説明

POSレジスタ

【課題】POSレジスタに表示される買い上げ明細を見易くすることにより、セルフPOSレジスタの操作性を向上させる。
【解決手段】顧客が購入する商品を登録する登録手段と、登録手段が登録した商品の品目数に基づき、文字サイズを決定する文字サイズ決定手段と、文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて、登録手段が登録した顧客の買い上げ明細を表示する表示手段と、からなるPOSレジスタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が購入する商品の情報を表示するPOSレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット等の店舗では、顧客自身がレジを操作して会計を済ませる「セルフPOS(Point Of Sales)レジスタ」を導入する店舗が多くなってきている。
セルフPOSレジスタでは、まず、顧客がスキャナを用いて商品のバーコードを読み取り、商品登録を行う。商品登録が行われると、セルフPOSレジスタは買い上げ明細を表示画面に表示する。次に、顧客がセルフPOSレジスタに現金(或いはカード)を投入すると、セルフPOSレジスタはレシートとお釣りがある場合にはお釣りを出す。顧客は、セルフPOSレジスタから出されたレシートとお釣りを受け取り帰る、という一連の操作がなされる。
【0003】
セルフPOSレジスタには、顧客が一度操作を覚えてしまえば、買い物点数が少ない場合などには会計を早く済ませることができるという利点がある。この利点を活用するため、店員が操作する複数台のPOSレジスタのうち一部をセルフPOSレジスタに置き換えることが考えられる。そして、買い物点数が少ない顧客にセルフPOSレジスタを使用してもらうことにより、会計待ちの顧客を分散し、会計待ちの行列が出来ることを防ぎ、顧客満足度を向上させることができる。
【0004】
特許文献1に記載された技術では、複数のカラムからなるリストを表示する際、表示倍率を変えると設定に基づいて表示対象となるカラムを表示する。また、特許文献2には、表示部に表示する情報のフォントの大きさを指定することができる決済端末機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−256094号公報
【特許文献2】特開2005−157436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
買物点数が少ない顧客にセルフPOSレジスタを使用してもらうことにより、会計待ちの顧客を分散し、会計待ちの行列が出来ることを防ぎ、顧客満足度を向上させることがセルフPOSレジスタを導入する目的である。しかしながら、従来技術におけるセルフPOSレジスタは、顧客の購入品目数が多い少ないに関わらず所定の文字サイズ(文字の大きさ)及び所定の表示件数にて買い上げ明細を表示部に表示させて会計を行っていたため、例えば買物点数が少ない場合であっても文字が小さく表示されるので、見辛い等の理由により操作性が低下し、客捌きの効率が低下する場合があった。
そのため、特許文献1及び2に記載された技術を用いて、買い上げ点数が少ない顧客の買い上げ明細を大きな文字で表示することにより、商品名称や買い上げ点数の確認を容易にすることが考えられる。しかしながら、その都度オペレータ(顧客)がボタン操作等で表示させる文字の大きさを変えなければならず、手間が掛かる、という欠点がある。
また、一つ前に会計を済ませた顧客のボタン操作によっては、買い上げ明細がそのまま大きな文字で表示される場合があるが、買い上げ点数が多い顧客の場合、表示される文字が大きいために一つの画面に買い上げ明細が収まらず、複数の画面(ページ)にて買い上げ明細が表示される。そのため、オペレータ(顧客)が画面を切り替えなければ買い上げ明細における全ての商品名称や買い上げ点数の確認を行うことができない、という欠点がある。
また、何れの場合においても、オペレータ(顧客)が必ずボタン操作等を行わなければ文字サイズ(文字の大きさ)及び表示件数を変更することができない、という問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、セルフPOSレジスタに表示される買い上げ明細を見易くすることにより、セルフPOSレジスタの操作性を向上させ、客捌きの効率を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、顧客が購入する商品を登録する登録手段と、前記登録手段が登録した商品の品目数に基づき、文字サイズを決定する文字サイズ決定手段と、前記文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて、前記登録手段が登録した顧客の買い上げ明細を表示する表示手段と、を備えることを特徴とするPOSレジスタである。
