説明

USBインターフェースを有する光ディスクドライブ

【課題】USBインターフェースを有する光ディスクドライブを提供すること。
【解決手段】本発明は、自動車光ディスクドライブを提供する。ホストへのデータ通信は、USBを介して実行され、ディスクを挿入した際のドライブ作動は、機械ディスクインスイッチによるUSBインターフェースへの電力供給を制御することによって、自動的に実行される。それによって、発明は、USBを介したデータ通信の場合、パラレルまたはシリアルATAインターフェースを有する自動車ディスクドライブの特有の機能性を維持することを可能する。さらに、発明は、要求されるハードウェア配線の数を減少することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、CD、DVDまたはBDのような光ディスクの装置を再生するディスクデバイスに関する。より具体的には、本発明は、自動車使用のための光ディスクドライブに関する。
【背景技術】
【0002】
(先行技術)
近年、光記憶媒体は、大衆消費電子製品(CE)とコンピュータ技術との両方における使用に対して広まっている。光ディスクが用いられる特定の分野は、自動車システムである。乗り物において、光ディスクは、再生されるAV(オーディオ/ビデオ)データの記憶と、ナビゲーションシステムのような乗り物機器に転送されるデータの記憶との両方のために用いられ得る。
【0003】
現在、複数の異なる種類の光記憶媒体(光ディスク)が用いられ、それらは、例えば、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多機能ディスク)またはBD(ブルーレイディスク)として公知である。記録可能か、または書き換え可能か、または読み取り専用の、それぞれ容量に従って、光ディスクは、ROM(リードオンリーメモリ)、R(記録可能)、RW(読み取り可能/書き換え可能)またはRAM(ランダムアクセスメモリ)のようなカテゴリーにさらに分類される。
【0004】
光ディスクから/へ(例えば、再生のために)データを読み取りおよび/または記録する能力を有するデバイスは、ドライブユニットを備える。ドライブユニットの中に、ディスクが回転可能に挿入され得る。レーザー技術に基づくピックアップ機構がディスクドライブの中に挿入された光ディスクから/へデータを読み取る/書くために提供される。機構構造の詳細および光ピックアップシステムの詳細は当分野において周知であり、そのため、その説明は、本明細書において省略する。本発明は、上で言及した例示的タイプの光ディスクに限定されず、全ての種類の光記憶ディスク、および入手可能または将来、現れるそれぞれのディスクドライブに適用可能である。
【0005】
CDプレーヤーまたはDVDレコーダーのような専門化された大衆消費製品(CE)デバイスは、大抵、光ディスクから読み取られたデータを再生可能なデータに変換、所望の場合は、その逆の変換をするために、いわゆる「シングルチップソリューション」を採用している。それによって、CEデバイスは、CEまたは他の光ディスクから光ディスクドライブのピックアップによって読み取られた入力信号を、(例えば、オーディオCDの場合、オーディオ信号のような)再生可能な信号に変換するために処理する能力を有する専門化された回路をチップ上に含む。シングルチップソリューションを考慮すると、これらのCEデバイスにおいて、ディスクドライブと再生装置の再生部分との間の「インターフェース」は、内蔵される必要はない。
【0006】
一方で、コンピュータシステムとしての用途のような多目的用途において、いわゆるROMドライブが採用され、ディスクドライブの動作およびディスクドライブのピックアップによって読み出された任意のデータの処理を制御する(コンピュータのような)ホストへのインターフェースを含む。
【0007】
例えば、コンピュータの内蔵光ディスクドライブは、従来、Advanced Technology Attachment(ATA)として公知の規格に従うインターフェースによって、ホスト(つまり、プロセッサを有するコンピュータメインボード)に接続される。ATAインターフェースは、Western Digitalによって元々導入されたインターフェースIDE(集積エレクトロニクス、さらに発展してEIDE(拡張IDE))に基づき、発展してきた。それぞれのソフトウェアプロトコルは、ATAPI(Advanced Technology Attachment with Packet Interface)の名の下、公知である。これらのインターフェースが発展しており、また、光ディスクドライブに加えて、コンピュータにおけるハードディスク、ソリッドステートドライブまたはフロッピー(登録商標)ドライブのような他の種類の記憶デバイスを接続するために採用される。元々発展してきたATAは、現在では「パラレルATA」(PATA)の名称の下、公知である。現代のシステムにおいて、パラレルATAは、大部分がシリアルATA(SATA)インターフェースに置き換えられている。
【0008】
一方で、ATAは、30〜50ピンを有するやや複雑なワイヤー構造を採用する欠点を有する。そのため、ATAは、外付け光ディスクドライブをコンピュータまたはラップトップに接続することに対して、適切性が低い。そのため、別のインターフェース規格が発展しており、それは、一般的に、外付け光ディスクドライブ:USB(ユニバーサルシリアルバス)を接続するために採用される。FireWire(IEEE 1394)もしくはeSATA(外付けSATA)およびeSATAp(power over eSATA)のようなATAをさらに発展させたものなどの他のいくつかのインターフェースが存在するが、USBは、現在、外付け光ディスクドライブのための最も広まっているインターフェースである。USBは、USBを介して接続されたデバイスのインストールおよび取り外しを、コンピュータを再起動(活線挿抜)せずに可能にすることが特にUSBのさらなる利点である。USBは、USB大容量記憶装置(フラッシュドライブ)、プリンター、スキャナーなどのような複数の異なる種類の他の周辺デバイスに対するインターフェースとして用いられることも当業者は気付く。
【0009】
ホストコンピュータにUSBを介して接続された外付けドライブは、SATA、PATAなどのようなドライブのインターフェース間のブリッジをUSBインターフェースポートに提供する、いくつかの翻訳単位を一般的に含む。
【0010】
乗り物において用いられる光ディスクドライブは、一般的にいくつか特徴を有し、その意図された使用に対して特に適合する。
【0011】
