PLCシステム、状態表示方法、PLC、およびプログラマブル表示器
【課題】操作性を向上したPLCシステムを提供する。
【解決手段】機器の動作を制御するPLC12と、PLC12と通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器13とを備えるPLCシステム10である。PLC12は、機器11の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な、例えば、文字情報を記憶する情報記憶手段と、機器11の所定の動作状態を検出した際に、情報記憶手段により記憶した文字情報の中から、所定の動作状態に該当する該当状態文字情報を所定の格納部である発生異常情報格納領域18aへ格納する該当情報格納手段とを含む。プログラマブル表示器13は、該当情報格納手段により格納された該当状態文字情報を取得する該当情報取得手段と、該当情報取得手段により取得した該当状態文字情報を表示する該当情報表示手段とを含む。
【解決手段】機器の動作を制御するPLC12と、PLC12と通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器13とを備えるPLCシステム10である。PLC12は、機器11の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な、例えば、文字情報を記憶する情報記憶手段と、機器11の所定の動作状態を検出した際に、情報記憶手段により記憶した文字情報の中から、所定の動作状態に該当する該当状態文字情報を所定の格納部である発生異常情報格納領域18aへ格納する該当情報格納手段とを含む。プログラマブル表示器13は、該当情報格納手段により格納された該当状態文字情報を取得する該当情報取得手段と、該当情報取得手段により取得した該当状態文字情報を表示する該当情報表示手段とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と言う)システム、状態表示方法、PLC、およびプログラマブル表示器に関するものであって、特に、機器の動作状態を検出可能なPLCを備えるPLCシステム、状態表示方法、このようなPLCシステムに用いられるPLC、およびプログラマブル表示器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用機器等の制御装置として用いられるPLCは、PLC全体を制御するCPUユニットや通信を行う通信ユニットや信号の入出力を行うI/Oユニット等の複数のユニットから構成される。このようなPLCにユーザの所望の制御を実行させるために、ユーザプログラムをどのように設計するか等、ユーザがPLCの制御内容を設計する際には、パソコン(コンピュータ)に所定のソフトウェアをインストールし、このインストールしたソフトウェアを用いることが一般的である。
【0003】
このようなPLCの開発を支援する開発支援装置は、例えば、「オムロン社製 CX−Programmer サポートソフト Ver 9.0 日本語版(2009年発売)」(非特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】オムロン社製 CX−Programmer サポートソフト Ver 9.0 日本語版(2009年発売)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、非特許文献1に開示のような開発支援装置を用いて、制御内容の設計等が行われるPLCには、PLCによって制御される機器の動作状態を表示するプログラマブル表示器(以下、「表示器」と言う)が接続されている。ここで、機器の動作状態として、例えば機器の異常を表示する場合について説明する。図8は、PLC側の動作について示すフローチャートであって、図9は、表示器側の動作について示すフローチャートである。
【0006】
まず、PLC内には、製造メーカーによって作成され、予め格納されたシステムプログラムと、ユーザによって作成されてPLCに格納され、機器に発生した異常を検出するユーザプログラムが格納されている。ユーザプログラムは、検出する異常の内容に応じて作成される。具体的には、ユーザが検出する異常の内容を決定し、この各異常に対してメモリアドレスを割り当てる。図10は、各異常に対してメモリアドレスを割り当てた一例を示す図である。図10を参照して、例えば、温度異常の場合、W10.00のメモリアドレスを割り当てている。また、バルブ異常の場合、W100.08のメモリアドレスを割り当てている。
【0007】
そして、図10に示すメモリアドレスの割り当てに従い、ユーザプログラムが作成される。例えば、I/Oユニットから所定の信号が途切れたことを検出するプログラムや、所定の信号の途切れという異常の内容に応じて、割り当てられたメモリアドレスをONするプログラムが作成される。その後、PLC内へ作成したユーザプログラムが格納されることとなる。
【0008】
一方で、表示器側では、機器に発生した異常の内容を示す文字情報である異常名を表示するユーザプログラムが格納されている。この異常名は、ユーザが異常の内容を一目で認識可能なものである。この場合、図10に示すPLC側で検出する異常の内容を示すメモリアドレスの割り当てと、表示器側で表示する異常名とが対応するようにユーザプログラムが作成される。図11は、表示器側で表示される異常名の一例を示す図である。図11を参照して、W10.00のメモリアドレスに対応して、異常名として温度異常を表示するよう作成され、W100.08のメモリアドレスに対応して、異常名としてバルブ異常を表示するよう作成される。すなわち、図10および図11を参照して、メモリアドレスを介して、PLC側と表示器側とで異常の内容が対応するようになっている。
【0009】
そして、図8および図9を参照して、PLC側において、ユーザプログラムを実行すると、ユーザプログラムが、I/Oユニットからバルブの信号が途切れたことを検出して(S101)、バルブの信号の途切れという異常に応じて、バルブ異常に割り当てられているメモリアドレスW100.08をOFFからONにする(S102)。そうすると、表示器側では、周期的にPLC側のメモリアドレスを監視しており、所定のタイミングで、PLC側のメモリアドレスW100.08がONになったことを検知する(S201)。そして、メモリアドレスW100.08に対応する異常名「バルブ異常」を表示画面上に表示する(S202)。このようにして、PLC側で検出した異常を表示器側で表示する。
【0010】
したがって、従来では、PLC側と表示器側とで、異常の情報がメモリアドレスで紐付けられており、機器に異常が発生すると、PLC側では、その異常に割り当てられたメモリアドレスをONするのみであり、表示器側で、そのメモリアドレスに対応する具体的な異常名を表示することとしている。
【0011】
ここで、例えば表示器を他のPLCに接続すると、PLC側でのメモリアドレスの割り当てと、表示器側で表示する異常名とが対応しなくなる場合がある。図12は、PLC側と表示器側とで対応しない場合を模式的に示した図である。図12を参照して、機器AのPLCに対応する表示器を機器BのPLCに接続すると、異常を正しく表示できなくなってしまう。具体的には、機器BのPLC側では、メモリアドレスW10.00の速度異常をONした場合であっても、表示器側では、このメモリアドレスに対応する異常名を温度異常と表示するプログラムが作成されており、正しく表示できなくなってしまう。したがって、ユーザは、各PLCに対応する表示器を各々準備する必要があり、このような作業は煩雑である。
【0012】
さらに、従来においては、PLC12の製造メーカーによって作成されたPLC12全体の共通するシステムプログラムにおいて、PLC側で検出する異常の内容を異常コードとして割り当てておく場合がある。図13は、各異常に対して異常コードを割り当てた一例を示す図である。この場合、PLC側では、異常が発生すると、PLC側の所定のメモリ領域に異常コードを格納する。一方で、表示器側では、図13に示すPLC側で検出する異常の内容を示す異常コードの割り当てと、表示器側で表示する異常名とが対応するようにユーザプログラムが作成される。図14は、表示器側で表示される異常名の一例を示す図である。図13および図14を参照して、異常コードを介して、PLC側と表示器側とで異常の内容が対応するようになっている。したがって、表示器側では、PLC側の所定のメモリ領域から異常コードを取得して、取得した異常コードに対応する異常名を表示器側で検索して、表示することとしている。
【0013】
このように、異常コードを介して、PLC側と表示器側とで異常の内容を対応させた場合においても同様に、例えば表示器を他のPLCに接続すると、PLC側の異常コードと、表示器側で表示する異常名とが対応しなくなり、ユーザは、各PLCに対応する表示器を各々準備する必要があり、このような作業は煩雑である。
【0014】
また、PLC側のユーザプログラムや、表示器側のユーザプログラムは、ユーザによってパソコンからPLCと表示器とにデータを各々転送されることにより、各々格納される。したがって、新たな異常の情報を追加しようとすると、PLCと表示器の両方に追加する必要があり、ユーザにとってこのような作業は煩雑である。
