説明

PC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法及びシステム

【課題】ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウトの充填度合をより高精度に確認する。
【解決手段】ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース11内へのグラウト充填確認方法において、ケーブルシース11内にグラウトを注入するための注入口を設けるとともに、ケーブルシース11内の空気を排気するための排気口を設け、ケーブルシース11内から排気口を介した排気量を測定するための流量センサ13を設け、注入口を介してケーブルシース11内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース11内から排気口を介して排出される排気量を流量センサ13により測定し、測定した排気量に基づいてケーブルシース11内へのグラウトの充填を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウトの充填度合を確認するための、PC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポストテンション方式の橋梁や高架橋、建築物等のPC構造物のケーブルシース内にグラウトを注入する際には、ケーブルシースのグラウト注入側に圧送ポンプを、排出側に真空ポンプを接続する。そして、真空ポンプによりケーブルシース内の気圧を減圧した後、該真空ポンプを稼働させたまま圧送ポンプを運転して前記ケーブルシース内にグラウトを充填する。
【0003】
ところで、近年において、PC構造物中のケーブルシース内へのグラウトの充填不良に起因する緊張材の腐食、破断事故が散見されるようになった。このため、従来においてグラウト注入量、注入圧、シース内真空度等のデータをディスプレイに表示して、注入作業の進捗状況を実時間監視することができるグラウト注入工法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また従来においては、岩盤を補強するグラウト施工域においてグラウト効果を判定するためのグラウト効果判定方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
このグラウト効果判定方法では、岩盤に設けられた送信区間に気体を送入し、さらに岩盤に設けられた受信区間内の圧力を検出することにより、グラウト施工域におけるグラウト効果を判定するものである。
【特許文献1】特開2004−263542号公報
【特許文献2】特開2007−197941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば特許文献1の開示技術では、グラウト充填状況の確認をあくまでグラウトの注入量や注入圧に基づいて行うことを前提としている。ケーブルシース内へのグラウトの注入量を確認するためには、グラウトの注入量を測定するためのグラウト流量計を介して測定するのが通常であるが、かかるケーブルシース内、或いはグラウト流量計自体に異常が発生した場合にこれを識別することができず、グラウト充填が十分でないままの状態で施工が終了してしまう場合もある。特にグラウトの充填不良は、上述したように破断事故等にも直結し、重大な損失を招く危険性もあることから、より高精度なグラウト充填の確認方法を案出する必要があった。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウトの充填度合をより高精度に確認することが可能なグラウト充填確認方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1に記載のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法は、上述した課題を解決するために、ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法において、上記ケーブルシース内にグラウトを注入するための注入口を設けるとともに、当該ケーブルシース内の空気を排気するための排気口を設け、上記ケーブルシース内から上記排気口を介した排気量を測定するための流量センサを設け、上記注入口を介して上記ケーブルシース内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース内から上記排気口を介して排出される排気量を上記流量センサにより測定し、測定した排気量に基づいて上記ケーブルシース内へのグラウトの充填を確認することを特徴とする。
【0009】
本願請求項2に記載のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法は、請求項1記載の発明において、上記注入口に上記グラウトの注入量を測定するためのグラウト流量計を設け、上記流量センサによる測定値と、上記グラウト流量計による測定値とを比較することにより、上記グラウトの充填を確認することを特徴とする。
【0010】
本願請求項3に記載のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法は、請求項1又は2に記載の発明において、上記ケーブルシース内から1つの上記排気口を介して排気できるように流路を構成し、上記1つの排気口を介した排気量を上記流量センサにより測定することを特徴とする。
【0011】
