説明

O−リング切出装置

【課題】使用直前までO−リングを清浄な状態に保つことが出来て、O−リング切出時には必要個数のO−リングを正確に切り出すことが出来るO−リング切出装置の提供。
【解決手段】平面形状がO字状となる様に多数のO−リング(10)が積層されている貯蔵部分(1)と、所定個数のO−リング(10)を取出口(23c)まで移動する取出装置(2)とを備え、貯蔵部分(1)は複数本(例えば4本)の棒状部材(3)から構成されており、複数本の棒状部材(3)の各々が積層されたO−リング(10)の半径方向外側と接触している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械(例えばエンジン)の組立ラインにおいて、機械を組み立てる個所に対して、一定個数のO−リングを自動的に供給するO−リングの自動供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械(例えばエンジン)の組立時に使用されるO−リングの供給にあたって、従来は、例えばエンジンの組立ライン近傍に樹脂製の箱を配置し、O−リングを当該樹脂製の箱にばらばらに収容していた。
組立作業に際して、O−リングの組付け個数、即ち、取出し個数を間違えると、エンジンの機能上、重大な問題となる。そのため、組立作業に際しては、樹脂製の箱にばらばらに収容されているO−リングを、所定個数だけ取り出さなければならない。
【0003】
しかし、樹脂製の箱から決められた数のO−リングを短時間に取り出すことは、熟練を要する。
また、O−リングを円滑に取り出すために、上述した樹脂製の箱には、蓋は設けられていない。そのため、樹脂製の箱の中のO−リングに、ごみやほこりが付着する可能性がある。そして、機械の組立ライン周辺に飛散した鉄粉等が前記樹脂製箱内に侵入し、O−リングに傷をつけてしまう恐れが存在する。
【0004】
その他の従来技術として、例えば、ゴム系組成物を連続的に押出して、原料の定量化及び均一化を図る定量供給装置が提供されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、O−リングの定量切出に係るものではなく、上述した従来技術の問題点を解消するものではない。
【特許文献1】特開2005−28852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、使用直前までO−リングを清浄な状態に保つことが出来て、O−リング切出時には必要個数のO−リングを正確に切り出すことが出来るO−リング切出装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のO−リング切出装置は、平面形状がO字状となる様に多数のO−リング(10)が積層されている貯蔵部分(1)と、所定個数のO−リング(10)を取出口(23c)まで移動する取出装置(2)とを備え、貯蔵部分(1)は複数本(例えば4本)の棒状部材(3)から構成されており、複数本の棒状部材(3)の各々が積層されたO−リング(10)の半径方向外側と接触していることを特徴としている(請求項1)。
【0007】
また、本発明のO−リング切出装置は、貯蔵部分(1)にO−リング(10)を供給する際に貯蔵部分(1)へ挿入可能に構成されたガイド棒(30)を設け、供給するべきO−リング(10)は中央の開口部にガイド棒(30)を挿入した状態で貯蔵部分(1)に供給される(請求項2)。
【0008】
前記棒状部材(3)とガイド棒(30)は、O−リング(10)を構成するゴムに対して滑り易い材料(例えば、ステンレス)で構成されている(請求項3)。
【0009】
前記取出装置は、所定個数(切り出すべき個数)のO−リング(10)を積層した寸法と等しい厚さ寸法の押圧部(21)を有し且つ積層されたO−リング(10)を押圧部(21)により側方へ押圧する往復駆動装置(O−リング切出リンダ22)と、往復駆動装置(22)により側方へ押圧された所定個数のO−リング(10)を受け取る箱状部材(O−リング定量受け取り箱8)とを有している(請求項4)。
【0010】
また、本発明のO−リング切出装置は、箱状部材(8)に移動したO−リングが箱状部材(8)から取り出されたことを検知するセンサ装置(O−リング取出確認センサS1)を有する(請求項5)。
【0011】
また、本発明のO−リング切出装置は、貯蔵部分(1)に設けられて貯蔵部分(1)に貯蔵されているO−リング(10)が所定のレベルまで積層されているか否かを検出するセンサ装置(O−リング残量確認センサS2)を有する(請求項6)。
【発明の効果】
【0012】
