RFIDタグリーダ制御装置及びRFIDタグリーダ制御プログラム
【課題】バーコードデータに対応したアプリケーションプログラムからRFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムへの改造量を低減させる。
【解決手段】RFIDタグリーダ12が接続されるドライバ16は、複数のRFIDタグに関するデータを記憶可能なデータバッファ17を接続する。ドライバ16は、RFIDタグリーダ12で一括読取りされた複数のRFIDタグ26,27,28のデータをRFIDタグ毎に分割し、そのRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子と該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コードを取得して、データバッファ17に書き込む。その後、データバッファ17からタグ識別子と商品識別コードを1コードずつ読み出し、商品識別コードを処理するコントローラ13に供給する。
【解決手段】RFIDタグリーダ12が接続されるドライバ16は、複数のRFIDタグに関するデータを記憶可能なデータバッファ17を接続する。ドライバ16は、RFIDタグリーダ12で一括読取りされた複数のRFIDタグ26,27,28のデータをRFIDタグ毎に分割し、そのRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子と該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コードを取得して、データバッファ17に書き込む。その後、データバッファ17からタグ識別子と商品識別コードを1コードずつ読み出し、商品識別コードを処理するコントローラ13に供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)タグリーダで読取られた複数のRFIDタグのデータを用いて業務処理を行うコンピュータとRFIDタグリーダとのインターフェイスとして機能するRFIDタグリーダ制御装置及び前記コンピュータに前記RFIDタグリーダ制御装置としての機能を実現させるためのRFIDタグリーダ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば流通小売業の分野において、各商品にそれぞれ商品識別コードであるJAN(Japanese Article Number)コードのバーコードを付し、小売店舗,店舗管理本部,卸問屋等の各拠点では取扱う商品のバーコードをバーコードリーダで読取りコンピュータに入力することによって、取扱商品の情報を管理することは広く実施されている。その一方で、近年、固有のIDをタグ識別子として設定記憶したICチップとアンテナを有し、リーダ・ライタとの間で無線を利用して非接触で通信を行うことにより、IDの読出しや任意の情報の書込み及び読出しができる無線データキャリア、いわゆるRFIDタグが注目されている。
【0003】
バーコードは、バーコードリーダで1つずつスキャニングしないと読取れないために効率が悪いという問題がある。これに対して、RFIDタグは、リーダ・ライタとの交信制御にアンチコリジョン(衝突防止)という方式を用いることによって、1つのリーダ・ライタの交信可能範囲内に複数のRFIDタグが存在してもデータを一括して読取ることができるので効率がよい。そこで、各商品にそれぞれその商品のJANコード等が書き込まれたRFIDタグを付し、各拠点では取扱う商品に付されたRFIDタグのデータをRFIDタグリーダで一括して読取りコンピュータに入力することによって、取扱商品の情報を管理する仕組みを構築することが望まれている。
【0004】
従来、バーコードによる商品管理システムからRFIDタグによる商品管理システムへ移行する時期に両システムを併用し、スムーズに商品管理を行えるようにした技術は知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
なお、RFIDタグは、非接触型ICカード,無線タグ,ICタグ,トランスポンダ等とも称されるが、本明細書ではRFIDタグに統一する。また、リーダ・ライタに関してもRFIDタグリーダとして統一する。
【特許文献1】特開平11−096463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図14は従来のバーコードを用いた商品管理システムを実現するための概略構成図であり、コンピュータ1にバーコードリーダ2が接続されている。コンピュータ1は、主制御部としてのコントローラ3と、該コントローラ3によって処理される各種プログラムやデータ等を記憶するための記憶部4と、外部装置または周辺機器との通信インターフェイス5と、バーコードリーダ2を制御するリーダ制御装置としてのドライバ6とで構成されている。記憶部4には、バーコードから得られるJANコードを用いてコンピュータ1が実行する各種業務、例えば販売商品登録業務,入荷商品検品業務,在庫商品棚卸業務等を処理するためのアプリケーションプログラムが実装されている。
【0007】
このようなバーコードを用いたシステムからRFIDタグを用いたシステムに移行する場合、ハードウェア的にはバーコードリーダ2の代わりにRFIDタグリーダがコンピュータ1に接続されるだけなので、ドライバ6をRFIDタグリーダ対応のものに変更すればよい。
【0008】
しかしその場合には、RFIDタグリーダで一括して読取られた複数のRFIDタグのデータが一群となってドライバからコントローラ3に送り込まれるので、コントローラ3では、ドライバから受け取ったRFIDタグデータ群をRFIDタグ1件毎に分割し、分割されたRFIDタグデータについて必要な業務処理を繰り返し実行することが要求される。すなわち、バーコードデータに対応して開発されたアプリケーションプログラムは、コントローラ3にデータが1点ずつ入力されることを前提に作られているが、RFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムを開発するためには、コントローラ3にデータが複数同時に入力されることを前提に作らなければならず、プログラムの改造量が多いために開発コストが嵩むという問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、バーコードデータに対応したアプリケーションプログラムからRFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムへの改造量を低減でき、プログラム開発にかかるコストを低減できるRFIDタグリーダ制御装置及びRFIDタグリーダ制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のRFIDタグリーダの制御装置は、RFIDタグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダの制御装置であって、複数のRFIDタグに関するデータを記憶可能なデータバッファと、RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割するタグデータ分割手段と、このタグデータ分割手段によりRFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子例えばIDと該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コード例えばJANコードとを取得するRFIDデータ取得手段と、このRFIDデータ取得手段により得られたタグ識別子と商品識別コードとを関連付けてデータバッファに書き込むデータ書込み手段と、データバッファにタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつ読み出し、商品識別コードを処理するコントローラに供給するデータ供給手段とを備えたものである。
【0011】
本発明のRFIDタグリーダ制御プログラムは、RFIDタグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダを接続するとともに、商品識別コードを用いて業務を処理するアプリケーションプログラムが実装されたコンピュータに、RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割する機能と、RFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子例えばIDと該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コード例えばJANコードとを取得する機能と、取得されたRFIDタグのタグ識別子と商品識別コードとを関連付けて記憶する機能と、RFIDタグのタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつアプリケーションプログラムに引き渡す機能とを実現させるものである。
【発明の効果】
【0012】
かかる手段を講じた本発明によれば、バーコードデータに対応したアプリケーションプログラムからRFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムへの改造量を低減でき、ひいてはプログラム開発にかかるコストを低減できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、小売店舗における商品販売登録装置に本発明を適用した場合である。
【0014】
図1は本実施の形態における商品販売登録装置を示す概略構成図であり、コンピュータを主体とするPOS端末11にRFIDタグリーダ12が接続されている。POS端末11は、主制御部としてのコントローラ13と、該コントローラ13によって処理される各種プログラムやデータ等を記憶するための記憶部14と、ストアコントローラ等の外部装置との通信インターフェイス15と、RFIDタグリーダ12を制御するリーダ制御装置としてのドライバ16と、このドライバ16が使用するデータ一時格納バッファ17と、キーボード18,タッチパネル19,プリンタ20等の周辺機器で構成されている。
【0015】
記憶部14には、RFIDタグのデータを用いてPOS端末11で実行される各種業務処理を実現するためのアプリケーションプログラムが実装されている。また、図2に示すように、各商品を識別する商品識別コードとしてのJANコードに対応して、当該商品の商品名,販売価格などの商品情報が予め設定されたJANファイル21が記憶部14に記憶保存されている。
【0016】
RFIDタグリーダ12は、タグ交信用アンテナ22を接続しており、このタグ交信用アンテナ22を介して各商品23,24,25にそれぞれ設けられているRFIDタグ26,27,28と非接触で交信を行って、各RFIDタグ26,27,28が有するICチップメモリ内のデータを読取るものである。
【0017】
詳しく述べると、RFIDタグリーダ12は、POS端末11とのインターフェイス部と、制御部と、変調部と、復調部とを備えている。そして、POS端末11からインターフェイス部を介してRFIDタグの読取実行コマンドが入力されると、制御部は、この読取り実行コマンドを変調部で変調し、変調電波としてタグ交信用アンテナ22から発信させる。
【0018】
