POS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラム
【課題】取引の確認を効率的に行うこと。
【解決手段】動画情報記憶部2aは、撮像装置7が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する。表示制御部1aは、動画情報記憶部2aに記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを表示装置3,4に表示させる。表示制御部1aは、表示装置3,4それぞれの表示画面に対する操作入力を受け付ける入力装置5,6のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を表示装置3,4に表示させる。
【解決手段】動画情報記憶部2aは、撮像装置7が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する。表示制御部1aは、動画情報記憶部2aに記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを表示装置3,4に表示させる。表示制御部1aは、表示装置3,4それぞれの表示画面に対する操作入力を受け付ける入力装置5,6のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を表示装置3,4に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS端末装置、POSシステム、POS端末装置の取引確認方法および取引確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店では販売時点情報管理(POS:Point Of Sales)という手法により商品の販売管理が行われている。ここで、POSによる販売管理を行うシステムをPOSシステムとよぶ。POSシステムを用いることで、商品の単品単位での販売実績を詳細に管理することができる。
【0003】
ここで、POSシステムにおいて販売対象商品の情報入力や入出金を行うための端末装置をPOS端末装置やPOSレジスタなどとよぶ。POS端末装置には、キャッシュドロアとよばれる貨幣収納装置が設けられる。小売店の店員は、販売対象商品の価格に応じた貨幣を顧客から受け取り、キャッシュドロアを開放して入金および釣銭の出金を行い、取り出した釣銭を顧客に渡す。
【0004】
このような一連の取引において、店員と顧客との間の貨幣の受け渡しで問題が発生することがある。例えば、顧客が店員から適正な額の釣銭を受け取ったか否かを忘れてしまい、顧客から店員に確認を求めることがある。また、例えば、店員が適正に会計処理を行わず、貨幣をキャッシュドロアに入金せずに不正に入手してしまうこともある。
【0005】
このような問題に対し、店員と顧客との間の貨幣の受け渡しを録画しておき、録画した画像により、貨幣の受け渡しが会計に応じて適正に行われたかを確認可能とする方法が知られている(例えば、特許文献1,2,3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−256552号公報
【特許文献2】特開2003−331365号公報
【特許文献3】特開2005−116504号公報
【特許文献4】特開2006−344105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記特許文献1,2,3,4記載の方法では、録画した画像を店舗などに設置された所定の記憶装置に保存することとしている。この場合、録画した画像を確認する確認操作は店員が行い、店員が確認した内容を再度顧客に同意をとるという確認方法が考えられる。しかし、この方法では、店員側は顧客に対する再確認の手間が発生してしまう。また、顧客側は店員による確認を待機していなければならないという問題がある。このため、確認作業に時間を要し、効率が悪い。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、取引の確認を効率的に行うことが可能なPOS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、販売時点情報管理を行うPOS端末装置が提供される。このPOS端末装置は、撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを複数の表示装置に表示させ、複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を複数の表示装置に表示させる表示制御部を有する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、POS端末装置と管理装置とが接続されたPOSシステムが提供される。このPOSシステムは、管理装置とPOS端末装置とを有する。管理装置は、撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部を備える。POS端末装置は、動画情報記憶部に記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを複数の表示装置に表示させ、複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を複数の表示装置に表示させる表示制御部を備える。
【0011】
また、上記課題を解決するために、上記POS端末装置と同様の処理を行う取引確認方法が提供される。また、上記課題を解決するために、上記POS端末装置と同様の処理をコンピュータに実行させる取引確認プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
上記POS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラムによれば、取引の確認を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】POSシステムを示す図である。
【図2】小売店におけるPOSシステムの構成を示す図である。
【図3】POS端末装置の外観斜視図である。
【図4】POS端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】店舗サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図6】POS端末装置および店舗サーバの機能構成を示す図である。
【図7】レシートテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】動画ファイルのデータ構造例を示す図である。
【図9】動画ファイル管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図10】動画検索画面の表示例を示す図である。
【図11】販売情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】動画情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】動画検索処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】動画検索処理を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、POSシステムを示す図である。このPOSシステムは、POS端末装置1、管理装置2、表示装置3,4、入力装置5,6および撮像装置7を有する。
【0015】
POS端末装置1は、商品の販売時点管理を行うための端末装置である。店員は、POS端末装置1を用いて、顧客が持参した商品の情報を記録し、商品に応じた価格を算出する。店員は、算出した価格に応じた貨幣を顧客から受け取り、必要に応じて釣銭を顧客に渡す。
【0016】
管理装置2は、動画情報記憶部2aおよび販売情報記憶部2bを有する。動画情報記憶部2aは、撮像装置7が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を取引が行われた時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する。動画情報記憶部2aは、POS端末装置1における商品の登録処理や入金処理などのイベントを、該当のイベントの発生時間に対応付けた販売情報を記憶する。
【0017】
表示装置3,4および入力装置5,6は、POS端末装置1と接続される。表示装置3は、例えば店員向きに設けられる。表示装置4は、例えば顧客向きに設けられる。表示装置3,4は、例えば、液晶ディスプレイである。入力装置5は、表示装置3に表示された画面に対する操作入力を受け付ける。入力装置6は、表示装置4に表示された画面に対する操作入力を受け付ける。入力装置5,6は、例えば、キーボード、マウスおよびタッチパネルなどである。
【0018】
撮像装置7は、POS端末装置1における店員と顧客との会計時の取引動作を撮像する。
POS端末装置1は、表示制御部1aを有する。表示制御部1aは、動画情報記憶部2aに記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを表示装置3,4に表示させる。また、表示制御部1aは、入力装置5,6のいずれかから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を表示装置3,4に表示させる。
【0019】
ここで、表示対象の時間を変更するための操作入力の方法としては、例えば、スライドバーをスライドさせて表示対象の時間を選択する方法が考えられる。また、例えば、販売情報記憶部2bに記憶された販売情報を取引画像と共に表示し、取引において発生した各イベントを選択することで、表示対象の時間を選択する方法が考えられる。
【0020】
POS端末装置1によれば、表示制御部1aにより、動画情報記憶部2aに記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とが表示装置3,4に表示される。そして、表示制御部1aにより、入力装置5,6のいずれかから表示対象の時間を変更する所定の操作入力が受け付けられると、変更後の時間に対応する取引画像が表示装置3,4に表示される。
【0021】
これにより、取引の確認を効率的に行うことが可能となる。具体的には、店員は、表示装置3の表示画面を閲覧しながら入力装置5を操作して表示対象の時間を変更できる。また、顧客は、表示装置4の表示画面を閲覧しながら入力装置6を操作して表示対象の時間を変更できる。このとき、入力装置5,6に対するいずれかの操作入力によって、この操作入力で選択された時間の取引画像が表示装置3,4に同時に表示される。このようにすると、店員と顧客とが同じ画面を閲覧し、お互いに確認を取り合いながら取引の確認を行えるので、店員が自己の確認内容を後で顧客に説明する手間が省ける。また、顧客も店員の確認作業と同時に取引の内容を確認できるので、店員の確認を待機することもない。
【0022】
更に、販売情報記憶部2bに記憶された販売情報を取引画像と共に表示して、取引における各イベントを選択することで表示対象の時間を選択可能とすることもできる。このようにすると、例えば店員と顧客との間で貨幣の受け渡しがあったタイミングを容易に検索できるようになり、操作性が向上する。
【0023】
このように、店員と顧客とが一連の取引の流れを互いに合意しながら貨幣の受け渡しの正否を容易な操作で、かつ、同時に確認可能となり、効率的に確認作業を行うことができる。
【0024】
また、例えば、店員が表示装置3の表示画面を操作し、顧客が表示装置4の表示画面を同時に操作可能とすると、店員と顧客とによって同時に別個の操作入力がされた場合に、表示装置3,4の画面が各人の所望の動きとならないことも考えられる。これに対し、表示制御部1aは、例えば、表示装置3につき入力装置5で操作入力が行われている場合には、入力装置6の操作入力を受け付けないよう排他制御することも考えられる。これにより、確認作業をより円滑に行うことができる。
【0025】
ところで、上記のPOSシステムは、スーパーマーケットやショッピングセンターなどのように複数のPOS端末装置が存在するシステムにも適用できる。以下では、このような小売店のPOSシステムを例に採り、更に具体的に説明する。
【0026】
図2は、小売店におけるPOSシステムの構成を示す図である。このPOSシステムは、カメラ20,20a,・・・,30、POS端末装置100,100a,・・・、サービスカウンタ端末装置200および店舗サーバ300を有する。カメラ20,20a,・・・,30、POS端末装置100,100a,・・・、サービスカウンタ端末装置200および店舗サーバ300は、店舗ネットワーク11を介して相互にデータ通信可能に接続される。また、店舗ネットワーク11は、小売業者の基幹ネットワーク10を介して、本社ネットワーク12および他店舗ネットワーク13に接続される。本社ネットワーク12は、小売業者の本社機能と接続されたネットワークである。他店舗ネットワーク13は、店舗ネットワーク11を備える店舗とは別個の位置に設けられた他の店舗のネットワークである。
【0027】
カメラ20,20a,・・・,30は、POS端末装置100,100a,・・・やサービスカウンタ端末装置200において店員と顧客との取引が行われる領域を継続的に撮像する撮像装置である。カメラ20,20a,・・・は、POS端末装置100,100a,・・・を監視する。カメラ30は、サービスカウンタ端末装置200を監視する。
【0028】
POS端末装置100,100a,・・・は、販売時点情報管理を行うための端末装置である。POS端末装置100,100a,・・・では、顧客が持参した商品を店員が販売情報として登録し、登録した商品の価格に応じて店員が顧客から貨幣を受け取る。店員は、POS端末装置100,100a,・・・に受け取った貨幣を入金する。また、店員は、必要に応じてPOS端末装置100,100a,・・・から釣銭を出金し、顧客に渡す。
【0029】
サービスカウンタ端末装置200は、小売店のサービスカウンタに設置される端末装置である。
店舗サーバ300は、カメラ20,20a,・・・,30により撮像された動画やPOS端末装置100,100a,・・・により登録された販売情報を一元管理する。また、店舗サーバ300は、商品を識別するための商品コードや価格などを登録した商品マスタを管理する。
【0030】
なお、以下ではPOS端末装置100の構成に関して説明するが、POS端末装置100a,・・・に関しても同様の構成により実現できる。
