説明

RFIDタグ

コイルと、各入力部/出力部がコイルに接続される2つの入力部/出力部を有するRFIDチップとを備えるRFIDタグ。タグは、入力部/出力部に接続された電気回路をさらに備え、回路は、2つのモードのうちの1つにおいて動作するように構成され、一方のモードは、信号が実質的に出力されないことによって、RFIDチップが動作可能になるモードであり、第2のモードは、信号が出力されるために、RFIDチップの動作が中断されるモードである。代替として、回路は、RFIDチップよりも低い動作電圧を有し得、このため、RFID−チップの電圧が不足し、必要に応じてその動作が阻止される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、RFIDタグに関し、具体的には、作動前は離れて読み取り不能であるセキュアなRFIDタグに関する。
【0002】
一般的に、RFIDタグは、読み取り器から問い合わせ電波(interrogating electromagnetic field)を受信することによって動作し、タグのチップに格納された識別データに基づいて、電磁場をロードすること等によって信号を出力する。この種のタグは、衣服、食料品、薬剤などに幅広く使用され、高額紙幣にもタグが使用され得ることが想定される。このようなタグは、認可された読み取り器だけではなく他の機器によっても検知および識別されるため、問題が発生する。したがって、他人に自分の衣服または靴のサイズを知られたくない場合、および他人に自分の財布の中の現金額を遠くから判断されたくない場合、RFIDタグの動作が、必要に応じて望ましい効果を維持するように、あるいはタグの応答を阻止するように制御され得ることが望まれる。
【0003】
このようなセキュアなRFIDタグの種類の1つは、例えば、Peratech製品(http://www.peratech.com/security.php)において見ることができる。この製品では、タグのアンテナは開放されたままとなっており、タグが通信するためには指の圧力で閉じられる必要がある。
【0004】
第1の捉え方によれば、本発明は、コイルと、前記コイルに接続される2つの入力部/出力部を有するRFIDチップとを備えるRFIDタグであって、さらに:前記入力部/出力部に接続されると共に、前記入力部/出力部に信号が実質的に出力されない第1のモードまたは前記入力部/出力部に信号が出力される第2のモードのいずれかで動作するように構成される、電気回路と;前記電気回路が動作する前記第1および前記第2のモードのいずれかにおいて制御を行う手段と;を備える、RFIDタグに関する。
【0005】
本明細書では、RFIDタグは、1つ以上のエンティティとの、無線通信、好ましくは近距離無線通信を実行するように構成される、任意の種類の携帯型要素であってもよい。より一般的な用語はNFC(Near Field Communication;近距離通信)であり、これは、携帯電話またはその同等物に使用されることができる。また、幅広く使用されているプロトコルはRFIDのプロトコルであり、これは、食料品、衣服、クレジットカード、アクセス制御要素(キーハンガーまたはその同等物)、パスポート、またはその同等物に使用され得る。サイズ、価格、およびセキュリティレベルに応じて、このようなタグは、より小型または大型であってもよく、窃盗、紛失、またはその同等物に対するセキュア度が高くまたは低くてもよい。
【0006】
現在のところ好適な実施形態は、例えば、ATMに対して、または店頭販売時点においてユーザまたは銀行口座を識別するための、クレジットカード型要素におけるRFIDプロトコルの使用である。
【0007】
当然ながら、任意の種類のアンテナまたはトランスポンダを使用してもよい。本明細書において、RFIDプロトコルのためには、コイルが好ましいが、他の種類のアンテナを、他の波長または領域に使用してもよい。本明細書では、コイルは、螺旋コイル等の任意の種類のコイルであってもよく、通常、1つの平面および同一平面に多かれ少なかれ設けられるフラットコイルとして設けられてもよい。
【0008】
好ましくは、RFIDチップは、同一の2つの入力部/出力部のみを有する標準的なRFIDチップであり、チップは、当該入力部/出力部から信号および/または電力を受信し、出力する信号を当該入力部/出力部に転送する。本明細書の高セキュリティRFIDチップは、これらの2つの入力部/出力部だけしか含まず、この種類のRFIDチップに適合されたより高セキュリティのタグを提供することが望まれている。後述するように、信号入力部/出力部だけでなく電力用入力部も有するRFIDチップも、本発明に従って使用され得る。このように、実際は、回路の出力は、信号入力部/出力部および/または電力用入力部に供給され得る。
【0009】
通常、入力部/出力部は、コイルに接続される。各入力部/出力部は、シングル・コンダクタ・コイルの2つのコイルエンドのいずれかに接続される。
【0010】
本明細書では、電気回路は、フリップフロップ、トランジスタ、ダイオード、またはその同等物等の1つまたはいくつかの電子構成要素から、ASIC、プロセッサ、シグナルプロセッサ、配線ロジック、FPGA、またはその同等物等までのいずれかであり得る。当然ながら、2つのモードが望まれるが、フリップフロップであっても、2つのモードで動作してもよく、電力または信号がそこを通過することを阻止するように機能してもよい。
【0011】