【0015】
この発明の目的は、操作性を向上したPLCシステム、状態表示方法、PLC、および表示器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明に係るPLCシステムは、機器の動作を制御するPLCと、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器とを備える。PLCは、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、機器の所定の動作状態を検出した際に、情報記憶手段により記憶した情報の中から、所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含む。プログラマブル表示器は、該当情報格納手段により格納された該当状態情報を取得する該当情報取得手段と、該当情報取得手段により取得した該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む。
【0017】
こうすることにより、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識することが可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、そのまま認識できる情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したそのまま認識できる情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器は、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0018】
好ましくは、PLCは、ユーザがそのまま認識可能な情報とユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとを対応付けて記憶し、該当情報格納手段は、ユーザがそのまま認識可能な情報を格納する。
【0019】
一方で、表示器は、情報記憶手段に記憶されたユーザがそのまま認識可能な情報と、ユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとをPLCから吸い上げて格納し、該当情報格納手段は、異常コードを格納してもよい。
【0020】
そのまま認識可能な情報は文字情報であるのが好ましい。
【0021】
好ましくは、PLCは、機器の所定の動作状態を検出する検出手段を含み、検出手段により検出される機器の所定の動作状態とは、機器に発生する異常の状態を含む。こうすることにより、機器に発生した異常状態を正しく表示することができる。
【0022】
さらに好ましくは、PLCは、情報記憶手段により記憶された情報を更新する更新手段を含む。
【0023】
この発明の他の局面においては、PLCがその動作を制御する機器の動作状態を、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器にて表示する状態表示方法に関する。状態表示方法は、PLCにおいて、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識することが可能な情報を記憶するステップと、PLCにおいて、機器の所定の動作状態を検出した際に、記憶した情報の中から、検出した所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納するステップと、プログラマブル表示器において、所定の格納部に格納された該当状態情報を取得するステップと、プログラマブル表示器において、取得した該当状態情報を表示するステップとを含む。
【0024】
このような状態表示方法によれば、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識することが可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、そのまま認識可能な情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したそのまま認識可能な情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器は、PLC側の所定の格納部から取得したそのまま認識できる情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0025】
この発明のさらに他の局面においては、機器の動作を制御して、通信回線を介してプログラマブル表示器と接続されるPLCに関する。PLCは、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、機器の所定の動作状態を検出した際に、情報記憶手段により記憶した情報の中から、所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含む。
【0026】
このようなPLCは、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、情報の中からユーザがそのまま認識可能な該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側に、PLC側で格納された所定の格納部からユーザがそのまま認識可能な情報を取得させて表示させる。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側で、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な該当状態情報をそのまま表示させるのみでよい。その結果、操作性を向上することができる。
【0027】
この発明のさらに他の局面においては、機器の動作を制御するPLCに通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器に関する。プログラマブル表示器は、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報のうち、機器の所定の動作状態に該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部から取得する該当情報取得手段と、該当情報取得手段により取得した該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む。
【0028】
このような表示器は、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納することにより、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したユーザにそのまま認識可能な情報をそのまま表示するのみでよい。その結果、操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によると、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器は、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な当該状態情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態に係るPLCシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】異常検出プログラムの一部を示す図である。
【図3】PLCのメモリに記憶される異常情報の一例を示す図である。
【図4】PLC側の動作について示すフローチャートである。
【図5】表示器側の動作について示すフローチャートである。
【図6】表示画面に表示された状態を示す図である。
【図7】動作状態情報の更新を行う場合のPLC側の動作について示すフローチャートである。
【図8】従来のPLC側の動作について示すフローチャートである。
【図9】従来の表示器側の動作について示すフローチャートである。
【図10】各異常に対応するメモリアドレスが割り当てられた一例を示す図である。
【図11】表示器側で記憶されているメモリアドレスと文字情報の一例を示す図である。
【図12】PLC側と表示器側とで対応しない場合を模式的に示した図である。
【図13】各異常に対して異常コードを割り当てた一例を示す図である。
【図14】表示器側で表示される異常名の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態に係るPLCシステムについて説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るPLCシステム10の構成を示すブロック図である。図1を参照して、PLCシステム10は、機器11の動作を制御するPLC12と、PLC12に通信回線を介して接続される表示器13とを備える。