【0009】
この発明によれば、登録した商品の品目数に基づいて、買い上げ明細における表示文字サイズが決定される。このため、顧客が購入する商品の品目数が少ない場合、不要な操作や、人手を介することなく買い上げ明細を見やすい大きな文字で表示することができるため、購入する商品の名称及びその購入点数の目視確認が容易となり、会計操作をスムーズに行うことができる。これにより、POSレジスタの操作性が向上し、会計待ちの行列を解消することができる。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記のPOSレジスタにおいて、前記買い上げ明細における文字サイズを変更する変更操作手段を更に備え、前記表示手段は、前記変更操作手段により文字サイズが変更されると、当該文字サイズにて前記買い上げ明細を表示することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、買い上げ明細における文字サイズをオペレータの意思により変更することができるため、顧客が購入する商品の品目数が多い場合であっても、買い上げ明細を大きな文字で表示させることができる。これにより、購入する商品の名称及びその購入点数を容易に目視確認できるため、会計操作をスムーズに行うことができる。また、一度に多くの商品を表示させて確認することにより、画面の表示切替回数を少なくすることができる。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記のPOSレジスタにおいて、前記買い上げ明細に表示する商品の件数を変更する表示件数変更操作手段を更に備え、前記文字サイズ決定手段は、前記表示件数変更操作手段により件数が変更されると、当該件数に基づき文字サイズを決定し、前記表示手段は、前記表示件数変更操作手段により件数が変更されると、前記文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて、当該件数の前記買い上げ明細を表示することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、表示する買い上げ明細の件数を変更することができる。また、表示する買い上げ明細の件数を変更すると、その件数に合わせて文字サイズも変更される。これにより、顧客の希望に応じた表示件数にて買い上げ明細を表示することができるため、購入する商品の名称及びその購入点数の目視確認を容易にすることができる。また、表示件数に合わせて文字サイズも変更されるため、買い上げ明細を見易く表示する、または画面の切り替え回数を少なくすることができる。このため、何れの顧客も購入商品の目視確認をスムーズに行うことができ、従来に比べて速やかに会計を完了することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、登録した商品の品目数に基づいて、買い上げ明細における表示文字サイズが決定される。このため、顧客が購入する商品の品目数が少ない場合、不要な操作や、人手を介することなく買い上げ明細を見やすい大きな文字で表示することができる。また、顧客が購入する商品の品目数が多い場合は、一画面に表示する明細を多くすることができるため、画面を切り替える回数を少なくすることができる。これにより、購入する商品の名称及びその購入点数の目視確認が容易となり、会計操作をスムーズに行うことができる。このため、POSレジスタの操作性が向上し、客捌きの効率を向上させることにより会計待ちの行列をすみやかに解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態によるPOSシステムの構成を示した概略図である。
【図2】本実施形態による印刷用POSレジスタの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態による会計用POSレジスタの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における表示設定テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
【図5】本実施形態における表示パターンテーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。
【図6】本実施形態によるPOSシステムの構成を示したイメージ図である。
【図7】本実施形態による会計処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態による10件表示画面の表示例を示す概略図である。
【図9】本実施形態による20件表示画面の表示例を示す概略図である。