上述する構成を具備する本発明によれば、多数のO−リング(10)が積層される貯蔵部分(1)は、複数本の棒状部材(3)の各々が積層されたO−リング(10)の半径方向外側と接触するように構成されている。そのため、O−リング(10)外周面における半径方向寸法が不均一であっても、O−リング外周面と複数本の棒状部材(3)とが接触する領域は極めて小さいので、積層されたO−リング(10)の外周面が複数本の棒状部材(3)に引っ掛かってしまうことは無く、O−リング(10)は複数本の棒状部材(3)で囲まれた空間内を円滑に下降(落下)する。
【0013】
そして本発明によれば、O−リング(10)が、途中で引っ掛かってしまうことなく、複数本の棒状部材(3)で囲まれた空間内を円滑に下降(落下)するので、所定個数のO−リング(10)は取出装置(2)まで連続して、確実に供給される。
その結果、従来のように、蓋のついていない箱にO−リングを収容しておく必要が無く、O−リングにごみやほこりが付着し、鉄粉等によりO−リングを傷つけてしまう恐れは無くなる。
【0014】
本発明において、貯蔵部分(1)にO−リング(10)を供給する際に貯蔵部分(1)へ挿入可能に構成されたガイド棒(30)を設け、供給するべき積層した状態のO−リング(10)は、中央の開口部にガイド棒(30)を挿入した状態で貯蔵部分(1)に供給される様に構成すれば(請求項2)、積層した状態の多数のO−リング(10)が、中央の開口部にガイド棒(30)を挿入した状態であれば同時に移動する事が出来るので、貯蔵部分(1)へ同時に充填することが出来る。
【0015】
しかも、複数本の棒状部材(3)で囲まれた空間内にガイド棒(30)を挿入することで、積層した状態の多数のO−リング(10)がガイド棒(30)に案内されて、当該空間内へ容易に移動することが出来て、積層した状態の多数のO−リング(10)が容易に充填される。すなわち、積層されたO−リング(10)の全量を、1度に且つ確実に充填することができて、充填作業の効率化が図られる。
【0016】
本発明において、棒状部材(3)とガイド棒(30)は、O−リング(10)を構成するゴム材料に対して滑り易い材料(例えば、ステンレス)で構成すれば(請求項3)、積層した状態のO−リング(10)がガイド棒(30)に案内されて、複数本の棒状部材(3)で囲まれた空間内に充填される際に、棒状部材(3)とガイド棒(30)に対して滑るので、O−リング(10)が当該空間内へ移動するのが円滑に行われる。
【0017】
本発明において、所定個数(切出すべき個数)のO−リング(10)を積層した寸法と等しい厚さ寸法の押圧部(21)により所定個数(切出すべき個数)のO−リング(10)を側方へ押圧する往復駆動装置(O−リング切出しシリンダ22)と、往復駆動装置(22)により側方へ押圧された所定個数のO−リング(10)を受け取る箱状部材(O−リング定量受け取り箱8)とを備えていれば(請求項4)、O−リング切出に際しては、往復駆動装置(22)を作動して、切り出すべき個数(所定量)のO−リング(10)を側方に押し出し、箱状部材(8)で受け取らせれば良い。
そのように構成すれば、従来技術のように、ばらばらに箱に入ったO−リングの数を数えながら取り出す必要が無く、所定個数のO−リングが確実に切り出せる(取り出せる)。
【0018】
本発明において、箱状部材(O−リング定量受け取り箱8)にO−リング取出確認センサ(S1)を取り付ければ(請求項5)、組立ラインの作業者が、O−リング取り出すために箱状部材(8)に手を入れたことをO−リング取出確認センサ(S1)で検出し、作業者によりO−リングが取り出されたことを確認することが出来る。
そのため、O−リングが取り出された時点で、往復駆動装置(O−リング切出リンダ22)を作動して、次の組立作業に必要な数のO−リングの切出を行うことが出来る。その結果、組立作業に必要な数のO−リングを取り出す(切り出す)労力及び時間を減少することができる。
【0019】
本発明において、貯蔵部分(1)に貯蔵されているO−リング(10)が所定のレベルまで積層されているか否かを検出するセンサ装置(O−リング残量確認センサS2)を有する様に構成すれば(請求項6)、貯蔵部分(1)のO−リングが減少して、所定レベルまで積層されない状態となった場合に、その旨を直ちに検知することが出来る。そして、貯蔵部分(1)にO−リングを充填することが出来る。
