説明

SATAカメラシステム

【課題】簡単な構成でホストSATA対応のPC,HDD等へ接続することが可能な新規なCCDカメラシステムを提供すること
【解決手段】カメラモジュール(12)とSATAカメラインターフェース(27)とを備え、SATA対応のコンピュータ(72)又はハードディスクドライブ(74)へ直接に接続できるSATAカメラシステム(10)であって、前記SATAカメラインターフェース(27)は、少なくとも、FPGA(28)と、画像メモリ(76)と、PATA−SATA変換器(58)とを有し、前記FPGAは、前記カメラモジュールからのデジタル映像信号を前記画像メモリ(76)へ書き込み且つ読み出す際の映像信号の変換処理を行い、前記PATA−SATA変換器(58)は、前記パラレル方式映像信号をシリアル方式映像信号へ変換して、前記SATA対応のコンピュータ(72)又はハードディスクドライブ(74)へ送信可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SATA(Serial ATA)カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCDイメージセンサを利用したビデオカメラが知られている。近年、CCDカメラでは高精細化が進み、例えば80万画素以上の画素で構成される高精細CCDカメラが登場している。また、このような高精細CCDカメラでは、テレビジョンやコンピュータに対して画像出力することが出来るものがある。コンピュータへの出力には、一般に、カメラ・リンク・インターフェースやLVDS(Low Voltage Differential Signaling)規格のパラレル出力が採用されている。
【0003】
例えば、図1は、カメラ・リンク・インターフェースとして専用のキャプチャボード6を採用した従来のコンピュータ出力型CCDカメラ(「CCDビデオカメラ」ともいう。以下同じ。)のブロック図である。光学系及び信号処理系からなるカメラモジュール2と、このカメラモジュールからのデジタル映像信号を信号処理するFPGA4と、FPGAからの映像信号を後段のホストPC用に信号処理するキャプチャボード6とを備え、ホストPC2へと出力している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなキャプチャボード6は、カメラモジュール2からのデジタル映像信号をホストPC7へ接続するための専用装置であり、高価なものである場合が多かった。
【0005】
一方、最近のPC用マザーボードのほとんどには、Serial ATA(「SATA」ともいう。)のホスト・コントローラが搭載されている。また、ほとんどのHDD(Hard Disk Drive)メーカからSATA対応のHDDも出荷されている。
【0006】
更に、2005年に入ってから、通信速度を現行SATA Iの1.5Gpsから3.0Gpsへ上げたSATA II規格対応のホスト・コントローラやHDDの出荷が始まっている。
【0007】
このような環境の下で、簡単な構成でSATA対応のホストPC,HDD等へ接続することが可能なCCDカメラシステムの開発が望まれていた。
【0008】
更に、現時点で存在するCCDカメラシステム,SATA対応のホストPC及びHDD等の構成に大幅な変更を加えることなく、これらホストPC,HDD等へ接続することが可能なCCDカメラシステムの開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、簡単な構成でホストSATA対応のPC,HDD等へ接続することが可能な新規なCCDカメラシステムを提供することを目的とする。
【0010】
更に、本発明は、現時点で存在するCCDカメラシステム,SATA対応のホストPC及びHDD等の構成に大幅な変更を加えることなく、これらホストPC,HDD等へ接続することが可能な新規なCCDカメラシステムを提供することを目的とする。
【0011】
上記目的に鑑みて、本発明に係るSATAカメラシステムは、カメラモジュールとSATAカメラインターフェースとを備え、SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ直接に接続できる。
【0012】
更に、上記SATAカメラシステムでは、前記SATAカメラインターフェースは、少なくとも、FPGAと、画像メモリと、PATA−SATA変換器とを有し、前記FPGAは、前記カメラモジュールからのデジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み且つ読み出す際の映像信号の変換処理を行い、前記PATA−SATA変換器は、前記パラレル方式映像信号をシリアル方式映像信号へ変換して、前記SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ送信可能とすることもできる。
【0013】