【図10】本実施形態による20−10件表示画面の表示例を示す概略図である。
【図11】本実施形態による会計画面の表示例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるPOSシステムの構成を示した概略図である。図1に示すように、POSシステムは、ストアコントローラ10と、N台(Nは1以上の整数)の印刷用POSレジスタ20と、M台(Mは1以上の整数)の会計用POSレジスタ(セルフPOSレジスタ)30とを含んで構成される。印刷用POSレジスタ20には、ストアコントローラ10とLAN(Local Area Network)110を介して接続されているものと、接続されていないものとが存在する。また、会計用POSレジスタ30も同様に、LAN110を介してストアコントローラ10と接続されているものと、接続されていないものとが存在する。図1において、各印刷用POSレジスタ20と各会計用POSレジスタ30とは、LAN110を介して接続されていなくとも良いことを示している。なお、LAN接続の形態は、有線、あるいは、無線など何れの接続であってもよい。
【0017】
ストアコントローラ10は、POSシステムを制御するコンピュータであって、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、適宜、最新の商品マスタを各印刷用POSレジスタ20と会計用POSレジスタ30に送信する。なお、商品マスタは、各商品の商品識別情報である商品コード、商品名称、販売価格などの商品情報を格納したファイルであって、適宜、更新される。
【0018】
印刷用POSレジスタ20は、顧客が購入する商品の全ての買い上げ情報をコード(精算用コード)にしてレシートへ印刷するための装置である。買い上げ情報とは、顧客が購入する商品の情報であって、例えば商品に付されたバーコードが表す情報であるコード情報である。コード情報には、商品コード等が含まれる。印刷用POSレジスタ20は、種々の操作キーや表示部などを備える。印刷用POSレジスタ20は、店員の操作により顧客が購入する商品に付されたバーコード(商品コード)を読み取るバーコードスキャナが接続されている。印刷媒体(レシート用紙)に印刷されるコード(精算用コード)は、2次元コード(例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標))である。従って、前記印刷用POSレジスタ20は、前記顧客が購入する商品に付されたコード情報(バーコード)を読み取り、当該読み取ったバーコードに基づいて、顧客の買い上げ情報を表すコード(2次元コード)に変換し、当該2次元コードをレシートへ印刷する装置であるので、前記LANを介してストアコントローラ10に接続されていなくとも印刷には支障ない。
【0019】
会計用POSレジスタ30は、印刷媒体(レシート)に印刷されたコード(精算用コード:例えば、2次元コード)を読み取って会計を行なうための装置である。会計用POSレジスタ30は、コードを読み取るスキャナ部304を有する。また、会計用POSレジスタ30は、ストアコントローラ10が管理する商品マスタの複製をRAM303に記憶している。なお、会計用POSレジスタ30は、最新の商品マスタをストアコントローラ10から直接的に適宜取得し、RAM303に記憶することができる。なお、メディア(例えば、CD−ROM)を用いて、予め最新の商品マスタを会計用POSレジスタ30のRAM303に保存しておけば、前記LANを介してストアコントローラ10に接続されていなくとも会計には支障ない。
【0020】
続いて、図2を用いて、印刷用POSレジスタ20の電気的構成を説明する。POSレジスタ20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM202と、RAM203と、スキャナ部204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、レシート印刷部209と、ハードディスク210とを有し、互いにバスを介して接続されており相互に通信可能である。
【0021】
CPU201は、中央処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、印刷用POSレジスタ20の動作を制御する。ROM202は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。RAM203は、種々の情報を記憶する随時読み出し書き込みメモリである。スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部204によって読み取られたバーコード(商品コード)などをRAM203は記憶する。
【0022】
