説明

V字形カートン

【課題】製造および装填が比較的簡易であり、完全装填時に信頼できるパッケージを提供する従来にない外観のカートンを提供すること。
【解決手段】本発明は、対向して直立する1対の略V字形の側面パネルを有し、帯状セクションでそれらをつないだV字形カートンに関する。それぞれの側面パネルは外周および該外周の略水平な外側頂部域を有する。帯状セクションは前記対向して直立する1対の略V字形の側面パネルの間に延在してこれらと接合し、少なくともその外周を略取り囲んで延在し、それによって、略水平の底部域を有する、略V字形の直立する箱を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にカートンに関する。より詳細には、本発明は略V字形の構成を有するカートンに関する。
【背景技術】
【0002】
カートンは、カートン内に梱包された状態で消費者が個人的な用途のために購入し、持ち運ぶ物品または商品を梱包するものとして製造者に有用である。カートンは、とりわけ複数個の商品を梱包するものとして製造者に有用である。飲料のような消耗品の個別包装品を包含する複数個の商品の梱包および輸送のためのカートンは製造者と消費者の双方にとってさらに一層有用である。この種のカートンはしばしばマルチパックと呼ばれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
消費者向けの流通および販売用の物品および商品の梱包用カートンは、典型的には6面の直線的な構成を有し、その壁面のうち少なくとも4つが長方形で、残る2つの壁面が長方形または正方形のいずれかである。そうした6面の直線的なカートンは、製造および装填が簡易であることから、広く利用されている。しかし、製造者や流通業者、さらには時として消費者も、従来にない外観を有するカートンを欲することがしばしばある。製造者は、マーケティング目的で自らの製品を差別化するために、または、それ以外でパッケージに対して、従ってその製品に対して消費者の注目を引くために、従来にない外観を有するカートンを望むことが考えられる。製造者および流通業者が従来にない外観を有するカートンの利用を試みる場合の問題の1つは、従来にないカートンは製造および/または組立てが困難である可能性があるというものである。従来にない外観を有するカートンの使用を試みる場合のもう1つの問題は、標準的な6面の直線的な構成でないカートンでは、標準的な外観のカートンと同じ完全装填状態で信頼できる機能を果たせない可能性があるというものである。そのため、製造および装填が比較的簡易であり、完全装填時に信頼できるパッケージを提供する従来にない外観のカートンを用意することが有用であることは理解されるところである。そのため、この業界には、上述の欠如および不備に取り組むことについて従来取り組まれていなかったニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の多様な実施形態は、対向して直立する1対の略V字形の側面パネルを帯状セクションでつないだものを提供することによって、従来技術の不足を克服する。それぞれの側面パネルは外周および該外周の略水平な外側頂部域を有する。帯状セクションは対向して直立する1対の略V字形の側面パネルの間に延在してこれらと接合し、少なくともその外周を略取り囲んで延在し、それによって、略水平の底部域を有する、略V字形の直立する箱を形成する。
【0005】
本発明のその他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかであり、または明らかとなるであろう。そうしたあらゆる追加的なシステム、方法、特徴および利点は、ここに教示するものの範囲内に含まれ、添付の請求項によって保護される。
【0006】
上記は本発明の態様および特徴の幾つかを大づかみに述べたものであり、本発明の多様な潜在的適用を例示したものに過ぎないと解釈されるべきである。開示された情報を異なる態様で適用することにより、または開示された実施形態の様々な態様を組み合わせることにより、他の有益な結果を得ることができる。そのため、本発明の他の態様およびより包括的な理解は、請求項によって定義される本発明の範囲に加え、例示的実施形態に関する詳細な説明を添付の図面とあわせて参照することによって得ることができる。
【0007】
