説明

LED駆動制御装置

【課題】LEDからの発光を利用することでエネルギーの効率化の向上を図る。
【解決手段】LEDの順方向に電流が流されると光エネルギーを放出させ、逆にLEDに光が当てられると発電素子として機能する2系統のLED15,16を備え、一方の系統が発光状態にある間は、他方の系統は発電素子として動作させる。発電されたエネルギーは、発光している系統のLED15(16)の駆動電源の一部として用いる。これにより、発光している系統のLED15(16)から得られたエネルギーを、受光している系統のLED16(15)を駆動する回路に、回生回路17を介して回生させ、発光する系統のLED16(15)の補助電源としての利用やエネルギーの効率向上に寄与させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED(発光ダイオード)を高効率で発光させるLED駆動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDを駆動させる手段としては、LEDと同じような光電効果を利用したフォトダイオードを、光量に応じたフォトダイオードのインピーダンス変化を利用した光センサーとしたりし、発光中のLEDの発光量を検出して、複数のLEDアレーの光量を均一化させている。(例えば、特許文献1)
また、ソーラーパネル、ソーラーバッテリーなどの太陽電池と蓄電池とを組み合わせ、昼間は蓄電池を充電し、夜間は蓄電池よりLEDに駆動電流を与えるシステムなども考えられている。(例えば、特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−141799公報
【特許文献1】特開2008−287206公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の技術は、発光素子であるLEDから発生された光を受光素子であるフォトダイオードで受光するものであるが、発光効率は、LEDそのものの発光効率で決定されることから、入力電源を超えた発光能力を望むことは困難であった。
【0005】
特許文献2の技術は、電源をソーラーパネルや蓄電池に頼ることにより、一見電源は無しに等しいが、LEDの駆動回路から見ると、蓄電池からの電流を消費しているにすぎず、複数のLEDアレーを点灯させる場合においては、消費電力が大きくなるため、蓄電池が大型化し、それよってソーラーパネルも大型化することになってしまう。従って、ソーラーパネルや蓄電池の製造工程や運搬工程においてエネルギー消費が増大することになり、LEDの省エネルギー性能を低下させる、という問題があった。
【0006】
この発明の目的は、LEDの発光を利用することでエネルギーの効率化を図った、LED駆動制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、この発明のLED駆動制御装置は、発光素子および受光素子機能をそれぞれ備えた第1および第2のLEDと、前記第1および第2のLEDが発光素子として駆動させる駆動回路と、前記第1のLEDが発光している期間は、前記第2のLEDを受光素子機能として動作させ、前記第2のLEDが発光している期間は、前記第1のLEDを受光素子機能として動作させる制御回路と、前記受光素子として動作している期間の前記第1および第2のLEDから、回生エネルギーを抽出する回生回路と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
また、LED駆動制御装置は、発光素子および受光素子機能をそれぞれ備えた複数のLEDを、それぞれ直列に接続した第1および第2のLEDアレーと、前記第1および第2のLEDアレーを発光素子として駆動させる駆動回路と、前記第1のLEDアレーが発光している期間は、前記第2のLEDアレーを受光素子機能として動作させ、前記第2のLEDアレーが発光している期間は、前記第1のLEDアレーを受光素子機能として動作させる制御回路と、前記受光素子として動作している期間の前記第1および第2のLEDアレーから、回生エネルギーを抽出する回生回路と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、LEDから得られたエネルギーを、LEDを駆動する回路に回生させることで、LEDの補助電源などに利用することでエネルギーの効率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明のLED駆動制御装置に関する第1の実施形態について説明するための回路構成図である。
【図2】図1の駆動回路の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図3】図1の要部の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図4】この発明のLED駆動制御装置に関する第2の実施形態について説明するための概念的な回路構成図である。