表示部(店員用)205および表示部(客用)205aは、種々の情報を表示する。例えば、表示部(店員用)205および表示部(客用)205aは、商品マスタから取得した情報(例えば、商品の名称、価格等)を表示する。また、表示部(店員用)205は、タッチパネル式(例えば、液晶タッチパネル)であるため、店員への表示に加え、画面に設けられたボタン(プリセットボタン)に予め設定登録されている商品の商品情報(商品コード等)の入力を受け付ける。
【0023】
操作部206は、POSレジスタ20を動作させる各種のキー、小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、プリセットキー等の操作ボタンからなる。例えば、操作部206は、予めプリセットキーに設定登録されている商品情報(商品コード等)の入力を受け付ける。
【0024】
通信部207は、LAN110を経由しストアコントローラ10と通信する。なお、当該印刷用POSレジスタ20は、顧客の買い上げ情報を2次元コードでレシートへ印刷する装置であるので、通信部207は、LANを介してストアコントローラ10等に接続されていなくとも良い。ブザー208は、操作の確認が必要な時などにブザー音を発生させるものである。
【0025】
レシート印刷部209は2次元コード(QRコード(登録商標))をレシートへ印刷する。ハードディスク210は、前記レシートへ印刷終了後、RAM203が記憶する顧客の買い上げ情報(順番情報を含む)を記憶する。
【0026】
続いて、図3を用いて、会計用POSレジスタ30の電気的構成を説明する。会計用POSレジスタ30は、図3に示すように、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部(読み取り手段)304と、表示部(報知手段)305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309とを含んで構成され、バスを介して接続されており相互に通信可能である。
【0027】
CPU301は、中央処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、会計用POSレジスタ30の動作を制御する。ROM302は、上記プログラムを記憶している読み出し専用メモリである。
【0028】
スキャナ部304は、前記印刷用POSレジスタ20で印刷されたレシートの2次元コード(QRコード(登録商標))、或いは、商品に付されているバーコード(商品コード)のいずれかを光学的に読み取る。RAM303は、種々の情報を記憶する随時読み出し書き込みメモリである。例えば、RAM303は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ、スキャナ部304によって読み取られた2次元バーコードによって示される商品の買い上げ情報などを記憶する。
【0029】
表示部305は、種々の情報を表示する。例えば、スキャナ部304で読み取られたコード情報に基づき、顧客が購入する商品の買い上げ明細を表示させる。操作部306は、POSレジスタ30を動作させる各種のキー(例えば、小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、預りキー等)の操作ボタンからなる。
【0030】
通信部307は、LAN110を経由しストアコントローラ10と通信する。例えば、ストアコントローラ10と接続して、ストアコントローラ10から最新の商品マスタを取得する。ブザー308は、エラー等のブザー音を発生させるものである。印刷部309は顧客の会計終了後、当該顧客が持ち帰る会計済みレシートを印刷する。
【0031】
次に、RAM303が記憶する表示設定テーブル及び表示パターンテーブルについて説明する。図4は、本実施形態における表示設定テーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。図示するように、表示設定テーブルは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、条件と、表示パターンの各項目の列を有している。この表示設定テーブルの各行は、条件毎に存在する。条件は、顧客が購入する商品の品目数に関する条件である。表示パターンは、買い上げ明細に表示する商品の品目件数と文字サイズを一意に決める識別番号である。
【0032】
図5は、本実施形態における表示パターンテーブルのデータ構造及びデータ例を示す概略図である。図示するように、表示パターンテーブルは、行と列からなる2次元の表形式のデータであり、表示パターンと、品目件数と、文字サイズの各項目の列を有している。この表示設定テーブルの各行は、表示パターン毎に存在する。品目件数は、買い上げ明細に表示する商品の品目件数である。文字サイズは、買い上げ明細における表示文字サイズである。