更に、上記SATAカメラシステムでは、前記画像メモリは、SDRAM又はDDR SDRAMのいずれかとすることもできる。
【0014】
更に、上記SATAカメラシステムでは、前記FPGAは、少なくとも、前記カメラモジュールからのデジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み可能な信号に変換する第1の変換回路と、前記画像メモリに書き込まれた映像信号をパラレル方式映像信号として読み出す第2の変換回路とを有することもできる。
【0015】
更に、上記SATAカメラシステムでは、前記SATAカメラシステムは、SATAホストカメラとして機能し、該SATAカメラシステムは、他のコンピュータの介在無しに、SATA対応HDDを外部記録媒体として取り扱うこともできる。
【0016】
更に、上記SATAカメラシステムでは、前記SATAカメラシステムは、SATAデバイスカメラとして機能し、ホストPCから見て該SATAカメラシステムを外部記録装置として取り扱うことも出来る。
【0017】
更に、上記SATAカメラシステムでは、前記SATAインターフェースは、更に、SATA−PATA変換器を有し、SATA対応のPC又はHDDから読み出されたシリアル映像データをパラレル変換して、前記画像メモリに蓄積可能とすることもできる。
【0018】
更に本発明に係るSATAカメラインターフェース手段は、カメラモジュールからのパラレル映像信号を、SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ接続するためシリアル映像に変換するSATAカメラインターフェース手段である。
【0019】
更に、上記SATAカメラインターフェース手段では、少なくとも、FPGAと、画像メモリと、PATA−SATA変換器とを有し、前記FPGAは、前記カメラモジュールからのパラレル方式デジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み且つ読み出す際の映像信号の変換処理を行い、前記PATA−SATA変換器は、前記パラレル方式映像信号をシリアル方式映像信号へ変換して、SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ送信可能とすることもできる。
【0020】
更に、上記SATAカメラインターフェース手段では、前記FPGAは、少なくとも、前記カメラモジュールからのパラレル方式デジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み可能な信号に変換する第1の変換回路と、前記画像メモリに書き込まれた映像信号をパラレル方式映像信号として読み出す第2の変換回路とを有することもできる。
【0021】
更に、上記SATAカメラインターフェース手段では、更に、SATA−PATA変換器を有し、SATA対応のPC又はHDDから読み出されたシリアル映像データをパラレル変換して、前記画像メモリに蓄積可能とすることもできる。
【0022】
更に、本発明に係るSATAカメラシステムが実行する映像データ処理方法は、カメラモジュールからパラレル映像データを読み込むステップと、読み込まれた映像データを書込履歴の最も古いバッファメモリへ順次書き込むステップと、書込履歴の最も古いバッファメモリから読み出し画像メモリへ順次書き込むステップと、画像メモリからパラレル映像データとして読み出すステップと、読み出されたパラレル映像データを、PATA−SATA変換器によりシリアル映像データに変換するステップと、シリアル映像データをPC又はHDDへ転送するステップとを含む。
【0023】
更に、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに対して、上記映像データ処理方法の各ステップを実行させるコンピュータプログラムである。
【0024】
更に、本発明に係る記録媒体は、上記コンピュータプログラムを記録した記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、簡単な構成でSATA対応のホストPC,HDD等へ接続することが可能な新規なCCDカメラシステムを提供することができる。
【0026】
更に、本発明によれば、現時点で存在するCCDカメラシステム,SATA対応のホストPC及びHDD等の構成に大幅な変更を加えることなく、これらホストPC,HDD等へ接続することが可能な新規なCCDカメラシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係るSATAカメラシステムの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら説明する。図中の同じ要素の対しては同じ符号を付して、重複した説明を省略している。
【0028】
まず最初に、本発明を容易に理解できるように、本出願書類で使用されるインターフェースに関する用語IDE,PATA,SATA,Serial ATA等に関して簡単に説明する。
