説明

UE、ANDSF、移動通信システム、PGW及び通信方法

【課題】第1アクセスシステムに接続しているUEが、データ通信を行っている場合に、ANDSFからUEへMOポリシーを通知することによって、UEは、UEポリシーをMOポリシーへ変更することになり、第1アクセスシステムへのトラフィックの集中を回避することができる移動通信システム等を提供すること
【解決手段】ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化団体3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)では、次世代の移動体通信システムとして以下の非特許文献1に記載のEPS(Evolved Packet System)の仕様化作業を進めており、EPSに接続されるアクセスシステムとしてLTE(Long Term Evolution)だけでなく、無線LAN(Wireless LAN、WLAN)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)について検討がなされている。
【0003】
さらに、3GPPでは、昨今のスマートフォンによるインターネットへのアクセスによるトラフィックの急増について検討しており、LTEだけではトラフィックを処理しきれなくなることを想定しており、状況に応じてLTEから無線LAN、WiMAXといった他のアクセスシステムへの切り替えることによる、LTEへのトラフィックの集中を回避することを検討している。
【0004】
非特許文献1では、複数のアクセスシステムを利用してトラフィックの集中を避ける技術として、IFOM(IP Flow Mobility)について検討され、仕様化された。IFOMでは、フロー単位でアクセスシステムを振り分けることにより、トラフィックの分散を行うことができる技術である。ここで、フローとは、共通の特性をもつ通信データの集合であり、通信データの特性は、例えば送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信先IPアドレス、プロトコル番号(これら5つのパラメータでIP5と呼ぶ)等で識別可能である。
【0005】
また、非特許文献2では、移動通信端末であるUE(User Equipment)がアクセスシステムへの切り替え手続きにおいて、ANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)を利用する方法について記載されている。ANDSFとは、UEが通信中もしくは通信を行う一又は複数のフローに対して、フロー毎にアクセスシステムを選択し、モバイルオペレータ(Mobile Operator:MO)のポリシーとしてUEへ通知する機能を有する装置である。
【0006】
UEはUEが通信中もしくは通信を行う一又は複数のフローに対して、フロー毎に利用するアクセスシステムを対応づけたポリシーを保持している。ANDSFからMOポリシーとしてアクセスシステムを通知されたUEは、MOポリシーに含められたアクセスシステムを適用するかどうかを決定し、MOポリシーを適用する場合には、UEポリシーに反映し、その後UEのポリシーに基づいてフローの送受信に利用するアクセスシステムを切り替える。
【0007】
ここで、UEポリシーは、複数のアクセスシステムに接続可能な状態であるかや、課金状況に応じてユーザが設定したものである。例えば、LTEによるアクセスネットワークを経由した通信路を利用するより、WLANによるアクセスネットワークを経由した通信路を利用した方が料金が安い場合には、WLANによるアクセスネットワークを経由した通信路を優先して使用する等の、UEの通信路選択に関わるポリシーである。
【0008】
したがって、UEはANDSFから通知されたMOポリシーに必ずしも従う必要はなく、MOポリシーを適用しない場合には、UEポリシーに変更を加える必要はなく、この場合、アクセスシステムを切り替える必要もない。こうした適用は、UEの設定もしくはUEを保有するユーザの意思に基づいた設定により決定される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS 23.261 Technical Specification Group Services and System Aspects, IP flow mobility and seamless Wireless Local Area Network(WLAN) offload, Stage 2 (Release 10)
【非特許文献2】3GPP TS23.402 General Technical Specification Group Services and System Aspects, Architecture enhancements for non-3GPP accesses
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
IFOMによりフロー毎にアクセスシステムを切り替えることができるようになった。しかしながら、MOはMOのポリシーをUEに通知する手段はあるものの、UEはMOポリシーに従ってフローの通信に用いるアクセスシステムを選択する必要がなかった。
【0011】
MOポリシーを通知するだけでは、LTEへのトラフィックの集中を必ずしも緩和することができないという問題が生じる。MOが通信システム内のトラヒック量を監視し、通信システム全体のデータ配送を最適化するためMOポリシーを生成した場合、例えばLTEへのトラヒックを減らし、WLANへのトラヒックを増やすようMOポリシーを生成してUEに通知したとしても、UEはMOポリシーに基づいてアクセスシステムを切り替かえないことがあるためデータ配送は最適化されない。
【0012】
つまり、オペレータがUEに強制度を持たせてMOポリシーを通知する運用を行うことができず、UEへアクセスシステムの切り替えを強制することができなかった。
【0013】
例えば、ANDSFからUEへMOポリシーを通知した際に、ANDSFがUEにMOポリシーの適用を強制し、そのMOポリシーに含まれるアクセスシステムへの切り替えを強制することができなかった。
【0014】
また、ANDSFは、UEへMOポリシーを通知する際に、ANDSFがUEにMOポリシーの適用を強制度として、UEに強制するだけでなく、MOの希望と通知することやUEの任意と通知するといったMOポリシーにおける強制度を通知することもできなかった。
【0015】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたもので、その目的は、第1アクセスシステム(例えば、LTE基地局装置)に接続しているUE(移動局装置)が、データ通信を行っている場合に、ANDSFからUEへモバイルオペレタポリシー(MOポリシー)を通知することによって、MOは、UEへMOポリシーを強制することができる。それにより、UEは、UEポリシーをMOポリシーへ変更することになり、MOの意向を適切に反映することができ、第1アクセスシステム(例えば、LTE基地局装置)へのトラフィックの集中を回避することができる移動通信システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題に鑑み、本発明のUEは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とする。
【0017】
更に、本発明のUEは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記APN識別子に対応するAPNの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とする。
【0018】
更に、本発明のUEは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とする。
【0019】
更に、本発明のUEは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とする。
【0020】
本発明のANDSFは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、フロー識別情報に対応するフローの通信路を、アクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明のANDSFは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、APN識別子に対応するAPNの通信路を、アクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明のANDSFは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、アクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明のANDSFは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、アクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の移動通信システムは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0025】
本発明の移動通信システムは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記APN識別子に対応するAPNの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0026】
本発明の移動通信システムは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0027】
本発明の移動通信システムは、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0028】
本発明のPGWは、上記の何れかに記載の移動通信システムに接続されることを特徴とする。
【0029】
本発明の通信方法は、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0030】
本発明の通信方法は、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記APN識別子に対応するAPNの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0031】
本発明の通信方法は、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【0032】
本発明の通信方法は、
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、モバイルオペレータ(MO)は、UEに強制度を持たせてMOポリシーを通知し、UEへアクセスシステムの切り替えを強制する運用を行うことができ、LTEへのトラフィックの集中を適切に緩和することができる。
【0034】
つまり、ANDSFからUEへMOポリシーを通知する際に、ANDSFがUEにMOポリシーの適用の強制度を強制として通知し、そのMOポリシーに含まれるアクセスシステムへの切り替えを強制することができる。
【0035】
また、ANDSFは、UEへMOポリシーを通知する際に、ANDSFがUEにMOポリシーの適用を強制度として、UEに強制するだけでなく、MOの希望と通知することや、UEの任意と通知するといったMOポリシーにおける強制度を通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態における移動通信システム1の概要を説明するための図である。
【図2】第1実施形態におけるUEの機能構成を説明するための図である。
【図3】第1実施形態におけるUEポリシーのデータ構成の一例を示した図である。
【図4】第1実施形態におけるANDSFの機能構成を説明するための図である。
【図5】第1実施形態におけるMOポリシーの機能構成を説明するための図である。
【図6】IP移動通信ネットワークの構成を説明するための図である。
【図7】UEとANDSFの処理フローについて説明するための図である。
【図8】第1実施形態(第1実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図9】第1実施形態(第1実施例)におけるMOポリシーの一例を示す図である。
【図10】第1実施形態(第1実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図11】第1実施形態(第2実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図12】第1実施形態(第3実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図13】第1実施形態(第4実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図14】第1実施形態(第5実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図15】第2実施形態におけるUEポリシーのデータ構成の一例を示した図である。
【図16】第2実施形態におけるMOポリシーのデータ構成を説明するための図である。
【図17】第2実施形態(第1実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図18】第2実施形態(第1実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図19】第2実施形態(第2実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図20】第2実施形態(第3実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図21】第2実施形態(第4実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図22】第2実施形態(第5実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図23】第3実施形態におけるUEポリシーのデータ構成の一例を示した図である。
【図24】第3実施形態におけるMOポリシーのデータ構成を説明するための図である。
【図25】第3実施形態(第1実施例)におけるMOポリシーのデータ構成を説明するための図である。
【図26】第3実施形態(第1実施例)におけるアクセスシステムの切り替えについて説明するための図である。