図3は、POS端末装置の外観斜視図である。POS端末装置100は、設置台101,102、キャッシュドロア103、制御ユニット104、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107、レシートプリンタ108、支柱109、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112およびディスプレイ113,114を有する。
【0031】
設置台101,102は、POS端末装置100全体を支持する。設置台101は、キャッシュドロア103、制御ユニット104、ディスプレイ105、キーボード106およびレシートプリンタ108を支持する。設置台102は、支柱109を支持する。また、設置台102には、顧客が持参した買い物かごや、買い物かごに投入された商品が載置される。
【0032】
なお、以下では、設置台102に対する設置台101側を店員スペース、設置台102に対する設置台101とは逆側を顧客レーンとよぶこととする。
キャッシュドロア103は、貨幣を収納する収納庫である。キャッシュドロア103には、硬貨や紙幣が収納される。
【0033】
制御ユニット104は、POS端末装置100全体を制御するコンピュータである。
ディスプレイ105は、取引作業を行うための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ105は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ105は、タッチパネル105の下層に位置している。ディスプレイ105の表示する画像は、タッチパネル107を透過して、店員スペース側から視認可能である。店員は、ディスプレイ105によって表示された画像を見ながら、タッチパネル107に対するタッチ操作を行うことができる。
【0034】
キーボード106は、ディスプレイ105に表示されたGUIを操作するための入力装置である。
タッチパネル107は、ディスプレイ105に表示されたGUIを操作するための入力装置である。
【0035】
レシートプリンタ108は、顧客との取引の結果をロール紙に印字してレシートを発行する印刷装置である。
支柱109は、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112およびディスプレイ113,114を支持する。
【0036】
バーコードスキャナ110は、商品に付与されたバーコードを読み取るための装置である。
タッチパネル111,112は、タッチ操作を検出する。タッチパネル111は、そのタッチ操作検出面が店員スペース側となるよう設置される。タッチパネル112は、そのタッチ操作検出面が顧客レーン側となるよう設置される。店員や顧客は、指でタッチパネル111,112にタッチすることができる。また、店員や顧客は、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いてタッチパネル111,112にタッチすることもできる。タッチパネル111,112に対するタッチ操作があると、指やタッチペンなどの物が接触している位置が検出される。
【0037】
ディスプレイ113,114は、各種画像(例えば、顧客が購入対象としている商品の登録状況)を表示する。ディスプレイ113は、タッチパネル111の下層に位置している。ディスプレイ114は、タッチパネル112の下層に位置している。ディスプレイ113,114の表示する画像は、タッチパネル111,112を透過して、店員スペース側および顧客レーン側から視認可能である。店員や顧客は、ディスプレイ113,114によって表示された画像を見ながら、タッチパネル111,112に対するタッチ操作を行うことができる。
【0038】
ここで、カメラ20は、POS端末装置100において店員と顧客との取引が行われる領域が撮像可能となるよう設置される。カメラ20は、撮像した映像を他のコンピュータに提供するカメラサーバの機能を備える。店舗サーバ300は、店舗ネットワーク11を介してカメラ20が提供する映像を取得する。ただし、カメラ20,20a,・・・,30がカメラサーバ機能をもたなくてもよい。この場合、カメラ20,20a,・・・,30をカメラサーバ装置に接続し、カメラサーバ装置が各カメラの映像を集約して配信する構成を採ることもできる。
【0039】
図4は、POS端末装置のハードウェア構成を示す図である。POS端末装置100は、キャッシュドロア103、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107,111,112、レシートプリンタ108、バーコードスキャナ110、ディスプレイ113,114、CPU(Central Processing Unit)115、ROM(Read Only Memory)116、RAM(Random Access Memory)117、HDD(Hard Disk Unit)118、通信処理部119、入力処理部120、表示処理部121を有する。
【0040】
ここで、CPU115、ROM116、RAM117、HDD118、通信処理部119、入力処理部120および表示処理部121は、制御ユニット104に備えられる。
また、キャッシュドロア103、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107,111,112、レシートプリンタ108、バーコードスキャナ110およびディスプレイ113,114については、図3において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため説明を省略する。
【0041】
CPU115は、POS端末装置100全体を制御する。
ROM116は、CPU115が実行するBIOS(Basic Input / Output System)のプログラムやその処理に用いるデータを記憶する。
【0042】
RAM117は、CPU115が実行するOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部、およびその処理に用いるデータを一時的に記憶する。
【0043】
HDD118は、POS端末装置100上のOSやアプリケーションのプログラム、およびその処理に用いるデータを記憶する。
通信処理部119は、店舗ネットワーク11と接続される。通信処理部119は、店舗ネットワーク11を介して、店舗サーバ300との間でデータの送受信を行う。
【0044】
入力処理部120は、キーボード106、タッチパネル107,111,112と接続されている。入力処理部120は、キーボード106、タッチパネル107,111,112から送られてくる信号をCPU115に出力する。
【0045】
表示処理部121は、ディスプレイ105,113,114と接続されている。表示処理部121は、CPU115からの命令に従って、画像をディスプレイ105,113,114に表示させる。
【0046】
なお、サービスカウンタ端末装置200もPOS端末装置100が備えるキャッシュドロア103、制御ユニット104、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107およびレシートプリンタ108と同様のハードウェアにより実現できる。
【0047】
図5は、店舗サーバのハードウェア構成を示す図である。店舗サーバ300は、CPU301、RAM302、HDD303、表示処理部304、入力処理部305および通信処理部306を有する。
【0048】
CPU301は、店舗サーバ300全体を制御する。
RAM302は、CPU301が実行するOSやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部、およびその処理に用いるデータを一時的に記憶する。
【0049】
HDD303は、店舗サーバ300上のOSやアプリケーションのプログラム、およびその処理に用いるデータを記憶する。
表示処理部304は、モニタ31と接続されている。表示処理部304は、CPU301からの命令に従って、画像をモニタ31に表示させる。
【0050】
入力処理部305は、キーボード32およびマウス33と接続されている。入力処理部305は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をCPU301に出力する。
【0051】
通信処理部306は、店舗ネットワーク11と接続される。通信処理部306は、店舗ネットワーク11を介して、POS端末装置100,100a,・・・、サービスカウンタ端末装置200との間でデータの送受信を行う。また、通信処理部306は、店舗ネットワーク11を介して、基幹ネットワーク10に接続された本社ネットワーク12、他店舗ネットワーク13に接続された他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
【0052】
図6は、POS端末装置および店舗サーバの機能構成を示す図である。POS端末装置100は、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112、ディスプレイ113,114、商品情報取得部130、会計処理部140および表示制御部150を有する。
【0053】
ここで、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112およびディスプレイ113,114については、図3において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため説明を省略する。また、商品情報取得部130、会計処理部140および表示制御部150の機能は、CPU115が所定のプログラムを実行することで実現される。ただし、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0054】
商品情報取得部130は、バーコードスキャナ110で読み取られたバーコードにより識別される商品コードを取得する。また、商品情報取得部130は、バーコードが付与されていない商品に関しては、店員がキーボード106やタッチパネル111を操作して入力した商品コードを取得する。商品情報取得部130は、取得した商品コードにより店舗サーバ300の商品マスタ記憶部310に記憶された商品マスタを参照して、該当の商品の商品名や価格などを含む商品情報を取得する。商品情報取得部130は、取得した商品情報を会計処理部140に出力する。
【0055】
会計処理部140は、現在の取引において顧客が購入対象としている全ての商品の商品情報を商品情報取得部130から取得すると、これらの商品情報に基づいて、会計処理を実行する。会計処理部140は、会計処理の結果、購入対象の商品の商品コード・商品名・単価・数量・登録時間、取引金額の合計や釣銭などの販売履歴を記録した販売情報を生成する。なお、この販売情報には、会計処理部140が商品情報取得部130から各商品情報を受け付けた日時や入金および釣銭を算出した日時などのタイムスタンプが含まれる。会計処理部140は、生成した販売情報を店舗サーバ300に送信する。
【0056】
表示制御部150は、キーボード106、タッチパネル107,111,112による動画検索モードへの移行操作に応じてディスプレイ105,113,114の表示内容を動画検索画面に切り替える。また、表示制御部150は、ディスプレイ105,113,114に表示された動画検索画面に対するキーボード106、タッチパネル107,111,112の操作入力を検出すると、該当の操作入力により特定される動画をディスプレイ105,113,114に表示させる。動画検索画面の構成の詳細は、後述する。
【0057】
店舗サーバ300は、商品マスタ記憶部310、販売情報取得部320、販売情報記憶部330、動画情報取得部340および動画情報記憶部350を有する。なお、これらの機能は、CPU301が所定のプログラムを実行することで実現される。ただし、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0058】
商品マスタ記憶部310は、商品コードに対応付けて商品の名称や価格などを登録した商品情報を記憶する。
販売情報取得部320は、会計処理部140が生成した販売情報を取得し、取得した販売情報を販売情報記憶部330に格納する。
【0059】
販売情報記憶部330は、販売情報取得部320が取得した販売情報を記憶する。
動画情報取得部340は、カメラ20,20a,・・・,30が撮像した動画を取得し、動画ファイルを生成する。動画情報取得部340は、生成した動画ファイルを動画情報記憶部350に格納する。
【0060】
動画情報記憶部350は、動画情報取得部340が生成した動画ファイルを記憶する。
販売情報記憶部330に記憶された販売情報および動画情報記憶部350に記憶された動画ファイルは、表示制御部150により参照されて、動画検索画面の生成に用いられる。
【0061】
図7は、レシートテーブルのデータ構造例を示す図である。レシートテーブル331,332,333,・・・は、顧客が小売店で商品を購入した取引ごとに会計処理部140により生成され、販売情報記憶部330に格納される。以下では、レシートテーブル331に関して説明するが、レシートテーブル332,333,・・・に関しても同様の構成である。
【0062】
レシートテーブル331は、店舗ID(IDentifier)、レジID、レシートID、受付日および取引開始時間に対応付けられている。店舗IDは、販売情報を取得したPOS端末装置100が設置された店舗のIDである。レジIDは、この店舗内のPOS端末装置を識別するためのIDである。レシートIDは、該当のPOS端末装置が発行したレシートを識別するためのIDである。受付日は、レシートテーブル331の内容の取引を受け付けた年月日である。取引開始時間は、該当の取引が開始された時間である。
【0063】
レシートテーブル331には、取引区分を示す項目、商品コードを示す項目、商品名を示す項目、単価を示す項目、数量を示す項目、金額を示す項目および登録時間を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの取引区分に関する取引の内容を示す。
【0064】
取引区分を示す項目には、各イベント(商品登録や釣銭計算など)の区分を示す情報が設定される。商品コードを示す項目には、商品を識別するための商品コードが設定される。商品名を示す項目には、商品の名称が設定される。単価を示す項目には、商品の単価が設定される。数量を示す項目には、購入対象の数量が設定される。金額を示す項目には、単価や受け渡しの金額が設定される。登録時間を示す項目には、該当の取引区分のデータをレシートテーブル331に登録した時間が設定される。
【0065】
