説明

PET装置、PET/CT装置、及びX線CT装置

【課題】画質向上を可能とする。
【解決手段】検出器リング35は、被検体回りに配列され前記被検体内から放出されたガンマ線を検出する複数のガンマ線検出器を有する。PET収集部2は、前記複数のガンマ線検出器を介して検出されたガンマ線に応じたPET生データを収集する。光源45は、PET生データの収集中において、被検体に向けて光を繰り返し照射する。光検出器47は、被検体を挟んで光源45に対向する位置に設けられ、光源45からの光を検出する。輪郭画像発生部12は、光検出器47からの出力信号に基づいて、PET生データの収集中における被検体の輪郭に関する時系列の輪郭画像を発生する。PET画像発生部14は、時系列の輪郭画像を利用して、PET生データから被検体の体動によるアーチファクトが低減されたPET画像を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、PET装置、PET/CT装置、及びX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PET(positron emission tomography)収集においては、陽電子放出核種で標識されたFDG(fluoro deoxy glucose)等の薬剤が被検体に投与される。PET装置は、この薬剤から放出されるペアのガンマ線を検出することで、被検体内の陽電子放出核種の濃度分布を示す機能画像(PET画像)を発生している。
【0003】
PET/CT(computed tomography)装置は、PET画像とCTで得られる形態画像(CT画像)とを重ねることで臨床効果を高めている。また、PET/CT装置は、CT画像をPET画像の再構成処理における減弱補正等に利用している。このため、PET画像とCT画像とは、正確に位置合わせされている方が良い。
【0004】
PET収集時間は、15分から20分程度であり比較的長時間にわたっている。従ってPET収集中に被検体が動いてしまう場合がある。被検体の体動によりPET画像に体動アーチファクトが発生してしまう。また、PET画像とCT画像とに位置ずれが生じてしまい、PET画像の減弱補正の精度が悪化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009―25035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
目的は、画質向上を可能とするPET装置、PET/CT装置、及びX線CT装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係るPET装置は、被検体内から放出されたガンマ線を検出する複数のガンマ線検出器を介して、前記検出されたガンマ線に応じたPET生データを収集するPET収集部と、前記PET生データの収集中において、前記被検体に向けて光を繰り返し照射する光源と、前記被検体を挟んで前記光源に対向する位置に設けられ、前記光源からの光を検出する光検出器と、前記光検出器からの出力信号に基づいて、前記PET生データの収集中における前記被検体の輪郭に関する時系列の輪郭画像を発生する輪郭画像発生部と、前記時系列の輪郭画像を利用して、前記PET生データから前記被検体の体動によるアーチファクトが低減されたPET画像を発生するPET画像発生部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係るPET装置の構成を示す図。
【図2】図1のPETガントリと光ガントリとの配置例を示す図。
【図3】図1のPETガントリの内部構造の概略図。
【図4】図1の光ガントリに含まれる光源と光検出器との配置例を示す図。
【図5】図1の輪郭収集部による輪郭データの収集処理例を説明するための図。
【図6】図1のスキャン制御部のもとに行われるスキャンのスキャンシーケンスを示す図。
【図7】図1のPET画像発生部の構成を示す図。
【図8】図1のPET画像発生部の他の構成を示す図。
【図9】変形例1に係るPETガントリと光ガントリとの配置例を示す図。
【図10】変形例3に係る光源と光検出器との配置例を示す図。
【図11】第2実施形態に係るPET/CT装置の構成を示す図。
【図12】第2実施形態の配置パターン1における光源と光検出器(X線検出器)との配置例を示す図。
【図13】第2実施形態の配置パターン1におけるCTガントリ内のX線管、光源、及びX線検出器(光検出器)の配置例を示す図。
【図14】第2実施形態の配置パターン2におけるCTガントリ内のX線管、X線検出器、光源、及び光検出器の配置例を示す図。
【図15】第2実施形態の配置パターン3における光源と光検出器との配置例を示す図。
【図16】第2実施形態の配置パターン4における光源と光検出器との配置例を示す図。
【図17】図11のPET画像発生部の構成を示す図。
【図18】図11のPET画像発生部の他の構成を示す図。
【図19】変形例5に係るX線CT装置の構成を示す図。
【図20】変形例5における光源と光検出器との配置例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるPET装置、PET/CT装置、及びX線CT装置を説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るPET装置1の構成を示す図である。図1に示すように、PET装置1は、PET収集部2、輪郭収集部4、PET収集部6、輪郭収集制御部8、及びスキャン制御部10を有する。
【0011】
PET収集部2は、PET収集制御部6による制御に従って、被検体に関するPET生データを収集する。PET収集部2は、ガンマ線検出機構であるPETガントリ31を有している。なお簡便のため、PET生データの収集をPET収集と呼ぶことにする。
【0012】
輪郭収集部4は、輪郭収集制御部8による制御に従って、PET収集中における被検体の輪郭に関する時系列の輪郭データを光を利用して収集する。輪郭収集部4は、光検出機構である光ガントリ33を有している。なお簡便のため、輪郭データの収集を輪郭収集と呼ぶことにする。
【0013】
図2は、PETガントリ31と光ガントリ33との配置例を示す図である。図2に示すように、PETガントリ31と光ガントリ33とは、天板に載置された被検体Pの体軸(Z軸)に沿って配列されている。
【0014】
図3は、PETガントリ31の内部構造の概略図である。図3に示すように、PETガントリ31は、検出器リング35を有している。検出器リング35の開口部には、被検体Pを載置可能な天板が挿入される。天板は、検出器リング35の中心軸に沿って移動可能に寝台(図示せず)に支持されている。天板に載置された被検体Pの体軸(Z軸)は、検出器リング35の中心軸に一致するものとする。典型的には、PETガントリ31内には、Z軸に沿って複数の検出器リング35が配列されている。検出器リング35は、Z軸回りに円周状に配列された複数のガンマ線検出器37を有している。
【0015】
ガンマ線検出器37は、被検体P内部から放出されたガンマ線を検出し、検出された光の強度に応じた強度を有する電気信号を生成する。具体的には、ガンマ線検出器37は、複数のシンチレータ39と複数の光電子増倍管41とを有している。シンチレータ39は、ガンマ線が入射されると蛍光を発生する。蛍光は、ライトガイド(図示せず)を介して光電子増倍管41に導かれる。光電子増倍管41は、ライドガイドを介してシンチレータ39から蛍光を受波し、受波された蛍光の光量を増幅し、光量に応じた電気信号を発生する。発生された電気信号は、PET生データ発生部43に供給される。
【0016】