【図27】第3実施形態(第2実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図28】第3実施形態(第3実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図29】第4実施形態におけるUEポリシーのデータ構成の一例を示した図である。
【図30】第4実施形態におけるMOポリシーのデータ構成の一例を示した図である。
【図31】第4実施形態におけるUEとANDSFの処理フローについて説明するための図である。
【図32】第4実施形態(第2実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【図33】第4実施形態(第3実施例)におけるアクセスシステム情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明を適用した場合の移動通信システムの実施形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0038】
[1.第1実施形態]
まず、本発明を適用した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0039】
[1.1 移動通信システムの概要]
図1は、本実施形態における移動通信システム1の概略を説明するための図である。本図に示すように、移動通信システム1は、UE(移動局装置)10と、ANDSF(通信路選択ポリシー管理装置)20(Access Network Discovery and Selection Function)とがIP移動通信ネットワーク5を介して接続されて構成されている。
【0040】
IP移動通信ネットワーク5は、例えば、移動通信事業者が運用する無線アクセスネットワークとコアネットワークによって構成されるネットワークでもよいし、固定通信事業者が運用するブロードバンドネットワークであってもよい。移動通信事業者が運用するIP移動通信ネットワークは後で詳細に説明する。
【0041】
また、ブロードバンドネットワークは、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等により接続し、光ファイバー等のデジタル回線による高速通信を提供する、通信事業者が運用するIP通信ネットワークのことである。さらに、これらに限らずWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等で無線アクセスするネットワークであっても良い。
【0042】
UE10は、LTEやWLAN等のアクセスシステムを用いて接続する移動通信端末であり、3GPP LTEの通信インタフェースやWLANの通信インタフェース等を搭載して接続することにより、IPアクセスネットワークへ接続することが可能である。
【0043】
ANDSF20は、IPアクセスネットワークへ有線回線等を利用して接続される。例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバー等によって構築される。ただし、これに限らずLTE(Long Term Evolution)や、WLAN(Wireless LAN)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線アクセスネットワークであっても良い。
【0044】
[1.2 装置構成]
続いて、各装置構成について図を用いて簡単に説明する。
【0045】
[1.2.1 UEの構成]
図2は、本実施形態におけるUE10の機能構成を示す。UE10は、制御部100に、LTEインタフェース部110と、WLANインタフェース部120と、記憶部140とがバスを介して接続されている。
【0046】
制御部100は、UE10を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部140に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種処理を実現する。
【0047】
LTEインタフェース部110は、UE10がLTE基地局に接続し、IPアクセスネットワークへ接続するための機能部である。また、LTEインタフェース部110には、外部アンテナ112が接続されている。
【0048】
WLANインタフェース部120は、UE10がWLANアクセスポイントに接続し、IPアクセスネットワークへ接続するための機能部である。また、WLANインタフェース部120には、外部アンテナ122が接続されている。
【0049】
記憶部140は、UE10の各種動作に必要なプログラム、データ等を記憶する機能部である。記憶部140は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。さらに、記憶部140には、UEポリシー142が記憶されている。
【0050】
図3は、UEポリシー142の一例を示した図である。例えば、図3(a)に示すように、フロー識別子(例えば、「フロー1」)と、アクセスシステム(例えば、「LTE」)とを対応付けて記憶し、UE10がフロー毎に適用するアクセスシステムを管理する。
【0051】
ここで、フローは、送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信先ポート番号、プロトコル番号等により識別可能なデータの流れのことである。またフローは、これに限らず、ある時刻から一定時間送受信されるデータなどや、QoSレベルで識別可能なデータ等、様々な送受信データでもよい。また、アクセスシステムとは、LTEである必要はなく、WLANやWiMAXであっても良い。
【0052】
[1.2.2 ANDSFの構成]
続いて、本実施形態におけるANDSF20の機能構成を図4に示す。ANDSF20では、制御部200に、IP移動通信ネットワークインタフェース部210と、記憶部240とがバスを介して接続されている。
【0053】
制御部200は、ANDSF20を制御するための機能部である。制御部200は、記憶部240に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種処理を実現する。
【0054】
IP移動通信ネットワークインタフェース部210は、ANDSF20がIP移動通信ネットワークに接続するための機能部である。
【0055】
記憶部240は、ANDSF20の各種動作に必要なプログラム、データ等を記憶する機能部である。記憶部140は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。さらに、記憶部240には、MOポリシー242が記憶されている。
【0056】
図5は、MOポリシー242の例を示した図である。例えば、図5に示すように、フロー識別子(例えば、「フロー1」)と、強制度(例えば、「shall」)と、アクセスシステム(例えば、「LTE」)と、を対応づけて記憶し、ANDSF20がUE10へ通知するフロー毎に適用するアクセスシステムを管理する。
【0057】
ここで、強制度とは、UE10において、ANDSF20から通知されたMOポリシー242を適用するかどうかを示す程度であり、「shall」の場合には、強制度が高く、ANDSF20からUE10へ強制度「shall」で通知されたフローにおけるアクセスシステムにおいては、そのフローにおいて必ずそのアクセスシステムを利用しなければならない。つまり、ANDSF20からUE10へ通知されたMOポリシー242をUEポリシー142に適用しなければならない。
【0058】
例えば、図3(a)のUEポリシーにおけるフロー2において、アクセスシステムはLTEとなっている。一方、図5のMOポリシー242におけるフロー2において、アクセスシステムはWLANとなっている。この場合、ANDSF20からUE10へMOポリシー242におけるフロー2のエントリー(強制度が「shall」、アクセスシステムが「WLAN」)が通知された場合には、MOポリシー242におけるフロー2をUEポリシー142におけるフロー2へ適用しなければならないため、図3(b)の変更後のUEポリシーに示すように、フロー2のアクセスシステムをWLANへ変更することとなる。
【0059】
[1.2.3 IP移動通信ネットワークの構成例]
図6に示すように、移動通信システムは、UE10と、IP移動通信ネットワーク5と、PDN9(Packet Data Network)とから構成される。さらに、IP移動通信ネットワーク5はコアネットワーク7と各無線アクセスネットワークで構成される。この、コアネットワークの詳細な構成について図6(a)に示している。
【0060】
なお、PDN9は、パケットでデータのやり取り行うことができるネットワークのことであり、例えば、インターネットやIMSがある。
【0061】
コアネットワーク7は、PGW(アクセス制御装置)30(Packet Data Network Gateway)と、SGW35(Serving Gateway)と、MME40(Mobile Management Entity)と、HSS50(Home Subscriber Server)と、AAA55(Authentication, Authorization, Accounting)と、PCRF60(Policy and charging rules function)と、ePDG65(enhanced Packet Data Gateway)とを含んで構成される。
【0062】
無線アクセスネットワークは、複数の異なるアクセスネットワークで構成されてよい。それぞれのアクセスネットワークはコアネットワーク7に接続されている。さらに、UE10は無線アクセスネットワークに無線接続することができる。
【0063】
無線アクセスネットワークには、LTEアクセスシステムで接続できるLTEアクセスネットワーク(LTE AN80)や、WLANアクセスシステムで接続できるアクセスネットワークを構成することができる。
【0064】
さらに、WLANアクセスシステムで接続可能なアクセスネットワークは、ePDG65をコアネットワークへの接続装置として接続するWLANアクセスネットワークb(WLAN ANb75)と、PGW30とPCRF60とAAA55とに接続するWLANアクセスネットワークa(WLAN ANa70)とが構成可能である。
【0065】
なお、各装置はEPSを利用した移動通信システムにおける従来の装置と同様に構成されるため、詳細な説明は省略するが、簡単に機能を説明すると、PGW30はPDN9とSGW35とePDG65と、WLAN ANaと、PCRF60と、AAA55とに接続されており、PDN9とコアネットワーク7のゲートウェイ装置としてユーザデータ配送を行う。
【0066】
SGW35は、PGW30と、MME40とLTE AN80とに接続されており、コアネットワーク7とLTE AN80とのゲートウェイ装置としてユーザデータの配送を行う。
【0067】
MME40は、SGW35とLTE AN80に接続されており、LTE AN80を経由したUE10のアクセス制御を行うアクセス制御装置である。
【0068】
HSS50は、SGW35とAAA55とに接続されており、加入者情報の管理を行う。また、AAA55は、PGW30と、HSS50と、PCRF60と、WLAN ANa70とに接続されており、WLAN ANa70を経由して接続するUE10のアクセス制御を行う。PCRF60は、PGW30と、WLAN ANa70と、AAA55とに接続されており、データ配送に対するQoS管理を行う。
【0069】
ePDG65は、PGE30と、WLAN ANb75とに接続されており、コアネットワーク7と、WLAN ANb75とのゲートウェイ装置としてユーザデータの配送を行う。
【0070】
また、図6(b)に示すように、各無線アクセスネットワークには、UE10が実際に接続される装置(例えば、基地局装置やアクセスポイント装置)等が含まれている。接続に用いられる装置は、無線アクセスネットワークに適応した種々の装置が考えられるが、本実施形態においては、LTE AN80はeNB45を含んで構成される。eNB45はLTEアクセスシステムでUE10が接続する無線基地局であり、LTE AN80には1又は複数の無線基地局が含まれて構成されてよい。
【0071】
さらに、WLAN ANa70はWLAN APa72と、GW74(Gateway)とが含まれて構成される。WLAN AP72はWLANアクセスシステムでUE10が接続する無線基地局であり、WLAN AN70には1又は複数の無線基地局が含まれて構成されてよい。GW74はコアネットワーク7とWLAN ANa70のゲートウェイ装置である。また、WLAN APa72とGW74とは、単一の装置で構成されてもよい。
【0072】
このように、WLAN ANa70に含まれるゲートウェイは複数のコアネットワーク内装置に接続することができる。コアネットワークを運用する事業者とWLAN ANa70を運用する事業者が異なる場合等では、事業者間に運用上の契約や規約等により、信頼関係が結ばれている場合にこのような構成で運用することができる。言い換えると、WLAN APa72はコアネットワーク7を運用する事業者に対して信頼性のあるアクセスネットワークである。
【0073】
また、WLAN ANb75はWLAN APb76を含んで構成される。WLAN AP76はWLANアクセスシステムでUE10が接続する無線基地局であり、WLAN AN75には1又は複数の無線基地局が含まれて構成されてよい。
【0074】
このように、WLAN ANb75はコアネットワーク7に含まれる装置であるePDG65をゲートウェイとしてコアネットワーク7に接続される。ePDG65は安全性を確保するためのセキュリティ機能を持つ。コアネットワークを運用する事業者とWLAN ANa70を運用する事業者が異なる場合等では、事業者間に運用上の契約や規約等により、信頼関係が結ばれていない場合にこのような構成で運用する。言い換えると、WLAN APaはコアネットワーク7を運用する事業者に対して信頼性のないアクセスネットワークであり、コアネットワーク7に含まれるePDG65において安全性を提供している。
【0075】
なお、本明細書において、UE10が各無線アクセスネットワークに接続されるとは、各無線アクセスネットワークに含まれる基地局装置やアクセスポイント等に接続されることをいい、送受信されるデータや信号等も、基地局装置やアクセスポイントを経由している。
【0076】
例えば、LTE AN80にUE10が接続されるとは、UE10がeNB45を介して接続されることいい、WLAN ANa70に接続されるとは、WLAN APa72及び/又はGW74を介して接続されることをいう。また、UE10がWLAN ANb75に接続されるとは、UE10がWLAN APb76に接続されることを言う。
【0077】
[1.3 実施例]
[1.3.1 第1実施例]
