説明

REおよびTCトリカルボニル錯体のための配位子を含有する二官能性三座ピラゾリル

本発明は、一般式:(I)、式中、mは0または1であり;XはNRまたはSであり;Yは、SR、NHRまたはP(Rであり;RおよびRは、同一であるかまたは異なり、H、アルキルまたはアリールから選択され;Rは、H、COOH、NHRまたは(CHCOORであり;Rは、H、アルキル、アリール、(CHCOORまたは(CHORであり;Rは、H、アルキル、アリール、(CHCOORまたは(CHORであり、Rは、H、アルキルまたはアリールであり;nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;そして、R=R=CHである場合、R、RおよびRは、3つ全部がHであることはない、のキレート化剤に関する。本発明はさらに、該キレート化剤を使用する、放射性標識生体分子を製造するための方法およびキットに関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、放射性医薬の分野に属し、生体分子と、テクネチウムおよびレニウムで標識するためのカルボニル部分を連結する、新しいキレート化剤を提供する。特に、本発明は、部分[M(CO)(M=Re、Tc、Mn)を安定化し、病んでいる組織に蓄積する生体分子に結合する、二官能性三座ピラゾリル−ポリアミン化合物、ピラゾリル−アミノチオエーテル化合物、ピラゾリル−ポリチオエーテル化合物、ピラゾリル−アミノホスフィン化合物およびピラゾリル−チオエーテルホスフィン化合物に関する。本発明は、キレーター自体、生体分子に結合しているキレーター、およびこれらのいずれかのカルボニルと錯体化したものに関する。加えて、本発明は、放射性標識した生体分子を提供するためのキット、およびそのような放射性標識化した分子の診断および治療における使用に関する。
【0002】
癌の診断と治療は、化学、放射化学および医薬的観点から、依然としてかなりの入力を必要としている。高い比活性と特異性を有するインビトロおよびインビボで安定な腫瘍捜索化合物は、放射性医薬の分野において依然として重要な論点である。[Re(CO)および[Tc(CO)[1]に関する国際特許の公開以来、この酸化状態にかなりの関心が生じ、このことは医薬および核医学の分野に新しい展望を開いている。新しいキレート化剤の探索は、それらが生物学的ベクターの取込みの決定要因であるため、必須である。いくつかのキレート化剤は、特許[1、2]および刊行物[3、4、5]に記載されてきた。
【0003】
本発明の目的は、二官能性キレート化剤のファミリーを拡大することである。
このことは、本発明により、一般式:
【化1】

式中、mは0または1であり;
XはNRまたはSであり;
Yは、SR、NHRまたはP(Rであり;
およびRは、同一であるかまたは異なり、H、アルキルまたはアリールから選択され;
は、H、COOH、NHRまたは(CHCOORであり;
は、H、アルキル、アリール、(CHCOORまたは(CHORであり;
は、H、アルキル、アリール、(CHCOORまたは(CHORであり;
は、H、アルキルまたはアリールであり;
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;そして、
ここで、R=R=CHである場合、R、RおよびRは、3つ全部がHであることはない、
のキレート化剤により達成される。
【0004】
これらの分子は、2つの官能基を一緒にする。一方は放射性金属を含む金属中心の安定化のためであり、様々なドナー原子のセットを含み、他方は関心のある分子に結合するための官能基である。
【0005】
アルキルは、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキルであり、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル(2−メチルペンチル)、ネオヘキシル(2,2−ジメチルブチル)、3−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチルから選択される。
【0006】
アリールは、単環式C−Cまたは多環式C10−C18であり、アルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある。
nは、2、3、4、5または6、そして好ましくは2、3または4である。
【0007】
該キレート化剤は、例えば、一般式:
【化2】

式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義の通りである、
のピラゾリル−ポリアミンである。
【0008】
あるいは、該キレート化剤は、一般式:
【化3】

式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義の通りである、
のピラゾリル−アミノチオエーテルである。
【0009】
また他の実施態様では、該キレート化剤は、一般式:
【化4】

式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義の通りである、
のピラゾリル−ポリチオエーテルである。
【0010】
また他の実施態様では、該キレート化剤は、一般式:
【化5】

式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義の通りである、
のピラゾリル−アミノホスフィンである。
【0011】
さらなる実施態様では、該キレート化剤は、一般式:
【化6】

