X線液面検査装置
【課題】 液容器の不合格原因の解明、検査のモニタリング、容器に液体を充填する複数のバルブのうちの特定のバルブの充填状態を分析し、液体容器製品の生産ラインの生産性、信頼性の向上を図る。
【解決手段】 X線照射装置から液体を充填した被検査容器にX線を照射し、透過したX線をX線検出器で検出する。この検出データから被検査容器の液面レベルが所定内にあるか否かを判定する。また、画像処理装置にて検出データを処理して被検査容器の液面画像を作成し、液面画像データを記憶装置に記憶する。被検査容器への液体の充填から液面レベルの検査に到るまでの製造情報(バルブ情報も含む)及び検査情報を入力装置(操作器)から入力し記憶しておき、画像処理装置で作成した被検査容器の液面画像と記憶してある製造情報及び検査に関する情報(検査結果も含む)とを対応付けて、被検査容器の液面画像と被検査容器の製造及び検査情報とを表示手段の同一画面に表示する。
【解決手段】 X線照射装置から液体を充填した被検査容器にX線を照射し、透過したX線をX線検出器で検出する。この検出データから被検査容器の液面レベルが所定内にあるか否かを判定する。また、画像処理装置にて検出データを処理して被検査容器の液面画像を作成し、液面画像データを記憶装置に記憶する。被検査容器への液体の充填から液面レベルの検査に到るまでの製造情報(バルブ情報も含む)及び検査情報を入力装置(操作器)から入力し記憶しておき、画像処理装置で作成した被検査容器の液面画像と記憶してある製造情報及び検査に関する情報(検査結果も含む)とを対応付けて、被検査容器の液面画像と被検査容器の製造及び検査情報とを表示手段の同一画面に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール、ジュース等の“液体”あるいは液状体(以下、単に“液体”という)が充填、密封された容器にX線を照射して該容器内の液面を検査するX線液面検査装置に関し、特に不合格となった容器の不合格原因の解明、検査のモニタリング、複数バルブを有する充填機の特定バルブの充填状態を分析し、これらの結果を用いて液体容器製品の生産ラインの生産性の向上を図るのに好適なX線液面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール、ジュース等の液体を缶、ビン等の容器に充填した製品の生産は、通常、フィラーバルブにより前記容器に液体を注入し、シーマにより蓋をして密閉し、これらの容器をコンベア上に流し、以降殺菌、ラベリング(容器表面へのラベルの貼付や印刷)を行い、X線液面検査装置で検査を行う。このX線液面検査装置では、容器内の液面レベルが許容範囲内に入っているかどうかを検査し、許容範囲内にあるもの(合格製品)は次の工程に移して梱包し、許容範囲以外のもの(不合格製品)は排斥装置で生産ラインから排斥される。
【0003】
このような生産ラインに用いるX線液面検査装置には、特許文献1に開示されているものがある。
上記特許文献1に開示されているX線液面検査装置は、被検査容器にX線を照射し、該容器を透過したX線をX線可視化パネルとCCDカメラからなる撮像手段で撮像し、画像処理装置で前記撮像手段からの撮像データを処理して前記被検査容器内の液面検出を行い、検出した液面レベルが基準範囲内にあるかどうか判定してその結果をディスプレイ装置に表示するものである。
【0004】
また、被検査容器に液体を充填したフィラーバルブ(以下、バルブと記す)の充填特性(以下、バルブ充填特性と記す)を前記ディスプレイにリアルタイムに表示する機能も備えている。
【0005】
このように構成されたX線液面検査装置は、液面検出が不安定になった場合にも、入味量(注入液量)が不良の容器を検出することができると共にバルブの充填特性を監視することもできる。
【特許文献1】特許第3420895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に開示された容器内液面検査装置は、液面レベルの結果とバルブ充填特性をリアルタイムに表示することができるが、入味ばらつきに関する情報はバルブに関するもののみであるために、以下の点で改良の余地が残されていた。
【0007】
(1)不合格の原因の追求に手間がかかる。
製造工程、検査工程を経て製品が完成するものであるが、上記従来技術のように液面レベルの結果とバルブ充填特性の情報だけでは、これらの工程のどの工程で容器への入味量(注入液量)に過多又は不足が生じて不合格になったのか、その不合格になった原因の追求に多くの時間を要するものであった。
すなわち、上記原因の追求は、人手によって製造工程、検査工程の各部分をチェックしなければならないので、これらのチェックに多くの時間を必要とし、生産性向上を阻害する要因の一つとなっていた。
【0008】
(2)時間経過に伴う入味量のばらつきの原因の追求に時間がかかる。
容器に液体を充填する充填機からの充填量のばらつきの要因の一つに、フィラーの液注入用バルブからの前記液注入量の時間経過に伴う変動がある。
また、前記液注入量の時間経過に伴う変動は、充填機の後段にある巻締め機(シーマ)の処理速度等の変動によっても発生する。
これらの要因によって、一般的に缶容器等は充填開始直後の入味量は少ない。生産ラインでは、充填機や巻締め機の特性に起因して発生する不合格のものは入味レベルを検査するX線液面検査装置に搬送される前に無条件でオフライン処理(強制排斥)しているが、これは人手によるものであるために該不合格品の排斥を見逃す場合がある。したがって、前記強制排斥が的確に行われない場合は後段の入味レベルを検査するX線液面検査装置で排斥されることになる。
【0009】
このような入味量の時間的要因によって生じる入味量のばらつきをそのままにしておくと、前記ばらつきは時間経過に伴って大きくなり、不合格品の増大を招き、生産性の低下を招くおそれがある。
このような上記変動による入味量のばらつきは、上記従来技術による液面レベルの結果とバルブ充填特性の情報だけでは追求できないおそれがある。
このため、上記(1)と同様、人手による原因追求を必要とし、多くの時間を要するものであった。
【0010】
(3)メンテナンスすべき液注入用バルブの特定に時間がかかる。
充填機には、複数の充填バルブがあるがバルブの状態により入味量の過不足が発生する。この入味量の過不足を生じたバルブを特定し、この特定したバルブからの液注入量の調整を適切に行うことによって不合格品数を低減し、生産性の向上を図ることができる。しかし、上記従来技術による液面レベルの結果とバルブ充填特性の情報だけでは追求できないおそれがある。
このため、人手によって複数の全バルブをチェックしなければならないので、その原因追求に多くの時間を要するものであった。
【0011】
本発明の目的は、被検査容器の入味量不合格数を低減して製品の生産性の向上を図るためのX線液面検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、以下の手段によって達成される。
(1) X線照射手段は液体を充填した被検査容器にX線を照射する。X線検出器は前記被検査容器を挟んで前記X線照射手段に対向して配置され前記被検査容器の透過X線を検出する。判定手段は前記X線検出器によって検出された検出データから前記被検査容器の液面レベルが所定内にあるか否かを判定する。表示手段は前記判定手段によって判定された結果を表示する。情報入力手段は前記被検査容器への液体の充填から前記液面レベルの検査に至るまでの製造(バルブ情報も含む)及び検査(検査結果も含む)に関する工程情報を(操作器)から入力する。表示制御手段は前記情報入力手段から入力された工程情報と前記判定手段によって判定された結果と、を対応付けて前記表示手段に表示制御する。
【0013】
前記製造工程情報及び検査工程情報は操作器から入力し、前記判定結果と製造及び検査情報との対応付けは、フィラーバルブで充填を開始した信号、一定の間隔で各容器に液体を充填する間隔信号(1ピッチ信号)、被検査容器が搬送装置で搬送されてX線液面検査装置の検査領域に入ったことを検出する位置検出信号及び装置全体を制御する制御装置のカウンタ信号を用いて行う。
【0014】
前記製造工程情報は、被検査容器に液体を充填したバルブを特定できる情報と液体が充填された被検査容器の製造来歴を含み、前記検査情報は検査条件も考慮した検査来歴を含む。
【0015】
このように、被検査容器のX線透視画像と製造情報及び検査情報とを表示手段の同一画面に表示するようにしたので、液面レベルと製造来歴、検査来歴との関係がわかるようになり、これによって種々の調査を効率良く行うことができる。
【0016】
(2)前記被検査容器に充填された液体の液面レベルが不合格となった被検査容器を選択する不合格選択モードと、周期的に液面レベルの検査を監視するサンプリング監視モードと、被検査容器に液体を充填するバルブを特定する特定バルブ選択モードと、前記各モードを選択する手段とを設け、選択されたモードに対応して被検査容器の液面画像と前記製造及び検査情報とを前記表示手段の同一画面に表示する。
【0017】
(3)前記不合格選択モードは、充填された液体の充填量不足と過多とを被検査容器に液体
を充填するバルブ毎に分類する手段を備え、前記分類した充填量不足、過多の中からバルブを特定し、このバルブから充填された被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示する。
これによって、不合格原因の追求に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0018】
(4)前記サンプリング監視モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過及び製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備え、前記作成した時間経過及び製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係から任意の時刻又は製造本数又は検査本数を指定し、この指定時刻製造本数又は検査本数における被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御する。
これによって、時間経過及び製造本数又は検査本数に伴う入味量のばらつきの原因を効率良く追求することができる。
【0019】
(5)前記特定バルブ選択モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過及び製造本数又は検査本数と前記特定したバルブから充填された被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備え、前記作成した時間経過及び製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係から任意の時刻及び検査本数又は検査本数を指定し、この指定された時刻及び製造本数又は検査本数におけるX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御する。
これによって、メンテナンスすべき液注入用バルブを容易に特定できる。
【0020】
(6)前記被検査容器の液面レベルのガイドラインと、該被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及びと下限ラインと、前記被検査容器のX線透視画像とを前記表示手段の同一画面に表示制御するようにしたので、液面レベルの識別が容易となる。
さらに、前記被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインとを可変可能にしたので、合格基準値及び合格ラインの異なる容器の液面レベルの検査にも容易に対応することができる。
【0021】
(7)前記被検査容器に付された連続番号とその被検査容器の検査時間に対応付けて保存する手段をさらに備え、前記表示制御手段は前記連続番号と検査時間の情報を前記被検査容器の画像と共に表示制御する。
これによって、装置で使用している部品に寿命が来たり、故障が発生したりした場合、液面検査が正常に行われなくなったとき、コンベア上での容器が密着して流れてきた場合や水滴など生産状況であっても不合格容器を見逃すことに対処できる。
【0022】
(8)前記X線検出器で検出する検出データの取り込み開始位置を検出するX線検出信号取込開始位置検出器と、前記液面レベルの液面判定開始位置を検出する液面判定開始位置検出器と、これらの位置検出器で検出される位置間に前記被検査容器の液面レベルの判定範囲を設定する液面判定範囲設定手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記液面判定範囲設定手段で設定された液面判定開始位置及びこの位置における液面レベル並びに液面判定終了位置及びこの位置における液面レベルと、前記判定手段で判定された結果とを前記液面画像の画面に表示制御する。
前記液面判定開始位置及びこの位置の液面レベルと前記液面判定終了位置及びこの位置の液面レベルとを前記液面画像の画面にバーグラフで表示する。
【0023】
また、前記判定手段で判定された前記合格基準ラインとの差を数値で前記液面画像の画面に表示し、前記数値の合格と不合格とを異なる色で表示する。
さらに、前記X線検出器で検出された最大値、すなわち前記X線検出信号取込開始位置検出器で検出される位置及びX線検出信号取込終了位置間における前記X線照射手段から照射されるX線を前記被検査容器で遮らない検出値を前記液面画像の画面に表示する。
この場合、前記X線検出器で検出された最大値の正常と異常とを異なる色で表示制御する。
【0024】
前記液面検査手段を含む生産ラインの異常を検出する異常検出手段をさらに備え、この異常検出手段で検出した異常発生を前記液面画像の画面にバーグラフで表示する。
【0025】
そして、被検査容器全数の上記液面画像及びその付帯情報を保存手段に保存する。
【0026】
このように、検査結果として最も重要である液面判定結果、液面判定範囲(バーグラフで表示)、液面位置、X線センサ出力値及びX線出力異常等の軽障害の有無を液面画像に表示するようにしたので、全被検査容器の検査の詳細を液面画像のみで確認することができ、トレーサビリティはさらに向上する。
また、上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するようにしたので、必要に応じて読み出し、閲覧することにより、液面判定に異常が
生じた場合等の原因究明が容易となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかるX線液面検査装置によれば以下の効果が得られる。
(1)被検査容器のX線透視画像と該検査容器の製造情報、検査情報及びバルブNoとを表示手段の同一画面に表示することとしたので、不合格原因の追求時間を大幅に低減でき、生産性の向上を図ることができる。
【0028】
(2)周期的に液面レベルの検査を監視することができるようにしたので、時間経過及び製造本数又は検査本数に伴う入味量のばらつきの原因追求の時間が大幅に低減し、さらに予防保全も可能となって生産性が向上する。
【0029】
(3)メンテナンスすべき液注入用バルブを特定して、このバルブからの時間経過及び製造本数又は検査本数も含めた充填特性を解析できるようにしたので、前記バルブの予防保全が可能となり生産性の向上に寄与する。
【0030】
(4)前記被検査容器の液面レベルのガイドラインと、該被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインと、前記被検査容器のX線透視画像とを前記表示手段の同一画面に表示制御するようにしたので、液面レベルの識別が容易となり、上記の原因追求及び解析を効率良く行うことができる。なお、前記被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインとを可変可能にしたので、合格基準値及び合格ラインの異なる容器の液面レベルの検査にも容易に対応することができるので、本発明のX線液面検査装置の適用範囲の拡大にも貢献するという効果も得られる。
【0031】
(5)液面検査が正常に行われたか否かを確認できるように被検査容器の全てのデータと所定時間又は所定のエンコーダ回転数と共に所定時間又は所定のエンコーダ回転数毎に記憶することで、不合格容器が合格容器のコンベアに流れた原因が、位置検出不良なのか、コンベア速度の変動なのかなど原因を解析することが可能となる。
前記所定時間又は所定のエンコーダ回転数は、容器の位置検出タイミング、容器の位置検出の遮光時間、容器の位置検出時のエンコーダ回転数、液面判定タイミング、生産ラインセンサの容器検出タイミング、生産ラインセンサの遮光時間、生産ラインセンサにて容器を検出した時のエンコーダの回転数、排斥器駆動信号出力タイミング、排斥器駆動信号発生時のエンコーダの回転数、排斥口排斥確認センサの容器検出タイミング、排斥口排斥確認センサの容器遮光時間である。
また、記憶の手順の例は一時的にバッファ等に保存し、ある値となると、メモリカードまたはハードディスクなど大容量のメモリに保存する。
【0032】
(6) 検査結果として最も重要である液面判定結果、液面判定範囲、液面位置、X線センサ出力値及びX線出力異常等の軽障害の有無を液面画像に表示するようにしたので、全被検査容器の検査の詳細を液面画像のみで確認することができ、トレーサビリティはさらに向上する。
また、上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するようにしたので、必要に応じて読み出し、閲覧することにより、液面判定に異常が生じた場合等の原因究明が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
〔1〕本発明のX線液面検査装置の構成
図1は本発明によるX線液面検査装置を用いた液容器製品の生産ラインの一例を示す構成図で、缶容器を被検査容器とした例である。
図1において、缶搬送装置1によって送られてくる空の缶容器2にフィラー(充填機)3のフィラーバルブ4から液体を注入する。