続いて、上述した移動通信システムにおける具体的な処理の実施例について説明する。まず、第1実施例として、UE10がLTE AN80の基地局装置(eNB45)及びWLAN ANa70の装置(WLAN APa72及び/又はGW74)に接続している状態において、図3(a)変更前のUEポリシーに従って、フロー1はLTEを経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路により通信を行い、フロー2はLTEを経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路により通信を行い、フロー3はWLANを経由(WLAN ANa70、PGW30を経由した通信路により通信を行っている状態において、ANDSF20からUE10へ図5で示すMOポリシー242としてフロー2において、強制度「shall」、アクセスシステムとして「WLAN」を送信することによって、MOポリシー242をUEポリシー142に反映し、フロー2においてアクセスシステムLTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路によるデータの送受信からWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30を経由)した通信路によるデータの送受信へ切り替えるための手続きについて説明する。
【0078】
なお、各通信路はアクセスシステムにより識別可能であり、UE10、PGW30及びANDSF20は、アクセスシステムを通信路の識別情報として手続きを行う。
【0079】
このように、MOは、UE10がフローの通信に利用するアクセスシステムを選択し、MOポリシーによって通知することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、LTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)でのデータの送受信からWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30を経由)でのデータの送受信への切り替え手続きについて説明するが、ANDSF20からUE10へ図5で示すMOポリシー242としてフロー2において、強制度shall、アクセスシステムをWiMAXとして送信することによって、LTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)でのデータの送受信からWiMAX経由(例えば、WiMAX、PGWを経由)でのデータの送受信へ切り替えることも、同様の手続きでおこなうことができる。
【0081】
図7を用いて順を追って説明する。UE10は、LTE AN80及び、WLAN ANa70に接続し、通信を開始する(S902)。このとき、UE10は、図3(a)に示すUEポリシーに基づいて、フロー1はLTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)でのデータの送受信を行い、フロー2はLTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)でのデータの送受信を行い、フロー3はWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30を経由)でのデータの送受信を行っているものとする。また、WLAN ANa70経由とは、WLAN APa72及び/又はGW74経由で接続されることをいう。
【0082】
続いて、UE10は、ANDSF20を探索し、探索したANDSF20とセキュアな通信を確保する(S904)。UE10がANDSF20を探索する方法は種々考えられるが、例えば、PDNに配置されたDNSサーバへUE10が問い合わせることにより、ANDSF20を探索することができる。また、UE10とANDSF20とがセキュアな通信を確保する方法は、種々考えられるが、例えば、IPSecを利用しても良い。
【0083】
次に、UE10は、ANDSF20へアクセスシステム情報の要求を送信する(S906)。このとき、図8に示すように、アクセスシステム情報の要求には、UE10の利用可能なアクセスシステムや、UE10の位置情報を含める。ここでは、UE10の利用可能なアクセスシステムとして、アクセスシステム1の「LTE」とアクセスシステム2の「WLAN」とを含める。位置情報には、位置情報1を含めるが、これに限らず、LTE基地局装置のCell IDやTAI(Tracking Area ID)、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の情報等を含めても良い。
【0084】
UE10からアクセスシステム情報の要求を受信したANDSF20は、UE10へアクセスシステム情報の応答を送信する(S908)。MOはアクセスシステム情報の応答により、MOポリシーをUE10に通知する。具体的には図9に示すように、フロー識別子「フロー2」や強制度「shall」、アクセスシステム「WLAN」を含める。ここで、強制度「shall」は、UE10へフロー2において、WLANを強制することを示し、強制度「shall」が含められたエントリーを受け取ったUE10は、そのフロー(フロー2)において、必ずそのエントリーに含められたアクセスシステム(WLAN)を利用しなければならない。
【0085】
なお、本実施形態では、UE10からのアクセスシステム情報の要求をANDSF20が受信した後、ANDSF20は、アクセスシステム情報の応答としてMOポリシー242をUE10へ送信しているが、これに限らずUE10からの要求が無くても任意のタイミングで、MOポリシー242をUE10へ送信しても良い。
【0086】
アクセスシステム情報の応答を受信したUE10は、アクセスシステム情報の応答に含められた情報に従って、アクセスシステムの選択とフローの利用するアクセスシステムの切り替えを決定する(S910)。ここで、アクセスシステム情報の応答には、フロー2において、強制度「shall」、アクセスシステム「WLAN」の情報が含められていたので、図3(a)変更前のUEポリシー142におけるフロー2のアクセスシステムのLTEを、図3(b)変更後のUEポリシーのように、UEポリシー142におけるフロー2においてアクセスシステムをWLANへ変更する。つまり、UE10は、フロー2におけるアクセスシステムをLTEからWLANへ変更し、アクセスシステムの切り替えを決定する。
【0087】
なお、本実施形態では、UE10は、LTE AN80及びWLAN ANa70に接続し、通信を開始している状態において(S902)、MOポリシーを受信する例を説明したが、これに限らず、LTE AN80又はWLAN ANa70のいずれかに接続している状態で受信してもよい。
【0088】
続いて、UE10は、アクセスシステムの切り替えを実行する。アクセスシステムの切り替えの具体的な手続きについて図10を用いて説明する。
【0089】
なお、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANa70を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例を説明する。
【0090】
まず、アクセスシステムの切り替え手続きの開始の契機は、UE10がWLAN ANa70へIP flow mobilityトリガーを送信し、フローの通信に用いるアクセスシステムの切り替えを要求することにより開始する(S1002)。
【0091】
IP flow mobilityトリガーには、UEポリシーに基づき、切り替えを要求するフローの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。ここで、WLAN ANa70へ送信するとは、WLAN ANa70に含まれる装置(例えば、WLAN APa72又はGW74)に送信することをいう。
【0092】
続いて、WLAN ANa70は、PGW30へプロキシバインディング更新を送信し、UE10のフローの通信に用いるアクセスシステムの切り替え要求を通知する(S1004)。このとき、WLAN ANa70は、PGW30へ、ルーティングポリシーとして、フロー2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信からWLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えることを通知する。
【0093】
プロキシバインディング更新には、切り替えを要求するフローの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。ここで、WLAN ANa70から送信されるとは、WLAN ANa70に含まれる装置(例えば、WLAN APa72又はGW74)から送信することをいう。
【0094】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S1006)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を行っているフロー2を、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。
【0095】
ここで、PGW30は、フローの識別情報と、フローの利用する通信路を対応づけてバインディングとして管理している。フローの識別情報は、パケットの送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信先ポート番号、プロトコル番号等である。通信路は、アクセスシステムにより識別して管理することもできるし、各アクセスシステムを介した通信路毎に識別情報を付与して管理してもよい。これにより、フロー毎に通信路を選択してデータを送受信できるようになる。
【0096】
次に、GW制御セッションとQoSルール変更手続きを行う。つまり、PGW30からフロー2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)のデータの送受信をWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ変更する。このとき、フロー2におけるWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信におけるQoSを変更する。
【0097】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及び、IPCANセッションの変更、GW制御セッションとQoSルール変更手続きの完了を確認し、WLAN ANa70へプロキシバインディング応答を送信してUE10の要求を許可する(S1010)。プロキシバインディング応答を受信したWLAN ANa70は、IP flow mobility ackを送信してUE10の要求を許可する(S1012)。
【0098】
一方、PCRF60は、GW制御制御セッションとQoSルール変更手続きを行う(S1014)。つまり、フロー2におけるLTE経由でのデータの送受信を終了する。このとき、フロー2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信におけるQoSを変更する。
【0099】
以上の手続きにより、UE10とPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてフロー2の通信を継続する。
【0100】
このように、ANDSF20からUE10へフロー2において、強制度「shall」として、アクセスシステムをWLANとして通知することにより、フロー2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信をWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30)でのデータの送受信へ切り替えることができる。
【0101】
言い換えると、MOは、UE10に対して実施強制的のある切り替え指示をUE10に送信し、MOポリシーに従った切り替えを実施させることができる。
【0102】
[1.3.2 第2実施例]
続いて第2実施例について説明する。第2実施例では、ANDSF20が、UE10へ送信するアクセスシステム情報の応答(S908)において、図9の構成を利用するのではなく、図11の構成を利用する。ここで、図9の構成と図11の構成との違いは、強制度「shall」ではなく、強制度「should」を利用している。強制度「should」は、MOからの希望を示しており、UE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ必ずしも反映する必要はない。
【0103】
つまり、図7のS908におけるアクセスシステム情報の応答において、強制度「should」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図3(b)の変更後のUEポリシーへ変更する。UEポリシー142を変更したUE10が変更した場合の移行の手続きは先ほど説明した通りであり、図7におけるS910及びS912の処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0104】
以上の手続きにより、UE10とPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてフロー2の通信を継続する。
【0105】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図3(a)の変更前のUEポリシーから変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0106】
[1.3.3 第3実施例]
続いて、第3実施例について説明する。第3実施例は、ANDSF20が、UE10へ送信するアクセスシステム情報の応答(S908)において、図9の構成や図11の構成を利用するのではなく、図12の構成を利用する。
【0107】
図9の構成や図11の構成と図12の構成との違いは、強制度「shall」や強制度「should」ではなく、強制度「may」を利用している。強制度「may」は、MOからの強制度が低く、UE10の任意でMOポリシー242を利用するかどうか決定することができることを示している。
【0108】
つまり、図7のS908におけるアクセスシステム情報の応答において、強制度「may」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図3(b)の変更後のUEポリシーへ変更する。UEポリシー142を変更したUE10が変更した場合の移行の手続きは先ほど説明した通りであり、図7におけるS910の処理及びS912の処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0109】
以上の手続きにより、UE10とPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてフロー2の通信を継続する。