【0029】
例えば、PCとハードディスクとのインターフェースでは、高速インターフェースの実現のため、近年では、SCSI(Small Computer System Interface),IDE(Integrated Device Electronics)とも称されるATA(Advanced Technology Attachment)等のパラレル・インターフェースが主流である。
【0030】
しかし、パラレル方式ではデータは同時に送信され且つ同時に受信されることが前提であるため、発生する遅延を回避するための仕組みが高価になってきている。
【0031】
従って、最近では、高速インターフェースの実現は、遅延回避の仕組みを必要としないシリアル方式の方が安価で実現できるようになってきた。ATAにおいてもパラレル方式(Parallel ATA, 「PATA」ともいう。)からシリアル(Serial ATA, 「SATA」ともいう。)方式へ、SCSIにおいてもパラレル方式からシリアル方式(Serial Attached SCSI)へ移行が始まっている。
【0032】
SATAは、ストレージ・インターフェースとしては、最近徐々に普及している。最初の規格SATA Iは、データ転送速度150 Mバイト/sであり、次の規格SATA IIは、データ転送速度300 Mバイト/sとなっている。
【0033】
今回、本発明は、このようなSATAをインターフェースとして利用したカメラシステムに関する。
[SATAカメラシステム]
図2は、本発明に係るSATAカメラシステムのブロック図の一例である。このSATAカメラシステム10は、例えばPCカード70としてSATAインターフェース(SATA-IF)70を有するホストPC72や、SATA対応のハードディスクドライブ(SATA-HDD)74と直接に接続して、動画を構成する連続ストリーミングデータをやり取りすることができる。
【0034】
SATAカメラシステム10は、カメラモジュール12と、このカメラモジュールからの映像信号(例えば、RGB信号)を、後段のホストPC72やSATA-HDD74に接続し得るように信号処理するSATAカメラインターフェース(SATAカメラ-IF)27とを備えている。
【0035】
このSATAカメラ-IF27は、カメラモジュール12からの映像信号を、画像メモリ76に書き込み可能な信号に処理したり、画像メモリ76に書き込まれた映像信号をパラレル方式映像信号として読み出すFPGA(Field Programmable Gate Array)28と、FPGAからのパラレル方式映像信号をシリアル方式映像信号へ変換するPATA−SATA(Parallel ATA-Serial ATA)変換器58とを有し、ホストPC72やSATA-HDD74に送信可能なシリアル方式の映像信号を生成している。
(カメラモジュール)
図3は、図2のカメラモジュール12の一例としてのブロック図である。カメラモジュール12は、イメージセンサ14と、PGA(Programmable Gain Amplifier)16と、A−D変換手段18と、カラー信号補正処理手段20と、カラー補正手段22を、これらの各手段を制御するカメラ制御手段24と、カラー映像信号をSATA IF27のFPGA28に送るホスト・インターフェース(IF)26とを有している。
【0036】
イメージセンサ14は、典型的にはCCD撮像デバイスであり、レンズマウントは例えばCマウント,CSマウント等でよく、CCDは単板式の面順次式,3板式等でよく、好ましくは80万画素以上の高精細撮像デバイスである。
【0037】
CCDイメージセンサ14から取り込まれた映像信号は、被写体の明るさに合わせてPGA16で増幅され、A−D変換手段18でデジタル信号に変換され、カラー信号補正処理手段20でRGBの補間処理を行い、カラー補正手段22で色再現性を良くするためのRGB信号のマトリクス演算によるカラー補正をしてホワイト・バランスをとって、ホストインターフェース26へ送られる。これらの各手段は、例えば適当なCPUからなるカメラ制御手段24で制御されている。
(FPGA)
図4は、図2のFPGA28の一例としてのブロック図である。一般に、FPGAは、ICの一種であるが、設計者が、購入後に、パソコンと簡単な装置を使用して、所望のハードウェア回路を組めるという特徴を有している。即ち、設計者は、市販の適当なFPGAを購入し、これを所望の回路にカスタマイズすることができる。同様に、FPGAを最終製品に搭載後でも、これを一層適切な回路にバージョンアップすることができる。
【0038】
本実施形態では、FPGA28として、ザイリンクス社(Xilinx, Inc. 米国カリフォルニア州所在)又はアルテラ社(Altera Corporation米国カリフォルニア州所在)から提供されているFPGAを利用することができる。なお、FPGAの代わりに、CPLD(Complex Programmable Logic Device)を使用してもよい。
【0039】