式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義の通りである、
のピラゾリル−チオエーテルホスフィンである。
【0012】
本発明はさらに詳しくは、式中、XおよびYがNであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、単環式アリール、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18アリール(場合によりアルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある)、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、式Iのキレート化剤を提供する。
【0013】
他の実施態様では、本発明は、式中、XおよびYがSであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、単環式アリール、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18アリール(場合によりアルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある)、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、式Iのキレート化剤に関する。
【0014】
なお他の実施態様では、式中、XがNであり、YがSであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、単環式アリール、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18アリール(場合によりアルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある)、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、式Iのキレート化剤が提供される。
【0015】
そのさらなる態様によると、本発明は、式中、XがSであり、YがNであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、単環式アリール、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18アリール(場合によりアルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある)、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが表1に挙げる通りである、式Iのキレート化剤に関する。
【0016】
本発明の他の態様によると、式中、XがNであり、YがPであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、単環式アリール、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18アリール(場合によりアルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある)、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが表1に挙げる通りである、式Iのキレート化剤が提供される。
【0017】
他の実施態様では、本発明は、式中、XがSであり、YがPであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、単環式アリール、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18アリール(場合によりアルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある)、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが表1に挙げる通りである、式Iのキレート化剤に関する。
【0018】
本発明のキレート化剤は、標的に対して高い特異性を有する標識化生体分子を達成するために、生体分子をカルボニル部分と連結するのに特に適する。故に、式I中、Rは生体分子であることができる。
該生体分子(BM)の可能な位置を、図1に示す。
【0019】
該生体分子は、腫瘍の処置および診断に有用であり、本発明のキレーターに結合できるいずれのものでもよい。当業者は、本発明のキレーターを使用できる生体分子を確立することができるであろう。特に、該生体分子は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、糖から選択される。
【0020】
より具体的には、該生体分子は、抗体、CCKなどの腫瘍の受容体のリガンド、チオグルコース、グルコサミン、ソマトスタチン、ニューロテンシン、ボンベシン、CCK、アネキシン、インターロイキン、成長因子、ステロイドホルモンおよびGPIIb/IIIa受容体に結合する分子からなる群から選択される。他の生体分子は、グルコース、チオグルコース、神経伝達物質、ベンゾチオピラノン化合物、アニリノフタルイミド化合物、キナゾリン化合物、ピリドピリミジン化合物およびピロロピリミジン化合物などのチロシンキナーゼ活性の阻害因子であり得る。
【0021】
本発明の特定の物質は、以下のものである:
【化7】

【0022】
キレート化剤はすべて、それらに結合している生体分子があってもなくても、式[M(CO)(式中、Mはレニウム(Re)、テクネチウム(Tc)またはマンガン(Mn)である)のカルボニル部分と錯体化できる。
【0023】
本発明のキレート化剤は、式中、XとYが、NとN、NとS、SとN、SとS、NとP、またはSとPのいずれかであり得る、式Iに従う分子である。これらの組合せの各々は、R、R、R、RおよびRの様々な組合せと組み合わせることができる。R、R、R、RおよびRのすべての可能な組合せを表1に挙げる。表1中、アルキルはCアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキルであり、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル(2−メチルペンチル)、ネオヘキシル(2,2−ジメチルブチル)、3−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチルから選択され;アリールは、単環式C−C、または多環式C10−C18であり、アルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもあり、特にフェニルまたはベンジルであり、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。Rは、H、アルキル、アリールまたは上記定義の生体分子である。上記の可変部分の各々を表のものに置換することにより、本明細書で開示する請求項1の全化合物が得られる。
【0024】
表1
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
【表3】