【0110】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図3(a)の変更前のUEポリシーから変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0111】
[1.3.4 第4実施例]
続いて、第4実施例について説明する。第4実施例は、図7におけるS912において、図10の手続きを利用するのではなく、図13の手続きを利用する。図10の手続きと図13の手続きとの違いは、接続するアクセスネットワークが異なることにある。図10の手続きでは、WLAN ANa70に接続していたが、図13の手続きでは、WLAN ANb75に接続する。
【0112】
第1実施例で説明したように、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANb75を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例である。
【0113】
つまり、UE10は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70、PGW30を経由するWLANではなく、WLAN ANb75、ePDG65、PGW30を経由するWLANへ切り替えることとなる。
【0114】
図13を用いて、図7におけるS912のUE10によるフロー移動手続きについて説明する。まず、UE10は、IP flow mobilityトリガーをePDG65へ送信し、フローの通信に用いるアクセスシステムの切り替えを要求する(S1302)。
【0115】
IP flow mobilityトリガーには、UEポリシーに基づき、切り替えを要求するフローの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。
【0116】
UE10からIP flow mobility トリガーを受信したePDG65は、プロキシバインディング更新をPGW30へ送信し、UE10のフローの通信に用いるアクセスシステムの切り替え要求を通知(S1304)。プロキシバインディング更新には、切り替えを要求するフローの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。
【0117】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S1306)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)で通信を行っているフロー2を、WLAN経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)での通信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、フローを管理しており、パケットの送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信先ポート番号、プロトコル番号を確認して、適切なアクセスシステムにデータを送受信できる管理している。
【0118】
次に、GW制御セッション変更手続きを行う(S1308)。つまり、PGW30からフロー2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)の通信をWLAN経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)へ変更する。
【0119】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及びIP―CANセッションの変更、GW制御セッション変更手続きの完了を確認し、WLAN ANb75へプロキシバインディング応答を送信してUE10の要求を許可する(S1310)。プロキシバインディング応答を受信したWLAN ANb75は、IP flow mobility ackをUE10に送信してUE10の要求を許可する(S1312)。
【0120】
一方、PCRF60は、GW制御制御セッション変更手続きを行う(S1314)。つまり、フロー2におけるLTE経由での通信を終了する。
【0121】
なお、WLAN ANb75が送受信するとは、UE10がWLAN ANb75に含まれる装置(例えば、WLAN APb76)と送受信することをいう。
【0122】
以上の手続きにより、UE10とPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANb75経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)に通信路を切り替えてフロー2の通信を継続する。
【0123】
[1.3.5 第5実施例]
続いて第5実施例について説明する。第5実施例は、図7におけるS912において、図10の手続きや図13の手続きを利用するのではなく、図14の手続きを利用する。
【0124】
図10の手続きや図13の手続きと図14の手続きとの違いは、バインディング更新がUE10から送信されることにある。図10の手続きや図13の手続きでは、WLAN ANa70やePDG65によってバインディング更新が送信されていたが、図14の手続きでは、UE10がモバイルIPの機能を利用することによって、バインディング更新をPGW30へ送信することが可能となる。
【0125】
なお、第4実施例と同様に、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANb75を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例である。
【0126】
接続するWLANは、WLAN ANb75(WLAN ANb75、ePDG65、PGW30経由)で説明を行うが、WLAN ANa70(WLAN ANa70、PGW30経由)の場合でも同様の手続きを利用可能である。
【0127】
図14を用いて、図7における912のUE10によるフロー移動手続きについて説明する。まず、UE10は、UE10によるリソース変更要求手続きを行う(S1402)。これは、LTEからWLAN ANb75(WLAN ANb75、ePDG65、PGW30経由)へ切り替える前に、WLAN ANb75(WLAN ANb75、ePDG65、PGW30経由)へ切り替えるために必要なリソースを割り当てている。
【0128】
続いて、UE10は、バインディング更新をPGW30へ送信し、フローの通信に用いるシステムの切り替えを要求する(S1404)。このとき、UE10は、バインディング更新に、UEポリシーに基づき、切り替えを要求するフローの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。
【0129】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S1406)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)で通信を行っているフロー2を、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)での通信へ切り替えるよう、データベースを更新する。
【0130】
ここで、PGW30は、フローの識別情報と、フローの利用する通信路を対応づけてバインディングとして管理している。フローの識別情報は、パケットの送信元IPアドレス、送信先IPアドレス、送信元ポート番号、送信先ポート番号、プロトコル番号等である。通信路は、アクセスシステムにより識別して管理することもできるし、各アクセスシステムを介した通信路毎に識別情報を付与して管理してもよい。これにより、フロー毎に通信路を選択してデータを送受信できるようになる。
【0131】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及びIP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、UE10へバインディング応答を送信してUE10の要求を許可する(S1408)。
【0132】
一方、PCRF60は、GW制御制御セッション変更及びQoSルール生成手続きを行う(S1410)。つまり、フロー2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)での通信を終了する。このとき、フロー2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)での通信におけるQoSを変更する。
【0133】
以上の手続きにより、UE10がフロー毎にLTE経由または、WLAN経由でデータの送受信を行っている場合に、ANDSF20からアクセスシステム情報の応答として、フロー毎に区分されたMOポリシー242(フロー(フロー2)、強制度(shall、should、may)、アクセスシステム(WLAN))を受け取ったUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142として変更することにより、フロー2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)の通信路によるデータの送受信から、WLAN経由(WLANa、PGW30)の通信路によるデータの送受信へ変更することが可能となる。
【0134】
なお、MOポリシー242により通知されるアクセスネットワークは、WLAN ANb75に限らず、MOのポリシーに応じてWLAN ANa70でもよい。WLAN ANa70への切り替えポリシーを受信した場合には、UE10は、フロー2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信から、WLAN ANa70経由(WLAN ANa、PGW30)でのデータの送受信へ変更することが同様の手順により可能となる。具体的には、UE10はアクセスネットワークWLAN ANa75を経由してバインディング更新をPGW30に送信し、アクセスシステムを切り替える。
【0135】
[2.第2実施形態]
[2.1 構成]
第2実施形態について説明する。第2実施形態における移動通信システムは、第1実施形態で利用した構成と同様の構成を利用することができる。また、IP移動通信ネットワーク5のそれぞれの構成要素(装置)も同様に利用可能であるため、説明を省略する。
【0136】
なお、本実施形態における、UE10の構成は、図2を利用することができる。ただし、UEポリシー142は、図15に示す構成を利用するものとする。図15(a)は、APN毎(APN識別子)(例えば、「APN1」)と、アクセスシステム(例えば、「LTE」)とを対応づけて記憶し、UE10がAPN毎に適用するアクセスシステムを管理する。ここで、APNは、ネットワークサービスやインターネット接続を提供する際の接続先を示しており、サービス毎に異なる識別子が与えられる。したがって、APNを利用してアクセスシステムに接続することで、APNに対応付けられたサービスを利用することが可能となる。
【0137】
APNの具体例として、インターネットがある。また、アクセスシステムは、LTEである必要はなく、WLANやWiMAXであっても良い。
【0138】
また、ADNSF20の構成は、図4を利用することができる。ただし、MOポリシー242は図16に示す構成を利用するものとする。図16では、APN(APN識別子)(例えば、「APN2」)毎に強制度(例えば、「shall」)を設定し、APN毎(例えば、「APN2」)にアクセスシステム(例えば、「WLAN」)を区分している。
【0139】
第1実施形態では、ANDSF20は、フロー毎にアクセスシステムを管理し、フロー毎にアクセスシステムの変更を通知し、UE10は、フロー毎にアクセスシステムを管理し、フロー毎にアクセスシステムを変更していたが、第2実施形態では、ANDSF20は、APN毎にアクセスシステムを管理し、APN毎にアクセスシステムの変更を通知し、UE10は、APN毎にアクセスシステムを管理し、APN毎にアクセスシステムの変更を行うことが可能となる。
【0140】
[2.2 実施例]
[2.2.1 第1実施例]
上述した構成を用いた第1実施例について、図7を利用して説明する。まず、UE10がLTE AN80の基地局装置(eNB45)及びWLAN ANa70の装置(WLAN APa72及び/又はGW74)に接続している状態において、図15(a)変更前のUEポリシーに従って、APN1に接続して行う通信はLTEを経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路により通信を行い、APN2に接続して行う通信はLTEを経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路により通信を行い、APN3に接続して行う通信はWLANを経由(WLAN ANa70、PGW30を経由した通信路により通信を行っている状態において、ANDSF20からUE10へ図16で示すMOポリシー242としてAPN2に接続して行う通信において、強制度shall、アクセスシステムとしてWLANを送信することによって、MOポリシー242を図15(b)のようにUEポリシー142に反映し、フロー2においてアクセスシステムLTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路によるデータの送受信からWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30を経由)した通信路によるデータの送受信へ切り替えるための手続きについて説明する。なお、各通信路はアクセスシステムにより識別可能であり、UE10、PGW30及びANDSF20は、アクセスシステムを通信路の識別情報として手続きを行う。
【0141】
なお、図7において、S902からS906は、第1実施形態の第1実施例等と同様の手続きを利用できるため、説明を省略する。
【0142】
ANDSF20は、UE10へアクセスシステム情報の応答を送信する(S908)。このとき、ANDSF20が送信するアクセスシステム情報の応答の含める構成を図17に示す。図17では、APN識別子(例えば、「APN2」)、強制度(例えば、「shall」)、アクセスシステム(例えば、「WLAN」)をUE10に通知することとなる。
【0143】
ANSF20からアクセスシステム情報の応答を受信したUE10は、アクセスシステム情報の応答に含められた、APN識別子(APN2)と、強制度(shall)と、アクセスシステム(WLAN)の情報を確認し、MOポリシー242をUEポリシー142に適用する。つまり、UEポリシーにおけるAPN2のアクセスシステムのLTEをWLANへと変更する。UEポリシー142を変更したUE10は、APN2におけるアクセスシステムを変更するために、アクセスシステムの変更手続きを決定する(S910)。
【0144】
続いて、UE10は、アクセスシステムの切り替えを実行する。アクセスシステムの切り替えの具体的な手続きについて図18を用いて説明する。