一方、乗り物用の光ディスクドライブは、サイズがコンパクトであるべきである。なぜなら、インストールのために利用可能なスペースが限られているからである。そのため、自動車光ディスクドライブは、側方に可動なトレーのような部分なしに動作する、CEまたはコンピュータドライブから公知のローディング機構を大抵有する。
【0012】
一方で、車における電力節約の理由から、ディスクドライブおよびホスト(乗り物においては「ヘッドユニット」と呼ばれる)の電力消費機能を、所望の場合のみ作動させることが望ましい。ヘッドユニットは、従来、運転手動作パネル(ダッシュボード)の近くに設計され、プロセッサ(中央処理装置CPU)とそれぞれの動作要素との両方を含む。プロセッサは、ディスクドライブと、ディスクドライブが提供される乗り物エンターテイメントおよび情報システムのコンポーネントとの動作を特に制御する。動作要素によって、運転手または乗り物の中に座っている他の乗客がシステムを動作させ得る。
【0013】
大抵、全ての復号化(つまり、光ディスクドライブの復号化)を制御し、オーディオストリーミング、ナビゲーション、ソーススイッチングなどのようなヘッドユニット内の全ての他の機能も制御する中央処理装置は、より単純な処理装置によってサポートされる。より単純な処理装置は、とりわけ、ヘッドユニット全体をオンに切り換えることを可能にする特有の信号を制御し、したがって、中央処理装置を作動もさせる。このシステムは、高い待機電力消費を避けるために用いられる。
【0014】
さらに、運転手を乗り物の制御から過剰に気を逸らせることなく、運転手によって実行されるために、動作は、複数の特有のステップの操作を要求せず、特に簡単であるべきである。そのため、自動車ディスクドライブは、ディスクドライブ、必要に応じて、ヘッドユニットがディスクを挿入すると自動的に作動するように大抵は設計される。このことは、光ディスクドライブの中に挿入されたとき、ディスクによって動作させられる特定の機械スイッチ(いわゆるディスクインスイッチ)を提供することによって達成される。
【0015】
従来、乗り物光ディスクドライブは、ヘッドユニットに固定されて搭載された。乗り物において、単一のドライブを採用することによって通信されるさまざまな異なるデータ(例えば、AVデータおよびナビゲーションシステムのための情報データ)を考慮に入れると、ROMドライブが一般的に自動車用途として採用される。ROMドライブのみがナビゲーションシステムなどに対するROMデータを読み出すために直接データアクセスを可能にする。さらに、ROMドライブにおいて、動作全体がホストプロセッサ(つまり、乗り物におけるヘッドユニットのCPU)を介して制御される。したがって、ドライブ製造者の特定のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)に対する必要性がなく、このことは、コスト削減につながる。
【0016】
従来の乗り物ディスクドライブは、大抵、ヘッドユニット(ホスト)にパラレルまたはシリアルATA(PATAまたはSATA)インターフェースを介して、上でコンピュータの内蔵光ディスクドライブに対して説明したのと類似する態様で接続される。さらに、光ディスクドライブの中へのディスクの挿入を検知するように、ディスクインドライブでホストにSATA/PATA互換性プラグを介して接続するために、追加の導体が提供される。そのような追加の配線(標準PATA/SATA線に加える)は、ホストのウェイクアップ機能性を実装するために必要である。
【0017】
先行技術の自動車光ディスクドライブ10の概略的図面が図1において例示される。光ディスクドライブは、光ディスク100を挿入するためのスロット(示されていない)を有するローディング機構を含む。ドライブコントローラー120は、光ディスクドライブと、光ディスクドライブとホストとの間のSATAまたはPATA(125)の標準フォーマットに従うデータ通信とを制御する。物理的に、データ通信は、シリアルまたはパラレルATAコネクターインターフェース150を介して実行される。同じインターフェースを介して、光ディスクドライブは、また、電力をヘッドユニット(「8V」、「5V」および「GND」とマークされた線を参照)から供給される。8V電力供給は、ホストからオフに切り替わるように制御され得る。光ディスクドライブにおけるディスクの存在を検知するためにディスクインスイッチ110を含む追加の線115が提供され、ヘッドユニットにコネクター150を介して接続される。さらに、コネクター150は、ドライブコントローラー120への特定の信号をハードウェア取り出し130およびハードウェアリセット140として提供するために、追加の線135および145に対する接続を含む。ハードウェア取り出し信号130は、エラーの場合、いずれの電流バスアクティビティから独立して、ディスクを取り出す能力を常に有するために用いられる。ハードウェアリセット信号140は、ドライブにおいてハードウェアリセットを実行するために採用される。両方の機能は、ヘッドユニットのホストプロセッサ(CPU)から制御されるので、専門化された信号が、それぞれ追加の線135および145を介して提供される。
【0018】
乗り物エンターテイメントおよび情報システムのヘッドユニット(HU)は、削減されたサイズを有することが現代の乗り物における最近の発展であり、そのため、最近では、光ディスクドライブを直接ヘッドユニットの中に設計するためには不十分なスペースしかない。さらに、小型化されたヘッドユニットをダッシュボードに直接近接して設置する必要がもはやない。結果として、運転手の近接に設計された光ディスクドライブは、ヘッドユニットに、より長い距離を介して接続される必要がある。乗り物において生じ得るディスクドライブとヘッドユニットとの間の接続のための一般的な距離は、例えば、1.50〜3.50メートルの間の範囲である。しかし、乗り物光ディスクドライブに対して現在採用されているシリアルまたはパラレルATAインターフェースは、この目的には部分的のみ適するか、または全く適していない。多くの(30[SATA]〜50[PATA]の)ピンを有するPATA/SATAケーブルの特定の構造を考慮に入れると、信号の質は、送信長さが増えると非常に減る。結果として、数メートルまでの乗り物における所望の送信長さは、ATAベースインターフェースによっては達成することができない。この状況も、上で言及したeSATAまたはeSATApのようなATAインターフェースをさらに発展させたものを採用することによって、大きくは改善することができない。
【0019】
距離にわたる接続は、原則的にはUSBを採用することによって実現され得る。USBは、外付けコンピュータディスクドライブを接続するために採用される。PATA/SATAベース光ディスクドライブにUSBを介してアクセスするために、変換回路(PATA/SATA−USBブリッジIC)が採用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかし、この場合、USBインターフェースは、さらなる配線115を従来の乗り物光ディスクドライブのディスクインスイッチ110とコネクター150との間に提供しないという欠点が生じる。そのため、従来の乗り物光ディスクドライブのディスクイン認識機能性を提供することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(発明の概要)
本発明は、乗り物のための光ディスクドライブを提供することを意図している。この光ディスクドライブは、離れたヘッドユニットに接続可能であると同時に、ディスクを挿入した際の自動作動を可能にする。
【0022】
このことは、独立請求項の特徴によって達成される。
【0023】
本発明の第一の局面に従って、乗り物における使用のための光ディスクドライブが提供される。光ディスクドライブは、光ディスクドライブをヘッドユニットに接続するUSBインターフェースを含む。光ディスクドライブは、光ディスクが光ディスクドライブの中に挿入されたことを検知するためのディスクインスイッチをさらに含む。さらに、光ディスクドライブは、内蔵電力接続と接続スイッチとを含む。内蔵電力接続は、電力を光ディスクドライブの電力コネクターからUSBインターフェースに提供する。接続スイッチは、内蔵電力接続を電気接続および接続解除する。接続スイッチは、光ディスクが挿入されるとUSBインターフェースを作動させるようにディスクインスイッチによって制御される。
【0024】
本発明の第二の局面に従って、乗り物における使用のための光ディスクドライブを作動させる方法が提供される。光ディスクドライブは、ヘッドユニットにUSBインターフェースを介して接続される。方法は、光ディスクを光ディスクドライブの中に挿入するステップを含み、それによって、光ディスクが光ディスクドライブの中に挿入されたことを検知するためのディスクインスイッチを作動させる。方法は、内蔵電力接続の接続スイッチを閉じるステップをさらに含む。内蔵電力接続は、電力を光ディスクドライブの電力コネクターからUSBインターフェースに提供する。接続スイッチは、ディスクインスイッチによって制御される。方法は、接続スイッチを閉じることによってUSBインターフェースを作動させるステップと、光ディスクドライブとヘッドユニットとの間のデータ通信を、作動させられたUSBインターフェースを介して開始するステップとをさらに含む。
【0025】
ホストにUSBを介して接続された光ディスクドライブを提供することが本発明の特定のアプローチである。USBインターフェースは、ディスクイン検知機能性を有する。それによって、光ディスクドライブを接続するUSBインターフェースの使用が、ディスク検知機能が望まれる乗り物において可能である。発明は、自動車光ディスクドライブの従来のディスクインスイッチによってUSBインターフェースに電力を供給する電力接続スイッチを制御することで、ディスク検知機能性を達成する。
【0026】
好ましくは、光ディスクドライブは、シリアルまたはパラレルATAインターフェースを有するドライブコントローラーと、シリアルまたはパラレルATAインターフェースとUSBインターフェースとの間の信号変換のための変換ユニットとをさらに含む。電力コネクターは、変換ユニットに接続され、電気ディスクドライブに電力を提供する。電力は、USBインターフェースを変換ユニットに接続する内蔵電力接続によってUSBインターフェースに供給される。変換ユニットは、ディスクコントローラーを有するディスクドライブがヘッドユニットにUSBを介して接続することを可能にする。ディスクコントローラーは、従来のATAインターフェースを有する。変換ユニットは、「グルーロジック」と呼ばれ、FPGA(フィールドプログラマルゲートアレイ)によって、より好ましく実現化される。あるいは、専門化された回路がこの目的のために用いられ得る。
【0027】
また好ましくは、USBインターフェースの内蔵電力接続は、特定の所定の電圧をUSBインターフェースに提供するための線と、グラウンド(GND)に接続された線とを含む。好ましい実施形態に従って、所定の電圧は、5V(ボルト)である。しかし、発明は、上で言及した電圧に限定されない。他の電圧値は、本発明の範囲内で等しく可能である。
【0028】
好ましくは、ディスクインスイッチは、光ディスクが光ディスクドライブから取り出された場合、USBインターフェースを作動停止させるように接続スイッチをさらに制御する。ディスクがディスクドライブにない場合、光ディスクドライブとヘッドユニットとの間のデータ通信は必要ではないので、それによって、電力消費は、運転手によって必要な任意のさらなる制御動作なしで、電力消費は減少され得る。結果として、ヘッドユニットは、活動している光ディスクドライブが接続されていないことを検知し、したがって、光ディスクドライブとの電力接続もオフに切り替え得る。より具体的には、光ディスクの取り出しの際の作動は、所定のタイムアウトだけ遅延され得る。タイムアウトは、光ディスクドライブに含まれるタイマーによって測定され得る。作動停止タイムアウトは、作動停止を避け、共通のディスク交換手続きのようなディスク取り出しのすぐ後で、別のディスクが挿入される場合、続く再作動は避けられる。
【0029】
また好ましくは、変換ユニットは、ヘッドユニットからUSBインターフェースを介して受信された光ディスクの緊急取り出しのための命令をドライブコントローラーのパラレルまたはシリアルATAインターフェースのハードウェア取り出し信号にさらに変換する。また好ましくは、変換ユニットは、ヘッドユニットからUSBインターフェースを介して受信された光ディスクドライブのハードウェアリセットを始めるための命令をパラレルまたはシリアルATAインターフェースのハードウェアリセット信号にさらに変換する。それによって、ホストによって制御される従来から利用可能なハードウェア取り出しおよび/またはハードウェアリセット機能がUSBを介して接続された光ディスクドライブに提供され得る(USBは、それらの信号に対して専門化された電線を提供しない)。
【0030】
好ましくは、光ディスクドライブは、CD、DVDまたはBDディスクのうちのいずれか1つ、もしくは、それらの組み合わせを読み取るためのドライブである。
【0031】
また好ましくは、ヘッドユニット自体が、USBインターフェースを作動させると、活動していない状態から作動される。例えば、ディスクは、乗り物無線装置、したがって、ヘッドユニット全体もオフに切り換えられた状態で、光ディスクドライブの中に挿入され得る。好ましい実施形態に従って、ディスクが挿入された場合、ヘッドユニットは、運転手の気を逸らさせ得るさらなる動作操作を要求せずに、自動的に作動させられる。用語「作動停止された状態」または近い関連する用語は、それぞれのユニットが活動的に動作されていない、例えば、オフに切り換えられた状態または待機状態のような、いずれかの状態を含む。