FPGA28は、カメラモジュール12からの映像信号を受け取るカメラ・コントローラ・インターフェース(IF)30と、カメラ・コントローラIFからの信号を受けて、典型的にはSDRAMからなる画像メモリ76へ書き込み可能な信号に変換する第1の変換回路32と、画像メモリ76とのやり取りを制御するメモリ・コントローラ・インターフェース(IF)52と、画像メモリ76と、画像メモリ76から読み出された信号をパラレル方式映像信号へ変換する第2の変換回路54と、PATAコントローラインターフェース(IF)56と、これらの各要素を制御するCPU手段20と、作業領域及びプログラム蓄積領域(PAM,ROM)を提供するメモリ31とを有している。
【0040】
画像メモリ76としては、典型的にはSDRAM(Synchronous DRAM),DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)等を使用できる。
【0041】
図5は、図4の第1の変換回路32の動作を更に説明する図である。第1の変換回路32は、カメラコントローラIF30からの連続ストリーミングデータ(動画)を(メモリコントローラIF52を介して)画像メモリ76へ転送したり、画像メモリ76から取り出すため、複数のバッファから構成されるリング状バッファ・メモリ・ブロック42を利用する。このリング状バッファ・メモリ・ブロック42のバッファ数は、任意に設定可能となっている。
【0042】
CPU29からの制御信号により、モードレジスタ部及びリングバッファ制御部34は、動作モードを決定してリードメモリバンク制御部48へ動作モード信号を送る。同様に、制御部34は、リングバッファ数等を決定してライトアドレス制御部40へ制御信号を送り、リング状バッファ・メモリ・ブロック42のバッファ数を設定する。
【0043】
前段のカメラコントローラIF30からの映像信号は、一旦、データライトレジスタ38に貯えられる。その後、データライトレジスタ38にある映像信号は、ライトメモリバンク制御部40及びライトアドレス制御部36の制御の下、複数のバッファメモリの内で(履歴インデックスを参照して)時間的に最も古く記録されたバッファメモリから順に、書き込まれる。
【0044】
リング状バッファ・メモリ・ブロック42に書き込まれた映像信号は、順次読み出されて、メモリコントローラIF52を介して、画像メモリ76へ書き込まれる。このとき、リング状バッファ・メモリ・ブロック42からの読み出しは、(履歴インデックスを参照して)時間的に最も古く記録されたバッファメモリから順に、読み出される。
【0045】
なお、読み出しモードとして、バッファメモリへの書き込みより読み出しが早い場合に、書き込み中のバッファへからの読み出しは行わず、1つ前のバッファメモリの読み出し終了後は書き込み中のバッファの書き込み完了を待ったり、書き込みモードとして、読み出し完了を待って順次書き込んだり、或いは読み出し中のバッファを飛び越えて次のバッファへ書き込んだりする種々の動作モードは、任意に選択できる。
【0046】
第2の変換回路54の特徴は、画像メモリ76からシリアル方式映像データとして読み出しのための処理である。
【0047】
このようにして、動画データをSDRAM等の画像メモリ76に書き込んだり、SDRAM等から読み出したりすることができる。
(PATA−SATA変換回路)
図6(A)は、図2のPATA−SATA変換回路58の一例としてのブロック図である。PATA−SATA変換回路58は、PATA環境(Parallel ATA,IDE環境)で動作しているFPGA28からの出力パラレル映像信号を、SATA(Serial ATA)環境で動作するホストPC72及び/又はSATA対応のHDD74に接続するための変換回路である。
【0048】
PATA−SATA変換回路58は、パケット化手段60と、CRC付加手段62と、スクランブル手段64と、エンコーダ手段66と、パラレル−シリアル手段68とを有している。
【0049】
パケット化手段60により、前段のPATA−IF56からのATAコマンド,転送映像データ及び制御用信号線情報は、トランスポート層でパケット化されてFIS(Flame Information Structure)が生成され、CRC付加手段62により、リンク層でCRC(Cyclic Redundancy Check)情報を付加され、スクランブル手段64により、スクランブル化され、エンコーダ66により、8b/10b変換されプリミティブに変換され、パラレル−シリアル手段68により、物理層でシリアル化されて、ホストPC72のSATA−IF70又は/及びSATA HDD74へ送信される。
【0050】
図7は、SATAカメラシステム10が、PC72又はSATA−HDD74に対してホストカメラとして機能する場合、具体的には、FPGA28のCPU29が実行する映像データ処理方法を示している。この映像データ処理方法のプログラムは、予めメモリ31に蓄積されている。
【0051】