レシートテーブル331には、例えば、取引区分が“売上”、商品コードが“10001”、商品名が“トマト”、単価が“100”、数量が“3”、金額が“300”、登録時間が“15:45:15”という情報が設定される。これは、商品コード“10001”で登録された商品“トマト”の単価が“100”円であり、顧客と“3”個の“トマト”の取引があったことを示している。また、数量に応じた“トマト”の価格は“300”円であり、これらのレコードがレシートテーブル331に登録された時間が“15:45:15”であることを示している。
【0066】
また、レシートテーブル331には、例えば、取引区分が“伝票合計”、商品コードが“−”(ハイフン)、商品名が“−”、単価が“−”、数量が“−”、金額が“1050”円、登録時間が“15:45:45”という情報が設定される。これは、“伝票合計”を算出した結果、取引対象とされた商品の価格の合計が“1050”円と計算されたことを示している。なお、取引区分“伝票合計”の場合には、商品コード、商品名、単価、数量には情報が設定されない。取引区分“預かり金”、“釣銭”の場合も同様である。そして、この“伝票合計”のレコードがレシートテーブル331に登録された時間が“15:45:45”であることを示している。
【0067】
取引区分“預かり金”の場合も同様である。すなわち、“5000”円の“預かり金”の入金登録がなされ、レシートテーブル331に該当のレコードが登録された時間が“15:45:48”である。
【0068】
また、取引区分“釣銭”の場合も、“3950”円の“釣銭”が算出され、レシートテーブル331に該当のレコードが登録された時間が“15:45:50”である。
図8は、動画ファイルのデータ構造例を示す図である。動画ファイル351,352,353,・・・は、MPEG(Moving Picture Experts Group)1形式の動画ファイルを例示している。動画ファイル351,352,353,・・・は、カメラ20が撮像した画像情報を動画情報取得部340が取得して生成され、動画情報記憶部350に格納される。以下では、動画ファイル351に関して説明するが、動画ファイル352,353,・・・に関しても同様の構成である。
【0069】
動画ファイル351には、シーケンスヘッダ領域、GOP(Group Of Picture)ヘッダ領域およびGOPデータ領域を1セットとして、これらが連続的に設けられる。
シーケンスヘッダ領域は、画面フォーマットを示す情報を格納する領域である。また、シーケンスヘッダ領域は、動画再生時にGOP単位でランダムアクセスを行うためのエントリーポイントとしても利用される。
【0070】
GOPヘッダ領域は、動画ファイル351の先頭からの時間を示すタイムコードを含む各種制御コードを格納する領域である。タイムコードには、例えば、“6:45:21”という情報が設定される。これは、動画ファイル351が記録されてから6時間45分21秒が経過していることを示す。
【0071】
GOPデータ領域は、画像データが格納される。1つのGOPデータ領域には、例えば、0.5秒分の画像データ(15枚程度の画像データ)が格納される。この場合、動画ファイル351は、0.5秒単位でのランダムアクセスが可能となる。
【0072】
なお、動画ファイル351では、MPEG1形式の動画ファイルの構成を例示したがこの形式に限らない。例えば、GOPヘッダに含まれるタイムコードをもたない形式の動画ファイルを用いることもできる。この場合には、例えば、記録された動画のフレーム周期に基づいてファイルの先頭からの時間を求めることが考えられる。
【0073】
また、動画ファイル351は、OSなどが提供するファイルシステムにより、例えば、ファイル名を“S0012R001(2009.2.2).mpg”として管理される。
図9は、動画ファイル管理テーブルのデータ構造例を示す図である。動画ファイル管理テーブル351aは、動画情報取得部340によって生成され、動画情報記憶部350に格納される。動画ファイル管理テーブル351aには、ファイル名を示す項目、録画開始日時を示す項目、店舗IDを示す項目およびレジIDを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの動画ファイルの情報を示す。
【0074】
ファイル名を示す項目には、動画ファイルのファイル名が設定される。録画開始日時を示す項目には、該当の動画ファイルの録画を開始した日時が設定される。店舗IDを示す項目には、店舗のIDが設定される。レジIDを示す項目には、レジのIDが設定される。
【0075】
動画ファイル管理テーブル351aには、例えば、ファイル名が“S0012R001(2009.2.2).mpg”、録画開始日時が“2009.2.2 9:00:00”、店舗IDが“0012”、レジIDが“001”という情報が設定される。これは、店舗ID“0012”の店舗のレジID“001”のPOS端末装置100を監視した“S0012R001(2009.2.2).mpg”という動画ファイルが“2009.2.2 9:00:00”を録画開始時点として作成されたことを示している。
【0076】
このように動画ファイル351の録画を開始した日時と、動画ファイル351の各GOP領域に含まれるタイムコードを用いることで、該当のシーンが撮像された時刻を特定することができる。
【0077】
図10は、動画検索画面の表示例を示す図である。動画検索画面400は、表示制御部150によって生成され、ディスプレイ105,113,114に表示される。表示制御部150は、キーボード106およびタッチパネル107による操作入力に応じて動画検索画面400の表示内容を変更する。また、表示制御部150は、タッチパネル111,112に対するタッチ操作を検出すると動画検索画面400のタッチされた領域に応じて動画検索画面400の表示内容を変更する。
【0078】
動画検索画面400には、検索条件入力領域410、レシート情報表示領域420、動画表示領域430、スライドバー440および閉じるボタン450が設けられている。
検索条件入力領域410は、参照したい取引を検索するための条件の入力および検索の実行指示を行うための領域である。検索条件入力領域410には、テキストボックス411,412,413および検索ボタン414が設けられている。
【0079】
テキストボックス411は、店舗IDを入力するためのものである。店舗IDには、例えば、該当の店舗のIDである“0012”が入力される。
テキストボックス412は、レジIDを入力するためのものである。レジIDには、例えば、この店舗におけるPOS端末装置100のIDである“001”が入力される。
【0080】
テキストボックス413は、レシートIDを入力するためのものである。レシートIDには、例えばPOS端末装置100が発行したレシートIDである“0521”が入力される。
【0081】
なお、店舗ID、レジIDおよびレシートIDは、顧客に発行するレシートにも印字しておくことが考えられる。このようにすると、取引直後でなくても、レシートの内容を参照して容易に該当の取引を検索できる。
【0082】
検索ボタン414は、テキストボックス411,412,413に入力された情報をキーにして販売情報および動画情報の検索実行指示を受け付けるためのボタンである。表示制御部150は、検索ボタン414に対する操作入力を検出すると、入力されたキーにより販売情報記憶部330に記憶された販売情報および動画情報記憶部350に記憶された動画情報を検索する。
【0083】
なお、検索条件入力領域410に対する操作入力は、テキストボックスへの入力が必要なためキーボード106を使用する必要がある。このため、顧客も検索条件入力領域410への入力を可能とするためには、タッチパネル112側にもキーパッドなどの入力デバイスを設けたり、動画検索画面400にソフトウェアキーボードを重畳表示して利用可能とすることが考えられる。
【0084】
レシート情報表示領域420は、検索条件入力領域410に入力された情報により特定されたレシート情報を表示する領域である。レシート情報表示領域420には、取引日時表示領域421および取引内容表示領域422が設けられている。
【0085】
取引日時表示領域421には、取引内容表示領域422に表示された取引が行われた時間帯であって、動画表示領域430に表示された画像が撮像された時間が表示される。動画表示領域430には、動画が表示されるので、動画の進行に伴って取引日時表示領域421の表示内容も更新される。
【0086】
取引内容表示領域422には、該当の取引の内容がレシートのイメージで表示される。取引内容表示領域422には、例えば、顧客が購入した商品名、数量、金額などの情報や、合計金額、預かり金、釣銭などの情報が表示される。これらの情報を示す各行は、各商品や各金額の登録が行われた登録時間と対応付けられている。表示制御部150は、取引内容表示領域422のこれら各行に対するタッチパネル107によるポイント操作やタッチパネル111,112によるタッチ操作を受け付けると、動画表示領域430の表示を該当の登録時間の画像に遷移させる。すなわち、各行が各イベントを指定するための操作入力を受け付ける操作部として機能する。また、取引日時表示領域421に表示された取引日時を該当の時間に変更する。例えば、商品名“りんご”の行に対する操作入力を受け付けると、動画表示領域430に“2”個の“りんご”の商品入力を受け付けるシーンが表示される。また、取引日時表示領域421に該当の時刻が表示される。
【0087】
動画表示領域430は、表示制御部150により検索された動画ファイルの内容を表示する領域である。図10の例では、“2”個の“りんご”の商品入力を受け付けるシーンが表示されている。
【0088】
スライドバー440は、動画表示領域に表示された動画の先送り/後戻り操作を行うためのものである。店員や顧客は、カーソル441をスライドバー440の図面に向かって右側にスライドさせることで、動画表示領域430に表示された動画を先送りできる。また、同様に左側にスライドさせることで、動画表示領域430に表示された動画を後戻りさせることができる。なお、スライドバー440には、取引開始時刻(“15:45:10”)と次の取引の開始時刻(“15:48:10”)とがそれぞれ該当の取引の開始時刻、終了時刻として示されている。なお、次の取引の開始時刻は、例えばPOS端末装置100におけるレシートID“0522”の取引開始時間から特定できる。カーソル441の位置は、動画表示領域430に表示されるシーンに対応する時刻を示す位置となる。
【0089】
閉じるボタン450は、動画検索画面400を終了するためのボタンである。表示制御部150は、閉じるボタン450に対する操作入力を検出すると、動画検索画面400を閉じて、ディスプレイ105,113,114に元の画面(商品登録画面など)を表示させる。
【0090】
次に、以上のような構成を有するPOSシステムの処理に関して説明する。まず、販売情報の取得処理に関して説明する。以下では、POS端末装置100により説明するが、POS端末装置100a,・・・を用いる場合にも同様の処理となる。
【0091】
図11は、販売情報取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]会計処理部140は、新たな取引が開始されたことを検知すると該当の取引に対応する販売情報の生成を開始する。会計処理部140は、店舗ID、レジID、レシートIDを記録する。その結果、レシートテーブル331の例では、店舗IDに“0012”、レジIDに“001”、レシートIDに“0521”が記録される。レシートIDは、例えば、POS端末装置100において発行されたレシートにつき連番の数字などが決められる。
【0092】
[ステップS12]会計処理部140は、受付日および取引開始時間を記録する。その結果、レシートテーブル331の例では、受付日に“2009/2/2”、取引開始時間に“15:45:10”が記録される。
【0093】
[ステップS13]会計処理部140は、商品情報取得部130からバーコードスキャンなどにより入力された商品に対応する商品情報を取得する。この商品情報には、商品コード、商品名、単価、数量などが含まれる。
【0094】
[ステップS14]会計処理部140は、該当の商品情報を販売情報に登録する。
[ステップS15]会計処理部140は、商品情報を登録した時間を販売情報に記録する。ステップS14,S15の結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“売上”、商品コードに“1001”、商品名に“トマト”、単価に“100”、数量に“3”、金額に“300”、登録時間に“15:45:15”が記録される。
【0095】
[ステップS16]会計処理部140は、次の商品のバーコードスキャンなどが行われ、商品情報を商品情報取得部130から取得したか否かを判定する。取得した場合、処理がステップS14に移される。取得していない場合、処理がステップS17に移される。
【0096】
[ステップS17]会計処理部140は、取引対象の商品が全て入力されたことを示す所定の操作入力(例えば、小計ボタンの押下)を検出したか否かを判定する。検出した場合、処理がステップS18に移される。検出しない場合、処理がステップS16に移される。
【0097】
[ステップS18]会計処理部140は、取引対象の商品の合計金額を計算し、販売情報に登録する。また、登録した時間を販売情報に記録する。その結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“伝票合計”、金額に“1050”、登録時間に“15:45:45”が記録される。
【0098】
[ステップS19]会計処理部140は、合計金額に応じた顧客からの預かり金の入力を受け付け、販売情報に登録する。
[ステップS20]会計処理部140は、預かり金を登録した時間を販売情報に記録する。ステップS19,S20の結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“預かり金”、金額に“5000”、登録時間に“15:45:48”が記録される。
【0099】
[ステップS21]会計処理部140は、預かり金額と商品合計金額に応じた釣銭を算出し、販売情報に登録する。
[ステップS22]会計処理部140は、釣銭を登録した時間を販売情報に記録する。ステップS21,S22の結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“釣銭”、金額に“3950”、登録時間に“15:45:50”が記録される。
【0100】
このように、会計処理部140は、取引における各イベントにタイムスタンプを付与して記録する。そして、販売情報取得部320は、会計処理部140により記録された販売情報を取得し、販売情報記憶部330に格納する。
【0101】
次に、動画情報の取得処理に関して説明する。なお、以下では、カメラ20により撮像された画像に基づいて生成される動画ファイルを説明するが、カメラ20a,・・・,30についても同様の処理となる。
