説明

PHS基地局向け同期信号発生装置

【課題】PHS基地局用の同期信号発生装置において、動作確認用のLEDの周辺構成を簡素化することにより、コストダウンを図る。
【解決手段】動作確認用のLED8から出射された光が入射する第1端面91に対して光を出射する第2端面92を垂直に配置した導光部材9を備える。筐体本体51の下面に垂直に配置した回路基板4にLED8を実装し、導光部材9によって光を導くことにより、LEDモジュールを不要として、LEDの周辺構成を簡素化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PHS基地局に動作用タイミング信号を送り込むための同期信号発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PHS基地局は、TDMA方式と称される時分割多重伝送方式で移動局(PHS端末)との間で通話・データ交換を行うものであり、個別に長時間動作していると動作タイミングにずれが生じ、ついには移動局(PHS端末)と通話・データ交換が不可能になることがある。この事態を予防するため、PHS基地局を、精度の高い、正確なタイミングで動作させる必要がある。そこで、例えば、旧くはISDNによる有線信号を動作タイミングの基準に利用したり、ADSLによる有線信号を動作タイミングの基準に利用したりしていた。しかし、PHS基地局として要求される動作タイミングの精度は、ADSLによるタイミング信号よりも高いことから、ADSLよりも高精度なタイミング信号源を利用することが望まれてきた。
【0003】
そのため、ADSLよりもはるかに高精度なタイミング信号を得られる産業用人工衛星(例えばGPS衛星等)からの衛星信号波(例えばGPS信号等)を利用して、PHS基地局へ供給する動作タイミング信号(同期信号)を生成する同期信号発生装置が検討され、数年前から実用化されている。同期信号発生装置は、GPS衛星からのGPS信号を受信して、GPS信号から得られる時刻情報に基づいて動作用タイミング信号を生成し、この動作用タイミング信号を有線ケーブルを介して、PHS基地局に送り込む装置である。PHS基地局の各局は、この同期信号発生装置から送信された動作用タイミング信号に基づいて動作することにより、移動局との間で良好な動作タイミングを維持でき、TDMA方式の通話・データ交換が可能となる。
【0004】
このような技術の一例として、例えば特許文献1には、GPS信号を受信して、その時刻情報に基づいて動作用タイミング信号を生成する技術が示されている。
【0005】
ところで、同期信号発生装置は、通常、平面視における設置面積をコンパクトなものとするために、地面等に建てられたポール等を用いて起立姿勢で配設されている。一方で、同期信号発生装置がPHS基地局に対して正確に同期信号を出力できなくなるとPHS端末による通話等に支障を来すため、そのような事態を未然に防ぐために、同期信号発生装置は管理者がその動作状態を定期的に点検できるように構成されている。例えば、同期信号発生装置の内部には、装置の動作状態に応じて所定のパターンで発光するLED(発光ダイオード)が内蔵されている。同期信号発生装置はポール等を用いて地面からある程度の高さの位置に設置されることが多いので、管理者が容易に点検できるように、LEDは装置の下部において下方に向けて設けられている。従って、このような同期信号発生装置にあっては、管理者は、装置の下方からLEDの発光パターンを目視で確認することにより、同期信号発生装置の動作状態を点検することができる。
【0006】
図6は、従来の同期信号発生装置の下部に設けられているLEDの周辺の構成を示している。同期信号発生装置100は、GPS受信素子等の各種の電子部品が実装されている第1回路基板(主回路基板)104と、第1回路基板104等の構成部品を収容する筐体105と、装置の動作状態に応じて発光するLED108を有する発光モジュール110等を備えている。発光モジュール110は、LED108と、LED108が実装されている第2回路基板(副回路基板)112と、第2回路基板112を筐体105に固定するための固定部材113と、LED108から出射された光を筐体105の外部に導く導光部材114と、第2回路基板112を第1回路基板104に接続するための接続ケーブル115等によって構成されている。同期信号発生装置100の平面視における設置面積をコンパクトなものとするため、第1回路基板104は通常起立姿勢で収容されている。
【0007】
管理者が装置の動作状態を確認し易いように、LED108は装置の下部において下方に向けて設けられ、筐体5の下部には導光部材114を望ませるための発光確認孔116が形成されている。同期信号発生装置100は、屋外においても設置される場合があるため、雨水の浸入を防止し得るように、発光確認孔116の周辺には密閉扉154が設けられている。
【0008】
