RAGE融合タンパク質及びその使用方法
RAGEポリペプチドを含む融合タンパク質であって、当該RAGEポリペプチドが哺乳類野生型RAGEペプチドの断片を含み、そして当該融合タンパク質のRAGEポリペプチド部分に、野生型RAGEペプチドに対して1つ以上の点突然変異を有する、当該融合タンパク質を開示する。前記点突然変異は、グリコシル化部位又は酵素開裂部位を除去及び/又は変換してもよい。また、そのようなタンパク質をコードする核酸、及びRAGEが介在する疾患を処置するためのそのようなタンパク質の使用方法も開示される。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫グロブリンポリペプチドに結合した終末糖化産物受容体(RAGE)ポリペプチドを含む融合タンパク質であり、当該RAGEポリペプチドが、リガンド結合ドメインを有する哺乳類RAGEの断片を含み、当該RAGE融合タンパク質が、1つ以上の前記RAGEポリペプチド又は前記免疫グロブリンポリペプチドにおいて野生型の配列と比較して1つ以上の突然変異を含み、そして当該突然変異が、1つ以上のグリコシル化部位又は酵素開裂部位を除去及び/又は変換するものである、前記融合タンパク質。
【請求項2】
前記RAGEポリペプチドがヒトRAGEポリペプチドである、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記突然変異が、野生型RAGEポリペプチド中のグリコシル化部位に存在する配列を変更するものである、請求項1又は2のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記グリコシル化部位が、アミノ酸配列NXS又はNXTを有し、ここでXがいずれかのアミノ酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記突然変異が、1つ以上のグリコシル化部位を除去するため、野生型RAGEポリペプチド配列のNITをQITに、NGSをQGSに、NGSをNSSに、又はNSTをQSTに変更する突然変異を1つ以上含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記グリコシル化部位が、RAGEポリペプチドのリガンド結合部位又はリガンド結合ドメインの内部にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記酵素開裂部位がフリン開裂部位であることにより、前記突然変異がRAGEポリペプチドのフリン(furin)開裂の認識部位に存在する野生型ポリペプチドの配列を変化させる、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記突然変異が、野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸配列の:(i) PRHRALRをPHRAALRに;(ii) PRHRALRをPRHKALRに;(iii) PRHRALRをPRHRALAに;(iv) PRHRALRをPRHRALKに;(v) PRHRALRをPRHRALHに;又は(vi) PRHRALRをPRHRALTに変更する突然変異を1つ以上含むことにより、フリン開裂部位を除去するものである、請求項1及び7のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記RAGEポリペプチドが野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
1つ以上の突然変異が:野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドの(i) N2Q; (ii) N58Q; (iii) G59S; (iv) N2Q及びN58Q;又は(v) N2Q及びG59Sの1つ以上を含むものである、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドが:(i)配列番号:8、配列番号:16、若しくは配列番号:20;又は(ii) N末端のグルタミンが環状化してピログルタミン酸を有する、配列番号:8、配列番号:16、若しくは配列番号:20の1つ以上に記載の配列を有する、請求項10に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
前記突然変異がフリン開裂部位を除去するためのものであって、前記野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドのR195A, R195K, R195T, R195H, R198A, R198K, R198H, R198Tの1つ以上を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドが、配列番号:20、又はN末端のグルタミンが環状化してピログルタミン酸を有する配列番号20に記載の配列を有する、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
前記免疫グロブリンポリペプチドが、ヒンジ領域の部分以上を含まないCH2ドメインの断片を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
前記CH2ドメインの断片に含まれないヒンジ領域が配列番号:223又は配列番号:224に記載の配列を有する、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
前記CH2ドメインがC末端を介して免疫グロブリンポリペプチドのCH3ドメインのN末端と連結する、請求項14又は15のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項17】
前記免疫グロブリンがヒトIgGを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
前記免疫グロブリンのCH2ドメインが、配列番号:38、又はC末端にリシンを有しない配列番号:38を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
配列番号:58〜82、配列番号92〜190、又は配列番号:200若しくは201のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むRAGEポリペプチドを含む融合タンパク質。
【請求項20】
RAGEポリペプチドを含む融合タンパク質であり、当該RAGEポリペプチドが、配列番号:58〜82、配列番号92〜190、又は配列番号:200若しくは201のいずれか1つに記載されている、前記融合タンパク質。