本願請求項4に記載のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認システムは、上述した課題を解決するために、ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認システムにおいて、上記ケーブルシース内にグラウトを注入するための注入口と、当該ケーブルシース内の空気を排気するための排気口と、上記ケーブルシース内から上記排気口を介した排気量を測定するための流量センサとを備え、上記流量センサは、上記注入口を介して上記ケーブルシース内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース内から上記排気口を介して排出される排気量を測定し、測定した排気量に基づいて上記ケーブルシース内へのグラウトの充填を確認することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明を適用したPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法及びシステムでは、空気を排気するための排気口をケーブルシースに設け、排気口を介した排気量を測定するための流量センサを設け、ケーブルシース内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース内から上記排気口を介して排出される排気量を流量センサにより測定し、測定した排気量に基づいてケーブルシース内へのグラウトの充填を確認する。このとき、注入口にグラウトの注入量を測定するためのグラウト流量計を設け、流量センサによる測定値と、グラウト流量計による測定値とを比較することにより、グラウトの充填を確認する。これにより、グラウトの充填確認をより高精度かつ確実に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウトの充填度合を確認するための、PC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明を適用したグラウト充填確認システム1の構成を示している。
【0015】
このグラウト充填確認システム1は、ケーブルシース11a、11bと、このケーブルシース11の両端を封止するためのグラウトキャップ15と、ケーブルシース11aに設けられた注入管14と、ケーブルシース11bに設けられた排出管16と、ケーブルシース11aに設けられた排気管18a、18bと、ケーブルシース11bに設けられた排気管18c、18dと、排出管22並びに各排気管18a〜18dにそれぞれ接続された排気収集用ホース19と、注入すべきグラウトの注入量を測定するためのグラウト流量計12と、排気収集用ホース19の終端に設けられた流量センサ13とを備えている。
【0016】
ケーブルシース11a、11b内には、PC鋼棒又は多数のPC鋼線等を初めとするこの図示しないPC鋼材が緊張状態で、しかも当該ケーブルシース11a、11bの内壁面から離間する形で配設される。ちなみに、本発明を適用したグラウト充填確認システム1は、あくまでポストテンション方式のPC構造物を対象としていることから、かかる構造物中にケーブルシース11a、11bを配置した後にコンクリートを充填並びに硬化させ、その後にケーブルシース11a、11b内に図示しないPC鋼材を挿入して引張応力を負荷し、その後にケーブルシース11a、11b内にグラウトを充填して硬化させることになる。
【0017】
また、このケーブルシース11aとケーブルシース11bの両端には、それぞれグラウトキャップ15が設けられている。このグラウトキャップ15は、ケーブルシース11に充填されたグラウトが流出するのを防止するための設けられるものであって、例えばゴム製、樹脂製でしかもケーブルシース11の端部と嵌合可能な形状に成形されている。ケーブルシース11aとケーブルシース11bとは互いにチューブ25を介して連結されてなり、ケーブルシース11aに充填されたグラウトがチューブ25を介してケーブルシース11b側へと流出させることが可能となる。
【0018】
ちなみに、この図1の例では、あくまでケーブルシース11を2つに亘って形成した場合を例にとり示しているが、これに限定されるものではなく、1つで形成されていてもよいし、3つ以上に亘って形成されていてもよい。かかる場合においても何れか1のケーブルシース11において注入管14が設けられ、他の1のケーブルシース11に排出管16が設けられ、互いのケーブルシース11間でグラウトを流出、流入させることができるように、例えば上述したチューブ25等を介して連結されていればよい。
【0019】
注入管14は、中空状のケーブルシース11aに対して連結されており、その上端に設けられている注入口21を介してグラウトを注入可能とされている。この注入口21には、ケーブルシース11内に充填すべきグラウトの流量を測定するためのグラウト流量計12が接続されている。グラウト流量計12は、液体状のグラウトの流量及び圧力を検出するための検出計や、その流量や圧力を調整するための弁が設けられている。
【0020】
排出管16は、中空状のケーブルシース11bに対して連結されている。この排出管16は、ケーブルシース11b内において満たされたグラウトの余剰分を外部へ流出させるために配設されるものである。
【0021】
ケーブルシース11aに設けられた排気管18a、18b、並びにケーブルシース11bに設けられた排気管18c、18dは、当初からケーブルシース11内において滞留していた空気を排気するための管である。ケーブルシース11内にグラウトを充填することにより、当初からケーブルシース11内において滞留していた空気は、かかるグラウトにより押し出される。ちなみに、当初からケーブルシース11内に滞留していた空気は、上述した排出管16を介して排気するようにしてもよい。
【0022】
排気収集用ホース19は、枝分かれした先端が、それぞれ排気管18a、18b、排気管18c、18d、並びに排出管16に接続される。この排気収集用ホースの他端は排気口27とされて開口されており、外部へと空気を排出可能とされている。
【0023】
即ち、ケーブルシース11から排気管18a、18b、排気管18c、18d、並びに排出管16から送出される空気は、1つの排気口27を介して排気できるように、排気収集用ホース19の流路が構成されている。
【0024】
流量センサ13は、排気口27からの排気量を測定する。上述したようにケーブルシース11から排出される空気は、排気収集用ホースにより1箇所の排気口27から出るように流路が形成されていることから、ケーブルシース11から排出される空気は、必ずこの排気口27を通過することになる。このため、この排気口27において流量センサ13を設け、その排気口27から排出される空気量を測定することにより、ケーブルシース11内からの総排気量を測定することも可能となる。