規定に従い、本発明の詳細な実施形態をここに開示する。開示される実施形態は、多様かつ代替的な形態によって、またそれらの組合せによって実施することが可能な発明について例示するだけのものに過ぎないことが理解されなければならない。ここで使用する「例示」という言葉は、例証、見本、ひな形または原型の役を果たす実施形態を指すものとして広義に用いる。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、一部の特徴については、特定の構成部分の詳細を示すために誇張され、または縮小されていることがある。他の例では、本発明が不鮮明になるのを避けるため、周知の構成部分、システム、材料または方法について詳細に説明しなかったところもある。そのため、ここに開示された具体的な構造や機能に関する詳細は限定的なものと解釈されるべきものではなく、あくまでも請求項のための基盤であり、また本発明の多様な活用を当業者に教示するための代表的な基盤であるものと解釈されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここからは図面を参照するが、複数の図をまたいで同じ番号は同じ要素を示している。図面は例示的実施形態の様々な態様のうちの一部を例証するものである。
【0009】
まず図1を見ると、本発明に基づき、缶1が装填され、ひも状ハンドル90を備えるV字形カートン5が示されている。カートンは、互いに間隔をあけて平行をなし、帯状セクション30によって連結された略V字形の側面パネル(図1では、一方の側面パネル20bのみが見える)を有する。
【0010】
図1のカートンの例示的実施形態では本発明の特徴の多くを見ることができないため、説明の便宜上、ここからは図1と図2の両方を同時に参照する。図2は、図1のV字形カートン5の例示的実施形態のようなV字形カートンを形成するためのブランク10の例示的実施形態の平面図である。対向する略V字形側面パネル20a、20bは帯状セクション30の相対する側に配置される。それぞれの側面パネル20a、20bは、外周21a、21bによって画定される略V字形の構成を有する。外周部の頂部23a、23bは平らにされた略直線の部分をなす。図1の組み立てられた状態のカートン5では、この平らにされた頂部23a、23bは略水平に置かれている。
【0011】
それぞれの側面パネル20a、20bは、その頂部23a、23bで帯連結パネル22、24によって帯状セクション30に接合される。これらの帯連結パネル22、24は、ブランク10および組み立てたカートン5において同じように配置されるが、構造にわずかな違いがあるため、異なる番号「22、24」によって識別されている。番号「22」によって識別される帯連結パネルは、側面パネル20aと帯状セクション30の間の距離で測った場合、番号「24」で識別される帯連結パネルよりもわずかに幅広い。この2つのパネル22、24は同一寸法で製造してよいが、組み立てたカートン5を缶入飲料1の梱包に使用するときには(図1および図3に示すように)、2つの帯連結パネル22、24はわずかに異なる構造にすることができる。構造をわずかに異なるものにする理由は、典型的な缶入飲料は、缶1の胴部よりも直径の小さい底部2と上部3(図3により明瞭に示されており、はっきりわかる)を有するためである。さらに、缶1の胴部は、典型的には、より細い底部3または上部2に向けてテーパ状に狭められている。しばし図3を見ると、缶1の胴部から上部3に向かうテーパは缶1の胴部から底部2に向かうテーパよりも長い。帯連結パネル22、24の幅が異なるのは、このテーパの長さの違いに対応するためである。より詳細には、一方の帯連結パネル22は、缶入飲料1の上部3に向かう長い方のテーパに対応するために、より幅広く作られている。
【0012】
次に特に図2のブランクを見ると、帯状セクション30の一端には接合フラップ32が折り曲げ可能に付けられている。接合フラップ32の働きについては、本明細書のこの先で取り上げる。
【0013】
帯状セクション30の両端部位には、(図1、図3および図5に示すハンドル90のような)ハンドルの端部を受け、そこに保持するためのハンドル孔36が形成されている。
【0014】
帯状セクション30の両端部には、対向する補強パネル40a、40b、42a、42bが形成されている。それぞれの補強パネル40a、40b、42a、42bは折り曲げ線31に沿って帯状セクション30に接合される。それぞれの折り曲げ線は、折り目を付けただけの線を含め、様々な形を取り得るが、例示的実施形態では、それぞれの折り曲げ線31は、折り目部分33と切断部分35が交互に連続したものである。切断部分35は、折り目部分33の折り曲げを容易にして、弱め折り曲げ線31と見なすことができるものを提供する。補強パネル40a、40b、42a、42bの使用については、本明細書のこの先で説明する。
【0015】
