説明

RFIDタグ

【課題】異なる通信周波数に対応可能で、且つ被貼付体である導電性物品の材料特性や多様な使用環境にも対応可能なICタグの提供を目的とした。
【解決手段】ICチップ4と単一巻のループコイル11とを基板上に搭載したRFIDタグ10であって、導電性物品に部分的に固定する手段を有し、ICチップ4は入力端子がループコイル11に接続され、ICチップ4の虚部入力インピーダンスとループコイル11の虚部入力インピーダンスとは互いに共役か、又は後者の虚部入力インピーダンスの大きさが前者の虚部入力インピーダンスよりも大きいことを特徴とするRFIDタグ10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波帯を利用した電波方式によるRFIDタグのアンテナ構造に関するものであり、特に金属体に貼り付けることで金属体そのものを放射素子として機能させるとともに、ICチップと整合用ループコイルとのインピーダンス整合をより容易にしたRFIDタグの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ICタグは、市場に流通する種々の物品に貼付して使用されており、絶縁性の物品のみならず導電性の物品にICタグ媒体を貼り付けることも行われている。その際、ICタグ媒体は、一般にインピダンス整合用の整合ループ回路が形成されるが、幅広に形成した整合ループ回路の一部を接続パッドとし、その部位でICタグを導電性物品に貼り付けるかもしくは機械的に固定している。
【0003】
この技術上の意味は、整合ループ回路と導電性物品とを、接続パッドを介して電気的に結合させることである。これにより、整合ループ回路と接続パッド部分を介して結合する導電性物品自体を電磁放射素子として用いることでが可能となる。この構成であれば、ICタグ側に放射部を設ける必要がなくなる結果、ICタグを小型化できるという利点がある。また、整合ループ回路のインピーダンスの虚数成分と無線用ICチップのインピーダンスの虚数成分とを整合させることで、リーダライタと良好な通信を行えるという効果もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−196377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで従来技術では、整合ループ回路のインピーダンスの虚数成分と無線用ICチップのインピーダンスの虚数成分とを整合させることで、リーダライタと良好な通信を行えると記載されている。しかしながら、製合ループ回路とICチップとのインピーダンス整合(虚数成分)は、通信に使用する電波の周波数帯毎に設定する必要がある。例えば、日本では953MHzの周波数においてのICチップとループ回路のインピーダンスが整合するようにループ回路を設計する必要があり、欧州では867MHzの周波数においてインピーダンスが整合するようにループ回路を設計する必要があり、それぞれに対応して別途作りこんでおり、単一のICタグ構成では対応できないという問題があった。
【0006】
また、同じ通信周波数を用いる場合でも、ICタグ媒体が導電性物質に貼り付けられる環境(ループ回路近傍での誘電体・磁性体及び前記導電性物質以外の金属体の有無)によっては、その使用環境に合わせてICチップとインピーダンスが整合するようにループ回路を設計しなければならないという問題があった。
そこで本発明は、異なる通信周波数に対応可能で、且つ被貼付体である導電性物品の材料特性や多様な使用環境にも対応可能なICタグの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明になる請求項1に記載の発明は、ICチップと単一巻のループコイルとを基板上に搭載したRFIDタグであって、導電性物品に部分的に固定する手段を有し、ICチップは入力端子がループコイルに接続され、ICチップの虚部入力インピーダンスとループ
コイルの虚部入力インピーダンスとは互いに共役か、又は後者の虚部入力インピーダンスの大きさが前者の虚部入力インピーダンスよりも大きいことを特徴とするRFIDタグとしたものである。
【0008】
本発明になる請求項2に記載の発明は、前記固定手段は、ICチップのループコイル上の取り付け位置を、RFIDタグを導電性物品に固定した際にループコイルと導電性物品とが重なる領域以外のループコイル上とすることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグとしたものである。
【0009】