その結果、貯蔵部分(1)にO−リングが収容されていない状態(O−リングを切らした状態)としてしまうことは無く、部品切れによるラインストップが回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付した図1〜図5を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図3において、全体を符号100で示すリング切出装置は、平面形状(図2で見た状態)がO字状となる様に多数のO−リング10が積層されている貯蔵部分1と、所定個数のO−リング10を後述する取出口(以下、「O−リング落し孔」)23cまで移動する取出装置2と、取出装置2を取り付けるためのベース部材7とを備えている。
【0021】
図2、図4を参照すると、貯蔵部分1は複数本、例えば4本の棒状部材(以下、「ガイドロッド」と言う)3と、O−リング飛出防止部材4とを有している。
4本のガイドロッド3は、ゴム製のO−リング10に対して、例えばステンレスのような滑りやすい材料で構成されている。そして、4本のガイドロッド3の各々は積層されたO−リング10の半径方向外側と接触している。
【0022】
O−リング10は、半径寸法についてはバラツキがあることが知られている。そして、半径方向寸法が大きいO−リングは、貯蔵部分1内で、円から長円に変形し易く、隣接するガイドロッド3の間から、すなわち4本のガイドロッド3で構成された四角な空間(貯蔵部分)1から外部に飛び出してしまうことが想定される。
O−リング飛出防止部材4は、その様な事態に対処するべく構成されている。即ち、O−リング飛出防止部材4は、4枚の板状部材41を公知の締結手段で四角い筒状に組み、その四角い筒状の内壁に4本のガイドロッド3を内接させて、O−リングの飛び出しを防止している。
【0023】
O−リング飛び出し防止部材4は、4枚の板状部材41の下方にフランジ部42を有している。フランジ部42は、図示を省略した締結部材(例えば、ボルトナット)によって後述する取出装置2のガイド24の上面に取り付けられている。
【0024】
図1〜図3を参照すると、O−リング飛び出し防止部材4の周囲には防塵カバー5が設けられている。
防塵カバー5は、図示を省略したL字状のブラケット及び締結部材によって、対向する2枚の側方板51と後方板52とがコ字状に組まれている。2枚の側方板51の下方は、後述する取出装置2のガイド24に、ボルトB1(図3参照)によって取り付けられている。
図1において、防塵カバー5の上端には上方カバー部材(上蓋)54が設けられており、上方カバー部材(上蓋)54は、ヒンジ53によって回転・開閉する。上方カバー部材54の直下には、O−リング10よりも大きな貫通孔を有するO−リング投入口55が設けられている。
【0025】
貯蔵部分1には、着脱自在のガイド棒30が設けられており、ガイド棒30は、O−リング10を供給する際に貯蔵部分1へ挿入可能に構成されている。供給するべき複数個のO−リング10は、成立した状態に積層され、その積層されたO−リング10の中央(の孔、中空部)に、ガイド棒30が挿入される。積層したO−リング10は、ガイド棒30が挿入された状態で、O−リング投入口55から、貯蔵部分1の4本のガイドロッド3で囲まれた領域(貯蔵部分1)に移動(供給)される。
【0026】
ここで、ガイド棒30はガイドロッド3と同様に、O−リング10を構成するゴムに対して滑り易い材料(例えば、ステンレス)で構成されていることが望ましい。
そのように構成することで、積層したO−リング10を貯蔵部分1に装填する場合、抵抗無くスムースに装填できる。
【0027】
取出装置2は、O−リング定量受取り部材(押圧部材)21と、O−リング定量受取り部材21の往復駆動装置であるO−リング切出シリンダ(以下、「エアシリンダ」と言う)22と、スライド板23と、O−リング定量受取り部材(押圧部材)21を直線的に案内するガイド24を有している。
スライド板23は、O−リング定量受取り部材21を載置しており、スライド板23上をO−リング定量受取り部材21が滑る様に構成されている。
【0028】
図1〜図3では、O−リング定量受取り部材21は短冊状の板状部材であり、O−リング定量受取り部材21の厚みは、O−リング10の厚さの3倍である。
図5も参照すると、O−リング定量受取り部材21の長手方向(図5における左右方向)の一端(図5の右方)21aには、直径がO−リングより若干大きめの貫通孔(以下、「O−リング収容孔」と言う)21cが形成されている。O−リング定量受取り部材21の長手方向(図5における左右方向)の他端(図5の左方)21bには、L字状のブラケット21Bが公知の手段(例えば、植え込みボルト、或は溶接継ぎ手)によって取り付けられている。
【0029】
エアシリンダ22は、L字状のブラケット22Bによってスライド板23の図1、図2、図5の左端に取り付けられている。エアシリンダ22の伸縮ロッド22rの先端は、2個の固定用ナットNによってO−リング定量受取り部材21のブラケット21Bに固定されている。