ステップS10で、CPU29の制御の下、各種の動作モードが設定される。例えば、リングバッファの個数、バッファメモリへの書き込みより読み出しが早い場合の処理方法等が決められる。
【0052】
ステップS11で、SATAカメラIF27はカメラモジュール12から映像データを読み込む。
【0053】
ステップS12で、読み込まれた映像データは、カメラコントローラIF30により信号処理される。
【0054】
ステップS13で、データライトレジスタ38から書込履歴の最も古いバッファメモリ42へ順次書き込まれる。
【0055】
ステップS14で、書込履歴の最も古いバッファメモリ42から画像メモリ76へ順次書き込まれる。
【0056】
ステップS15で、カメラモジュール12からの映像データの画像メモリ76への書込が終了したか否かが判断される。終了していなければ、ステップS11へ戻る。
【0057】
ステップS16で、画像メモリ76からパラレル映像データとして読み出される。
【0058】
ステップS17で、読み出されたパラレル映像データは、PATAコントローラIF56により信号処理される。
【0059】
ステップS18で、パラレル映像データは、PATA−SATA変換器58によりシリアル映像データに変換される。
【0060】
ステップS19で、画像メモリ76からPC72又はSATA−HDD74へ転送すべき映像データは終了したか否かが判定される。未だ映像データが残っていれば、ステップS16へ戻る。映像データの転送が終了していたら、終了する。
【0061】
以上の処理は、SATAカメラシステム10のCPU29が実行する映像データ処理方法である。一方、SATAカメラシステム10が、PC72に対してデバイスカメラとして機能する場合に、PC72のCPU(図示せず。)が実行する映像データ処理方法は、PC72のCPUからSATAカメラシステム10のCPU29へ同様な命令が送られて処理される。
[変形例]
本発明に係るSATAカメラシステムでは、次のような変形例を取り得る。
【0062】
(1)図2に示すSATAカメラシステムでは、PATA−SATA変換器58は、更に、逆に変換するSATA−PATA変換器59を有していてもよい。図6(B)は、このSATA−PATA変換器59の一例としてのブロック図である。SATA−PATA変換回路59は、SATA環境で動作するホストPC72及び/又はSATA対応のHDD74からの出力映像信号を、PATA環境(Parallel ATA,IDE環境)で動作しているFPGA28に接続するための変換回路である。
【0063】
図6(B)に示すように、SATA−PATA変換回路59は、シリアル−パラレル手段78と、デコーダ80と、デ・スクランブル手段82と、CRCチェック手段84と、パケット分割手段86とを有している。
【0064】
PC72のSATA IF70又はSATA対応HDD74からのシリアル映像データ(プリミティブ情報)は、シリアル−パラレル手段78により物理層でパラレル化され、デコーダ80により10b/8b変換され、デ・スクランブル手段82によりスクランブルが解除され、CRCチェック手段84によりCRCチェックが行われFISに変換され、パケット分割手段86でパケット分割される。PC72又はSATA−HDD74からのの映像データは、SATA−IF27の画像メモリ76やカメラモジュール12のメモリ(図示せず。)に蓄積される。
【0065】
(2)本発明は、SATAカメラシステム10からPC72又はSATA対応HDD74へ映像信号の書き込み、又はPC72又はSATA対応HDD74からSATAカメラシステム10へ映像信号の読み込みを制御するコンピュータプログラムも対象とする。
【0066】
(3)更に、本発明は、このようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体をも対象とする。
[SATAカメラシステムの利点]
このSATAカメラシステムの利点は、次の通りである。
(1)SATAカメラシステムは、SATA対応のPC,HDD等に対し、動画を構成する映像データを直接に高速転送することができる。また、SATA対応のPC,HDD等から、映像データをSATAカメラシステムに対し直接取り込むことができる。
(2)SATAカメラシステムは、現在有るカメラモジュール12,ホストPC72,SATA対応HDD74に対して実質的に変更を加えることなく、SATAカメラIF27を付加するだけで、これらホストPC,HDD等へ接続することができる。
(3)SATAカメラシステムは、内蔵プログラムを切り換えることにより、SATAデバイスカメラとSATAホストカメラとの間で、切り換えることができる。
【0067】
これにより、SATAデバイスカメラとしての面では、ホストPC72から見てSATAカメラシステム10は外部記録装置として取り扱うことが出来る。即ち、ホストPC72の制御の下、SATAカメラシステムの画像メモリ76に蓄積されている映像データを直接読み出しPC72へ取り込む。
【0068】