【請求項21】
モノマー、ダイマー、トリマー、テトラマー、又はそれらの混合物の形態をとる、請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質及び医薬として許容される担体を含む組成物。
【請求項23】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする単離された核酸。
【請求項24】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクター。
【請求項25】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターをトランスフェクションした宿主細胞。
【請求項26】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質又は請求項22に記載の組成物を対象に投与することを含む、対象中のRAGE介在疾患を治療する方法。
【請求項27】
前記RAGE介在疾患が、糖尿病又は糖尿病後期合併症の症状を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記前記糖尿病又は糖尿病後期合併症の症状が、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性脚部潰瘍、心臓血管合併症、又は糖尿病性神経症の1つ以上を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記RAGE介在疾患が、アミロイドーシス、アルツハイマー症、癌、腎不全、自己免疫疾患に関連する炎症、炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、低酸素症、脳卒中、心臓発作、出血性ショック、敗血症、臓器移植、又は創傷治癒の障害の1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項1】
免疫グロブリンポリペプチドに結合した終末糖化産物受容体(RAGE)ポリペプチドを含む融合タンパク質であり、当該RAGEポリペプチドが、リガンド結合ドメインを有する哺乳類RAGEの断片を含み、当該RAGE融合タンパク質が、1つ以上の前記RAGEポリペプチド又は前記免疫グロブリンポリペプチドにおいて野生型の配列と比較して1つ以上の突然変異を含み、そして当該突然変異が、1つ以上のグリコシル化部位又は酵素開裂部位を除去及び/又は変換するものである、前記融合タンパク質。
【請求項2】
前記RAGEポリペプチドがヒトRAGEポリペプチドである、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記突然変異が、野生型RAGEポリペプチド中のグリコシル化部位に存在する配列を変更するものである、請求項1又は2のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記グリコシル化部位が、アミノ酸配列NXS又はNXTを有し、ここでXがいずれかのアミノ酸である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記突然変異が、1つ以上のグリコシル化部位を除去するため、野生型RAGEポリペプチド配列のNITをQITに、NGSをQGSに、NGSをNSSに、又はNSTをQSTに変更する突然変異を1つ以上含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記グリコシル化部位が、RAGEポリペプチドのリガンド結合部位又はリガンド結合ドメインの内部にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記酵素開裂部位がフリン開裂部位であることにより、前記突然変異がRAGEポリペプチドのフリン(furin)開裂の認識部位に存在する野生型ポリペプチドの配列を変化させる、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記突然変異が、野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸配列の:(i) PRHRALRをPHRAALRに;(ii) PRHRALRをPRHKALRに;(iii) PRHRALRをPRHRALAに;(iv) PRHRALRをPRHRALKに;(v) PRHRALRをPRHRALHに;又は(vi) PRHRALRをPRHRALTに変更する突然変異を1つ以上含むことにより、フリン開裂部位を除去するものである、請求項1及び7のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記RAGEポリペプチドが野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
1つ以上の突然変異が:野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドの(i) N2Q; (ii) N58Q; (iii) G59S; (iv) N2Q及びN58Q;又は(v) N2Q及びG59Sの1つ以上を含むものである、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドが:(i)配列番号:8、配列番号:16、若しくは配列番号:20;又は(ii) N末端のグルタミンが環状化してピログルタミン酸を有する、配列番号:8、配列番号:16、若しくは配列番号:20の1つ以上に記載の配列を有する、請求項10に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
前記突然変異がフリン開裂部位を除去するためのものであって、前記野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドのR195A, R195K, R195T, R195H, R198A, R198K, R198H, R198Tの1つ以上を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記野生型RAGEポリペプチドのアミノ酸1〜23を占めるN末端リーダーペプチドを含まないヒトRAGEポリペプチドが、配列番号:20、又はN末端のグルタミンが環状化してピログルタミン酸を有する配列番号20に記載の配列を有する、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