【0025】
流量センサ13としては、エアの流量を測定できる従来のいかなるセンサを用いるようにしてもよい。例えば、測定流体に羽根車を当ててその回転数を流量値に換算する羽根車式、鉛直方向に設置されたパイプ中の浮きの上昇度合で流量を検出する浮き子式、ファラデーの法則を応用した電磁式等、多様な検出方法が提案されているが、いかなる方式を適用するようにしてもよく、キーエンス製のFD−V70シリーズ、FD−V80シリーズ、FD−V40シリーズを適用するようにしてもよい。また検出した流体の温度に基づいてエアの流量を測定する方式を適用するようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明を適用したグラウト充填確認システム1による、グラウトの充填度合の確認方法について説明をする。
【0027】
図2は、グラウト充填確認システム1による確認方法の原理を示している。先ずステップS11において、ケーブルシース11a、ケーブルシース11b全体の容積をVとしたとき、グラウト未充填の状態では、かかるケーブルシース11全体の容積Vに相当する空気が充填された状態となっている。 次に、ステップS12へ移行し、注入管14における注入口21を介してグラウト41を注入する。その結果、ケーブルシース11内に充填されている空気は、このグラウト41の充填により、外部へと押し出されることになる。このケーブルシース11から押し出された空気の体積は、グラウト41の注入体積に相当するものとなる。
【0028】
次に、ステップS13へ移行し、ケーブルシース11内へのグラウト41の充填が完了する。即ち、このケーブルシース11内には、その容積Vに相当する体積Vgのグラウト41が充填された状態となる。また、このステップS13においてグラウト41の充填完了時における、排出空気の総体積をVaとする。このとき、常温であればVg=Vaが成立するが、常温以外の場合には、かかるVgは温度補正値αをVaに乗算した値と等しくなる(Vg=Va×α)。
【0029】
本発明は、この排出空気の総体積Vaを測定することにより、実際にケーブルシース11内に充填されたグラウト体積Vgを計算により求める。またケーブルシース11へのグラウト充填体積Vgを実測する。そして、この計算により求めたグラウト体積Vgと、グラウト体積の実測値をと比較し、ケーブルシース11内へのグラウト41の充填状況を確認する。
【0030】
図3は、グラウト充填確認システム1による確認方法の原理について、ケーブルシース11全体の容積Vに加えて、注入管14、排気管18、排出管16、グラウトキャップ15等の容積を考慮に入れた場合について示している。先ずステップS11´において、ケーブルシース11全体の容積をVとしたとき、グラウト未充填の状態では、かかるケーブルシース11全体の容積Vに相当する空気が充填された状態となっている。また、このケーブルシース11には、注入管14と、2本の排気管18と、排出管16、2個のグラウトキャップ15が設けられているものと仮定する。このとき、注入管14、排出管16の容積がともにA、グラウトキャップ15の1個分の容積がB、更に排気管18の1本分の容積をCとする。さらに、このケーブルシース11内には、PC鋼材43が緊張状態で配設され、その両端は支圧板47により支持されているものとする。このとき、先ずステップS11´において、グラウトを充填する前に、先ず、これら容積A〜Cを前もって現地で計測しておく。
【0031】
次に、ステップS12´へ移行し、注入管14を介してグラウト41を注入する。その結果、ケーブルシース11内に充填されている空気は、排気管18、排出管16を介して外部へと排出されることになる。このステップS12´においては、注入管14並びに一方のグラウトキャップ15、排気管18においてグラウトが充填された状態となっている。このケーブルシース11から押し出された空気の体積は、グラウト41の注入体積に相当するものとなる。即ち、このステップS12´において排出された空気の体積は、ケーブルシース11内に充填されたグラウト41に基づいて排出された空気の体積をVa1としたときに、Va1+A+B+Cで表されることになる。
【0032】
次に、ステップS13´へ移行し、グラウト41の充填が完了する。即ち、このステップS13´では、ケーブルシース11内において隙間無くグラウト41が充填された上で更に、注入管14並びに2個のグラウトキャップ15、2本の排気管18、排出管16においてグラウトが充填された状態となっている。ステップS13´においてケーブルシース11内に充填されたグラウト41に基づいて排出された空気の体積をVaとしたとき、排出された空気の総体積はVa´は、Va´=Va+2A+2B+2Cで表すことができる。このとき、常温であればVg=Va´が成立するが、常温以外の場合には、かかるVgは温度補正値αをVa´に乗算した値と等しくなる(Vg=Va´×α)。
【0033】
本発明は、この排出空気の総体積Va´を測定することにより、実際にケーブルシース11内に充填されたグラウト体積Vgを計算により求める。またケーブルシース11へのグラウト充填体積Vgを実測する。そして、この計算により求めたグラウト体積Vgと、グラウト体積の実測値をと比較し、ケーブルシース11内へのグラウト41の充填状況を確認する。
【0034】
上述した図1に示すグラウト充填確認システム1についても同様に、上記測定原理に基づいてグラウトの充填確認を行う。図4(a)に示すように、注入管14における注入口21を介してグラウト41を注入すると、このグラウト41は、グラウトキャップ15、ケーブルシース11aへと徐々に充填されることになる。また、このグラウトが充填された分において、ケーブルシース11a内の空気は、排出口27を介して外部へと排出されることになる。このときの排気量は、流量センサ13により計測していくことになる。
【0035】
グラウト41の注入を継続すると、図4(b)に示すように、グラウト41は、ケーブルシース11a全域に亘って充填され、さらに排気管18内にもグラウト41が充填されてくる。グラウト41は、チューブ25を介してもう一方のケーブルシース11b側へと流出する。このグラウト41の充填に伴って内部の空気は押し出され、排出口27を介して外部へと排出され、排気量は流量センサ13により計測されることになる。