【0032】
表示器13は、表示器13全体を制御するCPU等の制御部21と、PLC12を使用するユーザによって作成されるユーザプログラム等を記憶するメモリ等の記憶部22と、画面データ等を表示する表示画面23と、PLC12等の外部装置とのインターフェースとなるI/F(インターフェース)部24とを備える。表示器13は、機器11の動作状態を表示する。表示器13の記憶部22には、機器11の動作状態を表示する画面データ等を含むユーザプログラムが記憶されている。
【0033】
PLC12は、PLC12全体を制御するCPUユニット15、機器11やパソコン(図示せず)等の外部機器との通信を行う通信ユニット16、信号の入出力を行うI/Oユニット等の各種の複数のユニットを含む。そして、CPUユニット15は、CPUユニット15全体を制御するCPU等の制御部15aと、ユーザによって作成されるユーザプログラムや、データ等を記憶するメモリ18を備える。メモリ18は、所定の格納部である発生異常情報格納領域18aを備える。
【0034】
PLC12は、電源ONされると、PLC12の製造メーカーによって作成されたPLC12全体の共通するシステムプログラムを実行し、その後、メモリ18に記憶されているユーザプログラムを実行する。そして、ユーザプログラムの実行により、ユーザが所望するように、機器11の動作が制御される。なお、システムプログラムやユーザプログラムは、サイクリックに実行される。
【0035】
ここで、PLC12のメモリ18には、機器11の動作状態を検出するユーザプログラムが記憶されている。この実施例では、機器11に発生した異常を検出するユーザプログラムが記憶されている。
【0036】
ここで、ユーザプログラムは、ユーザの要求する、検出したい異常の内容に応じて、使用ユーザにより作成されるものである。具体的には、まず、検出する異常の内容をユーザが決定する。例えばバルブ異常を検出すると決定する。このとき、バルブ異常に対応する異常コード400を割り当てる。そして、検出する異常の内容を決定すると、異常が発生したと判断可能となる異常発生条件を満たしたか否かを判断する判断プログラムや、異常発生条件を満たした場合に、その異常に該当する異常コードをセットする異常検出プログラムが、ユーザプログラムとして作成される。
【0037】
判断プログラムは、例えば、バルブ異常の場合、所定のアクチュエータの動作指令をONしてから、一定時間経過して所定のセンサがONしたか否かを判断するプログラムである。異常検出プログラムは、判断プログラムに応じて作動するプログラムである。例えば、判断プログラムにて、バルブ異常の異常発生条件を満たした場合に、すなわち、所定のセンサがONしない場合に、バルブ異常に該当する異常コードをセットさせるプログラムである。バルブ異常に該当する異常コード(例えば400)をセットされるラダープログラムの例を図2に示す。
【0038】
また、PLC12のメモリ18には、機器11の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報が記憶されている。ここで、メモリ18は、情報記憶手段として作動する。ここで、そのまま認識可能な情報とは、ユーザがその内容をそのまま認識可能なものであって、コードのような数字の情報とは異なる、たとえば、文字の情報である。 また、ここで、そのまま認識可能な情報は、文字情報だけでなく、画像情報、音声情報、表示器側で動かしたいプログラム等を含む。
【0039】
次に、文字の情報で表される情報の例について説明する。この実施の形態においては、機器11の動作状態として、ユーザにより決定された異常の内容であって、検出する機器11の異常の内容を示す異常情報が記憶されている。図3は、PLC12のメモリ18に記憶される異常情報の一例を示す図である。図3を参照して、異常コードと異常名とが対応するように記憶されている。ここで、異常コードとは、検出する異常の内容を番号で示したものであり、異常名とは、異常コードの異常の内容をユーザが一目で認識可能な文字情報にしたものであって、数字とは異なる文字の情報である。例えば、異常の内容としてバルブ異常を検出するよう、使用ユーザにより決定されると、このバルブ異常を示す異常コード「400」と、異常コード「400」に対応する異常名「バルブ異常」とが記憶される。
【0040】
なお、このようなPLC12側のユーザプログラムや、表示器13側のユーザプログラムは、パソコンにインストールされているサポートソフトを用いて使用ユーザにより作成され、作成後、パソコンからPLC12または表示器13に転送されて、メモリ18または記憶部22に記憶される。
【0041】
ここで、PLC12が機器11の所定の動作状態を検出して、表示器13が所定の動作状態に該当する該当状態情報を表示画面23に表示する場合について説明する。この実施例では、機器11の所定の動作状態として異常の状態を採用し、PLC12が機器11の異常の状態を検出して、表示器13が異常の状態に該当する該当異常情報を表示画面23に表示する場合について説明する。図4は、PLC12側の動作について示すフローチャートであって、図5は、表示器13側の動作について示すフローチャートである。図1〜図5を参照して説明する。
【0042】
まず、PLC12側において、制御部15aは、システムプログラムを実行後、ユーザプログラムを実行する。ここで、ユーザプログラムとしては、まず、判断プログラムが実行される。判断プログラムは、所定のアクチュエータの動作指令をONしてから、一定時間経過しても所定のセンサがONしないと判断する。すなわち、バルブ異常の異常発生条件を満たしたと判断する(図4において、ステップS11、以下ステップを省略する)。
【0043】
そうすると、異常検出プログラムが実行される。異常検出プログラムは、バルブ異常に該当する異常コードをセットする(S12)。なお、異常検出プログラムとしては、例えば「SETALARM」という命令が用いられ、バルブ異常の異常コード「400」をその命令のパラメータとしてセットされるというプログラムである。ここで、CPUユニット15は、検出手段として作動する。
【0044】
そうすると、制御部15aは、異常コード「400」がセットされたことを認識して、図3に示す異常情報の一覧の中から、バルブ異常の異常コード「400」に該当する異常名「バルブ異常」を発生異常情報格納領域18aに格納する(S13)。すなわち、異常名は、検出した異常に該当する該当状態文字情報である。ここで、CPUユニット15は、該当情報格納手段として作動する。
【0045】
表示器13側では、ユーザプログラムに基づいて、周期的にPLC12側の発生異常情報格納領域18aを監視しており、所定のタイミングで、発生異常情報格納領域18aに格納された該当状態文字情報を読み出す(図5において、S21)。ここで、制御部21は、該当情報取得手段として作動する。そして、制御部21は、読み出した該当状態文字情報である「バルブ異常」を表示画面23にそのまま表示する(S22)。ここで、制御部21は、該当情報表示手段として作動する。図6は、表示画面23に表示した状態を示す図である。図6を参照して、表示器13は、例えばアラーム表示領域23aに「バルブ異常」と表示する。
【0046】
このように、本願発明に係るPLCシステム10では、PLC12側に、機器11の動作状態を示す情報であって、ユーザが認識可能な文字情報を記憶しておき、機器11の所定の動作状態を検出した際には、文字情報の中から該当する該当状態文字情報をPLC12側の所定の格納部である発生異常情報格納領域18aに格納する。そして、表示器13側では、PLC12側で格納された発生異常情報格納領域18aから該当状態文字情報を取得して表示する。したがって、機器11の動作状態を示す文字情報の対応付けを、PLC12側と表示器13側とで行う必要なく、表示器13側では、PLC12側の発生異常情報格納領域18aから取得した該当状態文字情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器13を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器13は、他のPLC側の所定の格納部から取得した該当状態文字情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0047】
また、従来のように、PLC側と表示器側とで、メモリアドレスや異常コードを対応させる必要もないため、1台の表示器のみで、複数のPLCが組み込まれる複数台の機器の異常を切り替えて表示することができる。
【0048】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、PLC32は、その動作状態を一意に示すイベントコード、およびイベントコードに対応するコンテンツを格納しながら、一方で、表示器13も、これらのコンテンツの全てを予めPLCから吸いあげて格納しておく。そして、PLC32は、発生異常情報格納領域38aにイベントコードのみを格納し、表示器13は発生異常情報格納領域38aのイベントコードを読みだして、自身の有する対応するコンテンツを表示する。