【0027】
【表4】

【0028】
【表5】

【0029】
【表6】

【0030】
【表7】

【0031】
【表8】

【0032】
【表9】

【0033】
【表10】

【0034】
【表11】

【0035】
【表12】

【0036】
【表13】

【0037】
【表14】

【0038】
【表15】

【0039】
【表16】

【0040】
【表17】

【0041】
【表18】

【0042】
【表19】

【0043】
【表20】

【0044】
【表21】

【0045】
【表22】

【0046】
【表23】

【0047】
【表24】

【0048】
【表25】

【0049】
【表26】

【0050】
【表27】

【0051】
【表28】

【0052】
【表29】

【0053】
【表30】

【0054】
【表31】

【0055】
【表32】

【0056】
【表33】

【0057】
【表34】

【0058】
【表35】

【0059】
【表36】

【0060】
【表37】

【0061】
【表38】

【0062】
【表39】

【0063】
【表40】

【0064】
【表41】

【0065】
【表42】

【0066】
本発明はまた、
a)キレーター−カルボニル錯体を形成するための条件下で、本発明のキレート化剤を、式[M(CO)(式中、Mはレニウム(Re)またはテクネチウム(Tc)である)のカルボニル部分と接触させること;および、
b)放射性標識化生体分子を得るために、該錯体を生体分子と接触させること、
を含む、放射性標識化生体分子の調製方法に関する。この方法は、温度および極端なpHに敏感な生体分子の標識化に特に有用である。
【0067】
この方法は、例えば、本発明のキレート化剤を有する第1の容器、場合により、キレート化剤をカルボニル部分と接触させるための第1の反応容器、生体分子を有する第2の容器、および、場合により、生体分子を反応の第1段階で得られるキレーター−カルボニル錯体と反応させるための第2の反応容器を含むキットを用いて実施できる。
【0068】
別の実施態様では、本方法は、
a)キレーター−生体分子を得るために、本発明のキレート化剤を生体分子と接触させること;および、
b)放射性標識化生体分子を形成するための条件下で、キレーター−生体分子を、式[M(CO)(式中、Mはレニウム(Re)またはテクネチウム(Tc)である)のカルボニル部分と接触させること;
を含む、放射性標識化生体分子の調製方法を提供する。
【0069】
この方法を実施するためのキットは、例えば、本発明のキレート化剤を有する第1の容器、場合により、キレート化剤を生体分子と反応させるための第1の反応容器、カルボニル部分を有する第2の容器、および、場合により、反応の第1段階で得られるキレーター−生体分子をカルボニルと反応させるための第2の反応容器を含む。
【0070】
本発明をさらに、以下の実施例で例示説明する。
【0071】
実施例
導入
二官能性ピラゾリル−ポリアミン化合物、ピラゾリル−ポリチオエーテル、ピラゾリルアミノ−チオエーテル配位子、ピラゾリル−アミノホスフィン化合物およびピラゾリル−チオエーテルホスフィン化合物は、金属を安定化する異なるドナー原子のセットを含有し、例えば、モノクローナル抗体、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよび糖タンパク質などの捜索分子が結合できる異なる官能基を異なる位置で有する。それらはまた、分子の物理化学的特性を調整するために、異なる置換基およびアルキル鎖を骨格の異なる位置で有することもできる。
【0072】
一般的な概要を図1に示す。これは、[M(CO)(M=Re、Tc、Mn)のタイプの金属フラグメントについて可能な組合せを示している。本発明の主題である5つの異なるタイプの二官能性三座ピラゾリル含有配位子を、図2に図解的に記載する。
【0073】
本発明を明確にすることを専ら意図する図3−6で、本発明をさらに例示説明する。この配位子のファミリーは、熱力学的に安定な錯体をもたらし、骨格の多様性は、化合物の物理化学的特性を、そして明らかに薬物動態を調整するために、重要な要因である。図6では、実施例として言及されるいくつかのReおよびTc錯体が図解的に表される。
【0074】
材料と方法
1. 2−[2−(ピラゾール−1−イル)エチルイミノ]エチルアミン(pz(CHNH(CHNH)(1)の合成(図3参照)
テトラヒドロフラン中の1−(2−ブロモエチル)ピラゾール[6d](12mmol)の溶液を、水中のエチレンジアミン(0.24mol)の溶液に滴下して添加した。混合物を4時間還流させた。THFを真空下で除去し、水相をジクロロメタンで洗浄した。真空下で乾燥させた後、pz(CHNH(CHNH(1)と公式化される黄色油状物を得た。
収率:50%
1H-NMR (D2O): 7.53 (d, H(3)pz, 1H); 7.45 (d, H(5)pz, 1H); 6.23 (t, H(4)pz, 1H); 4.14 (t, CH2, 2H); 2.91 (t, CH2, 2H); 2.77 (t, CH2, 2H); 2.62 (t, CH2, 2H).
【0075】
2. pz(CHN[(CHCOOH](CHNH(4)の合成(図3参照)
2.1. BOC−ON保護
DMF(20ml)中の1(1.1g;7mmol)の溶液を、0℃に冷却し、DMF(20ml)中のBOC−ON(1.7g;7mmol)の溶液を滴下して添加した。反応混合物を3時間0℃で撹拌した。溶媒を真空下で除去し、固体残渣を水に溶解し、クロロホルムで3回洗浄し、2を油状物として得た。収率:68%。1H-NMR (D2O): 7.55 (d, H(3)pz, 1H); 7.47 (d, H(5)pz, 1H); 6.24 (t, H(4)pz, 1H); 4.38 (t, CH2, 2H); 3.40 (t, CH2, 2H); 3.20 (t, CH2, 2H); 2.99 (t, CH2, 2H); 1.25 (s, CH3, 9H).
【0076】
2.2. エチル4−ブロモブチレートのアルキル化、加水分解および脱保護
化合物2(757mg;3mmol)をアセトニトリル10mlに溶解した。炭酸カリウム(829mg;6mmol)および触媒量のヨウ化カリウムを溶液に添加し、エチル4−ブロモブチレート(858ml、16mmol)を滴下して添加した。3日間還流させた後、上清を濾過により分離し、真空乾燥させ、3を得た。この化合物(733mg、2mmol)をNaOH(800mg、20mmol)の水性溶液に溶解し、1日室温で反応させた。次いで、溶液をHCl 1Nで中和し、真空乾燥させた。固体残渣をメタノールに溶解し、沈殿する塩を濾過し、溶媒を真空下で除去し、4と公式化される黄色/茶色の油状物を得た。収率:(50%)。