【0036】
更にグラウト41の注入を継続すると、図4(c)に示すように、ケーブルシース11a、11b、排気管18a〜18d、注入管14、排出管16、チューブ25においてグラウト41で満たされる。この段階で内部の空気の排出は終了となり、流量センサ13において表示された排気量の読み取りを行うことになる。
【0037】
なお、このグラウト充填確認システム1では、グラウト41を、排気管18a〜18d、注入管14、排出管16内に留まらせ、排気収集用ホース19に向けては流出しないようにするために、排気収集用ホース19と排気管18、注入管14、排出管16との連結部分において図示しない流出防止継手を設けるようにしてもよい。
【0038】
上述の如き構成からなるグラウト充填確認システム1は、ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース11内へのグラウト充填確認する方法であって、空気を排気するための排気口22をケーブルシース11に設け、排気口22を介した排気量を測定するための流量センサ13を設け、ケーブルシース11内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース内から上記排気口を介して排出される排気量を流量センサ13により測定し、測定した排気量に基づいてケーブルシース11内へのグラウトの充填を確認する。このとき、注入口21にグラウトの注入量を測定するためのグラウト流量計12を設け、流量センサ13による測定値と、グラウト流量計12による測定値とを比較することにより、グラウトの充填を確認する。これにより、グラウトの充填確認をより高精度かつ確実に行うことが可能となる。
【0039】
なお、本発明では、あくまで流量センサ13による排気量の測定と、グラウト流量計12によるグラウトの注入量の測定を併用する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、流量センサ13による排気量の測定のみによりグラウトの充填確認を行うようにしてもよい。
【0040】
また本発明では、1の排気口22を介して排気されるように排気収集用ホース19を接続しているが、これに限定されるものではなく、複数の排気口22を介して排気するものであってもよい。かかる場合には、その複数の排気口22毎に流量センサ13を設け、それぞれの流量センサ13により測定した排気量を合計することにより、総排気量を求めることになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用したグラウト充填確認システムの構成図である。
【図2】グラウト充填確認システムによる確認方法の原理について説明するための図である。
【図3】グラウト充填確認システムによる確認方法の原理について説明するための他の図である。
【図4】グラウト充填確認システムについて実際に測定原理に基づいてグラウトの充填確認を行う具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 グラウト充填確認システム
11 ケーブルシース
12 グラウト流量計
13 流量センサ
14 注入管
15 グラウトキャップ
16 排出管
18 排気管
19 排気収集用ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法において、
上記ケーブルシース内にグラウトを注入するための注入口を設けるとともに、当該ケーブルシース内の空気を排気するための排気口を設け、
上記ケーブルシース内から上記排気口を介した排気量を測定するための流量センサを設け、
上記注入口を介して上記ケーブルシース内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース内から上記排気口を介して排出される排気量を上記流量センサにより測定し、
測定した排気量に基づいて上記ケーブルシース内へのグラウトの充填を確認すること
を特徴とするPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法。
【請求項2】
上記注入口に上記グラウトの注入量を測定するためのグラウト流量計を設け、
上記流量センサによる測定値と、上記グラウト流量計による測定値とを比較することにより、上記グラウトの充填を確認すること
を特徴とする請求項1記載のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法。
【請求項3】
上記ケーブルシース内から1つの上記排気口を介して排気できるように流路を構成し、
上記1つの排気口を介した排気量を上記流量センサにより測定すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認方法。
【請求項4】
ポストテンション方式のPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認システムにおいて、
上記ケーブルシース内にグラウトを注入するための注入口と、
当該ケーブルシース内の空気を排気するための排気口と、
上記ケーブルシース内から上記排気口を介した排気量を測定するための流量センサとを備え、
上記流量センサは、上記注入口を介して上記ケーブルシース内にグラウトを充填することにより、当該ケーブルシース内から上記排気口を介して排出される排気量を測定し、測定した排気量に基づいて上記ケーブルシース内へのグラウトの充填を確認すること
を特徴とするPC構造物のケーブルシース内へのグラウト充填確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−144371(P2009−144371A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321271(P2007−321271)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000103769)オリエンタル白石株式会社 (136)
【Fターム(参考)】