【0049】
また、この吸い上げるタイミングとしては、最初に上記のような、機器11の異常を検出した際に吸い上げてもよいし、任意のタイミングで吸い上げて取得してもよい。たとえば、PLC12の組立時のような、PLC12を機器11に取り付けて、PLC12を表示器13に初めて接続した時でもよい。この場合、たとえば、バルブ異常の異常発生条件を満たしたと判断して、バルブ異常に該当する異常コードをセットすると、異常コード「400」を発生異常情報格納領域18aに格納する。そして、表示器13が、発生異常情報格納領域18aから異常コード「400」を読み出し、予め取得している異常情報を参照することにより、異常コード「400」に対応する異常名「バルブ異常」を表示画面23に表示する。
【0050】
また、上記の実施の形態においては、図3に示す異常情報には、異常コードと異常名とを含む例について説明したが、これに限ることなく、異常の重要度や異常が属するグループを含めることとし、これらの情報を発生異常情報格納領域18aに格納して、異常名と共に表示画面23に表示するよう制御してもよい。
【0051】
また、上記の実施の形態においては、S12において、ユーザプログラムとして「SETALARM」の命令が用いられる例について説明したが、この「SETALARM」の命令のパラメータに、測定した温度の値等の所定の情報が付加されてもよく、この所定の情報を発生異常情報格納領域18aに格納して、表示画面23に表示するよう制御してもよい。
【0052】
また、上記の実施の形態においては、機器11の所定の動作状態として、異常の状態を採用する例について説明したが、これに限ることなく、例えば正常の運転状態等、異常以外の他の状態にも適用することができる。この場合、PLC12のメモリ18には、機器11のそれぞれの状態を検出するユーザプログラムがユーザにより作成されて記憶されると共に、それぞれの動作状態(運転状態を含む)情報の一覧が記憶される。
【0053】
また、上記の実施の形態においては、図3に示す動作状態情報は、使用ユーザにより予めPLC12のメモリ18に記憶される例について説明したが、これに限ることなく、使用ユーザにより更新可能な構成であってもよい。
【0054】
この場合の処理の一例について説明すると、まず、PLC12にパソコンが接続される(図7において、S31)。そして、パソコンにおいてサポートソフトが起動される。そうすると、文字情報がサポートソフトを用いて使用ユーザにより更新され、更新された文字情報がPLC32に転送される(S32)。PLC12側では、転送されたデータをメモリ18に格納する。ここで、制御部15aは、更新手段として作動する。
【0055】
このようにして、機器11の動作状態が追加された場合であっても、使用ユーザ側で、サポートソフト等を用いて、PLC12側に記憶されている動作状態情報を任意に更新することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態においては、メモリ18に初めから格納されている機器11の動作状態情報に追加して更新が行われる場合について説明したが、これに限ることなく、メモリ18に初めから格納されている動作状態の全てまたは一部に対して更新を行うようにしてもよい。
【0057】
また、例えば、日本語で記載された動作状態情報の全てを英語に更新する等の処理を行ってもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、PLC12側で、バルブ異常の異常コード「400」に該当する異常名「バルブ異常」を発生異常情報格納領域18aに格納することにより、表示器13は、読み出した該当状態文字情報である「バルブ異常」を表示画面23にそのまま表示する例について説明したが、PLC12側で、異常名「バルブ異常」に加え、異常コード「400」を合わせて、発生異常情報格納領域18aに格納することにより、表示器13は、読み出した該当状態文字情報である「バルブ異常」と異常コード「400」とを合わせて表示してもよい。
【0059】
また、上記実施の形態においては、ユーザプログラムにおける異常処理における、異常コードと異常名との場合を例にあげて説明したが、これに限らず、他の処理に適用してもよいし、システムプログラムにおける処理に適用してもよい。
【0060】
さらに別途、インテリジェントユニットを接続し、インテリジェントユニットが、自動的に保守すべき個所を検出し、それを、PLCや表示器のメモリに自動的に書込むようにしてもよい。
【0061】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
この発明は、PLCの動作情報を表示する際に、有効に利用される。
【符号の説明】
【0063】
10 PLCシステム、11 機器、12 PLC、13 表示器、14 パソコン、
15 CPUユニット、15a 制御部、16 通信ユニット、18 メモリ、18a
発生異常情報格納領域、21 制御部、22 記憶部、23 表示画面、23a アラー
ム表示領域、24 I/F部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、プログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と言う)システム、状態表示方法、PLC、およびプログラマブル表示器に関するものであって、特に、機器の動作状態を検出可能なPLCを備えるPLCシステム、状態表示方法、このようなPLCシステムに用いられるPLC、およびプログラマブル表示器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用機器等の制御装置として用いられるPLCは、PLC全体を制御するCPUユニットや通信を行う通信ユニットや信号の入出力を行うI/Oユニット等の複数のユニットから構成される。このようなPLCにユーザの所望の制御を実行させるために、ユーザプログラムをどのように設計するか等、ユーザがPLCの制御内容を設計する際には、パソコン(コンピュータ)に所定のソフトウェアをインストールし、このインストールしたソフトウェアを用いることが一般的である。
【0003】
このようなPLCの開発を支援する開発支援装置は、例えば、「オムロン社製 CX−Programmer サポートソフト Ver 9.0 日本語版(2009年発売)」(非特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】オムロン社製 CX−Programmer サポートソフト Ver 9.0 日本語版(2009年発売)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、非特許文献1に開示のような開発支援装置を用いて、制御内容の設計等が行われるPLCには、PLCによって制御される機器の動作状態を表示するプログラマブル表示器(以下、「表示器」と言う)が接続されている。ここで、機器の動作状態として、例えば機器の異常を表示する場合について説明する。図8は、PLC側の動作について示すフローチャートであって、図9は、表示器側の動作について示すフローチャートである。
【0006】
まず、PLC内には、製造メーカーによって作成され、予め格納されたシステムプログラムと、ユーザによって作成されてPLCに格納され、機器に発生した異常を検出するユーザプログラムが格納されている。ユーザプログラムは、検出する異常の内容に応じて作成される。具体的には、ユーザが検出する異常の内容を決定し、この各異常に対してメモリアドレスを割り当てる。図10は、各異常に対してメモリアドレスを割り当てた一例を示す図である。図10を参照して、例えば、温度異常の場合、W10.00のメモリアドレスを割り当てている。また、バルブ異常の場合、W100.08のメモリアドレスを割り当てている。
【0007】
そして、図10に示すメモリアドレスの割り当てに従い、ユーザプログラムが作成される。例えば、I/Oユニットから所定の信号が途切れたことを検出するプログラムや、所定の信号の途切れという異常の内容に応じて、割り当てられたメモリアドレスをONするプログラムが作成される。その後、PLC内へ作成したユーザプログラムが格納されることとなる。
【0008】
一方で、表示器側では、機器に発生した異常の内容を示す文字情報である異常名を表示するユーザプログラムが格納されている。この異常名は、ユーザが異常の内容を一目で認識可能なものである。この場合、図10に示すPLC側で検出する異常の内容を示すメモリアドレスの割り当てと、表示器側で表示する異常名とが対応するようにユーザプログラムが作成される。図11は、表示器側で表示される異常名の一例を示す図である。図11を参照して、W10.00のメモリアドレスに対応して、異常名として温度異常を表示するよう作成され、W100.08のメモリアドレスに対応して、異常名としてバルブ異常を表示するよう作成される。すなわち、図10および図11を参照して、メモリアドレスを介して、PLC側と表示器側とで異常の内容が対応するようになっている。
【0009】