それぞれの補強パネル40a、40b、42a、42bは、それに対向する相手および帯状セクション30の一端と折り重ねられて平面の状態になるように設計され、適合される。それぞれの補強パネル40a、40b、42a、42bは、帯状セクション30にある受け部50の要素である受け開口52と位置合わせできるように寸法と配置が決められた一連の開口部44を有する。
【0016】
それぞれの補強パネル40a、40b、42a、42bには、帯状セクション30の両端部位のハンドル孔36と位置合わせするように、また、(図1、図3および図5に示すハンドル90のような)ハンドルの端部を受け、そこに保持するように、ハンドル孔46が形成される。
【0017】
カートン5およびブランク10は、商品梱包用カートンを形成するのに適した基材で作られる。側面パネル20a、20bは、基材を連結する様々な手段で帯状セクション30と接合することができるが、例示的実施形態では、ブランク10およびカートン5は、側面パネル20a、20bを帯状セクション30と接合するために幾つかの固定機構を用いる。それぞれの固定機構は、オス形の固定部が受け部と係合し、その中に固定されるパンチ型の機構である。
【0018】
次に特に図2を見ると、帯状セクション30は、所定の位置に振り分けられた平行な2列の受け部50、60、70を有している。受け部50、60、70はすべて同一の構造であるが、帯状セクション30上のそれぞれの異なる位置を区別しやすいように異なる番号によって識別してある。一方、帯状セクション30上における受け部50、60、70の位置は、側面パネル20a、20bの外周21a、21bのまわりに配置された固定部150aおよび150b、160aおよび160b、170aおよび170bの位置に対応している。帯状パネルの両端の受け部50には番号「50」が与えられており、これは側面パネルのV字型の内側部分にある固定部150aおよび150bと対応する。番号「60」を与えられた次のセットの受け部60は、各側面パネル20a、20bの終端部位と見なすことができる位置に配設された固定部160a、160bと対応する。番号「70」を与えられた最内側の2つのセットの受け部70は、V字形の外周21a、21bの外側最下方部位と見なすことができる位置に配設された固定部170aおよび170bと対応する。この位置は、それぞれの略V字形の側面パネル20a、20bの略平らな頂部23a、23bに隣接するか、または最も近い外周21a、21bの部位でもある。
【0019】
それぞれの受け部50、60、70は、対向する扉パネル54、56がそれぞれの折り曲げ線51、53に沿って折り曲げ可能に帯状セクション30に接合された折り曲げ可能に接続された扉構造を有する受け開口52を有する。一方の扉パネル56が帯状セクション30と接合される部分の折り曲げ線53は弱め折り曲げ線53であることができる。弱め折り曲げ線53は、それに付随する扉パネル56を他方の扉パネル54よりも容易に折り曲げることを可能にする。弱め折り曲げ線53は、その長さ方向にわずかな切込みまたは切欠きを含めることを含め、様々な手段によって弱めることができる。
【0020】
任意選択で、折り曲げ線39が、第2のセットの受け部60のそれぞれを二分しながら、帯状セクション30の両最終端部位に隣接するそれぞれの部位を横断して延在することができる。
【0021】
既に述べたように、側面パネル20a、20bの外周21a、21bのまわりには、受け部50、60、70と係合するように固定部150a、150b、160a、160b、170a、170bが配設される。固定部150a、150b、160a、160b、170a、170bはすべて同一の構造であるが、それぞれの側面パネル20a、20bにおける様々な位置を区別しやすいように異なる番号によって識別してある。それぞれの固定部150a、150b、160a、160b、170a、170bは、固定部50、60、70の残りを対応する側面パネル20a、20bにつなぐ固定連結パネル26、28を有している。同じ側面パネル20a、20bに付属した固定連結パネル26、28はすべて同一の構造である。さらに、一方の側面パネル20a、20bに付属した固定連結パネル26、28は、他方の側面パネル20b、20aに付属した固定連結パネル28、26と同じように機能する。しかし、既にここで取り上げた2つの対向する帯連結パネル22、24の場合と同様、一方の側面パネル20a、20bに付属した固定連結パネル26、28は、他方の側面パネル20b、20aに付属した固定連結パネル28、26とはやや異なる構造を有する。固定連結パネル26、28は、帯連結部22、24が2つの異なる寸法をなすことについて既に取り上げたのと同じ理由から2つの異なる寸法をなす。すなわち、ブランク10およびカートン5が缶入飲料に使用するために設計される場合に缶入飲料の上部と底部を収容するため、というのがその理由である。セットをなす固定連結パネル26のそれぞれは、同じ側面パネル20aに付属する帯連結パネル22と略同じ寸法を有する。一方、他方のセットをなす固定連結パネル28のそれぞれは、同じ側面パネル20bに付属する帯連結パネル24と略同じ寸法を有する。