1H-NMR (D2O): 7.78 (d, H(3)pz, 1H); 7.64 (d, H(5)pz, 1H); 6.42 (t, H(4)pz, 1H); 4.36 (t, CH2, 2H); 3.10 (t, CH2, 2H); 3.02 (t, CH2, 2H); 2.86 (t, CH2, 2H); 2.64 (t, CH2, 2H); 2.15 (t, CH2, 2H); 1.68 (q, CH2, 2H).
【0077】
3. 合成(4−カルボキシル)pz(CHNH(CHNH(7)(図3参照)
3.1. エチルN−2−ヒドロキシエチル−4−ピラゾールカルボキシレート(5)
ピラゾール化合物[7]を製造するための古典的アプローチを使用して、化合物5を製造した。エチル2−ホルミル−3−オキソプロピオネート(2.80g;20mmol)をエタノール20mlに溶解し、0℃に冷却した。2−ヒドロキシエチルヒドラジン(1.44g;20mmol)をエタノール100mlに溶解し、エチル2−ホルミル−3−オキソプロピオネートの溶液に滴下して添加した。反応混合物を終夜室温で静置した。溶媒を真空で除去し、黄色油状物を得た。収率:95%
1H-NMR (CDCl3): 7.93 (s, H(3)pz, 1H); 7.91 (s, H(5)pz, 1H); 4.30-4.22 (m, CH2+OCH2, 5H); 3.99 (t, CH2, 2H); 1.30 (t, CH3, 3H).
【0078】
3.2. エチルN−(2−p−トルエンスルホニルエチル)−4−ピラゾールカルボキシレート(6)
エチルN−2−ヒドロキシエチル−4−ピラゾールカルボキシレート(5)(2.76g、15mmol)およびp−トルエンスルホニルクロリド(2.85g、15mmol)を、アセトン(15ml)および水(15ml)の溶液に懸濁し、0℃に冷却した。水(10ml)中のNaOH(0.6g、15mmol)の溶液を15分間滴下して添加した。次いで、混合物を室温に到達させ、終夜激しく撹拌した。アセトンを蒸発させ、水性溶液をクロロホルムで3回抽出し、黄色油状物を得た。収率:60%
1H-NMR (CDCl3): 7.82 (s, H(3)pz, 1H); 7.76 (s, H(5)pz, 1H); 7.61 (d, H(ph), 2H); 7.26 (d, H(ph), 2H); 4.35 (q, OCH2, 2H); 4.24 (t, CH2, 2H); 2.15 (s, CH3, 3H) 1.33 (t, CH2, 2H).
【0079】
化合物7を次の通りに製造した。エチレンジアミン(16ml;0.24mol)を水(20ml)中のNaOH(9.6g;0.24mol)の溶液に溶解した。THF(10ml)中のエチルN−(2−p−トルエンスルホニルエチル)−4−ピラゾールカルボキシレート(6)(4.06g;12mmol)の溶液をエチレンジアミン溶液に滴下して添加した。反応混合物を24時間還流した。その後、溶媒を真空で除去し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:メタノール−NH/メタノール(50:50))により生成物を精製し、暗黄色固体を得た。収率:50%。
1H-NMR (D2O): δ 7.80 (s, H(3)pz, 1H); 7.64 (s, H(5)pz, 1H); 4.27 (t, CH2, 2H); 3.24 (t, CH2, 2H); 3.11-3.00 (m, 2CH2, 4H). IV (KBr) (ν/cm-1): 1690 (C=O).
【0080】
4. 3,5−Mepz(CHN[(CHGlyGlyOEt)](CHNH(13)の合成(図4)
4.1. BOC−ON保護(9)
化合物8(3.41g、18.71mmol)[4c]をTHF(25mL)に溶解し、−10℃ないし0℃の温度に冷却した。THF(20ml)中のBOC−ON(4.60g、18.71mmol)を滴下して添加し、反応混合物を2時間0℃で撹拌し、TLC(R=0.5、100%MeOH)でモニターして8の完全な変換に至った。次いで、反応混合物を室温に温め、飽和水性NaCO溶液およびジクロロメタンに分配した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、生成物9を定量的収量(H−NMRによる)で、粘性の高い無色油状物として得た。この生成物をさらに精製せずに次の段階で使用した。
1H-NMR (CDCl3): δ 5.76 (s, ピラゾール, 1H), 5.08 (s br., NH, 1H), 4.04 (t, CH2, 2H), 3.18 (m, CH2, 2H), 2.99 (t, CH2, 2H), 2.72 (t, CH2, 2H), 2.18 (s, CH3, 3H), 2.20 (s, CH3, 3H), 1.40 (s, C(CH3)3, 9H).
【0081】
4.2. 3,5−Mepz(CHN[(CHCOOH](CHNHBOC(11)の合成
CHCN(15mL)中の粗生成物9(1.02g)の撹拌溶液に、エチル4−ブロモブチレート(1.4g、7.20mmol)、KCO(1.00g、7.20mmol)および触媒量のKIを添加した。得られた懸濁液を激しい撹拌下で11日間、反応をTLC(R生成物=0.4、10%MeOH/CHCl)でモニターしながら反応させる。懸濁液中の白色固体を濾過により除去した後、溶媒を真空で蒸発させ、淡黄色粘性油状物を得た。粗生成物を、適切なシリカゲルカラムで、75−100%酢酸エチル/ヘキサン(勾配)用いてクロマトグラフィーし、10を淡黄色粘性油状物として得、それを数日間室温で静置して凝固させた。収量:0.73g(51%収率)
【0082】
THF(190mL)中の10(4.6g、11.60mmol)の溶液および水性NaOH(8.3mLの14N NaOH溶液、116.0mmol)を8時間還流した。反応をTLC(R生成物=0.2、10%MeOH/CHCl)によりモニターした。HCl 4N(pH6−7)で中和した後、THF/HO溶液を減圧下で蒸発乾固した。粗生成物を適切なシリカゲルカラムで10−50%MeOH/CHCl(勾配)を用いてクロマトグラフィーし、11を高粘性無色油状物として得た。それを数日間静置して結晶化させた。収量:2.82g(66%)。
【0083】