本発明になる請求項3に記載の発明は、前記導電性物品に対するRFIDタグの固定位置が、基板上又は少なくともICチップとループコイルとを被覆する表層保護層上に数段階に分かれて明示されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のRFIDタグとしたものである。
【0010】
本発明になる請求項4に記載の発明は、前記数段階に分かれて明示されている部分は、使用環境又は通信周波数に応じた段階ごとに文字、記号あるいは数値が記載されるか併記されていることを特徴とする請求項3に記載のRFIDタグとしたものである。
【0011】
本発明になる請求項5に記載の発明は、前記ループコイルは線幅が互いに異なる辺を備え、前記固定手段は、ループコイルの辺が導電性物品と電気的に結合するようRFIDタグと導電性物品とを固定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のRFIDタグとしたものである。
【0012】
本発明になる請求項6に記載の発明は、前記RFIDタグを導電性物品に固定する手段が基板裏面に形成された粘着材層であって、該粘着材層は、ミシン目加工等易破断加工されたすだれ状の離型紙により被覆されており、RFIDタグの導電性物品に対する固定位置に応じて離型紙を剥離できることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のRFIDタグとしたものである。
【0013】
本発明になる請求項7に記載の発明は、前記RFIDタグの導電性物品に対する固定位置の明示方法が、印刷、キリカケ、ミシン目、穴、エンボス加工、剥離紙のスリット、レーザ刻印のいずれかであることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のRFIDタグとしたものである。
【0014】
本発明になる請求項8に記載の発明は、前記ループコイルは、ループコイルの一辺が該辺上に矩形状にループ外に突出する部分を有し、突出する部分の線幅はそれ以外のループコイルの線幅よりも狭いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項にRFIDタグとしたものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明により、ICチップとループコイルを流れる電圧と電流の位相差による無効電力をなくすことができ、ループアンテナとICチップの間で効率良くエネルギーの送受が行えるようになるため、ICタグの通信距離を伸ばすことが可能となる。
また、ICチップの虚部インピーダンスよりもループコイルの虚部インピーダンスを予め大きく設定しておくことで、ループコイルの取り付け環境によって生じる虚部インピーダンスの低下が発生した場合もICチップとループコイル間のインピーダンスマッチングの悪化を防止することが可能となる。
さらに、固定手段を備えることでRFIDタグを物品に取り付けるのが容易となる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、ループコイルの一部と導電性物品を重なるように固定するこ
とで導電性物品を放射素子として扱うことができ、その際ICチップを導電性物品から離れて取り付けることで送受信効率が向上する。また、実質ループコイル部分のみのサイズにRFIDタグを小型化することができる。
【0017】
請求項3から請求項5に記載の発明により、導電性物品へのループコイルの貼り付けかたを一定の段階毎に設定することが可能となり、同時にこの貼り付けの重なり度合いによって、ループコイルのインピーダンスの虚部成分を減らす方向に調整することが可能となる。これによって、ループコイルとICチップのインピーダンスの整合度合いを通信に使用する周波数毎、及びRFIDタグの設置環境に合わせて最適化し、リーダライタとの通信距離を最大化することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明により、ループコイルと導電性物品が重ね合わさる部分全体を使って両者を貼り合せることも可能となり、ループコイルを導電性物品にしっかりと貼り付けることができるほか、両者の位置関係、即ち両者間での電気的接合状態を安定化させることで、RFIDタグの電気的性能(通信距離)も安定する。
【0019】
請求項7に記載の発明により、導電性物品に貼り付けるループコイルの固定位置を所望の手法で明示することが可能となり、各環境・周波数帯においてタグの性能が最適となるように設置することが可能となる。
【0020】