前記フィラーバルブ4は複数のバルブを備えており、缶搬送装置1で搬送される各缶容器に前記複数のバルブから連続的に液体を注入する。
フィラー3で液注入されて送られてくる缶容器5にシーマ(巻締め機)6により缶蓋7を巻締めする。このシーマ6は複数のヘッド(図示せず)を備えており、各缶容器を連続的に巻締め密閉する。液注入を終えて缶搬送装置1で送られてくる被検査容器9の液面レベル(缶容器注入液量)をX線液面検査装置8で検査し、合格した缶容器10は梱包され、不合格の缶容器11は排斥ラインに搬送されて排斥される。
【0034】
図2に本発明のX線液面検査装置8の概略構成図を示す。
図2において、缶搬送装置1で搬送された被検査容器9である缶容器が検査領域に搬入されたことを投光器12と受光器13とからなる容器位置検出装置14で検出し、この検出信号を制御装置15に送る。この制御装置15は、前記容器位置検出信号及び操作器16から入力した操作信号に基づいてX線照射装置17から被検査容器9にX線束18を有するX線を照射し、被検査容器9を透過したX線量をX線検出器19で検出する。前記X線検出器19からは該X線検出器に入射されたX線を電気信号に変換し、これを増幅した電気信号が画像処理装置20に取り込まれる。前記X線検出器19には、X線ラインセンサや可視化パネル(イメージインテンシファイア)等があるが、ここでは装置の小型化に有利であるX線ラインセンサを用いることにする。
【0035】
このX線ラインセンサは、図示は省略したが、シンチレータとフォトダイオードからなるX線検出素子を複数個、被検査容器9の搬送方向に対して垂直方向に直線状に並べて配置され、複数チャンネルのX線透過信号が得られるように構成されている。
なお、前記操作器16は、操作指令のほかに後述する製品の種類や製造工程における各種情報、液面レベルの検査時に設定する合格、不合格の範囲や検査日などの検査に関する各種情報を入力するためのもので、例えばキーボード(図示省略)が用いられる。このキーボードから入力された操作信号、製造、検査に関する各種情報は制御装置15に記憶しておく。
【0036】
前記画像処理装置20は、図3に示すように、X線検出器19から出力されたX線検出信号(アナログ値)をA/D変換器20aでデジタル値に変換し、これを補正演算器20bで各種の補正演算処理を行って画像濃淡データを生成する。この画像濃淡データは、画像メモリ20cに記憶されると共に図2の記憶装置21にも記憶される。そして、前記画像メモリ20cに記憶された画像濃淡データはD/A変換器20dでアナログ値に変換され、X線透視画像としてフレームメ
モリ20eに記憶され、該X線透視画像は図2のテレビモニタ23に表示される。また、記憶装置21に記憶された画像濃淡データも適宜これを読み出してD/A変換処理を行ってX線透視画像をテレビモニタ23に表示される。
【0037】
前記X線透視画像は以下のようにして作成される。図2のX線検出器19は、前述したようにシンチレータとフォトダイオードからなるX線検出素子を複数個、被検査容器9の搬送方向に対して垂直方向に直線状に並べて配置され、複数のNチャンネルのX線透過信号が得られるように構成されている。このようにNチャンネルのフォトダイオードを線状に並べているので、容器搬送装置1にて被検査容器9を移動させることで、該被検査容器9のX線減弱分布が得られる。これらのNチャンネル分のX線強弱分布を記憶装置21に記憶し、Nチャンネル分の線データをテレビ信号に変換し、順次表示していくことで、被検査容器9の移動により、Nチャンネル分の線データは面データに展開され、1枚のX線透視画像が得られる。
【0038】
前記記憶装置21は、X線透視画像を複数枚記憶できる記憶容量を有している。あらかじめ検査基準となる容器高さや入味合格の上下限高さが分かっていれば、その高さに相当するX,Y,Zチャンネルのデータ出力を変更する等の処理を加えること、またはTV信号を作成する際、X線透視画像にX’,Y’,Z’の水平走査線の表示色を変えることでX線透視画像に入味量(液面)のガイドラインを付加することができる。
【0039】
上記構成の画像処理装置20で生成し記憶装置21に記憶された画像濃淡データは、液面レベル判定時に前記記憶装置21から判定装置22に送られる。判定装置22は、プログラマブル・コントローラを備えており、作業者が操作器16から入力し、制御装置15に取り込まれた被検査容器9の液面レベルの合格範囲と前記記憶装置21からの画像濃淡データから得られた被検査容器9で検出した液面レベルとを比較し、合格、不合格の判定を行う。これらの合格、不合格の判定にはいろいろな方法があるが、本実施例のX線ラインセンサを用いた場合は、特開2002-236048号公報に開示されている方法などを用いればよく、この判定方法に関しては本発明の目的ではないので、ここではその詳細は省略する。
【0040】
前記判定装置22で判定した結果と、前記操作器16から入力し制御装置15に記憶してある被検査容器の製造情報、検査情報、後述のフィラーバルブの情報とを前記X線透視画像と対応させてテレビモニタ23の同一画面に表示する。
【0041】
前記検査結果及び各種情報とX線透視画像との対応付けは次のようにして行う。
図2の制御装置15は、図4に示すように、生産ラインのフィラー、シーマ機構A及び判定装置22によって判定された液面検査結果信号s4と該制御装置15に記憶してある製造検査及び検査情報も含めて、これらの信号を入力する信号を受けるI/O回路15a、このI/O回路15aからの信号により各種の制御処理を行うプログラマブル・コントローラ15b、このプログラマブル・コントローラ15bへの指示を行い、あるいはプログラマブル・コントローラ15bの制御結果等の表示を行うテレビモニタ23(タッチスイッチ付きモニタで詳細は後述する)及び排斥器(図示省略)の駆動信号出力用のI/O回路15cを備えている。
【0042】