【0145】
なお、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANa70を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例を説明する。
【0146】
まず、アクセスシステムの切り替え手続きの開始の契機は、UE10がWLAN ANa70へL3アタッチトリガーを送信し、APNの通信に用いるアクセスシステムの切り替えを要求することにより開始する(S1702)。このとき、UE10は、L3アタッチトリガーには、アクセスシステムを切り替えるAPNのAPN識別子(APN2)と、切り替え先のアクセスシステムまたはアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。
【0147】
続いて、WLAN ANa70は、PGW30へプロキシバインディングの更新を送信し、UE10のAPNの通信に用いるアクセスシステムの切り替え要求を通知(S1704)。このとき、WLAN ANa70は、PGW30へ、APN2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信からWLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えることを通知する。プロキシバインディング更新には、アクセスシステムを切り替えるAPNのAPN識別子(APN2)と、切り替え先のアクセスシステムまたはアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。
【0148】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S1706)。具体的には、PGW30は、PCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を行っているAPN2を、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、APN識別子を管理しており、APN識別子を確認して、適切なアクセスシステムにデータを送受信できる管理している。
【0149】
次に、PGW30は、PGWアドレスを更新し、HSSへ通知する(S1708)。ここで、PGW30はPGWのアドレスとともに、WLAN ANa70で通知されたAPN2を含める。
【0150】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及びIP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、WLAN ANa70へプロキシバインディング応答を送信してUE10の要求を許可する(S1710)。
【0151】
次に、GW制御セッションとQoSルール変更手続きを行う(S1712)。つまり、PGW30からAPN2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)のデータの送受信をWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ変更する。このとき、APN2におけるWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信におけるQoSを変更する。
【0152】
プロキシバインディング応答を受信したWLAN ANa70は、L3アタッチ完了通知UE10に送信してUE10の要求を許可する(S1714)。
【0153】
一方、PGW30は、APN2に対応するLTEリソースを解放する(S1716)。つまり、APN2におけるLTE経由でのデータの送受信を終了する。
【0154】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてAPN2から提供されるサービスの通信を継続する。
【0155】
このように、ANDSF20からUE10へAPN2において、強制度「shall」として、アクセスシステムをWLANとして通知することにより、APN2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信をWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30)でのデータの送受信へ切り替えることができる。
【0156】
言い換えると、MOは、UE10に対して実施強制的のある切り替え指示をUE10に送信し、MOポリシーに従った切り替えを実施させることができる。
【0157】
[2.2.2 第2実施例]
続いて第2実施例について説明する。第2実施例は、図7におけるS908におけるANDSF20がUE10へ送信するアクセスシステム情報の応答において、図17の構成を含めるのではなく、図19の構成を含める。図19の構成では、強制度「shall」ではなく、強制度「should」を利用している。強制度「should」は、MOからの希望を示しており、UE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ必ずしも反映する必要はないことを意味する。
【0158】
つまり、図7のS908におけるアクセスシステム情報の応答において、強制度「should」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図15(b)の変更後のUEポリシーへ変更する。UEポリシー142を変更したUE10が変更した場合の移行の手続きは第1実施形態で説明した通りであり、図7におけるS910及びS912の処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0159】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてAPN2から提供されるサービスの通信を継続する。
【0160】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図15(a)の変更前のUEポリシーから変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0161】
[2.2.3 第3実施例]
続いて第3実施例について説明する。第3実施例は、ANDSF20が、UE10へ送信するアクセスシステム情報の応答(S908)において、図17の構成や図19の構成を利用するのではなく、図20の構成を利用する。図17の構成や図19の構成と図20の構成との違いは、強制度「shall」や強制度「should」ではなく、強制度「may」を利用している点である。強制度「may」は、MOからの強制度が低く、UE10の任意でMOポリシー242を利用するかどうかを決定することができることを示している。
【0162】
つまり、図7のS908におけるアクセスシステム情報の応答において、強制度「may」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図15(b)の変更後のUEポリシーへ変更する。UEポリシー142を変更したUE10が変更した場合の移行の手続きは先ほど説明した通りであり、図7におけるS910の処理及びS912の処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0163】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてAPN2から提供されるサービスの通信を継続する。
【0164】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図15(a)の変更前のUEポリシーから変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0165】
[2.2.4 第4実施例]
続いて第4実施例について説明する。第4実施例は、図7におけるS912において、図18の手続きを利用するのではなく、図21の手続きを利用することができる。
【0166】
図18の手続きと図21の手続きとの違いは、接続するアクセスネットワークが異なることにある。図18の手続きでは、WLAN ANa70に接続していたが、図21の手続きでは、WLAN ANb75に接続する。つまり、UE10は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70、PGW30を経由するWLANではなく、WLAN ANb75、ePDG65、PGW30を経由するWLANへ切り替えることとなる。
【0167】
第1実施例で説明したように、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANb75を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例である。
【0168】
図21を用いて、図7におけるS912のUE10によるアクセスシステム切り替え手続きについて説明する。まず、UE10は、IKEv2認証を行う(S1902)。ここで、ePDG65は、HSS/AAAサーバに対して、APN2を利用するための認証と承認を行っており、APN2においてWLAN ANb75への切り替え手続きを開始することをePDG65に通知している。
【0169】
UE10とIKEv2認証を完了したePDG65を受信したePDG65は、プロキシバインディング更新をPGW30へ送信する(S1904)。このとき、ePDG65は、プロキシバインディング更新に、APN2においてWLAN ANb75へ切り替えることを通知する。
【0170】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S1906)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、APN2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を、WLAN経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、APN単位で適切なアクセスシステムにデータを送受信できる管理している。
【0171】
次に、PGW30は、PGWアドレスを更新する(S1908)。ここで、PGW30はPGWのアドレスとともに、WLAN ANa70で通知されたAPN2を含める。
【0172】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及びIP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、WLAN ANb75へプロキシバインディング応答を送信する(S1310)。プロキシバインディング応答を受信したePDG65は、IKEv2応答を送信する(S1912)。UE10は、IKEv2応答の受信をもって、APN2におけるWLAN経由(WLAN ANb75、ePDG65、PGW30)でのデータの送受信を行うことが可能となる。
【0173】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANb75経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)に通信路を切り替えてAPN2から提供されるサービスの通信を継続する。
【0174】
一方、PGW30は、APN2に対応するLTEリソースを解放する(S1914)。つまり、APN2におけるLTE経由でのデータの送受信を終了する。
【0175】
[2.2.5 第5実施例]
続いて第5実施例について説明する。第5実施例は、図7におけるS912において、図18の手続きや図21の手続きを利用するのではなく、図22の手続きを利用する。
【0176】
図18の手続きや図21の手続きと図22の手続きとの違いは、バインディング更新がUE10から送信されることにある。図18の手続きや図21の手続きでは、WLAN ANa70やePDG65からバインディング更新が送信されていたが、図22の手続きでは、UE10がモバイルIPの機能を利用することによって、バインディング更新をPGW30へ送信することが可能となる。
【0177】
なお、第4実施例と同様に、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANa70を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例である。
【0178】
図22を用いて、図7におけるS912のUE10によるアクセスシステム切り替え手続きについて説明する。まず、UE10は、L3アタッチ手続きを行う(S2002)。これは、APN2において、LTEからWLAN ANa70経由(UE10、WLAN ANa70、PGW30)へアクセスシステムを切り替える前に、WLAN ANa70経由(UE10、WLAN ANa70、PGW30)へ切り替えるために、UE10のIPアドレスの取得やWLAN ANa70とのデータの送受信に必要なリソースを確保している。
【0179】
続いて、UE10は、バインディング更新をPGW30へ送信する(S2004)。このとき、UE10は、APN2において、LTEからWLAN ANa70経由でのデータの送受信へ切り替えることを通知する。
【0180】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S2006)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、APN2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、APN毎にアクセスシステムを管理している。
【0181】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及び、IP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、UE10へバインディング応答を送信する(S2008)。
【0182】
一方、PCRF60は、GW制御セッション変更及び、QoSルール生成手続きを行う(S2010)。つまり、APN2におけるWLAN経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信を開始する。ここで、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70、UE10)でのデータの送受信におけるQoSを変更する。
【0183】
一方、PGW30は、LTEリソースの解放を行う(S2012)。APN2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信を終了する。
【0184】