本明細書では、信号は、回路から生成および出力される、特定の機能に関する信号であり得るが、この信号は、特に、電力がコイルから受信される下記の状況において、単に、入力部/出力部から、任意の電力供給部をロードすることによって出力されてもよい。
【0012】
電気回路が第1および第2のモードのいずれかで動作する構成において制御を行う手段は、任意の種類のコントローラであってよい。例えば、回路が応答する信号を出力するように構成された要素等であってもよい。この応答は、一方のモードから他方のモードへ回路を移行させるものであるか、または移行するモードを規定するものであってもよい。上記制御手段は、回路に信号を送出するか、または送出しないように構成される単純なスイッチまたはその同等物であってもよい。別の形態では、上記制御手段は、複雑な信号を生成して回路に送出してもよい。回路は、その信号から、モードを変更するか否かを判断することができる。
【0013】
当然ながら、電池または他の電圧供給部等の電源を、回路、制御手段、および/またはチップに電力供給するために設けてもよい。しかし、多くのRFIDチップと同様に、電気回路は、コイルから電力を受けとり、かつ受けとった電力に基づいて、好ましくは第2のモードで動作するように構成されることが好ましい。この電力は、標準的なRFIDチップに保存され得る。代替として、電池または他の手段を設けてもよい。
【0014】
その実施形態または別の好適な実施形態では、制御手段は、動作時に、信号を出力するように構成された機械的に動作可能な要素であり、回路は、信号を受信する際に第1のモードに入るように構成される。したがって、制御手段は、上述のように、単純なスイッチであってもよい。しかしながら、好ましくは、制御手段は、変形時に電圧を出力するように構成された圧電素子である。この場合、回路は、閾値を上回る電圧を受け取る際に、反応し、第1のモードに入るように構成される。
【0015】
一好適な実施形態では、回路は、第2のモードで動作する際に、確率的/ランダム信号を入力部/出力部に出力するように構成される。このように、組み合わせられた信号は、確率的/ランダムであるため、無用になる。この点に関し、確率的またはランダム信号は、複数の方式で生成されてもよく、さらに、高度なセキュリティが所望されない場合に、半ランダム/確率的信号(反復可能信号等)を使用してもよい。
【0016】
代替として、回路は、第2のモードで動作する際に、チップにより出力された信号における1つ以上のビットを変更する信号を出力するように構成される。このように、結合信号は、チップにより出力された信号に類似するが、1つ以上のビットは変更され、好ましくは、CRCまたは他の誤り標示ビットに誤りを含ませる。
【0017】
本発明の第2の捉え方によれば、第1の捉え方に従うRFIDタグの動作方法であって:前記コイルにより電磁場を受信/検知し、信号および/または電力を前記チップに転送するステップと;前記電気回路が前記第2のモードで動作し、信号を、前記チップの前記入力部/出力部に出力するステップと;前記制御手段が、信号を前記電気回路に送り、前記電気回路を前記第1のモードに入らせるステップと;前記チップが、所定の情報を前記コイルに出力するように動作するステップと;を含む、方法に関する。
【0018】
本明細書では、電磁場は、コイルに電圧/電流を供給する。この電圧/電流は、チップに転送されて保存され得るか、またはチップにおいて使用され得る。
【0019】
好ましくは、処理は望ましい順序で実行され、信号を受信することによってタグが動作を開始するが、回路は、チップが信号を出力したり、出力信号をスクランブル化したりはしないように信号を出力する。その後、制御手段は、スイッチを操作する(圧電素子を変形させる等)ユーザ等によって操作され、回路にその第1のモードに入るように命令し、これによって、チップは、意図したように動作可能になる。この動作は、通常、チップに格納された所定の情報を出力することを含む。ほとんどの状況では、チップの動作は、正確な情報または期待の情報の受信に対する応答として、情報を出力することを含む。
【0020】
上述のように、制御手段により伝送される信号は、単一の電圧/電流またはその不在から、複数のビットもしくはさらに暗号化された信号等の、より複雑なものまでどのようなものであってもよい。
【0021】
好適な実施形態では、回路がその第2のモードで動作するステップは、電気回路がコイルから電力を受信するステップを含む。このように、内部電源または他の電源が必要とされない。
【0022】
その実施形態または別の好適な実施形態では、制御手段が信号を送るステップは、機械的に動作可能な要素を作動し、次いで、信号を出力することを含む。
【0023】
また、回路が第2のモードで動作するステップは、回路が、確率的/ランダム信号を入力部/出力部に出力することを含むことが好ましい。代替として、回路は、結合信号が、チップにより出力された信号とは異なるように、チップにより出力された信号のうちの1つ以上のビットまたは一部を変更するように動作してもよい。これは、回路が、チップから出力された信号を把握することを必要とするかもしれない。または回路は、チップから出力された信号がそのビットとは異なるまで、所定のビットを出力し続けてもよい。それによって、結合信号は変化したビットを含むようになる。
【0024】
回路が第2のモードで動作するステップは、回路が、ある時間に亘って変動する電力量を消費することを含むことが好ましい。また、この変動する電力量は、信号も出力し、上述のように、この信号ひいては電力消費が確率的/ランダムであることが好ましい。