【0030】
図1に戻り、エアシリンダ22は、図示しないエア供給配管を介して、図示しない電磁弁に接続されている。図示しない電磁弁の開閉は、制御ユニットであるコントロールユニット6によって制御されるように構成されている。
【0031】
図1におけるハッチングは、エアシリンダ22が縮んだ状態におけるO−リング定量受取り部材21の断面を示している。この時、O−リング定量受取り部材21のO−リング収容孔21c(図5参照)は、貯蔵部分1に積層されたO−リング10の中心と一致した位置にある。
【0032】
図2を参照すると、受取り部材のガイド24は、O−リング定量受取り部材21の水平直線移動をガイドするために、O−リング飛び出し防止部材4の下方で、当該ガイド24の下面をスライド板23の上面に接触するようにして、4本のボルトB2によって取り付けられている。
【0033】
図1、図2、図5の2点鎖線で示す21Xは、エアシリンダ22が作動して、伸縮ロッド22rが伸びきった状態を示している。この時、スライド板23の先端23aで、O−リング定量受取り部材21のO−リング収容孔21cを投影した位置には、O−リング収容孔21cよりも大きな、貫通孔(以下、O−リング落し孔と言う)23cが形成されている。
このO−リング落し孔23cは、O−リング定量受取り部材21で受け取った所定数(3つ)のO−リング10を、後述するO−リング取出バケット8内に落とし込む際に用いられる。
【0034】
スライド板23は、ベース部材7の平板71上に4本の植え込みボルトBで取り付けられている。ベース部材7の支柱72の前方(図1の右方)の表面には、図示の例では、薄板鋼板を折り曲げ、溶接して形成されたO−リング取出バケット8が、図示しないボルトによって取り付けられている。
なお、図2における符号9は、防塵のためにO−リング定量受取り部材21を覆うカバー部材を示している。
【0035】
O−リング取出バケット8は、図1において、支柱72側の端部からバケット底部81の中央に向かって斜めに下降するように第1の傾斜部82が形成されている。また、O−リング取出バケット8は、底部81の第1の傾斜部82とは反対側に第2の傾斜部83が形成されている。第1の傾斜部82は、O−リング落とし穴23aから落ちたO−リング10を、バケット8の底部に導くために形成されている。
図3を参照して、更に、O−リング取出バケット8は、バケットの幅方向(図3における左右方向)の壁面84の底部コーナーに傾斜部85が形成されている。第2の傾斜部83及び傾斜部85は、作業者が、バケット8からO−リングを取り出し易いように設けられている。
【0036】
図3を参照して、バケットの左右壁面84にはブラケット8Bを介して、O−リング取出確認センサ(以下、「取出確認センサ」と言う)S1が取り付けられる。取出確認センサS1は、発光部S11と受光部S12とで構成されている。組立ラインが稼働中は、発光部S11からはセンシング用の光線が発せられる。受光部S12は、そのセンシング用の光線Ls1を受光している。
【0037】
組立ラインの作業者が、O−リング取り出すためにバケット8に手を入れれば、作業者の手が、光線Ls1を遮る。そのLs1が遮られたことを、制御手段であるコントロールユニット6が検知し、シリンダ22を作動させる。
【0038】
また、貯蔵部分1において、防塵カバー5の左右の側方板51における所定の高さ位置には、O−リング残量確認センサ(以下、「残量確認センサ」と言う)S2が設けられている。残量確認センサS2は、貯蔵部分1に貯蔵されているO−リング10が、所定のレベルまで積層されているか否かを検出する様に構成されている。
残量確認センサS2は、発光部S21と受光部S22とで構成されている。組立ラインが稼働中は、発光部S21からはセンシング用の光線Ls2が発せられる。受光部S22は、そのセンシング用の光線Ls2を受光している。したがって、O−リング10が所定量以上あれば、光線Ls2は遮られている。
【0039】
O−リング10が所定量以下になれば、受光部S22はセンシング用の光線Ls2を受光したことをコントロールユニット6に発信する。そして、光線Ls2を受光した旨を受信したコントロールユニット6は、例えば図示しない警報ランプを点滅させる。警報ランプの点滅によって、O−リングの供給作業員はO−リングの当該装置100への補填を行う。
【0040】