各RFIDタグ26,27,28は、ループコイルアンテナとICチップとを備えている。ICチップには不揮発性のメモリが実装されている。このメモリのデータ構造を図3に示す。図示するように、各RFIDタグ26,27,28のメモリには、RFIDタグ製造時に設定されるタグ識別子としてのIDが固定的に記憶されている。またユーザが任意にデータを書き込めるユーザデータエリアが確保されており、本実施の形態では、各RFIDタグ26,27,28には、それぞれ貼付された商品23,24,25の識別コードであるJANコードが少なくとも書込み保存されている。
【0019】
しかして、タグ交信用アンテナ22の交信可能範囲内に存在するRFIDタグ26,27,28は、読取り実行コマンドの変調電波をループコイルアンテナで受信したことに応じて起電し、メモリ内のIDとユーザエリアのデータを変調してループコイルアンテナから電波を発信する。この電波がタグ交信用アンテナ22で受信されると、RFIDタグリーダ12の制御部は、この受信電波を復調部で復調し、復調されたRFIDタグデータ,つまりはIDとユーザエリアのデータとをインターフェイス部を介してPOS端末11に出力する。
【0020】
ここで本実施の形態では、RFIDタグ26,27,28とRFIDタグリーダ12との交信制御にアンチコリジョン(衝突防止)という方式が用いられている。これにより、1つのRFIDタグリーダ12の交信可能範囲内に複数のRFIDタグ26,27,28が存在していた場合には、各RFIDタグ26,27,28のデータが一括してRFIDタグリーダ12によって読取られ、POS端末11に出力される。なお、上記例ではRFIDタグが3つの場合を示したが、1または2つあるいは4つ以上のRFIDタグがRFIDタグリーダ12の交信可能範囲内に存在していた場合には、読取りエラーが生じない限り、これらのRFIDタグのデータが一括して読取られる。
【0021】
RFIDタグリーダ12とPOS端末11のコントローラ13とは、ドライバ16を介して接続されている。ドライバ16には、RFIDタグリーダ12とのインターフェイスを提供するミドルウェアとして、RFIDタグリーダ制御プログラムが実装されている。このRFIDタグリーダ制御プログラムの作用により、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12で読取られた1乃至複数のRFIDタグのデータをデータ一時格納バッファ17に格納する動作を行う。データ一時格納バッファ17は、図4に示すように、1つのRFIDタグのIDとJANコードとを対応付けて複数タグ分記憶できるようになっている。また、RFIDタグのIDとそれに関連するJANコードのデータ毎に処理済か否かを識別するための処理済フラグfが記憶される。ドライバ16は、RFIDタグリーダ制御プログラムの作用により、データ一時格納バッファ17から未処理データのJANコードを順次読出し、コントローラ13に供給する動作を行う。
【0022】
上記ドライバ16の動作について、図5及び図6の流れ図を参照しながらさらに詳しく説明する。なお、この動作は、RFIDタグリーダ制御プログラムにより実現されるものである。
【0023】
すなわちドライバ16は、初期状態としてコントローラ13からデータ取得指示があるのを待機している(図5,ST1)。データ取得指示があると、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17を初期化する(図5,ST2:バッファ初期化手段)。また、後述する確認ループ処理を起動する(図5,ST3)。
【0024】
次に、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図5,ST4)。これにより、RFIDタグリーダ12では、タグ交信用アンテナ22の交信可能範囲内に存在するRFIDタグのIDとユーザエリアのデータとからなるRFIDタグデータが一括して読取られる。そして、この一括読取りされた全てのRFIDタグデータがドライバ16に入力される。
【0025】
そこでドライバ16は、RFIDタグリーダ12によってRFIDタグデータが読取られ入力されたことを確認すると(図5,ST5)、その一括読取りされた全てのRFIDタグデータをRFIDタグ毎に分割する(図5,ST6:データ分割手段)。そして、分割されたRFIDタグデータ毎にIDとJANコードを抽出する(図5,ST7:RFIDデータ取得手段)。
【0026】
次に、1つのRFIDタグデータから抽出したIDでデータ一時格納バッファ17を検索し(図5,ST8)、同一のIDが既に格納されているか否かを判断する(図5,ST9:判断手段)。そして、同一のIDが既に格納されている場合には、抽出したIDとJANコードを破棄する(図5,ST11)。同一のIDが格納されていない場合には、抽出したIDとJANコードとを未処理のフラグ情報(f=0とする)とともにデータ一時格納バッファ17に格納する(図5,ST10:データ書込み手段)。
【0027】
次に、分割された全てのRFIDタグデータから抽出したIDとJANコードとについて、上記処理(ST8〜ST11の処理)を実行したか否かを判断する(図5,ST12)。未実行のIDとJANコードが残っている場合には、そのIDとJANコードとについて上記処理(ST8〜ST11の処理)を実行する。
【0028】
こうして、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた全てのRFIDタグデータについて、既に同一のIDがデータ一時格納バッファ17に格納されている場合にはその読取られたRFIDタグデータを破棄し、格納されていない場合にはその読取られたRFIDタグデータのIDとJANコードとを未処理のフラグ情報とともにデータ一時格納バッファ17に順次格納する処理を実行する。そして、この処理を完了したならば、ドライバ16は、コントローラ13からデータ取得終了指示が有ったか否かを判断する(図5,ST13)。
【0029】
ここで、データ取得終了指示がないと判断した場合には、ドライバ16は、再度、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図5,ST4)。そして、それ以後の処理(図5,ST5〜ST13)を再度実行する。
【0030】
これに対し、データ取得終了指示があったと判断した場合には、ドライバ16は、確認ループ処理を停止させる(図5,ST14)。以上で、コントローラ13からのデータ取得指示に対する処理動作を終了する。
【0031】
またドライバ16は、確認ループ処理が起動されると、データ一時格納バッファ17に未処理(f=0)のIDとそれに関連付けされたJANコードのデータが格納されているか否かを検索する(図6,ST21)。そして、未処理のデータが格納されていることを検出した場合には(図6,ST22)、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17から格納順位が最も早い未処理のデータを取出す(図6,ST23)。このとき、当該RFIDタグデータのフラグfを処理済(f=1とする)に更新する(図6,ST24)。
【0032】
次に、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17から取出したデータのJANコードを抽出し、このJANコードをコントローラ13へ供給する(図6,ST25:データ供給手段)。しかる後、ドライバ16は、コントローラ13から受取確認指示が有るのを待機する(図6,ST26)。そして受取確認指示を受け取ったならば、ドライバ16は、再度、データ一時格納バッファ17に未処理のデータが格納されているか否かを検索する(図6,ST21)、そして、未処理のデータが格納されていることを検出した場合には(図6,ST22)、上記処理(図6,ST23〜ST26)を再度実行する。
【0033】
このように、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた複数のRFIDタグデータをそのままコントローラ13に供給するのではなく、RFIDタグ毎に分割し、さらにIDとJANコードとを抽出してデータ一時格納バッファ17に一時記憶する。そして、このバッファ17に記憶されたJANコードを1データずつ順番に取出してコントローラ13に供給するものとなっている。
【0034】
したがって、かかる機能を有したドライバ16を備えてなるPOS端末11においては、ドライバ16からコントローラ13にはJANコードが1コードずつ順番に供給されるので、RFIDタグデータを使用するアプリケーションプログラムの構造は、基本的には従来のバーコードデータを使用するアプリケーションプログラムの構造と全く変わらない。
【0035】
この種のアプリケーションプログラムの一例として、登録業務処理を実現するためのアプリケーションプログラムの構造について、図7の流れ図を用いて説明する。
キーボード18のモードキー操作あるいはタッチパネル19のメニュー画面タッチ操作により登録業務開始が宣言されると、このアプリケーションプログラムが起動する。これにより、コントローラ13は、先ず、例えば図9に示すようなレイアウトの商品販売登録画面30をタッチパネル19に表示させる(図7,ST31)。この商品販売登録画面30には、JANコード,商品名,数量,値段等の登録商品明細情報を表示するための明細欄31と、税込合計金額を表示するための合計欄32と、現計キー33,一括取消キー34及び取消登録キー35の各タッチキーが表示されている。現計キー33は、1商取引の登録締めを宣言する締めキーとして機能する。一括取消キー34は、1商取引の一括取消を宣言するキーとして機能する。取消登録キー35は、一取引として登録された商品の指定取消を宣言するキーとして機能する。
【0036】
次に、コントローラ13は、1商取引の登録開始トリガが入力されるのを待機する(図7,ST32)。例えばキーボード18の登録開始宣言用キーの操作により登録開始トリガが入力されると、コントローラ13は、RFIDタグデータの取得指示をドライバ16に与える(図7,ST33)。これにより、ドライバ16からは、RFIDタグリーダ12でRFIDタグデータが一括読取りされた場合には、そのうち最も早くデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されるのを待機する(図7,ST34)。
【0037】
そして、JANコードが入力されると、コントローラ13は、JANコードによる商品販売登録処理を実行する。すなわち、入力されたJANコードでJANファイル21を検索し、商品名,販売価格等の商品情報を取得する(図7,ST35)。次いで、記憶部14の販売登録メモリにそのJANコードと商品名,販売価格等の商品情報と数量=1を記憶する(図7,ST36)。このとき、同一JANコードのデータが既に記憶されていた場合には、そのデータの数量を+1だけ増加する。次いで、商品販売登録画面30の明細欄31にJANコード,商品名,数量及び値段(販売価格×数量)を表示させる(図7,ST37)。
【0038】
しかる後、コントローラ13は、受取確認指示をドライバ16に与える(図7,ST38)。これにより、ドライバ16からは、次にデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されると、上記処理(図7,ST35〜ST38)を再度実行する。
【0039】
また、コントローラ13は、商品販売登録画面30の何れかのタッチキー33,34,35がタッチ操作されたことを検知すると(図7,ST39)、RFIDタグデータの取得終了指示をドライバ16に与える(図7,ST40)。
【0040】