また、SATAホストカメラとしての面では、SATAカメラシステム10は、CPU29の制御の下、その他のコンピュータの介在無しに、SATA−HDD74を外部記録媒体として取り扱うことができる。即ち、SATAカメラシステム10は、HDD74へ直接に映像データを書き込んだり、HDDからから読み出したりすることが出来る。
(4)更に、SATAカメラシステムを採用することにより、PC72又はSATAカメラシステムのCPU29の制御の下、PC72又はSATA−HDD74に蓄積された映像データをシリアル−パラレル変換して、SATAカメラシステムの画像メモリ76へ書き込むことも出来る。
[まとめ]
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらは例示であって、本発明を限定的に解釈するものではない。本発明は、当業者が容易になしえる付加、変更、削除を含むものである。
【0069】
例えば、図2のSATAカメラシステム10において、カメラモジュール12とSARA−IF27とを別個のものとして構成することができる。即ち、カメラモジュール12に対して取り付け可能なSARAカメラIF27として構成することもできる。
【0070】
本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、従来のカメラシステムの一例を示す図である。
【図2】図2は、SATAカメラシステムの一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2のSATAカメラシステムのカメラモジュール部分の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、図2のSATAカメラシステムのFPGA部分の一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、図4のFPGA部分の第1の変換回路の一例を示すブロック図である。
【図6】図6(A)は、図2のSATAカメラシステムのPATA−SATA変換器部分の一例を示すブロック図である。図6(B)は、SATA−PATA変換器の一例を示すブロック図である。
【図7】図7は、SATAカメラシステムがホストカメラとして機能して、FPGAのCPUが実行する映像データ処理方法を示すフローである。
【符号の説明】
【0072】
2:カメラモジュール、 4:FPGA、 6:キャプチャボード(PCI)、 7:ホストPC、 10:SATAカメラシステム、 12:カメラモジュール、 14:イメージセンサ、 16:PGA手段、 18:A−D変換手段、 20:カラー信号補正処理手段、 22:カラー補正手段、 24:カメラ制御手段、 26:ホストIF、 27:SATAインターフェース、 28:FPGA、 29:CPU、 30:カメラコントローラIF、 31:メモリ、 32:第1の変換回路、 34:モードレジスタ部、リングバッファ部、 36:ライトアドレス制御部、 38:データライトレジスタ、 40:ライトメモリバンク制御部、 42,42-1,42-2,42-3,42-4,42-n:リングバッファメモリブロック、 46:リードアドレス制御部、 48:リードメモリバンク部、 50:データリードレジスタ、 52:メモリコントローラIF、 54:第2の変換回路、 56:PATAコントローラIF、 58:PATA−SATA変換器,IDE−Serial ATA変換器、 60:パケット化手段、 62:CRC付加手段、 64:スクランブル手段、 66:エンコーダ、 68:パラレル−シリアル手段、 70:SATA−IF(PCカード)、 72:ホストPC、 74:SATA対応HDD、 76:画像メモリ(SDRAM,DDRSDRAM等)、 78:シリアル−パラレル手段、 80:デコーダ、 82:デ・スクランブル手段、 CRCチェック手段、 86パケット分割手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールとSATAカメラインターフェースとを備え、SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ直接に接続できる、SATAカメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のSATAカメラシステムにおいて、
前記SATAカメラインターフェースは、少なくとも、
FPGAと、
画像メモリと、
PATA−SATA変換器とを有し、
前記FPGAは、前記カメラモジュールからのデジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み且つ読み出す際の映像信号の変換処理を行い、
前記PATA−SATA変換器は、前記パラレル方式映像信号をシリアル方式映像信号へ変換して、前記SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ送信可能としている、SATAカメラシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のSATAカメラシステムにおいて、