図示の実施形態に係るO−リング切出装置100によれば、所定個数(図示の例では3個)のO−リング10を積層した寸法と等しい厚さ寸法のO−リング定量受け取り部材21と、O−リング定量受け取り部材21を往復駆動するO−リング切出リンダ22と、O−リング定量受け取り部材21により側方へ移動された所定個数のO−リングを受け取るO−リング取出バケット8とを有しており、所定量のO−リング10を切り出すに際しては、シリンダ22を作動させることにより、所定個数のO−リング10が確実に切り出せる(取り出せる)。そのため、従来技術のように、ばらばらに箱に入ったO−リング10の数を数えながら取り出す必要が無い。
【0041】
また、図示の実施形態に係るO−リング切出装置100は、貯蔵部分1にO−リング10を供給する際に貯蔵部分1へ挿入可能に構成されたガイド棒30を設け、供給するべきO−リング10はO−リング10の中央の開口部にガイド棒30を挿入した状態で貯蔵部分1に供給されるため、貯蔵部分1への充填するべきO−リング10の全量が1度に、且つ、確実に充填できる。即ち、充填作業の効率化が図られる。
【0042】
ガイドロッド3とガイド棒30は、O−リング10を構成するゴムに対して滑り易い材料(例えば、ステンレス)で構成されているので、O−リング10の充填が円滑に進む。
【0043】
図示の実施形態に係るO−リング切出装置100は、O−リング定量受け取り箱8に取出確認センサS1が取り付けられており、組立ラインの作業者が、O−リングを取り出すため、O−リング定量受け取り箱8に手を入れてO−リング10を取り出せば、その旨を検知することが出来る。そして、O−リング切出シリンダ22を動作して、次に組込むべき所定数のO−リング10を切り出すことが出来る。
【0044】
図示の実施形態に係るO−リング切出装置100は、貯蔵部分1に貯蔵されているO−リング10が所定のレベルまで積層されているか否かを検出するO−リング残量確認センサS2を有しているので、貯蔵部分1にO−リング10を切らしてしまうことは無く、部品切れによるラインストップが回避できる。
【0045】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記載ではないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態のO−リング切出装置の構成を示した側面図。
【図2】図1に対応する平面図。
【図3】図1に対応する正面図。
【図4】本発明の実施形態に関する貯蔵部分の要部を説明する平面図。
【図5】本実施形態の要部の動きを分かり易く示した斜視図。
【符号の説明】
【0047】
1・・・貯蔵部分
2・・・取出装置
3・・・棒状部材/ガイドロッド
4・・・O−リング飛出防止部材
5・・・防塵カバー
6・・・コントロールユニット
7・・・ベース部材
8・・・箱状部材/O−リング取り出しバケット
9・・・カバー部材
10・・・O−リング
21・・・押圧部材/O−リング定量受け取り部材
22・・・往復駆動装置/O−リング切出シリンダ
30・・・ガイド棒
100・・・O−リング切出装置
S1・・・センサ装置/O−リング取り出し確認センサ
S2・・・センサ装置/O−リング残量確認センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状がO字状となる様に多数のO−リングが積層されている貯蔵部分と、所定個数のO−リングを取出口まで移動する取出装置とを備え、貯蔵部分は複数本の棒状部材から構成されており、複数本の棒状部材の各々が積層されたO−リングの半径方向外側と接触していることを特徴とするO−リング切出装置。
【請求項2】
貯蔵部分にO−リングを供給する際に貯蔵部分へ挿入可能に構成されたガイド棒を設け、供給するべきO−リングは中央の開口部にガイド棒を挿入した状態で貯蔵部分に供給される請求項1のO−リング切出装置。
【請求項3】
前記棒状部材とガイド棒は、O−リングを構成するゴムに対して滑り易い材料で構成されている請求項2のO−リング切出装置。
【請求項4】
前記取出装置は、所定個数のO−リングを積層した寸法と等しい厚さ寸法の押圧部を有し且つ積層されたO−リングを押圧部により側方へ押圧する往復駆動装置と、往復駆動装置により側方へ押圧された所定個数のO−リングを受け取る箱状部材とを有している請求項1〜3の何れか1項のO−リング切出装置。
【請求項5】
箱状部材に移動したO−リングが箱状部材から取り出されたことを検知するセンサ装置を有する請求項4のO−リング切出装置。
【請求項6】
貯蔵部分に設けられて貯蔵部分に貯蔵されているO−リングが所定のレベルまで積層されているか否かを検出するセンサ装置を有する請求項1〜5の何れか1項のO−リング切出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate