説明

RREおよびCTEを含む遺伝的構築物および組成物ならびにそれらの使用

HIV−1 Revのコード配列、および所望の蛋白のコード配列を含む遺伝的構築物が開示されている。少なくとも二つの核酸分子を含み、少なくとも一つの核酸分子がHIV−1 Revのコード配列を含み、少なくとも一つの核酸分子が所望の蛋白のコード配列を含むところの組成物が開示されている。核酸分子を含むかかる遺伝子構築物および組成物において、所望の蛋白のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部と、少なくとも一つのCTEを含む。個体にて免疫原に拮抗して免疫応答を誘発する方法、個体に蛋白を送達する方法および蛋白の産生方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は改良された遺伝的構築物に関する。特に、本発明は核酸分子の核酸配列によりコード化される蛋白を高レベルで発現するのに用いることのできる核酸分子に関する。本発明はまた、改良されたDNAワクチンおよび遺伝子療法に関する。
【0002】
(従来技術)
HIV−1 Rev−RREは周知であるが、完全に理解されているわけではない。HIV構造蛋白をコード化する遺伝子、すなわちHIV遺伝子gag、polおよびenvが、各々、HIV蛋白Revにより認識されるRREを含有することが知られている。これらの配列はHIV蛋白Revと相互作用することがわかっている。RREを含有する細胞中の核酸分子は細胞中に存在するRevと結合して細胞質に輸送される。この輸送により、RREまたはRevの存在しない類似する構築物にて観察されるレベルと比べて、高レベルの遺伝子発現がもたらされる。米国特許第5554528号および第5604114号(出典明示により本明細書の一部とする)がHIV RRE配列を開示する。米国特許第5650309号および第5665577号(出典明示により本明細書の一部とする)がHIV RRE配列を含むベクターを開示する。
【0003】
CTEシステムは周知であり、とりわけ、米国特許第5585263号および第5880276号(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。このシステムによれば、宿主蛋白はmRNA上のCTE配列を認識し、該配列を細胞核から細胞質に輸送する。この輸送により、RREまたはRevの存在しない類似する構築物にて観察されるレベルと比べて、高レベルの遺伝子発現がもたらされる。CTEシステムはまた、Brey, M.、S. Prasad、J. W. Dubay、E.Hunter、K.-T. Jeang、D. RekoshおよびM.-L. Hmmarskjold(1994) A small element from the Mason-Pfizer monkey virus genome makes human immunodeficiency virus type 1 expression and replication Rev-independent. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 1256-1260;Saavedra, C.、B. FelberおよびE. Izaurralde、1997 The simian retrovirus-1 constitutive transport element, unlike the HIV-1 RRE, utilises factors required for the export of cellular mRNA. Curr. Biol. 619-628;Ernst RK.、Bray M、Rekosh D、Hammarskjold ML(1997) Secondary structure and mutational analysis of the Mason-Pfizer monkey virus RNA constitutive transport element. RNA. 3(2): 210-22;およびKang Y、Bogerd HP、Cullen BR. (2000) Analysis of cellular factors that mediate nuclear export of RNAs bearing the Mason-Pfizer monkey virus constitutive transport element. J Virol. 74 (13) : 5863-71(各々を出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
【0004】
核酸分子でのコード配列の発現を強化する改良されたシステムを提供することに対する要求がある。核酸分子でのコード配列の高レベルでの発現を示す改良されたワクチン、免疫方法および遺伝子療法および組成物を提供することに対する要求がある。
【0005】
(発明の要約)
本発明は、HIV−1 Revのコード配列および所望の蛋白のコード配列を含む、遺伝的構築物に関する。かかる遺伝的構築物において、所望の蛋白のコード配列は、RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。