【0032】
さらに好ましくは、光ディスクドライブのドライブコントローラーへの電力供給は、ヘッドユニットを作動させると自動的に作動させられる。したがって、USBインターフェースの作動は、光ディスクドライブ全体をヘッドユニットを介して作動させる働きをする。
【0033】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項の主題である。
【0034】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
乗り物において使用する光ディスクドライブであって、
該光ディスクドライブは、
該光ディスクドライブをヘッドユニットに接続する、USBインターフェース(280)と、
光ディスク(100)が該光ディスクドライブの中に挿入されたことを検知する、ディスクインスイッチ(110)と、
電力を該光ディスクドライブの電力コネクター(290)から該USBインターフェース(280)に提供する内蔵電力接続(265、275)と、
該内蔵電力接続(265、275)を電気的に接続および接続解除する、接続スイッチ(260)と
を含み、
該接続スイッチ(260)は、該光ディスク(100)を挿入すると該USBインターフェース(280)作動させるように、該ディスクインスイッチ(110)によって制御される、光ディスクドライブ。
(項目2)
シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)を有するドライブコントローラー(120)と、
該シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)と上記USBインターフェース(280)との間の信号変換のための変換ユニット(270)と
をさらに含み、
上記電力コネクター(290)は、該変換ユニット(270)に接続され、上記内蔵電力接続(265、275)は、該変換ユニット(270)および該USBインターフェース(280)を接続する、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目3)
上記内蔵電力接続(265、275)は、特定の所定の電圧を上記USBインターフェース(280)およびグラウンドに接続された線(275)に提供する線(265)を含む、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目4)
上記ディスクインスイッチ(110)は、上記光ディスクドライブからの上記光ディスク(100)の取り出しの際に、上記USBインターフェース(280)を作動停止にさせるように、上記接続スイッチ(260)をさらに制御する、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目5)
上記光ディスク(100)の取り出しの際の作動停止は、所定のタイムアウトだけ遅延される、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目6)
上記変換ユニット(270)は、上記ヘッドユニットから上記USBインターフェース(280)を介して受信された光ディスク(100)の緊急取り出しのための命令を、上記パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェア取り出し信号(130)に変換するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目7)
上記変換ユニット(270)は、上記ヘッドユニットから上記USBインターフェース(280)を介して受信された上記光ディスクドライブのハードウェアリセットを始める命令を上記パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェアリセット信号(140)に変換するようにさらに適合されている、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目8)
上記変換ユニット(270)は、FPGAを含む、上記項目のいずれかに記載の光ディスクドライブ。
(項目9)
乗り物において使用する光ディスクドライブ(20)を作動させる方法であって、該光ディスクドライブ(20)は、ヘッドユニットにUSBインターフェース(280)を介して接続されており、
該方法は、
光ディスク(100)を該光ディスクドライブ(20)の中に挿入する(S10)ステップであって、それによって、光ディスク(100)が該光ディスクドライブ(20)の中に挿入されたことを検知するためにディスクインスイッチ(110)を作動させる(S20)、ステップと、
内蔵電力接続(265、275)の接続スイッチ(260)を閉じる(S30)ステップであって、該内蔵電力接続(265、275)は、電力を該光ディスクドライブ(20)の電力コネクター(290)から該USBインターフェース(280)に提供し、該接続スイッチ(260)は、該ディスクインスイッチ(110)によって制御される、ステップと、
該接続スイッチ(260)を閉じること(S30)によって該USBインターフェース(280)を作動させる(S40)ステップと、
該光ディスクドライブ(20)と該ヘッドユニットとの間のデータ通信(285)を該作動されたUSBインターフェース(280)を介して開始する(S70)ステップと
を含む、方法。
(項目10)
上記USBインターフェース(280)を作動させる(S40)と、上記ヘッドユニットを活動していない状態から作動させる(S50)ステップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
上記ヘッドユニットを作動させる(S50)と、上記光ディスクドライブ(20)に含まれたドライブコントローラー(120)への電力供給を作動させる(S60)ステップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
上記光ディスク(100)を上記光ディスクドライブ(20)から取り出す(S90)ステップと、
上記ディスクインスイッチ(110)の制御下にある上記接続スイッチ(260)を開くこと(S110)によって取り出すと、上記USBインターフェース(280)を作動停止させる(S130)ステップと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
上記作動停止させるステップ(S130)は、上記光ディスク(100)を取り出すステップ(S90)に関して、所定のタイムアウト(S120)だけ遅延される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
上記光ディスクドライブ(20)は、シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)を有するドライブコントローラー(120)と、該シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)と上記USBインターフェース(280)との間の信号変換のための変換ユニット(270)とをさらに含み、
上記方法は、
上記ヘッドユニットから該USBインターフェース(280)を介して光ディスク(100)の緊急取り出しのための命令を受信する(S500)ステップと、
該命令を該変換ユニット(270)において該パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェア取り出し信号(130)に変換する(S510)ステップと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
上記光ディスクドライブ(20)は、シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)を有するドライブコントローラー(120)と、該シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)と上記USBインターフェース(280)との間の信号変換のための変換ユニット(270)とをさらに含み、
上記方法は、
上記ヘッドユニットから該USBインターフェース(280)を介して該光ディスクドライブ(20)のハードウェアリセットのための命令を受信する(S500)ステップと、
該命令を該変換ユニット(270)において該パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェアリセット信号(140)に変換する(S510)ステップと
をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0035】
(摘要)
本発明は、自動車光ディスクドライブを提供する。ホストへのデータ通信は、USBを介して実行され、ディスクを挿入した際のドライブ作動は、機械ディスクインスイッチによるUSBインターフェースへの電力供給を制御することによって、自動的に実行される。それによって、発明は、USBを介したデータ通信の場合、パラレルまたはシリアルATAインターフェースを有する自動車ディスクドライブの特有の機能性を維持することを可能する。さらに、発明は、要求されるハードウェア配線の数を減少することを可能にする。
【0036】
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面に例示される以下の、より具体的な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、SATAまたはPATAインターフェースを有する従来の乗り物光ディスクドライブのアーキテクチャーを概略的に例示する。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う乗り物光ディスクドライブの概略的例示である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従うディスクドライブ作動方法を例示するフローチャートである。
【図4】図4は、ディスク取り出しの際の、本発明に従う光ディスクドライブの自動作動停止を例示するフローチャートである。
【図5】図5は、本発明に従う光ディスクドライブのハードウェア取り出し/ハードウェアリセット動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(発明の詳細な説明)
本発明の例示的実施形態が、ここで図面を参照して説明される。
【0039】
いわゆるディスクインスイッチを有する特定の種類の光ディスクドライブ(CD/DVD/BDドライブ)が存在する。ディスクインスイッチは、自動車光ディスクドライブの場合、特に共通である。ディスクインスイッチは、ディスクが光ディスクドライブのスロットの中に挿入されるとすぐに動作する。スイッチの助けを借りて、ドライブは、ディスクの挿入を検知する。
【0040】
従来、ディスクインドライブは、特有のワイヤーを介して、光ディスクドライブとホストとの間のシリアルまたはパラレルATAインターフェースに接続された。検知のためには、ディスクドライブは電力を提供される必要がない。ホストは、スイッチのステイタスを得る。レベル変化が検知されるとすぐに、ディスクドライブに対するウェイクアップ処理が開始され、好ましくは、さらに、ヘッドユニット全体に対するウェイクアップ処理が開始される。ホストとして機能する乗り物ヘッドユニットにおいて、先のステイタス取得機能性は、好ましくは、上で言及したさらなる単純なプロセッサによって実行される。単純なプロセッサは、CPUが待機中、活動し続ける。ドライブ(8V)への電力供給がオンに切り換えられるか、またはヘッドユニットは、休止状態または待機状態を離れ、CD−DVD/PDドライブにソースとして切り替わる、もしくは、その両方である。
【0041】
光ディスクドライブが標準USBインターフェースを介してヘッドユニットに接続された場合、先の機能性は利用可能ではない。なぜなら、ディスクインスイッチによって生成されたディスクイン信号に対するさらなるワイヤーがないからである。
【0042】
本発明は、ホストがUSBを介して接続されたディスクドライブの中へのディスクの挿入を検知することを可能にする。したがって、ディスクドライブとホストとの間のUSB接続を接続解除/接続することなしに、ホスト(ヘッドユニット)に対するウェイクアップが可能である。
【0043】
さらに、USBを自動車ディスクドライブにおけるインターフェースとして採用することは、ハードウェア配線の必要な量の減少を可能にする。ATAコネクターは、30〜50ピンを有し、さらなる線は、ディスクイン、ハードウェア取り出しおよびハードウェアリセット信号に対して必要であるが、USBは、4つのピンのみを有する。
【0044】
図2は、本発明の実施形態に従う光ディスクドライブ20のスキーム全体である。図2において、図1において例示された先行技術の光ディスクドライブのそれぞれのコンポーネントと同じコンポーネントが同じ参照数字によって示される。光ディスク100を挿入するためのスロットおよびディスクインスイッチ110を含む機械構造全体が図1の先行技術の構造と同じである。ディスクドライブは、SATA/PATAインターフェース125と、ハードウェア取り出し信号130およびハードウェアリセット信号140を受信するためのさらなる配線とを有するドライブコントローラー120をさらに含む。したがって、光ディスクドライブの前記基本コンポーネントは、図1の先行技術と比較して変わっていない。