【0033】
続いて、図6を用いて、POSシステムにおける会計処理の流れの概略を説明する。図6は、本実施形態によるPOSシステムの構成を示したイメージ図である。まず、印刷用POSレジスタ20において、店員がスキャナ部204を用いて、顧客が購入する商品のバーコードを読み取る。店員は、顧客が購入する全ての商品についてバーコードを読み取ると、精算用レシート50を印刷部209により発行し、顧客に手渡す。精算用レシート50とは、顧客の買い上げ情報を含む2次元コードが印刷されているレシートである。
【0034】
次に、精算用レシート50を受け取った顧客は、会計用POSレジスタ30のスキャナ部304を用いて、精算用レシート50に印刷された2次元コードを読み取り、会計を行う。このように、店員が商品登録と2次元コードの印刷操作をするので、効率がよく、一定の時間で登録処理を行うことができる。また、店員が商品の登録を行うことにより、悪意のある顧客による商品登録の改ざんが起こらないように監視することができるので、店員は、セキュリティ面における監視役としての役割も果たすこととなる。
【0035】
また、2次元コードが印刷されたレシートを発行する印刷用POSレジスタ20と、レシートに印刷された2次元コードに基づき会計を行う会計用POSレジスタ30の設置台数を同数にする必要がないため、会計時間が短くて済む会計用POSレジスタ30の数を少なくしてもよい。会計用POSレジスタ30の台数を削減することにより、POSレジスタ設置空間を削減することができるので、空いたPOSレジスタ設置空間を売り場面積として有効活用することができる。仮にPOSレジスタの台数を削減したとしても、従来のPOSシステムと比べると、POSレジスタの会計処理時間を大幅に短縮することができ、会計待ち時間を短縮することができる。
【0036】
続いて、図7を用いて会計用POSレジスタ30における会計処理の流れを説明する。図7は、本実施形態による会計処理の手順を示すフローチャートである。
まず、顧客は会計用POSレジスタ30のスキャナ部304を用いて、精算用レシート50に印刷された2次元コードを読み取る(ステップS200)。スキャナ部304は、精算用レシート50に印刷された2次元コードを光学的に読み込む。次に、CPU301(登録手段)が、顧客が購入する商品の商品情報を登録する(ステップS210)。具体的には、CPU301は、スキャナ部304が読み込んだ2次元コードに記憶されている商品コードを用いて商品マスタに記憶されている商品情報を読み込み、この商品情報をRAM203に記憶させる。このとき、CPU301は、商品の買い上げ点数を加算する。また、CPU301は、商品の値段を加算することにより合計金額を計算する。また、CPU301は、商品コードが同じ商品については、その個数を加算する。これにより、CPU301は、顧客が購入する(登録手段が登録した)商品の情報である買い上げ明細を作成する。
【0037】
次に、2次元コードの読み忘れがあるか否かを判定する処理について説明する。「お会計」ボタンが押された場合、CPU301は、全ての2次元コードを読み込んだ(読み忘れなし)か否かを判定する(ステップS220)。そして、読まれていない2次元コードがある場合には(ステップS220:No)、ステップS230へ分岐する。一方、CPU301は、全ての2次元コードを読み取り済みと判定した場合(ステップS220:Yes)、ステップS240の処理へ進む。例えば、精算用レシート50に2つの2次元コードが印刷されており、この2つの2次元コードのうち、1つの2次元コードをスキャナ部304が読み取り済みの状態で、顧客が「お会計」ボタンを押した場合、CPU301は2次元コードが1つ読まれていないことを判定する。
【0038】
具体的には、CPU301は、精算用レシート50に印刷された各2次元コードに割り付けられた分数に基づいて読み込まれていない2次元コードがあるか否かを判定する。このとき、各2次元コードには、精算用レシート50に印刷された2次元コードの総数を分母とし、何番目の2次元コードであるかを表す対象2次元コードを分子とした分数「対象2次元コード/総数」(例えば、1/2,2/2)が記憶されている。具体的には、CPU301は、2次元コードを読み取る毎にRAM303の2次元コード読み取り回数エリアにその分数を記憶する。そして、CPU301は、RAM303の2次元コード読み取り回数エリアへ記憶された値と、2次元コードに含まれる分数(例えば、1/2,2/2)とを比較して、読まれていない2次元コードがあるか否か判定する。例えば、2次元コード読み取り回数エリアに「1/2」のみが記憶されている場合には、記憶されている分数「1/2」の分母「2」から2次元コードが2つあり、「2/2」を含む2次元コードが読み込まれていないと判定する。
【0039】
ステップS220からNoへの分岐の場合、CPU301は、表示部305に顧客に対して読み忘れている2次元コードを読ませるように注意喚起するメッセージを表示させる(ステップS230)。例えば、CPU301は、表示部305に「読ませていない2次元コードがあります」と表示させる。
【0040】
次に、CPU301は、RAM303に記憶した買い上げ明細における登録商品の品目件数(以下、登録商品品目件数とする)をカウントする(ステップS240)。このとき、CPU301は、商品コードが同一の商品については、それらをまとめて1件とする。そして、CPU301は、ステップS240にてカウントした登録商品品目件数に基づいて買い上げ明細を表示部305に表示させる(ステップS250)。具体的には、CPU301は、登録商品の商品名称、個数、値引割引、金額等を表示部305にリスト表示させる。買い上げ明細の表示の詳細については後述する。このとき、CPU301は、表示設定テーブル及び表示パターンテーブルに基づき、リストに表示する品目件数及び文字サイズを決定する。つまり、CPU301は、登録商品品目件数が表示設定テーブルの条件に合致する表示パターンにて買い上げ明細を表示する。具体的には、CPU301は、登録商品品目件数が10件以下の場合には、図4に示す表示設定テーブルで表示パターン1を選択し、リストに表示する品目件数を10件とし、買い上げ明細における文字サイズを「大」とする。一方、CPU301は、登録商品品目件数が11件以上の場合には、図4に示す表示設定テーブルで表示パターン2を選択し、リストに表示する品目件数を20件とし、買い上げ明細における文字サイズを「小」とする。つまり、CPU301(文字サイズ決定手段)は、登録商品品目件数(登録手段が登録した商品の品目数)に基づき、買い上げ明細におけるリストに表示する品目件数及び文字サイズを決定する。また、表示部305(表示手段)は、文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて買い上げ明細を表示する。
【0041】
次に、CPU301は、表示切替ボタン(変更操作手段、表示件数変更操作手段)が押下されたか否かを判定する(ステップS260)。表示切替ボタンが押下された場合には、ステップS270へ分岐する。一方、表示切替ボタンが押下されていない場合には、ステップS280へ進む。
【0042】
ステップS260からYesに分岐の場合、CPU301は、表示部305に表示する買い上げ明細における文字サイズ及びリストの品目件数を変更する(ステップS270)。つまり、CPU301は、表示切替ボタンが押下されると、表示パターンテーブルにおける表示パターンを巡回的に切り替える。例えば、CPU301は、現在表示している表示パターンが1の場合は2に切り替え、現在表示している表示パターンが2の場合は1に切り替える。具体的には、CPU301は、現在表示しているリストの品目件数が20件の場合にはリストの品目件数を10件に、文字サイズを「大」に変更する。一方、リストの品目件数が10件の場合にはCPU301は、リストの品目件数を20件に、文字サイズを「小」に変更する。なお、本実施形態では、表示パターンテーブルに品目件数及び文字サイズを設定しているが、表示パターンテーブルに品目件数のみを設定してもよい。この場合、CPU301は、表示切替ボタンが押下されると、表示パターンテーブルに基づき品目件数を変更し、その品目件数に基づいて文字サイズを決定する。つまり、CPU301(文字サイズ決定手段)は、表示件数変更操作手段により件数が変更されると、当該件数に基づいて文字サイズを決定する。また、表示部305(表示手段)は、変更操作手段により文字サイズが変更されると、当該文字サイズにて買い上げ明細を表示する。また、表示部305(表示手段)は、表示件数変更操作手段により件数が変更されると、文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて、当該件数の買い上げ明細を表示する。
【0043】
次に、CPU301は会計を行う(ステップS280)。具体的には、CPU301は、「現金会計」ボタンと「カード会計」ボタンを表示部305に表示させる。顧客は、表示部305に表示された小計金額と、総数量を確認し、「現金会計」ボタンと「カード会計」ボタンのいずれかを選択し押すことで、会計方法を選択する。表示部305は、顧客が選択した会計方法の情報をCPU301に出力する。CPU301は、入力された会計方法の情報に基づいて、表示部305に顧客への指示を表示させる。その後、顧客が表示部305に表示された指示に従い、会計を済ませる。会計完了後、CPU301は、顧客が持ち帰る会計済みレシートを印刷部309に印刷させる。なお、会計済みのレシートを発行せず、2次元コードが印刷されたレシートを会計後のレシートとしてもよい。
【0044】
次に、表示部305に表示する表示画面について図8から11を用いて説明する。図8は、本実施形態による10件表示画面100の表示例を示す概略図である。
CPU301は、上述したステップS250において、登録商品品目件数が10件以下の場合、図4に示す表示設定テーブルの条件により表示パターン1を選択し、10件表示画面100を表示部305に表示する。10件表示画面100には、登録商品のリスト11と、ページ番号12と、登録商品の合計金額13と、登録商品の合計点数14と、値引き対象商品における値引き金額の合計である値引合計15と、値引きの理由を表示する値引き理由16と、お会計ボタン17とが表示される。ここで、登録商品のリスト11には、登録商品の商品名称と、個数と、値引き或いは割引きの金額である値引割引と、金額とがリスト表示される。また、ページ番号12には、現在表示しているページが何ページ目かが表示される。例えば、登録商品品目件数が10件以下の場合には、ページ番号12には「1/1」が表示される。
【0045】
図9は、本実施形態による20件表示画面200の表示例を示す概略図である。
CPU301は、上述したステップS250において、登録商品品目件数が11件以上の場合、図4に示す表示設定テーブルの条件により表示パターン2を選択し、20件表示画面200を表示部305に表示する。20件表示画面200には、登録商品のリスト21と、ページ番号22と、登録商品の合計金額23と、登録商品の合計点数24と、値引き対象商品の値引き金額の合計である値引合計25と、値引きの理由を表示する値引き理由26と、お会計ボタン27と、表示切替ボタン28と、上ボタン29aと、下ボタン29bが表示される。ここで、ページ番号22には、現在表示しているページが何ページ目かが表示される。例えば、登録商品品目件数が表示パターン2の品目件数である20以下の場合には、「1/1」がページ番号22に表示される。一方、登録商品品目件数が21件以上の場合には、登録商品品目件数を表示パターン2の品目件数である20で割った数字Xが分母となり、現在開いているページYが分子となり、ページ番号22には「Y/X」と表示される。また、表示切替ボタン28が押下されると、CPU301は、リスト21に表示する登録商品を表示パターン1の品目件数10件に変更し、後述する20−10件表示画面を表示部305に表示する。また、上ボタン29a及び下ボタン29bは、登録商品品目件数が図5に示す表示パターンテーブルの品目件数より大きい場合に表示される。上ボタン29a又は下ボタン29bが押下されると、CPU301は、リスト21に表示する登録商品を変更する。具体的には、上ボタン29aが押下されると、CPU301は、リスト21に表示する登録商品をページ(画面)単位で上へスクロールさせる。また、下ボタン29bが押下されると、リスト21に表示する登録商品をページ(画面)単位で下へスクロールさせる。
【0046】
図10は、本実施形態による20−10件表示画面300の表示例を示す概略図である。
CPU301は、上述したステップS260において、表示切替ボタン28が押下された場合に、20−10件表示画面300を表示部305に表示する。20−10件表示画面300には、登録商品のリスト31と、ページ番号32と、登録商品の合計金額33と、登録商品の合計点数34と、値引き対象商品の値引き金額の合計である値引合計35と、値引きの理由を表示する値引き理由36と、お会計ボタン37と、表示切替ボタン38と、上ボタン39aと、下ボタン39bが表示される。ここで、ページ番号32には、現在表示しているページが何ページ目かが表示される。図示する例では、表示パターンが2である場合には、「1/1」がページ番号32に表示される。一方、表示切替ボタン38の押下により「もじ大」に切り替えられた場合は、表示パターンを1に切り替え、登録商品品目件数を図5に示す表示パターン1の品目件数10で割った数字X1が分母となり、現在開いているページY1が分子となり、ページ番号32には「Y1/X1」と表示される。また、表示切替ボタン38が再度押下されると、CPU301は、リスト31に表示する登録商品の品目件数を図5に示す表示パターン2の品目件数20件に変更し、20件表示画面200を表示部305に表示する。また、上ボタン39a及び下ボタン39bは、登録商品品目件数が図4に示す表示設定テーブルの条件又は図5に示す表示パターンテーブルの品目件数以上である場合に表示される。上ボタン39a又は下ボタン39bが押下されると、CPU301は、リスト31に表示する登録商品を変更する。具体的には、上ボタン39aが押下されると、CPU301は、リスト31に表示する登録商品をページ(画面)単位で上へスクロールさせる。また、下ボタン39bが押下されると、リスト31に表示する登録商品をページ(画面)単位で下へスクロールさせる。
【0047】
図11は、本実施形態による会計画面400の表示例を示す概略図である。