【0102】
図12は、動画情報取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]動画情報取得部340は、カメラ20によって撮像された画像を取得して、動画ファイルの生成(録画)を開始する。動画情報取得部340は、例えば、店舗の営業開始時間となったことを検知して録画を開始する。
【0103】
[ステップS32]動画情報取得部340は、録画した動画ファイルのファイル名を決定し、動画情報記憶部350に記憶された動画ファイル管理テーブル351aに登録する。
【0104】
[ステップS33]動画情報取得部340は、録画の開始日時を動画ファイル管理テーブル351aに登録する。
[ステップS34]動画情報取得部340は、録画した店舗の店舗IDおよびカメラ20が監視対象とするPOS端末装置100のレジIDを動画ファイル管理テーブル351aに登録する。ステップS32〜S34の結果、動画ファイル管理テーブル351aの例では、ファイル名に“S0012R001(2009.2.2).mpg”、録画開始日時に“2009.2.2 9:00:00”、店舗IDに“0012”、レジIDに“001”が記録される。
【0105】
[ステップS35]動画情報取得部340は、動画ファイルの生成を停止する。動画情報取得部340は、例えば、店舗の営業終了時間となったことを検知して録画を停止する。
【0106】
このように、動画情報取得部340は、カメラ20,20a,・・・,30により撮像された画像に基づいて、動画ファイルを生成し、録画開始時間、店舗IDおよびレジIDに対応付けて、動画情報記憶部350に格納する。これにより、各動画ファイルと対象のPOS端末装置および各シーンの時刻を適正に管理することができる。
【0107】
図13は、動画検索処理の手順を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の例では、レシートテーブル331に対応する取引について動画検索が行われるものとする。
【0108】
[ステップS41]表示制御部150は、タッチパネル107,111などによる所定の操作入力により動画検索画面400への切り替え指示を受け付ける。すると、表示制御部150は、ディスプレイ105、113,114に動画検索画面400を表示させる。
【0109】
[ステップS42]表示制御部150は、検索条件入力領域410に入力されたキーによる検索指示(検索ボタン414の押下)を受け付ける。具体的には、表示制御部150は、店舗ID“0012”、レジID“001”およびレシートID“0521”をキーとして、販売情報記憶部330のレシートテーブルを検索する。なお、レジIDに例えば、他のレジIDを入力すれば、他のPOS端末装置における取引を検索できる。
【0110】
[ステップS43]表示制御部150は、検索した結果、該当の取引に対応するレシートテーブル331を得る。
[ステップS44]表示制御部150は、レシートテーブル331の受付日“2009/2/2”および取引開始時間“15:45:10”を取得する。
【0111】
[ステップS45]表示制御部150は、店舗ID“0012”およびレジID“001”および受付日“2009/2/2”をキーとして動画情報記憶部350に記憶された動画ファイル管理テーブル351aを検索する。表示制御部150は、検索の結果、ファイル名“S0012R001(2009.2.2).mpg”を取得する。表示制御部150は、ファイル名“S0012R001(2009.2.2).mpg”に基づいて、動画情報記憶部350に記憶された動画ファイル351を取得する。なお、動画ファイル351は、生成途中(録画中)のものであってもよい。この場合、表示制御部150は、動画ファイル351をタイムシフト再生(いわゆる、追っかけ再生)する。
【0112】
[ステップS46]表示制御部150は、レシートテーブル331の内容をレシート情報表示領域420に表示する。また、表示制御部150は、取引開始時間“15:45:10”の時点に対応する動画ファイル351の内容を動画表示領域430に表示する。
【0113】
[ステップS47]表示制御部150は、店員側のディスプレイ105,113に対するキーボード106、タッチパネル107,111の操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理がステップS48に移される。受け付けていない場合、処理がステップS51に移される。
【0114】
[ステップS48]表示制御部150は、顧客側のタッチパネル112に対する操作入力を受け付けないようロックする。
[ステップS49]表示制御部150は、キーボード106、タッチパネル107,111の操作入力に応じて、動画検索画面400の表示内容を変更する。
【0115】
[ステップS50]表示制御部150は、キーボード106、タッチパネル107,111の操作入力が完了すると、タッチパネル112に対する操作入力のロックを解除する。
【0116】
[ステップS51]表示制御部150は、顧客側のタッチパネル112に対する操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理がステップS52に移される。受け付けていない場合、処理がステップS53に移される。
【0117】
[ステップS52]表示制御部150は、タッチパネル112の操作入力に応じて、動画検索画面400の表示内容を変更する。
[ステップS53]表示制御部150は、閉じるボタン450を押下する操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理が完了する。受け付けていない場合、処理がステップS47に移される。
【0118】
このように、表示制御部150は、販売情報記憶部330に記憶された販売情報と、動画情報記憶部350に記憶された動画情報とに基づいて動画検索画面400を生成する。そして、表示制御部150は、動画検索画面400をディスプレイ105,113,114に表示させる。
【0119】
また、表示制御部150は、店員と顧客との操作入力を同時に受け付けることが考えられる。これに対し、上記のように店員側の操作入力がある場合、表示制御部150は、顧客側の操作入力を受け付けないよう排他制御する。
【0120】
図14は、動画検索処理を例示する図である。レシートイメージ500は、レシートプリンタ108が発行したレシートのイメージを示している。動画検索画面400には、店舗ID、レジIDおよびレシートIDに対応したレシートの内容がレシート情報表示領域420に表示される。また、動画イメージ600は、動画検索画面400の動画表示領域430に再生される動画イメージを示している。
【0121】
ここで、例えばレシート情報表示領域420に、店舗ID“0012”、レジID“001”およびレシートID“0521”に対応するレシートの情報が表示されているとする。このとき、例えば顧客が指50によって“預かり金”の行をタッチ操作する。すると、“預かり金”を登録した時刻“15:45:48”が特定され、動画表示領域430に該当の時刻“15:45:48”のシーン610が表示され、シーン610から再生が再開される。そして、シーン620,630,・・・と動画ファイル351の内容が順に表示され、店員が顧客から“5000”円の預かり金を受け取り、店員が顧客に対して釣銭を渡す場面を確認できる。
【0122】
このように、POS端末装置100は、貨幣の受け渡しの正否を確認するための動画検索画面400をディスプレイ105,113,114に表示する。
これにより、取引の確認を効率的に行うことが可能となる。例えば、店員は、ディスプレイ113に表示された動画検索画面400を閲覧しながらタッチパネル111をタッチ操作して表示対象の時間を変更できる。また、顧客は、ディスプレイ114に表示された動画検索画面400を閲覧しながらタッチパネル112を操作して表示対象の時間を変更できる。このとき、タッチパネル111,112に対するいずれかの操作入力によって、この操作入力で選択された時刻のシーンがディスプレイ113,114に同時に表示される。このようにすると、店員と顧客とが同じ画面を閲覧し、お互いに確認を取り合いながら取引の確認を行えるので、店員が自己の確認内容を後で顧客に説明する手間が省ける。また、顧客も店員の確認作業と同時に取引の内容を確認できるので、店員の確認を待機することもない。
【0123】
更に、POS端末装置100は、販売情報記憶部330に記憶された販売情報を動画と共に表示して、取引における各イベントを選択することで表示対象の時間を選択可能とする。このようにすると、例えば店員と顧客との間で貨幣の受け渡しがあったタイミングを容易に検索できるようになり、操作性が向上する。
【0124】
このように、店員と顧客とが一連の取引の流れを互いに合意しながら、貨幣の受け渡しの正否を容易な操作で、かつ、同時に確認可能となり、効率的に確認作業を行うことができる。
【0125】
また、例えば、店員がタッチパネル111を操作し、顧客がタッチパネル112を同時に操作可能とすると、店員と顧客とによって同時に別個の操作入力がされた場合に、動画検索画面400が各人の所望の動きとならないことも考えられる。これに対し、POS端末装置100では、タッチパネル111で操作入力が行われている場合には、タッチパネル112の操作入力を受け付けないよう排他制御する。これにより、確認作業をより円滑に行うことができる。
【0126】
なお、動画検索画面400は、サービスカウンタ端末装置200でも利用可能である。また、POS端末装置100,100a,・・・およびサービスカウンタ端末装置200は、他店舗の店舗ID、レジIDおよびレシートIDを動画検索画面400に入力することで、他店舗における取引を検索することもできる。この場合、例えば本社ネットワーク12などに各店舗で記録された動画ファイルを一元管理し、各店舗のPOS端末装置などに対して動画ファイルを提供するサーバが設けられる。
【0127】
また、店舗サーバ300をもたない店舗では、販売情報記憶部330、動画情報取得部340および動画情報記憶部350の機能をPOS端末装置に設けることも考えられる。このようにすると、POS端末装置単体で上述の動画検索機能を実現できる。
【0128】
また、POS端末装置100が有すべき機能は、その機能の処理内容を記述したプログラムをコンピュータに実行させることでも実現できる。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、BD−R(Blu-Ray Disk Blu-ray Disc Recordable),BD−RW(Blu-Ray Disk Blu-ray Disc Rewritable),DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0129】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0130】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0131】
以上、本発明のPOS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラムを図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 POS端末装置
1a 表示制御部
2 管理装置
2a 動画情報記憶部
2b 販売情報記憶部
3,4 表示装置
5,6 入力装置
7 撮像装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS端末装置、POSシステム、POS端末装置の取引確認方法および取引確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店では販売時点情報管理(POS:Point Of Sales)という手法により商品の販売管理が行われている。ここで、POSによる販売管理を行うシステムをPOSシステムとよぶ。POSシステムを用いることで、商品の単品単位での販売実績を詳細に管理することができる。
【0003】
ここで、POSシステムにおいて販売対象商品の情報入力や入出金を行うための端末装置をPOS端末装置やPOSレジスタなどとよぶ。POS端末装置には、キャッシュドロアとよばれる貨幣収納装置が設けられる。小売店の店員は、販売対象商品の価格に応じた貨幣を顧客から受け取り、キャッシュドロアを開放して入金および釣銭の出金を行い、取り出した釣銭を顧客に渡す。
【0004】
このような一連の取引において、店員と顧客との間の貨幣の受け渡しで問題が発生することがある。例えば、顧客が店員から適正な額の釣銭を受け取ったか否かを忘れてしまい、顧客から店員に確認を求めることがある。また、例えば、店員が適正に会計処理を行わず、貨幣をキャッシュドロアに入金せずに不正に入手してしまうこともある。
【0005】
このような問題に対し、店員と顧客との間の貨幣の受け渡しを録画しておき、録画した画像により、貨幣の受け渡しが会計に応じて適正に行われたかを確認可能とする方法が知られている(例えば、特許文献1,2,3,4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−256552号公報
【特許文献2】特開2003−331365号公報
【特許文献3】特開2005−116504号公報
【特許文献4】特開2006−344105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記特許文献1,2,3,4記載の方法では、録画した画像を店舗などに設置された所定の記憶装置に保存することとしている。この場合、録画した画像を確認する確認操作は店員が行い、店員が確認した内容を再度顧客に同意をとるという確認方法が考えられる。しかし、この方法では、店員側は顧客に対する再確認の手間が発生してしまう。また、顧客側は店員による確認を待機していなければならないという問題がある。このため、確認作業に時間を要し、効率が悪い。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、取引の確認を効率的に行うことが可能なPOS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、販売時点情報管理を行うPOS端末装置が提供される。このPOS端末装置は、撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを複数の表示装置に表示させ、複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を複数の表示装置に表示させる表示制御部を有する。
【0010】
また、上記課題を解決するために、POS端末装置と管理装置とが接続されたPOSシステムが提供される。このPOSシステムは、管理装置とPOS端末装置とを有する。管理装置は、撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部を備える。POS端末装置は、動画情報記憶部に記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを複数の表示装置に表示させ、複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を複数の表示装置に表示させる表示制御部を備える。
【0011】
また、上記課題を解決するために、上記POS端末装置と同様の処理を行う取引確認方法が提供される。また、上記課題を解決するために、上記POS端末装置と同様の処理をコンピュータに実行させる取引確認プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
上記POS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラムによれば、取引の確認を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】POSシステムを示す図である。
【図2】小売店におけるPOSシステムの構成を示す図である。
【図3】POS端末装置の外観斜視図である。
【図4】POS端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】店舗サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図6】POS端末装置および店舗サーバの機能構成を示す図である。
【図7】レシートテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】動画ファイルのデータ構造例を示す図である。
【図9】動画ファイル管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図10】動画検索画面の表示例を示す図である。
【図11】販売情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】動画情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】動画検索処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】動画検索処理を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、POSシステムを示す図である。このPOSシステムは、POS端末装置1、管理装置2、表示装置3,4、入力装置5,6および撮像装置7を有する。
【0015】
POS端末装置1は、商品の販売時点管理を行うための端末装置である。店員は、POS端末装置1を用いて、顧客が持参した商品の情報を記録し、商品に応じた価格を算出する。店員は、算出した価格に応じた貨幣を顧客から受け取り、必要に応じて釣銭を顧客に渡す。
【0016】
管理装置2は、動画情報記憶部2aおよび販売情報記憶部2bを有する。動画情報記憶部2aは、撮像装置7が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を取引が行われた時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する。動画情報記憶部2aは、POS端末装置1における商品の登録処理や入金処理などのイベントを、該当のイベントの発生時間に対応付けた販売情報を記憶する。
【0017】
表示装置3,4および入力装置5,6は、POS端末装置1と接続される。表示装置3は、例えば店員向きに設けられる。表示装置4は、例えば顧客向きに設けられる。表示装置3,4は、例えば、液晶ディスプレイである。入力装置5は、表示装置3に表示された画面に対する操作入力を受け付ける。入力装置6は、表示装置4に表示された画面に対する操作入力を受け付ける。入力装置5,6は、例えば、キーボード、マウスおよびタッチパネルなどである。
【0018】
撮像装置7は、POS端末装置1における店員と顧客との会計時の取引動作を撮像する。
POS端末装置1は、表示制御部1aを有する。表示制御部1aは、動画情報記憶部2aに記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とを表示装置3,4に表示させる。また、表示制御部1aは、入力装置5,6のいずれかから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、変更後の時間に対応する取引画像を表示装置3,4に表示させる。
【0019】
ここで、表示対象の時間を変更するための操作入力の方法としては、例えば、スライドバーをスライドさせて表示対象の時間を選択する方法が考えられる。また、例えば、販売情報記憶部2bに記憶された販売情報を取引画像と共に表示し、取引において発生した各イベントを選択することで、表示対象の時間を選択する方法が考えられる。
【0020】
POS端末装置1によれば、表示制御部1aにより、動画情報記憶部2aに記憶された動画情報に基づいて、取引画像と取引画像に対応する時間とが表示装置3,4に表示される。そして、表示制御部1aにより、入力装置5,6のいずれかから表示対象の時間を変更する所定の操作入力が受け付けられると、変更後の時間に対応する取引画像が表示装置3,4に表示される。
【0021】
これにより、取引の確認を効率的に行うことが可能となる。具体的には、店員は、表示装置3の表示画面を閲覧しながら入力装置5を操作して表示対象の時間を変更できる。また、顧客は、表示装置4の表示画面を閲覧しながら入力装置6を操作して表示対象の時間を変更できる。このとき、入力装置5,6に対するいずれかの操作入力によって、この操作入力で選択された時間の取引画像が表示装置3,4に同時に表示される。このようにすると、店員と顧客とが同じ画面を閲覧し、お互いに確認を取り合いながら取引の確認を行えるので、店員が自己の確認内容を後で顧客に説明する手間が省ける。また、顧客も店員の確認作業と同時に取引の内容を確認できるので、店員の確認を待機することもない。
【0022】
更に、販売情報記憶部2bに記憶された販売情報を取引画像と共に表示して、取引における各イベントを選択することで表示対象の時間を選択可能とすることもできる。このようにすると、例えば店員と顧客との間で貨幣の受け渡しがあったタイミングを容易に検索できるようになり、操作性が向上する。
【0023】
このように、店員と顧客とが一連の取引の流れを互いに合意しながら貨幣の受け渡しの正否を容易な操作で、かつ、同時に確認可能となり、効率的に確認作業を行うことができる。
【0024】
また、例えば、店員が表示装置3の表示画面を操作し、顧客が表示装置4の表示画面を同時に操作可能とすると、店員と顧客とによって同時に別個の操作入力がされた場合に、表示装置3,4の画面が各人の所望の動きとならないことも考えられる。これに対し、表示制御部1aは、例えば、表示装置3につき入力装置5で操作入力が行われている場合には、入力装置6の操作入力を受け付けないよう排他制御することも考えられる。これにより、確認作業をより円滑に行うことができる。
【0025】
ところで、上記のPOSシステムは、スーパーマーケットやショッピングセンターなどのように複数のPOS端末装置が存在するシステムにも適用できる。以下では、このような小売店のPOSシステムを例に採り、更に具体的に説明する。
【0026】
図2は、小売店におけるPOSシステムの構成を示す図である。このPOSシステムは、カメラ20,20a,・・・,30、POS端末装置100,100a,・・・、サービスカウンタ端末装置200および店舗サーバ300を有する。カメラ20,20a,・・・,30、POS端末装置100,100a,・・・、サービスカウンタ端末装置200および店舗サーバ300は、店舗ネットワーク11を介して相互にデータ通信可能に接続される。また、店舗ネットワーク11は、小売業者の基幹ネットワーク10を介して、本社ネットワーク12および他店舗ネットワーク13に接続される。本社ネットワーク12は、小売業者の本社機能と接続されたネットワークである。他店舗ネットワーク13は、店舗ネットワーク11を備える店舗とは別個の位置に設けられた他の店舗のネットワークである。
【0027】
カメラ20,20a,・・・,30は、POS端末装置100,100a,・・・やサービスカウンタ端末装置200において店員と顧客との取引が行われる領域を継続的に撮像する撮像装置である。カメラ20,20a,・・・は、POS端末装置100,100a,・・・を監視する。カメラ30は、サービスカウンタ端末装置200を監視する。
【0028】
POS端末装置100,100a,・・・は、販売時点情報管理を行うための端末装置である。POS端末装置100,100a,・・・では、顧客が持参した商品を店員が販売情報として登録し、登録した商品の価格に応じて店員が顧客から貨幣を受け取る。店員は、POS端末装置100,100a,・・・に受け取った貨幣を入金する。また、店員は、必要に応じてPOS端末装置100,100a,・・・から釣銭を出金し、顧客に渡す。
【0029】
サービスカウンタ端末装置200は、小売店のサービスカウンタに設置される端末装置である。
店舗サーバ300は、カメラ20,20a,・・・,30により撮像された動画やPOS端末装置100,100a,・・・により登録された販売情報を一元管理する。また、店舗サーバ300は、商品を識別するための商品コードや価格などを登録した商品マスタを管理する。
【0030】
なお、以下ではPOS端末装置100の構成に関して説明するが、POS端末装置100a,・・・に関しても同様の構成により実現できる。
図3は、POS端末装置の外観斜視図である。POS端末装置100は、設置台101,102、キャッシュドロア103、制御ユニット104、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107、レシートプリンタ108、支柱109、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112およびディスプレイ113,114を有する。
【0031】
設置台101,102は、POS端末装置100全体を支持する。設置台101は、キャッシュドロア103、制御ユニット104、ディスプレイ105、キーボード106およびレシートプリンタ108を支持する。設置台102は、支柱109を支持する。また、設置台102には、顧客が持参した買い物かごや、買い物かごに投入された商品が載置される。
【0032】
なお、以下では、設置台102に対する設置台101側を店員スペース、設置台102に対する設置台101とは逆側を顧客レーンとよぶこととする。
キャッシュドロア103は、貨幣を収納する収納庫である。キャッシュドロア103には、硬貨や紙幣が収納される。
【0033】
制御ユニット104は、POS端末装置100全体を制御するコンピュータである。
ディスプレイ105は、取引作業を行うための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ105は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ105は、タッチパネル105の下層に位置している。ディスプレイ105の表示する画像は、タッチパネル107を透過して、店員スペース側から視認可能である。店員は、ディスプレイ105によって表示された画像を見ながら、タッチパネル107に対するタッチ操作を行うことができる。
【0034】
キーボード106は、ディスプレイ105に表示されたGUIを操作するための入力装置である。
タッチパネル107は、ディスプレイ105に表示されたGUIを操作するための入力装置である。
【0035】
レシートプリンタ108は、顧客との取引の結果をロール紙に印字してレシートを発行する印刷装置である。
支柱109は、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112およびディスプレイ113,114を支持する。
【0036】
バーコードスキャナ110は、商品に付与されたバーコードを読み取るための装置である。
タッチパネル111,112は、タッチ操作を検出する。タッチパネル111は、そのタッチ操作検出面が店員スペース側となるよう設置される。タッチパネル112は、そのタッチ操作検出面が顧客レーン側となるよう設置される。店員や顧客は、指でタッチパネル111,112にタッチすることができる。また、店員や顧客は、タッチペンなどのポインティングデバイスを用いてタッチパネル111,112にタッチすることもできる。タッチパネル111,112に対するタッチ操作があると、指やタッチペンなどの物が接触している位置が検出される。
【0037】
ディスプレイ113,114は、各種画像(例えば、顧客が購入対象としている商品の登録状況)を表示する。ディスプレイ113は、タッチパネル111の下層に位置している。ディスプレイ114は、タッチパネル112の下層に位置している。ディスプレイ113,114の表示する画像は、タッチパネル111,112を透過して、店員スペース側および顧客レーン側から視認可能である。店員や顧客は、ディスプレイ113,114によって表示された画像を見ながら、タッチパネル111,112に対するタッチ操作を行うことができる。
【0038】
ここで、カメラ20は、POS端末装置100において店員と顧客との取引が行われる領域が撮像可能となるよう設置される。カメラ20は、撮像した映像を他のコンピュータに提供するカメラサーバの機能を備える。店舗サーバ300は、店舗ネットワーク11を介してカメラ20が提供する映像を取得する。ただし、カメラ20,20a,・・・,30がカメラサーバ機能をもたなくてもよい。この場合、カメラ20,20a,・・・,30をカメラサーバ装置に接続し、カメラサーバ装置が各カメラの映像を集約して配信する構成を採ることもできる。
【0039】
図4は、POS端末装置のハードウェア構成を示す図である。POS端末装置100は、キャッシュドロア103、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107,111,112、レシートプリンタ108、バーコードスキャナ110、ディスプレイ113,114、CPU(Central Processing Unit)115、ROM(Read Only Memory)116、RAM(Random Access Memory)117、HDD(Hard Disk Unit)118、通信処理部119、入力処理部120、表示処理部121を有する。
【0040】
ここで、CPU115、ROM116、RAM117、HDD118、通信処理部119、入力処理部120および表示処理部121は、制御ユニット104に備えられる。
また、キャッシュドロア103、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107,111,112、レシートプリンタ108、バーコードスキャナ110およびディスプレイ113,114については、図3において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため説明を省略する。
【0041】
CPU115は、POS端末装置100全体を制御する。
ROM116は、CPU115が実行するBIOS(Basic Input / Output System)のプログラムやその処理に用いるデータを記憶する。
【0042】
RAM117は、CPU115が実行するOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部、およびその処理に用いるデータを一時的に記憶する。
【0043】
HDD118は、POS端末装置100上のOSやアプリケーションのプログラム、およびその処理に用いるデータを記憶する。
通信処理部119は、店舗ネットワーク11と接続される。通信処理部119は、店舗ネットワーク11を介して、店舗サーバ300との間でデータの送受信を行う。
【0044】
入力処理部120は、キーボード106、タッチパネル107,111,112と接続されている。入力処理部120は、キーボード106、タッチパネル107,111,112から送られてくる信号をCPU115に出力する。
【0045】
表示処理部121は、ディスプレイ105,113,114と接続されている。表示処理部121は、CPU115からの命令に従って、画像をディスプレイ105,113,114に表示させる。
【0046】
なお、サービスカウンタ端末装置200もPOS端末装置100が備えるキャッシュドロア103、制御ユニット104、ディスプレイ105、キーボード106、タッチパネル107およびレシートプリンタ108と同様のハードウェアにより実現できる。
【0047】
図5は、店舗サーバのハードウェア構成を示す図である。店舗サーバ300は、CPU301、RAM302、HDD303、表示処理部304、入力処理部305および通信処理部306を有する。
【0048】
CPU301は、店舗サーバ300全体を制御する。
RAM302は、CPU301が実行するOSやアプリケーションのプログラムの少なくとも一部、およびその処理に用いるデータを一時的に記憶する。
【0049】
HDD303は、店舗サーバ300上のOSやアプリケーションのプログラム、およびその処理に用いるデータを記憶する。
表示処理部304は、モニタ31と接続されている。表示処理部304は、CPU301からの命令に従って、画像をモニタ31に表示させる。
【0050】
入力処理部305は、キーボード32およびマウス33と接続されている。入力処理部305は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をCPU301に出力する。
【0051】
通信処理部306は、店舗ネットワーク11と接続される。通信処理部306は、店舗ネットワーク11を介して、POS端末装置100,100a,・・・、サービスカウンタ端末装置200との間でデータの送受信を行う。また、通信処理部306は、店舗ネットワーク11を介して、基幹ネットワーク10に接続された本社ネットワーク12、他店舗ネットワーク13に接続された他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
【0052】
図6は、POS端末装置および店舗サーバの機能構成を示す図である。POS端末装置100は、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112、ディスプレイ113,114、商品情報取得部130、会計処理部140および表示制御部150を有する。
【0053】
ここで、バーコードスキャナ110、タッチパネル111,112およびディスプレイ113,114については、図3において同一の符号を付して説明した構成と同一であるため説明を省略する。また、商品情報取得部130、会計処理部140および表示制御部150の機能は、CPU115が所定のプログラムを実行することで実現される。ただし、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0054】
商品情報取得部130は、バーコードスキャナ110で読み取られたバーコードにより識別される商品コードを取得する。また、商品情報取得部130は、バーコードが付与されていない商品に関しては、店員がキーボード106やタッチパネル111を操作して入力した商品コードを取得する。商品情報取得部130は、取得した商品コードにより店舗サーバ300の商品マスタ記憶部310に記憶された商品マスタを参照して、該当の商品の商品名や価格などを含む商品情報を取得する。商品情報取得部130は、取得した商品情報を会計処理部140に出力する。
【0055】
会計処理部140は、現在の取引において顧客が購入対象としている全ての商品の商品情報を商品情報取得部130から取得すると、これらの商品情報に基づいて、会計処理を実行する。会計処理部140は、会計処理の結果、購入対象の商品の商品コード・商品名・単価・数量・登録時間、取引金額の合計や釣銭などの販売履歴を記録した販売情報を生成する。なお、この販売情報には、会計処理部140が商品情報取得部130から各商品情報を受け付けた日時や入金および釣銭を算出した日時などのタイムスタンプが含まれる。会計処理部140は、生成した販売情報を店舗サーバ300に送信する。
【0056】
表示制御部150は、キーボード106、タッチパネル107,111,112による動画検索モードへの移行操作に応じてディスプレイ105,113,114の表示内容を動画検索画面に切り替える。また、表示制御部150は、ディスプレイ105,113,114に表示された動画検索画面に対するキーボード106、タッチパネル107,111,112の操作入力を検出すると、該当の操作入力により特定される動画をディスプレイ105,113,114に表示させる。動画検索画面の構成の詳細は、後述する。
【0057】
店舗サーバ300は、商品マスタ記憶部310、販売情報取得部320、販売情報記憶部330、動画情報取得部340および動画情報記憶部350を有する。なお、これらの機能は、CPU301が所定のプログラムを実行することで実現される。ただし、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアで実現してもよい。
【0058】
商品マスタ記憶部310は、商品コードに対応付けて商品の名称や価格などを登録した商品情報を記憶する。
販売情報取得部320は、会計処理部140が生成した販売情報を取得し、取得した販売情報を販売情報記憶部330に格納する。
【0059】
販売情報記憶部330は、販売情報取得部320が取得した販売情報を記憶する。
動画情報取得部340は、カメラ20,20a,・・・,30が撮像した動画を取得し、動画ファイルを生成する。動画情報取得部340は、生成した動画ファイルを動画情報記憶部350に格納する。
【0060】
動画情報記憶部350は、動画情報取得部340が生成した動画ファイルを記憶する。
販売情報記憶部330に記憶された販売情報および動画情報記憶部350に記憶された動画ファイルは、表示制御部150により参照されて、動画検索画面の生成に用いられる。
【0061】
図7は、レシートテーブルのデータ構造例を示す図である。レシートテーブル331,332,333,・・・は、顧客が小売店で商品を購入した取引ごとに会計処理部140により生成され、販売情報記憶部330に格納される。以下では、レシートテーブル331に関して説明するが、レシートテーブル332,333,・・・に関しても同様の構成である。
【0062】
レシートテーブル331は、店舗ID(IDentifier)、レジID、レシートID、受付日および取引開始時間に対応付けられている。店舗IDは、販売情報を取得したPOS端末装置100が設置された店舗のIDである。レジIDは、この店舗内のPOS端末装置を識別するためのIDである。レシートIDは、該当のPOS端末装置が発行したレシートを識別するためのIDである。受付日は、レシートテーブル331の内容の取引を受け付けた年月日である。取引開始時間は、該当の取引が開始された時間である。
【0063】
レシートテーブル331には、取引区分を示す項目、商品コードを示す項目、商品名を示す項目、単価を示す項目、数量を示す項目、金額を示す項目および登録時間を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの取引区分に関する取引の内容を示す。
【0064】
取引区分を示す項目には、各イベント(商品登録や釣銭計算など)の区分を示す情報が設定される。商品コードを示す項目には、商品を識別するための商品コードが設定される。商品名を示す項目には、商品の名称が設定される。単価を示す項目には、商品の単価が設定される。数量を示す項目には、購入対象の数量が設定される。金額を示す項目には、単価や受け渡しの金額が設定される。登録時間を示す項目には、該当の取引区分のデータをレシートテーブル331に登録した時間が設定される。
【0065】
レシートテーブル331には、例えば、取引区分が“売上”、商品コードが“10001”、商品名が“トマト”、単価が“100”、数量が“3”、金額が“300”、登録時間が“15:45:15”という情報が設定される。これは、商品コード“10001”で登録された商品“トマト”の単価が“100”円であり、顧客と“3”個の“トマト”の取引があったことを示している。また、数量に応じた“トマト”の価格は“300”円であり、これらのレコードがレシートテーブル331に登録された時間が“15:45:15”であることを示している。
【0066】
また、レシートテーブル331には、例えば、取引区分が“伝票合計”、商品コードが“−”(ハイフン)、商品名が“−”、単価が“−”、数量が“−”、金額が“1050”円、登録時間が“15:45:45”という情報が設定される。これは、“伝票合計”を算出した結果、取引対象とされた商品の価格の合計が“1050”円と計算されたことを示している。なお、取引区分“伝票合計”の場合には、商品コード、商品名、単価、数量には情報が設定されない。取引区分“預かり金”、“釣銭”の場合も同様である。そして、この“伝票合計”のレコードがレシートテーブル331に登録された時間が“15:45:45”であることを示している。
【0067】
取引区分“預かり金”の場合も同様である。すなわち、“5000”円の“預かり金”の入金登録がなされ、レシートテーブル331に該当のレコードが登録された時間が“15:45:48”である。
【0068】
また、取引区分“釣銭”の場合も、“3950”円の“釣銭”が算出され、レシートテーブル331に該当のレコードが登録された時間が“15:45:50”である。
図8は、動画ファイルのデータ構造例を示す図である。動画ファイル351,352,353,・・・は、MPEG(Moving Picture Experts Group)1形式の動画ファイルを例示している。動画ファイル351,352,353,・・・は、カメラ20が撮像した画像情報を動画情報取得部340が取得して生成され、動画情報記憶部350に格納される。以下では、動画ファイル351に関して説明するが、動画ファイル352,353,・・・に関しても同様の構成である。
【0069】
動画ファイル351には、シーケンスヘッダ領域、GOP(Group Of Picture)ヘッダ領域およびGOPデータ領域を1セットとして、これらが連続的に設けられる。
シーケンスヘッダ領域は、画面フォーマットを示す情報を格納する領域である。また、シーケンスヘッダ領域は、動画再生時にGOP単位でランダムアクセスを行うためのエントリーポイントとしても利用される。
【0070】
GOPヘッダ領域は、動画ファイル351の先頭からの時間を示すタイムコードを含む各種制御コードを格納する領域である。タイムコードには、例えば、“6:45:21”という情報が設定される。これは、動画ファイル351が記録されてから6時間45分21秒が経過していることを示す。
【0071】
GOPデータ領域は、画像データが格納される。1つのGOPデータ領域には、例えば、0.5秒分の画像データ(15枚程度の画像データ)が格納される。この場合、動画ファイル351は、0.5秒単位でのランダムアクセスが可能となる。
【0072】
なお、動画ファイル351では、MPEG1形式の動画ファイルの構成を例示したがこの形式に限らない。例えば、GOPヘッダに含まれるタイムコードをもたない形式の動画ファイルを用いることもできる。この場合には、例えば、記録された動画のフレーム周期に基づいてファイルの先頭からの時間を求めることが考えられる。
【0073】
また、動画ファイル351は、OSなどが提供するファイルシステムにより、例えば、ファイル名を“S0012R001(2009.2.2).mpg”として管理される。
図9は、動画ファイル管理テーブルのデータ構造例を示す図である。動画ファイル管理テーブル351aは、動画情報取得部340によって生成され、動画情報記憶部350に格納される。動画ファイル管理テーブル351aには、ファイル名を示す項目、録画開始日時を示す項目、店舗IDを示す項目およびレジIDを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの動画ファイルの情報を示す。
【0074】
ファイル名を示す項目には、動画ファイルのファイル名が設定される。録画開始日時を示す項目には、該当の動画ファイルの録画を開始した日時が設定される。店舗IDを示す項目には、店舗のIDが設定される。レジIDを示す項目には、レジのIDが設定される。
【0075】
動画ファイル管理テーブル351aには、例えば、ファイル名が“S0012R001(2009.2.2).mpg”、録画開始日時が“2009.2.2 9:00:00”、店舗IDが“0012”、レジIDが“001”という情報が設定される。これは、店舗ID“0012”の店舗のレジID“001”のPOS端末装置100を監視した“S0012R001(2009.2.2).mpg”という動画ファイルが“2009.2.2 9:00:00”を録画開始時点として作成されたことを示している。
【0076】
このように動画ファイル351の録画を開始した日時と、動画ファイル351の各GOP領域に含まれるタイムコードを用いることで、該当のシーンが撮像された時刻を特定することができる。
【0077】
図10は、動画検索画面の表示例を示す図である。動画検索画面400は、表示制御部150によって生成され、ディスプレイ105,113,114に表示される。表示制御部150は、キーボード106およびタッチパネル107による操作入力に応じて動画検索画面400の表示内容を変更する。また、表示制御部150は、タッチパネル111,112に対するタッチ操作を検出すると動画検索画面400のタッチされた領域に応じて動画検索画面400の表示内容を変更する。
【0078】
動画検索画面400には、検索条件入力領域410、レシート情報表示領域420、動画表示領域430、スライドバー440および閉じるボタン450が設けられている。
検索条件入力領域410は、参照したい取引を検索するための条件の入力および検索の実行指示を行うための領域である。検索条件入力領域410には、テキストボックス411,412,413および検索ボタン414が設けられている。
【0079】
テキストボックス411は、店舗IDを入力するためのものである。店舗IDには、例えば、該当の店舗のIDである“0012”が入力される。
テキストボックス412は、レジIDを入力するためのものである。レジIDには、例えば、この店舗におけるPOS端末装置100のIDである“001”が入力される。
【0080】
テキストボックス413は、レシートIDを入力するためのものである。レシートIDには、例えばPOS端末装置100が発行したレシートIDである“0521”が入力される。
【0081】
なお、店舗ID、レジIDおよびレシートIDは、顧客に発行するレシートにも印字しておくことが考えられる。このようにすると、取引直後でなくても、レシートの内容を参照して容易に該当の取引を検索できる。
【0082】
検索ボタン414は、テキストボックス411,412,413に入力された情報をキーにして販売情報および動画情報の検索実行指示を受け付けるためのボタンである。表示制御部150は、検索ボタン414に対する操作入力を検出すると、入力されたキーにより販売情報記憶部330に記憶された販売情報および動画情報記憶部350に記憶された動画情報を検索する。
【0083】
なお、検索条件入力領域410に対する操作入力は、テキストボックスへの入力が必要なためキーボード106を使用する必要がある。このため、顧客も検索条件入力領域410への入力を可能とするためには、タッチパネル112側にもキーパッドなどの入力デバイスを設けたり、動画検索画面400にソフトウェアキーボードを重畳表示して利用可能とすることが考えられる。
【0084】
レシート情報表示領域420は、検索条件入力領域410に入力された情報により特定されたレシート情報を表示する領域である。レシート情報表示領域420には、取引日時表示領域421および取引内容表示領域422が設けられている。
【0085】
取引日時表示領域421には、取引内容表示領域422に表示された取引が行われた時間帯であって、動画表示領域430に表示された画像が撮像された時間が表示される。動画表示領域430には、動画が表示されるので、動画の進行に伴って取引日時表示領域421の表示内容も更新される。
【0086】
取引内容表示領域422には、該当の取引の内容がレシートのイメージで表示される。取引内容表示領域422には、例えば、顧客が購入した商品名、数量、金額などの情報や、合計金額、預かり金、釣銭などの情報が表示される。これらの情報を示す各行は、各商品や各金額の登録が行われた登録時間と対応付けられている。表示制御部150は、取引内容表示領域422のこれら各行に対するタッチパネル107によるポイント操作やタッチパネル111,112によるタッチ操作を受け付けると、動画表示領域430の表示を該当の登録時間の画像に遷移させる。すなわち、各行が各イベントを指定するための操作入力を受け付ける操作部として機能する。また、取引日時表示領域421に表示された取引日時を該当の時間に変更する。例えば、商品名“りんご”の行に対する操作入力を受け付けると、動画表示領域430に“2”個の“りんご”の商品入力を受け付けるシーンが表示される。また、取引日時表示領域421に該当の時刻が表示される。
【0087】
動画表示領域430は、表示制御部150により検索された動画ファイルの内容を表示する領域である。図10の例では、“2”個の“りんご”の商品入力を受け付けるシーンが表示されている。
【0088】
スライドバー440は、動画表示領域に表示された動画の先送り/後戻り操作を行うためのものである。店員や顧客は、カーソル441をスライドバー440の図面に向かって右側にスライドさせることで、動画表示領域430に表示された動画を先送りできる。また、同様に左側にスライドさせることで、動画表示領域430に表示された動画を後戻りさせることができる。なお、スライドバー440には、取引開始時刻(“15:45:10”)と次の取引の開始時刻(“15:48:10”)とがそれぞれ該当の取引の開始時刻、終了時刻として示されている。なお、次の取引の開始時刻は、例えばPOS端末装置100におけるレシートID“0522”の取引開始時間から特定できる。カーソル441の位置は、動画表示領域430に表示されるシーンに対応する時刻を示す位置となる。
【0089】
閉じるボタン450は、動画検索画面400を終了するためのボタンである。表示制御部150は、閉じるボタン450に対する操作入力を検出すると、動画検索画面400を閉じて、ディスプレイ105,113,114に元の画面(商品登録画面など)を表示させる。
【0090】
次に、以上のような構成を有するPOSシステムの処理に関して説明する。まず、販売情報の取得処理に関して説明する。以下では、POS端末装置100により説明するが、POS端末装置100a,・・・を用いる場合にも同様の処理となる。
【0091】
図11は、販売情報取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]会計処理部140は、新たな取引が開始されたことを検知すると該当の取引に対応する販売情報の生成を開始する。会計処理部140は、店舗ID、レジID、レシートIDを記録する。その結果、レシートテーブル331の例では、店舗IDに“0012”、レジIDに“001”、レシートIDに“0521”が記録される。レシートIDは、例えば、POS端末装置100において発行されたレシートにつき連番の数字などが決められる。
【0092】
[ステップS12]会計処理部140は、受付日および取引開始時間を記録する。その結果、レシートテーブル331の例では、受付日に“2009/2/2”、取引開始時間に“15:45:10”が記録される。
【0093】
[ステップS13]会計処理部140は、商品情報取得部130からバーコードスキャンなどにより入力された商品に対応する商品情報を取得する。この商品情報には、商品コード、商品名、単価、数量などが含まれる。
【0094】
[ステップS14]会計処理部140は、該当の商品情報を販売情報に登録する。
[ステップS15]会計処理部140は、商品情報を登録した時間を販売情報に記録する。ステップS14,S15の結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“売上”、商品コードに“1001”、商品名に“トマト”、単価に“100”、数量に“3”、金額に“300”、登録時間に“15:45:15”が記録される。
【0095】
[ステップS16]会計処理部140は、次の商品のバーコードスキャンなどが行われ、商品情報を商品情報取得部130から取得したか否かを判定する。取得した場合、処理がステップS14に移される。取得していない場合、処理がステップS17に移される。
【0096】
[ステップS17]会計処理部140は、取引対象の商品が全て入力されたことを示す所定の操作入力(例えば、小計ボタンの押下)を検出したか否かを判定する。検出した場合、処理がステップS18に移される。検出しない場合、処理がステップS16に移される。
【0097】
[ステップS18]会計処理部140は、取引対象の商品の合計金額を計算し、販売情報に登録する。また、登録した時間を販売情報に記録する。その結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“伝票合計”、金額に“1050”、登録時間に“15:45:45”が記録される。
【0098】
[ステップS19]会計処理部140は、合計金額に応じた顧客からの預かり金の入力を受け付け、販売情報に登録する。
[ステップS20]会計処理部140は、預かり金を登録した時間を販売情報に記録する。ステップS19,S20の結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“預かり金”、金額に“5000”、登録時間に“15:45:48”が記録される。
【0099】
[ステップS21]会計処理部140は、預かり金額と商品合計金額に応じた釣銭を算出し、販売情報に登録する。
[ステップS22]会計処理部140は、釣銭を登録した時間を販売情報に記録する。ステップS21,S22の結果、レシートテーブル331の例では、取引区分に“釣銭”、金額に“3950”、登録時間に“15:45:50”が記録される。
【0100】
このように、会計処理部140は、取引における各イベントにタイムスタンプを付与して記録する。そして、販売情報取得部320は、会計処理部140により記録された販売情報を取得し、販売情報記憶部330に格納する。
【0101】
次に、動画情報の取得処理に関して説明する。なお、以下では、カメラ20により撮像された画像に基づいて生成される動画ファイルを説明するが、カメラ20a,・・・,30についても同様の処理となる。
【0102】
図12は、動画情報取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図12に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]動画情報取得部340は、カメラ20によって撮像された画像を取得して、動画ファイルの生成(録画)を開始する。動画情報取得部340は、例えば、店舗の営業開始時間となったことを検知して録画を開始する。
【0103】
[ステップS32]動画情報取得部340は、録画した動画ファイルのファイル名を決定し、動画情報記憶部350に記憶された動画ファイル管理テーブル351aに登録する。
【0104】
[ステップS33]動画情報取得部340は、録画の開始日時を動画ファイル管理テーブル351aに登録する。
[ステップS34]動画情報取得部340は、録画した店舗の店舗IDおよびカメラ20が監視対象とするPOS端末装置100のレジIDを動画ファイル管理テーブル351aに登録する。ステップS32〜S34の結果、動画ファイル管理テーブル351aの例では、ファイル名に“S0012R001(2009.2.2).mpg”、録画開始日時に“2009.2.2 9:00:00”、店舗IDに“0012”、レジIDに“001”が記録される。
【0105】
[ステップS35]動画情報取得部340は、動画ファイルの生成を停止する。動画情報取得部340は、例えば、店舗の営業終了時間となったことを検知して録画を停止する。
【0106】
このように、動画情報取得部340は、カメラ20,20a,・・・,30により撮像された画像に基づいて、動画ファイルを生成し、録画開始時間、店舗IDおよびレジIDに対応付けて、動画情報記憶部350に格納する。これにより、各動画ファイルと対象のPOS端末装置および各シーンの時刻を適正に管理することができる。
【0107】
図13は、動画検索処理の手順を示すフローチャートである。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。なお、以下の例では、レシートテーブル331に対応する取引について動画検索が行われるものとする。
【0108】
[ステップS41]表示制御部150は、タッチパネル107,111などによる所定の操作入力により動画検索画面400への切り替え指示を受け付ける。すると、表示制御部150は、ディスプレイ105、113,114に動画検索画面400を表示させる。
【0109】
[ステップS42]表示制御部150は、検索条件入力領域410に入力されたキーによる検索指示(検索ボタン414の押下)を受け付ける。具体的には、表示制御部150は、店舗ID“0012”、レジID“001”およびレシートID“0521”をキーとして、販売情報記憶部330のレシートテーブルを検索する。なお、レジIDに例えば、他のレジIDを入力すれば、他のPOS端末装置における取引を検索できる。
【0110】
[ステップS43]表示制御部150は、検索した結果、該当の取引に対応するレシートテーブル331を得る。
[ステップS44]表示制御部150は、レシートテーブル331の受付日“2009/2/2”および取引開始時間“15:45:10”を取得する。
【0111】
[ステップS45]表示制御部150は、店舗ID“0012”およびレジID“001”および受付日“2009/2/2”をキーとして動画情報記憶部350に記憶された動画ファイル管理テーブル351aを検索する。表示制御部150は、検索の結果、ファイル名“S0012R001(2009.2.2).mpg”を取得する。表示制御部150は、ファイル名“S0012R001(2009.2.2).mpg”に基づいて、動画情報記憶部350に記憶された動画ファイル351を取得する。なお、動画ファイル351は、生成途中(録画中)のものであってもよい。この場合、表示制御部150は、動画ファイル351をタイムシフト再生(いわゆる、追っかけ再生)する。
【0112】
[ステップS46]表示制御部150は、レシートテーブル331の内容をレシート情報表示領域420に表示する。また、表示制御部150は、取引開始時間“15:45:10”の時点に対応する動画ファイル351の内容を動画表示領域430に表示する。
【0113】
[ステップS47]表示制御部150は、店員側のディスプレイ105,113に対するキーボード106、タッチパネル107,111の操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理がステップS48に移される。受け付けていない場合、処理がステップS51に移される。
【0114】
[ステップS48]表示制御部150は、顧客側のタッチパネル112に対する操作入力を受け付けないようロックする。
[ステップS49]表示制御部150は、キーボード106、タッチパネル107,111の操作入力に応じて、動画検索画面400の表示内容を変更する。
【0115】
[ステップS50]表示制御部150は、キーボード106、タッチパネル107,111の操作入力が完了すると、タッチパネル112に対する操作入力のロックを解除する。