この制御装置15は、被検査容器9とバルブNo、製造情報及び検査情報とを対応付ける手段を備えている。前記被検査容器とバルブNo、製造情報及び検査情報との対応付けは、液注入を終えて缶搬送装置1で送られてくる缶容器を各々その液注入バルブのNoに対応させると共に制御装置15のプログラマブル・コントローラ15aに記憶してある前記缶の製造情報、検査情報とに基づいて行うものである。
【0043】
図4において、s1はフィラーバルブNo.1信号で、フィラー1のNo.1のバルブにより液注入された缶容器がフィラー、シーマ機構AからX線液面検査装置のコンベア(図1の缶搬送装置1の一部をなす)に移送された時にフィラー、シーマ機構から出力される。
S2は1ピッチ信号で、缶容器がフィラー、シーマ機構Aから前記コンベアに移送された時にフィラー、シーマ機構Aから出力され、このピッチ信号と、前記s1信号と、被検査缶容器9が検査領域に入ったことを検出する位置検出器14で検出した位置信号s3と、プログラマブル・コントローラ15bに備えているカウンタ(図示省略)の信号とにより、前記缶容器はフィラーバルブNo.1に対応付けられる。
【0044】
その後、缶容器が前記コンベアに移送される都度、フィラー、シーマ機構Aから1ピッチ信号s2が出力され、制御装置15は、前記フィラーバルブNo.1の対応付けと同様に以降の缶容器に対してフィラーバルブNo.2、フィラーバルブNo.3、‥‥‥フィラーバルブNo.mと対応付けが行われる。
フィラーバルブNo.mの対応付けが行われると、次に移送される缶容器には新たにフィラーバルブNo.1の対応付けが行われ、以下同様に繰り返される。以上のようにして、各缶容器にフィラーバルブNoが対応付けられるが、各缶容器は、缶搬送装置1のコンベア上の移送中、1ビッチ信号s2、容器位置検出器14からの位置信号s3、プログラマブル・コントローラのカンウンタからの信号によりその位置が把握、管理されている。
【0045】
そして、判定装置22によって判定された液面検査結果信号s4と操作器16から入力して記憶されている製造情報、検査情報s5も含めて前記液注入バルブNoとの対応をプログラマブル・コントローラ15bでとり、記憶装置21に記憶した画像データをX線透視画像に変換して、この画像と、対応するバルブNo、製造情報、検査情報、検査結果とをテレビモニタ23の画面に表示する。
【0046】
以上のように構成された本発明のX線液面検査装置は、缶容器内の液面レベルが合格範囲外の入味不合格となった原因を追求するための機能と(入味不合格製品のトレーサビリティ)、生産ラインの状態を把握するために所定の時間毎に缶の検査状況を監視する機能(サンプリングトレーサビリティ)と、そして、特定のバルブを指定してこのバルブからの液注入状態を把握する機能(特定バルブのトレーサビリティ)とを備えており、これらは図2の操作器16やソフトスイッチを備えたテレビモニタ23で選択できるように構成されている。
【0047】
X線透視画像と関連付けてテレビモニタ23に以下の情報を表示して、迅速に各トレーサビリティに対応できるようにした。
(a)製造情報
生産日時、生産工場、使用した原料、製造方法、製造して何本目の製品かなどの情報で、これにより製造来歴がわかる。
(b)検査情報
検査日時、設定した入味レベル合格範囲及び入味基準レベルなどの検査基準値、入味レベル判定結果、何本目の不合格製品か等の情報で、これにより検査来歴がわかる。
(c)バルブ情報
容器に液体を充填したバルブNo、過去のバルブメンテナンス歴、過去のバルブ充填量の推移データ等の情報で、これによりバルブの品質の程度を把握することができる。
【0048】
〔2〕本発明のX線液面検査装置の動作
上記(a)、(b)、(c)の情報をX線透視画像と一緒に表示して各トレーサビリティを行う処理のフローチャートを図5に示す。
【0049】
以下、図5のフローチャートに従って順次説明する。
先ず、X線液面検査装置8の電源を投入して、操作器16のキーボードから製造情報、検査情報(検査条件を含む)を入力し、これを制御装置15に記憶する。(ステップ302)
これらの情報を記憶した後に、X線の予備曝射、各装置のI/Oチェック等の自己診断を行い、装置に異常がないかどうかを確認すると共に被検査容器の搬送速度、X線検出タイミング等を設定する。(ステップ303)
ソフトスイッチを備えたテレビモニタ23には後述の運転モニタ画面が表示され、この画面上のレベルチェッカ運転スイッチ(この運転スイッチは操作器16に設けても良い)を押すと入味検査が開始され、図2の被検査容器9が容器搬送装置にて搬送される。
投光器12と受光器13とからなる容器位置検出装置14が被検査容器9を検出すると、X線照射装置17より被検査容器9にX線が照射され、該容器9を透過したX線はX線検出器19で検出され、画像処理装置20、記憶装置21を経由して判定装置22で入味量の判定が行われる。
【0050】
判定装置22では、検出したX線強度から被検査容器の液面レベルを求め、この液面レベルと判定基準とを比較することで、各容器の充填量を適正,過多,過小に分類する(ステップ304)。
操作器16には、入味不合格選択、周期的サンプリング選択、特定バルブ選択の各モードを選択できるトレーサビリティモードの選択スイッチを備えており、作業者は前記選択スイッチによりトレーサビリティモードを選択する(ステップ305)。
また、前記トレーサビリティモードの選択スイッチはソフトスイッチを有するテレビモニタ23に設けても良い。
さらにまた、入味不合格選択、周期的サンプリング選択、特定バルブ選択の各モードは3である必要はなく、このうちの少なくとも2つ以上のモードから選択できるようになっていてもよい。
【0051】
(1)入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合
作業者が入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合は、ステップ306以降の手順に従い、不合格製品のトレーサビリティを行う。
【0052】
被検査容器とバルブNoとの対応付け手段により被検査容器とバルブNoとの対応はステップ304でとられており、これに対応する製造来歴の保存(ステップ309)、検査来歴の保存(ステップ310)、バルブ情報の保存(ステップ311)、X線透視画像の保存(ステップ312)を実行する。