PET生データ発生部43は、ガンマ線検出器からの電気信号に既存のエネルギー計算処理や位置計算処理、検出時刻計測処理、同時計測処理等の信号処理を施しPET生データを発生する。エネルギー計算処理においてPET生データ発生部43は、ガンマ線検出器からの電気信号に基づいて、ガンマ線検出器に入射されたガンマ線のエネルギー値を計算する。位置計算処理においてPET生データ発生部43は、ガンマ線検出器からの電気信号に基づいて、ガンマ線の入射位置を計算する。ガンマ線の入射位置は、ガンマ線が入射したシンチレータの位置座標に対応する。検出時刻計測処理においてPET生データ発生部43は、ガンマ線検出部によるガンマ線の検出時刻を計測する。エネルギー値のデータと位置座標のデータと検出時刻のデータとは、関連付けてられている。エネルギー値のデータと位置座標のデータと検出時刻のデータとの組合せをイベントデータと呼ぶことにする。同時計測処理においてPET生データ発生部43は、計測された検出時刻をタイムスタンプとして利用し同時計測処理を行う。具体的には、PET生データ発生部43は、予め定められた時間枠内に収まる2つのイベントに関するイベントデータを特定する。この2つのイベントは、同一の対消滅点から発生されたペアのガンマ線に由来する。ペアのガンマ線を検出した対のガンマ線検出器を結ぶ線は、LOR(line of interest)と呼ばれている。LORに関するペアのイベントに関するイベントデータの組合せをPET生データと呼ぶことにする。すなわち、PET生データは、ペアのイベントに関するエネルギー値のデータ、位置座標のデータ、検出時刻のデータの組合せである。発生されたPET生データは、記憶部20に記憶される。
【0017】
光ガントリ33は、図4に示すように、光源45と光検出器47とを被検体を挟んで対向するように支持している。また、光ガントリ33は、光源45と光検出器47とをZ軸回りに回転可能に支持している。ここでZ軸回りの光源45と光検出器47との角度を照射角度と呼ぶことにする。
【0018】
光源45は、PET収集部2によるPET収集において、被検体に向けて光を繰り返し照射する。光源45から照射される光は、具体的には、ガンマ線よりも波長が長いX線や紫外線、赤外線、可視光線である。以下、説明を具体的に行うため光源45から照射される光は、人体にとって無害な可視光線であるとする。
【0019】
光検出器47は、被検体を挟んで光源45に対向する位置に設けられている。光検出器47は、光源45から被検体に向けて照射された光を繰り返し検出する。典型的には、光検出器47は、2次元状に光検出素子が配列されてなる2次元アレイタイプである。光源45からの光は、光源45の回転方向に沿う光の広がり方向(ファン方向)及びZ軸方向に沿う光の広がり方向(コーン方向)に広がっている。ファン方向に関する光の広がり角度φは、被検体の輪郭が光検出器47により検出可能なように設定される。可視光線は、被検体を透過しない。光源45から照射された光は、光検出器47の検出面に被検体の陰影を生じさせる。光検出器47は、被検体の輪郭(あるいはシルエット)を検出することになる。光検出器47は、検出された光に応じた電気信号を発生する。発生された電気信号は、図1に示すように、輪郭データ発生部49に供給される。
【0020】
輪郭データ発生部49は、光検出器47からの電気信号をアナログからデジタルに変換する。デジタルに変換された電気信号が輪郭データである。このようにして輪郭データ発生部49は、PET収集中において、被検体に関する時系列の輪郭データを発生する。なお時系列の輪郭データは、複数の収集時刻に関する輪郭データを含んでいるとする。輪郭データは、記憶部20に記憶される。
【0021】
PET収集制御部6は、スキャン制御部10による制御に従って、PET収集部2を制御する。上述のようにPET収集部2は、PET収集制御部6による制御に従って、被検体に関するPET生データを収集する。なおPET収集は、通常、10分から15分程度を要し、比較的長時間にわたる。
【0022】
輪郭収集制御部8は、スキャン制御部10による制御に従って、輪郭収集部8を制御する。上述のように輪郭収集部8は、輪郭収集制御部8による制御に従って、被検体に関する時系列の輪郭データを収集する。なお1回の輪郭収集は、数秒程度を要し、比較的短時間にわたる。
【0023】
スキャン制御部10は、所定のスキャンシーケンスに従ってPET収集と輪郭収集とを行うように、PET収集制御部6と輪郭収集制御部8とを制御する。なお、スキャンは、概念的に、PET収集部6によるPET収集と輪郭収集部8による輪郭収集とを含んでいるとする。スキャンシーケンスは、PET生データと輪郭データとの収集タイミング等を規定している。
【0024】
図1に示すように、第1実施形態に係るPET装置1は、さらに、輪郭画像発生部12、PET画像発生部14、表示部16、操作部18、記憶部20、及びシステム制御部22を有する。
【0025】
輪郭画像発生部12は、時系列の輪郭データに基づいて時系列の輪郭画像を発生する。時系列の輪郭画像は、複数の収集時刻に関する複数の輪郭画像を含んでいる。輪郭画像は、被検体の輪郭を描出している。時系列の輪郭画像は、PET収集中における被検体の輪郭の動き、すなわち、体動を表現している。
【0026】
PET画像発生部14は、時系列の輪郭画像を利用して、PET生データから、被検体の体動によるアーチファクトが低減されたPET画像を発生する。このように時系列の輪郭画像は、PET画像の体動補正に利用される。
【0027】
表示部16は、PET画像等を表示デバイスに表示する。表示デバイスとしては、CRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等が適宜利用可能である。
【0028】
操作部18は、操作者からの各種指令や情報入力を受け付ける。具体的には、操作部18は、入力デバイスを介してスキャンの開始指示や終了指示を入力したり、スキャン条件を入力したりする。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、各種ボタン、タッチキーパネル等が適宜利用可能である。
【0029】
記憶部20は、PET生データやPET画像のデータ、輪郭データ、輪郭画像のデータを記憶する。PET生データは、例えば、リストモードやヒストグラムモードで記憶される。また、記憶部20は、PET画像発生のための専用プログラムを記憶している。
【0030】
システム制御部22は、PET装置1の中枢として機能する。例えば、システム制御部22は、記憶部20から専用プログラムを読み出し、この専用プログラムに従って各部を制御することによりスキャンを実行し、体動補正されたPET画像を発生する。
【0031】
以下、第1実施形態に係るPET装置1の詳細について説明する。まずは、輪郭収集部8による輪郭収集について説明する。
【0032】
輪郭データの収集方法は、大きく分けて2通りある。第1の収集方法は、光源45が光を繰り返し照射している期間において、光源45と光検出器47との位置を固定する方法であり、第2の収集方法は、光源45が光を繰り返し照射している期間において、光源45と光検出器47とを回転する方法である。
【0033】
〔第1の収集方法:光源45と光検出器47とを固定する方法〕 図5は、第1の収集方法を説明するための図である。図5の(a)や(b)に示すように、第1実施形態に係る光源45と光検出器47の検出面中心とを結ぶ線Lは、天板に平行な面においてZ軸に対して垂直に設定されている。第1の収集方法の場合、光源45から光が繰り返し照射されている期間、光源45と光検出器47とは所定の照射角度で固定されている。照射角度は、典型的には、被検体Pの体動を最も検出しやすい角度に設定される。例えば、図5の(b)に示すように、被検体Pの呼吸動を最も検出しやすい略90度又は略270度に設定される。換言すれば、被検体Pの側方から光が照射されるように光源45と光検出器47との照射角度が設定される。なお照射角度は、操作者により操作部18を介して、又は操作者等により手動で任意に設定可能である。照射角度が一定に保たれた状態で光源45は、輪郭収集の撮像視野に光を繰り返し照射する。なお輪郭収集の撮像視野は、光の照射領域に規定される。輪郭データ発生部49は、光検出器47からの電気信号に基づいて光照射毎に1フレーム分の輪郭データを発生する。輪郭画像発生部49は、1フレーム分の輪郭データに基づいて被検体に関する1枚の輪郭画像を発生する。輪郭画像は、被検体に関する画素領域(以下、被検体領域と呼ぶことにする。)を含む。このように、輪郭画像には、照射角度から見た被検体のシルエット、換言すれば、輪郭が描出されている。
【0034】
なお上記の説明において、線Lは、天板に平行な面においてZ軸に対して垂直に設定されるように、光源45と光検出器47とが配置されるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、輪郭収集の撮像視野がPET収集の撮像視野にオーバラップしなければ、線Lが天板に平行な面においてZ軸に対して斜めに設定されるように、光源45と光検出器47とが配置されてもよい。