前記画像メモリは、SDRAM又はDDR SDRAMのいずれかである、SATAカメラシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のSATAカメラシステムにおいて、前記FPGAは、少なくとも、
前記カメラモジュールからのデジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み可能な信号に変換する第1の変換回路と、
前記画像メモリに書き込まれた映像信号をパラレル方式映像信号として読み出す第2の変換回路とを有している、SATAカメラシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のSATAカメラシステムにおいて、
前記SATAカメラシステムは、SATAホストカメラとして機能し、該SATAカメラシステムは、他のコンピュータの介在無しに、SATA対応HDDを外部記録媒体として取り扱うことができる、SATAカメラシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のSATAカメラシステムにおいて、
前記SATAカメラシステムは、SATAデバイスカメラとして機能し、ホストPCから見て該SATAカメラシステムを外部記録装置として取り扱うことが出来る、SATAカメラシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のSATAカメラシステムにおいて、
前記SATAインターフェースは、更に、SATA−PATA変換器を有し、SATA対応のPC又はHDDから読み出されたシリアル映像データをパラレル変換して、前記画像メモリに蓄積可能である、SATAカメラシステム。
【請求項8】
カメラモジュールからのパラレル映像信号を、SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ接続するためシリアル映像に変換する、SATAカメラインターフェース手段。
【請求項9】
請求項8に記載のSATAカメラインターフェース手段は、少なくとも、
FPGAと、
画像メモリと、
PATA−SATA変換器とを有し、
前記FPGAは、前記カメラモジュールからのパラレル方式デジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み且つ読み出す際の映像信号の変換処理を行い、
前記PATA−SATA変換器は、前記パラレル方式映像信号をシリアル方式映像信号へ変換して、SATA対応のコンピュータ又はハードディスクドライブへ送信可能としている、SATAカメラインターフェース手段。
【請求項10】
請求項8に記載のSATAカメラインターフェース手段において、前記FPGAは、少なくとも、
前記カメラモジュールからのパラレル方式デジタル映像信号を前記画像メモリへ書き込み可能な信号に変換する第1の変換回路と、
前記画像メモリに書き込まれた映像信号をパラレル方式映像信号として読み出す第2の変換回路とを有している、SATAカメラインターフェース手段。
【請求項11】
請求項8に記載のSATAカメラインターフェース手段において、更に、
SATA−PATA変換器を有し、SATA対応のPC又はHDDから読み出されたシリアル映像データをパラレル変換して、前記画像メモリに蓄積可能である、SATAカメラインターフェース手段。
【請求項12】
SATAカメラシステムが実行する映像データ処理方法において、
カメラモジュールからパラレル映像データを読み込むステップと、
読み込まれた映像データを書込履歴の最も古いバッファメモリへ順次書き込むステップと、
書込履歴の最も古いバッファメモリから読み出し画像メモリへ順次書き込むステップと、
画像メモリからパラレル映像データとして読み出すステップと、
読み出されたパラレル映像データを、PATA−SATA変換器によりシリアル映像データに変換するステップと、
シリアル映像データをPC又はHDDへ転送するステップとを含む、映像データ処理方法。
【請求項13】
コンピュータに対して、請求項12に記載の各ステップを実行させるコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムを記録した記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−110349(P2007−110349A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298189(P2005−298189)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(304017867)株式会社アートレイ (6)
【Fターム(参考)】