そして、図8および図9を参照して、PLC側において、ユーザプログラムを実行すると、ユーザプログラムが、I/Oユニットからバルブの信号が途切れたことを検出して(S101)、バルブの信号の途切れという異常に応じて、バルブ異常に割り当てられているメモリアドレスW100.08をOFFからONにする(S102)。そうすると、表示器側では、周期的にPLC側のメモリアドレスを監視しており、所定のタイミングで、PLC側のメモリアドレスW100.08がONになったことを検知する(S201)。そして、メモリアドレスW100.08に対応する異常名「バルブ異常」を表示画面上に表示する(S202)。このようにして、PLC側で検出した異常を表示器側で表示する。
【0010】
したがって、従来では、PLC側と表示器側とで、異常の情報がメモリアドレスで紐付けられており、機器に異常が発生すると、PLC側では、その異常に割り当てられたメモリアドレスをONするのみであり、表示器側で、そのメモリアドレスに対応する具体的な異常名を表示することとしている。
【0011】
ここで、例えば表示器を他のPLCに接続すると、PLC側でのメモリアドレスの割り当てと、表示器側で表示する異常名とが対応しなくなる場合がある。図12は、PLC側と表示器側とで対応しない場合を模式的に示した図である。図12を参照して、機器AのPLCに対応する表示器を機器BのPLCに接続すると、異常を正しく表示できなくなってしまう。具体的には、機器BのPLC側では、メモリアドレスW10.00の速度異常をONした場合であっても、表示器側では、このメモリアドレスに対応する異常名を温度異常と表示するプログラムが作成されており、正しく表示できなくなってしまう。したがって、ユーザは、各PLCに対応する表示器を各々準備する必要があり、このような作業は煩雑である。
【0012】
さらに、従来においては、PLC12の製造メーカーによって作成されたPLC12全体の共通するシステムプログラムにおいて、PLC側で検出する異常の内容を異常コードとして割り当てておく場合がある。図13は、各異常に対して異常コードを割り当てた一例を示す図である。この場合、PLC側では、異常が発生すると、PLC側の所定のメモリ領域に異常コードを格納する。一方で、表示器側では、図13に示すPLC側で検出する異常の内容を示す異常コードの割り当てと、表示器側で表示する異常名とが対応するようにユーザプログラムが作成される。図14は、表示器側で表示される異常名の一例を示す図である。図13および図14を参照して、異常コードを介して、PLC側と表示器側とで異常の内容が対応するようになっている。したがって、表示器側では、PLC側の所定のメモリ領域から異常コードを取得して、取得した異常コードに対応する異常名を表示器側で検索して、表示することとしている。
【0013】
このように、異常コードを介して、PLC側と表示器側とで異常の内容を対応させた場合においても同様に、例えば表示器を他のPLCに接続すると、PLC側の異常コードと、表示器側で表示する異常名とが対応しなくなり、ユーザは、各PLCに対応する表示器を各々準備する必要があり、このような作業は煩雑である。
【0014】
また、PLC側のユーザプログラムや、表示器側のユーザプログラムは、ユーザによってパソコンからPLCと表示器とにデータを各々転送されることにより、各々格納される。したがって、新たな異常の情報を追加しようとすると、PLCと表示器の両方に追加する必要があり、ユーザにとってこのような作業は煩雑である。
【0015】
この発明の目的は、操作性を向上したPLCシステム、状態表示方法、PLC、および表示器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明に係るPLCシステムは、機器の動作を制御するPLCと、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器とを備える。PLCは、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、機器の所定の動作状態を検出した際に、情報記憶手段により記憶した情報の中から、所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含む。プログラマブル表示器は、該当情報格納手段により格納された該当状態情報を取得する該当情報取得手段と、該当情報取得手段により取得した該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む。
【0017】
こうすることにより、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識することが可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、そのまま認識できる情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したそのまま認識できる情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器は、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0018】
好ましくは、PLCは、ユーザがそのまま認識可能な情報とユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとを対応付けて記憶し、該当情報格納手段は、ユーザがそのまま認識可能な情報を格納する。
【0019】
一方で、表示器は、情報記憶手段に記憶されたユーザがそのまま認識可能な情報と、ユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとをPLCから吸い上げて格納し、該当情報格納手段は、異常コードを格納してもよい。
【0020】
そのまま認識可能な情報は文字情報であるのが好ましい。
【0021】
好ましくは、PLCは、機器の所定の動作状態を検出する検出手段を含み、検出手段により検出される機器の所定の動作状態とは、機器に発生する異常の状態を含む。こうすることにより、機器に発生した異常状態を正しく表示することができる。
【0022】
さらに好ましくは、PLCは、情報記憶手段により記憶された情報を更新する更新手段を含む。
【0023】
この発明の他の局面においては、PLCがその動作を制御する機器の動作状態を、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器にて表示する状態表示方法に関する。状態表示方法は、PLCにおいて、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識することが可能な情報を記憶するステップと、PLCにおいて、機器の所定の動作状態を検出した際に、記憶した情報の中から、検出した所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納するステップと、プログラマブル表示器において、所定の格納部に格納された該当状態情報を取得するステップと、プログラマブル表示器において、取得した該当状態情報を表示するステップとを含む。
【0024】
このような状態表示方法によれば、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識することが可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、そのまま認識可能な情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したそのまま認識可能な情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器は、PLC側の所定の格納部から取得したそのまま認識できる情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0025】
この発明のさらに他の局面においては、機器の動作を制御して、通信回線を介してプログラマブル表示器と接続されるPLCに関する。PLCは、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、機器の所定の動作状態を検出した際に、情報記憶手段により記憶した情報の中から、所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含む。
【0026】
このようなPLCは、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、情報の中からユーザがそのまま認識可能な該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側に、PLC側で格納された所定の格納部からユーザがそのまま認識可能な情報を取得させて表示させる。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側で、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な該当状態情報をそのまま表示させるのみでよい。その結果、操作性を向上することができる。