【図5】図4の動作について説明するためのタイミングチャートである。
【図6】LED駆動制御装置に関する第3の実施形態について説明するための概念的な回路構成図である。
【図7】図6の切換回路のスイッチング信号について説明するための説明図である。
【図8】LED駆動制御装置に関する第4の実施形態について説明するための概念的な回路構成図である。
【図9】図8の切換回路のスイッチング信号について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、この発明のLED駆動制御装置に関する第1の実施形態について説明するための回路構成図である。
図1において、11は直流電源であり、この電源11の負極は基準電位点に接続し、正極は電源スイッチ12を介して駆動回路13を構成するチョークコイルLの一端に接続する。駆動回路13は、チョークコイルLの他端をダイオードDaのアノードに接続するとともに、ソースが基準電位点に接続されたMOS型FETを用いたスイッチング素子Qaのドレインに接続する。スイッチング素子Qaのゲートは抵抗Rを介してスイッチング素子Qaのソースに接続する。ダイオードDaのカソードはコンデンサCを介して基準電位点に接続する。
【0013】
駆動回路13では、電源11の直流電圧を交流電圧に変換し昇圧させるとともに、交流から直流電圧に変換された電圧を出力する。
【0014】
駆動回路13の出力は、切換回路14に供給する。図1での切換回路14は、機械的なスイッチの表現で示し説明するが、実際にはMOS型FET等を用いた電子的なスイッチング素子で構成されるものである。
【0015】
すなわち、駆動回路13の出力は、切換回路14の可動接点S1a,S1bを選択的に切り換える固定接点S1に接続し、可動接点S1aは複数のLEDが直列接続されたLEDアレー15を介して基準電位点に、可動接点S1bは複数のLEDが直列接続されたLEDアレー16を介して基準電位点にそれぞれ接続する。
【0016】
切換回路14の可動接点S2a,S2bを選択的に切り換える固定接点S2の可動接点S2aは複数のLEDが直列接続されたLEDアレー16を介して基準電位点に、可動接点S2bは複数のLEDが直列接続されたLEDアレー15を介して基準電位点にそれぞれ接続する。
【0017】
切換回路14の固定接点S2は、一方向性導通素子である、例えばダイオードDbで構成される回生回路17を介して駆動回路13の補助電源部18の補助電源用の電解コンデンサC2に接続する。補助電源部18は、電源11からの入力電圧を、例えば3端子レギュレータによるDC/DCコンバータ181で低電圧に変換し、駆動回路13のデューティ設定用の制御パルスや切換回路14のスイッチング信号を生成する制御回路19を駆動させるためのものである。切換回路14の可動接点S1,S2は、制御回路19のスイッチング信号SSに基づき連動して切り換えられる。
【0018】
なお、低電圧変換されたDC/DCコンバータ181の出力は、図1で示されない他の回路の電源Vddとしての活用も可能である。
【0019】
ここで、駆動回路13の動作について、図2のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0020】
電源スイッチ12をオンし、制御回路19から図2(a)に示す駆動パルスaが駆動回路13のスイッチング素子Qaのゲートに供給されると、スイッチング素子Qaでは、オンオフ動作が行われる。スイッチング素子QaがオンしたときにチョークコイルLにエネルギーを蓄積し、オフした瞬間に、蓄積されたエネルギー移行が負荷側に行われ、図2(b)に示すような昇圧された電圧出力bが得られる。
【0021】
移行されたエネルギーは、ダイオードDaとコンデンサC1により整流され、駆動回路13の出力として図2(d)に示す直流の出力電圧Vdが得られる。出力電圧Vdは、図2(b)の電圧出力bのデューティにより異なってくる。つまり、電圧出力bのパルス幅が狭いと出力電圧Vdは大きく、パルス幅が広いと出力電圧Vdは小さい値となる。なお、図2(c)は図2(b)の電流波形を示す。
【0022】
駆動回路13において電圧変換させ、必要となる駆動電圧値は、負荷であるLEDアレー15または16の直列接続されたLEDの個数により変わるものである。このため、上記説明では、直流電圧11の値を昇圧させる場合としたが、条件によっては降圧させる場合もある。
【0023】
引き続き、図1の全体の動作について、図3のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0024】
まず、切換回路14の可動接点S1を固定接点S1aに、可動接点S2を固定接点S2aにそれぞれ切り換えるスイッチング信号SSが、制御回路19から出力された期間について考える。