【0035】
〔第2の収集方法:光源45と光検出器47とを回転する方法〕 第2の収集方法の場合、光源45から光が繰り返し照射されている期間、光源45と光検出器47とをZ軸回りに回転させる。すなわち、第2の収集方法の場合、1回の輪郭収集において、複数の照射角度に関する輪郭データが輪郭データ発生部49により発生される。例えば、光源45は、Z軸回りを回転しながら既定の照射角度毎に光を発生し、輪郭データ発生部49は、各照射角度に関する輪郭データを発生する。輪郭画像発生部12は、複数の照射角度に関する輪郭データに基づいて被検体に関する1枚の輪郭画像を再構成する。輪郭画像の画像再構成法は、基本的にはCTの画像再構成法と同様である。しかしながら、輪郭データセットに基づく画像再構成は、CTの画像再構成よりも簡便に行うことができる。例えば、輪郭データセットに基づく画像再構成は、少なくともコンボリューションとバックプロジェクションとにより実現可能である。
【0036】
次に、システム制御部22による制御のもとに行われるPET画像の発生処理について詳細に説明する。
【0037】
図6は、スキャン制御部10の制御のもとに行われる第1実施形態に係るスキャンのスキャンシーケンスを示す図である。図6に示すように、まず、PET収集前の基準時刻t(0)において、輪郭収集部4は、上述の方法により輪郭データImData(0)を収集する。輪郭データImData(0)は、第1の収集方法の場合、1つの照射角度に関する輪郭データを含み、第2の収集方法の場合、複数の照射角度に関する輪郭データを含む。ここで、PET収集前に収集された輪郭データを基準輪郭データと呼ぶことにする。基準輪郭データImData(0)が収集されると輪郭画像発生部12は、基準輪郭データImData(0)に基づいて基準輪郭画像Im(0)を発生する。
【0038】
次にPET収集部2は、PET生データPETDataを収集する。PET収集は、長時間にわたるので被検体の体動を誘発する。PET収集中、輪郭収集部4は、上述のように、既定の時間間隔(十数秒に数秒の時間間隔)毎に輪郭データImData(k)を収集する。なおPET収集の開始後に収集された輪郭データを比較輪郭データImData(k)と呼ぶことにする。換言すれば、比較輪郭データImData(k)は、基準時刻t(0)とは異なる他の時刻に収集された輪郭データである。なお1≦k≦nであり、k及びnは、1以上の整数である。比較輪郭データImData(k)が収集されると輪郭画像発生部12は、比較輪郭データImData(k)に基づいて比較輪郭画像Im(k)を発生する。比較輪郭データImData(k)は、PET生データの収集中であっても、PET生データの一時的な中断時において収集されても良い。また、体動補正の精度向上のため輪郭収集部4は、既定の時間間隔毎ではなく、常に比較輪郭データImData(k)を収集しても良い。
【0039】
比較輪郭画像Im(k)が発生されるとPET画像発生部14によりPET画像の発生処理が行われる。PET画像発生部14は、輪郭画像(基準輪郭画像Im(0)及び比較輪郭画像Im(k))を利用して、体動補正されたPET画像を発生する。PET画像発生部14には、処理方法に応じて2つのタイプがある。第1のPET画像発生部14Aは、PET画像に体動補正を施す。第2のPET画像発生部14Bは、PET生データに体動補正を施す。以下、第1のPET画像発生部14Aと第2のPET画像発生部14Bとに分けて体動補正されたPET画像の発生処理について詳細に説明する。
【0040】
図7は、第1実施形態に係る第1のPET画像発生部14Aの構成を示す図である。図7に示すように、第1のPET画像発生部14Aは、変換行列算出部51、PET生データ区分部53、PET画像再構成部55、PET画像体動補正部57、及びPET画像加算部59を有する。
【0041】
変換行列算出部51は、基準輪郭画像Im(0)と比較輪郭画像Im(k)との変換行列M(k)を算出する。具体的には、変換行列算出部51は、比較輪郭画像Im(k)の被検体領域の輪郭を基準輪郭画像Im(0)の被検体領域の輪郭に合わせ、比較輪郭画像Im(k)から基準輪郭画像Im(0)への平行移動・回転移動のための変換行列M(k)を算出する。このように、変換行列M(k)は、比較輪郭画像Im(k)から基準輪郭画像Im(0)への座標変換を表す行列である。なお輪郭の位置合わせの方法として、例えば、変換行列算出部51は、輪郭を楕円で近似し、楕円上の代表的な数点を利用して変換行列M(k)を算出する。
【0042】
PET生データ区分部53は、図6に示すように、PET生データPETDataを時系列に沿ってk+1個のPET生データPETData(k)に区分する。PET生データPETData(k)の数は、典型的には、基準輪郭画像Im(0)と比較輪郭画像Im(k)との合計数に等しい。具体的には、PET生データ区分部53は、基準時刻t(0)を含む第1の所定期間に収集されたPET生データを基準PET生データPETData(0)に分類する。第1の所定期間は、基準時刻t(0)から、基準時刻t(0)と比較輪郭データImData(1)の収集時刻t(1)との中間時刻t´(1)までの時間間隔t´(1)−t(0)に規定される。なお、中間時刻t´(1)は、t(0)<t´(1)<t(1)であれば、如何なる時刻でもよい。これは、t(k−1)<t´(k)<t(k)でも同様である。PET生データ区分部53は、比較輪郭データImData(k)の収集時刻t(k)を含む第2の所定期間に収集されたPET生データを比較PET生データPETData(k)に分類する。換言すれば、PET生データ区分部52は、時刻t´(1)からPET収集の終了時刻t(z)までに収集されたPET生データを検出時刻のデータを参照してn個に分割する。第2の所定期間t´(k+1)−t´(k)は、隣り合う比較輪郭データImData(k)の収集時刻の差分t(k+1)−t(k)と同一の時間間隔に規定される。
【0043】
PET画像再構成部55は、基準時刻t(0)に関する基準PET生データPETData(0)に基づいて基準PET画像PETIm(0)を再構成する。同様に、PET画像再構成部55は、基準時刻t(0)外の他の収集時刻t(k)に関する比較PET生データPETData(k)に基づいて比較PET画像PETIm(k)を再構成する。
【0044】
PET画像体動補正部57は、比較PET画像PETIm(k)に変換行列M(k)を適用して比較PET画像CPETIm(k)を座標変換する。座標変換により比較PET画像Im(k)は、体動補正される。すなわち、座標変換により比較PET画像Im(k)上の体動アーチファクトが低減される。この詳細については、以下に説明する。座標変換後のPET画像CPETIm(k)を補正比較PET画像CPETIm(k)と呼ぶことにする。補正比較PET画像CPETIm(k)の座標系は、基準輪郭画像Im(0)の座標系に一致しているので、補正比較PET画像CPETIm(k)は、基準時刻t(0)からの被検体の体動に起因する体動アーチファクトが低減される。なお基準PET画像PETIm(0)は基準時刻t(0)に関する画像であるので、基準PET画像PETIm(0)の座標系は基準輪郭画像Im(0)の座標系に一致しているとみなされる。すなわち、基準PET画像PETIm(0)は、体動アーチファクトを含まないとみなされる。
【0045】
PET画像加算部59は、基準PET画像PETIm(0)と全ての補正比較PET画像CPETIm(k)とを加算して、体動補正されたPET画像CPETImを発生する。PET画像CPETImは、基準時刻t(0)からの被検体の体動に起因する体動アーチファクトを多く含まない。
【0046】
図8は、第1実施形態に係る第2のPET画像発生部14Bの構成を示す図である。図8に示すように、第2のPET画像発生部14Bは、変換行列算出部51、PET生データ区分部53、PET生データ体動補正部61、PET生データ加算部63、及びPET画像再構成部65を有する。なお以下の説明において、第1のPET画像発生部14Aと略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
