説明

WNT拮抗体ならびにWNT媒介障害の診断および処置におけるWNT拮抗体の使用

本発明は細胞増殖の調節に関する。より具体的には、本発明はWnt経路の阻害剤、並びにWnt経路シグナル伝達の活性化を特徴とする障害の診断および治療におけるその使用、並びにWnt経路シグナル伝達により媒介される細胞事象の調節に関する。本発明はFrizzled蛋白質、分泌Frizzled関連蛋白質又はRor蛋白質から誘導されたFrzドメイン成分、及び、Fc免疫グロブリン成分を含むキメラWnt拮抗体、ならびに、癌を包含する細胞性Wntシグナル伝達障害及びWnt媒介障害の治療及び診断的検出におけるその使用を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分:
(a)Frizzledドメイン成分、及び、
(b)Fcドメイン、
を含むWnt拮抗体であって、
該Frizzledドメイン成分が(i)Frizzled(Frz)蛋白質、(ii)分泌Frizzled関連蛋白質(sFRP)、及び(iii)Ror蛋白質よりなる群から選択される蛋白質由来のポリペプチドを含み、そして、
更にWnt拮抗体が少なくとも1時間インビボで活性であるWnt拮抗体。
【請求項2】
前記Wnt拮抗体が少なくとも5時間インビボで活性である請求項1記載のWnt拮抗体。
【請求項3】
(a)Frizzledドメイン成分、及び、
(b)Fcドメイン、
を含むWnt拮抗体であって、
該Frizzledドメイン成分が(i)Frizzled(Frz)蛋白質、(ii)分泌Frizzled関連蛋白質(sFRP)、及び(iii)Ror蛋白質よりなる群から選択される蛋白質由来のポリペプチドを含み、そして、
更に該Wnt拮抗体が少なくとも1日のインビボ半減期を有するWnt拮抗体。
【請求項4】
前記Wnt拮抗体が少なくとも2日のインビボ半減期を有する請求項3記載のWnt拮抗体。
【請求項5】
前記Frizzledドメイン成分がhFrz1(配列番号18)、hFrz2(配列番号19)、hFrz3(配列番号20)、hFrz4(配列番号21)、hFrz5(配列番号22)、hFrz6(配列番号23)、hFrz7(配列番号24)、hFrz8(配列番号25)、hFrz9(配列番号26)、及びhFrz10(配列番号27)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択されるFrzポリペプチド由来の最小CRD(ECD)ドメインを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項6】
前記Frizzledドメイン成分がsFRP1(配列番号28)、sFRP2(配列番号29)、sFRP3(配列番号30)、sFRP4(配列番号31)、及びsFRP5(配列番号32)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択されるsFRPポリペプチド由来の最小CRD(ECD)ドメインを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項7】
前記Frizzledドメイン成分がhRor1(配列番号33)、及びhRor2(配列番号34)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択されるRorポリペプチド由来の最小CRD(ECD)ドメインを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項8】
前記Frizzledドメイン成分がhFrz1(配列番号50)、hFrz2(配列番号51)、hFrz3(配列番号52)、hFrz4(配列番号53)、hFrz5(配列番号54)、hFrz6(配列番号55)、hFrz7(配列番号56)、hFrz8(配列番号57)、hFrz9(配列番号58)、及びhFrz10(配列番号59)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択される成熟Frzポリペプチドを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項9】
前記Frizzledドメイン成分がsFRP1(配列番号60)、sFRP2(配列番号61)、sFRP3(配列番号62)、sFRP4(配列番号63)、及びsFRP5(配列番号64)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択される成熟sFrpポリペプチドを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項10】
前記Frizzledドメイン成分がhRor1(配列番号65)、及びhRor2(配列番号66)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択される成熟Rorポリペプチドを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項11】
前記Frizzledドメイン成分がhFrz1(配列番号35)、hFrz2(配列番号36)、hFrz3(配列番号37)、hFrz4(配列番号38)、hFrz5(配列番号39)、hFrz6(配列番号40)、hFrz7(配列番号41)、hFrz8(配列番号42)、hFrz9(配列番号43)、及びhFrz10(配列番号44)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択されるプロFrzポリペプチドを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項12】
前記Frizzledドメイン成分がsFRP1(配列番号45)、sFRP2(配列番号46)、sFRP3(配列番号47)、sFRP4(配列番号48)、及びsFRP5(配列番号49)、並びにそれらの活性変異体よりなる群から選択されるプロsFrpポリペプチドを含む請求項1〜4の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項13】
Fc成分がIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4よりなる群から選択される免疫グロブリンに由来する請求項1〜12の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項14】
FcがIgG1免疫グロブリンに由来する請求項13に記載のWnt拮抗体。
【請求項15】
前記Fcが配列番号67又は配列番号68に示すFc配列を含む請求項14に記載のWnt拮抗体。
【請求項16】
Frizzledドメイン成分をFcドメインに連結するリンカーを更に含む請求項1〜15の何れかに記載のWnt拮抗体。
【請求項17】
前記リンカーがESGGGGVT(配列番号69)、LESGGGGVT(配列番号70)、GRAQVT(配列番号71)、WRAQVT(配列番号72)、及びARGRAQVT(配列番号73)よりなる群から選択されるペプチドを含む請求項16に記載のWnt拮抗体。
【請求項18】
【化33】