【0025】
第3の捉え方によれば、本発明は、コイルと、第1の最低動作電圧を有し、それぞれ前記コイルに接続される2つの入力部を有するRFIDチップとを備えるRFIDタグであって、さらに:前記入力部に接続される電気回路であって、前記第1の最低動作電圧よりも低い第2の最低動作電圧で動作するように構成される電気回路と;前記電気回路の動作を制御する手段と;を備える、RFIDタグに関する。
【0026】
上述のように、本明細書のRFIDタグおよびチップは、RFIDプロトコルを含むがこれに限定されない、任意の種類の無線通信、好ましくはNFCを実行するように構成され得る。
【0027】
ゆえに、任意の種類のアンテナまたは送受信機を使用してもよいが、好ましくは単一の導体に設けられる螺旋コイル等のコイルが好ましい。
【0028】
本明細書のRFIDチップは、コイルに接続された2つの入力部を有する。好ましくは、これらの入力部は、コイルから電力を受信するためのものである。1つの種類のRFIDチップでは、2つの入力部だけが設けられ、信号をコイルに伝送することに関してコイルから電力を受信するためと、また実施例によっては、コイルから信号を受信するためにも使用される。他の種類のRFIDチップは、上記の電力受信用入力部、ならびに信号をコイルに提供するためと、また実施例によっては、コイルから信号を受信するための信号用出力部を有する。
【0029】
また、この捉え方によれば、電気回路は、電圧調整器等の極めて単純な回路から、さらにより複雑な機能を実行するプロセッサまたはその同等物等の複雑な回路までのあらゆるものであり得る。
【0030】
本明細書では、最低動作電圧は、チップまたは回路が動作可能である最低電圧である。通常、この電圧は、例えば、チップもしくはASICの生成に使用する技術によって規定され得るか、または例えば、所要の要素(ダイオード等)における電圧降下によって規定され得る。ASICおよび他のチップでは、最低動作電圧は、通常、特定される。
【0031】
この状況において、より低い電圧は、若干低いだけでよいが、生産変動およびその同等物を考慮するために、回路の動作電圧が、チップのその最低動作電圧よりも、80%以下等の90%以下、好ましくは、60%以下等の75%以下であることが望まれる。
【0032】
前述のように、電気回路の動作を制御する手段が設けられる。これらの手段は、第1の捉え方に関連して説明した手段であり得る。
【0033】
一実施形態では、電気回路は、コイルから電力を受信し、かつ受信した電力に基づいて動作するように構成される。このように、内部電源が必要とされない。回路は、電池またはコンデンサ等の、受信した電力を少なくとも限られた期間中保存する手段を有し得る。
【0034】
その実施形態または別の実施形態では、回路は、電力または信号がコイルから受信される際に動作するように構成される。したがって、コイルからの電力/信号の受信は、回路を開始または動作させ、回路は、信号/電力を受信しなくなるまで、または制御手段に停止するように制御されるまで、動作可能なままであり得る。
【0035】
概して、前述のように、制御する手段は、動作時に、信号を回路に転送するように構成された機械的に動作可能な要素であり、回路は、信号を受信すると動作を停止するように構成される。
【0036】
第4の捉え方によれば、本発明は、第3の捉え方に従うRFIDタグの動作方法であって:前記コイルにより電磁場を受信/検知し、電力を前記チップに転送するステップと;前記電気回路がり、前記チップが利用可能な前記電圧を前記第1の最低動作電圧より低い電圧に低下させるように制御するステップと;前記制御手段が信号を前記電気回路に送り、前記電気回路を動作不可能にするステップと;前記チップが、所定の情報を前記コイルに出力するように動作するステップと;を含む、方法に関する。
【0037】
前述のように、コイルを電磁場に配置することは、コイルに電圧/電流を生成し、この電圧/電流は、チップおよび回路に転送される。
【0038】
回路は、チップに利用可能な電圧を、第1の最低動作電圧よりも低い電圧に低下させるように動作可能である。この電圧の低下は、単に、コイルにより供給された電力を十分に消費してコイルにおける電圧を低下させることによって実現されうる。この低下は、プロセッサおよび/またはメモリを動作させること、または単に、電力を浪費または除去するために抵抗器等の電力消費要素を提供する等の、多数の方式で実行されてもよい。
【0039】
また、前述のように、制御手段は、回路に影響を及ぼすために、単純または複雑な信号を回路に提供してもよい。
【0040】
この実施例において、信号を受信した回路は動作を停止するが、これは、回路が受信した電圧を低下させないことを意味する。好ましくは、回路は、動作が停止すると、少なくとも実質的に全く電力を消費しない。これは、チップが動作可能となっている時に、利用可能な電力を可能な限り受け取れるようにするためである。
【0041】
また、上述のように、チップの通常の動作は、所定の情報をコイルに出力する動作である。加えて、チップは、コイルから情報を受信し、信号を解析し、受信した情報が十分である場合に、情報を出力するだけであってもよい。
【0042】
一実施形態では、回路が動作するステップは、電気回路がコイルから電力を受信することと、受信した電力に基づいて動作することとを含む。
【0043】