【0025】
この場合、図3(a)に示す駆動回路13から生成された出力電圧Vdは、固定接点S1aから図3(b)に示す電圧をLEDアレー15に供給して発光させる。LEDアレー16は、LEDアレー15からの発光を発電素子として機能させ、固定接点S2aに図3(d)に示す電圧を発生させる。
【0026】
LEDアレー15を発光させたときの固定接点S1aの電圧V1aとLEDアレー15の発光に基づきLEDアレー16で発電させ固定接点S2aに発生する電圧V2aとの関係は、図3(c),(d)にも示すようにV1a>V2aとなる。
【0027】
制御回路19から切換回路14の可動接点S1を固定接点S1bに、可動接点S2を固定接点S2bにそれぞれ切り換えるスイッチング信号SSが供給された場合は、図3(c)のLEDアレー16が発光することになる。
【0028】
LEDアレー15は、LEDアレー16からの発光を受光素子として機能させ、固定接点S2aに図3(d)に示す電圧を発生させる。このとき、LEDアレー16を発光させたときの固定接点S1bの電圧V1bとLEDアレー16の発光に基づきLEDアレー15で発電させ固定接点S2bに発生する電圧V2bとの関係は、図3(c),(d)にも示すようにV1b>V2bとなる。
【0029】
LEDアレー16が受光素子として機能する場合は、切換回路14の固定接点S2aに受光時のLEDアレー16で発電された図3(d)に示す受光期間の電圧V2aを、LEDアレー15が受光素子として機能する場合は、切換回路14の固定接点S2bに受光時のLEDアレー15で発電された図3(c)に示す受光期間の電圧V2bを、それぞれ発生させて可動接点S2から導出する。
【0030】
交互に連続して発生される直流の電圧V2a,V2bは、回生回路17を構成するダイオードD2を介して補助電源18の電解コンデンサC2に充電させ、制御回路19の電源としたり電源Vddとして他の回路の電源としたりすることができる。
【0031】
この実施形態では、受光素子として機能する場合のLEDに発生したエネルギーを、回生回路を介して補助電源用の電解コンデンサに回生させている。この回生されたエネルギーの分が、駆動回路全体のエネルギー消費量を低減でき、エネルギーの効率向上に寄与することが可能となる。
【0032】
図4、図5は、この発明のLED駆動制御装置に関する第2の実施形態について説明するための、図4は回路構成図、図5は図4の動作について説明するためのタイミングチャートである。なお、上記した実施形態と同一の機能を有する部分には同一の符号を付してここでは異なる部分について説明し、以下の実施形態においても同様とする。
【0033】
図4において、この実施形態は、制御回路19からの制御パルスPcに基づき図3(a)に示す出力電圧Vdを、MOS型FETによるスイッチング素子Qbを、例えば100Hzでオン・オフ駆動させ、図4(a)に示す駆動回路13の出力を得ている。この出力パルス電圧は、LEDアレー15,16を発光期間に、図5(c),(d)に示すようにLEDアレー15,16に印加される。
【0034】
この場合のLEDアレー15,16の駆動電圧は、残光効果を利用するために100Hz程度の低い周波数のパルス電圧で駆動させている。このため、LEDアレー15,16の平均電流を低減できることから発熱量を抑えることが可能となり、LEDの温度特性から発電量の増加が見込め、結果して全体のエネルギー効率の向上に寄与することができる。しかもLEDアレー15,16を順次点灯させていることから、あたかも面発光しているかのような照明を実現することができる。
【0035】
ところで、上記した各実施形態では、回生回路17の一例としてダイオードD2を挙げたが、ダイオードの場合順方向電圧によるドロップが生じることから、PNジャンクションを構造上持たないMOS型FETなどのスイッチング素子を用いることで、より多くのエネルギー回生を図ることが可能となる。
【0036】
図6、図7は、この発明のLED駆動制御装置に関する第3の実施形態について説明するための、図6は回路構成図、図7は図6の切換回路のスイッチング信号について説明するための説明図である。
【0037】
この実施形態は、LEDアレーを4系統配置し、1系統のみを発光素子とし他を受光素子とし、この関係を順次に変えるとともに、発電されたエネルギーを、電源にさせたものである。
【0038】
すなわち、駆動回路13の出力は、切換回路141の固定接点Sa〜Sdに選択的に切り換える可動接点S1に供給する。切換回路の固定接点Saは、複数のLEDが直列接続されたLEDアレー61を介して基準電位点に接続するとともに、MOS型FETを用いたスイッチング素子Q1のソースに接続する。固定接点Saは、ダイオードD1、抵抗R1を介してMOS型FETを用いたスイッチング素子Q4のゲートに、ダイオードD4、抵抗R4を介してMOS型FETを用いたスイッチング素子Q3のゲートに、ダイオードD7、抵抗R7を介してMOS型FETを用いたスイッチング素子Q2のゲートにそれぞれ接続する。