化合物10:1H-NMR (CDCl3): δ 5.75 (s, ピラゾール, 1H), 4.09 (q, CH2, 2H), 3.98 (s br., CH2, 2H), 3.08 (s br., CH2, 2H), 2.78 (s br., CH2, 2H), 2.45-2.51 (m, CH2, 4H), 2.23 (s, CH3, 3H), 2.18 (m, CH3, CH2, 5H), 1.63 (s br., CH2, 2H), 1.41 (s, C(CH3)3, 9H), 1.23 (t, CH3, 3H).
化合物11:1H-NMR (CDCl3): δ 5.81 (s, ピラゾール, 1H), 4.93(s br., NH, 1H) 4.12 (t br., CH2, 2H), 3.04 (q br., CH2, 2H), 2.86 (t br., CH2, 2H), 2.58-2.64 (m, CH2, 4H), 2.42 (t, CH2, 2H), 2.24 (s, CH3, 3H), 2.19 (s, CH3, 3H), 1.79 (m, CH2, 2H), 1.40 (s, C(CH3)3, 9H).
【0084】
化合物3,5−Mepz(CHN[(CHCONHGlyGlyOEt](CHNH(13)を以下の通りに製造した(図4参照)。
CHCN(48mL)中の11(1.51g、4.09mmol)の溶液に、GlyGlyエチルエステル塩酸塩(0.57g、4.09mmol)、トリエチルアミン(1.24g、12.27mmol)およびHBTU(1.55g、4.09mmol)を添加した。反応混合物を20時間、室温、窒素下で撹拌した。反応をTLC(R生成物=0.8、20%MeOH/CHCl)でモニターした。溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物を、適切なシリカゲルカラムで、3−5%MeOH/CHCl(勾配)を用いてクロマトグラフィーにより精製し、12を粘性無色油状物として得た。収率:1.23g(59%)。
【0085】
CHCl/TFA(25mL/4.1mL)中の3,5−Mepz(CHN[(CHCONHGlyGlyOEt](CHNHBOC(12)(1.23g、2.41mmol)の溶液を、2時間反応させた。反応をTLC(R=0.4、20%MeOH/CHCl)によりモニターした。溶媒およびTFAを減圧下で蒸発させ、高粘性の淡黄色油状物を得た。この油状物を水に溶解し、NaOH 1N(pH7−8)で中和し、溶媒を蒸発乾固した。TLC:R=0.2、20%MeOH/CHCl。化合物を適切なシリカゲルカラムで20−40%MeOH/CHCl(勾配)を用いてクロマトグラフィーによりさらに精製し、13を粘性無色油状物として得た。収量:0.97g(98%)。
【0086】
化合物12:1H-NMR (CDCl3): δ 8.66 (s br., NH, 1H), 7.00 (s br., NH, 1H), 5.80 (s, ピラゾール, 1H), 4.91 (s br., NH, 1H) 4.15 (q., CH2, 2H), 4.04 (s br., CH2, 2H), 3.97 (d, CH2, 2H), 3.90 (d, CH2, 2H), 2.89 (s br., CH2, 2H), 2.69 (s br., CH2, 2H), 2.51 (s br., CH2, 2H), 2.39 (s br., CH2, 2H), 2.30 (s br., CH2, 2H), 2.20 (s, CH3, 3H), 2.18 (s, CH3, 3H), 1.74 (s br., CH2, 2H), 1.38 (s, C(CH3)3, 9H), 1.23 (t, CH3, 3H).
化合物13:1H-NMR (CD3OD): δ 5.84 (s, ピラゾール, 1H), 4.17 (q, CH2, 2H), 4.06 (t, CH2, 2H), 3.91 (d, CH2, 4H), 2.97 (t, CH2, 2H), 2.71-2.80 (m, CH2, 4H), 2.51 (t, CH2, 2H), 2.25 (s, CH3, 3H), 2.15 (s, CH3, 3H), 2.12 (t, CH2, 2H), 1.66 (m, CH2, 2H), 1.25 (t, CH3, 3H).
【0087】
5. 3,5−Mepz(CHS(CHS(CH)COOEt(16)の合成(図5)
5.1 3,5−Mepz(CHS(CHOH(14)の合成
HSCHCHOH0.70ml(10mmol)を水中のNaOH0.40g(10mmol)と混合し、溶液を5分間還流した。この溶液に、テトラヒドロフラン(THF)に溶解したN−(2−p−トルエンスルホニルエチル)−3,5−ジメチルピラゾール2.78g(10mmol)を室温で滴下して添加し、続いて3時間穏やかに還流した。混合物をクロロホルムで抽出し、そこから真空下で乾燥の後、1.62gの14を黄色油状物として得た(8.10mmol、81%)。
化合物14:1H-NMR (CDCl3): 5.67 (s, pz-H, 1H); 4.39 (s, OH, 1H); 4.03 (t, CH2, 2H); 3.60 (t,CH2, 2H); 2.83 (t, CH2, 2H); 2.50 (t, CH2, 2H); 2.14 (s, CH3, 3H); 2.09 (s, CH3, 3H).
【0088】
5.2 3,5−Mepz(CHS(CHBr(15)の合成
PBr0.19ml(2mmol)を、クロロホルムに溶解した14(0.40g、2mmol)に添加し、生じた溶液を24時間N下で還流した。混合物を10%NaHCO溶液20mlで処理した。有機相を分離し、クロロホルムを真空下で除去し、0.329gの15を黄色油状物として得た(1.25mmol、63%)。
1H-NMR (CDCl3): 5.82 (s, pz-H, 1H); 4.15 (t, CH2, 2H); 3.36 ( t, CH2, 2H); 3.00 (t, CH2, 2H); 2.70 (t, CH2, 2H); 2.26 (s, CH3, 3H); 2.23 (s, CH3, 3H).
【0089】
下、乾燥エタノールを金属のナトリウム(0.15g、4.56mmol)に添加し、混合物を室温でナトリウムエトキシドに完全に変換するまで撹拌した。この混合物にエチル2−メルカプトアセテート(0.50ml、4.56mmol)のエタノール性溶液を滴下して添加し、続いてエタノール中の3,5−Mepz(CHS(CHBr(15)1.20g(4.56mmol)を添加した。反応混合物を終夜室温で撹拌した。この時間の後、溶媒を真空下で除去し、生じた油状物をクロロホルムに溶解した。水で洗浄後、有機相を真空下で乾燥させ、1.00gの16を黄色油状物として得た(3.3mmol、72.4%)。