その実施形態または別の実施形態では、回路が動作するステップは、電力または信号がコイルから受信される際に回路が動作することを含む。したがって、いかなる種類の始動命令も必要とされない。
【0044】
また、さらに上述のように、制御手段が信号を送るステップは、好ましくは、機械的に動作可能な要素を作動し、次いで、信号を転送することを含む。
【0045】
本発明の第5の捉え方は、コイルと;各入力部/出力部が前記コイルに接続される2つの入力部/出力部を有し、かつ2つのモードのうちの1つで動作するように構成されるRFIDチップであって、前記2つのモードのうちの第2のモードは、前記入力部/出力部に信号が実質的に出力されないモードであり、前記2つのモードのうちの第1のモードは、前記入力部/出力部に信号が出力されるモードであり、前記第1から前記第2のモードに、またはその反対に、前記チップを移行させる信号を受信するように構成される1つ以上の信号入力部を備えるチップと;前記1つ以上の信号入力部に信号を提供する手段とを備えるRFIDタグであって:前記提供する手段は、生体測定を実行し、かつ前記生体測定に基づいて人を識別し、前記人が識別されると前記信号を出力するように構成され;前記提供する手段は、前記信号を暗号化された信号として出力するように構成され、前記チップは、前記暗号化された信号から、前記第1のモードへ移行するか否かを決定するように構成される;RFIDタグに関する。
【0046】
上述のように、本明細書の用語の「RFIDタグ」、「コイル」、および「RFIDチップ」は、様々な種類の通信方式やアンテナを組み込んだものも包含する広範な意味で用いられるべきである。
【0047】
本明細書のRFIDチップは、本明細書において、チップにモードを変更させる、または所定のモードに入らせることを命令する信号のための入力部をさらに有する。加えて、この信号は、チップにより解析される、暗号化された信号であり、暗号化された信号が受け入れ可能である場合にのみ、モード変更が発生する。
【0048】
本明細書では、生体測定方式は、人の指紋や虹彩スキャン、画像、人の顔の3D画像を測定することや、またはさらに遺伝解析等の、任意の種類の生体測定方式であってもよい。
【0049】
この測定は、人またはユーザを識別するために使用され、測定の結果は、チップを特定のモードまたはモード変更に入らせることを命令するために使用される。
【0050】
通信チャネルは確実に暗号化される必要がある。また通信チャネルは、シリアルであってもパラレルであってもよく、また様々な数の導体を備えうる。上記提供する手段は、チップの命令を暗号化し、かつこの暗号化された命令を転送するように構成される。
【0051】
同一の命令が通信チャネル上で常に同じであるように見えないように、同一の命令が、様々な異なる形態に暗号化されてもよく、また、暗号化前に、冗長化のために追加の情報を付加してもよい。
【0052】
第6かつ最後の捉え方によれば、本発明は、第5の捉え方に従うRFIDタグの動作方法であって:前記コイルにより電磁場を受信/検知し、電力を前記タグおよび回路に転送するステップと;前記チップが前記第2のモードで動作するステップと;前記提供する手段が、人に関する生体測定を実行し、暗号化された信号を出力するステップと;前記チップが前記暗号化された信号を受信し、前記暗号化された信号が、識別された人に関連する場合に、前記第1のモードに移行するステップと;を含む、方法に関する。
【0053】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0054】
図1は、多くの異なる実施形態に適用されうる一般的な構成を図示する。この構成において、RFIDタグ10は、RFIDチップ12を備える。RFIDチップ12は標準的なRFIDチップであり、RFIDコイル14に接続され得る。
【0055】
コイルをアンテナまたはセンサとして使用するRFIDチップに関連して本図面について説明するが、任意の種類の通信プロトコルや任意の種類のトランスポンダを使用してもよい。通常NFCと称される任意の種類の近距離通信方式を使用してもよい。
【0056】
以下により詳細に説明するように、RFIDチップの動作は、ある時点において影響を受け得る。が、影響を受けないモードでは、RFIDチップおよびコイルの動作は、標準的な動作であってよい。この標準的な動作では、信号が、コイル14によって検知され、この信号および電力は、チップ12の入力部/出力部12'および12"に転送され、チップ12は、電力を格納し、その電力に基づいて、入力部/出力部12'および12"を介して、信号をコイル14に戻して出力する。この信号は、チップ12に格納されたデータを含み、通信相手のアンテナ/端末によって検知されうる。チップ12に格納され、かつ出力信号に埋め込まれているデータは、通常、タグ10の識別に関連しており、タグ10が取り付けられる製品または取り付けられようと意図される製品に関連してもよい。また、タグは、人または銀行口座にも関連し得るため、タグは、例えば、ATMに対して人または銀行口座を識別するために使用されうる。
【0057】
タグ10は、コントローラまたは回路16をさらに備え、これも、コイル14への入力部/出力部16'/16"と、入力部/出力部12'/12"とを介して接続されうる。この回路16は、必要に応じてチップ12の動作に影響を及ぼすように動作可能である。この効果は多数の方式で実現されうる。
【0058】