前記製造来歴、検査来歴、バルブ情報とX線透視画像とを対応付けて、これを記憶装置21に保存する。
【0053】
保存されたX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は、適宜読み出して(ステップ313)、図2のテレビモニタ23に表示する(ステップ315)。
【0054】
前記各情報の表示例を図6,図7に示す。図6は運転モニタ画面で、レベルチェッカ運転、液面確認、画像表示等の種々のスイッチがあり、レベルチェッカ運転スイッチにより入味検査が開始される。そして、画像表示スイッチを押すことにより、図7に示すようなサブウインドウが開き、X線透視画像、検査条件であるX線ラインセンサの上下ガイドライン、基準ガイドラインや容器の種類、データ保存期間、保存時のカウンタ、液面レベル判定結果、合格範囲、バルブNo、検査総数、不良数等が表示される。
【0055】
サブウインドウのほぼ中央部には、記憶装置21に記録されたデータの読み出しスイッチがある。この読み出しスイッチには、現在表示している缶の検査結果(最新)、この缶より一つ前の缶の検査結果(2容器前)、二つ前の缶の検査結果(3容器前)、三つ前の缶の検査結果(4容器前)、四つ前の缶の検査結果(5容器前)、五つ前の缶の検査結果(6容器前)、六つ前の缶の検査結果(7容器前)を読み出して表示することができ、これにより現在の缶から7容器前の缶のうちの任意の缶の検査結果を表示して、不合格缶のトレーサビリティを行う。
また、サブウインドウの右上に前記した入味の基準高さ、上下限高さのガイドライン表示に関する設定スイッチがあり、ガイドライン表示のON/OFFやラインの上下動が可能であり(ステップ319)、液面とガイドラインは重なった場合でも入味レベルが確認できる。さらにサブウインドウの右下には、各種メモリへの保存用スイッチが設けられており、各種データを外部メモリなどに送信することができる。各情報については、単独または複数情報の組み合わせでもよい。
【0056】
このように、入味検査中、入味判定不合格または、意図的に各種データを保存するような操作を行って、製造、検査、バルブの各情報データとX線透視画像を対応させて保存し、適宜読み出して前記データ及び画像をモニタに表示し、これを用いて不合格製品の不合格原因を追求することによりトレーサビリティの向上を図ることができる。
【0057】
また、不合格と判定した容器の入味を充填したバルブナンバー/過去のバルブメンテナンス歴/過去のバルブ充填量の推移データなどをX線透視画像と同時に記憶し、入味不足/過多判定のデータを集計し(ステップ316)、例えば図8に示すように、充填量不足、過多の順にランク分けして表示することにより(ステップ319)、メンテナンスすべきバルブやもうすぐメンテナンスした方がよいバルブ等の不良予防処置を講じることができる。
さらに、例えば、図8で入味過多不合格のバルブNo.28をマウスなどのポインティングデバイスでクリックすると、このバルブに対応したX線透視画像と製造情報、検査情報などが図9に示すように表示され、これらの画像とデータを利用してNo.28のバルブのメンテナンスを的確に行うことができる。
【0058】
制御装置15はNet10やRS―232C等規格で出力しているので、上記の結果を外部の装置、例えばプリンタや生産システム全体を管理している装置に送信する(ステップ314,ステップ320)。
不合格になった缶は排斥ラインに流されて排斥される(ステップ317)。
以上の例には、製造情報として容器の種類、製造日時(データ保存時間)、製造して何本目の製品かを示す製造No(保存時のカウンタ)を表示したが、これらの情報以外に、生産工場、使用した原料などの製造に関わる情報は適宜表示することができる。このことは検査情報についても同様である。
【0059】
以上のように、入味不合格発生時、製造来歴データ、検査来歴データ、充填機のバルブデータ、X線透視画像を同時に保存し、適宜読み出して表示することによって、生産ラインから排斥された不合格容器または、任意の場所に停止している入味不合格となった容器のトレーサビリティを効率良く行うことができる。
また、上記の検査来歴データを解析することで、各充填バルブの入味量の過不足を集計し、優秀バルブと不良バルブ、そろそろメンテナンスが必要なバルブNoを選出し、ベスト充填バルブ順位、ワースト充填バルブ順位、もうすぐワースト順位に入りそうなメンテナンスを必要とするバルブ順位などのランク分けができ、これらを生産ラインに的確にフィードバックすることにより、不合格容器数の低減に寄与し、生産性の向上を図ることができる。
【0060】
(2)周期的サンプリングモードを選択した場合
作業者が周期的サンプリング選択モードを選択した場合はステップ307の手順に従い、周期的に入味検査の状態を監視して生産ラインのトレーサビティを行う。
【0061】
被検査容器とバルブNoとの対応付け手段により、被検査容器とバルブNoとの対応はステップ304でとられており、これを用いて一定時間毎に製造来歴の保存(ステップ321)、検査来歴の保存(ステップ322)、バルブ情報の保存(ステップ323)、X線透視画像の保存(ステップ324)を実行する。
これらの製造来歴、検査来歴、バルブ情報、X線透視画像は記憶装置19に記憶する。
【0062】
保存されたX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は、適宜読み出して(ステップ325)、図10に示すように、横軸の時間と縦軸の液面レベルとの関係を作成し(ステップ326)、これをテレビモニタ23に表示する(ステップ328)ことにより、入味充填量の時間経過のモニタリングが可能となる。また、上記時間に代えて製造本数又は検査本数とすれば、入味充填量の製造本数経過又は検査本数経過のモニタリングが可能となる。
【0063】