【0027】
この発明のさらに他の局面においては、機器の動作を制御するPLCに通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器に関する。プログラマブル表示器は、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報のうち、機器の所定の動作状態に該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部から取得する該当情報取得手段と、該当情報取得手段により取得した該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む。
【0028】
このような表示器は、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納することにより、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したユーザにそのまま認識可能な情報をそのまま表示するのみでよい。その結果、操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によると、PLC側に、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶しておき、機器の所定の動作状態を検出した際には、情報の中から該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部に格納する。そして、表示器側では、PLC側で格納された所定の格納部から該当状態情報を取得して表示する。したがって、機器の動作状態を示す情報の対応付けを、PLC側と表示器側とで行う必要なく、表示器側では、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器は、PLC側の所定の格納部から取得したユーザがそのまま認識可能な当該状態情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態に係るPLCシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】異常検出プログラムの一部を示す図である。
【図3】PLCのメモリに記憶される異常情報の一例を示す図である。
【図4】PLC側の動作について示すフローチャートである。
【図5】表示器側の動作について示すフローチャートである。
【図6】表示画面に表示された状態を示す図である。
【図7】動作状態情報の更新を行う場合のPLC側の動作について示すフローチャートである。
【図8】従来のPLC側の動作について示すフローチャートである。
【図9】従来の表示器側の動作について示すフローチャートである。
【図10】各異常に対応するメモリアドレスが割り当てられた一例を示す図である。
【図11】表示器側で記憶されているメモリアドレスと文字情報の一例を示す図である。
【図12】PLC側と表示器側とで対応しない場合を模式的に示した図である。
【図13】各異常に対して異常コードを割り当てた一例を示す図である。
【図14】表示器側で表示される異常名の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態に係るPLCシステムについて説明する。図1は、この発明の一実施形態に係るPLCシステム10の構成を示すブロック図である。図1を参照して、PLCシステム10は、機器11の動作を制御するPLC12と、PLC12に通信回線を介して接続される表示器13とを備える。
【0032】
表示器13は、表示器13全体を制御するCPU等の制御部21と、PLC12を使用するユーザによって作成されるユーザプログラム等を記憶するメモリ等の記憶部22と、画面データ等を表示する表示画面23と、PLC12等の外部装置とのインターフェースとなるI/F(インターフェース)部24とを備える。表示器13は、機器11の動作状態を表示する。表示器13の記憶部22には、機器11の動作状態を表示する画面データ等を含むユーザプログラムが記憶されている。
【0033】
PLC12は、PLC12全体を制御するCPUユニット15、機器11やパソコン(図示せず)等の外部機器との通信を行う通信ユニット16、信号の入出力を行うI/Oユニット等の各種の複数のユニットを含む。そして、CPUユニット15は、CPUユニット15全体を制御するCPU等の制御部15aと、ユーザによって作成されるユーザプログラムや、データ等を記憶するメモリ18を備える。メモリ18は、所定の格納部である発生異常情報格納領域18aを備える。
【0034】
PLC12は、電源ONされると、PLC12の製造メーカーによって作成されたPLC12全体の共通するシステムプログラムを実行し、その後、メモリ18に記憶されているユーザプログラムを実行する。そして、ユーザプログラムの実行により、ユーザが所望するように、機器11の動作が制御される。なお、システムプログラムやユーザプログラムは、サイクリックに実行される。
【0035】
ここで、PLC12のメモリ18には、機器11の動作状態を検出するユーザプログラムが記憶されている。この実施例では、機器11に発生した異常を検出するユーザプログラムが記憶されている。
【0036】
ここで、ユーザプログラムは、ユーザの要求する、検出したい異常の内容に応じて、使用ユーザにより作成されるものである。具体的には、まず、検出する異常の内容をユーザが決定する。例えばバルブ異常を検出すると決定する。このとき、バルブ異常に対応する異常コード400を割り当てる。そして、検出する異常の内容を決定すると、異常が発生したと判断可能となる異常発生条件を満たしたか否かを判断する判断プログラムや、異常発生条件を満たした場合に、その異常に該当する異常コードをセットする異常検出プログラムが、ユーザプログラムとして作成される。
【0037】
判断プログラムは、例えば、バルブ異常の場合、所定のアクチュエータの動作指令をONしてから、一定時間経過して所定のセンサがONしたか否かを判断するプログラムである。異常検出プログラムは、判断プログラムに応じて作動するプログラムである。例えば、判断プログラムにて、バルブ異常の異常発生条件を満たした場合に、すなわち、所定のセンサがONしない場合に、バルブ異常に該当する異常コードをセットさせるプログラムである。バルブ異常に該当する異常コード(例えば400)をセットされるラダープログラムの例を図2に示す。
【0038】
また、PLC12のメモリ18には、機器11の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報が記憶されている。ここで、メモリ18は、情報記憶手段として作動する。ここで、そのまま認識可能な情報とは、ユーザがその内容をそのまま認識可能なものであって、コードのような数字の情報とは異なる、たとえば、文字の情報である。 また、ここで、そのまま認識可能な情報は、文字情報だけでなく、画像情報、音声情報、表示器側で動かしたいプログラム等を含む。
【0039】
次に、文字の情報で表される情報の例について説明する。この実施の形態においては、機器11の動作状態として、ユーザにより決定された異常の内容であって、検出する機器11の異常の内容を示す異常情報が記憶されている。図3は、PLC12のメモリ18に記憶される異常情報の一例を示す図である。図3を参照して、異常コードと異常名とが対応するように記憶されている。ここで、異常コードとは、検出する異常の内容を番号で示したものであり、異常名とは、異常コードの異常の内容をユーザが一目で認識可能な文字情報にしたものであって、数字とは異なる文字の情報である。例えば、異常の内容としてバルブ異常を検出するよう、使用ユーザにより決定されると、このバルブ異常を示す異常コード「400」と、異常コード「400」に対応する異常名「バルブ異常」とが記憶される。
【0040】
なお、このようなPLC12側のユーザプログラムや、表示器13側のユーザプログラムは、パソコンにインストールされているサポートソフトを用いて使用ユーザにより作成され、作成後、パソコンからPLC12または表示器13に転送されて、メモリ18または記憶部22に記憶される。
【0041】
ここで、PLC12が機器11の所定の動作状態を検出して、表示器13が所定の動作状態に該当する該当状態情報を表示画面23に表示する場合について説明する。この実施例では、機器11の所定の動作状態として異常の状態を採用し、PLC12が機器11の異常の状態を検出して、表示器13が異常の状態に該当する該当異常情報を表示画面23に表示する場合について説明する。図4は、PLC12側の動作について示すフローチャートであって、図5は、表示器13側の動作について示すフローチャートである。図1〜図5を参照して説明する。
【0042】