PET生データ体動補正部61は、比較PET生データPETData(k)に変換行列M(k)を適用して比較PET生データPETData(k)を座標変換する。座標変換により比較PET生データPETData(k)に含まれる体動アーチファクト成分が低減される。これにより比較PET生データPETData(k)が体動補正される。座標変換後の比較PET生データPETData(k)を補正比較PET生データCPETData(k)と呼ぶことにする。各補正比較PET生データCPETData(k)の座標系は、基準輪郭画像Im(0)の座標系に一致しているので、体動アーチファクトが低減されている。なお基準PET生データPETData(0)は基準時刻t(0)に関するPET生データであるので、基準PET生データPETData(0)の座標系は基準輪郭画像Im(0)の座標系に一致しているものとみなされる。すなわち、基準PET生データPETData(0)は、体動アーチファクト成分を含まないとみなされる。
【0048】
PET生データ加算部63は、基準PET生データPETData(0)と全ての補正比較PET生データCPETData(k)とを加算して、体動補正されたPET生データCPETDataを発生する。PET生データCPETDataは、オリジナルのPET生データPETDataに比して体動アーチファクト成分を含まない。
【0049】
PET画像再構成部65は、体動補正されたPET生データCPETDataに基づいて、体動補正されたPET画像CPETImを再構成する。PET画像CPETImは、オリジナルのPET画像に比して体動アーチファクトを多く含まない。
【0050】
かくして第1実施形態によれば、画質向上を可能とするPET装置を提供することが可能となる。
【0051】
(変形例1)
第1実施形態に係るPET装置は、複数の検出器リングがZ軸に沿って空間的に分離されていない標準的なPET装置であるとした。変形例1に係るPET装置は、複数の検出器リングがZ軸に沿って空間的に分離されている開放型のPET装置(OpenPET装置)である。以下、変形例1に係るPET装置について説明する。なお以下の説明において、第1実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0052】
図9は、変形例1に係るPET装置のPETガントリ31と光ガントリ33との配置を示す図である。図9に示すように、光ガントリ33は、第1のPETガントリ31―1と第2のPETガントリ31―2との間に設けられている。各PETガントリ31―1,31―2は、Z軸に沿って配列された複数の検出器リング35を有している。光ガントリ33は、第1実施形態と同様に光源45と光検出器47とを有している。PET収集の撮像視野は、各PETガントリ31―1,31―2内の検出器リング35の開口部内のみならず、2つのPETガントリ31―1,31―2の間、すなわち、光ガントリ33内をも包含する。すなわち、PET収集の撮像視野は、輪郭収集の撮像視野を含んでいる。換言すれば、PET収集の撮像視野は輪郭収集の撮像視野にオーバラップする。従って、PET画像上の被検体領域と輪郭画像上の被検体領域とを完全に位置整合させることができるので、変形例1に係るPET装置は、第1実施形態に比して、高精度の体動補正を実現できる。
【0053】
かくして変形例1によれば、画質向上を可能とするPET装置を提供することが可能となる。
【0054】
なお光源45と光検出器47とを搭載する光ガントリ33は、1台のみに限定されず、2台以上設けられても良い。この場合、各光ガントリ33は、Z軸に沿って、検出器リング35、光ガントリ33、検出器リング35、光ガントリ33、検出器リング35、・・・・のように、複数箇所の検出器リング35間に設けられても良い。
【0055】
(変形例2)
第1実施形態に係るPET画像発生部14は、PET生データ発生部43からのオリジナルのPET生データを基準PET生データと比較PET生データとに区分するとした。変形例2に係るPET画像発生部は、オリジナルのPET生データを区分しない。以下、変形例2に係るPET装置について説明する。
【0056】
変形例2に係る第1のPET画像発生部14A´は、変換行列算出部51´、PET画像再構成部55´、及びPET画像体動補正部57´を有する。
【0057】
変換行列算出部51´は、基準輪郭画像と比較輪郭画像との変換行列を算出する。なお変形例2に係る比較輪郭画像は、1枚である。この比較輪郭画像は、PET収集開始からPET収集終了後までの期間において任意のタイミングで輪郭収集部4により収集された輪郭データに基づく画像である。
【0058】
PET画像再構成部55´は、PET生データ発生部43からのオリジナルのPET生データに基づいてオリジナルのPET画像を再構成する。
【0059】
PET画像体動補正部57´は、時系列の輪郭画像を利用して、オリジナルのPET画像から、体動補正されたPET画像を発生する。具体的には、PET画像体動補正部57´は、変換行列算出部51からの変換行列を、オリジナルのPET画像に適用し、オリジナルのPET画像を座標変換する。座標変換によりオリジナルのPET画像は体動補正される。
【0060】
変形例2に係る第2のPET画像発生部14B´は、変換行列算出部51´、PET生データ体動補正部61´、及びPET画像再構成部65´を有する。
【0061】
PET生データ体動補正部61´は、時系列の輪郭画像を利用して、PET生データ発生部43からのオリジナルのPET生データから、体動補正されたPET生データを発生する。具体的には、PET生データ体動補正部61´は、変換行列算出部51´からの変換行列をオリジナルのPET生データに適用し、オリジナルのPET生データを座標変換する。座標変換によりオリジナルのPET生データは、体動補正される。
【0062】
PET画像再構成部65´は、体動補正されたPET生データに基づいて体動補正されたPET画像を再構成する。
【0063】
このように、変形例2に係るPET画像発生部14´は、オリジナルのPET生データを複数のPET生データに区分すること無しに、時系列の輪郭画像を利用して体動補正されたPET画像を発生することができる。しかしながら、区分処理の省略により、変形例2に係るPET画像の体動補正の精度は、第1実施形態に比して低減してしまう。そのかわり、区分処理の省略に伴って、変形例2に係るPET画像発生部14´は、区分処理や加算処理に伴う処理時間を無くすことができ、体動補正の処理時間を低減することができる。
【0064】
かくして変形例2によれば、画質向上を可能とするPET装置を提供することが可能となる。
【0065】
(変形例3)
第1実施形態に係る光源45と光検出器47とは、輪郭収集の撮像視野がPET収集の撮像視野にオーバラップしないように配置されるとした。変形例3においては、光源45と光検出器47とは、輪郭収集の撮像視野がPET収集の撮像視野にオーバラップするように配置される。
【0066】
図10は、変形例3に係る光源45と光検出器47との配置を示す図である。図10に示すように、光源45と光検出器47とは、線Lが天板に平行な面においてZ軸に対して傾斜し、PET収集の撮像視野を挟んで対向するように配置される。すなわち、光源45と光検出器47とは、PETガントリ31を挟んで互いに対向する位置に配置される。この場合、光源45と光検出器47とは、1つの筐体(光ガントリ33)に搭載されていない。このように、光源45と光検出器47とがPET収集の撮像視野を挟んで対向するように配置されることで、PET収集の撮像視野を輪郭収集の撮像視野にオーバラップさせることができる。従って変形例1と同様に、PET画像上の被検体領域と輪郭画像上の被検体領域とを解剖学的に位置整合させることができるので、変形例3に係るPET装置は、第1実施形態に比して、高精度の体動補正を実現できる。
【0067】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係るPET/CT装置について説明する。なお以下の説明において、第1実施形態や変形例1、変形例2、変形例3と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0068】