【0022】
それぞれの固定部150a、150b、160a、160b、170a、170bは、折り曲げ線81に沿って固定連結パネル26、28と接合された同一の折り曲げ可能な固定連結パネル80を有する。それぞれの固定部150a、150b、160a、160b、170a、170bで、固定鼻部82が折り曲げ線83に沿って折り曲げ可能な固定連結パネル80に接合される。対向する固定タブ84がそれぞれの折り曲げ線85に沿ってそれぞれの固定鼻部82に接合される。対をなす隣接する固定部150a、150b、170a、170bはそれぞれの切断線151a、151b、171a、171bに沿って互いから二分割されている。
【0023】
帯連結部22、24に最も近く、部分的に帯状セクション30内にある固定部170a、170bの固定鼻部82とそれに付属する固定タブ84は、固定鼻部82とそれに付属する固定タブ84を画定する線に沿って帯状セクション30から二分割され、分離されていることに注意されたい。さらに、帯連結パネル22、24に最も近いこれらの同じ固定部170a、170b、帯連結パネル22、24そのもの、および帯状パネルによって囲われた部位29a、29b(点刻によって図示した部位)は開いていることにも注意されたい。
【0024】
ブランク10は、手作業を含めた様々な手段によってカートンに組み立てることができる。図1、2および3を同時に参照する。ここに説明するブランク10の例示的実施形態は手作業で組み立てられ、缶入飲料1を装填して図1および3に示されたカートン5の例示的実施形態を形成するのに特に適している。組立ておよび装填の順序は変わってよいが、一般に、側面パネル20a、20bを帯状セクション30に対して折り曲げ、真っ直ぐ直立した状態にすることができる。側面パネル20a、20bを直立させたとき、それぞれの側面パネル20a、20bの頂部23a、23bは略水平に配置された状態になり、帯状セクション30のうち、帯連結パネル22、24によって頂部23a、23bに接合された部分は、組み立てられたカートン5の底の位置を担う。次いで、170a、170bの番号で識別される固定部をそれに対応する受け部70と嵌合させることによって、V字形の底傾斜面と見なすことができるものを組み立てることができる。それぞれの固定鼻部82は受け部70の扉54、56を通して挿入される。固定タブ84は少なくともわずかに曲がるが、扉54、56を通り抜けた後は元の位置に少なくともわずかに戻って、受け開口52内に固定鼻部82が固定され、保持されるのを助ける。その他の固定機構も同様に嵌合され、部分的に組み立てられたカートンに缶1が望むとおりに装填される。装填に当たっては、缶1の底部2は側面パネル20bに隣接するように置かれ、側面パネル20bはもう一方の側面パネル20aに付属する帯連結パネル22よりも幅の狭い帯連結パネル24によって帯状セクション30につながれる。
【0025】
例示的実施形態のブランク10およびカートン5は、2×6の配列による缶1の装填に特に適している。しばし図4を見ると、缶1の可能な位置取りを側面パネル20a、20bに対して概略的に表現したものが示されている。
【0026】
カートン5は、側面パネル20a、20bの上部外周21aと見なすことができるものに沿った固定部150a、150bをそれに付随する受け部50と嵌合させることによって閉ざされる。しかし、カートンの閉鎖および固定機構の嵌合のために帯状セクション30の両端を所定の位置に持っていく前に、帯状セクション30両端の補強パネル40a、40b、42a、42bを帯状セクション30の裏側に折り重ねてそれらが互いに平面の状態になるようにする。帯状セクション30の両端を固定のために構成する際は、その両端が合わされ、接合フラップ32が帯状セクション30の対向する両端の端縁の下に差し込まれる。帯状セクション30の両端は、交線37と見なすことができるものを略画定する形で略一体となる。この交線37は、交叉してV字形のスーパー(super)を形成する隣接するパネルの頂点とも見なすことができる。
【0027】