以上の手続きにより、UE10がAPN毎にLTE経由または、WLAN経由でデータの送受信を行っている場合に、ANDSF20からアクセスシステム情報の応答として、APN毎に区分されたMOポリシー242(APN識別子(APN2)、強制度(shall、should、may)、アクセスシステム(WLAN))を受け取ったUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142として変更することにより、APN2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)の通信路によるデータの送受信から、WLAN経由(WLAN ANa70、PGW30)の通信路によるデータの送受信へ変更することが可能となる。
【0185】
なお、MOポリシー242により通知されるアクセスネットワークは、WLAN ANa70に限らず、MOのポリシーに応じてWLAN ANb75でもよい。WLAN ANb75への切り替えポリシーを受信した場合には、UE10は、APN2に接続して行うデータ送受信において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信から、WLAN ANa70経由(WLAN ANb75、PGW30)でのデータの送受信へ変更することが既に図14を用いて説明した手順により可能となる。
【0186】
[3.第3実施形態]
[3.1 構成]
続いて第3実施形態について説明する。第3実施形態における移動通信システムは、第1実施形態、第2実施形態で利用した構成と同様の構成を利用することができる。また、IP移動通信ネットワーク5のそれぞれの構成要素(装置)も同様に利用可能であるため、説明を省略する。
【0187】
なお、本実施形態における、UE10の構成は、図2を利用することができる。ただし、UEポリシー142は、図23に示す構成を利用するものとする。図23(a)は、PDNコネクション(例えば、「PDNコネクション1」)と、アクセスシステム(例えば、「LTE」)とを対応づけて記憶し、UE10がPDNコネクション毎に適用するアクセスシステムを管理する。ここで、PDNコネクションは、あるサービス(例えば、インターネット)への接続先を示している。
【0188】
また、ADNSF20の構成は、図4を利用することができる。ただし、MOポリシー242は図24に示す構成を利用するものとする。図24では、PDNコネクション(例えば、「PDNコネクション2」)毎に強制度(例えば、「shall」)を設定し、PDNコネクション毎(例えば、「PDNコネクション2」)にアクセスシステム(例えば、「WLAN」)を区分している。
【0189】
第1実施形態では、ANDSF20は、フロー毎にアクセスシステムを管理し、フロー毎にアクセスシステムの変更を通知し、UE10は、フロー毎にアクセスシステムを管理し、フロー毎にアクセスシステムを変更していた。また、第2実施形態では、ANDSF20は、APN毎にアクセスシステムを管理し、APN毎にアクセスシステムの変更を通知し、UE10は、APN毎にアクセスシステムを管理し、APN毎にアクセスシステムを変更していた。
【0190】
しかしながら、第3実施形態では、ANDSF20は、PDNコネクション毎にアクセスシステムを管理し、PDNコネクション毎にアクセスシステムの変更を通知し、UE10は、PDNコネクション毎にアクセスシステムを管理し、PDNコネクション毎にアクセスシステムの変更を行うことが可能となる。
【0191】
[3.2 実施例]
[3.2.1 第1実施例]
上述した実施例として、処理の流れについて、図7を利用して説明する。まず、UE10がLTE AN80の基地局装置(eNB45)及びWLAN ANa70の装置(WLAN APa72及び/又はGW74)に接続している状態において、図23(a)変更前のUEポリシーに従って、PDNコネクション1の通信はLTEを経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路により通信を行い、PDNコネクション2の通信はLTEを経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路により通信を行い、PDNコネクション3の通信はWLANを経由(WLAN ANa70、PGW30を経由した通信路により通信を行っている状態において、ANDSF20からUE10へ図25で示すMOポリシー242としてPDNコネクション2の通信において、強制度shall、アクセスシステムとしてWLANを送信することによって、MOポリシー242を図23(b)のようにUEポリシー142に反映し、フロー2においてアクセスシステムLTE経由(eNB45、SGW35、PGW30を経由)した通信路によるデータの送受信からWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30を経由)した通信路によるデータの送受信へ切り替えるための手続きについて説明する。なお、各通信路はアクセスシステムにより識別可能であり、UE10、PGW30及びANDSF20は、アクセスシステムを通信路の識別情報として手続きを行う。
【0192】
なお、図7において、S902からS906は、第1実施形態及び第2実施形態と同様の手続きを利用できるため、説明を省略する。
【0193】
ANDSF20は、UE10へアクセスシステム情報の応答を送信する(S908)。このとき、ANDSF20が送信するアクセスシステム情報の応答の含める構成を図25に示す。図25では、PDNコネクション識別子(例えば「PDNコネクション2」)と、強制度(例えば「shall」)とアクセスシステム(例えば「WLAN」)とをUE10に通知することとなる。
【0194】
ANSF20からアクセスシステム情報の応答を受信したUE10は、アクセスシステム情報の応答に含められた、PDNコネクション識別子(PDNコネクション2)と、強制度(shall)と、アクセスシステム(WLAN)の情報とを確認し、MOポリシー242をUEポリシー142に適用する。つまり、UEポリシー142におけるPDNコネクション2のアクセスシステム、LTEをWLANへと変更する。UEポリシー142を変更したUE10は、PDNコネクション2におけるアクセスシステムの切り替え(LTEからWLAN ANa70)を決定する(S910)。
【0195】
なお、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANa70を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例を説明する。
【0196】
続いて、UE10は、PDNコネクション2においてアクセスシステムの切り替え手続きを実行する。アクセスシステムの切り替えの具体的な手続きを図26を用いて説明する。
【0197】
まず、アクセスシステムの切り替え手続きの開始の契機は、UE10がWLAN ANa70へPDNコネクション切り替えトリガーを送信し、PDNコネクションの通信に用いるアクセスシステムの切り替えを要求することにより開始する(S2202)。PDNコネクション切り替えトリガーには、アクセスシステムを切り替えるPDNコネクションの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムまたはアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。ここで、PDNコネクションは、APN(例えば、「APN1」)を通知することで要求することができる。また、単一のAPNであっても異なるPDNコネクションを要求することが可能である。
【0198】
続いて、WLAN ANa70は、PGW30へプロキシバインディングの更新を送信し、PDNコネクションの通信に用いるアクセスシステムの切り替え要求を通知(S2204)。このとき、WLAN ANa70は、PGW30へ、ルーティングポリシーとして、PDNコネクション2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信からWLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えることを通知する。プロキシバインディング更新には、アクセスシステムを切り替えるPDNコネクションの識別情報と、切り替え先のアクセスシステムまたはアクセスシステムの識別情報とを含めて送信する。
【0199】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S2206)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を行っているPDNコネクション2を、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、PDNコネクション識別子とアクセスシステムを対応づけて管理している。
【0200】
次に、PGW30は、PGWアドレスの更新する(S2208)。ここで、PGW30はPGWのアドレスとともに、WLAN ANa70で通知されたPDNコネクション2を含める。
【0201】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及び、IP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、WLAN ANa70へプロキシバインディング応答を送信してUE10の要求を許可する(S2210)。
【0202】
次に、GW制御セッションとQoSルール変更手続きを行う(S2212)。つまり、PGW30からPDNコネクション2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)のデータの送受信をWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ変更する。このとき、PDNコネクション2におけるWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信におけるQoSを変更する。
【0203】
プロキシバインディング応答を受信したWLAN ANa70は、PDNコネクション切り替えトリガーに対する応答を送信してUE10の要求を許可する(S2214)。
【0204】
一方、PGW30は、LTEリソースの解放を行う(S2216)。APN2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信を終了する。
【0205】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてPDNコネクションの通信を継続する。
【0206】
このように、ANDSF20からUE10へPDNコネクションに対して、強制度「shall」として、アクセスシステムをWLANとして通知することにより、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのPDNコネクションのデータ送受信をWLAN経由(WLAN ANa70、PGW30)でのデータ送受信へ切り替えることができる。
【0207】
言い換えると、MOは、UE10に対して実施強制的のある切り替え指示をUE10に送信し、MOポリシーに従った切り替えを実施させることができる。
【0208】
[3.2.2 第2実施例]
続いて第2実施例について説明する。第2実施例は、図7におけるS908におけるANDSF20がUE10へ送信するアクセスシステム情報の応答において、図25の構成を含めるのではなく、図27の構成を含める実施例である。図27の構成では、強制度「shall」ではなく、強制度「should」を利用している。強制度「should」は、MOからの希望を示しており、UE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ必ずしも反映する必要はないことを意味する。
【0209】
つまり、図7のS908におけるアクセスシステム情報の応答において、強制度「should」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図23(b)の変更後のUEポリシーへ変更する。UEポリシー142を変更したUE10が変更した場合の移行の手続きは第1の実施形態で説明した通りであり、図7におけるS910及びS912の処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0210】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてPDNコネクションの通信の通信を継続する。
【0211】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図23(a)の変更前のUEポリシーから変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0212】
[3.2.3 第3実施例]
続いて第3実施例について説明する。第3実施例は、また、ANDSF20が、UE10へ送信するアクセスシステム情報の応答(S908)において、図25の構成や図27の構成を利用するのではなく、図28の構成を利用する。図25の構成や図27の構成と図28の構成との違いは、強制度「shall」や強制度「should」ではなく、強制度「may」を利用している点である。強制度「may」は、MOからの強制度が低く、UE10の任意でMOポリシー242を利用するかどうかを決定することができることを示している。
【0213】
つまり、図7のS908におけるアクセスシステム情報の応答において、強制度「may」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図23(b)の変更後のUEポリシーへ変更する。UEポリシー142を変更したUE10が変更した場合の移行の手続きは先ほど説明した通りであり、図7におけるS910の処理及び912の処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0214】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてPDNコネクションの通信の通信を継続する。
【0215】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図23(a)の変更前のUEポリシーから変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0216】
[3.2.4 第4実施例]
続いて、第4実施例について説明する。第4実施例は、図7におけるS912において、図26の手続きを利用するのではなく、図21の手続きを利用する。図26の手続きと図21の手続きとの違いは、接続するアクセスネットワークが異なることにある。
【0217】