図11は、第2実施形態に係るPET/CT装置100の構成を示す図である。図11に示すように、PET/CT装置100は、PET収集部2、輪郭収集部4、PET収集制御部6、輪郭収集制御8、CT収集部102、CT収集制御部104、及びスキャン制御部106を有する。
【0069】
CT収集部102は、CT収集制御部104による制御に従って、被検体に関するCT生データ(投影データ)を収集する。CT収集部102は、X線検出機構であるCTガントリ121を有している。なお簡便のため、CT収集部102によるCT生データの収集をCT収集(CTスキャン)と呼ぶことにする。
【0070】
CTガントリ121は、X線管123とX線検出器125とを有している。X線管123とX線検出器125とは、被検体を挟んで対向し、Z軸回りに回転可能にCTガントリ121内の回転フレーム(図示せず)により支持されている。X線管123は、図示しない高電圧発生部からの高電圧の印加によりX線を発生する。X線検出器125は、X線管123から発生され被検体を透過したX線を検出し、検出されたX線の強度に応じた電気信号を出力する。出力された電気信号は、CT生データ発生部127に供給される。
【0071】
CT生データ発生部127は、図示しないDAS(data acquisition system)と前処理部とを有している。DASは、X線検出器125から出力された電気信号を増幅し、デジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された電気信号をCT生データと呼ぶことにする。前処理部は、DASからのCT生データに対数変換や感度補正等の前処理を施す。前処理が施されたCT生データは、記憶部116に記憶される。
【0072】
CT収集制御部104は、スキャン制御部106による制御に従って、CT収集部104を制御する。上述のようにCT収集部102は、収集制御部104により制御に従って、被検体に関するCT生データを収集する。
【0073】
スキャン制御部106は、所定のスキャンシーケンスに従ってPET収集と輪郭収集とCT収集とを行うように、PET収集制御部6と輪郭収集制御部8とCT収集制御部104とを制御する。なお、第2実施形態に係るスキャンは、概念的に、PET収集部2によるPET収集と輪郭収集部4による輪郭収集とCT収集部102によるCT収集とを含んでいるとする。スキャンシーケンスは、PET生データと輪郭データとCT生データとの収集タイミング等を規定している。
【0074】
図11に示すように、PET/CT装置100は、さらに、CT画像再構成部108、減弱係数マップ発生部110、PET画像発生部112、表示部114、操作部18、記憶部116、及びシステム制御部118を有する。
【0075】
CT画像再構成部108は、CT生データに基づいて被検体に関するCT画像を再構成する。CT画像の再構成断面は、PET画像の再構成断面に一致するように設定される。
【0076】
減弱係数マップ発生部110は、CT画像に基づいてガンマ線の減弱係数の分布を表す減弱係数マップを発生する。なお、減弱係数マップ発生部110は、CT生データから直接的に減弱係数マップを発生してもよい。この際、減弱係数マップの断面は、PET画像の再構成断面に一致するように設定される。
【0077】
PET画像発生部112は、時系列の輪郭画像と減弱係数マップとを利用して、PET生データから、体動補正と減弱補正とがなされたPET画像を発生する。
【0078】
表示部114は、PET画像とCT画像とを重ね合わせて表示デバイスに表示する。表示デバイスとしては、CRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等が適宜利用可能である。
【0079】
記憶部116は、PET生データやPET画像のデータ、輪郭データ、輪郭画像のデータ、CT生データ、CT画像のデータ、減弱係数マップのデータを記憶する。また、記憶部116は、第2実施形態に係るPET画像発生のための専用プログラムを記憶する。
【0080】
システム制御部118は、PET/CT装置100の中枢として機能する。例えば、システム制御部118は、記憶部116から専用プログラムを読み出し、この専用プログラムに従って各部を制御することによりスキャンを実行し、減弱補正と体動補正とがなされたPET画像を発生する。
【0081】
以下、第2実施形態に係るPET/CT装置100の詳細について説明する。まずは、光源45と光検出器47との配置について説明する。第2実施形態は、光源45と光検出器47との配置パターンを複数有している。以下、光源45と光検出器47との配置パターンについて詳細に説明する。
【0082】
配置パターン1: 図12は、配置パターン1における光源45と光検出器47(X線検出器125)との配置例を示す図である。図13は、CTガントリ121内のX線管123、光源45、及びX線検出器125(光検出器47)の配置例を示す図である。図12に示すように、配置パターン1におけるPET/CT装置100は、OpenPETタイプである。CTガントリ121は、第1のPETガントリ31―1と第2のPETガントリ31―2との間に設けられている。CTガントリ121は、X線管123とX線検出器125とをZ軸回りに回転可能に支持するCT回転フレーム(図示せず)を搭載している。X線管123には、光源45が取り付けられている。光源45から照射される光は、X線検出器125により検出される。このように配置パターン1においてX線検出器125は、光検出器47と兼用である。X線検出器125により光源45から光を検出する場合、X線検出器125に設けられている遮光板は、外されるとよい。遮光板は、操作者により手動で外されてもよいし、自動取り外し機構により自動的に外されてもよい。配置パターン1の場合、光源45が光を繰り返し照射している期間において光源45とX線検出器125とは、CT回転フレームにより回転されても固定されていてもどちらでもよい。
【0083】
配置パターン2: 配置パターン2におけるPET/CT装置100は、配置パターン1と同様に、OpenPETタイプである。図14は、配置パターン2におけるCTガントリ121内のX線管123、X線検出器125、光源45、及び光検出器47の配置例を示す図である。図14に示すように、CTガントリ121は、X線管123とX線検出器125とをZ軸回りに回転可能に支持するCT回転フレーム(図示せず)を搭載している。また、CTガントリ121は、光源45と光検出器47とをZ軸回りに回転可能に支持する光回転フレーム(図示せず)を搭載している。CT回転フレームと光回転フレームとは、独立して回転可能である。配置パターン2の場合、光源45が光を繰り返し照射している期間において光源45と光検出器47とは、光回転フレームによりZ軸回りに回転されても、固定されていてもどちらでもよい。
【0084】
配置パターン3: 図15は、配置パターン3における光源45と光検出器47との配置例を示す図である。図15に示すように、配置パターン3におけるPET/CT装置100は、配置パターン1や配置パターン2と同様に、OpenPETタイプである。Z軸に沿ってCTガントリ121、第1のPETガントリ31―1、光ガントリ121、第2のPETガントリ31―2の順に配置されている。CTガントリ121は、X線管123とX線検出器125とをZ軸回りに回転可能に支持するCT回転フレームを搭載している。光ガントリ121は、光源45と光検出器47とをZ軸回りに回転可能に支持する光回転フレームを搭載している。配置パターン3の場合、光源45が光を繰り返し照射している期間において光源45と光検出器47とは、光回転フレームによりZ軸回りに回転されても、固定されていてもどちらでもよい。なお光ガントリ121は、1台のみに限定されず、変形例1と同様に、複数台設けられても良い。
【0085】
配置パターン4: 図16は、配置パターン4における光源45と光検出器47との配置例を示す図である。図16に示すように、Z軸に沿ってCTガントリ121、PETガントリ31、光検出器47の順に配列されている。CTガントリ121は、X線管123とX線検出器125とをZ軸回りに回転可能に支持するCT回転フレームを搭載している。X線管123には光源45が取り付けられている。光検出器47は、光源45と光検出器47の検出面中心とを結ぶ線Lが天板に平行な面においてZ軸に対して傾斜し、PET収集の撮像視野を挟んで対向するように配置される。光源45は、光検出器47に光が照射されるようにX線管123に取り付けられている。典型的には、光源45が被検体の側方から光を照射するように光源45と光検出器47とは配置される。配置パターン4の場合、光源45が光を繰り返し照射している期間において光源45と光検出器47とは、固定されている。
