチ151と出力切替手段として遮光スイッチ152を含む。照明器具装置101のその他の構成は、第1実施形態の照明器具装置100と同様である。
【0045】
電源スイッチ151は、照明の点灯と消灯を切り替えるためのスイッチである。遮光スイッチ152は、短波長LED群120の出力を停止または減少させる「遮光モード」の照明と、短波長LED群120と非短波長LED群130の全ての発光ダイオードを点灯させる照明とを切り替えるためのスイッチである。使用者によって電源スイッチ151と遮光スイッチ152が操作されると、電源スイッチ151と遮光スイッチ152は制御部110に制御信号を送信し、制御部110は、電源スイッチ151と遮光スイッチ152から受信した制御信号に基づいて、短波長LED群120と非短波長LED群130の発光ダイオードの出力を制御する。
【0046】
使用者は、電源スイッチ151をONにして照明を点灯させ、電源スイッチ151をOFFにして照明を消灯させることができる。また、使用者が遮光スイッチ152をONにすると「遮光モード」になり、使用者が遮光スイッチ152をOFFにすると、短波長LED群120の発光ダイオードも非短波長LED群130の発光ダイオードと同様に、出力を停止または減少されないで点灯する。
【0047】
遮光スイッチ152の操作を通して出力の停止または減少を制御することが可能な発光ダイオードは、500nm以下の全波長領域の発光ダイオードの全てではなく、500nm以下の一部の波長で発光する発光ダイオードのみであってもかまわない。また、遮光スイッチ152は電源スイッチ151と別々でなく、ひとつのスイッチで兼用されてもかまわない。
【0048】
このように、LED照明器具装置101においては、制御部110は、使用者が短波長LED群120の出力を停止または減少させるための遮光スイッチ152を含む。
【0049】
このようにすることにより、使用者の必要に応じて、眩しさを低減させた照明と、光量を上げて明るくした照明とを切り替えることができる。
【0050】
第2実施形態のLED照明器具装置101のその他の効果は、第1実施形態のLED照明器具装置100と同様である。
【0051】
(第3実施形態)
図5は、この発明の第3実施形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【0052】
図5に示すように、LED照明器具装置102は、第2実施形態のLED照明器具装置101と異なる点として、記憶手段としてタイマ部160を備える。タイマ部160は、所定の時間帯を記憶し、また、現在の時刻を検知することができる。タイマ部160は、工場出荷時に設定された時間帯を記憶してもよいし、使用者が使用開始時や使用中に設定した時間帯を記憶してもかまわない。タイマ部160は現在の時刻を検知して制御部110に制御信号を送信する。照明器具装置102のその他の構成は、第2実施形態の照明器具装置101と同様である。
【0053】
図6は、本発明の第3実施形態にかかる、本発明のLED照明器具装置におけるタイマ制御の制御処理を順に示すフローチャートである。本フローチャートは、制御部110で実行するプログラムのメインルーチン内のひとつのサブルーチンとして実行される。以下の工程において、所定の判断を行う主体は制御部110である。
【0054】
図6に示すように、ステップS001では、制御部110が、電源スイッチ151がON状態にあるかどうかを判定する。電源スイッチ151がOFFになっており、照明が消灯されていれば、サブルーチンを抜ける。電源スイッチ151がON状態にあり、照明が点灯していれば、ステップS002に進む。
【0055】
ステップS002では、制御部110が、遮光スイッチ152がONにされているかどうかを確認する。遮光スイッチ152がONにされて、照明が「遮光モード」になっていれば、サブルーチンを抜ける。遮光スイッチ152がOFFにされて、照明が「遮光モード」ではない「通常モード」になっていれば、ステップS003に進む。
【0056】
ステップS003では、制御部110が、タイマ部160が記憶している所定の時間帯を確認し、ステップS004に進む。ステップS004では、タイマ部160が現在の時刻を検知し、制御部110に制御信号を送信する。ステップS005では、タイマ部160から受信した制御信号に基づいて、現在の時刻が、タイマ部160に記憶されている所定の時間帯内であるかどうかを制御部110が判定する。現在の時刻がタイマ部160に記憶されている所定の時間帯内であれば、ステップS006に進み、制御部110が短波長LED群120と非短波長LED群130の出力を制御して、「遮光モード」の照明を行ない、その後、サブルーチンを抜ける。
【0057】
現在の時刻がタイマ部160に記憶されている所定の時間帯内の時刻でなければ、ステップS007に進む。ステップS007においては、「通常モード」の照明を行なうように制御部110が短波長LED群120と非短波長LED群130の出力を制御する。このとき、ステップS006において制御部110が「遮光モード」の照明を行なうように短波長LED群120を制御していれば、「遮光モード」から「通常モード」の照明に戻ることになるが、ステップS006において制御部110が「遮光モード」の照明を行なうように短波長LED群120を制御していなければ、「通常モード」の照明が維持される。
【0058】
このように、LED照明器具装置102は、遮光スイッチ152がON状態にされておらず照明が「通常モード」で点灯されている時に所定の時間帯になると、自動的に「遮光モード」に移行する。また、照明が消灯されている時に所定の時間帯になれば、使用者によって次に電源スイッチ151がONにされた時に、「遮光モード」で点灯する。所定の時間帯において「遮光モード」に移行する制御を行なった場合には、所定の時間帯を過ぎても照明が点灯されている場合には、「遮光モード」から「通常モード」に戻すように制御を行なう。ただし、遮光スイッチ152がON状態にされている場合には、所定の時間帯を過ぎて「遮光モード」で点灯されていても「通常モード」に移行せず、「遮光モード」を維持する。
【0059】
このように、LED照明器具装置102は、所定の時間帯を記憶するためのタイマ部160を備え、制御部110は、タイマ部160に記憶されている所定の時間帯において、短波長LED群120の出力を停止または減少させるように短波長LED群120を制御する時間帯制御を行い、タイマ部160に記憶されている所定の時間帯以外の時間帯において、時間帯制御を行なわない。
【0060】