ここで、タッチ操作されたキーが現計キー33であった場合には(図7,ST41のNOかつST42のYES)、コントローラ13は、販売登録メモリに記憶された商品販売データに基づいて取引締め処理を実行する(図7,ST43)。この取引締め処理において販売登録メモリに記憶された商品販売データが売上登録処理される。また、買上レシートの印字データが作成され、プリンタ20により買上レシートが印字発行される。しかる後、コントローラ13は、販売登録メモリをクリアして(図7のST44)、1商取引に対する登録業務処理を終了する。
【0041】
また、一括取消キー34であった場合には(図7,ST41のNOかつST42のNO)、コントローラ13は、販売登録メモリをクリアして(図7のST44)、1商取引に対する登録業務処理を中止する。
【0042】
これに対し、タッチ操作されたキーが取消登録キー35であった場合には(図7,ST41のYES)、コントローラ13は、図8に具体的に示す取消登録処理を実行する。
先ず、例えば図10に示すようなレイアウトの取消登録画面40をタッチパネル19に表示させる(図8,ST51)。この取消登録画面40には、JANコード,商品名,数量,値段等の取消商品明細情報を表示するための明細欄41と、確定キー42及びキャンセルキー43の各タッチキーが表示されている。確定キー42は、取消商品の登録確定を宣言するキーとして機能する。キャンセルキー43は、取消商品の登録中止を宣言するキーとして機能する。
【0043】
次に、コントローラ13は、取消開始トリガが入力されるのを待機する(図8,ST52)。例えばキーボード18の取消開始宣言用キーの操作により取消開始トリガが入力されると、コントローラ13は、RFIDタグデータの取得指示をドライバ16に与える(図8,ST53)。これにより、データ一時格納バッファ17が一旦クリアされる。次いで、ドライバ16からは、RFIDタグリーダ12でRFIDタグデータが一括読取りされた場合には、そのうち最も早くデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されるのを待機する(図8,ST54)。
【0044】
そして、JANコードが入力されると、コントローラ13は、そのJANコードが販売登録メモリに記憶されているか否かを判断する(図8,ST55)。そして、販売登録メモリに記憶されている場合には、コントローラ13は、商品登録取消処理を実行する。すなわち、入力されたJANコードでJANファイル21を検索し、商品名,販売価格等の商品情報を取得する(図8,ST56)。そして、記憶部14の取消登録メモリにそのJANコードと商品名,販売価格等の商品情報と数量=1を記憶する(図8,ST57)。このとき、同一JANコードのデータが既に記憶されていた場合には、そのデータの数量を+1だけ増加する。また、取消登録画面40の明細欄41にJANコード,商品名,数量及び値段(販売価格×数量)を表示させる(図8,ST58)。
【0045】
しかる後、コントローラ13は、受取確認指示をドライバ16に与える(図8,ST59)。これにより、ドライバ16からは、次にデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されると、上記処理(図8,ST55〜ST59)を再度実行する。
【0046】
なお、入力されたJANコードが販売登録メモリに記憶されていない場合には(図8,ST55のNO)、当該JANコードの入力を無視する。そして、コントローラ13は、受取確認指示をドライバ16に与える(図8,ST59)。
【0047】
また、コントローラ13は、取消登録画面G2の何れかのタッチキー42,43がタッチ操作されたことを検知すると(図8,ST60)、RFIDタグデータの取得終了指示をドライバ16に与える(図8,ST61)。
【0048】
ここで、タッチ操作されたキーが確定キー42であった場合には(図8,ST62のYES)、コントローラ13は、販売登録メモリから取消登録メモリの内容を削除する(図8,ST63)。その後、取消登録メモリをクリアする(図8,ST64)。また、タッチパネル19の画面を商品販売登録画面30に戻し、その明細欄31に販売登録メモリの内容を表示させたならば(図8,ST65)、JANコードの入力待機状態に戻る(図7,ST34)。
【0049】
一方、タッチ操作されたキーがキャンセルキー43であった場合には(図8,ST62のNO)、コントローラ13は、取消登録メモリをクリアする(図8,ST64)。また、タッチパネル19の画面を商品販売登録画面30に戻し、その明細欄31に販売登録メモリの内容を表示させたならば(図8,ST65)、JANコードの入力待機状態に戻る(図7,ST34)。
【0050】
このようなプログラム構造のアプリケーションプログラムを実装したPOS端末11を使用する小売店舗においては、次のような手順で登録業務処理が実行される。先ず、初期状態としてタッチパネル19には商品販売登録画面30が表示されている。ここで、買物客が買上商品の会計のためにレジに来ると、POS端末11を操作する店員は、買上商品をひとまとめにしてRFIDタグリーダ12のタグ交信用アンテナ22が埋設されたスキャナ台に載せる。そして、キーボード18の登録開始宣言用キーを操作する。
【0051】
そうすると、コントローラ13からドライバ16にRFIDタグデータの取得指示が与えられる。これにより、先ず、データ一時格納バッファ17がクリアされる。次いで、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドが送信される。これにより、RFIDタグリーダ12では、スキャナ台に載せられた各買上商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータが一括して読取られ、ドライバ16に入力される。
【0052】
ドライバ16では、各RFIDタグデータがRFIDタグ毎に分割され、そのIDとJANコードがデータ一時格納バッファ17に格納される。このとき、既に同一のIDが格納されているRFIDタグデータは破棄されるので、同一商品のIDとJANコードが重複してデータ一時格納バッファ17に格納されることはない。勿論、同一種類の商品でも別商品の場合には、付されているRFIDタグのIDが異なるので、別データとしてデータ一時格納バッファ17に格納される。
【0053】
また、ドライバ16では、データ一時格納バッファ17に最も早く格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。これにより、コントローラ13ではJANコードによる商品販売登録処理が実行される。そして、商品販売登録処理が実行されると、ドライバ16に受取確認指示が与えられる。この受取確認指示を待って、ドライバ16からは次に格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。以後、
コントローラ13から受取確認指示が与えられる毎に、順次格納されたJANコードが1つずつコントローラ13に与えられ、当該JANコードによる商品販売登録処理が実行される。
【0054】
店員は、商品販売登録画面30の明細欄31に表示された情報とスキャナ台に載せられた買上商品とを比較し、買上商品の登録完了を確認したならば、現計キー33をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリの内容に基づいて取引締め処理が実行される。
【0055】
また、その前に客が買上商品の全品を返品することを申し出た場合には、一括取消キー34をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリがクリアされる。
【0056】
また、客が買上商品の一部を返品することを申し出た場合には、取消登録キー35をタッチ操作する。これにより、タッチパネル19の画面が取消登録画面40に切り換わるので、店員は、買上商品全品を一旦スキャナ台から除いた後、返品する商品をスキャナ台に再度載せる。そして、キーボード18の取消開始宣言用キーを操作する。
【0057】
そうすると、コントローラ13からドライバ16にRFIDタグデータの取得指示が与えられる。これにより、データ一時格納バッファ17がクリアされる。次いで、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドが送信される。これにより、RFIDタグリーダ12では、スキャナ台に載せられた各返品商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータが一括して読取られ、ドライバ16に入力される。
【0058】
ドライバ16では、各RFIDタグデータがRFIDタグ毎に分割され、そのIDとJANコードがデータ一時格納バッファ17に格納される。このとき、既に同一のIDが格納されているRFIDタグデータは破棄されるので、同一商品のIDとJANコードが重複してデータ一時格納バッファ17に格納されることはない。勿論、同一種類の商品でも別商品の場合には、付されているRFIDタグのIDが異なるので、別データとしてデータ一時格納バッファ17に格納される。
【0059】
また、ドライバ16では、データ一時格納バッファ17に最も早く格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。これにより、コントローラ13ではJANコードによる商品登録取消処理が実行される。そして、商品登録取消処理が実行されると、ドライバ16に受取確認指示が与えられる。この受取確認指示を待って、ドライバ16からは次に格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。以後、コントローラ13から受取確認指示が与えられる毎に、順次格納されたJANコードが1つずつコントローラ13に与えられ、当該JANコードによる商品登録取消処理が実行される。
【0060】
店員は、取消登録画面40の明細欄41に表示された情報とスキャナ台に載せられた取消商品とを比較し、取消商品の登録完了を確認したならば、確定キー42をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリから取消登録メモリの内容が削除される。その後、店員は買上商品の登録完了を確認したならば、現計キー33をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリの内容に基づいて取引締め処理が実行される。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、アプリケーションプログラムの構造は、既存のバーコードデータを使用するアプリケーションプログラムと基本的に一致している。すなわち、既存のバーコードデータを使用するアプリケーションプログラムにおいても、先ず、バーコードデータの取得をドライバ6に指示し、バーコードリーダ2で読取られた1つのバーコードデータであるJANコードが取り込まれるとそれを処理する。そして、処理を完了すると、データ受取確認指示をドライバ6に与え、これに応じて次のバーコードデータであるJANコードが取り込まれると、これを処理するものとなっている。
【0062】
したがって、本実施の形態によれば、RFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムを開発する際にも、バーコードデータに対応して開発されたアプリケーションプログラムと同様に、コントローラ13にJANコードが1点ずつ入力されることを前提に作ればよいので、バーコードからRFIDタグへの移行に伴うアプリケーションプログラムの改造量を少なくすることができる。その結果、プログラムの開発に伴うコストを大幅に低減できるので、バーコードからRFIDタグへの移行をスムーズに行えるようになる。