【0116】
[ステップS51]表示制御部150は、顧客側のタッチパネル112に対する操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理がステップS52に移される。受け付けていない場合、処理がステップS53に移される。
【0117】
[ステップS52]表示制御部150は、タッチパネル112の操作入力に応じて、動画検索画面400の表示内容を変更する。
[ステップS53]表示制御部150は、閉じるボタン450を押下する操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理が完了する。受け付けていない場合、処理がステップS47に移される。
【0118】
このように、表示制御部150は、販売情報記憶部330に記憶された販売情報と、動画情報記憶部350に記憶された動画情報とに基づいて動画検索画面400を生成する。そして、表示制御部150は、動画検索画面400をディスプレイ105,113,114に表示させる。
【0119】
また、表示制御部150は、店員と顧客との操作入力を同時に受け付けることが考えられる。これに対し、上記のように店員側の操作入力がある場合、表示制御部150は、顧客側の操作入力を受け付けないよう排他制御する。
【0120】
図14は、動画検索処理を例示する図である。レシートイメージ500は、レシートプリンタ108が発行したレシートのイメージを示している。動画検索画面400には、店舗ID、レジIDおよびレシートIDに対応したレシートの内容がレシート情報表示領域420に表示される。また、動画イメージ600は、動画検索画面400の動画表示領域430に再生される動画イメージを示している。
【0121】
ここで、例えばレシート情報表示領域420に、店舗ID“0012”、レジID“001”およびレシートID“0521”に対応するレシートの情報が表示されているとする。このとき、例えば顧客が指50によって“預かり金”の行をタッチ操作する。すると、“預かり金”を登録した時刻“15:45:48”が特定され、動画表示領域430に該当の時刻“15:45:48”のシーン610が表示され、シーン610から再生が再開される。そして、シーン620,630,・・・と動画ファイル351の内容が順に表示され、店員が顧客から“5000”円の預かり金を受け取り、店員が顧客に対して釣銭を渡す場面を確認できる。
【0122】
このように、POS端末装置100は、貨幣の受け渡しの正否を確認するための動画検索画面400をディスプレイ105,113,114に表示する。
これにより、取引の確認を効率的に行うことが可能となる。例えば、店員は、ディスプレイ113に表示された動画検索画面400を閲覧しながらタッチパネル111をタッチ操作して表示対象の時間を変更できる。また、顧客は、ディスプレイ114に表示された動画検索画面400を閲覧しながらタッチパネル112を操作して表示対象の時間を変更できる。このとき、タッチパネル111,112に対するいずれかの操作入力によって、この操作入力で選択された時刻のシーンがディスプレイ113,114に同時に表示される。このようにすると、店員と顧客とが同じ画面を閲覧し、お互いに確認を取り合いながら取引の確認を行えるので、店員が自己の確認内容を後で顧客に説明する手間が省ける。また、顧客も店員の確認作業と同時に取引の内容を確認できるので、店員の確認を待機することもない。
【0123】
更に、POS端末装置100は、販売情報記憶部330に記憶された販売情報を動画と共に表示して、取引における各イベントを選択することで表示対象の時間を選択可能とする。このようにすると、例えば店員と顧客との間で貨幣の受け渡しがあったタイミングを容易に検索できるようになり、操作性が向上する。
【0124】
このように、店員と顧客とが一連の取引の流れを互いに合意しながら、貨幣の受け渡しの正否を容易な操作で、かつ、同時に確認可能となり、効率的に確認作業を行うことができる。
【0125】
また、例えば、店員がタッチパネル111を操作し、顧客がタッチパネル112を同時に操作可能とすると、店員と顧客とによって同時に別個の操作入力がされた場合に、動画検索画面400が各人の所望の動きとならないことも考えられる。これに対し、POS端末装置100では、タッチパネル111で操作入力が行われている場合には、タッチパネル112の操作入力を受け付けないよう排他制御する。これにより、確認作業をより円滑に行うことができる。
【0126】
なお、動画検索画面400は、サービスカウンタ端末装置200でも利用可能である。また、POS端末装置100,100a,・・・およびサービスカウンタ端末装置200は、他店舗の店舗ID、レジIDおよびレシートIDを動画検索画面400に入力することで、他店舗における取引を検索することもできる。この場合、例えば本社ネットワーク12などに各店舗で記録された動画ファイルを一元管理し、各店舗のPOS端末装置などに対して動画ファイルを提供するサーバが設けられる。
【0127】
また、店舗サーバ300をもたない店舗では、販売情報記憶部330、動画情報取得部340および動画情報記憶部350の機能をPOS端末装置に設けることも考えられる。このようにすると、POS端末装置単体で上述の動画検索機能を実現できる。
【0128】
また、POS端末装置100が有すべき機能は、その機能の処理内容を記述したプログラムをコンピュータに実行させることでも実現できる。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、BD−R(Blu-Ray Disk Blu-ray Disc Recordable),BD−RW(Blu-Ray Disk Blu-ray Disc Rewritable),DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0129】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0130】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0131】
以上、本発明のPOS端末装置、POSシステム、取引確認方法および取引確認プログラムを図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、本発明は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 POS端末装置
1a 表示制御部
2 管理装置
2a 動画情報記憶部
2b 販売情報記憶部
3,4 表示装置
5,6 入力装置
7 撮像装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売時点情報管理を行うPOS端末装置であって、
撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる表示制御部、
を有することを特徴とするPOS端末装置。
【請求項2】
前記複数の表示装置および前記複数の入力装置の少なくとも一部が前記店員側に設けられ、前記複数の表示装置および前記複数の入力装置の他の少なくとも一部が前記顧客側に設けられていることを特徴とする請求項1記載のPOS端末装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記商品の会計時に発生した複数のイベントを当該各イベントの発生時間に対応付けた販売情報を記憶する販売情報記憶部に記憶された前記販売情報と、前記動画情報記憶部に記憶された前記動画情報とに基づいて、同じ時間に対応付けられた前記販売情報と前記取引画像とを前記複数の表示装置に表示させることを特徴とする請求項2記載のPOS端末装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記販売情報に含まれる前記各イベントを指定する前記複数の入力装置の前記操作入力を受け付ける操作部を前記複数の表示装置に表示させ、当該操作部に対する前記操作入力を受け付けると、当該操作入力で指定されるイベントの前記発生時間に対応付けられた取引画像を前記複数の表示装置に表示させることを特徴とする請求項3記載のPOS端末装置。
【請求項5】
前記各イベントとして、少なくとも前記商品の情報の入力処理、前記商品の合計価格の算出処理、前記顧客から受け取った預かり金の入力処理および前記顧客に渡す釣銭の算出処理を検知し、当該各イベントを含む前記販売情報を生成して前記販売情報記憶部に格納する会計処理部を更に有することを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載のPOS端末装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記複数の入力装置のうち前記店員側に設けられた入力装置による操作入力を受け付けている間は、前記顧客側に設けられた入力装置による操作入力を受け付けないことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載にPOS端末装置。
【請求項7】
販売時点情報管理を行うPOSシステムであって、
撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部、
を備える管理装置と、
前記動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる表示制御部、
を備えるPOS端末装置と、
を有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項8】
販売時点情報管理を行うPOS端末装置の取引確認方法であって、
前記POS端末装置が、
撮像装置により商品の会計時の店員と顧客との取引動作が撮像されて生成された取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、
前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる、
ことを特徴とする取引確認方法。
【請求項9】
コンピュータを、
撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とする取引確認プログラム。
【請求項1】
販売時点情報管理を行うPOS端末装置であって、
撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる表示制御部、
を有することを特徴とするPOS端末装置。
【請求項2】
前記複数の表示装置および前記複数の入力装置の少なくとも一部が前記店員側に設けられ、前記複数の表示装置および前記複数の入力装置の他の少なくとも一部が前記顧客側に設けられていることを特徴とする請求項1記載のPOS端末装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記商品の会計時に発生した複数のイベントを当該各イベントの発生時間に対応付けた販売情報を記憶する販売情報記憶部に記憶された前記販売情報と、前記動画情報記憶部に記憶された前記動画情報とに基づいて、同じ時間に対応付けられた前記販売情報と前記取引画像とを前記複数の表示装置に表示させることを特徴とする請求項2記載のPOS端末装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記販売情報に含まれる前記各イベントを指定する前記複数の入力装置の前記操作入力を受け付ける操作部を前記複数の表示装置に表示させ、当該操作部に対する前記操作入力を受け付けると、当該操作入力で指定されるイベントの前記発生時間に対応付けられた取引画像を前記複数の表示装置に表示させることを特徴とする請求項3記載のPOS端末装置。
【請求項5】
前記各イベントとして、少なくとも前記商品の情報の入力処理、前記商品の合計価格の算出処理、前記顧客から受け取った預かり金の入力処理および前記顧客に渡す釣銭の算出処理を検知し、当該各イベントを含む前記販売情報を生成して前記販売情報記憶部に格納する会計処理部を更に有することを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載のPOS端末装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記複数の入力装置のうち前記店員側に設けられた入力装置による操作入力を受け付けている間は、前記顧客側に設けられた入力装置による操作入力を受け付けないことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載にPOS端末装置。
【請求項7】
販売時点情報管理を行うPOSシステムであって、
撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部、
を備える管理装置と、
前記動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる表示制御部、
を備えるPOS端末装置と、
を有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項8】
販売時点情報管理を行うPOS端末装置の取引確認方法であって、
前記POS端末装置が、
撮像装置により商品の会計時の店員と顧客との取引動作が撮像されて生成された取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、
前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる、
ことを特徴とする取引確認方法。
【請求項9】
コンピュータを、
撮像装置が商品の会計時の店員と顧客との取引動作を撮像して生成した取引画像を時間に対応付けて継続的に記録した動画情報を記憶する動画情報記憶部に記憶された前記動画情報に基づいて、前記取引画像と当該取引画像に対応する前記時間とを複数の表示装置に表示させ、前記複数の表示装置の表示画面に対する操作入力を受け付ける複数の入力装置のいずれか1つから表示対象の時間を変更する所定の操作入力を受け付けると、当該変更後の時間に対応する取引画像を前記複数の表示装置に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とする取引確認プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−198523(P2010−198523A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45068(P2009−45068)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]