【0086】
次に、第2実施形態に係るPET画像の発生処理の流れについて説明する。
【0087】
まずCT収集部102は、PET収集前において、被検体に関するCT生データを収集する。CT生データの収集は、X線管123の回転中に、天板を移動させるヘリカルスキャン方式で行われても、天板を移動させない円軌道スキャン方式で行われても良い。CT生データが収集されるとCT画像再構成部108は、CT生データに基づいてCT画像を発生する。そして減弱係数マップ発生部110は、発生されたCT画像に基づいて減弱係数マップMap(0)を発生する。なおCT画像の再構成断面がPET画像の再構成断面に一致している必要がある。このため、円軌道スキャン方式の場合、CT収集の撮像視野がPET画像の再構成断面を含むように天板位置が設定される。
【0088】
CT生データの収集は、輪郭収集部4による基準輪郭データの収集前に行われても、収集後に行われてもどちらでもよい。配置パターン2、配置パターン3、及び配置パターン4の場合は、CT収集部102によるCT生データの収集と輪郭収集部4による基準輪郭データの収集とが同時に行われても良い。
【0089】
検出器リング35間にCTガントリ121が設けられている配置パターン1や配置パターン2の場合、上述のように、円軌道スキャンでCT収集を行う場合に限り、PET収集とCT収集とを同時に行うことができる。この場合、CT収集の撮像視野がPET収集の撮像視野に含まれるので、CT画像とPET画像との再構成断面を一致させるための天板の移動は不要である。検出器リング35間にCTガントリ121が設けられていない配置パターン3や配置パターン4の場合、PET収集の撮像視野がPET画像の再構成断面を含むように天板が移動される。PET画像やCT画像の再構成断面の位置は、操作者により操作部18を介して任意に設定可能である。
【0090】
PET収集部2によるPET生データの収集と輪郭収集部4による輪郭データの収集は、第1実施形態と同様に行われる。従ってこれらの説明は省略する。
【0091】
第1実施形態と同様にして輪郭画像発生部12により比較輪郭画像Im(k)が発生されると、PET画像発生部112によりPET画像の発生処理が行われる。PET画像発生部112は、時系列の輪郭画像(基準輪郭画像Im(0)及び比較輪郭画像(k))と減弱係数マップMap(0)とを利用して、体動補正と減弱補正とがなされたPET画像を発生する。PET画像発生部112は、第1実施形態と同様に、処理方法に応じて2つのタイプがある。第1のPET画像発生部112Aは、PET画像に体動補正を施す。第2のPET画像発生部112Bは、PET生データに体動補正を施す。以下、第1のPET画像発生部112Aと第2のPET画像発生部112Bとに分けて体動補正と減弱補正とがなされたPET画像の発生処理について詳細に説明する。
【0092】
図17は、第2実施形態に係る第1のPET画像発生部112Aの構成を示す図である。図17に示すように、第1のPET画像発生部112Aは、変換行列算出部51、PET生データ区分部53、減弱係数マップ位置整合部131、PET画像再構成部133、PET画像体動補正部135、及びPET画像加算部137を有する。なお以下の説明において、PET画像発生部14Aと略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を省略する。
【0093】
減弱係数マップ位置整合部131は、変換行列算出部51により算出された変換行列M(k)を利用して、減弱係数マップMap(0)から、PET画像PETIm(k)と位置整合していると推定される減弱係数マップMap(k)を発生する。具体的には、減弱係数マップ位置整合部131は、まず、変換行列M(k)の逆行列M−1(k)を算出する。逆行列M−1(k)が算出されると減弱係数マップ位置整合部131は、k個の逆行列M−1(k)を減弱係数マップMap(0)に適用し、k個の減弱係数マップMap(k)を発生する。逆行列M−1(k)が減弱係数マップに適用されることにより、減弱係数マップMap(k)は輪郭画像Im(k)に位置整合する。換言すれば、減弱係数マップMap(k)はPET画像PETIm(k)に位置整合しているとみなされる。
【0094】
PET画像再構成部133は、補正減弱係数マップMap(k)を利用して比較PET生データPETData(k)から、減弱補正された比較PET画像APETIm(k)を再構成する。また、PET画像再構成部133は、減弱係数マップMap(0)を利用して基準PET生データPETData(0)から減弱補正された基準PET画像APETIm(0)を再構成する。
【0095】
PET画像体動補正部135は、減弱補正された比較PET画像APETIm(k)に変換行列M(k)を適用して比較PET画像APETIm(k)を座標変換する。座標変換により比較PET画ACPETIm(k)が体動補正される。従って、座標変換により、比較PET画像APETIm(k)は、体動補正と減弱補正とがなされている。座標変換後のPET画像を、補正比較PET画像CAPETIm(k)と呼ぶことにする。
【0096】
PET画像加算部137は、基準PET画像PETIm(0)と全ての補正比較PET画像CAPETIm(k)とを加算してPET画像を発生する。発生されたPET画像は、減弱補正と体動補正とがなされている。
【0097】
図18は、第2実施形態に係る第2のPET画像発生部112Bの構成を示す図である。図18に示すように、第2のPET画像発生部112Bは、変換行列算出部51、PET生データ区分部53、PET生データ体動補正部61、PET生データ加算部63、及びPET画像再構成部139を有する。なお以下の説明において、PET画像発生部14Bと略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を省略する。
【0098】
PET画像再構成部139は、減弱係数マップMap(0)を利用して、補正PET生データCPETDataからPET画像CAPETImを再構成する。再構成されたPET画像CAPETImは、体動補正と減弱補正とがなされている。
【0099】
かくして第2実施形態によれば、画質向上を可能とするPET/CT装置を提供することが可能となる。
【0100】
(変形例4)
変形例4に係るPET/CT装置は、時系列の輪郭画像をX線による呼吸同期スキャンに利用する。以下、変形例2に係るPET/CT装置について説明する。なお以下の説明において、第1及び第2実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0101】
変形例4に係るCT収集制御部104は、X線で呼吸同期スキャンを実行するために、時系列の輪郭画像に含まれる被検体領域の輪郭の位置に応じてX線管123からのX線の発生タイミングを制御する。具体的には、CT収集制御部104は、輪郭画像が発生される毎に輪郭画像から被検体領域の輪郭を抽出する。そしてCT収集制御部104は、輪郭画像上における輪郭の位置を計測する。輪郭画像上の位置と実際の被検体の輪郭の位置(高さ)との関係は、予め対応付けられている。従って輪郭画像上の輪郭の位置を計測することにより、実際の被検体の輪郭の位置(高さ)を計測することができる。このようにしてCT収集制御部104は、時系列の輪郭画像を利用して被検体の呼吸動をモニタリングする。そして輪郭の位置が既定の値に到達したことを契機としてCT収集制御部104は、X線管123からX線を発生させる。例えば、被検体が最も深く息を吸い込んでいる時にX線を発生する場合、既定の値は、被検体領域の輪郭が到達しうる略最大値に設定される。また、被検体が最も深く息を吐き出している時にX線を発生する場合、既定の値は、被検体領域の輪郭が到達しうる略最小値に設定される。
【0102】