【0063】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施の形態では、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた複数のRFIDタグデータをRFIDタグ毎に分割し、さらにIDとJANコードとを抽出してデータ一時格納バッファ17に一時記憶したが、ID,JANコード以外のユーザエリアデータを全てデータ一時格納バッファ17に一時記憶してもよい。
【0064】
また、前記実施の形態では、RFIDタグのユーザエリアデータにJANコードが含まれる場合を示したが、JANコードを含まない場合でも、本発明を実施可能である。そこで次に、RFIDタグのユーザエリアデータにJANコード含まない場合の第2の実施の形態について説明する。
【0065】
図11は第2の実施の形態における商品販売登録装置を示す概略構成図であり、図1と共通する部分には同一符号を付している。すなわち、この第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、ドライバ16がID/JANテーブル29を参照するようにした点である。
【0066】
ID/JANテーブル29は、図12に示すように、各商品23,24,25にそれぞれ付されているRFIDタグ26,27,28のIDに対応して、当該タグが付されている商品の識別コードであるJANコードを予め設定記憶したものである。
【0067】
かかる構成において、ドライバ16が図13の流れ図に示す手順により動作するように、RFIDタグリーダ制御プログラムが構成されている。なお、図13において、図5と共通の処理ステップには同一符号を付している。
【0068】
すなわちドライバ16は、初期状態としてコントローラ13からデータ取得指示があるのを待機している(図13,ST1)。データ取得指示があると、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17を初期化する(図13,ST2:バッファ初期化手段)。また、図6に示した確認ループ処理を起動する(図13,ST3)。
【0069】
次に、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図13,ST4)。これにより、RFIDタグリーダ12では、タグ交信用アンテナ22の交信可能範囲内に存在するRFIDタグのIDとユーザエリアのデータとからなるRFIDタグデータが一括して読取られる。そして、この一括読取りされた全てのRFIDタグデータがドライバ16に入力される。
【0070】
そこでドライバ16は、RFIDタグリーダ12によってRFIDタグデータが読取られ入力されたことを確認すると(図13,ST5)、その一括読取りされた全てのRFIDタグデータをRFIDタグ毎に分割する(図13,ST6:データ分割手段)。そして、分割されたRFIDタグデータ毎にIDを抽出する(図13,ST70:RFIDデータ取得手段)。
【0071】
次に、1つのRFIDタグデータから抽出したIDでデータ一時格納バッファ17を検索し(図13,ST8)、同一のIDが既に格納されているか否かを判断する(図13,ST9:判断手段)。そして、同一のIDが既に格納されている場合には、抽出したIDとJANコードを破棄する(図13,ST11)。同一のIDが格納されていない場合には、抽出したIDでID/JANテーブル29を検索し、当該IDに対応して設定されているJANコードを取得する(図13,ST71)。そして、このIDとJANコードとを未処理のフラグ情報(f=0とする)とともにデータ一時格納バッファ17に格納する(図13,ST10:データ書込み手段)。
【0072】
次に、分割された全てのRFIDタグデータから抽出したIDについて、上記処理(ST8,ST9,ST11またはST8.ST9.ST71.ST10の処理)を実行したか否かを判断する(図13,ST12)。未実行のIDが残っている場合には、そのIDについて上記処理を実行する。
【0073】
こうして、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた全てのRFIDタグデータについて、既に同一のIDがデータ一時格納バッファ17に格納されている場合にはその読取られたRFIDタグデータを破棄し、格納されていない場合にはその読取られたRFIDタグデータのIDと、当該IDに対応してID/JANテーブル29に設定されているJANコードとを未処理のフラグ情報とともにデータ一時格納バッファ17に順次格納する処理を実行する。そして、この処理を完了したならば、ドライバ16は、コントローラ13からデータ取得終了指示が有ったか否かを判断する(図13,ST13)。
【0074】
ここで、データ取得終了指示がないと判断した場合には、ドライバ16は、再度、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図13,ST4)。そして、それ以後の処理を再度実行する。
【0075】
これに対し、データ取得終了指示があったと判断した場合には、ドライバ16は、確認ループ処理を停止させる(図13,ST14)。以上で、コントローラ13からのデータ取得指示に対する処理動作を終了する。
【0076】
このように構成された第2の実施の形態においても、RFIDタグリーダ12から複数の商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータが一括読取りされたところで、ドライバ16からコントローラ13に対しては、当該商品のJANコードが1点ずつ供給されるので、第1の実施の形態と同様な作用効果を奏し得る。
【0077】
なお、商品識別コードは、JANコードに限定されないのはいうまでもないことである。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施の形態である商品販売登録装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態において、POS端末の記憶部で記憶されるJANファイルのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態において、RFIDタグのメモリに記憶されるデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態において、ドライバが使用するデータ一時格納バッファのデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態において、ドライバが実行するRFIDタグリーダ制御処理の要部手順を示す流れ図。
【図6】同実施の形態において、ドライバが実行する確認ループ処理の要部手順を示す流れ図。
【図7】同実施の形態において、コントローラが実行する登録業務処理の要部手順を示す流れ図。
【図8】図7における取消登録処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図9】商品販売登録画面の一例を示す平面図。
【図10】取消登録画面の一例を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態である商品販売登録装置の概略構成を示すブロック図。
【図12】同実施の形態において、ドライバが参照するID/JANテーブルのデータ構造を示す模式図。
【図13】同実施の形態において、ドライバが実行するRFIDタグリーダ制御処理の要部手順を示す流れ図。
【図14】従来のバーコードを用いた商品管理システムを実現するための概略構成図。
【符号の説明】
【0079】
11…POS端末、12…RFIDタグリーダ、13…コントローラ、14…記憶部、15…通信インターフェイス、16…ドライバ、17…データ一時格納バッファ、18…キーボード、19…タッチパネル、20…プリンタ、21…JANファイル、22…タグ交信用アンテナ、26,27,28…RFIDタグ、29…ID/JANテーブル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)タグリーダで読取られた複数のRFIDタグのデータを用いて業務処理を行うコンピュータとRFIDタグリーダとのインターフェイスとして機能するRFIDタグリーダ制御装置及び前記コンピュータに前記RFIDタグリーダ制御装置としての機能を実現させるためのRFIDタグリーダ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば流通小売業の分野において、各商品にそれぞれ商品識別コードであるJAN(Japanese Article Number)コードのバーコードを付し、小売店舗,店舗管理本部,卸問屋等の各拠点では取扱う商品のバーコードをバーコードリーダで読取りコンピュータに入力することによって、取扱商品の情報を管理することは広く実施されている。その一方で、近年、固有のIDをタグ識別子として設定記憶したICチップとアンテナを有し、リーダ・ライタとの間で無線を利用して非接触で通信を行うことにより、IDの読出しや任意の情報の書込み及び読出しができる無線データキャリア、いわゆるRFIDタグが注目されている。
【0003】
バーコードは、バーコードリーダで1つずつスキャニングしないと読取れないために効率が悪いという問題がある。これに対して、RFIDタグは、リーダ・ライタとの交信制御にアンチコリジョン(衝突防止)という方式を用いることによって、1つのリーダ・ライタの交信可能範囲内に複数のRFIDタグが存在してもデータを一括して読取ることができるので効率がよい。そこで、各商品にそれぞれその商品のJANコード等が書き込まれたRFIDタグを付し、各拠点では取扱う商品に付されたRFIDタグのデータをRFIDタグリーダで一括して読取りコンピュータに入力することによって、取扱商品の情報を管理する仕組みを構築することが望まれている。
【0004】
従来、バーコードによる商品管理システムからRFIDタグによる商品管理システムへ移行する時期に両システムを併用し、スムーズに商品管理を行えるようにした技術は知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
なお、RFIDタグは、非接触型ICカード,無線タグ,ICタグ,トランスポンダ等とも称されるが、本明細書ではRFIDタグに統一する。また、リーダ・ライタに関してもRFIDタグリーダとして統一する。
【特許文献1】特開平11−096463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図14は従来のバーコードを用いた商品管理システムを実現するための概略構成図であり、コンピュータ1にバーコードリーダ2が接続されている。コンピュータ1は、主制御部としてのコントローラ3と、該コントローラ3によって処理される各種プログラムやデータ等を記憶するための記憶部4と、外部装置または周辺機器との通信インターフェイス5と、バーコードリーダ2を制御するリーダ制御装置としてのドライバ6とで構成されている。記憶部4には、バーコードから得られるJANコードを用いてコンピュータ1が実行する各種業務、例えば販売商品登録業務,入荷商品検品業務,在庫商品棚卸業務等を処理するためのアプリケーションプログラムが実装されている。
【0007】
このようなバーコードを用いたシステムからRFIDタグを用いたシステムに移行する場合、ハードウェア的にはバーコードリーダ2の代わりにRFIDタグリーダがコンピュータ1に接続されるだけなので、ドライバ6をRFIDタグリーダ対応のものに変更すればよい。
【0008】