上記図10のグラフの任意の時間に対応するX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は記憶装置21に記憶されているので、前記グラフ上の任意の時刻における入味レベルをタッチすることにより、これに対応したX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報等が図11に示すようにサブウインドウに表示される。
前記、図11のサブウインドウの右下には、各種メモリへの保存スイッチが設けられており、各種データを外部メモリなどに送信することができる(ステップ329)。なお、上記各情報については、単独又は複数の情報を組み合わせて表示することも可能である。
【0064】
このように、容器に液体を充填する充填機の入味具合を時系列に監視することで、従来のようにX線液面検査装置で充填した容器の入味レベルを検査するだけでなく、充填機の入味ばらつきに対するトレーサビリティを時系列で行うことができる。したがって、充填機における入味量のばらつきを起こす時間的要因の調査を効率良く行うことができる。
【0065】
制御装置15はNet10やRS―232C等規格で出力しているので、上記の結果を外部の装置、例えばプリンタや生産システム全体を管理している装置に送信することもできる(ステップ329)。
上記モニタリング中に不合格となった缶は排斥ラインに流されて排斥される(ステップ330)。
【0066】
上記の例においても、入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合と同様、製造情報として容器の種類、製造日時(データ保存時間)、製造して何本目の製品かを示す製造No(保存時のカウンタ)を表示したが、これらの情報以外に、生産工場、使用した原料などの製造に関わる情報は適宜表示することができる。このことは検査情報についても同様である。なお、この周期的サンプリングモードにおいても、図6の運転モニタ画面が表示され、この表示された各種のスイッチの操作により、X線透視画像、検査条件であるX線ラインセンサの上下センサーライン、基準センサーラインや容器の種類、データ保存期間、保存時のカウンタ、液面レベル判定結果、合格範囲、バルブNo、検査総数、不良数等の表示、現在検査中の容器から六つ前の容器の検査結果が選択、表示できるように構成されている。
【0067】
このように、周期的サンプリング中、入味状態を監視し、意図的に各種データを保存するような操作を行って、製造、検査、バルブの各情報データとX線透視画像とを対応させて保存し、適宜読み出して前記データ及び画像をモニタに表示し、これにより入味充填量のトレーサビリティが可能になる。
【0068】
(3)特定バルブ選択モードを選択した場合
作業者が特定バルブ選択モードを選択した場合はステップ308の手順に従い、特定バルブで充填された缶の入味のトレーサビティを行う。
選択された特定バルブの製造来歴の保存処理(ステップ331)、検査来歴の保存処理(ステップ332)、X線透視画像の保存処理(ステップ333)を行う。
保存されたX線透視画像/製造来歴/検査来歴/特定バルブ情報を読み出して(ステップ334)、図12に示すように、横軸の時間と縦軸の液面レベルとの関係を作成し(ステップ335)、これをテレビモニタ23に表示する(ステップ336)ことにより、特定バルブの入味充填量のモニタリングが可能となる。
【0069】
図12のグラフの任意の時間に対応するX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は記憶装置21に記憶されているので、前記グラフ上の任意の時刻における入味レベルをタッチすることにより、該タッチした時刻におけるX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報等が図13に示すようにサブウインドウに表示される。
図13のサブウインドウの右下には、各種メモリへの保存スイッチが設けられており、各種データを外部メモリなどに送信することができる(ステップ337)。なお、上記各情報については、単独又は複数の情報を組み合わせて表示することも可能である。
このように、特定バルブからの充填量がどのように変化していくかを追跡することにより、特定バルブにおける入味量のばらつきを起こす時間的要因の調査を効率良く行うことができる。
【0070】
制御装置15はNet10やRS―232C等規格で出力しているので、上記の結果を外部の装置、例えばプリンタや生産システム全体を管理している装置に送信することもできる(ステップ337)。
上記モニタリング中に不合格となった缶は排斥ラインにながされて排斥される(ステップ338)。
【0071】
上記の例においても、入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合と同様、製造情報として容器の種類、製造日時(データ保存時間)、製造して何本目の製品かを示す製造No(保存時のカウンタ)を表示したが、これらの情報以外に、生産工場、使用した原料などの製造に関わる情報は適宜表示することができる。このことは検査情報についても同様である。なお、この特定バルブの選択モードにおいても、図6の運転モニタ画面が表示され、この表示された各種のスイッチの操作により、X線透視画像、検査条件であるX線ラインセンサの上下ガイドライン、基準ガイドラインや容器の種類、データ保存期間、保存時のカウンタ、液面レベル判定結果、合格範囲、バルブNo、検査総数、不良数等の表示、現在検査中の容器から六つ前の容器の検査結果が選択、表示できるように構成されている。
【0072】
また、特定バルブの選択にあたっては、図8の不良発生バルブ(ワースト10)や過去のメンテナンスデータ等を併用することにより、より効果のある充填量の把握が可能となる。このように、バルブを特定して、製造、検査、特定バルブの各情報データとX線透視画像とを対応させて保存し、これらを読み出して前記データ及び画像をモニタに表示することにより、特定バルブの入味充填量のトレーサビリティを行うことができる。
【0073】