請求項8に記載の発明により、ループコイルを貼り付ける導電性物品とループコイルとの位置関係に対するループコイルのインピーダンスの変化量を小さくすることが可能となり、より細かいレベルで貼り付け後のループコイルのインピーダンスの調整を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】RFIDタグの構造を模式的に説明する上面視(a)と上面視(b)の図である。
【図2】RFIDタグを粘着材層を使用して導電性物品に固定する様子を模式的に説明する平面視の図である。
【図3】表面保護層上に取り付け位置が印刷されたRFIDタグを導電性物品に固定する様子を模式的に説明する図及び虚部インピーダンスと取り付け位置の関係を示す図である。
【図4】ループコイルの辺の太さを変化させたRFIDタグの固定方法を模式的に説明する図である。
【図5】(a)〜(c)粘着材層をすだれ状の離型紙により被覆されたRFIDタグの固定方法を模式的に説明する図である。
【図6】辺の一部に矩型状の突出部を設けたループコイルを有するRFIDタグの固定方法を模式的に説明する図である。
【図7】(a)〜(c)固定位置あるいは通信周波数とインピーダンスの虚部との関係を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明になるRFIDタグの構造について図面を用いて説明する。
図1(a)、(b)はRFIDタグの構造を説明する上面視の図とAA’線における断面視の図である。図1(b)に示すようにRFIDタグ10は、コアとなる基材1の一方の面に単一巻のループコイル2が枠状に形成され、一般に裏面には導電性物品に固定するための固定手段が設けられる。固定手段として、粘着材層3あるいは接着層が簡便且つ好適である。ループコイル2は枠状である必要がなく多少の凹凸があってもよいが、ICチップ接続用のスリット6以外では単一ループをなすのが好ましい。
【0023】
ICチップ4は取り立てて隅に装着する必要はないが、図1(a)では一応枠状ループコイル2の隅に形成されたスリット6を跨ぐように取り付けられており、ループコイル2とICチップ4は、基板1表面も含め表面保護層5によって被覆されている。また、粘着材層3は、導電性物品に固定されるまでは図示しない離型材で保護し固定するときに必要箇所だけを露出させて使用するのが好ましい態様である。
【0024】
基材1としては耐熱性と耐溶剤性を兼ね備えた可撓性のものであれば良く、ガラスエポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使用できる。厚さは、例えば、40μm〜150μmの範囲から適宜選択される。
【0025】
ループコイル2等配線パターンは、基板1上にラミネートした銅箔またはアルミ箔を、定法のフォトリソ法によりエッチングして形成するか、導電性ペーストを使用した印刷法でパターン形成しアニールする方法が採用できる。RFIDタグを小さくして微細な配線パターンが必要であれば前者が好ましい。ICチップ4の実装は、チップ側の端子とループコイルのスリット6両側を異方性導電フィルム(ACF)やACP(異方性導電ペースト)を用いた接続あるいはハンダバンプを介したハンダ接続から選択できる。
【0026】
表面保護層については、例えば合成紙又は樹脂シート等耐久性に優れたシートを選択できる。粘着材あるいは接着材については、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、スチレン−イソブレン−スチレン(S−I−S)−ブロックポリマー系、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系から適切な材料を選択して使用できる。
【0027】
(実施の形態1)
実施の形態1は、上記のRFIDタグ10を図2に記載の態様で導電性物品7に固定して使用する場合であるが、固定する態様として、基材1裏面の粘着材層3をICチップ4が下部の導電性物品7と上面視で重ならないようにして固定する形態を示すものである。ループコイル2と導電性物品7の間に粘着材層3や基材1が介在するので、それぞれが直接に接触しておらず電気的に結合する形態である。
【0028】
ICチップ4とループコイル2のインピーダンスを、jを虚数単位として次のように表す。
ic=Re(Zic)+j×Im(Zic
ant=Re(Zant)+j×Im(Zant
もし、|Zic|=|Zant|であれば、ループコイル2とICチップ4間の電力伝達効率が最大となるが、ループコイル2側のインピーダンスは、RFIDタグ10が貼着される導電性物品7の電磁的特性によって変動するので、貼着固定する際に状況に応じて微調整して上記条件が達成されるように、最初の設計段階では、Im(Zic)≦Im(Zant)の関係を満たすように設計しておくのが好ましい。
【0029】