このようにすることにより、例えば所定の時間帯を深夜に設定した場合、使用者が意識して照明を調整しなくても、眩しさを低減させた照明を点灯させることができるので、眩しい照明によって覚醒してしまい、その後寝付けなくなることを防ぐことができる。
【0061】
第3実施形態のLED照明器具装置102のその他の効果は、第2実施形態のLED照明器具装置101と同様である。
【0062】
(第4実施形態)
図7は、この発明の第4実施形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
図7に示すように、LED照明器具装置103は、第2実施形態のLED照明器具装置101と異なる点として、照度検知手段としてセンサ部170を備える。センサ部170は、LED照明器具装置103の周囲の照度を検知する。センサ部170が検知した照度の情報は、制御部110に格納される。
【0064】
照明時にセンサ部170によって検知された照度が所定の照度以下であれば、制御部110は、「遮光モード」の照明を行なうように短波長LED群120のLEDの出力を制御する。また、使用者が電源スイッチ151をONにして照明を点灯する時には、使用者が電源スイッチ151をONにする前にセンサ部170によって検知された照度が所定の照度以下であれば、「遮光モード」を優先して点灯する。
【0065】
このように、LED照明器具装置103は、発光ダイオードの周囲の照度を検知するためのセンサ部170を備え、制御部110は、センサ部170によって検知される照度が所定の値よりも小さい場合には、短波長LED群120の出力を停止または減少させるように短波長LED群120を制御する。
【0066】
このようにすることにより、周囲が暗い場合には自動的に眩しさを低減させた照明を点灯し、周囲が明るい場合には自動的に照度の高い照明を点灯することが可能となる。周囲の明るさに応じて眩しさを低減させた照明を使用することによって、明るさに目が慣れていない状態で急に眩しい光を見ることを防ぐことができる。また、周囲が明るい場合に照明の照度を高くすることによって、効率のよい照明をすることができる。
【0067】
第4実施形態のLED照明器具装置103のその他の効果は、第2実施形態のLED照明器具装置101と同様である。
【0068】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の第1実施の形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の第1実施形態として、LED照明器具装置の全てのLEDを点灯するときの照明光の分光分布図である。
【図3】この発明の第1実施形態として、短波長LED群を構成するLEDを全て消灯するときの照明光の分光分布図である。
【図4】この発明の第2実施形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の第3実施形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態にかかる、本発明のLED照明器具装置におけるタイマ制御の制御処理を順に示すフローチャートである。
【図7】この発明の第4実施形態として、LED照明器具装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0070】
100〜103:LED照明器具装置、110:制御部、120:短波長LED群、130:非短波長LED群、152:遮光スイッチ、160:タイマ部、170:センサ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる波長で発光する複数の発光ダイオード(LED)と、
前記複数の発光ダイオードの出力を調整するための制御手段とを備え、
前記複数の発光ダイオードは、500nm以下の短波長で発光する第一の発光ダイオードと、500nmよりも長い波長で発光する第二の発光ダイオードとを含み、
前記制御手段は、前記第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させることが可能であるように構成されている、LED照明器具装置。
【請求項2】
前記制御手段は、使用者が前記第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させるための出力切替手段を含む、請求項1に記載のLED照明器具装置。
【請求項3】
所定の時間帯を記憶するための記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている所定の時間帯において、前記第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させるように前記第一の発光ダイオードを制御する所定時間帯制御を行い、前記記憶手段に記憶されている所定の時間帯以外の時間帯において、前記所定時間帯制御を行なわない、請求項1または請求項2に記載のLED照明器具装置。
【請求項4】
前記発光ダイオードの周囲の照度を検知するための照度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記照度検知手段によって検知される照度が所定の値よりも小さい場合には、前記第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させるように前記第一の発光ダイオードを制御する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のLED照明器具装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第一の発光ダイオードの出力を停止または減少させる場合には、前記第二の発光ダイオードの出力を調整するように前記第一の発光ダイオードと前記第二の発光ダイオードを制御する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のLED照明器具装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−210535(P2008−210535A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43343(P2007−43343)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】