このように呼吸同期スキャンすることにより、第2実施形態に比して、減弱係数マップとPET画像とがより正確に位置整合される。従って、減弱係数マップを利用したPET画像の減弱補正の精度が向上する。
【0103】
かくして変形例4によれば、画質向上を可能とするPET/CT装置を提供することが可能となる。
【0104】
(変形例5)
変形例5においては、時系列の輪郭画像を利用した呼吸同期スキャンを行うX線CT装置について説明する。なお以下の説明において、第1実施形態や第2実施形態、変形例1、変形例2、変形例3、変形例4と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0105】
図19は、変形例5に係るX線CT装置200の構成を示す図である。図19に示すように、X線CT装置200は、輪郭収集部4、輪郭収集制御部8、CT収集部102、CT収集制御部104、スキャン制御部108、CT画像発生部108、表示部114、操作部18、記憶部116、及びシステム制御部118を有している。
【0106】
変形例5に係るX線CT装置の光源45と光検出器47とは、例えば、以下の配置をとる。図20は、変形例5に係る光源45と光検出器47との配置例を示す図である。図20に示すように、図20に示すように、Z軸に沿って光源45、CTガントリ121、光検出器48の順に配列されている。典型的には、光源が被検体の側方から光を照射するように光源45と光検出器47とは配置される。また、光源45と光検出器47とは、線Lが天板に平行な面においてZ軸に対して傾斜し、CT収集の撮像視野を挟んで対向するように配置される。このように、光源45と光検出器47とがPET収集の撮像視野を挟んで対向するように配置されることで、CT収集の撮像視野を輪郭収集の撮像視野にオーバラップさせることができる。
【0107】
変形例5に係るCT収集制御部104は、変形例4と同様にして、時系列の輪郭画像を利用して呼吸同期スキャンを行う。このように呼吸同期スキャンを行うことにより、CT画像上の呼吸動に起因する体動アーチファクトを低減することができる。
【0108】
かくして変形例5によれば、画質向上を可能とするX線CT装置を提供することが可能となる。
【0109】
(変形例6)
第2実施形態に係るPET画像発生部112は、PET生データ発生部43からのオリジナルのPET生データを基準PET生データと比較PET生データとに区分するとした。変形例6に係るPET画像発生部112A´、及び112B´は、オリジナルのPET生データを区分しない。以下、変形例2に係るPET/CT装置について説明する。
【0110】
変形例6に係る第1のPET画像発生部112A´は、変換行列算出部51´、PET画像再構成部133´、及びPET画像体動補正部135´を有する。
【0111】
変換行列算出部51´は、基準輪郭画像と比較輪郭画像との変換行列を算出する。なお変形例6に係る比較輪郭画像は、1枚である。この比較輪郭画像は、PET収集開始からPET収集終了後までの期間において任意のタイミングで輪郭収集部4により収集された輪郭データに基づく画像である。
【0112】
PET画像再構成部133´は、減弱係数マップを利用して、PET生データ発生部43からのオリジナルのPET生データに基づいて、減弱補正されたPET画像を再構成する。
【0113】
PET画像体動補正部135´は、時系列の輪郭画像を利用して、減弱補正されたPET画像から、体動補正と減弱補正とがなされたPET画像を発生する。具体的には、PET画像体動補正部135´は、変換行列算出部51からの変換行列を、減弱補正されたPET画像に適用して座標変換する。座標変換により、減弱補正されたPET画像は体動補正される。
【0114】
変形例6に係る第2のPET画像発生部112B´は、変換行列算出部51´、PET生データ体動補正部61´、及びPET画像再構成部139´を有する。
【0115】
PET生データ体動補正部61´は、時系列の輪郭画像を利用して、PET生データ発生部43からのオリジナルのPET生データから、体動補正されたPET生データを発生する。
【0116】
PET画像再構成部139´は、減弱係数マップ発生部110からの減弱係数マップを利用して、体動補正されたPET生データから、減弱補正と体動補正とがなされたPET画像を再構成する。
【0117】
このように、変形例6に係るPET画像発生部112´は、オリジナルのPET生データを複数のPET生データに区分すること無しに、時系列の輪郭画像を利用して体動補正されたPET画像を発生することができる。しかしながら、区分処理の省略により、変形例6に係るPET画像の体動補正の精度は、第2実施形態に比して低減してしまう。そのかわり、区分処理の省略に伴って、変形例6に係るPET画像発生部112´は、区分処理や加算処理に伴う処理時間を無くすことができ、体動補正の処理時間を低減することができる。
【0118】
かくして変形例6によれば、画質向上を可能とするPET/CT装置を提供することが可能となる。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0120】
1…PET装置、2…PET収集部、4…輪郭収集部、6…PET収集制御部、8…輪郭収集制御部、10…スキャン制御部、12…輪郭画像発生部、14…PET画像発生部、16…表示部、18…操作部、20…記憶部、22…システム制御部、31…PETガントリ、33…光ガントリ、35…検出器リング、43…PET生データ発生部、45…光源、47…光検出器、49…輪郭データ発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内から放出されたガンマ線を検出する複数のガンマ線検出器を介して、前記検出されたガンマ線に応じたPET生データを収集するPET収集部と、
前記PET生データの収集中において、前記被検体に向けて光を繰り返し照射する光源と、
前記被検体を挟んで前記光源に対向する位置に設けられ、前記光源からの光を検出する光検出器と、
前記光検出器からの出力信号に基づいて、前記PET生データの収集中における前記被検体の輪郭に関する時系列の輪郭画像を発生する輪郭画像発生部と、
前記時系列の輪郭画像を利用して、前記PET生データから前記被検体の体動によるアーチファクトが低減されたPET画像を発生するPET画像発生部と、
を具備するPET装置。
【請求項2】
前記光源と前記光検出器とを前記被検体を挟んで互いに向き合わせて支持し、前記光源から光が繰り返し照射されている期間、前記光源と前記光検出器との位置を固定する支持機構をさらに備える、請求項1記載のPET装置。
【請求項3】
前記光源と前記光検出器とを前記被検体を挟んで互いに向き合わせて支持し、前記光源から光が繰り返し照射されている期間、前記光源と前記光検出器とを前記被検体回りに回転する支持機構をさらに備える、請求項1記載のPET装置。
【請求項4】
前記被検体回りに円周上に配列された複数の前記ガンマ線検出器を有する検出器リングをさらに備え、前記検出器リングは、前記検出器リングの中心軸に沿って配列された第1の検出器リングと第2の検出器リングとを含み、
前記支持機構は、前記第1の検出器リングと前記第2の検出器リングとの間に配置される、
請求項1記載のPET装置。
【請求項5】
前記PET画像発生部は、
前記PET生データに基づいて前記被検体に関するオリジナルのPET画像を再構成する再構成部と、
前記時系列の輪郭画像を利用して前記オリジナルのPET画像を体動補正し、前記PET画像を発生する体動補正部と、
を備える請求項1記載のPET装置。
【請求項6】
前記時系列の輪郭画像は、基準時刻に関する基準輪郭画像と他の時刻に関する比較輪郭画像とを含み、
前記PET画像発生部は、
前記PET生データを、前記基準時刻を含む所定期間に収集された基準生データと前記他の時刻を含む所定期間に収集された比較生データとに区分する区分部と、
前記基準生データに基づいて基準PET画像を再構成し、前記比較生データに基づいて比較PET画像を再構成する再構成部と、
前記比較PET画像に前記基準輪郭画像と前記比較輪郭画像との変換行列を適用し、前記比較PET画像から前記被検体の体動に起因するアーチファクトが低減された補正PET画像を発生する体動補正部と、
前記補正PET画像と前記基準PET画像とを加算し、前記PET画像を発生する加算部と、を備える、
請求項1記載のPET装置。
【請求項7】