本発明はまた、少なくとも二つの核酸分子を含む組成物であって、少なくとも一つの核酸分子がHIV−1 Revのコード配列を含み、少なくとも一つの核酸分子が所望の蛋白のコード配列を含むところの、組成物に関する。その所望の蛋白のコード配列は、RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および少なくとも一つのCTEを含む。所望の蛋白は、一般に、HIV−1 Revと異なる蛋白である。
【0006】
本発明はさらには、個体にて免疫原に拮抗して免疫応答を誘発する方法に関する。本発明の方法のいくつかは、HIV−1 Revのコード配列および免疫原のコード配列を含む遺伝的構築物を個体に投与する工程を含む。免疫原のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。本発明の方法のいくつかは少なくとも二つの核酸分子を含む組成物を個体に投与する工程を含む。少なくとも一つの核酸分子はHIV−1 Revのコード配列を含み、少なくとも一つの核酸分子は免疫原のコード配列を含む。免疫原のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。
【0007】
本発明はさらには、個体に蛋白を送達する方法に関する。本発明の方法のいくつかは、HIV−1 Revのコード配列および蛋白のコード配列を含む遺伝的構築物を個体に投与する工程を含む。蛋白のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。本発明の方法のいくつかは少なくとも二つの核酸分子を含む組成物を個体に投与する工程を含む。少なくとも一つの核酸分子はHIV−1 Revのコード配列を含み、少なくとも一つの核酸分子は所望の蛋白のコード配列を含む。蛋白のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。
【0008】
本発明はさらには、細胞にて蛋白を産生する方法に関する。本発明の方法のいくつかは、HIV−1 Revのコード配列および蛋白のコード配列を含む遺伝的構築物を含む細胞を培養する工程を含む。蛋白のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。本発明の方法のいくつかは少なくとも二つの核酸分子を含む細胞を培養する工程を含む。少なくとも一つの核酸分子はHIV−1 Revのコード配列を含み、少なくとも一つの核酸分子は所望の蛋白のコード配列を含む。蛋白のコード配列はRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部および少なくとも一つのCTEを含む。
【0009】
(図面の簡単な記載)
図1−5は3種のプラスミドのうちの一つを投与した後にHIV−1 Envに対する免疫応答間でなされた比較データを示すものであり、そのプラスミドは、各々、Envコード配列がRREを含有するところのEnvをコードする。これらのデータを以下の実施例に記載する。
【0010】
(発明の開示)
本発明は、核酸分子に、mRNAにて存在すると、そのmRNAの細胞核から細胞質へのシャトルをもたらし、細胞での蛋白産生を増加させる、二つの異なる輸送因子を提供する。二つの輸送因子は相互に独立して作用し、一緒に使用されると、単なる相加作用よりも蛋白産生にてより大きな向上が見られる。
利用される輸送システムは各々公知である。一つはHIV−1 Rev−Rev応答因子(RRE)システムである。他はメーソン・ファイザー・サルウイルスから単離されるCTEシステムである。本発明によれば、遺伝的構築物はRREと少なくとも一つのCTEの両方を含有する。さらには、RREを従事させて輸送を行うのに必要なRev蛋白を細胞に付与するための、HIV−1 Revコード配列を有する構築物が提供される。
本明細書にて用いられる、「遺伝的構築物」なる語は、意図として、コード配列の発現に必要な因子に作動的に連結する蛋白(コード配列)をコード化する核酸配列を含む核酸分子を言う。ある具体例において、遺伝的構築物はDNA、好ましくはウイルスベクターのプラスミドまたはゲノムである。ある具体例において、遺伝的構築物はRNA、好ましくはレトロウイルスベクターのゲノムである。
【0011】
本発明によれば、Revのコード配列、および所望の蛋白のコード配列を含む遺伝的構築物が提供される。本明細書にて用いる場合、「所望の蛋白」なる語は、意図として、少なくともRREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部と、少なくとも一つのCTEを含む蛋白のコード配列を包含するmRNAを含むことを条件に、生理学的または免疫学的に活性な配列の蛋白を含め、いずれの蛋白をも言う。ある具体例において、所望の蛋白はHIV構造蛋白であり、HIV構造蛋白のコード配列を包含するmRNAは少なくとも一つのCTEを含む。ある具体例において、所望の蛋白はHIV構造蛋白の少なくとも一部と、非HIV部を含む融合蛋白である。ある具体例において、非HIV部は免疫学的または生理学的に活性な蛋白であっても、あるいはさらにRREを含むHIV構造蛋白またはそのフラグメントを含むその免疫学的または生理学的に活性なフラグメントであってもよい。所望の蛋白がHIV構造蛋白でないならば、すなわち、その所望の蛋白が融合蛋白であるならば、非HIV配列の属性が、その遺伝的構築物がワクチンまたは遺伝子治療剤であるかどうかを決定するであろう。すなわち、所望の蛋白である融合蛋白が免疫原であるならば、その構築物を、例えば、ワクチンまたは蛋白産生の開始物質として用いて免疫応答を誘発することができる。融合蛋白が生物学的に活性であり、非免疫原性であるならば、その構築物を遺伝子療法または蛋白産生の開始物質に用いることができる。