上述したようにLED108を下方に向けて配置するためには、LED108が実装される回路基板を水平に配置する必要がある。そのため、起立姿勢で略鉛直に配置される上記第1回路基板104とは別に第2回路基板112を水平に配置して設け、この第2回路基板112にLED108が実装されている。第2回路基板112は、樹脂製の固定部材113及びねじ117によって筐体105の下部に固定されている。
【0009】
なお、GPSを利用することなく同期信号を発生する技術として、例えば特許文献2にはPHS基地局の発する制御信号に含まれるユニークワード信号をモニタし、このユニークワード信号と同期をとるように同期信号を出力する同期信号出力装置が示されている。
【特許文献1】特開2007−228327号公報
【特許文献2】特開2006−041828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図6に示した同期信号発生装置100においては、LED108を下方に向けて配置するための第2回路基板112及び第2回路基板112を固定するための固定部材113等が不可欠となることから、装置の構成が複雑となり製造コストの増大を招来する。特に、PHS基地局向けの同期信号発生装置においては、大量生産によってコストダウンを図れるほどの受注数が見込めないため、製造コストを低減することが困難であった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、動作確認用のLEDの周辺構成を簡素化することにより、部品点数と組み立てに要する工数を削減し、コストダウンを図ることができる同期信号発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、地球の周回軌道上を移動する衛星から出力された無線信号を受信する受信回路と、この受信回路によって受信された無線信号に含まれる時刻情報に基づいて同期信号を生成する同期信号生成回路と、前記受信回路と前記同期信号生成回路が実装される回路基板と、この回路基板が収容される筐体とを備え、前記同期信号生成回路によって生成された同期信号をPHS基地局に出力するPHS基地局用の同期信号発生装置であって、前記回路基板には、同期信号発生装置の動作状態に応じて所定のパターンで発光する発光素子が実装され、前記回路基板は、前記筐体の下面に対して垂直に配置され、前記筐体は、その下面に前記発光素子の発光状態を確認するための発光確認孔を有し、前記発光素子の発光部から前記発光確認孔に亘って光を導く導光部材と、この導光部材を固定するために前記筐体の下面の外側から挿入される固定ねじと、前記導光部材及び前記筐体の下面の内側に密着し、前記発光確認孔の外周を一周して設けられた防水部材とをさらに備え、前記導光部材は、前記発光素子から出射された光が入射する第1端面と、前記発光確認孔に挿入され、前記第1端面から入射した光を前記筐体の外部に出射する第2端面と、前記筐体の下面の内側に当接されるフランジとを有し、前記導光部材の第2端面は、前記第1端面よりも面積が小さく、かつ前記第1端面に対して垂直に形成され、前記導光部材のフランジには、前記筐体又は回路基板の一部と係合し該導光部材を位置決めする位置決め部と、該フランジを貫通しない深さに設けられ、前記固定ねじの先端部が螺入されるねじ穴と、前記筐体の下面の内側との当接面であって前記ねじ穴及び前記第2端面の外周部分を一周し、前記防水部材が装着される外周溝とが形成されているものである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の同期信号発生装置において、前記筐体の下面には、前記発光確認孔を覆う開閉自在な密閉扉が設けられ、この密閉扉の内面には、前記第2端面から出射された光を反射させるミラーが形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、発光素子から出射された光が入射する第1端面と、第1端面に対して垂直に形成され、筐体下面の発光確認孔に挿入される第2端面を有する導光部材によって発光素子から発光確認孔に亘って光を導くことができる。これにより、筐体下面に対して垂直に、すなわち起立姿勢で配設された回路基板に発光素子を直接実装しつつ、筐体下面から光を出射させることが可能となり、図6に示す第2回路基板、固定部材及び接続ケーブル等の部品が不要となる。従って、動作確認用の発光素子の周辺構成が簡素なものとなり、部品点数と組み立てに要する工数を削減してコストダウンを図ることが可能となる。また、導光部材の第2端面は、第1端面よりも面積が小さく形成されているので、第1端面から入射した発光素子の光を第2端面に集約させることができ、その出射強度を高めることができる。また、導光部材のフランジには、筐体又は回路基板の一部と係合し該導光部材を位置決めする位置決め部が設けられているので、導光部材を筐体に組み込む際の作業性を高めることができ、同期信号発生装置の生産効率の向上を図ることができる。