図26の手続きでは、WLAN ANa70に接続していたが、図21の手続きでは、WLAN ANb75に接続する。つまり、UE10は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70、PGW30を経由するWLANではなく、WLAN ANb75、ePDG65、PGW30を経由するWLANへ切り替えることとなる。
【0218】
第1実施例で説明したように、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANb75を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例である。
【0219】
図21を用いて、図7におけるS912のUE10によるアクセスシステム切り替え手続きについて説明する。まず、UE10は、IKEv2認証を行う(S1902)。ここで、ePDG65は、HSS/AAAサーバに対して、PDNコネクション2をWLAN ANb75へ切り替えるための認証と承認をおこなっており、アクセスシステム切り替え手続きを開始することをePDG65に通知している。
【0220】
UE10とIKEv2認証を完了したePDG65は、プロキシバインディング更新をPGW30へ送信する(S1904)。このとき、ePDG65は、プロキシバインディング更新に、PDNコネクション2において、LTE経由でのデータの送受信からWLAN経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)でのデータの送受信へ切り替えることを通知する。
【0221】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S1906)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、PDNコネクション2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を、WLAN経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、PDNコネクション単位で適切なアクセスシステムにデータを送受信できる管理している。
【0222】
次に、PGW30は、PGWアドレスを更新する(S1908)。ここで、PGW30はPGWのアドレスとともに、PDNコネクション2においてWLAN ANb75経由でデータの送受信を行うことを含める。
【0223】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及び、IP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、WLAN ANb75へプロキシバインディング応答を送信する(S1910)。プロキシバインディング応答を受信したePDG65は、IKEv2応答を送信する(S1912)。
【0224】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANb75経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)に通信路を切り替えてPDNコネクションの通信を継続する。
【0225】
[3.2.5 第5実施例]
続いて第5実施例について説明する。第5実施例は、図7におけるS912において、図26の手続きや図21の手続きを利用するのではなく、図22の手続きを利用する。図26の手続きや図21の手続きと図22の手続きとの違いは、バインディング更新がUE10から送信される点である。図26の手続きや図21の手続きでは、WLAN ANa70やePDG65によってバインディング更新が送信されていたが、図22の手続きでは、UE10がモバイルIPの機能を利用することによって、バインディング更新をPGW30へ送信することが可能となる。
【0226】
なお、第4実施例と同様に、UE10が複数のWLANアクセスシステムのアクセスネットワークに接続されている場合には、UE10はアクセスネットワークを選択するためのポリシーを予め保持しておき、ポリシーに基づいてアクセスネットワークを選択してもよいし、任意に選択してもよい。UE10が接続するWLANアクセスシステムのアクセスネットワークが1つの場合には、そのアクセスネットワークを選択する。以下の例では、UE10はアクセスネットワークとしてWLAN ANa70を選択し、アクセスシステムの切り替え手続きを行う例である。
【0227】
図22を用いて、図7におけるS912のUE10によるアクセスシステム切り替え手続きについて説明する。まず、UE10は、バインディング更新をPGW30へ送信する(S2002)。このとき、UE10は、バインディング更新に、PDNコネクション2において、LTE80からWLAN ANa70でのデータの送受信へ切り替えることを通知する。
【0228】
プロキシバインディング更新を受信したPGW30は、IP−CANセッションの変更手続きを開始する(S2004)。PGW30は、まずPCRF60へIP−CANセッション変更要求を送信する。このとき、PGW30は、PCRF60へ更新したルーティングルールを提供する。つまり、PDNコネクション2におけるLTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でデータの送受信を、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70)でのデータの送受信へ切り替えるよう、データベースを更新する。ここで、PGW30は、APN毎にアクセスシステムを管理している。
【0229】
続いて、PGW30は、バインディングの更新及び、IP―CANセッションの変更手続きの完了を確認し、UE10へバインディング応答を送信する(S2006)。
【0230】
一方、PCRF60は、GW制御セッション変更及び、QoSルール生成手続きを行う(S2008)。つまり、PDNコネクション2におけるWLAN経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信を開始する。ここで、WLAN経由(PGW30、WLAN ANa70、UE10)でのデータの送受信におけるQoSを変更する。
【0231】
以上の手続きにより、UE10がPDNコネクション毎にLTE経由または、WLAN経由の通信路でデータの送受信を行っている場合に、ANDSF20からアクセスシステム情報の応答として、PDNコネクション毎に区分されたMOポリシー242(PDNコネクション識別子(APN2)、強制度(shall、should、may)、アクセスシステム(WLAN))を受け取ったUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142として変更することにより、PDNコネクション2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)の通信路によるデータの送受信から、WLAN経由(WLAN ANa70、PGW30)の通信路によるデータの送受信へ変更することが可能となる。
【0232】
なお、MOポリシー242により通知されるアクセスネットワークは、WLAN ANa70に限らず、MOのポリシーに応じてWLAN ANb75でもよい。WLAN ANb75への切り替えポリシーを受信した場合には、UE10は、PDNコネクション2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信から、WLAN ANb75経由(WLAN ANb75、PGW30)でのデータの送受信へ変更することが既に図14を用いて説明した手順により可能となる。
【0233】
[4.第4実施形態]
続いて第4実施形態について説明する。上述の実施形態において各ポリシーはアクセスシステムを利用することとして説明したが、本実施形態においては、アクセスネットワークを利用する場合について説明する。
【0234】
第4実施形態における移動通信システムは、上述の実施形態で利用した構成と同様の構成を利用することができる。また、IP移動通信ネットワーク5のそれぞれの構成要素(装置)も同様に利用可能であるため、説明を省略する。
【0235】
なお、第1〜3実施形態においては、通信路はアクセスシステムにより識別可能であり、UE10、PGW30及びANDSF20は、アクセスシステムを通信路の識別情報として切り替え手続きを行ってきたが、本実施例では、アクセスネットワークにより通信路を識別する。したがって、本実施形態では、アクセスネットワークを識別情報とした切り替え手続きを行う。
【0236】
また、本実施形態における、UE10の構成は図2を利用することができる。ただし、UEポリシー142は、図29に示す構成を利用するものとする。図29は、フロー識別子(例えば、「フロー3」)と、アクセスネットワーク(例えば、「WLAN ANa70」)とを対応づけて記憶し、UE10がフロー識別子毎に適用するアクセスネットワークを管理する。
【0237】
また、ADNSF20の構成は、図4を利用することができる。ただし、MOポリシー242は図30に示す構成を利用するものとする。図30では、フロー識別子(例えば、「フロー識別子2」)毎に強制度(例えば、「shall」)を設定し、フロー識別子毎(例えば、「フロー識別子2」)にアクセスネットワーク(例えば、「WLAN ANa70」)を区分している。
【0238】
第1実施形態では、ANDSF20は、フロー毎にアクセスシステムを管理し、フロー毎にアクセスシステムの変更を通知し、UE10は、フロー毎にアクセスシステムを管理し、フロー毎にアクセスシステムを変更していた。
【0239】
しかしながら、第4実施形態では、ANDSF20は、フロー毎にアクセスネットワークを管理し、フロー毎にアクセスネットワークの変更を通知し、UE10は、フロー毎にアクセスネットワークを管理し、フロー毎にアクセスネットワークの変更を行うことが可能となる。
【0240】
これにより、第1実施形態では、UE10がWLANをアクセスシステムとする複数のアクセスネットワークに接続していた場合に、UE10はアクセスネットワークを選択する必要があったが、第4実施形態では、UE10がWLANをアクセスシステムとする複数のアクセスネットワークに接続していた場合でも、UEポリシー142に基づいてアクセスネットワークの切り替えを行うことができる。
【0241】
[4.2 実施例]
[4.2.1 第1実施例]
上述した実施例として、処理の流れについて、図31を利用して説明する。図31は、第1実施形態の図7に基づいたフローであり、図7と同様の処理については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0242】
UE10は、ANDSF20に対して、アクセスネットワーク情報の要求を送信する(S906a)。ANDSF20は、当該アクセスネットワーク情報の要求に基づいて、アクセスネットワーク情報の応答を送信する(S908a)。
【0243】
アクセスネットワーク情報の応答を受信したUE10は、アクセスネットワーク情報の応答に含められた情報に従って、アクセスネットワークの選択とフローの利用するアクセスネットワークの切り替えを決定する(S910a)。ここで、アクセスネットワーク情報の応答には、フロー2において、強制度「shall」、アクセスネットワーク「WLAN ANa」の情報が含められていたので、図29のUEポリシー142におけるフロー2のアクセスネットワークのLTE AN80をWLAN ANa70へ変更する。つまり、UE10は、フロー2におけるアクセスネットワークをLTE AN80からWLAN ANa70へ変更し、接続するアクセスネットワークの切り替えを決定する。
【0244】
なお、本実施形態では、UE10は、LTE AN80及びWLAN ANa70に接続し、通信を開始している状態において(S902)、MOポリシーを受信する例を説明したが、これに限らず、LTE AN80又はWLAN ANa70のいずれかに接続している状態で受信してもよい。
【0245】
続いて、UE10は、アクセスネットワークの切り替えを実行する(S912a)。アクセスネットワークの切り替手続きは、第1実施形態で説明した図10に基づいたフローとほぼ同様であり、同様の処理については説明を省略する。異なる点は、送受信するメッセージに含まれていたアクセスシステムの識別情報が、アクセスネットワークの識別情報となる点である。
【0246】
具体的には、IP flow mobilityトリガー(S1002)、プロキシバインディング更新(S1004)、プロキシバインディング応答(S1010),IP flow mobility ack(S1012)の各メッセージに含まれていたアクセスシステムの情報が、アクセスネットワークの情報に置き換わる。
【0247】
これにより、ANDSF20からUE10へフロー2において、強制度「shall」として、アクセスネットワークをWLAN ANa70として通知し、UE10はアクセスネットワークの切り替えを要求し、PGW30が切り替えを許可することにより、フロー2におけるLTE AN80経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)の通信路によるデータの送受信をWLAN ANa70経由(WLAN ANa70、PGW30)の通信路によるデータの送受信へ切り替えることができる。
【0248】
[4.2.2 第2実施例]
続いて第2実施例について説明する。第2実施例では、ANDSF20が、UE10へ送信するアクセスネットワーク情報の応答(S908a)において、図30の構成を利用するのではなく、図32の構成を利用する。ここで、図30の構成と図32の構成との違いは、強制度「shall」ではなく、強制度「should」を利用している。強制度「should」は、MOからの希望を示しており、UE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ必ずしも反映する必要はない。
【0249】
つまり、図31のS908aにおけるアクセスネットワーク情報の応答において、強制度「should」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図29のUEポリシーを変更する。UEポリシー142を変更したした場合の移行の手続きは先ほど説明した通りであり、図31におけるS910a及びS912aの処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0250】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてフローの通信の通信を継続する。
【0251】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図29のUEポリシーは変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0252】