化合物16:1H-NMR (CDCl3): 5.82 (s, pz-H, 1H); 4.14 (m, CH2, CH2-COO, 4H); 3.25 (s, CH2, 2H); 2.92 (t, CH2, 2H); 2.75 (t, CH2, 2H); 2.57 (t, CH2, 2H); 2.2 (s, CH3, 3H); 2.16 (s, CH3, 3H); 1.25 (t, CH3, 3H).
【0090】
6. ReおよびTc化合物(図6参照)
6.1. [Re(CO)(κ−pz(CHNH(CHNH)]Br(17a)の合成
(NEt[ReBr(CO)]100mg(0.130mmol)を水中の化合物1(pz(CHNH(CHNH)20mg(0.130mmol)と混合し、溶液を2時間還流した。次いで、体積を真空下で減らし、混合物を4℃で白色固体が沈殿するまで静置した。収率:>90%(H−NMRによる)。
1H-NMR (D2O): 7.82 (d, H(3)pz, 1H); 7.76 (d, H(5)pz, 1H); 6.54 (s br, NH, 1H); 6.39 (t, H(4)pz, 1H); 4.86 (s, largo, NH2, 1H); 4.43 (m, CH2, 1H); 4.16 (m, CH2, 1H); 3.94 (s, largo, NH2, 1H); 3.50 (m, CH2, 1H); 2.87 (m, CH2, 1H); 2.71 (m, CH2, 2H); 2.48 (m, CH2, 1H); 2.08 (m, CH2, 1H).
【0091】
6.2. 99mTc(CO)(κ−pz(CHNH(CHNH)]+(17b)の合成
化合物1(pz(CHNH(CHNH)10−4Mの溶液100μlを、リン酸緩衝液中の[99mTc(OH)(CO)]+(1−2mCi)1mlに添加した。溶液を30分間100℃でインキュベートし、次いで、HPLCにより分析した。放射化学的純度は>90%であった。
【0092】
6.3. [Re(CO)(κ−(4−カルボン酸)pz(CHNH(CHNH)]Br(18a)の合成
(NEt[ReBr3(CO)]100mg(0.130mmol)を水中の26mg(0.130mmol)の化合物7と混合し、溶液を2時間還流した。次いで、体積を真空下で減らし、混合物を4℃で白色固体が沈殿するまで静置した。
収率:>90%(H−NMRによる)
1H-NMR (D2O): δ 8.22 (s, H(3)pz, 1H); 8.20 (s, H(5)pz, 1H); 6.62 (s, largo, NH, 1H); 4.94 (s, largo, NH2, 1H); 4.43 (m, CH2, 1H); 4.25 (m, CH2, 1H); 4.05 (s, largo, NH2, 1H); 3.52 (m, CH2, 1H); 2.92 (m, CH2, 1H); 2.76 (m, CH2, 2H); 2.53 (m, CH2, 1H); 2.14 (m, CH2, 1H).
IV (KBr) (ν/cm-1): 2010 (C=O); 1885 (C=O); 1690 (C=O 配位子)
【0093】
6.4. [Re(CO)(κ−3,5−Mepz(CHN(CH(glygly)NH)]Br(19a)の合成
(NEt[ReBr(CO)]100mg(0.130mmol)を水中の53mg(0.130mmol)の配位子13と混合し、溶液を終夜還流した。
収率:100%(H−NMRによる)
1H-NMR (D2O): δ 6.04 (s, H(4)pz, 1H); 5.05 (s, br, NH2, 1H); 4.36-4.31 (m, CH2, 1H); 4.16-4.04 (m, CH2, 1H); 3.88 (s, NHCH2CO, 2H); 3.84 (s, NHCH2CO, 2H); 3.65 (s, br, NH2, 1H); 3.53 (m, CH2, 1H); 3.30 (m, CH2, 2H); 2.86 (m, CH2, 1H); 2.74 (m, CH2, 2H); 2.57 (m, CH2, 1H); 2.40 (m, CH2, 1H); 2.31 (m, CH2, 1H); 2.73 (s, CH3, 3H); 2.16 (s, CH3, 3H); 2.10 (m, CH2, 1H); 1.95 (m, CH2, 1H).
【0094】
6.5. 99mTc(CO)(κ−3,5−Mepz(CHN(CH(glygly)NH)](19b)の合成
13(10−3M)の溶液100mlを、リン酸緩衝液中の[99mTc(OH)(CO)(1−2mCi)の溶液1mlに添加した。溶液を1時間100℃でインキュベートし、次いで、HPLCにより分析した。放射化学純度は>90%であった。
【0095】
7. ピラゾリル−アミノホスフィン化合物の合成(図7)
本発明のピラゾリル−アミノホスフィン化合物の製造は、1−(2−アミノエチル)ピラゾール化合物を(2−ブロモエチル)リン酸ジエチルエステルによりアルキル化し、ピラゾール−アミノ−ホスホネート誘導体(化合物a)を得ることを含む。水素化リチウムアルミニウム(LAH)による化合物aの還元により、第一級ホスフィン(化合物b)を得、それを酸性媒体中のホルムアルデヒドによる処理で最終キレーター(化合物c)に変換する (Katti et al., J. Am. Chem. Soc. 122, 1554 (2000)。
【0096】
8. ピラゾリル−チオエーテルホスフィン化合物(図8)の合成
本発明のピラゾリル−チオエーテルホスフィン化合物の製造は、1−(2−メルカプトエチル)ピラゾール化合物を(2−ブロモエチル)リン酸ジエチルエステルと反応させ、ピラゾール−チオエーテル−ホスホネート誘導体(化合物d)を得ることを含む(Katti et al., Angew. Chem. Int. Ed. 38, 2020 (1999)。水素化リチウムアルミニウムにより化合物dを還元し、続いて得られた第一級ホスフィン(化合物e)を酸性媒体中のホルムアルデヒドで処理し、最終キレーター(化合物f)を得る。
【0097】
参考文献
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【0098】
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[7] Holzer et al, J. Heterocyclic Chem. 130 (1993) 865
【図面の簡単な説明】
【0099】
(原文に記載なし)
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】