前記PET画像発生部は、
前記時系列の輪郭画像を利用して前記PET生データから前記被検体の体動に起因するアーチファクト成分が低減された補正PET生データを発生する体動補正部と、
前記補正PET生データに基づいて前記PET画像を再構成する再構成部と、
を備える請求項1記載のPET装置。
【請求項8】
前記時系列の輪郭画像は、基準時刻に関する基準輪郭画像と他の時刻に関する比較輪郭画像とを含み、
前記PET画像発生部は、
前記PET生データを前記基準時刻を含む所定期間に収集された基準生データと前記他の時刻を含む所定期間に収集された比較生データとに区分する区分部と、
前記比較生データに前記基準輪郭画像と前記比較輪郭画像との変換行列を適用し、前記比較生データから前記被検体の体動に起因するアーチファクト成分が低減された補正生データを発生する体動補正部と、
前記補正生データと前記基準生データとを加算し、加算生データを発生する加算部と、
前記加算生データに基づいて前記PET画像を再構成する再構成部と、を備える、
請求項1記載のPET装置。
【請求項9】
被検体にX線を照射し、前記被検体を透過したX線を検出し、前記検出されたX線に応じたCT生データを収集するCT収集部と、
前記CT生データに基づいて減弱係数の分布を表す減弱係数マップを発生する減弱係数マップ発生部と、
前記被検体回りに配列され前記被検体内から放出されたガンマ線を検出する複数のガンマ線検出器を有する検出器リングと、
前記複数のガンマ線検出器を介して前記検出されたガンマ線に応じたPET生データを収集するPET生データ収集部と、
前記PET生データの収集中において、前記被検体の輪郭に関する時系列の輪郭データを、光を利用して収集する輪郭データ収集部と、
前記時系列の輪郭データに基づいて前記被検体の輪郭に関する時系列の輪郭画像を発生する輪郭画像発生部と、
前記減弱係数マップと前記時系列の輪郭画像とを利用して、前記PET生データから体動補正と減弱補正とがなされたPET画像を発生するPET画像発生部と、
を具備するPET/CT装置。
【請求項10】
前記輪郭データ収集部は、
前記被検体に向けて光を繰り返し照射する光源と、
前記被検体に向けて照射された光を検出する光検出器と、
前記光検出器からの出力に基づいて前記時系列の輪郭データを発生する輪郭画像発生部と、を備える、
請求項9記載のPET/CT装置。
【請求項11】
前記CT収集部は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体回りに回転可能に支持するCT支持機構と、を有するCTガントリを有し、
前記CTガントリは、さらに、前記光源と前記光検出器とを備える、
請求項10記載のPET/CT装置。
【請求項12】
前記CT収集部は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体回りに回転可能に支持するCT支持機構と、を有するCTガントリを有し、
前記光源は、前記X線管に取り付けられ、
前記X線検出器は、前記光源から前記被検体に向けて照射された光を検出する前記光検出器と兼用である、
請求項10記載のPET/CT装置。
【請求項13】
前記検出器リングは、前記被検体の体軸に沿って配列された第1の検出器リングと第2の検出器リングとを有し、
前記CTガントリは、前記第1の検出器リングと前記第2の検出器リングとの間に設けられる、
請求項11又は12に記載のPET/CT装置。
【請求項14】
前記CT収集部は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体回りに回転可能に支持するCT支持機構と、を有するCTガントリを有し、
前記CTガントリと前記検出器リングを搭載するPETガントリとの両方から独立して設けられ、前記光源と前記光検出器とを前記被検体回りに回転可能に支持する光支持機構を搭載する光ガントリをさらに備える、
請求項10記載のPET/CT装置。
【請求項15】
前記CT収集部は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体回りに回転可能に支持するCT支持機構と、を有するCTガントリを有し、
前記光源は、前記X線管に取り付けられ、
前記光検出器は、前記CTガントリを挟んで前記光源に対向する位置に設けられる、
請求項10記載のPET/CT装置。
【請求項16】
前記PET画像発生部は、
前記減弱係数マップを利用して前記PET生データから減弱補正された減弱補正PET画像を再構成する再構成部と、
前記時系列の輪郭画像を利用して前記減弱補正PET画像から前記PET画像を発生するPET体動補正部と、を備える、
請求項9記載のPET/CT装置。
【請求項17】
前記時系列の輪郭画像は、基準時刻に関する基準輪郭画像と他の時刻に関する比較輪郭画像とを含み、
前記PET画像発生部は、
前記PET生データを、前記基準時刻を含む所定期間に収集された基準生データと前記他の時刻を含む所定期間に収集された比較生データとに区分する区分部と、
前記減弱係数マップを利用して、前記基準生データから、減弱補正された基準PET画像を再構成し、前記比較生データから、減弱補正された比較PET画像を再構成する再構成部と、
前記減弱補正された比較PET画像に前記基準輪郭画像と前記比較輪郭画像との変換行列を適用し、前記減弱補正された比較PET画像から前記被検体の体動に起因するアーチファクトが低減された補正PET画像を発生する体動補正部と、
前記補正PET画像と前記減弱補正された基準PET画像とを加算し、前記PET画像を発生する加算部と、を備える、
請求項9記載のPET/CT装置。
【請求項18】
前記PET画像発生部は、
前記時系列の輪郭画像を利用して前記PET生データから前記被検体の体動に起因するアーチファクト成分が低減された補正PET生データを発生する体動補正部と、
前記減弱係数マップを利用して前記補正PET生データから前記PET画像を再構成する再構成部と、
を備える請求項9記載のPET/CT装置。
【請求項19】
前記時系列の輪郭画像は、基準時刻に関する基準輪郭画像と他の時刻に関する比較輪郭画像とを含み、
前記PET画像発生部は、
前記PET生データを前記基準時刻を含む所定期間に収集された基準生データと前記他の時刻を含む所定期間に収集された比較生データとに区分する区分部と、
前記比較生データに前記基準輪郭画像と前記比較輪郭画像との変換行列を適用し、前記比較生データから前記被検体の体動に起因するアーチファクト成分が低減された補正生データを発生する体動補正部と、
前記補正生データと前記基準生データとを加算し、加算生データを発生する加算部と、
前記減弱係数マップを利用して前記加算生データから前記PET画像を再構成する再構成部と、を備える、
請求項9記載のPET/CT装置。
【請求項20】
前記時系列の輪郭画像に含まれる被検体領域の輪郭の位置に応じてX線で呼吸同期撮影を行うために前記CTガントリを制御する制御部をさらに備える請求項9記載のPET/CT装置。
【請求項21】
X線を発生するX線管と、
前記X線管から発生され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体回りに回転可能に支持する支持機構と、
前記X線検出器を介して前記被検体に関するCT生データを収集するデータ収集部と、
前記収集されたCT生データに基づいて前記被検体に関するCT画像データを再構成する再構成部と、
前記被検体に向けて光を照射する光源と、
前記被検体を挟んで前記光源に対向する位置に設けられ、前記光源から前記被検体に向けて照射された光を検出する光検出器と、
前記光検出信号からの出力信号に基づいて前記被検体の輪郭に関する輪郭画像を発生する輪郭画像発生部と、
前記輪郭画像に含まれる被検体領域の輪郭の位置に応じて前記X線管からのX線の発生タイミングを制御する制御部と、
を具備するX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−189362(P2012−189362A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51394(P2011−51394)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】