まず、PLC12側において、制御部15aは、システムプログラムを実行後、ユーザプログラムを実行する。ここで、ユーザプログラムとしては、まず、判断プログラムが実行される。判断プログラムは、所定のアクチュエータの動作指令をONしてから、一定時間経過しても所定のセンサがONしないと判断する。すなわち、バルブ異常の異常発生条件を満たしたと判断する(図4において、ステップS11、以下ステップを省略する)。
【0043】
そうすると、異常検出プログラムが実行される。異常検出プログラムは、バルブ異常に該当する異常コードをセットする(S12)。なお、異常検出プログラムとしては、例えば「SETALARM」という命令が用いられ、バルブ異常の異常コード「400」をその命令のパラメータとしてセットされるというプログラムである。ここで、CPUユニット15は、検出手段として作動する。
【0044】
そうすると、制御部15aは、異常コード「400」がセットされたことを認識して、図3に示す異常情報の一覧の中から、バルブ異常の異常コード「400」に該当する異常名「バルブ異常」を発生異常情報格納領域18aに格納する(S13)。すなわち、異常名は、検出した異常に該当する該当状態文字情報である。ここで、CPUユニット15は、該当情報格納手段として作動する。
【0045】
表示器13側では、ユーザプログラムに基づいて、周期的にPLC12側の発生異常情報格納領域18aを監視しており、所定のタイミングで、発生異常情報格納領域18aに格納された該当状態文字情報を読み出す(図5において、S21)。ここで、制御部21は、該当情報取得手段として作動する。そして、制御部21は、読み出した該当状態文字情報である「バルブ異常」を表示画面23にそのまま表示する(S22)。ここで、制御部21は、該当情報表示手段として作動する。図6は、表示画面23に表示した状態を示す図である。図6を参照して、表示器13は、例えばアラーム表示領域23aに「バルブ異常」と表示する。
【0046】
このように、本願発明に係るPLCシステム10では、PLC12側に、機器11の動作状態を示す情報であって、ユーザが認識可能な文字情報を記憶しておき、機器11の所定の動作状態を検出した際には、文字情報の中から該当する該当状態文字情報をPLC12側の所定の格納部である発生異常情報格納領域18aに格納する。そして、表示器13側では、PLC12側で格納された発生異常情報格納領域18aから該当状態文字情報を取得して表示する。したがって、機器11の動作状態を示す文字情報の対応付けを、PLC12側と表示器13側とで行う必要なく、表示器13側では、PLC12側の発生異常情報格納領域18aから取得した該当状態文字情報をそのまま表示するのみでよい。したがって、例えば表示器13を他のPLCに接続しようとした場合であっても、表示器13は、他のPLC側の所定の格納部から取得した該当状態文字情報をそのまま表示できるため、PLC側が意図した動作状態と異なった表示が行われることはない。また、ユーザにより新たな動作状態を追加しようした場合であっても、PLC側に追加するのみでよく、メンテナンス時の手間を省くことができ、ユーザの操作ミス等を低減することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0047】
また、従来のように、PLC側と表示器側とで、メモリアドレスや異常コードを対応させる必要もないため、1台の表示器のみで、複数のPLCが組み込まれる複数台の機器の異常を切り替えて表示することができる。
【0048】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態においては、PLC32は、その動作状態を一意に示すイベントコード、およびイベントコードに対応するコンテンツを格納しながら、一方で、表示器13も、これらのコンテンツの全てを予めPLCから吸いあげて格納しておく。そして、PLC32は、発生異常情報格納領域38aにイベントコードのみを格納し、表示器13は発生異常情報格納領域38aのイベントコードを読みだして、自身の有する対応するコンテンツを表示する。
【0049】
また、この吸い上げるタイミングとしては、最初に上記のような、機器11の異常を検出した際に吸い上げてもよいし、任意のタイミングで吸い上げて取得してもよい。たとえば、PLC12の組立時のような、PLC12を機器11に取り付けて、PLC12を表示器13に初めて接続した時でもよい。この場合、たとえば、バルブ異常の異常発生条件を満たしたと判断して、バルブ異常に該当する異常コードをセットすると、異常コード「400」を発生異常情報格納領域18aに格納する。そして、表示器13が、発生異常情報格納領域18aから異常コード「400」を読み出し、予め取得している異常情報を参照することにより、異常コード「400」に対応する異常名「バルブ異常」を表示画面23に表示する。
【0050】
また、上記の実施の形態においては、図3に示す異常情報には、異常コードと異常名とを含む例について説明したが、これに限ることなく、異常の重要度や異常が属するグループを含めることとし、これらの情報を発生異常情報格納領域18aに格納して、異常名と共に表示画面23に表示するよう制御してもよい。
【0051】
また、上記の実施の形態においては、S12において、ユーザプログラムとして「SETALARM」の命令が用いられる例について説明したが、この「SETALARM」の命令のパラメータに、測定した温度の値等の所定の情報が付加されてもよく、この所定の情報を発生異常情報格納領域18aに格納して、表示画面23に表示するよう制御してもよい。
【0052】
また、上記の実施の形態においては、機器11の所定の動作状態として、異常の状態を採用する例について説明したが、これに限ることなく、例えば正常の運転状態等、異常以外の他の状態にも適用することができる。この場合、PLC12のメモリ18には、機器11のそれぞれの状態を検出するユーザプログラムがユーザにより作成されて記憶されると共に、それぞれの動作状態(運転状態を含む)情報の一覧が記憶される。
【0053】
また、上記の実施の形態においては、図3に示す動作状態情報は、使用ユーザにより予めPLC12のメモリ18に記憶される例について説明したが、これに限ることなく、使用ユーザにより更新可能な構成であってもよい。
【0054】
この場合の処理の一例について説明すると、まず、PLC12にパソコンが接続される(図7において、S31)。そして、パソコンにおいてサポートソフトが起動される。そうすると、文字情報がサポートソフトを用いて使用ユーザにより更新され、更新された文字情報がPLC32に転送される(S32)。PLC12側では、転送されたデータをメモリ18に格納する。ここで、制御部15aは、更新手段として作動する。
【0055】
このようにして、機器11の動作状態が追加された場合であっても、使用ユーザ側で、サポートソフト等を用いて、PLC12側に記憶されている動作状態情報を任意に更新することができる。その結果、操作性を向上することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態においては、メモリ18に初めから格納されている機器11の動作状態情報に追加して更新が行われる場合について説明したが、これに限ることなく、メモリ18に初めから格納されている動作状態の全てまたは一部に対して更新を行うようにしてもよい。
【0057】
また、例えば、日本語で記載された動作状態情報の全てを英語に更新する等の処理を行ってもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、PLC12側で、バルブ異常の異常コード「400」に該当する異常名「バルブ異常」を発生異常情報格納領域18aに格納することにより、表示器13は、読み出した該当状態文字情報である「バルブ異常」を表示画面23にそのまま表示する例について説明したが、PLC12側で、異常名「バルブ異常」に加え、異常コード「400」を合わせて、発生異常情報格納領域18aに格納することにより、表示器13は、読み出した該当状態文字情報である「バルブ異常」と異常コード「400」とを合わせて表示してもよい。
【0059】
また、上記実施の形態においては、ユーザプログラムにおける異常処理における、異常コードと異常名との場合を例にあげて説明したが、これに限らず、他の処理に適用してもよいし、システムプログラムにおける処理に適用してもよい。
【0060】
さらに別途、インテリジェントユニットを接続し、インテリジェントユニットが、自動的に保守すべき個所を検出し、それを、PLCや表示器のメモリに自動的に書込むようにしてもよい。
【0061】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
この発明は、PLCの動作情報を表示する際に、有効に利用される。
【符号の説明】
【0063】
10 PLCシステム、11 機器、12 PLC、13 表示器、14 パソコン、
15 CPUユニット、15a 制御部、16 通信ユニット、18 メモリ、18a
発生異常情報格納領域、21 制御部、22 記憶部、23 表示画面、23a アラー
ム表示領域、24 I/F部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の動作を制御するPLCと、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器とを備えるPLCシステムであって、