【0012】
本発明はまた、少なくとも二つの核酸分子を有する組成物であって、そのうちの少なくとも一つがHIV−1 Revのコード配列を含み、そのうちの少なくとも一つが所望の蛋白のコード配列を含む、組成物を提供する。ある具体例において、核酸分子はDNA分子、好ましくはプラスミドである。
本発明の遺伝的構築物ならびに本発明の組成物の核酸分子は、gag、pol、envおよびRREを含むそのフラグメントからなる群より選択されるコード配列を包含する。すなわち、本発明はgag、polまたはenvによりコード化されるHIV蛋白の高レベル発現に用いることができ、あるいはまた、RREを含むgag、polまたはenv遺伝子産物の一部を包含する融合蛋白の高レベルの発現に用いることができる。その遺伝的構築物はまた、Rev蛋白が産生されるように、調節因子に作動可能に結合したHIV−1 Rev蛋白をコード化するコード配列を含有する。該組成物はRev蛋白が産生されるように調節因子に作動可能に結合したHIV−1 Rev蛋白をコード化するコード配列を含む核酸分子を含有する。
【0013】
本発明によれば、一のまたは複数のCTE配列は、産生される蛋白の配列中の組成物の遺伝子構築物または核酸分子中に含まれる。好ましい具体例において、CTE配列はポリアデニル化尾部の3’部位に含まれる。ある具体例において、遺伝子構築物は1個以上のCTE配列を含有してもよい。ある具体例において、該構築物は2、3、4または5個のCTE配列を含有してもよい。
本発明はさらには、個体において免疫原に拮抗して免疫応答を誘発する方法であって、蛋白を個体に送達する方法、および蛋白の産生方法を提供する。
【0014】
個体にて免疫原に拮抗して免疫応答を誘発する方法および個体に蛋白を送達する方法は、個体に上記した遺伝的構築物または組成物を投与する工程を含む。免疫応答を誘発する方法において、所望の蛋白は免疫原性である。所望の蛋白がHIV構造蛋白であるならば、遺伝的構築物はワクチンであり、所望の蛋白は、免疫原である目的で、発現される。同様に、所望の蛋白が免疫原性蛋白であるならば、遺伝的構築物または組成物はワクチンとして用いられ、所望の蛋白が免疫原である目的で発現される。免疫応答を誘発し、予防的または治療的作用を得てもよく、あるいは抗体および免疫原に特異的な抗原特異的免疫システム細胞を産生してもよい。このような抗体および細胞を集めて用いることもできる。
【0015】
本発明によってコード化され得る免疫原として、例えば、HIV構造蛋白Gag、Pol、Envおよびそのフラグメントが挙げられる。加えて、1997年1月14日付けで登録された米国特許第5593972号に記載されるように免疫原が標的蛋白である、ワクチンを調製してもよい。かかる免疫原は病原体蛋白、過増殖性疾患に関与する蛋白または自己免疫疾患に付随する蛋白ならびにアレルゲンであってもよい。非HIV構造蛋白の免疫原の場合はすべて、免疫原性蛋白はRREであるHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部を包含するコード配列を含むキメラ遺伝子によりコード化される融合蛋白として提示されなければならない。免疫応答が送達されるところの本発明の具体例において、本発明をアジュバント、免疫調節蛋白ならびにサイトカイン、ケモカインおよび成長因子などの免疫調節蛋白をコード化する遺伝的配列と組み合わせて用いてもよい。
【0016】
個体に蛋白を送達する方法は、上記した遺伝的構築物または組成物を個体に投与する工程を含む。ある具体例において、所望の蛋白は、サイトカイン、成長因子、ケモカイン、共同刺激分子、抗体、可溶性受容体、酵素、凝固因子またはそのフラグメントである。ある具体例において、所望の蛋白は、病原性抗原、癌遺伝子翻訳産物もしくは癌に関連する他の抗原、自己免疫疾患に関連する蛋白、アレルゲンまたはそのフラグメントである。ある具体例において、所望の蛋白は、インスリン、IL−1、IL−2、IL−5、IL−12、IL−15、VEGF、EGF、EPO、GMCSF、GCSF、その受容体、CD28、CD80、CD86、CD40、CD40L、mAb、Fab、F(ab)、キメラ、ヒト化、霊長類化、ヒトmAb、Fab、F(ab)、DNAse、tPA、ファクターI−XIIまたはその活性フラグメントである。ある具体例において、所望の蛋白は米国特許第5593972号(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている抗原である。
【0017】
細胞にて蛋白を産生する方法は、上記した遺伝的構築物または少なくとも二つの核酸分子を含む細胞を培養する工程を含む。かかる方法にて、細胞はRREシステムおよびCTEシステムの両方が活性であるいずれの細胞であってもよい。ある具体例において、細胞は哺乳動物細胞である。ある具体例において、細胞はヒト細胞である。
【0018】