カートン5およびブランク10が缶入飲料1のための使用に適合されているとき、固定機構は、隣り合う缶の間に形成される空間と重なるようにして、その間隔をあけることができる。図4は、固定部150a、150b、160a、160b、170a、170bが缶1の間の空間と位置合わせされているこの位置取りおよび構成を図示している。
【0028】
次に図5を見ると、ハンドル孔36、46にひも状ハンドル90が差し込めるようになっており、それによって、組み立てられて装填されたカートン5の把持および輸送のための手段が提供される。ひも状ハンドル90の例示的実施形態は、その中央部位92の両端がテーパを与えられた部位94a、94bへとつながり、それらがさらに端部横材96a、96bの形で終わる。端部横材96a、96bはハンドル孔36、46に差し込まれ、それによって保持される。ハンドルは、プラスチック材料など、耐久性のあるどのような適当な基材によっても形成することができる。本発明は、ハンドル用には、ブランク10およびカートン5の形成に使用されるものよりもはるかに丈夫な基材の使用を想定している。
【0029】
図6および7には、図2に示した単一ブランク10の等価物として使用することができ、接合によって図1および3の例示的カートンと少なくとも略同様の構成を有するカートンを形成するのに適した分割ブランク12、14の例示的実施形態が示されている。図6および7でも特徴を示すための参照番号が使用されているが、ここでは「200」番台または「300」番台になっている。すなわち、図2で使用されたそれぞれの参照番号に「200」を足すと、図6および7のブランク12、14における等価の特徴になる。
【0030】
図6のブランク12は、図2のブランク10の側面パネル20a、20bの等価物である側面パネルブランク12である。図6の側面パネル220における主な違いは、図6のブランク12が図2のブランク10の帯連結パネル22の代わりに追加的な固定機構390を有している点にある。
【0031】
図7の帯パネルブランク14では、受け部290は追加的な固定機構390と対応しており、それを受けるように適合されている。帯パネルブランク14は、図2のブランク10に含まれているような全面補強パネル40a、40bの代わりに、全ブランク10に含まれているものと比べると半分の数の開口244と1つのハンドル孔246の半分をそれぞれ備えた対向する半面補強パネル240a、240b、242a、242bと見なすことができるものを有する。
【0032】
カートン5は2枚の側面パネルブランク12と1枚の帯パネルブランク14とからなることができる。合計3枚のブランク12、14は、頂部223に隣接する固定部390とそれに対応する受け部290との嵌合によってまず連結されうる。次いで、カートンは、上に単一の全面ブランク10に関して説明したのと同様に、装填され、組み立てられることができる。
【0033】
再び図1および3、さらに図8もあわせて見ると、カートン5は、複数の壁面パネルからなる略筒状の構造と見なすことができる。この視点からは、帯状セクション30(および230)の終端部位である隣接するパネル38a、38bは合わさり、本明細書で既に取り上げた交線37を形成する。各々の隣接するパネル38a、38bは外側面を有する。ここで、隣接するパネル38a、38bの終端部分の部分斜視図を特に見ると、隣接するパネル38a、38bの外側面は交線37に対して180度未満の角度αを形成する。
【0034】
隣接するパネル38a、38bは交線37に沿って互いに並列する。本発明は、図8に図示するように、隣接するパネル38a、38bが交線37に沿って折り曲げられた連続するパネルの部分であり得ることを想定している。図1および3に図示されたカートン5の例示的実施形態では、隣接するパネル38a、38bは合わされ、接合フラップ32によってその場に少なくとも部分的に保持された形を取る。接合フラップ32は帯状セクション30の一端に折り曲げ可能に接合されるため、隣接するパネル38a、38bもある程度まで折り曲げ可能に結合されると見なすことができる。
【0035】
本明細書で使用されている「適当な基材」という用語には、ボール紙、段ボール、プラスチックなど、あらゆる形の折り曲げ可能なシート材料を含むものと理解される必要がある。
【0036】
例示的実施形態で用いられている様々な種類の線(すなわち、「折り曲げ線」、「切断線」など)は、これまで、本発明の教示するところを実施するために適当な場合にはごく具体的に説明してきた。しかし、一般に、用語としての「折り曲げ線」および「切り離し線」は、最適な折り曲げまたは切り離し位置、折れ易い、またはそれ以外の弱められた線、ミシン目、ミシン目の線、短いスリットの線、半切断線、半せん断部、切断線、折り目線、スリット、それらのあらゆる組合せなどを示すあらゆる形の印刷線を指す。