前記PLCは、
前記機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、
前記機器の所定の動作状態を検出した際に、前記情報記憶手段により記憶した前記情報の中から、前記所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含み、
前記プログラマブル表示器は、
前記該当情報格納手段により格納された前記該当状態情報を取得する該当情報取得手段と、
前記該当情報取得手段により取得した前記該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む、PLCシステム。
【請求項2】
前記PLCは、前記ユーザがそのまま認識可能な情報と前記ユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとを対応付けて記憶し、
前記該当情報格納手段は、前記ユーザがそのまま認識可能な情報を格納する、請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項3】
前記表示器は、前記情報記憶手段に記憶されたユーザがそのまま認識可能な情報と、前記ユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとを前記PLCから吸い上げて格納し、
前記該当情報格納手段は、前記異常コードを格納する、請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項4】
前記ユーザがそのまま認識可能な情報は文字情報である、請求項1〜3のいずれかに記載のPLCシステム。
【請求項5】
前記PLCは、前記機器の所定の動作状態を検出する検出手段を含み、前記検出手段により検出される前記機器の所定の動作状態とは、前記機器に発生する異常の状態を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のPLCシステム。
【請求項6】
前記PLCは、前記情報記憶手段により記憶された前記情報を更新する更新手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のPLCシステム。
【請求項7】
PLCがその動作を制御する機器の動作状態を、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器にて表示する状態表示方法であって、
PLCにおいて、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶するステップと、
PLCにおいて、機器の所定の動作状態を検出した際に、記憶した情報の中から、検出した所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納するステップと、
プログラマブル表示器において、所定の格納部に格納された該当状態情報を取得するステップと、
プログラマブル表示器において、取得した該当状態情報を表示するステップとを含む、状態表示方法。
【請求項8】
機器の動作を制御して、通信回線を介してプログラマブル表示器と接続されるPLCであって、
前記機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、
前記機器の所定の動作状態を検出した際に、前記情報記憶手段により記憶した前記情報の中から、前記所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含む、PLC。
【請求項9】
機器の動作を制御するPLCに通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器であって、
前記機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報のうち、機器の所定の動作状態に該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部から取得する該当情報取得手段と、
前記該当情報取得手段により取得した前記該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む、プログラマブル表示器。
【請求項1】
機器の動作を制御するPLCと、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器とを備えるPLCシステムであって、
前記PLCは、
前記機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、
前記機器の所定の動作状態を検出した際に、前記情報記憶手段により記憶した前記情報の中から、前記所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含み、
前記プログラマブル表示器は、
前記該当情報格納手段により格納された前記該当状態情報を取得する該当情報取得手段と、
前記該当情報取得手段により取得した前記該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む、PLCシステム。
【請求項2】
前記PLCは、前記ユーザがそのまま認識可能な情報と前記ユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとを対応付けて記憶し、
前記該当情報格納手段は、前記ユーザがそのまま認識可能な情報を格納する、請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項3】
前記表示器は、前記情報記憶手段に記憶されたユーザがそのまま認識可能な情報と、前記ユーザがそのまま認識可能な情報に対応する異常コードとを前記PLCから吸い上げて格納し、
前記該当情報格納手段は、前記異常コードを格納する、請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項4】
前記ユーザがそのまま認識可能な情報は文字情報である、請求項1〜3のいずれかに記載のPLCシステム。
【請求項5】
前記PLCは、前記機器の所定の動作状態を検出する検出手段を含み、前記検出手段により検出される前記機器の所定の動作状態とは、前記機器に発生する異常の状態を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のPLCシステム。
【請求項6】
前記PLCは、前記情報記憶手段により記憶された前記情報を更新する更新手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のPLCシステム。
【請求項7】
PLCがその動作を制御する機器の動作状態を、PLCと通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器にて表示する状態表示方法であって、
PLCにおいて、機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶するステップと、
PLCにおいて、機器の所定の動作状態を検出した際に、記憶した情報の中から、検出した所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納するステップと、
プログラマブル表示器において、所定の格納部に格納された該当状態情報を取得するステップと、
プログラマブル表示器において、取得した該当状態情報を表示するステップとを含む、状態表示方法。
【請求項8】
機器の動作を制御して、通信回線を介してプログラマブル表示器と接続されるPLCであって、
前記機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報を記憶する情報記憶手段と、
前記機器の所定の動作状態を検出した際に、前記情報記憶手段により記憶した前記情報の中から、前記所定の動作状態に該当する該当状態情報を所定の格納部へ格納する該当情報格納手段とを含む、PLC。
【請求項9】
機器の動作を制御するPLCに通信回線を介して接続されるプログラマブル表示器であって、
前記機器の動作状態を示す情報であって、ユーザがそのまま認識可能な情報のうち、機器の所定の動作状態に該当する該当状態情報をPLC側の所定の格納部から取得する該当情報取得手段と、
前記該当情報取得手段により取得した前記該当状態情報を表示する該当情報表示手段とを含む、プログラマブル表示器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−208932(P2012−208932A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58098(P2012−58098)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]