よりなる群から選択されるポリペプチドを含むWnt拮抗体。
【請求項19】
少なくとも1つの製薬上許容しうる担体又は賦形剤及び請求項1〜18の何れかに記載のWnt拮抗体の何れかを含む組成物。
【請求項20】
請求項1〜18に記載のWnt拮抗体の何れかをコードする核酸配列。
【請求項21】
核酸が作動可能に連結している制御配列を含有するベクターを更に含む請求項20に記載の核酸。
【請求項22】
宿主細胞を更に含む請求項21に記載のベクター。
【請求項23】
哺乳動物、昆虫、大腸菌及び酵母細胞よりなる群から選択される請求項22に記載の宿主細胞。
【請求項24】
請求項19に記載の組成物及び容器を含む製造物品であって、Wnt拮抗体は容器内に含有され、そして該容器は更に(a)該容器に固定されたラベル、又は(b)Wnt媒介障害の治療処置又は診断検出のための組成物の使用を指示するWnt拮抗体の使用に言及した該容器内の添付文書(パッケージインサート)を含む製造物品。
【請求項25】
有効量の請求項1〜18に記載のWnt拮抗体の何れかに細胞を接触させることを含む細胞におけるWntシグナル伝達を阻害する方法。
【請求項26】
前記細胞が哺乳動物内に含有され、そして投与される量が治療有効量である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記Wntシグナル伝達が体細胞突然変異を介したWntシグナル伝達成分の活性化に起因する請求項25に記載の方法。
【請求項28】
Wntシグナル伝達の阻害は、細胞の増殖の阻害をもたらす請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記細胞が癌細胞である請求項28に記載の方法。
【請求項30】
Wnt媒介障害をそれに罹患した哺乳動物において治療する方法であって、治療有効量の請求項1〜18の何れかに記載のWnt拮抗体を哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項31】
前記障害が異常なWntシグナル伝達活性に関連する細胞増殖性障害である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記異常なWntシグナル伝達活性がWnt蛋白質の増大した発現に起因する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞増殖性障害が癌である請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記癌が結腸癌、結腸直腸癌、乳癌、白血病、神経膠腫、及び髄芽細胞腫よりなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項1〜18の何れかに記載のWnt拮抗体に試料を接触させることを含む、Wnt蛋白質の存在を検出するための方法であって、(a)複合体の存在、又は(b)Fz/Fc拮抗体とWnt蛋白質との間の結合レベルがWnt蛋白質及び/又はシグナル伝達の存在を示す方法。
【請求項36】
更にWntシグナル伝達のレベルが異常であるかどうかを決定することを含み、更に試料中の結合レベルを生理学的に正常なWntシグナル伝達を有することが分かっている第2の試料中のレベルと比較することを含み、試料中の結合のレベルが第2の試料中の結合のレベルより高値又は低値であることが異常なWntシグナル伝達を示すものである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記異常なWntシグナル伝達が更にWnt媒介障害の存在を示すものである請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記Wnt媒介障害が癌である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
有効量の請求項1〜18の何れかに記載のWnt拮抗体に細胞を接触させることを含む、活性化された、又は過剰なWntシグナル伝達を特徴とする細胞におけるWnt標的遺伝子の発現を調節する方法。
【請求項40】
治療有効量の請求項1〜18の何れかに記載のWnt拮抗体を投与することを含む、Wnt媒介癌を治療処置する方法であって、拮抗体の投与が、何れのその後の癌のサイズ増大又は重症度の進行を停止させる方法。
【請求項41】
前記Wnt拮抗体の投与が癌のサイズ又は重症度の低減をもたらす請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記Wnt拮抗体の投与が癌の腫瘍負荷量を低減する請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記Wnt拮抗体の投与が癌を殺傷する請求項40に記載の方法。
【請求項44】
細胞増殖性障害の治療のための医薬の製造におけるWnt拮抗体の使用であって、該Wnt拮抗体が:
(a)Frizzledドメイン成分、及び、
(b)Fcドメイン、
を含み、
該Frizzledドメイン成分が(i)Frizzled(Frz)蛋白質、(ii)分泌Frizzled関連蛋白質(sFRP)、及び(iii)Ror蛋白質よりなる群から選択される蛋白質に由来するポリペプチドを含み、そして、
更に該Wnt拮抗体が少なくとも1時間インビボで活性である使用。
【請求項45】
前記Wnt拮抗体が少なくとも5時間インビボで活性である請求項44に記載の使用。
【請求項46】
細胞増殖性障害の治療のための医薬の製造におけるWnt拮抗体の使用であって、該Wnt拮抗体が:
(a)Frizzledドメイン成分、及び、
(b)Fcドメイン、
を含み、
該Frizzledドメイン成分が(i)Frizzled(Frz)蛋白質、(ii)分泌Frizzled関連蛋白質(sFRP)、及び(iii)Ror蛋白質よりなる群から選択される蛋白質に由来するポリペプチドを含み、そして、
更に該Wnt拮抗体が少なくとも1日のインビボ半減期を有する上記使用。
【請求項47】
前記Wnt拮抗体が少なくとも2日のインビボ半減期を有する請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記Frizzledドメイン成分を前記Fcドメインに連結するリンカーを更に含む請求項44〜47の何れかに記載の使用。
【請求項49】
前記リンカーがESGGGGVT(配列番号69)、LESGGGGVT(配列番号70)、GRAQVT(配列番号71)、WRAQVT(配列番号72)、及びARGRAQVT(配列番号73)よりなる群から選択されるペプチドである請求項48に記載の使用。
【請求項50】
前記細胞増殖性障害が癌である請求項44〜49の何れかに記載の使用。
【請求項51】
前記癌が結腸癌、結腸直腸癌、乳癌、白血病、神経膠腫、及び髄芽細胞腫よりなる群から選択される請求項50に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3A−1】
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【図3A−2】
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【図3B】
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【図3B−1】
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【図3B−2】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図28E】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B1】
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【図32B2】
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【図32B3】
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【図32C】
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【公表番号】特表2010−504081(P2010−504081A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527577(P2009−527577)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/077845
【国際公開番号】WO2008/031009
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
【出願人】(509012625)ジェネンテック インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】