しかしその場合には、RFIDタグリーダで一括して読取られた複数のRFIDタグのデータが一群となってドライバからコントローラ3に送り込まれるので、コントローラ3では、ドライバから受け取ったRFIDタグデータ群をRFIDタグ1件毎に分割し、分割されたRFIDタグデータについて必要な業務処理を繰り返し実行することが要求される。すなわち、バーコードデータに対応して開発されたアプリケーションプログラムは、コントローラ3にデータが1点ずつ入力されることを前提に作られているが、RFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムを開発するためには、コントローラ3にデータが複数同時に入力されることを前提に作らなければならず、プログラムの改造量が多いために開発コストが嵩むという問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、バーコードデータに対応したアプリケーションプログラムからRFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムへの改造量を低減でき、プログラム開発にかかるコストを低減できるRFIDタグリーダ制御装置及びRFIDタグリーダ制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のRFIDタグリーダの制御装置は、RFIDタグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダの制御装置であって、複数のRFIDタグに関するデータを記憶可能なデータバッファと、RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割するタグデータ分割手段と、このタグデータ分割手段によりRFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子例えばIDと該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コード例えばJANコードとを取得するRFIDデータ取得手段と、このRFIDデータ取得手段により得られたタグ識別子と商品識別コードとを関連付けてデータバッファに書き込むデータ書込み手段と、データバッファにタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつ読み出し、商品識別コードを処理するコントローラに供給するデータ供給手段とを備えたものである。
【0011】
本発明のRFIDタグリーダ制御プログラムは、RFIDタグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダを接続するとともに、商品識別コードを用いて業務を処理するアプリケーションプログラムが実装されたコンピュータに、RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割する機能と、RFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子例えばIDと該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コード例えばJANコードとを取得する機能と、取得されたRFIDタグのタグ識別子と商品識別コードとを関連付けて記憶する機能と、RFIDタグのタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつアプリケーションプログラムに引き渡す機能とを実現させるものである。
【発明の効果】
【0012】
かかる手段を講じた本発明によれば、バーコードデータに対応したアプリケーションプログラムからRFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムへの改造量を低減でき、ひいてはプログラム開発にかかるコストを低減できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、小売店舗における商品販売登録装置に本発明を適用した場合である。
【0014】
図1は本実施の形態における商品販売登録装置を示す概略構成図であり、コンピュータを主体とするPOS端末11にRFIDタグリーダ12が接続されている。POS端末11は、主制御部としてのコントローラ13と、該コントローラ13によって処理される各種プログラムやデータ等を記憶するための記憶部14と、ストアコントローラ等の外部装置との通信インターフェイス15と、RFIDタグリーダ12を制御するリーダ制御装置としてのドライバ16と、このドライバ16が使用するデータ一時格納バッファ17と、キーボード18,タッチパネル19,プリンタ20等の周辺機器で構成されている。
【0015】
記憶部14には、RFIDタグのデータを用いてPOS端末11で実行される各種業務処理を実現するためのアプリケーションプログラムが実装されている。また、図2に示すように、各商品を識別する商品識別コードとしてのJANコードに対応して、当該商品の商品名,販売価格などの商品情報が予め設定されたJANファイル21が記憶部14に記憶保存されている。
【0016】
RFIDタグリーダ12は、タグ交信用アンテナ22を接続しており、このタグ交信用アンテナ22を介して各商品23,24,25にそれぞれ設けられているRFIDタグ26,27,28と非接触で交信を行って、各RFIDタグ26,27,28が有するICチップメモリ内のデータを読取るものである。
【0017】
詳しく述べると、RFIDタグリーダ12は、POS端末11とのインターフェイス部と、制御部と、変調部と、復調部とを備えている。そして、POS端末11からインターフェイス部を介してRFIDタグの読取実行コマンドが入力されると、制御部は、この読取り実行コマンドを変調部で変調し、変調電波としてタグ交信用アンテナ22から発信させる。
【0018】
各RFIDタグ26,27,28は、ループコイルアンテナとICチップとを備えている。ICチップには不揮発性のメモリが実装されている。このメモリのデータ構造を図3に示す。図示するように、各RFIDタグ26,27,28のメモリには、RFIDタグ製造時に設定されるタグ識別子としてのIDが固定的に記憶されている。またユーザが任意にデータを書き込めるユーザデータエリアが確保されており、本実施の形態では、各RFIDタグ26,27,28には、それぞれ貼付された商品23,24,25の識別コードであるJANコードが少なくとも書込み保存されている。
【0019】
しかして、タグ交信用アンテナ22の交信可能範囲内に存在するRFIDタグ26,27,28は、読取り実行コマンドの変調電波をループコイルアンテナで受信したことに応じて起電し、メモリ内のIDとユーザエリアのデータを変調してループコイルアンテナから電波を発信する。この電波がタグ交信用アンテナ22で受信されると、RFIDタグリーダ12の制御部は、この受信電波を復調部で復調し、復調されたRFIDタグデータ,つまりはIDとユーザエリアのデータとをインターフェイス部を介してPOS端末11に出力する。
【0020】
ここで本実施の形態では、RFIDタグ26,27,28とRFIDタグリーダ12との交信制御にアンチコリジョン(衝突防止)という方式が用いられている。これにより、1つのRFIDタグリーダ12の交信可能範囲内に複数のRFIDタグ26,27,28が存在していた場合には、各RFIDタグ26,27,28のデータが一括してRFIDタグリーダ12によって読取られ、POS端末11に出力される。なお、上記例ではRFIDタグが3つの場合を示したが、1または2つあるいは4つ以上のRFIDタグがRFIDタグリーダ12の交信可能範囲内に存在していた場合には、読取りエラーが生じない限り、これらのRFIDタグのデータが一括して読取られる。
【0021】
RFIDタグリーダ12とPOS端末11のコントローラ13とは、ドライバ16を介して接続されている。ドライバ16には、RFIDタグリーダ12とのインターフェイスを提供するミドルウェアとして、RFIDタグリーダ制御プログラムが実装されている。このRFIDタグリーダ制御プログラムの作用により、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12で読取られた1乃至複数のRFIDタグのデータをデータ一時格納バッファ17に格納する動作を行う。データ一時格納バッファ17は、図4に示すように、1つのRFIDタグのIDとJANコードとを対応付けて複数タグ分記憶できるようになっている。また、RFIDタグのIDとそれに関連するJANコードのデータ毎に処理済か否かを識別するための処理済フラグfが記憶される。ドライバ16は、RFIDタグリーダ制御プログラムの作用により、データ一時格納バッファ17から未処理データのJANコードを順次読出し、コントローラ13に供給する動作を行う。
【0022】
上記ドライバ16の動作について、図5及び図6の流れ図を参照しながらさらに詳しく説明する。なお、この動作は、RFIDタグリーダ制御プログラムにより実現されるものである。
【0023】
すなわちドライバ16は、初期状態としてコントローラ13からデータ取得指示があるのを待機している(図5,ST1)。データ取得指示があると、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17を初期化する(図5,ST2:バッファ初期化手段)。また、後述する確認ループ処理を起動する(図5,ST3)。
【0024】
次に、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図5,ST4)。これにより、RFIDタグリーダ12では、タグ交信用アンテナ22の交信可能範囲内に存在するRFIDタグのIDとユーザエリアのデータとからなるRFIDタグデータが一括して読取られる。そして、この一括読取りされた全てのRFIDタグデータがドライバ16に入力される。
【0025】
そこでドライバ16は、RFIDタグリーダ12によってRFIDタグデータが読取られ入力されたことを確認すると(図5,ST5)、その一括読取りされた全てのRFIDタグデータをRFIDタグ毎に分割する(図5,ST6:データ分割手段)。そして、分割されたRFIDタグデータ毎にIDとJANコードを抽出する(図5,ST7:RFIDデータ取得手段)。
【0026】
次に、1つのRFIDタグデータから抽出したIDでデータ一時格納バッファ17を検索し(図5,ST8)、同一のIDが既に格納されているか否かを判断する(図5,ST9:判断手段)。そして、同一のIDが既に格納されている場合には、抽出したIDとJANコードを破棄する(図5,ST11)。同一のIDが格納されていない場合には、抽出したIDとJANコードとを未処理のフラグ情報(f=0とする)とともにデータ一時格納バッファ17に格納する(図5,ST10:データ書込み手段)。
【0027】
次に、分割された全てのRFIDタグデータから抽出したIDとJANコードとについて、上記処理(ST8〜ST11の処理)を実行したか否かを判断する(図5,ST12)。未実行のIDとJANコードが残っている場合には、そのIDとJANコードとについて上記処理(ST8〜ST11の処理)を実行する。
【0028】
こうして、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた全てのRFIDタグデータについて、既に同一のIDがデータ一時格納バッファ17に格納されている場合にはその読取られたRFIDタグデータを破棄し、格納されていない場合にはその読取られたRFIDタグデータのIDとJANコードとを未処理のフラグ情報とともにデータ一時格納バッファ17に順次格納する処理を実行する。そして、この処理を完了したならば、ドライバ16は、コントローラ13からデータ取得終了指示が有ったか否かを判断する(図5,ST13)。