このRFIDタグ10を、基板1の裏面に形成した粘着材層3等を用いて、スチール缶、アルミニウム缶等の金属製容器等、あるいは、金属製パレット等の導電性物品4に貼り付けて固定する。これにより、ループコイル2の一部が絶縁性の基板1を介して導電性物品7に離間対向すると、ループコイル2と導電性物品4とが電気的に結合して、導電性物品4自体を電波放射8する放射素子として働かせて1つのRFIDタグとして機能させることができる。こうして、ICチップ4と導電性物品4とを組み合わせてRFIDタグを構成してリーダライタと通信させることができる。
尚、電気的な結合については下記の実施態様全てに当てはまるので以下では省略する。
【0030】
(実施の形態2)
本発明は、ループコイル2を組成する枠各辺11の太さが同じRFIDタグ10を導電性物品7に固定する際に有用なRFIDタグ10側の取り付け位置の明示手段を特定したものである。すなわち、RFIDタグ10を導電性物品7に固定する際に、ループコイル2と導電性物品7とをどの程度まで重ね合わせればよいかを示す目印が、図3で示すように表面保護層3上あるいは基板1上にa、b、c、・・・のように段階的に位置を変えて設けられている態様である。ICチップ4が搭載されている辺11は、導電性物品7と重ならないようにするのが好ましい。
【0031】
目印としては、インピーダンスや通信用の周波数を示唆する数値のようなもあってもよいし、文字、記号やこれらの羅列のようなものであっても構わない。それらが示す意義については説明書等を調べて適宜選択することになる。
【0032】
導電性物品7と重なるループコイル2の面積が減少すると、ループ内を貫通する磁場成分も減少するのでループコイル側から見たインピーダンスの虚数成分が小さくなる。実効的なループ面積を変化させることでインダクタンス成分を調整するものであり、この傾向は図7(a)に示してある。
【0033】
図7(a)は、厚さが50μmのPETシートの上に厚みが30μmのアルミ箔を用いて図3で示す枠状のループコイルを1.0mmの線幅で形成したタグの953MHzに対するインピーダンス虚部の測定結果である。ループコイルの横の長さは14mm、縦の長さは10mmで上辺隅にスリットを設けてインピーダンスを測定した。20mm×40mmの金属板を図で示すように重ねて虚部インピダンスを測定したが、重ね合わせた位置は水準aは、横のアルミ箔より0.1mm下、水準bは、aを基準として1.5mm上、水準cはそれよりさらに1.5mm上としたものである。
【0034】
(実施の形態3)
本発明は、ループコイル2を組成する枠各辺11の太さが異なるように設計したRFIDタグ10を導電性物品7に固定する場合の態様である。例えば、図4に示すように枠状のループコイル2であれば、ICチップ4が搭載される辺の太さに対して残り3辺11の太さを相対的に変える態様である。RFIDタグ10を導電性物品7に固定する際には、図4に示すように一辺全体を重ねるか辺方向の一部を重ねるかして使用するものである。但し、ICチップが搭載されている辺は導電性物品と重ねることは許されない。重ねる辺によってa,b,c・・から選択する。
【0035】
この場合のRFIDタグの取り付け位置a,b,cに対するICチップ側から見た入力インピーダンスの虚部の値をプロットしたものを図7(b)に示した。また、ICチップ側の入力インピーダンスの虚数部の値を通信周波数に対してプロットしたのが図7(c)である。
【0036】
図7(b)は、厚さが50μmのPETシートの上に厚みが30μmのアルミ箔を用いて図3で示す枠状のループコイルを形成したタグの953MHzに対するインピーダンス虚部の測定結果である。ループコイルの短い辺の長さは8mm、長い辺の長さは14mm、線幅は細い方から1mm,2mm,3mmとし、長い辺の隅にスリットを設けてインピーダンスを測定した。図中の水準a、b、c、は、20mm×40mmの金属板を図で示すように線幅の太い順に、線幅のほぼ中央でタグに重なるようにした場合である。
【0037】
図7(c)は、周波数によってループコイルのインピーダンス虚部が変動することを例示するもので、ループコイルの等価回路を抵抗1000Ωと容量1.1pFの並列回路とした時のインピーダンス虚部の計算結果である。
【0038】
(実施の形態4)
本発明は、基本的に実施態様1と同じであるが、RFIDタグ10の取り付け位置の選択と固定を容易にしたものである。すなわち、図5(a)に示すように狭幅の離型紙12を辺に沿って短冊状に並べて粘着材層3を予め被覆しておく形態である。図5では離型紙12が基板1上に並ぶように描いてあるが、実際は基板1裏面の粘着材層3を被覆している。