この効果を得ることを望むか否かをユーザが決定するために、ユーザが操作するためのスイッチ18が設けられる。このスイッチ18が操作されると、コントローラまたは回路16の動作は、チップ12の動作に影響を及ぼす動作から、影響を及ぼさない動作に(またはその反対に)変更されうる。
【0059】
当然ながら、スイッチ18は、動作可能な任意の種類のスイッチであってもよい。スイッチ18の正確な種類は、タグ10の実際の形状および必要性に依存する。通常、タグは、クレジットカードの形状またはそれよりさらに小さい形状のように、小型かつ安価であるべきである。この状況において、適切なスイッチは、圧電素子の形式であってもよく、圧電素子は、変形時に電圧を出力し、この電圧は、コントローラ16に供給され、コントローラ16によって検知されうる。この変形は、タグ10またはスイッチ18上の曲げまたはタッピングに起因し得る。当然ながら、必要に応じて、端末または読み取り器等の他の素子と無線通信し得るような、他の種類のより標準的なスイッチを使用してもよい。
【0060】
好適な実施形態の1つのグループでは、コントローラ16の動作は、入力部/出力部16'/16"に信号を出力することであり、その信号は、チップ12から出力された任意の信号に加えられることによって、コイル14により出力された信号の全体を意味不明のものにする。
【0061】
加えて、この信号は、コイル14により検知され、かつチップ12に転送された任意の信号もスクランブル化し得る。そのためチップ12は、信号中の情報を識別したり、入力部/出力部12'/12"上に意味のある結果を提供することが不可能になる。
【0062】
実際は、このスクランブル化は、入力部/出力部16'/16"を介してコイルにより電力供給される際に、コントローラ16の電力消費を変動させることにより実現されることができる。なぜなら、これも、チップ12の動作を同等に妨害するからである。
【0063】
電池または他の電力供給/貯蔵が必要とされない場合(通常の場合)、コントローラ16が、通常のRFIDチップ12のように、電磁場を検知する際にコイル14から電力を受信するように構成されることが望ましい。この状況において、コントローラ16は、電力(これによって動作することが可能になる)を受信する際およびスイッチ18から信号を受信するまで、信号を出力するように動作可能であり得る。
【0064】
概して、チップ12のこの出力信号が、可能な限りスクランブル化され、かつ識別不可能であることが望まれうる。したがって、コントローラ16の出力は、確率的またはランダムであることが好ましい場合がある。当業者は、これを実現する多数の方式を利用することができ、計算能力の大小やコントローラ16への任意のアナログ入力、また他の要因に応じて利用することができる。
【0065】
上述のグループの一般的な実施形態を図2〜図5に示す。図2では、コントローラ16は、コイル14から電力を受信する電力供給部20と、電力供給部20により電力供給され、かつスイッチ18に接続されたプロセッサ22と、プロセッサ22により制御可能であり、かつコイル14への接続部16'/16"上に信号を出力する内部電流消費プロセス24とを有する。
【0066】
電力供給部20は、コイル14から電力を受信し、かつプロセッサ22が動作することを可能にすることによって、例えば、典型的なRFIDタグの電力供給部として機能する。電力が利用可能である場合、プロセッサ22は、スイッチ18からのインパルスに応じて動作し、プロセス24も、コイル14から電力を受け取って、後述するように動作を開始する。
【0067】
プロセッサ22は、スイッチ18が作動したことを判断し、また、プロセス24の動作を終了させることができる。それによってチップ12は、コイル14からの信号に存在する情報を見つけたり、所望の応答を出力したりすることができる。
【0068】
プロセス24は、出力信号を大きく乱したり、十分に電力を消費したりする如何なるプロセスであってもよい。このプロセスも、入力部/出力部16'/16"によって直接電力供給される。
【0069】
適切なプロセスの種類はほぼ無限にある。例えば、EEPROMやフラッシュメモリ等のメモリへの書き込み/読み出しは、電力消費の変動を生成し、プロセッサのクロック周波数の変化が生じる。このようなプロセスの1つとして、制御可能な電圧リミッタの制御が挙げられうる。当然ながら、電圧の制御は、多数の方式で実装されてもよく、その方式の1つとして、シャントレギュレータ(shunt regulator)として使用される単純なツェナーダイオード(Zener diode)が挙げられる。制御可能なシャントレギュレータは既知の事項であり、有用である。
【0070】
代替として、プロセス24は、チップ12の動作およびそれによる任意の情報出力を妨げるために、入力部/出力部16'/16"上に情報を出力するように機能してもよい。このような情報は、チップ12の出力される情報に応じて判断され得るし、また所定の方式で変更されうる。また、プロセス24により出力された情報は、スクランブル化されたものや、または確率的なものであってもよい。
【0071】
図3では、極めて類似した機構が示される。この図面において、プロセス24'は、実際のコントローラ16に対して外部に配置される。図3のプロセス24'は、図2のプロセス24と同一の方式で動作し得る。
【0072】