【0029】
ここで、データ取得終了指示がないと判断した場合には、ドライバ16は、再度、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図5,ST4)。そして、それ以後の処理(図5,ST5〜ST13)を再度実行する。
【0030】
これに対し、データ取得終了指示があったと判断した場合には、ドライバ16は、確認ループ処理を停止させる(図5,ST14)。以上で、コントローラ13からのデータ取得指示に対する処理動作を終了する。
【0031】
またドライバ16は、確認ループ処理が起動されると、データ一時格納バッファ17に未処理(f=0)のIDとそれに関連付けされたJANコードのデータが格納されているか否かを検索する(図6,ST21)。そして、未処理のデータが格納されていることを検出した場合には(図6,ST22)、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17から格納順位が最も早い未処理のデータを取出す(図6,ST23)。このとき、当該RFIDタグデータのフラグfを処理済(f=1とする)に更新する(図6,ST24)。
【0032】
次に、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17から取出したデータのJANコードを抽出し、このJANコードをコントローラ13へ供給する(図6,ST25:データ供給手段)。しかる後、ドライバ16は、コントローラ13から受取確認指示が有るのを待機する(図6,ST26)。そして受取確認指示を受け取ったならば、ドライバ16は、再度、データ一時格納バッファ17に未処理のデータが格納されているか否かを検索する(図6,ST21)、そして、未処理のデータが格納されていることを検出した場合には(図6,ST22)、上記処理(図6,ST23〜ST26)を再度実行する。
【0033】
このように、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた複数のRFIDタグデータをそのままコントローラ13に供給するのではなく、RFIDタグ毎に分割し、さらにIDとJANコードとを抽出してデータ一時格納バッファ17に一時記憶する。そして、このバッファ17に記憶されたJANコードを1データずつ順番に取出してコントローラ13に供給するものとなっている。
【0034】
したがって、かかる機能を有したドライバ16を備えてなるPOS端末11においては、ドライバ16からコントローラ13にはJANコードが1コードずつ順番に供給されるので、RFIDタグデータを使用するアプリケーションプログラムの構造は、基本的には従来のバーコードデータを使用するアプリケーションプログラムの構造と全く変わらない。
【0035】
この種のアプリケーションプログラムの一例として、登録業務処理を実現するためのアプリケーションプログラムの構造について、図7の流れ図を用いて説明する。
キーボード18のモードキー操作あるいはタッチパネル19のメニュー画面タッチ操作により登録業務開始が宣言されると、このアプリケーションプログラムが起動する。これにより、コントローラ13は、先ず、例えば図9に示すようなレイアウトの商品販売登録画面30をタッチパネル19に表示させる(図7,ST31)。この商品販売登録画面30には、JANコード,商品名,数量,値段等の登録商品明細情報を表示するための明細欄31と、税込合計金額を表示するための合計欄32と、現計キー33,一括取消キー34及び取消登録キー35の各タッチキーが表示されている。現計キー33は、1商取引の登録締めを宣言する締めキーとして機能する。一括取消キー34は、1商取引の一括取消を宣言するキーとして機能する。取消登録キー35は、一取引として登録された商品の指定取消を宣言するキーとして機能する。
【0036】
次に、コントローラ13は、1商取引の登録開始トリガが入力されるのを待機する(図7,ST32)。例えばキーボード18の登録開始宣言用キーの操作により登録開始トリガが入力されると、コントローラ13は、RFIDタグデータの取得指示をドライバ16に与える(図7,ST33)。これにより、ドライバ16からは、RFIDタグリーダ12でRFIDタグデータが一括読取りされた場合には、そのうち最も早くデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されるのを待機する(図7,ST34)。
【0037】
そして、JANコードが入力されると、コントローラ13は、JANコードによる商品販売登録処理を実行する。すなわち、入力されたJANコードでJANファイル21を検索し、商品名,販売価格等の商品情報を取得する(図7,ST35)。次いで、記憶部14の販売登録メモリにそのJANコードと商品名,販売価格等の商品情報と数量=1を記憶する(図7,ST36)。このとき、同一JANコードのデータが既に記憶されていた場合には、そのデータの数量を+1だけ増加する。次いで、商品販売登録画面30の明細欄31にJANコード,商品名,数量及び値段(販売価格×数量)を表示させる(図7,ST37)。
【0038】
しかる後、コントローラ13は、受取確認指示をドライバ16に与える(図7,ST38)。これにより、ドライバ16からは、次にデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されると、上記処理(図7,ST35〜ST38)を再度実行する。
【0039】
また、コントローラ13は、商品販売登録画面30の何れかのタッチキー33,34,35がタッチ操作されたことを検知すると(図7,ST39)、RFIDタグデータの取得終了指示をドライバ16に与える(図7,ST40)。
【0040】
ここで、タッチ操作されたキーが現計キー33であった場合には(図7,ST41のNOかつST42のYES)、コントローラ13は、販売登録メモリに記憶された商品販売データに基づいて取引締め処理を実行する(図7,ST43)。この取引締め処理において販売登録メモリに記憶された商品販売データが売上登録処理される。また、買上レシートの印字データが作成され、プリンタ20により買上レシートが印字発行される。しかる後、コントローラ13は、販売登録メモリをクリアして(図7のST44)、1商取引に対する登録業務処理を終了する。
【0041】
また、一括取消キー34であった場合には(図7,ST41のNOかつST42のNO)、コントローラ13は、販売登録メモリをクリアして(図7のST44)、1商取引に対する登録業務処理を中止する。
【0042】
これに対し、タッチ操作されたキーが取消登録キー35であった場合には(図7,ST41のYES)、コントローラ13は、図8に具体的に示す取消登録処理を実行する。
先ず、例えば図10に示すようなレイアウトの取消登録画面40をタッチパネル19に表示させる(図8,ST51)。この取消登録画面40には、JANコード,商品名,数量,値段等の取消商品明細情報を表示するための明細欄41と、確定キー42及びキャンセルキー43の各タッチキーが表示されている。確定キー42は、取消商品の登録確定を宣言するキーとして機能する。キャンセルキー43は、取消商品の登録中止を宣言するキーとして機能する。
【0043】
次に、コントローラ13は、取消開始トリガが入力されるのを待機する(図8,ST52)。例えばキーボード18の取消開始宣言用キーの操作により取消開始トリガが入力されると、コントローラ13は、RFIDタグデータの取得指示をドライバ16に与える(図8,ST53)。これにより、データ一時格納バッファ17が一旦クリアされる。次いで、ドライバ16からは、RFIDタグリーダ12でRFIDタグデータが一括読取りされた場合には、そのうち最も早くデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されるのを待機する(図8,ST54)。
【0044】
そして、JANコードが入力されると、コントローラ13は、そのJANコードが販売登録メモリに記憶されているか否かを判断する(図8,ST55)。そして、販売登録メモリに記憶されている場合には、コントローラ13は、商品登録取消処理を実行する。すなわち、入力されたJANコードでJANファイル21を検索し、商品名,販売価格等の商品情報を取得する(図8,ST56)。そして、記憶部14の取消登録メモリにそのJANコードと商品名,販売価格等の商品情報と数量=1を記憶する(図8,ST57)。このとき、同一JANコードのデータが既に記憶されていた場合には、そのデータの数量を+1だけ増加する。また、取消登録画面40の明細欄41にJANコード,商品名,数量及び値段(販売価格×数量)を表示させる(図8,ST58)。
【0045】
しかる後、コントローラ13は、受取確認指示をドライバ16に与える(図8,ST59)。これにより、ドライバ16からは、次にデータ一時格納バッファ17に格納されたRFIDタグデータのJANコードが供給されてくるので、コントローラ13は、JANコードが入力されると、上記処理(図8,ST55〜ST59)を再度実行する。
【0046】
なお、入力されたJANコードが販売登録メモリに記憶されていない場合には(図8,ST55のNO)、当該JANコードの入力を無視する。そして、コントローラ13は、受取確認指示をドライバ16に与える(図8,ST59)。
【0047】
また、コントローラ13は、取消登録画面G2の何れかのタッチキー42,43がタッチ操作されたことを検知すると(図8,ST60)、RFIDタグデータの取得終了指示をドライバ16に与える(図8,ST61)。
【0048】
ここで、タッチ操作されたキーが確定キー42であった場合には(図8,ST62のYES)、コントローラ13は、販売登録メモリから取消登録メモリの内容を削除する(図8,ST63)。その後、取消登録メモリをクリアする(図8,ST64)。また、タッチパネル19の画面を商品販売登録画面30に戻し、その明細欄31に販売登録メモリの内容を表示させたならば(図8,ST65)、JANコードの入力待機状態に戻る(図7,ST34)。
【0049】
一方、タッチ操作されたキーがキャンセルキー43であった場合には(図8,ST62のNO)、コントローラ13は、取消登録メモリをクリアする(図8,ST64)。また、タッチパネル19の画面を商品販売登録画面30に戻し、その明細欄31に販売登録メモリの内容を表示させたならば(図8,ST65)、JANコードの入力待機状態に戻る(図7,ST34)。
【0050】
このようなプログラム構造のアプリケーションプログラムを実装したPOS端末11を使用する小売店舗においては、次のような手順で登録業務処理が実行される。先ず、初期状態としてタッチパネル19には商品販売登録画面30が表示されている。ここで、買物客が買上商品の会計のためにレジに来ると、POS端末11を操作する店員は、買上商品をひとまとめにしてRFIDタグリーダ12のタグ交信用アンテナ22が埋設されたスキャナ台に載せる。そして、キーボード18の登録開始宣言用キーを操作する。
【0051】
そうすると、コントローラ13からドライバ16にRFIDタグデータの取得指示が与えられる。これにより、先ず、データ一時格納バッファ17がクリアされる。次いで、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドが送信される。これにより、RFIDタグリーダ12では、スキャナ台に載せられた各買上商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータが一括して読取られ、ドライバ16に入力される。