好ましい具体例において、遺伝的構築物は直接投与により患者に送達され得るプラスミドである。DNAを患者に直接送達するのに用いることのできる方法は多数ある。米国特許第5593972号(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている方法に加えて、他の方法として、米国特許第5739118号(出典明示により本明細書の一部とする)および米国特許第5981505号(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている方法が挙げられる。加えて、<www.dnavaccine.com>(出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている特許および公報に記載されている方法も本明細書に記載の改良を行うに利用することができる。例えば、本発明は、リポフェクチン、カチオン性脂質、アニオン性脂質、リポソーム、トランスフェクション剤および細胞標的剤などのいずれのプラスミドデリバリーシステムとも適合する。
【0019】
好ましい具体例において、プラスミドDNAは筋肉内注射により個体に投与される。プラスミドDNAに加えて、注射可能な組成物は、所望により、PCT出願番号PCT/US94/00899(出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている促進剤を含め、ブピバカインまたは関連する組成物などの促進剤を含んでいてもよい。
【0020】
本発明の構築物は、プラスミドにおける使用に加えて、その発現が望ましい蛋白をコード化するDNAをレトロウイルスまたは他のウイルスもしくは非ウイルスベクターなどの細胞核にて転写されるところの遺伝的デリバリーシステムにて有用である。
【0021】
(実施例)
本明細書に添付した図1−5のデータは、その各々がEnvをコード化する、3種のプラスミドの一つを投与した後のHIV−1 Envに対する免疫応答を比較にて報告する。Envコード配列はRREを含有する。該データはEnvとCTEを含むRevのコード配列の組合せが、EnvおよびRevのコード配列だけを、またはCTEを有するEnvのコード配列を含有する遺伝的構築物を投与した後で観察される免疫応答と比較した場合にその免疫応答の向上が得られたことを明らかに示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
(原文に記載なし)

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)HIV−1 Revのコード配列、および
b)所望の蛋白のコード配列
を含む遺伝的構築物であって、その所望の蛋白のコード配列が
i)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
ii)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物。
【請求項2】
DNA分子であるところの、請求項1記載の遺伝的構築物。
【請求項3】
プラスミドであるところの、請求項2記載の遺伝的構築物。
【請求項4】
所望の蛋白が少なくとも一つのCTEを含むHIV構造蛋白であるところの、請求項1記載の遺伝的構築物。
【請求項5】
所望の蛋白が、HIV構造蛋白の少なくとも一部と、非HIV部とを含む融合蛋白であるところの、請求項1記載の遺伝的構築物。
【請求項6】
所望の蛋白が、HIV構造蛋白の少なくとも一部と、免疫原性非HIV部とを含む融合蛋白であるところの、請求項1記載の遺伝的構築物。
【請求項7】
1−5個のCTEを含むところの、請求項1記載の遺伝的構築物。
【請求項8】
a)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
b)所望の蛋白のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含む少なくとも二つの核酸分子を含む組成物であって、その所望の蛋白のコード配列が
i)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
ii)少なくとも一つのCTE
を含むところの、組成物。
【請求項9】
核酸分子がDNA分子であるところの、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
DNA分子がプラスミドであるところの、請求項9記載の遺伝的構築物。
【請求項11】
所望の蛋白が少なくとも一つのCTEを含むHIV構造蛋白であるところの、請求項8記載の組成物。
【請求項12】
所望の蛋白が、HIV構造蛋白の少なくとも一部と、非HIV部とを含む融合蛋白であるところの、請求項9記載の組成物。
【請求項13】
所望の蛋白が、HIV構造蛋白の少なくとも一部と、免疫原性非HIV部とを含む融合蛋白であるところの、請求項8記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも一つの核酸分子が所望の蛋白のコード配列を含み、その所望の蛋白のコード配列が
i)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
ii)1−5個のCTE
を含むところの、請求項8記載の組成物。
【請求項15】
免疫原に対する免疫応答を個体にて誘発する方法であって、
a)i)HIV−1 Revのコード配列、および
ii)当該免疫原のコード配列
を含み、その免疫原のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物を含む組成物;または