前記免疫グロブリンポリペプチドが、ヒンジ領域の部分以上を含まないCH2ドメインの断片を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
前記CH2ドメインの断片に含まれないヒンジ領域が配列番号:223又は配列番号:224に記載の配列を有する、請求項14に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
前記CH2ドメインがC末端を介して免疫グロブリンポリペプチドのCH3ドメインのN末端と連結する、請求項14又は15のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項17】
前記免疫グロブリンがヒトIgGを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
前記免疫グロブリンのCH2ドメインが、配列番号:38、又はC末端にリシンを有しない配列番号:38を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
配列番号:58〜82、配列番号92〜190、又は配列番号:200若しくは201のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むRAGEポリペプチドを含む融合タンパク質。
【請求項20】
RAGEポリペプチドを含む融合タンパク質であり、当該RAGEポリペプチドが、配列番号:58〜82、配列番号92〜190、又は配列番号:200若しくは201のいずれか1つに記載されている、前記融合タンパク質。
【請求項21】
モノマー、ダイマー、トリマー、テトラマー、又はそれらの混合物の形態をとる、請求項1〜20のいずれか1項に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質及び医薬として許容される担体を含む組成物。
【請求項23】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする単離された核酸。
【請求項24】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクター。
【請求項25】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターをトランスフェクションした宿主細胞。
【請求項26】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の融合タンパク質又は請求項22に記載の組成物を対象に投与することを含む、対象中のRAGE介在疾患を治療する方法。
【請求項27】
前記RAGE介在疾患が、糖尿病又は糖尿病後期合併症の症状を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記前記糖尿病又は糖尿病後期合併症の症状が、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性脚部潰瘍、心臓血管合併症、又は糖尿病性神経症の1つ以上を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記RAGE介在疾患が、アミロイドーシス、アルツハイマー症、癌、腎不全、自己免疫疾患に関連する炎症、炎症性腸疾患、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、低酸素症、脳卒中、心臓発作、出血性ショック、敗血症、臓器移植、又は創傷治癒の障害の1つ以上を含む、請求項26に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図1K】
【図1L】
【図1M】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図6I】
【図6J】
【図6K】
【図6L】
【図6M】
【図6N】
【図6O】
【図6P】
【図6Q】
【図6R】
【図6S】
【図6T】
【図6U】
【図6V】
【図6W】
【図6X】
【図6Y】
【図6Z】
【図6AA】
【図6BB】
【図6CC】
【図6DD】
【図6EE】
【図6FF】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8I】
【図8J】
【図8K】
【図8L】
【図8M】
【図8N】
【図8O】
【図8P】
【図8Q】
【図8R】
【図8S】
【図8T】
【図8U】
【図8V】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図1K】
【図1L】
【図1M】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図6G】
【図6H】
【図6I】
【図6J】
【図6K】
【図6L】
【図6M】
【図6N】
【図6O】
【図6P】
【図6Q】
【図6R】
【図6S】
【図6T】
【図6U】
【図6V】
【図6W】
【図6X】
【図6Y】
【図6Z】
【図6AA】
【図6BB】
【図6CC】
【図6DD】
【図6EE】
【図6FF】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図8I】
【図8J】
【図8K】
【図8L】
【図8M】
【図8N】
【図8O】
【図8P】
【図8Q】
【図8R】
【図8S】
【図8T】
【図8U】
【図8V】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−520166(P2013−520166A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553874(P2012−553874)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/053157
【国際公開番号】WO2011/102860
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(507036832)トランステック ファーマ,インコーポレイティド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/053157
【国際公開番号】WO2011/102860
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(507036832)トランステック ファーマ,インコーポレイティド (11)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]