[4.2.3 第3実施例]
続いて、第3実施例について説明する。第3実施例は、ANDSF20が、UE10へ送信するアクセスネットワーク情報の応答(S908a)において、図30の構成や図32の構成を利用するのではなく、図33の構成を利用する。
【0253】
図30の構成や図32の構成と図33の構成との違いは、強制度「shall」や強制度「should」ではなく、強制度「may」を利用している。強制度「may」は、MOからの強制度が低く、UE10の任意でMOポリシー242を利用するかどうか決定することができることを示している。
【0254】
つまり、図31のS908aにおけるアクセスネットワーク情報の応答において、強制度「may」を通知されたUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142へ反映するかどうかを選択し、MOポリシー242をUEポリシー142として変更する場合には、図29のUEポリシーを変更する。UEポリシー142を変更した場合の移行の手続きは先ほど説明した通りであり、図31におけるS910aの処理及びS912aの処理を実行する。その後、第1実施例と同様の切り替え手続きを行う。
【0255】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANa70経由(PGW30、WLAN ANa70)に通信路を切り替えてフローの通信の通信を継続する。
【0256】
一方、UE10がMOポリシー242をUEポリシー142として変更しない場合には、図29のUEポリシーは変更しない。UE10がUEポリシー142を変更しなかった場合、手続きを終了する。
【0257】
[4.2.4 第4実施例]
続いて、第4実施例について説明する。第4実施例は、図31を利用して説明したフローにおいて、アクセスネットワーク情報の応答(S908a)及びアクセスネットワークの切り替え実行(S912a)が異なる。その他の図31の同様の処理については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0258】
第4実施例は、図31におけるアクセスネットワーク情報の応答S908aにおいて、フロー2において、強制度「shall」、アクセスネットワーク「WLAN ANb75」の情報を含めて送信する。UE10はこの情報に従って、図29のUEポリシー142におけるフロー2のアクセスネットワークのLTE AN80をWLAN ANb75へ変更する。つまり、UE10は、フロー2におけるアクセスネットワークをLTE AN80からWLAN ANb75へ変更し、接続するアクセスネットワークの切り替えを決定する。
【0259】
アクセスネットワーク切り替え実行(S912a)では、図10の手続きを利用するのではなく、図13の手続きを利用して切り替えを行う。図10の手続きと図13の手続きとの違いは、接続するアクセスネットワークが異なることにある。図10の手続きでは、WLAN ANa70に接続していたが、図13の手続きでは、WLAN ANb75に接続する。
【0260】
アクセスネットワークの切り替手続きは、第1実施形態で説明した図13に基づいたフローとほぼ同様であり、同様の処理については説明を省略する。異なる点は、送受信するメッセージに含まれていたアクセスシステムの識別情報が、アクセスネットワークの識別情報となる点である。
【0261】
具体的には、IP flow mobilityトリガー(S1302)、プロキシバインディング更新(S1304)、プロキシバインディング応答(S1310),IP flow mobility ack(S1312)の各メッセージに含まれていたアクセスシステムの情報が、アクセスネットワークの情報に置き換わる。
【0262】
これにより、ANDSF20からUE10へフロー2において、強制度「shall」として、アクセスネットワークをWLAN ANb75として通知し、UE10はアクセスネットワークの切り替えを要求し、PGW30が切り替えを許可することにより、フロー2におけるLTE AN80経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信をWLAN ANb75経由(WLAN ANb75、PGW30)でのデータの送受信へ切り替えることができる。
【0263】
以上の手続きにより、UE10及びPGW30は、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)からWLAN ANb75経由(PGW30、ePDG65、WLAN ANb75)に通信路を切り替えてフローの通信の通信を継続する。
【0264】
[4.2.5 第5実施例]
続いて第5実施例について説明する。第5実施例は、図31におけるS912aにおいて、図10の手続きや図13の手続きを利用するのではなく、図14の手続きを利用する。
【0265】
図14の手続きは第1実施形態とで説明した手続きとほぼ同様であり、詳細説明を省略する。異なる点は、送受信するメッセージに含まれていたアクセスシステムの識別情報が、アクセスネットワークの識別情報となる点である。
【0266】
具体的には、バインディング更新(S1404)、バインディング応答(S1404)の各メッセージに含まれていたアクセスシステムの情報が、アクセスネットワークの情報に置き換わる。
【0267】
以上の手続きにより、UE10がフロー毎にLTE経由または、WLAN経由でデータの送受信を行っている場合に、ANDSF20からアクセスネットワーク情報の応答として、フロー毎に区分されたMOポリシー242(フロー(フロー2)、強制度(shall、should、may)、アクセスネットワーク(WLAN ANa70))を受け取ったUE10は、MOポリシー242をUEポリシー142として変更することにより、フロー2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)の通信路によるデータの送受信から、WLAN ANa70経由(WLAN ANa70、PGW30)の通信路によるデータの送受信へ変更することが可能となる。
【0268】
なお、MOポリシー242により通知されるアクセスネットワークは、WLAN ANa70に限らず、MOのポリシーに応じてWLAN ANb75でもよい。WLAN ANb75への切り替えポリシーを受信した場合には、UE10は、フロー2において、LTE経由(PGW30、SGW35、eNB45経由)でのデータの送受信から、WLAN ANa70経由(WLAN ANb75、PGW30)でのデータの送受信へ変更することが既に説明した図22の手順により可能となる。
【0269】
[5.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0270】
例えば、各実施形態において説明したプロキシバインディング更新、応答により確立されるコアネットワーク内の通信路は、GTPプロトコルを基に確立されたGTPトンネルを通信路としても良い。その場合には、通信路を確立するプロキシバインディング更新、応答メッセージは、GTPトンネルを確立するための要求メッセージ、応答メッセージに置き換わる。
【0271】
また、各実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0272】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0273】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【0274】
また、上述した実施形態における各装置の一部又は全部を典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現してもよい。各装置の各機能ブロックは個
別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能であることは勿論である。
【0275】
また、上述した実施形態においては、無線アクセスネットワークの例としてLTEと、WLAN(例えば、IEEE802.11a/b/n等)とについて説明したが、WLANの代わりにWiMAXによって接続されても良い。
【符号の説明】
【0276】
1 移動通信システム
5 IP移動通信ネットワーク
10 UE
20 ANDSF
30 PGW
35 SGW
40 MME
45 eNB
50 HSS
55 AAA
60 PCRF
65 ePDG
70 WLAN ANa
72 WLAN APa
74 GW
75 WLAN ANb
76 WLAN APb
80 LTE AN
9 PDN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とするUE。
【請求項2】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記APN識別子に対応するAPNの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とするUE。
【請求項3】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とするUE。
【請求項4】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるUEにおいて、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える要求を送信することを特徴とするUE。
【請求項5】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、フロー識別情報に対応するフローの通信路を、アクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とするANDSF。
【請求項6】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、APN識別子に対応するAPNの通信路を、アクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とするANDSF。
【請求項7】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、アクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とするANDSF。
【請求項8】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおけるANDSFにおいて、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記強制度は、前記UEがモバイルオペレータポリシーを受信した場合に、フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、アクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える指示を行わせる強制度を含むことを特徴とするANDSF。
【請求項9】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項10】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記APN識別子に対応するAPNの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項11】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項12】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムにおいて、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする移動通信システム。
【請求項13】
請求項9から12の何れか一項に記載の移動通信システムに接続されることを特徴とするPGW。
【請求項14】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからAPN識別子と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記APN識別子に対応するAPNの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項16】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した通信路及び第2アクセスシステムを利用した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからPDNコネクション識別情報と、アクセスシステム識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記PDNコネクション識別情報に対応するPDNコネクションの通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスシステム識別情報に対応するアクセスシステムに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項17】
PGW(Packet Data Network Gateway)と、前記PGWと第1アクセスシステムを利用した第1のアクセスネットワークを経由した通信路及び第2アクセスシステムを利用した第2のアクセスネットワークを経由した通信路を確立するUE(User Equipment)と、前記UEに対してモバイルオペレータポリシーを通知するANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)とを含む移動通信システムの通信方法であって、
前記ANDSFは、
前記UEにフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを送信し、
前記UEは、
前記ANDSFからフロー識別情報と、アクセスネットワーク識別情報と、強制度とを含んだモバイルオペレータポリシーを受信し、
前記モバイルオペレータポリシーに含まれる強制度が切り替えを強制する強制度の場合には、前記フロー識別情報に対応するフロー通信の通信路を、モバイルオペレータポリシーに含まれているアクセスネットワーク識別情報に対応するアクセスネットワークに強制的に切り替える要求を送信する、
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−74453(P2013−74453A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211854(P2011−211854)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】