式中、mは0または1であり;
XはNRまたはSであり;
Yは、SR、NHRまたはP(Rであり;
およびRは、同一であるかまたは異なり、H、アルキルまたはアリールから選択され;
は、H、COOH、NHRまたは(CHCOORであり;
は、H、アルキル、アリール、(CHCOORまたは(CHORであり;
は、H、アルキル、アリール、(CHCOORまたは(CHORであり;
は、H、アルキルまたはアリールであり;
nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり;そして、
=R=CHである場合、R、RおよびRは、3つ全部がHであることはない、
のキレート化剤。
【請求項2】
該アルキルが、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキルである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項3】
該アルキルが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル(2−メチルペンチル)、ネオヘキシル(2,2−ジメチルブチル)、3−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチルである、請求項2に記載のキレート化剤。
【請求項4】
該アリールが、単環式、好ましくはフェニルもしくはベンジル、または多環式C10−C18であり、アルキル、カルボキシ、オキソ、アミノ、アルコキシまたはアルデヒド基により置換されていることもある、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項5】
該アリールがフェニルまたはベンジルである、請求項4に記載のキレート化剤。
【請求項6】
nが、2、3、4、5または6、そして好ましくは2、3または4である、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項7】
一般式:
【化2】

式中、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義の通りである、
のピラゾリル−ポリアミンである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項8】
一般式:
【化3】