【0037】
ここで特に「切断」線として指示される線には、基材の一部分を他の部分から完全に二分割し、または切り離す線が含まれる。
【0038】
添付の図面における「折り曲げ」線の一部は実線で示され、一部は折り曲げ部分(単線部分)と切断部分(より幅広の太線部分)が交互に連なる線で示される。一般に、実線の折り曲げ線は、本発明の教示するところに従って比較的弱い折り曲げが適当であり得る場合に使用される。別の表現をすれば、基材の一部がその線に沿って折り曲げ可能であるが、さほど容易でない線は、比較的強い折り曲げと比べて比較的弱い折り曲げに便利である。基材の一部がその線に沿ってより容易に折り曲げられる線は比較的強い折り曲げに便利である。比較的弱い折り曲げの例として、略直角に交わる壁面を形成する場合のように、基材を折り曲げ線に沿って折り曲げて完全に平面の状態にする必要のないところでは、比較的弱い折り曲げが適当であり得る。比較的弱い折り曲げが適当であり得るもう1つの例として、別の基材部位に取り付けられることなどにより、折り曲げるべき基材の部分が折り曲げを略妨げられない場合がある。適当な比較的弱い折り曲げ線は折り目線である。
【0039】
交互に連なる折り曲げ部分(単線部分)と切断部分(より幅広の太線部分)は、比較的強い折り曲げが要求され得る部分に示されている。別の表現をすれば、基材の一部がその線に沿ってより容易に折り曲げられる線は比較的強い折り曲げに便利である。比較的強い折り曲げが要求され得る例として、基材の一部が略平面の状態に折り曲げられることが要求される場合や、折り曲げられるべき基材の部分が折り曲げを妨げる傾向のある基材の他の部分に取り付けられる場合がある。折り曲げを容易にする折り曲げ線、または、別の表現をすれば、比較的強い折り曲げに便利な折り曲げ線として適当なのは、鋸歯線または、交互に連なる切断と折り目もしくは切断されていない部分とによってそれ以外の形で構成される線である。
【0040】
シート材料の各面は適当な固定手段によって相互に固定することができ、そのような適当な固定手段には、テープ、ステープル、インターロック折り、VELCRO(登録商標)、糊またはその他の接着剤などが含まれる。
【0041】
上述の実施形態は、本発明の原理の明確な理解のために説明した実施の例証であるに過ぎない。請求の範囲から外れることなく、上述の実施形態に対して変形、変更または組合せを行うことが可能である。そうしたすべての変形、変更および組合せは、この開示および以下の請求の範囲によってここに含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の斜視図であって、ひも状ハンドルを付け、缶を装填した状態のV字形カートンの例示的実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の例示的実施形態であって、図1のカートンのようなV字形カートンを形成するためのブランクの例示的実施形態である。
【図3】本発明の斜視図であって、図1のひも状ハンドル付きカートンのカートン上部を見た別視点からの斜視図である。
【図4】本発明の平面図であって、ブランクから組み立てられたカートンにぴったり詰めることができる缶の底部と上部の位置を概略的に示した図2の例示的ブランクの平面図である。
【図5】本発明の平面図であって、図1および3のカートンで使用するのに適したひも状ハンドルの例示的実施形態の平面図である。
【図6】本発明の平面図であって、図1のカートンと同様の構成を有するカートンを形成するのに適した3枚構成のブランクの側面ブランクの例示的実施形態の平面図である。
【図7】本発明の平面図であって、図6のブランク2枚と接合して図1のカートンと同様の構成を有するカートンを形成するのに適した3枚構成のブランクの帯状セクションブランクの例示的実施形態の平面図である。
【図8】本発明の部分斜視図であって、カートンの一部分を形成する隣接するパネルの例示的実施形態の部分斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1 缶
2 底部
3 上部
5 カートン
10 ブランク
12 側面パネルブランク
14 帯パネルブランク
20a、20b 側面パネル
21a、21b 外周
22、24 帯連結パネル
23a、23b 頂部
29a、29b 区域
26、28 固定連結パネル
30 帯状セクション
31 折り曲げ線
32 接合フラップ
33 折り目部分
35 切断部分
36、46 ハンドル孔
37 交線