また、固定ねじの先端部が螺入されるねじ穴がフランジを貫通しない深さに形成されているので、このねじ穴と固定ねじとの隙間から筐体内部に雨水等が浸入する虞がない。さらに、筐体の下面の内側とフランジの当接面であってねじ穴及び第2端面の外周部分を一周する外周溝に防水部材が装着されるので、筐体の下面の内側とフランジの当接面との隙間から筐体内部に雨水等が浸入する虞がない。これにより、同期信号発生装置を長期間に亘って屋外で使用する場合にあっても、動作の信頼性を高めることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、開閉自在な密閉扉の内面に第2端面から出射された光を反射させるミラーが形成されているので、管理者は、ミラーによって反射された光を確認しながら、同期信号発生装置の動作状態を点検することができる。これにより、管理者は頭上を見上げる必要がなくなり、管理者に肉体的な負担を強いることなく点検作業を遂行できるようになる。また、管理者の顔よりも低い位置に同期信号発生装置を設置した場合であっても容易に点検作業を進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態による同期信号発生装置について図面を参照して説明する。図1は同期信号発生装置の概略の構成を示している。同期信号発生装置1は、地球の周回軌道上を移動する衛星から出力された無線信号を受信する受信素子(受信回路)2と、同期信号を生成する同期信号生成素子(同期信号生成回路)3と、受信素子2及び同期信号生成素子3等の各種の電子部品が実装される回路基板4と、受信素子2、同期信号生成素子3及び回路基板4等を収容する筐体5等を備え、例えば地面に建てられたポールP等に所定の金具(図示せず)等を用いて起立姿勢で設置される。
【0017】
受信素子2は、例えばGPS(Global Positioning System)衛星から出力された衛星波(GPS信号)を受信する。同期信号発生装置1は、ケーブル6を介してGPSアンテナ(図示せず)と接続されており、受信素子2は、GPSアンテナを介して衛星波を受信する。同期信号生成素子3は、受信素子2によって受信された衛星波に含まれる時刻情報に基づいて、PHS基地局の動作タイミングの基準に利用する同期信号を生成する。同期信号発生装置1は、ケーブル7を介してPHS基地局と接続されており、同期信号生成素子3が生成した同期信号は、ケーブル7を経てPHS基地局に送出される。なお、ケーブル6は、防水コネクタ6aを介して同期信号発生装置1の筐体5の上面に接続され、ケーブル7は、防水コネクタ7aを介して同期信号発生装置1の筐体5の下面に接続されている。筐体5は、側面が開放された筐体本体51と、筐体本体51の側面に装着される筐体蓋52と、筐体本体51と筐体蓋52との接合面に設けられている防水シール53等によって構成されている。
【0018】
既に述べたように、同期信号発生装置1は、地面等に対して起立姿勢で設置されることが多く、同期信号発生装置1をコンパクトに構成すべく、回路基板4は起立姿勢、すなわち筐体5の下面に垂直な姿勢で筐体5に収容されている。筐体本体51の下面には、同期信号発生装置1の動作状態を確認する際に、開放される密閉扉54が設けられている。密閉扉54はヒンジ55を介して筐体本体51に回動自在に取り付けられている。
【0019】
図2は、同期信号発生装置1の下部の構成を示している。また、図3は、密閉扉54を開いた状態の筐体本体51の下面を示している。回路基板4の下端近傍には、同期信号発生装置1の動作状態に応じて所定のパターンで発光するLED(発光素子)8が実装されている。例えば、3色のLED8を配列し、これらを組み合わせて点灯または点滅させることにより、種々の動作状態に対応させることができる。なお、LED8には、面発光型LEDが適用されている。密閉扉54を開くとLED8の発光を確認することができるように、筐体本体51の下面にはLED8の発光状態を確認するための発光確認孔56が形成され、LED8の発光部から発光確認孔56に亘って光を導く導光部材9がタッピングねじ(固定ねじ)10を用いて筐体本体51に装着されている。タッピングねじ10は、筐体本体51に形成されている穴に筐体本体51の下面の外側から挿入され、後述する導光部材9のフランジ94に形成されているねじ穴95に螺入される。密閉扉54の外縁部には、筐体内部に雨水等が浸入しないように防水シール54bが設けられ、密閉扉54は、ねじ54cによって筐体本体51に固定されている。
【0020】
同期信号発生装置1の点検は、例えばねじ54cを外して密閉扉54を開くと出現する点検用の防水コネクタ57に検査機器(図示せず)から延出されているケーブルを挿入して点検用の信号を回路基板4に入力し、それに対応して発光するLED8の発光パターンを確認することによりなされる。すなわち、管理者は、LED8の発光パターンが点検用の信号に応じて予め定められている発光パターンと同一であるか否かを確認することにより、同期信号発生装置1の動作状態が正常であるか否かを判断することができる。