【0052】
ドライバ16では、各RFIDタグデータがRFIDタグ毎に分割され、そのIDとJANコードがデータ一時格納バッファ17に格納される。このとき、既に同一のIDが格納されているRFIDタグデータは破棄されるので、同一商品のIDとJANコードが重複してデータ一時格納バッファ17に格納されることはない。勿論、同一種類の商品でも別商品の場合には、付されているRFIDタグのIDが異なるので、別データとしてデータ一時格納バッファ17に格納される。
【0053】
また、ドライバ16では、データ一時格納バッファ17に最も早く格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。これにより、コントローラ13ではJANコードによる商品販売登録処理が実行される。そして、商品販売登録処理が実行されると、ドライバ16に受取確認指示が与えられる。この受取確認指示を待って、ドライバ16からは次に格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。以後、
コントローラ13から受取確認指示が与えられる毎に、順次格納されたJANコードが1つずつコントローラ13に与えられ、当該JANコードによる商品販売登録処理が実行される。
【0054】
店員は、商品販売登録画面30の明細欄31に表示された情報とスキャナ台に載せられた買上商品とを比較し、買上商品の登録完了を確認したならば、現計キー33をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリの内容に基づいて取引締め処理が実行される。
【0055】
また、その前に客が買上商品の全品を返品することを申し出た場合には、一括取消キー34をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリがクリアされる。
【0056】
また、客が買上商品の一部を返品することを申し出た場合には、取消登録キー35をタッチ操作する。これにより、タッチパネル19の画面が取消登録画面40に切り換わるので、店員は、買上商品全品を一旦スキャナ台から除いた後、返品する商品をスキャナ台に再度載せる。そして、キーボード18の取消開始宣言用キーを操作する。
【0057】
そうすると、コントローラ13からドライバ16にRFIDタグデータの取得指示が与えられる。これにより、データ一時格納バッファ17がクリアされる。次いで、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドが送信される。これにより、RFIDタグリーダ12では、スキャナ台に載せられた各返品商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータが一括して読取られ、ドライバ16に入力される。
【0058】
ドライバ16では、各RFIDタグデータがRFIDタグ毎に分割され、そのIDとJANコードがデータ一時格納バッファ17に格納される。このとき、既に同一のIDが格納されているRFIDタグデータは破棄されるので、同一商品のIDとJANコードが重複してデータ一時格納バッファ17に格納されることはない。勿論、同一種類の商品でも別商品の場合には、付されているRFIDタグのIDが異なるので、別データとしてデータ一時格納バッファ17に格納される。
【0059】
また、ドライバ16では、データ一時格納バッファ17に最も早く格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。これにより、コントローラ13ではJANコードによる商品登録取消処理が実行される。そして、商品登録取消処理が実行されると、ドライバ16に受取確認指示が与えられる。この受取確認指示を待って、ドライバ16からは次に格納されたJANコードが1つだけコントローラ13に与えられる。以後、コントローラ13から受取確認指示が与えられる毎に、順次格納されたJANコードが1つずつコントローラ13に与えられ、当該JANコードによる商品登録取消処理が実行される。
【0060】
店員は、取消登録画面40の明細欄41に表示された情報とスキャナ台に載せられた取消商品とを比較し、取消商品の登録完了を確認したならば、確定キー42をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリから取消登録メモリの内容が削除される。その後、店員は買上商品の登録完了を確認したならば、現計キー33をタッチ操作する。これにより、コントローラ13では販売登録メモリの内容に基づいて取引締め処理が実行される。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、アプリケーションプログラムの構造は、既存のバーコードデータを使用するアプリケーションプログラムと基本的に一致している。すなわち、既存のバーコードデータを使用するアプリケーションプログラムにおいても、先ず、バーコードデータの取得をドライバ6に指示し、バーコードリーダ2で読取られた1つのバーコードデータであるJANコードが取り込まれるとそれを処理する。そして、処理を完了すると、データ受取確認指示をドライバ6に与え、これに応じて次のバーコードデータであるJANコードが取り込まれると、これを処理するものとなっている。
【0062】
したがって、本実施の形態によれば、RFIDタグデータに対応するアプリケーションプログラムを開発する際にも、バーコードデータに対応して開発されたアプリケーションプログラムと同様に、コントローラ13にJANコードが1点ずつ入力されることを前提に作ればよいので、バーコードからRFIDタグへの移行に伴うアプリケーションプログラムの改造量を少なくすることができる。その結果、プログラムの開発に伴うコストを大幅に低減できるので、バーコードからRFIDタグへの移行をスムーズに行えるようになる。
【0063】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施の形態では、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた複数のRFIDタグデータをRFIDタグ毎に分割し、さらにIDとJANコードとを抽出してデータ一時格納バッファ17に一時記憶したが、ID,JANコード以外のユーザエリアデータを全てデータ一時格納バッファ17に一時記憶してもよい。
【0064】
また、前記実施の形態では、RFIDタグのユーザエリアデータにJANコードが含まれる場合を示したが、JANコードを含まない場合でも、本発明を実施可能である。そこで次に、RFIDタグのユーザエリアデータにJANコード含まない場合の第2の実施の形態について説明する。
【0065】
図11は第2の実施の形態における商品販売登録装置を示す概略構成図であり、図1と共通する部分には同一符号を付している。すなわち、この第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、ドライバ16がID/JANテーブル29を参照するようにした点である。
【0066】
ID/JANテーブル29は、図12に示すように、各商品23,24,25にそれぞれ付されているRFIDタグ26,27,28のIDに対応して、当該タグが付されている商品の識別コードであるJANコードを予め設定記憶したものである。
【0067】
かかる構成において、ドライバ16が図13の流れ図に示す手順により動作するように、RFIDタグリーダ制御プログラムが構成されている。なお、図13において、図5と共通の処理ステップには同一符号を付している。
【0068】
すなわちドライバ16は、初期状態としてコントローラ13からデータ取得指示があるのを待機している(図13,ST1)。データ取得指示があると、ドライバ16は、データ一時格納バッファ17を初期化する(図13,ST2:バッファ初期化手段)。また、図6に示した確認ループ処理を起動する(図13,ST3)。
【0069】
次に、ドライバ16は、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図13,ST4)。これにより、RFIDタグリーダ12では、タグ交信用アンテナ22の交信可能範囲内に存在するRFIDタグのIDとユーザエリアのデータとからなるRFIDタグデータが一括して読取られる。そして、この一括読取りされた全てのRFIDタグデータがドライバ16に入力される。
【0070】
そこでドライバ16は、RFIDタグリーダ12によってRFIDタグデータが読取られ入力されたことを確認すると(図13,ST5)、その一括読取りされた全てのRFIDタグデータをRFIDタグ毎に分割する(図13,ST6:データ分割手段)。そして、分割されたRFIDタグデータ毎にIDを抽出する(図13,ST70:RFIDデータ取得手段)。
【0071】
次に、1つのRFIDタグデータから抽出したIDでデータ一時格納バッファ17を検索し(図13,ST8)、同一のIDが既に格納されているか否かを判断する(図13,ST9:判断手段)。そして、同一のIDが既に格納されている場合には、抽出したIDとJANコードを破棄する(図13,ST11)。同一のIDが格納されていない場合には、抽出したIDでID/JANテーブル29を検索し、当該IDに対応して設定されているJANコードを取得する(図13,ST71)。そして、このIDとJANコードとを未処理のフラグ情報(f=0とする)とともにデータ一時格納バッファ17に格納する(図13,ST10:データ書込み手段)。
【0072】
次に、分割された全てのRFIDタグデータから抽出したIDについて、上記処理(ST8,ST9,ST11またはST8.ST9.ST71.ST10の処理)を実行したか否かを判断する(図13,ST12)。未実行のIDが残っている場合には、そのIDについて上記処理を実行する。
【0073】
こうして、RFIDタグリーダ12によって一括読取りされた全てのRFIDタグデータについて、既に同一のIDがデータ一時格納バッファ17に格納されている場合にはその読取られたRFIDタグデータを破棄し、格納されていない場合にはその読取られたRFIDタグデータのIDと、当該IDに対応してID/JANテーブル29に設定されているJANコードとを未処理のフラグ情報とともにデータ一時格納バッファ17に順次格納する処理を実行する。そして、この処理を完了したならば、ドライバ16は、コントローラ13からデータ取得終了指示が有ったか否かを判断する(図13,ST13)。
【0074】
ここで、データ取得終了指示がないと判断した場合には、ドライバ16は、再度、RFIDタグリーダ12に対して読取り実行コマンドを送信する(図13,ST4)。そして、それ以後の処理を再度実行する。
【0075】
これに対し、データ取得終了指示があったと判断した場合には、ドライバ16は、確認ループ処理を停止させる(図13,ST14)。以上で、コントローラ13からのデータ取得指示に対する処理動作を終了する。
【0076】
このように構成された第2の実施の形態においても、RFIDタグリーダ12から複数の商品にそれぞれ付されているRFIDタグのデータが一括読取りされたところで、ドライバ16からコントローラ13に対しては、当該商品のJANコードが1点ずつ供給されるので、第1の実施の形態と同様な作用効果を奏し得る。
【0077】