【0045】
光ディスクドライブは、電力コネクター290をさらに含む。電力コネクター290は、光ディスクドライブに(好ましくはヘッドユニットの)外付け電力供給を図1のコネクター150を介した類似する態様で提供する。電力供給は、「8V」、「5V」および「GND」とラベルを付された電線によって例示され、それぞれ、8V(ボルト)および5Vの供給電圧および「グラウンド」を示す。従来からそうであるように、8V供給のみがホストからオフに切り替わるように制御され得る。5V電力供給は、ホストからオフに切り換えることができず、特に論理ユニット270(下で説明される)にとって必要である。本発明は、上で言及された電圧値に限定されないことにさらに注意されたい。他の電圧供給値は、必要に応じて、等しく適用可能である。特に、5V電力供給の代えて、3.3Vの供給電圧が代わりに共通である。
【0046】
発明に従う光ディスクドライブは、ヘッドユニットとのデータ通信のためのUSBインターフェース280を含む。
【0047】
発明の実施形態に従う光ディスクドライブ20の中央コンポーネントは、論理ユニット270(「グルーロジック」)である。一方でドライブコントローラー120のSATA/PATAインターフェース125と、他方でUSBインターフェース280との間のデータ変換およびその逆のデータ変換を実行することがグルーロジック270の主たるタスクである。図2において、データ通信は、グルーロジックとドライブコントローラーとの間のSATA/PATAフォーマットにおける通信を例示する幅広な両側矢印125と、グルーロジック270とUSBインターフェース280との間のUSBフォーマットにおけるデータ通信を例示する幅広な両側矢印285とによって一般的に例示される。さらに、論理ユニット270は、電力を電力コネクター290から受け取り、電力をディスクドライブ20のコンポーネントに分配する。特に、グルーロジック270とUSBインターフェース280との間に(電線265および電線275によって例示される)さらなる接続がある。それによって、USBプラグからの「GND」および「5V」接続が論理ユニット270に接続される。接続はスイッチユニット260を介して提供される。例示された実施形態において、スイッチユニット260は、2本の接続線に対して2つの別個のスイッチを含む。しかし、スイッチおよび接続線の数には差異があり得る。USBインターフェース280と論理ユニット(変換ユニット)270との間の電力接続線において、少なくとも1つのスイッチがあるということのみが発明にとって不可欠である。スイッチユニット260の単数または複数のスイッチが閉じられると初めてグルーロジック270がUSBインターフェース280に対してデータトラフィック(285)を作動させる。矢印115よって例示されるように、スイッチユニット260(例示された実施形態において、5VおよびGNDに対するスイッチ)は、ディスクインスイッチ110を介して制御される。ディスク100がディスクドライブ20の中に挿入された場合、ディスクインスイッチ110は閉じられ、スイッチユニット260も、閉じるように制御され、グルーロジック270がUSBインターフェース280を作動させるように制御する。一方で、ディスクインスイッチ110を開くことによってディスク100が光ディスクドライブ20の中に挿入されていないことが検知された場合、スイッチユニット260は、開くように制御され、USBインターフェース280は、オフに切り換えられる(作動停止される)。
【0048】
したがって、USBインターフェースの電力供給を切り換えることによって、ディスクが挿入されたときにインターフェースのみが作動させられることを達成する。一方で、USBの活線挿抜能力は、インターフェースが作動させられた場合、ホストが自動的にドライブを認識することを可能にする。
【0049】
自動車光ディスクドライブのためのディスクインスイッチ110は、機械スイッチによって実装されることに注意されたい。光ディスクドライブにおいて、他の目的に対してディスクの存在を検知するために採用され得るフォトセンサーのような他のタイプの検知手段は適さない。なぜならば、本発明の目的に従って、ディスクの存在は、光ディスクドライブが作動停止され、したがって、電力が供給されない状況において検知されなければならないからである。後者の状況において、フォトセンサーベース検知器は動作しない。
【0050】
さらに、変換ユニット270も、ハードウェア取り出し信号130およびハードウェアリセット信号140をドライブコントローラーに提供するさらなる線を受け取る。それぞれの線は、ホストユニットを接続するために採用されるUSBインターフェース280の場合、ヘッドユニットからそれらの信号を受信するためには提供されないので、後者の線は、論理ユニット270において終端する。論理ユニット270は、論理ユニットにおいてそれぞれの命令から生成されるハードウェア取り出し/リセット信号を提供し、それらは、ヘッドユニットからUSBインターフェース280および図2において285とラベルを付されたデータ通信路を介して受信される。
【0051】
以下において、本発明に従う光ディスクドライブ作動の方法の処理フローが図3を参照して説明される。
【0052】
最初は、ディスクが挿入されていない。したがって、スイッチングユニット260のスイッチは、開かれており、ホストはホストのUSBインターフェースにおいて存在するデバイスを感知しない。
【0053】
処理は、ディスク100を光ディスクドライブ20のディスクスロットの中に挿入することによって始まる(ステップS10)。それによって、ディスクインスイッチ110が閉じられる(ステップS20)。閉じられたディスクインスイッチ110は、スイッチングユニット260が電力接続を論理ユニット270とUSBインターフェース280との間に確立するように制御する(ステップS30)。結果として、USBインターフェース280はステップS40において作動させられる。ホストのUSBインターフェースの活線挿抜能力に基づいて、ホストは、デバイスがUSBインターフェースを介して接続されたことを認識する。ホスト(ヘッドユニット)が以前に活動していない(待機状態にある)場合、ヘッドユニットが作動させられる(ステップS50)。さらに、光ディスクドライブ20のドライブコントローラー120は、ステップS60において、電力(8V)の供給を電力コネクター290を介して始めることによって作動され、ドライブコントローラー120を確立する。所望のコンポーネント全ての作動が完了したとき、ディスクドライブ20のグルーロジック270およびヘッドユニットのホストは、データ通信を開始する(ステップS70)。