【0021】
図4は、導光部材9と、それに装着される防水シール(防水部材)11を示している。導光部材9は、透明の樹脂で形成され、LED8から出射された光が入射する第1端面91と、第1端面91から入射した光を筐体5の外部に出射する第2端面92と、第1端面91から入射した光を第2端面92に導く導光本体部93と、導光本体部93から外周方向に突出するフランジ94と、フランジ94に形成されているねじ穴95、外周溝96及び位置決め部97等によって構成されている。
【0022】
第1端面91は、LED8に対向して回路基板4と平行に配置されている。第2端面92は、筐体本体51の下面に形成されている発光確認孔56に挿入され、筐体本体51の下面と平行に突出している。回路基板4と筐体本体51の下面とは互いに垂直に配置されているので、第1端面91と第2端面92とは、互いに垂直となる。そのため、導光本体部93は、第1端面91と第2端面92との間で90゜屈曲または湾曲されている。なお、導光本体部93は第1端面91から第2端面92にかけて絞り込まれ、導光部材の第2端面92は、第1端面91よりも面積が小さく形成されている。
【0023】
フランジ94の端面は、筐体本体51の下面の内側に当接される。フランジ94に形成されているねじ穴95にはタッピングねじ10が螺入され、導光部材9が筐体本体51に固定される。タッピングねじ10とねじ穴95との隙間から浸入してきた雨水等を筐体5の内部に浸入させないように、ねじ穴95の深さはフランジ94を貫通しない程度に設定されている。また、タッピングねじ10の長さ寸法は、その先端部がフランジ94を貫通しない程度に設定されている。
【0024】
外周溝96は、フランジ94の端面であってねじ穴95及び第2端面92の外周部分を一周するように形成されている。防水シール11は、導光部材9のフランジ94に形成されている外周溝96に装着され、外周溝96の溝底等及び筐体本体51の下面の内側に密着し、雨水等の浸入を防止する。このため、外周溝96深さ寸法は、防水シール11の断面径寸法よりも小さく形成されている。なお、防水シール11には、安価な汎用のOリング等を用いることができる。
【0025】
位置決め部97は、円筒状のフランジ94の外周の下部が平面状に形成されてなり、筐体本体51から内面に突出された凸部58と係合して導光部材9を位置決めする。凸部58と位置決め部97との係合により、導光部材9は、タッピングねじ10がねじ穴95に螺入可能に、かつ第1端面91がLED8に対向するように位置決めされる。なお、凸部58の替わりに回路基板4の端縁部を延出して位置決め部97と係合するように構成してもよく、筐体本体51の内底面等を位置決め部97と係合するように構成してもよい。また、位置決め部97の形状は、凸部58等と係合可能であれば平面状に限られない。
【0026】
図5は、動作状態を確認するときの同期信号発生装置1を示している。筐体本体51の下面には、発光確認孔56を覆う開閉自在な密閉扉54が設けられている。密閉扉54の内面には、第2端面92から出射された光を反射させるミラー54aが形成されている。管理者は、密閉扉54を開放して第2端面92から出射されミラー54aによって反射された光を確認することにより、同期信号発生装置1の横方向から動作状態を確認することができる。
【0027】
以上のように、本実施形態の同期信号発生装置1によれば、LED8から出射された光が入射する第1端面91と、第1端面91に対して垂直に形成され、筐体本体51の下面の発光確認孔56に挿入される第2端面92を有する導光部材9によってLED8から発光確認孔56に亘って光を導くことができる。これにより、筐体本体51の下面に対して垂直に、すなわち起立姿勢で配設された回路基板4にLED8を直接実装しつつ、筐体本体51の下面から光を出射させることが可能となり、図6に示す第2回路基板112、固定部材113及び接続ケーブル115等の部品が不要となる。従って、動作確認用のLED8の周辺構成が簡素なものとなり、部品点数と組み立てに要する工数を削減してコストダウンを図ることが可能となる。また、導光部材9の第2端面92は、第1端面91よりも面積が小さく形成されているので、第1端面91から入射したLED8の光を第2端面92に集約させることができ、その出射強度を高めることができる。また、導光部材9のフランジ94には、筐体5又は回路基板4の一部と係合し該導光部材を位置決めする位置決め部97が設けられているので、導光部材9を筐体5に組み込む際の作業性を高めることができ、同期信号発生装置1の生産効率の向上を図ることができる。また、タッピングねじ10の先端部が螺入されるねじ穴95がフランジ94を貫通しない深さに形成されているので、このねじ穴95とタッピングねじ10との隙間から筐体内部に雨水等が浸入する虞がない。さらに、筐体本体51の下面の内側とフランジ94の当接面であってねじ穴95及び第2端面92の外周部分を一周する外周溝96に防水シール11が装着されるので、筐体本体51の下面の内側とフランジ94の当接面との隙間から筐体内部に雨水等が浸入する虞がない。これにより、同期信号発生装置1を長期間に亘って屋外で使用する場合にあっても、動作の信頼性を高めることができる。