【0039】
同様に、切換回路の固定接点Sbは、複数のLEDが直列接続されたLEDアレー62を介して基準電位点に接続するとともに、スイッチング素子Q4のソースに接続する。固定接点Sbは、ダイオードD2、抵抗R2を介してスイッチング素子Q4のゲートに、ダイオードD5、抵抗R5を介してスイッチング素子Q3のゲートに、ダイオードD10、抵抗R10を介してスイッチング素子Q1のゲートにそれぞれ接続する。
【0040】
切換回路の固定接点Scは、複数のLEDが直列接続されたLEDアレー63を介して基準電位点に接続するとともに、スイッチング素子Q3のソースに接続する。固定接点Scは、ダイオードD3、抵抗R3を介してスイッチング素子Q4のゲートに、ダイオードD8、抵抗R8を介してスイッチング素子Q2のゲートに、ダイオードD11、抵抗R11を介してスイッチング素子Q1のゲートにそれぞれ接続する。
【0041】
切換回路の固定接点Sdは、複数のLEDが直列接続されたLEDアレー64を介して基準電位点に接続するとともに、スイッチング素子Q4のソースに接続する。固定接点Sdは、ダイオードD6、抵抗R6を介してスイッチング素子Q3のゲートに、ダイオードD9、抵抗R9を介してスイッチング素子Q2のゲートに、ダイオードD12、抵抗R12を介してスイッチング素子Q1のゲートにそれぞれ接続する。
【0042】
スイッチング素子Q1〜Q4、ダイオードD1〜D12、抵抗R1〜R12は、回生回路171を構成している。なお、抵抗R1〜R12は、スイッチング素子Q1〜Q4のゲート・ソース間の浮遊容量により短絡電流が流れることを防止するものである。また、ダイオードD1〜D12は、LEDアレーが受光している状態の対応するスイッチング素子Q1〜Q4のゲートに、駆動電圧を供給させるためのものである。
【0043】
切換回路141には、制御回路19からの固定接点Sa〜Sdに順次切り換えた後、再び固定接点Sa〜Sdに順次切り換えるための図7に示すスイッチング信号SSが供給される。駆動電圧Vdは、スイッチング信号SSに基づき切り換えられた固定接点Sa〜Sdに順次を供給するようにしている。
【0044】
可動接点S1を固定接点Saに接続する、図7のスイッチング信号SSが供給された場合は、LEDアレー61が発光し、他のLEDアレー62〜64は受光素子の機能を果たし発電を行う。このとき、LEDアレー61の順方向電圧VaとLEDアレー62〜64での発電電圧VbはVa>Vbの関係となり、点灯中のLEDアレー61にソースが接続されたスイッチング素子Q1はオフし、それ以外のスイッチング素子Q2〜Q4はオンする。
【0045】
LEDアレー62〜64で発電された電圧は、スイッチング素子Q2〜Q4のドレインを介して電源11の電圧に加算される。この加算により直流電源11の消費電流を制御することができる。
【0046】
LEDアレー62が発光し、他のLEDアレー61,63,64が受光素子として発電を行う場合も同様の動作が行われる。同じようにし、他のLEDアレー63や64が発光し、他のLEDアレーが発電する場合も同様の動作が行われる。
【0047】
ところで、回生されたエネルギーは、点灯中のLEDアレー61の順方向電圧により、スイッチング素子Q2〜Q4のゲートがドライブされることになり、スイッチング素子Q2〜Q4のソースからドレインに向けて流れることになる。つまり、寄生ダイオードを通じて流れるわけではない。また、ダイオードD1〜D12は回生エネルギーを直接スイッチするのではなく、スイッチング素子Q1〜Q4ゲートのドライブのみであるから、消費されるエネルギーは極めて少ない。
【0048】
このように、複数のLEDアレーにより構成されたLEDアレー61〜64の複数系統有し、これら系統のLEDアレーは、順次点灯/消灯を切り換えて駆動させることで、消灯中のLEDアレーを発電素子として利用可能なる。点灯中のエネルギー消費を最低限に抑制することで、電源で消費されるエネルギーを軽減させることができ、エネルギー効率化に寄与する。
【0049】
図8、図9は、この発明のLED駆動制御装置に関する第4の実施形態について説明するための、図8は回路構成図、図9は図8の切換回路のスイッチング信号について説明するための説明図である。
【0050】
この実施形態は、LEDアレー61,63を同時に発光させ、LEDアレー62,64同時に発電させるように、切換回路142とスイッチング信号SSを、図6と図7に対して構成を変更したものである。
【0051】
この場合、可動接点S11を固定接点Saに、可動接点S12を固定接点Scにそれぞれ接続する、図9のSa,Scのスイッチング信号SSが制御回路19から供給されたときは、LEDアレー61,63が発光し、LEDアレー62,64が受光素子として発電を行い、点灯中のLEDアレー61,63にソースが接続されたスイッチング素子Q1,Q3はオフし、それ以外のスイッチング素子Q2,Q4はオンする。