38a、38b 隣接するパネル
40a、40b、42a、42b 補強パネル
44 開口部
50、60、70 受け部
51、53 折り曲げ線
52 受け開口
54、56 扉パネル
80 折り曲げ可能な固定連結パネル
81 折り曲げ線
82 固定鼻部
83 折り曲げ線
84 固定タブ
85 折り曲げ線
90 ひも状ハンドル
92 中央域
94a、94b テーパを与えられた区域
96a、96b 端部横材
150a、150b、160a、160b、170a、170b 固定部
151a、151b、171a、171b 切断線
220 側面パネル
223 頂部
240a、240b、242a、242b 半面補強パネル
244 開口
246 ハンドル孔
290 受け部
390 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して直立する1対の略V字形の側面パネルであって、そのそれぞれが外周および前記外周の略水平な外側頂部域を有する側面パネルと、
帯状セクションであって、前記対向して直立する1対の略V字形の側面パネルの間に延在し、前記対向して直立する1対の略V字形の側面パネルと接合し、少なくとも前記外周を略取り囲んで延在し、それによって、略水平の底部域を有する略V字形の直立する箱を形成する帯状セクションと、
を備えていることを特徴とするカートン。
【請求項2】
前記帯状セクションが前記外周に沿って配設された複数の固定機構によって前記対向して直立する1対の略V字形の側面パネルに接合されていることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項3】
前記対向して直立する1対の略V字形の側面パネルのそれぞれの内側のV字形に隣接した部位で前記帯状セクションに取り付けられたハンドルをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のカートン。
【請求項4】
商品を収容するための内部空間を画定する筒状構造を形成する複数の壁面パネルを有するカートンであって、
前記壁面パネルがそれぞれ外側面を有する1対の隣接するパネルを含み、
前記隣接するパネルが前記隣接するパネルの前記外側面がそれぞれの間に角度を画定するように配置され、前記角度が略180度未満であることを特徴とするカートン。
【請求項5】
前記隣接するパネルの前記外側面が交線に沿って互いに対して並列しされており、
前記交線に沿った前記隣接するパネルのそれぞれの縁部以外で、前記隣接するパネルが互いから間隔をあけることを特徴とする請求項4に記載のカートン。
【請求項6】
前記隣接するパネルが前記交線に沿って折り曲げ可能に接合されることを特徴とする請求項5に記載のカートン。
【請求項7】
前記角度が鈍角であることを特徴とする請求項4に記載のカートン。
【請求項8】
前記隣接するパネルの間に延在するひも状ハンドルをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のカートン。
【請求項9】
前記筒状構造の相対する側を少なくとも部分的に近接するための少なくとも1対の対向する側面パネルをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のカートン。
【請求項10】
前記少なくとも1対の対向する側面パネルが1対の側面パネルを備え、
前記対向する1対の側面パネルのそれぞれが内部V字形縁を内包する外形を有する形成パネルであり、内部V字形縁に前記隣接するパネルが結合されていることを特徴とする請求項9に記載のカートン。
【請求項11】
前記1対の対向する側面パネルのそれぞれが略V字形のパネルであることを特徴とする請求項10に記載のカートン。
【請求項12】
前記筒状構造が前記複数の壁面パネルを包含する帯状セクションによって少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のカートン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−265879(P2008−265879A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−111807(P2008−111807)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(503056492)ミードウエストヴェイコ・パッケージング・システムズ・エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】