図4では、外部に設けられた負荷24"が、電力供給部20からの電力を消費することを通じて、入力部/出力部16'/16"に影響を及ぼす。前述のように、実際のコントローラ16に対して外部にあるが、内部にあってもよいプロセス24"は、プロセッサ22によって制御され、この図面では、電力供給部20によって電力供給される。したがって、プロセス24"の電力消費は電力供給部20に影響を及ぼすが、このため電力供給部20がコイル14から取り入れる電力量は変動し、その結果、チップ12とコイル14との間の信号が乱される。
【0073】
図5では、図4に類似する極めて単純なソリューションが示される。このソリューションではスクランブルコントローラ16が利用される。この図面において、電力供給部20は、スイッチ18からの出力部がリセット入力部に接続されたフリップフロップ22'に電力供給する。電力供給部20からの電力は、フリップフロップ22'の入力部、ならびにフリップフロップ22'の設定入力部、および内部電圧リミッタ24'"に供給される。したがって、フリップフロップ22'のリセットの前に、電圧リミッタ24'"は、電力供給部からの電力を、フリップフロップ22'を介して制限または消費するように機能する。リセットされると、フリップフロップ22'は、電力供給部20からリミッタ24'"への電力流を阻止し、これによって、チップ12は、正常に機能することが可能になる。
【0074】
上記実施形態に対する代替として、入力部/出力部12'/12"上の信号の一般的なスクランブルを実行せずに、さらにより微妙な情報の改変を実行するものが挙げられる。チップ12により提供された情報は、当然ながら、CRCを含む信号であり、CRCは、元々の信号のビットのうちの1つ以上が伝送時に変更された場合に、誤りを含む。そこdプロセッサ16は、単に、動作中にチップ12の信号出力のビットのうちの1つ以上を上書きするように機能し得る。プロセッサ16が、入力部/出力部12'/12"/16'/16"を介して、チップ12により出力された情報を受信することができることに留意されたい。すると、信号を受信する者は、明らかに無効なデータパケットを受信するが、どのビットが変更されているかを判断することが不可能であるため、情報が無効になる。
【0075】
好適な実施形態の別のグループでは、コントローラ16の動作は、必要に応じてチップ12を動作不可能にすることである。これを入手する極めて単純な方式として、コイル14ひいては入力部/出力部12'/12"から多くの電力を引き込むようにプロセッサ16を動作させて、チップ12を動作不可能にすることが挙げられる。
【0076】
チップ12は周知の最低動作電圧を有するが、これらの実施形態では、コントローラ16は、より低い最低動作電圧を有するように選択される。このコントローラ16は、動作時に、チップ12の最低動作電圧を下回る程度まで電圧が低くなるように、コイル14から受信した電圧を引き込む。するとチップ12は動作しなくなるが、一方でコントローラ16は動作する。
【0077】
当然ながら、電圧は、短時間の間、チップ12の最低動作電圧を上回ってもよいが、好ましくは、所定の時間より長くならない。この所定の時間は、望まれる情報を出力するのにチップ12が必要とする時間に関連して、またはその時間に単に限定して判断されうる。
【0078】
次いで、コントローラ16は、スイッチ18から信号を受信すると動作を停止し、チップ12の最低動作電圧を上回る電圧がコイル14からもたらされ、これによって、チップ12は、動作し、その意図された機能を実行する。
【0079】
上述のように、スイッチ18の操作によって、チップ12が動作可能になることが好ましい。
【0080】
このタイプの一実施例が図6に示される。この図面において、コントローラ16は、上述のような電力供給部20と、スイッチ18により制御可能なプロセッサ25とを有する。また、電圧リミッタ26が設けられ、電圧リミッタ26は、動作時に、電力供給部20から多くの電力を引き込み、チップ12に利用可能な電力を、チップ12が機能するには低過ぎるようにする。したがって、コントローラ16の最低動作電圧、ひいてはプロセッサ25およびリミッタ26の最低動作電圧は、チップ12の最低動作電圧よりも低くなるようにする。好ましくは、当然ながら、チップ12の最低動作電圧の少なくとも10%の格差が許容されるため、チップ12が動作し、かつ入力部/出力部12'/12"上に存在する任意の信号に応答することを可能にする程度まで、入力部/出力部12'/12"上の電圧が、チップ12の最小動作電圧を確実に上回らないようになる。
【0081】
上述のように、リミッタ26におけるプロセスは、いかなる種類の電力消費プロセスであってもよい。電力を熱に変換する抵抗器を使用するような単純なものであってもよい。コントローラ/プロセッサ/ASIC/メモリにおける簡単な処理、例えば、定数の加算や乗算、メモリに対する書き込み/読み出し、クロック周波数のシフトなども電力を消費する。
【0082】
別の実施形態が図7に示される。この図面において、プロセッサ25は、リミッタ26'(実際のコントローラ16に対して外部または内部にある)を制御し、リミッタ26'は、この図面では、入力部/出力部16'/16"から直接電力供給される。前述のように、リミッタ26'の動作は、任意の電力消費過程であってよく、この動作は、スイッチ18から信号を受信する際に、プロセッサ25によって終了し得る。
【0083】
別の代替は、チップ12が2つの入力部/出力部12'/12"だけでなく、1つ以上の電力/電圧入力部も有する状況において見られる。この状況では、全ての上記実施形態は、その電力入力部を介してチップ12に影響を及ぼすために使用されることができ、図2〜図5の実施形態は、付加的または代替的に、入力部/出力部12'/12"に作用するように信号/妨害を提供するために使用されうる。