この態様は離型紙に切り込みを入れてから粘着材層3に貼り付ければ容易に実現できる。使用者は、図5(b)に示すように所望のインピーダンスになる位置まで離型紙12を剥がして粘着材層3を露出してから導電性物品7に貼り付けて使用する。図5(c)はこの様子を図示したAA’における断面視の図である。
【0039】
(実施の形態5)
本発明は、基本的に実施態様3、実施態様4と同じであるので図示はしないが、RFIDタグの段階的な取り付け位置を明示する仕方として、印刷、切りかけ、ミシン目、孔、エンボス加工、レーザ照射から選択するものである。切りかけについては基板1の側面に刻印するが、それ以外については基板面に前述の手段で段階的に刻印することになる。これら目印から、所望のインピーダンスを与える固定位置を選択し、当該部位まで導電性物品7とループコイル2を重ね合わせるようする。
【0040】
(実施の形態6)
本発明は、ループコイル2を組成する辺の一辺を更に変形させた形態である。図6に示したように、辺11の一部で辺が矩形状にループ外に突出する凸部13を設け、その部分の線幅を細く設定したものである。そしてこの凸部13が導電性物品7と重なるようにして使用される。ループに囲まれる面積にもよるがより微小なインダクタンスの変化を設定できるものである。
【符号の説明】
【0041】
1、基材
2、アンテナコイル
3、粘着材層(の粘着して部分を示す)
4、ICチップ
5、表面保護層
6、(ループコイル)スリット
7、導電性物品
8、放射電磁波
10、RFIDタグ
11、ループコイルを組成する辺
12、離型紙
13、矩形凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップと単一巻のループコイルとを基板上に搭載したRFIDタグであって、導電性物品に部分的に固定する手段を有し、ICチップは入力端子がループコイルに接続され、ICチップの虚部入力インピーダンスとループコイルの虚部入力インピーダンスとは互いに共役か、又は後者の虚部入力インピーダンスの大きさが前者の虚部入力インピーダンスよりも大きいことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記固定手段は、ICチップのループコイル上の取り付け位置を、RFIDタグを導電性物品に固定した際にループコイルと導電性物品とが重なる領域以外のループコイル上とすることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記導電性物品に対するRFIDタグの固定位置が、基板上又は少なくともICチップとループコイルとを被覆する表層保護層上に数段階に分かれて明示されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記数段階に分かれて明示されている部分は、使用環境又は通信周波数に応じた段階ごとに文字、記号あるいは数値が記載されるか併記されていることを特徴とする請求項3に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記ループコイルは線幅が互いに異なる辺を備え、前記固定手段は、ループコイルの辺が導電性物品と電気的に結合するようRFIDタグと導電性物品とを固定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記RFIDタグを導電性物品に固定する手段が基板裏面に形成された粘着材層であって、該粘着材層は、ミシン目加工等易破断加工されたすだれ状の離型紙により被覆されており、RFIDタグの導電性物品に対する固定位置に応じて離型紙を剥離できることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項7】
前記RFIDタグの導電性物品に対する固定位置の明示方法が、印刷、キリカケ、ミシン目、穴、エンボス加工、剥離紙のスリット、レーザ刻印のいずれかであることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のRFIDタグ。
【請求項8】
前記ループコイルは、ループコイルの一辺が該辺上に矩形状にループ外に突出する部分を有し、突出する部分の線幅はそれ以外のループコイルの線幅よりも狭いことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項にRFIDタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−3953(P2013−3953A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136152(P2011−136152)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】