【0028】
また、開閉自在な密閉扉54の内面に第2端面92から出射された光を反射させるミラー54aが形成されているので、管理者は、ミラー54aによって反射された光を確認しながら、同期信号発生装置1の動作状態を点検することができる。これにより、管理者は頭上を見上げる必要がなくなり、管理者に肉体的な負担を強いることなく点検作業を遂行できるようになる。また、管理者の顔よりも低い位置に同期信号発生装置1を設置した場合であっても容易に点検作業を進めることができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくともLED8から出射された光が入射する第1端面91に対して光を出射する第2端面92を垂直に配置して、起立姿勢で配設された回路基板4にLED8を直接実装可能に構成されていればよい。また、導光部材9及び防水シール11の形状は、図4に示したものに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態による同期信号発生装置の斜視図。
【図2】同期信号発生装置の下部の構成を示す断面図。
【図3】密閉扉を開いた状態の筐体本体を示す下面図。
【図4】導光部材と防水シールの構成を示す斜視図。
【図5】動作状態を確認するときの同期信号発生装置を斜め下方から示す斜視図。
【図6】従来の同期信号発生装置の下部の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0031】
1 同期信号発生装置
2 受信素子(受信回路)
3 同期信号生成素子(同期信号生成回路)
4 回路基板
5 筐体
8 LED(発光素子)
9 導光部材
10 タッピングねじ(固定ねじ)
11 防水シール(防水部材)
54 密閉扉
54a ミラー
56 発光確認孔
91 第1端面
92 第2端面
94 フランジ
95 ねじ穴
96 外周溝
97 位置決め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球の周回軌道上を移動する衛星から出力された無線信号を受信する受信回路と、この受信回路によって受信された無線信号に含まれる時刻情報に基づいて同期信号を生成する同期信号生成回路と、前記受信回路と前記同期信号生成回路が実装される回路基板と、この回路基板が収容される筐体とを備え、
前記同期信号生成回路によって生成された同期信号をPHS基地局に出力するPHS基地局用の同期信号発生装置であって、
前記回路基板には、同期信号発生装置の動作状態に応じて所定のパターンで発光する発光素子が実装され、
前記回路基板は、前記筐体の下面に対して垂直に配置され、
前記筐体は、その下面に前記発光素子の発光状態を確認するための発光確認孔を有し、 前記発光素子の発光部から前記発光確認孔に亘って光を導く導光部材と、この導光部材を固定するために前記筐体の下面の外側から挿入される固定ねじと、前記導光部材及び前記筐体の下面の内側に密着し、前記発光確認孔の外周を一周して設けられた防水部材とをさらに備え、
前記導光部材は、前記発光素子から出射された光が入射する第1端面と、前記発光確認孔に挿入され、前記第1端面から入射した光を前記筐体の外部に出射する第2端面と、前記筐体の下面の内側に当接されるフランジとを有し、
前記導光部材の第2端面は、前記第1端面よりも面積が小さく、かつ前記第1端面に対して垂直に形成され、
前記導光部材のフランジには、前記筐体又は回路基板の一部と係合し該導光部材を位置決めする位置決め部と、該フランジを貫通しない深さに設けられ、前記固定ねじの先端部が螺入されるねじ穴と、前記筐体の下面の内側との当接面であって前記ねじ穴及び前記第2端面の外周部分を一周し、前記防水部材が装着される外周溝とが形成されていることを特徴とする同期信号発生装置。
【請求項2】
前記筐体の下面には、前記発光確認孔を覆う開閉自在な密閉扉が設けられ、この密閉扉の内面には、前記第2端面から出射された光を反射させるミラーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の同期信号発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−10842(P2010−10842A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165117(P2008−165117)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】