【0054】
その逆も同様に、光ディスクドライブ20は、ディスクが取り除かれた(取り出された)場合に作動停止させられる。ディスクドライブ取り出しは、(例えば、ダッシュボードの動作パネル上の取り出しボタンを押すことによって)それぞれの動作の際にユーザーによって通常は始められる。結果として、例えば、再生される光ディスクの終わりまで到達したことによって、以前に終わっていない場合、ディスクドライブ20とヘッドユニットとの間のデータ通信は終了する(ステップS80)。続いて、ディスクがステップS90において取り出される。それによって、機械ディスクインスイッチ110が開かれる(ステップS100)。結果として、接続スイッチユニット260は、ステップS110において開かれるように制御される。接続スイッチ260がステップS110において開くことによって、USBインターフェース280の作動停止がステップS130において始められる。
【0055】
しかし、好ましい実施形態に従って、接続スイッチ260がステップS110において開いても、その直後にはステップS130は続かない。むしろ、USBインターフェース280の作動停止が所定の時間(「タイムアウト」)だけ遅延し得る。そのため、ステップS110の直後に続くステップS120において、タイマーによってカウントされた所定の時間量が接続スイッチユニット260が開かれた後に終了したか否かが確認される。所定の時間量がまだ終了していない限り(S120:N)、USBインターフェースは活動したままである。所定の時間が終了すると(S120:Y)、フローはステップS130に進み、USBインターフェース280が作動停止させられる。タイムアウト機能によって、タイムアウトの期間が妥当な値に設定された場合、光ディスクドライブおよび接続されたコンポーネントが作動停止させられ、ディスク変更のような状況において再作動させられることを避ける。ここで、シャットダウンまたは待機状態への切り替えは、実際は意図されない。
【0056】
USBインターフェースを有する自動車光ディスクドライブの場合も従来利用可能であったハードウェア取り出しおよびハードウェアリセット機能を可能にすることが本発明のさらなる局面である。従来、ハードウェア取り出し(非常取り出し)およびハードウェアリセット機能は、専門化されたスイッチ信号をパラレルまたはシリアルATAコネクター150の特有のピンを介して、直接ホストプロセッサからドライブコントローラー(図1の線135および線145を参照)に提供することによって実行される。それらの専門化された線は、USBを介したデータ通信の場合は、利用可能ではない。ホスト制御ハードウェア取り出しおよびハードウェアリセット機能性をUSBによって接続された光ディスクドライブに対しても可能にするために、本発明の実施形態に従うディスクドライブは、USBを介して受信された命令をそれぞれのハードウェア信号に変換することを可能にし、標準シリアルまたはパラレルATAインターフェースを有するドライブコントローラー120に転送する。
【0057】
例示的実施形態の特定の処理が図5のフローチャートにおいて例示される。
【0058】
ヘッドユニットからのそれぞれの命令(取り出しまたはリセット)は、光ディスクデバイスにUSBを介して送られる。命令を受信すると(ステップS500)、変換ユニット270は、命令をそれぞれの標準ハードウェア信号にステップS510において変換する。より具体的には、グルーロジック270が受信された命令を評価し、ハイ/ローレベルの論理信号(130、140)(H/L信号)をこの目的のために専門化されたピンにおいて生成する。専門化された接続を介して、それぞれの信号は、ドライブコントローラーに転送され、ドライブコントローラーは、図1の先行技術の自動車光ディスクドライブ10における場合と同じ態様で信号を受信する(ステップS520)。続いて、ステップS530において、ディスクコントローラー120は、受信された特定の信号に応じて、ハードウェア取り出しまたはハードウェアリセットを始める。
【0059】
独立請求項によって規定される本発明は、上で詳細に説明された特定の実施形態に限定されない。当業者は、説明された実施形態の複数のさらなる改変に気付く。自動車用途において、好ましくはデータのみを読み取る(再生する)ディスクドライブが採用されたが、発明は、読み取りと記録との両方を行う能力を有するディスクドライブに対して等しく適用可能である。
【0060】
要約すると、本発明は、自動車光ディスクドライブを提供する。ホストへのデータ通信は、USBを介して実行され、ディスクの挿入の際のドライブ作動は、機械ディスクインスイッチによってUSBインターフェースへの電力供給を制御することで自動的に実行される。それによって、発明は、USBを介したデータ通信の場合、パラレルまたはシリアルATAインターフェースを有する自動車ディスクドライブの特有の機能性を維持することが可能である。さらに、発明は、要求されるハードウェア配線の数を減少させることを可能にする。
【符号の説明】
【0061】
20 光ディスクドライブ
100 光ディスク
110 ディスクインスイッチ
120 ドライブコントローラー
125 SATA/PATAインターフェース
130 ハードウェア取り出し信号
140 ハードウェアリセット信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物において使用する光ディスクドライブであって、
該光ディスクドライブは、
該光ディスクドライブをヘッドユニットに接続する、USBインターフェース(280)と、
光ディスク(100)が該光ディスクドライブの中に挿入されたことを検知する、ディスクインスイッチ(110)と、
電力を該光ディスクドライブの電力コネクター(290)から該USBインターフェース(280)に提供する内蔵電力接続(265、275)と、
該内蔵電力接続(265、275)を電気的に接続および接続解除する、接続スイッチ(260)と
を含み、
該接続スイッチ(260)は、該光ディスク(100)を挿入すると該USBインターフェース(280)作動させるように、該ディスクインスイッチ(110)によって制御される、光ディスクドライブ。
【請求項2】
シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)を有するドライブコントローラー(120)と、
該シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)と前記USBインターフェース(280)との間の信号変換のための変換ユニット(270)と
をさらに含み、