【0052】
LEDアレー62,64で発電された電圧は、スイッチング素子Q2,Q4のドレインを介して電源11の電圧に加算される。この加算により制御回路19から駆動回路13に供給される図2(a)に示す駆動パルスaのオンデューティを狭くすることができ、その分のエネルギー消費の軽減に繋がる。
【0053】
この実施形態の場合は、LEDアレー61,63の2系統とLEDアレー62,64の2系統と発光と受光の関係を同数としたことにより、直流電源11の消費電流を制御することができる。
【0054】
上記したこの発明の第3および第4の実施形態の場合においても、駆動回路13を図4の構成とし、制御回路19からの制御パルスPcに基づき図3(a)に示す出力電圧Vdを、MOS型FETによるスイッチング素子Q2を、例えば100Hzでオン・オフ駆動させてもよい。この場合は、LEDアレーの温度上昇を抑えてエネルギー効率向上に寄与する。また、電源に回生させるのではなく、上記した第1および第2の実施形態で説明したような補助電源への回生であっても構わない。
【0055】
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、複数のLEDを直列接続したLEDアレーとしたが、発光能力並びに発電能力が高い場合や目的によっては発光および受光素子としてそれぞれ1個のLEDであっても構わない。また、受光素子として機能した場合のLEDは、発光素子の残光を利用して電気エネルギーを発生させることのほかに、自然光や室内光も利用することが可能で、よりエネルギーに効率化に寄与することができる。
【符号の説明】
【0056】
11 電源
13 駆動回路
14 切換回路
15,16,61〜64 LEDアレー
17 回生回路
18 補助電源
181 DC/DCコンバータ
19 制御回路
S1,S2,S11,S12 可動接点
S1a,S1b,S2a,S2b,Sa〜Sd 固定接点
Db,D1〜D12 ダイオード
C2 電解コンデンサ
Q1〜Q4 スイッチング素子
R1〜R12 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子および受光素子機能をそれぞれ備えた第1および第2のLEDと、
前記第1および第2のLEDが発光素子として駆動させる駆動回路と、
前記第1のLEDが発光している期間は、前記第2のLEDを受光素子機能として動作させ、前記第2のLEDが発光している期間は、前記第1のLEDを受光素子機能として動作させる制御回路と、
前記受光素子として動作している期間の前記第1および第2のLEDから、回生エネルギーを抽出する回生回路と、を具備したことを特徴とするLED駆動制御装置。
【請求項2】
発光素子および受光素子機能をそれぞれ備えた複数のLEDを、それぞれ直列に接続した第1および第2のLEDアレーと、
前記第1および第2のLEDアレーを発光素子として駆動させる駆動回路と、
前記第1のLEDアレーが発光している期間は、前記第2のLEDアレーを受光素子機能として動作させ、前記第2のLEDアレーが発光している期間は、前記第1のLEDアレーを受光素子機能として動作させる制御回路と、
前記受光素子として動作している期間の前記第1および第2のLEDアレーから、回生エネルギーを抽出する回生回路と、を具備したことを特徴とするLED駆動制御装置。
【請求項3】
前記回生回路から得られた回生エネルギーは、前記駆動回路の補助電源としたことを特徴とする請求項1または2記載のLED駆動制御装置。
【請求項4】
前記回生回路から得られた回生エネルギーは、前記駆動回路を駆動させる電源に加算したことを特徴とする請求項1または2記載のLED駆動制御装置。
【請求項5】
前記回生回路は、一方向性導通素子により構成したことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のLED駆動制御装置。
【請求項6】
前記第1および第2LEDアレーに加え、少なくもと第3のLEDアレーを備え、前記制御回路からスイッチング信号に基づき、前記第1〜第3のLEDアレーを順次発光させたことを特徴とする請求項2記載のLED駆動制御装置。
【請求項7】
前記回生回路は、前記第1および第2のLEDアレイのうち、発光状態にあるLEDアレイに接続された側のみを、導通させるスイッチング素子で構成したことを特徴とする請求項2記載のLED駆動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−226047(P2010−226047A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74611(P2009−74611)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】