式中、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義の通りである、
のピラゾリル−アミノチオエーテルである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項9】
一般式:
【化4】

式中、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義の通りである、
のピラゾリル−ポリチオエーテルである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項10】
一般式:
【化5】

式中、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義の通りである、
のピラゾリル−アミノホスフィンである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項11】
一般式:
【化6】

式中、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義の通りである、
のピラゾリル−チオエーテルホスフィンである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項12】
式中、XおよびYがNであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、フェニル、ベンジル、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項13】
式中、XおよびYがSであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、フェニル、ベンジル、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項14】
式中、XがNであり、YがSであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、フェニル、ベンジル、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項15】
式中、XがSであり、YがNであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、フェニル、ベンジル、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項16】
式中、XがSであり、YがP(Rであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、フェニル、ベンジル、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項17】
式中、XがNであり、YがP(Rであり、RがH、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルまたはCアルキル、フェニル、ベンジル、または生体分子であり、R、R、R、RおよびRが、表1に挙げる通りである、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項18】
が生体分子である、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項19】
該生体分子が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、糖から選択される、請求項18に記載のキレート化剤。
【請求項20】
該生体分子が、抗体、腫瘍受容体のリガンドからなる群から選択される、請求項19に記載のキレート化剤。
【請求項21】
該生体分子が、CCK、チオグルコース、グルコサミン、ソマトスタチン、ニューロテンシン、ボンベシン、CCK、アネキシン、インターロイキン、成長因子、ステロイドホルモンおよびGPIIb/IIIa受容体に結合する分子からなる群から選択される、請求項19に記載のキレート化剤。
【請求項22】
該生体分子が、グルコース、チオグルコース、神経伝達物質からなる群から選択される、請求項19に記載のキレート化剤。
【請求項23】
該生体分子が、ベンゾチオピラノン化合物、アニリノフタルイミド化合物、キナゾリン化合物、ピリドピリミジン化合物およびピロロピリミジン化合物などのチロシンキナーゼ活性の阻害因子である、請求項19に記載のキレート化剤。
【請求項24】
以下の式:
【化7】

の化合物である、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項25】
以下の式:
【化8】

の化合物である、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項26】
以下の式:
【化9】

の化合物である、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項27】
式[M(CO)(式中、Mは、レニウム(Re)、テクネチウム(Tc)またはマンガン(Mn)である)のカルボニル部分と錯体化する、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項28】
式[M(CO)(式中、Mはレニウム(Re)またはテクネチウム(Tc)である)のカルボニル部分と錯体化する、請求項18に記載のキレート化剤。
【請求項29】
a)キレーター−カルボニル錯体を形成するための条件下で、請求項1に記載のキレート化剤を、式[M(CO)(式中、Mはレニウム(Re)またはテクネチウム(Tc)である)のカルボニル部分と接触させること;および、
b)放射性標識化生体分子を得るために、該錯体を生体分子と接触させること、
を含む、放射性標識化生体分子の調製方法。
【請求項30】
本発明のキレート化剤を有する第1の容器、場合により、キレート化剤をカルボニル部分と接触させるための第1の反応容器、生体分子を有する第2の容器、および、場合により、生体分子を反応の第1段階で得られるキレーター−カルボニル錯体と反応させるための第2の反応容器を含む、請求項29に記載の方法を実施するためのキット。
【請求項31】
a)キレーター−生体分子を得るために、請求項1に記載のキレート化剤を生体分子と接触させること;および、
b)放射性標識化生体分子を形成するための条件下で、キレーター−生体分子を、式[M(CO)(式中、Mはレニウム(Re)またはテクネチウム(Tc)である)のカルボニル部分と接触させること;
を含む、放射性標識化生体分子の調製方法。
【請求項32】
本発明のキレート化剤を有する第1の容器、場合により、キレート化剤を生体分子と反応させるための第1の反応容器、カルボニル部分を有する第2の容器、および、場合により、反応の第1段階で得られるキレーター−生体分子をカルボニルと反応させるための第2の反応容器を含む、請求項31に記載の方法を実施するためのキット。
【請求項33】
腫瘍の診断または処置用の診断または治療剤の製造において使用するための、請求項1に記載のキレート化剤。
【請求項34】
腫瘍を診断または処置するための診断または治療剤として使用するための、請求項27に記載のキレート化剤。
【請求項35】
腫瘍を診断または処置するための診断または治療剤を製造するための、請求項1に記載のキレート化剤の使用。

【公表番号】特表2007−525452(P2007−525452A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510091(P2006−510091)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011685
【国際公開番号】WO2004/091669
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】