b)i)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
ii)免疫原のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含み、その免疫原のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、少なくとも二つの核酸分子を含む組成物;
のいずれかを当該個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項16】
i)HIV−1 Revのコード配列、および
ii)免疫原のコード配列
を含み、その免疫原のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物を含む組成物を個体に投与する工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
i)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
ii)免疫原のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含み、その免疫原のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、少なくとも二つの核酸分子を含む組成物を個体に投与する工程を含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
蛋白を個体に送達する方法であって、
a)i)HIV−1 Revのコード配列、および
ii)当該蛋白のコード配列
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物を含む組成物;または
b)i)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
ii)当該蛋白のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、少なくとも二つの核酸分子を含む組成物;
のいずれかを当該個体に投与する工程を含む、方法。
【請求項19】
i)HIV−1 Revのコード配列、および
ii)該蛋白のコード配列
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物を含む組成物を当該個体に投与する工程を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
i)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
ii)該蛋白のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、少なくとも二つの核酸分子を含む組成物を当該個体に投与する工程を含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
蛋白を細胞にて産生する方法であって、
a)i)HIV−1 Revのコード配列、および
ii)当該蛋白のコード配列
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物;または
b)i)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
ii)当該蛋白のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、少なくとも二つの核酸分子;
のいずれかを含む細胞を培養する工程を含む、方法。
【請求項22】
i)HIV−1 Revのコード配列、および
ii)該蛋白のコード配列
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、遺伝的構築物を含む細胞を培養する工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
i)HIV−1 Revのコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子、および
ii)該蛋白のコード配列を含む少なくとも一つの核酸分子
を含み、その蛋白のコード配列が
1)RREを含むHIV構造蛋白のコード配列の少なくとも一部、および
2)少なくとも一つのCTE
を含むところの、少なくとも二つの核酸分子を含む遺伝的構築物を含む細胞を培養する工程を含む、請求項21記載の方法。


【公表番号】特表2006−506094(P2006−506094A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553917(P2004−553917)
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/036924
【国際公開番号】WO2004/045548
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(593171363)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルベニア (9)
【Fターム(参考)】