【0084】
またさらなる代替が図8に示され、この図面において、チップ12は、入力部/出力部12'/12"に加えて、チップ12に動作するか否かを命令する信号のための入力部27を有する。
【0085】
対象の人によってのみこのチップ12を動作可能にするために、生体検知要素28が設けられる。この生体検知要素28は、通常その人の指紋によって対象の人を識別し得るが、任意の生体検知方法を使用してもよい(虹彩検出、音声認識、またはその同等物)。
【0086】
当然ながら、チップ12ならびに要素28は、上記実施形態のようにコイルによって電力供給され得るか、または電池30もしくは他の電力供給手段が、少なくとも要素28のために必要に応じて設けられてもよい。
【0087】
生体要素28とチップ12との間の通信リンク29の単なる分離を不可能にするために、この通信リンク29は、暗号化される。したがって、生体要素28は、検知した人に関連する情報を、暗号化形式上でチップ12に転送するため、通信リンク29の遮断およびこれを開回路または短絡回路に置換することは、チップ12は動作可能にしない。
【0088】
したがって、単純なスイッチの代わりに、生体的に動作可能な動作手段を使用してもよい。
【0089】
当然ながら、所望のセキュリティレベルに応じて、任意の種類の暗号化を使用してもよく、任意の数の導体をリンク29に設けてもよい。
【0090】
図1〜図7の実施形態の動作が、変動する電力消費が入力部/出力部12'/12"上に信号を提供し、かつチップ12に利用可能な電力を、チップ12が動作不可能である程度まで低下させ得るという点において、多かれ少なかれ類似することが、上記から明らかである。また、同一の種類のプロセスを、変動する電力消費または一定の電力消費を提供するために使用してもよく、前述の説明は、これらの機能または動作のうちの1つだけに限定するものとして意図されない。組み合わせを使用してもよく、図8に関して説明した実施形態と、残りの図面に関して説明した実施形態のいずれかとの組み合わせも使用してもよい。
【0091】
当然ながら、上記のタグを、衣服、食料品、銀行券等の多数の異なる状況において使用してもよく、特に、例えば、ATMに対するユーザまたは口座番号を識別するためにRFIDまたは他の近距離無線通信を使用するクレジットカード型要素に使用することは、利益をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】一般的な構成を図示する。
【図2】RFIDチップの動作に影響を及ぼす信号または電力変動を生成するように機能する実施形態を図示する。
【図3】RFIDチップの動作に影響を及ぼす信号または電力変動を生成するように機能する別の実施形態を図示する。
【図4】RFIDチップの動作に影響を及ぼす信号または電力変動を生成するように機能する別の実施形態を図示する。
【図5】RFIDチップの動作に影響を及ぼす信号または電力変動を生成するように機能する別の実施形態を図示する。
【図6】RFIDチップが動作不可能なレベルまで、利用可能な電圧を低下させるように機能する実施形態を図示する。
【図7】RFIDチップが動作不可能なレベルまで、利用可能な電圧を低下させるように機能する別の実施形態を図示する。
【図8】代替実施形態を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、前記コイルに接続される2つの入力部/出力部を有するRFIDチップとを備えるRFIDタグであって、さらに:
前記入力部/出力部に接続されると共に、前記入力部/出力部に信号が実質的に出力されない第1のモードまたは前記入力部/出力部に信号が出力される第2のモードのいずれかで動作するように構成される、電気回路と;
前記電気回路が動作する前記第1および前記第2のモードのいずれかにおいて制御を行う手段と;
を備える、RFIDタグ。
【請求項2】
前記電気回路は、前記コイルから電力を受信し、かつ前記受信した電力に基づいて動作するように構成される、請求項1に記載のタグ。
【請求項3】
前記制御手段は、動作時に、信号を出力するように構成された機械的に動作可能な要素であり、前記電気回路は、前記信号を受信する際に前記第1のモードに入るように構成される、請求項1または2に記載のタグ。
【請求項4】
前記電気回路は、前記第2のモードで動作する際に、確率的/ランダム信号を前記入力部/出力部に出力するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載のタグ。
【請求項5】
請求項1に記載の前記RFIDタグの動作方法であって:
前記コイルにより電磁場を受信/検知し、信号および/または電力を前記チップに転送するステップと;
前記電気回路が前記第2のモードで動作し、信号を、前記チップの前記入力部/出力部に出力するステップと;
前記制御手段が、信号を前記電気回路に送り、前記電気回路を前記第1のモードに入らせるステップと;
前記チップが、所定の情報を前記コイルに出力するように動作するステップと;
を含む、方法。
【請求項6】