なお、商品識別コードは、JANコードに限定されないのはいうまでもないことである。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1の実施の形態である商品販売登録装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態において、POS端末の記憶部で記憶されるJANファイルのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態において、RFIDタグのメモリに記憶されるデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態において、ドライバが使用するデータ一時格納バッファのデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態において、ドライバが実行するRFIDタグリーダ制御処理の要部手順を示す流れ図。
【図6】同実施の形態において、ドライバが実行する確認ループ処理の要部手順を示す流れ図。
【図7】同実施の形態において、コントローラが実行する登録業務処理の要部手順を示す流れ図。
【図8】図7における取消登録処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図9】商品販売登録画面の一例を示す平面図。
【図10】取消登録画面の一例を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態である商品販売登録装置の概略構成を示すブロック図。
【図12】同実施の形態において、ドライバが参照するID/JANテーブルのデータ構造を示す模式図。
【図13】同実施の形態において、ドライバが実行するRFIDタグリーダ制御処理の要部手順を示す流れ図。
【図14】従来のバーコードを用いた商品管理システムを実現するための概略構成図。
【符号の説明】
【0079】
11…POS端末、12…RFIDタグリーダ、13…コントローラ、14…記憶部、15…通信インターフェイス、16…ドライバ、17…データ一時格納バッファ、18…キーボード、19…タッチパネル、20…プリンタ、21…JANファイル、22…タグ交信用アンテナ、26,27,28…RFIDタグ、29…ID/JANテーブル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID(Radio Frequency Identification)タグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダの制御装置において、
複数のRFIDタグに関するデータを記憶可能なデータバッファと、
前記RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割するタグデータ分割手段と、
このタグデータ分割手段によりRFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子と該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コードとを取得するRFIDデータ取得手段と、
このRFIDデータ取得手段により得られたタグ識別子と商品識別コードとを関連付けて前記データバッファに書き込むデータ書込み手段と、
前記データバッファにタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつ読み出し、商品識別コードを処理するコントローラに供給するデータ供給手段と、
を具備したことを特徴とするRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項2】
前記データ供給手段は、前記コントローラから供給済データの受取完了指示を受けたことに応じて次なる1つの商品識別コードを読出し、前記コントローラに供給することを特徴とする請求項1記載のRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項3】
前記RFIDデータ取得手段により得られたタグ識別子が前記データバッファに既に書き込まれているか否かを判断する判断手段をさらに具備し、当該タグ識別子が前記データバッファに書き込まれていない場合に限り前記データ書込み手段を動作させることを特徴とする請求項1記載のRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項4】
前記コントローラからデータ取得指示を受ける毎に前記データバッファを初期化するバッファ初期化手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項5】
RFIDタグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダを接続するとともに、商品識別コードを用いて業務を処理するアプリケーションプログラムが実装されたコンピュータに、
前記RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割する機能と、
RFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子と該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コードとを取得する機能と、
取得されたRFIDタグのタグ識別子と商品識別コードとを関連付けて記憶する機能と、
RFIDタグのタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつ前記アプリケーションプログラムに引き渡す機能と、
を実現させることを特徴とするRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項6】
前記商品識別コードを前記アプリケーションプログラムに引き渡す機能は、商品識別コードを引き渡した前記アプリケーションプログラムから受取完了の指示を待って次なる商品識別コードを引き渡す機能であることを特徴とする請求項5記載のRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
RFIDタグデータから取得したタグ識別子が既に記憶されているか否かを判断し、既に記憶されている場合にはその記憶すべきタグ識別子を破棄する機能をさらに実現させることを特徴とする請求項5記載のRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記アプリケーションプログラムからデータ取得指示が発生する毎に記憶しているタグ識別子とそれに関連付けされた商品識別コードとをクリアする機能をさらに実現させることを特徴とする請求項5乃至7のうち何れか1項に記載のRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項1】
RFID(Radio Frequency Identification)タグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダの制御装置において、
複数のRFIDタグに関するデータを記憶可能なデータバッファと、
前記RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割するタグデータ分割手段と、
このタグデータ分割手段によりRFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子と該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コードとを取得するRFIDデータ取得手段と、
このRFIDデータ取得手段により得られたタグ識別子と商品識別コードとを関連付けて前記データバッファに書き込むデータ書込み手段と、
前記データバッファにタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつ読み出し、商品識別コードを処理するコントローラに供給するデータ供給手段と、
を具備したことを特徴とするRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項2】
前記データ供給手段は、前記コントローラから供給済データの受取完了指示を受けたことに応じて次なる1つの商品識別コードを読出し、前記コントローラに供給することを特徴とする請求項1記載のRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項3】
前記RFIDデータ取得手段により得られたタグ識別子が前記データバッファに既に書き込まれているか否かを判断する判断手段をさらに具備し、当該タグ識別子が前記データバッファに書き込まれていない場合に限り前記データ書込み手段を動作させることを特徴とする請求項1記載のRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項4】
前記コントローラからデータ取得指示を受ける毎に前記データバッファを初期化するバッファ初期化手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項に記載のRFIDタグリーダ制御装置。
【請求項5】
RFIDタグとの交信制御にアンチコリジョン方式を用いることで複数のRFIDタグからデータを一括読取可能なRFIDタグリーダを接続するとともに、商品識別コードを用いて業務を処理するアプリケーションプログラムが実装されたコンピュータに、
前記RFIDタグリーダで一括読取りされた複数のRFIDタグのデータをRFIDタグ毎に分割する機能と、
RFIDタグ毎に分割されたRFIDタグデータから当該RFIDタグに予め設定されているタグ識別子と該RFIDタグが付されている商品を特定するための商品識別コードとを取得する機能と、
取得されたRFIDタグのタグ識別子と商品識別コードとを関連付けて記憶する機能と、
RFIDタグのタグ識別子と関連付けられて記憶された商品識別コードを1コードずつ前記アプリケーションプログラムに引き渡す機能と、
を実現させることを特徴とするRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項6】
前記商品識別コードを前記アプリケーションプログラムに引き渡す機能は、商品識別コードを引き渡した前記アプリケーションプログラムから受取完了の指示を待って次なる商品識別コードを引き渡す機能であることを特徴とする請求項5記載のRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータに、
RFIDタグデータから取得したタグ識別子が既に記憶されているか否かを判断し、既に記憶されている場合にはその記憶すべきタグ識別子を破棄する機能をさらに実現させることを特徴とする請求項5記載のRFIDタグリーダ制御プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータに、
前記アプリケーションプログラムからデータ取得指示が発生する毎に記憶しているタグ識別子とそれに関連付けされた商品識別コードとをクリアする機能をさらに実現させることを特徴とする請求項5乃至7のうち何れか1項に記載のRFIDタグリーダ制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−65992(P2007−65992A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251264(P2005−251264)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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