前記電力コネクター(290)は、該変換ユニット(270)に接続され、前記内蔵電力接続(265、275)は、該変換ユニット(270)および該USBインターフェース(280)を接続する、請求項1に記載の光ディスクドライブ。
【請求項3】
前記内蔵電力接続(265、275)は、特定の所定の電圧を前記USBインターフェース(280)およびグラウンドに接続された線(275)に提供する線(265)を含む、請求項1または2に記載の光ディスクドライブ。
【請求項4】
前記ディスクインスイッチ(110)は、前記光ディスクドライブからの前記光ディスク(100)の取り出しの際に、前記USBインターフェース(280)を作動停止にさせるように、前記接続スイッチ(260)をさらに制御する、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の光ディスクドライブ。
【請求項5】
前記光ディスク(100)の取り出しの際の作動停止は、所定のタイムアウトだけ遅延される、請求項4に記載の光ディスクドライブ。
【請求項6】
前記変換ユニット(270)は、前記ヘッドユニットから前記USBインターフェース(280)を介して受信された光ディスク(100)の緊急取り出しのための命令を、前記パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェア取り出し信号(130)に変換するようにさらに適合されている、請求項2〜5のうちのいずれかに記載の光ディスクドライブ。
【請求項7】
前記変換ユニット(270)は、前記ヘッドユニットから前記USBインターフェース(280)を介して受信された前記光ディスクドライブのハードウェアリセットを始める命令を前記パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェアリセット信号(140)に変換するようにさらに適合されている、請求項2〜6のうちのいずれかに記載の光ディスクドライブ。
【請求項8】
前記変換ユニット(270)は、FPGAを含む、請求項2〜7のうちのいずれかに記載の光ディスクドライブ。
【請求項9】
乗り物において使用する光ディスクドライブ(20)を作動させる方法であって、該光ディスクドライブ(20)は、ヘッドユニットにUSBインターフェース(280)を介して接続されており、
該方法は、
光ディスク(100)を該光ディスクドライブ(20)の中に挿入する(S10)ステップであって、それによって、光ディスク(100)が該光ディスクドライブ(20)の中に挿入されたことを検知するためにディスクインスイッチ(110)を作動させる(S20)、ステップと、
内蔵電力接続(265、275)の接続スイッチ(260)を閉じる(S30)ステップであって、該内蔵電力接続(265、275)は、電力を該光ディスクドライブ(20)の電力コネクター(290)から該USBインターフェース(280)に提供し、該接続スイッチ(260)は、該ディスクインスイッチ(110)によって制御される、ステップと、
該接続スイッチ(260)を閉じること(S30)によって該USBインターフェース(280)を作動させる(S40)ステップと、
該光ディスクドライブ(20)と該ヘッドユニットとの間のデータ通信(285)を該作動されたUSBインターフェース(280)を介して開始する(S70)ステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記USBインターフェース(280)を作動させる(S40)と、前記ヘッドユニットを活動していない状態から作動させる(S50)ステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ヘッドユニットを作動させる(S50)と、前記光ディスクドライブ(20)に含まれたドライブコントローラー(120)への電力供給を作動させる(S60)ステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光ディスク(100)を前記光ディスクドライブ(20)から取り出す(S90)ステップと、
前記ディスクインスイッチ(110)の制御下にある前記接続スイッチ(260)を開くこと(S110)によって取り出すと、前記USBインターフェース(280)を作動停止させる(S130)ステップと
をさらに含む、請求項9〜11のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記作動停止させるステップ(S130)は、前記光ディスク(100)を取り出すステップ(S90)に関して、所定のタイムアウト(S120)だけ遅延される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記光ディスクドライブ(20)は、シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)を有するドライブコントローラー(120)と、該シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)と前記USBインターフェース(280)との間の信号変換のための変換ユニット(270)とをさらに含み、
前記方法は、
前記ヘッドユニットから該USBインターフェース(280)を介して光ディスク(100)の緊急取り出しのための命令を受信する(S500)ステップと、
該命令を該変換ユニット(270)において該パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェア取り出し信号(130)に変換する(S510)ステップと
をさらに含む、請求項9〜13のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記光ディスクドライブ(20)は、シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)を有するドライブコントローラー(120)と、該シリアルまたはパラレルATAインターフェース(125)と前記USBインターフェース(280)との間の信号変換のための変換ユニット(270)とをさらに含み、
前記方法は、
前記ヘッドユニットから該USBインターフェース(280)を介して該光ディスクドライブ(20)のハードウェアリセットのための命令を受信する(S500)ステップと、
該命令を該変換ユニット(270)において該パラレルまたはシリアルATAインターフェース(125)のハードウェアリセット信号(140)に変換する(S510)ステップと
をさらに含む、請求項9〜14のうちのいずれかに記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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