前記電気回路が前記第2のモードで動作する前記ステップは、前記電気回路が前記コイルから電力を受信するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記制御手段が前記信号を送る前記ステップは、機械的に動作可能な要素を作動し、次いで、前記信号を出力することを含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記電気回路が前記第2のモードで動作する前記ステップは、前記電気回路が確率的/ランダム信号を前記入力部/出力部に出力することを含む、請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記電気回路が前記第2のモードで動作する前記ステップは、前記電気回路が、ある時間に亘って変動する電力量を消費することを含む、請求項5〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
コイルと、第1の最低動作電圧を有し、それぞれ前記コイルに接続される2つの入力部を有するRFIDチップとを備えるRFIDタグであって、さらに:
前記入力部に接続される電気回路であって、前記第1の最低動作電圧よりも低い第2の最低動作電圧で動作するように構成される電気回路と;
前記電気回路の動作を制御する手段と;
を備える、RFIDタグ。
【請求項11】
前記電気回路は、前記コイルから電力を受信し、かつ前記受信した電力に基づいて動作するように構成される、請求項10に記載のタグ。
【請求項12】
前記電気回路は、電力または信号が前記コイルから受信される際に動作するように構成される、請求項10または11に記載のタグ。
【請求項13】
前記制御手段は、動作時に、信号を前記電気回路に送るように構成された機械的に動作可能な要素であり、前記電気回路は、前記信号を受信すると動作を停止するように構成される、請求項10〜12のいずれかに記載のタグ。
【請求項14】
請求項1に記載のRFIDタグの動作方法であって:
前記コイルにより電磁場を受信/検知し、電力を前記チップに転送するステップと;
前記電気回路がり、前記チップが利用可能な前記電圧を前記第1の最低動作電圧より低い電圧に低下させるように制御するステップと;
前記制御手段が信号を前記電気回路に送り、前記電気回路を動作不可能にするステップと;
前記チップが、所定の情報を前記コイルに出力するように動作するステップと;
を含む、方法。
【請求項15】
前記電気回路が動作する前記ステップは、前記電気回路が前記コイルから電力を受信することと、受信した電力に基づいて動作することとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電気回路が動作する前記ステップは、電力または信号が前記コイルから受信される際に前記電気回路が動作することを含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記制御手段が前記信号を送る前記ステップは、機械的に動作可能な要素を作動し、次いで、前記信号を転送することを含む、請求項14〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
コイルと;
各入力部/出力部が前記コイルに接続される2つの入力部/出力部を有し、かつ2つのモードのうちの1つで動作するように構成されるRFIDチップであって、前記2つのモードのうちの第2のモードは、前記入力部/出力部に信号が実質的に出力されないモードであり、前記2つのモードのうちの第1のモードは、前記入力部/出力部に信号が出力されるモードであり、前記第1から前記第2のモードに、またはその反対に、前記チップを移行させる信号を受信するように構成される1つ以上の信号入力部を備えるチップと;
前記1つ以上の信号入力部に信号を提供する手段と、
を備えるRFIDタグであって:
前記提供する手段は、生体測定を実行し、かつ前記生体測定に基づいて人を識別し、前記人が識別されると前記信号を出力するように構成され;
前記提供する手段は、前記信号を暗号化された信号として出力するように構成され、前記チップは、前記暗号化された信号から、前記第1のモードへ移行するか否かを決定するように構成される;
RFIDタグ。
【請求項19】
請求項18に記載のRFIDタグの動作方法であって:
前記コイルにより電磁場を受信/検知し、電力を前記タグおよび回路に転送するステップと;
前記チップが前記第2のモードで動作するステップと;
前記提供する手段が、人に関する生体測定を実行し、暗号化された信号を出力するステップと;
前記チップが前記暗号化された信号を受信し、前記暗号化された信号が、識別された人に関連する場合に、前記第1のモードに移行するステップと;
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−512451(P2012−512451A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540144(P2011−540144)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067187
【国際公開番号】WO2010/069955
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(509053592)
【氏名又は名称原語表記】CARDLAB APS
【住所又は居所原語表記】William Wains Gade 9−14, DK−1432 Copenhagen K (DK)
【Fターム(参考)】