CPU301は、上述したステップS280において、会計をする際に会計画面400を表示する。会計画面400には、登録商品の合計金額であるお買上金額41と、顧客が投入した金額であるお預かり金額42と、お預かり金額42とお買上金額41の差額であるお釣り43と、レシート発行ボタン44とが表示される。レシート発行ボタン44が押下されると、CPU301は印刷部309からレシートを印字発行する。
【0048】
このように、本実施形態によれば、登録商品の品目件数に基づいて買い上げ明細にリスト表示する登録商品の品目件数及び文字サイズを決定している。このため、顧客が購入する商品の品目が少ない場合、人手を介することなく買い上げ明細を見やすい大きな文字で表示することができるため、購入する商品の名称及びその購入点数の目視確認が容易となり、会計操作をスムーズに行うことができる。これにより、操作性を向上させることができ、客捌きの効率を向上させることができる。
また、買い上げ明細における文字サイズを変更することができるため、顧客が購入する商品数が多い場合であっても、買い上げ明細を大きな文字で表示させることができる。これにより、購入する商品の名称及びその購入点数を容易に目視確認できるため、会計操作をスムーズに行うことができる。
また、顧客の希望に応じた表示品目件数にて買い上げ明細を表示することができるため、購入する商品の名称及びその購入点数の目視確認を容易にすることができる。また、表示品目件数に合わせて文字サイズも変更するため、買い上げ明細を見易く表示することができる。このため、何れの顧客も購入商品の目視確認をスムーズに行うことができ、従来に比べて速やかに会計を完了することができる。つまり、操作性を向上させることができたので、客捌きの効率を向上させることができる。
【0049】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、印刷用POSレジスタ20と会計用POSレジスタ30とからなるPOSシステムを用いて説明を行ったが、これに限らず、顧客がPOSレジスタに接続されているスキャナを用いて商品に付されたコード情報(バーコード)をスキャナにより読み取らせて会計を行うセルフPOSレジスタに本発明を適用して、買い上げ明細における文字サイズを切り替えて表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10…ストアコントローラ 20…印刷用POSレジスタ 30…会計用POSレジスタ 50…レシート 110…LAN 201…CPU 202…ROM 203…RAM 204…スキャナ部 205…表示部(店員用) 205a…表示部(客用) 206…操作部 207…通信部 208…ブザー 209…レシート印刷部 210…ハードディスク 301…CPU 302…ROM 303…RAM 304…スキャナ部 305…表示部 306…操作部 307…通信部 308…ブザー 309…印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を登録する登録手段と、
前記登録手段が登録した商品の品目数に基づき、文字サイズを決定する文字サイズ決定手段と、
前記文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて、前記登録手段が登録した顧客の買い上げ明細を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするPOSレジスタ。
【請求項2】
前記買い上げ明細における文字サイズを変更する変更操作手段を更に備え、
前記表示手段は、前記変更操作手段により文字サイズが変更されると、当該文字サイズにて前記買い上げ明細を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のPOSレジスタ。
【請求項3】
前記買い上げ明細に表示する商品の件数を変更する表示件数変更操作手段を更に備え、
前記文字サイズ決定手段は、前記表示件数変更操作手段により件数が変更されると、当該件数に基づき文字サイズを決定し、
前記表示手段は、前記表示件数変更操作手段により件数が変更されると、前記文字サイズ決定手段が決定した文字サイズにて、当該件数の前記買い上げ明細を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のPOSレジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−253233(P2011−253233A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124877(P2010−124877)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】