以上、液体を充填する容器に缶容器を用いた例について説明したが、本発明のX線液面検査装置は缶容器に限定するものではなく、ビン、ペットボトル、紙などの缶容器以外の容器の液面レベルの検査にも適用して有効であることはもちろんである。
【0074】
次に、更に別の好ましい実施形態について図14以降の図面を用いて説明する。
まず、液面検査装置の運転時の動作について図14を用いて説明する。
被検査容器9は容器搬送装置(コンベア)1により液面検査装置(レベルチェッカ)の測定部送られてくるものとする。被検査容器9がレベルチェッカ本体手前に来ると発光器と受光器によって検出され、X線照射装置17がX線を照射開始する。被検査容器がレベルチェッカの液面検査位置に流れてくると、X線検出器19が被検査容器を検出する。図14で位置検出信号がOFF状態からON状態となったタイミングを位置検出器のシリアルナンバーとして記録する。シリアルナンバーの付け方の例は、例日、時、分、秒とする。この付け方では1秒以内に約50本流れるコンベアラインもあるため1,000分の1秒の単位で記録する。記録したシリアルナンバーはバッファ等のメモリに一時的に記憶し、そのバッファーメモリがオーバーフローする前に、メモリカードまたはハードディスクなどよりメモリ容量の大きい物に転送し記録する。
【0075】
被検査容器9は判定装置22により液面判定が行われる。被検査容器9はその液面判定が終了すると液面判定完了信号を出力する。バッファはこの時の液面判定完了のタイミングとしてシリアルナンバーと、被検査容器の遮光時間(被検査容器によって投光器12からの光が遮られる)が記録される。
【0076】
記録された遮光時間は、被検査容器同士の密着状態などが原因のチャタリング(X線検出器が、X線の検出と被検査容器の検出切り替わった直後にばたついて,信号がON/OFFを繰り返す現象)の発生の有無を解析するデータを収得したことになる。
【0077】
次に、液面検査装置の排斥時の動作について図15を用いて説明する。
被検査容器の液面検査結果が予め設定された合格判定条件と比較され、液面の合否を判定する。不合格の場合、排斥器を駆動して被検査容器を排斥させる。この時、排斥駆動タイミングとしてシリアルナンバーを一時的にバッファ等に記録する。観察者が後で解析するとき、実際に排斥器を駆動したタイミングが適切か否か確認できる。
不合格容器を排斥すると排斥口排斥確認センサ(図示省略)にて容器を検出し、その排斥口排斥確認センサの出力信号がOFF状態からON状態となる。この時、排斥口排斥確認センサにて容器を検出したタイミングとしてシリアルナンバーを一時的にバッファ等に記録する。
また、容器の上記遮光時間もs1,s2,s3,s4として一時的にバッファ等に記録する。遮光時間は排斥した容器のためチャタリングの発生や2,3本重なって排斥することがあり1つの容器を検出するための遮光時間と比べて短かったり、長すぎたりすることがあるが、その被検査容器のシリアルナンバーを解析することで、排斥された被検査容器が正常に排斥できたか解析できる。
【0078】
液面判定結果が合格の場合、生産ライン排斥確認センサにて容器を検出し、出力信号がOFFからONとなる。この時排斥口排斥確認センサにて容器を検出したタイミングとしてシリアルナンバーを一時的にバッファ等に記録し、容器の遮光時間も一時的にバッファ等に記録する。観察者は記録されたデータにより解析することで合格と判定した容器が正常に生産ラインに流れたことを確認することが可能となる。
また、コンベアの速度の変化率は、コンベアの回転軸に取り付けエンコーダにより一定時間内のコンベア軸の回転速度を一時的にバッファに記録する。
【0079】
以上記録したデータを解析する場合の例は、図16,図17に示される。図16は正常動作の例で、図17はチャタリングが起きた例である。コンベア速度が一定の場合、記録した各タイミングは図16のようにコンベア速度に対応した傾きの2次直線上に並ぶことになる。位置検出器、排斥口排斥確認センサ、生産ライン排斥確認センサの出力信号にチャタリング(水しぶき、光の乱反射等の影響による)が発生した場合、図17のようにグラフにて記録データを解析することで、チャタリングの影響で液面判定が行えず、不合格容器が生産ラインへ流れたのか検証できる。
【0080】
図18は、液面判定結果とシリアルナンバーの関係をグラフにした場合のデータ解析例を示す。正常に液面判定を行うと、液面判定時のシリアルナンバーとセットで液面判定結果を記録できる。
図19はチャタリング等の影響で液面判定結果が記録できない例を示す。
液面判定ができなかった場合、液面判定時のシリアルナンバーに対する液面判定結果が記録できない。
液面判定結果とシリアルナンバーの関係のグラフを作成することで、チャタリングの影響で液面判定ができたか否か確認することができる。
【0081】
図20は位置検出時間とシリアルナンバーの解析例を示す。コンベア速度が一定の場合容器の位置検出時間がほぼ一定となるため、同じ遮光時間となるが、チャタリングが発生した場合遮光時間が、図21のように、ばらつくようになる。図21に示されるグラフより、チャタリングの発生の有無を確認できる。排斥口排斥確認センサ、生産ラインセンサの遮光時間とシリアルナンバーの関係も同様にグラフにまとめることでチャタリングの有無を確認できる。
【0082】
図22はエンコーダの回転数とシリアルナンバーの解析例を示す。コンベア速度が一定の場合、一定間隔(この場合30msの例)の回転数は一定となるが、コンベア速度が何らかの原因で変動した場合、液面判定や排斥タイミングがその変動により影響される。そのため、制御装置は位置検出タイミング時のエンコーダの回転数と排斥器駆動時のエンコーダの回転数をデータとして記憶装置21に記録することで、不合格容器が流れた原因がコンベア速度で有るのか否か検証することができる。図23は、コンベア速度が減速しエンコーダの回転数が約半分になった場合を示す。この例により、不合格容器が流れた原因がコンベア速度で有るのか否か検証することができる。
【0083】
次に、別実施形態のプログラムでの動作例を図24のフローチャートで説明する。
(ステップ2401)
制御装置は、被検査容器を位置検出器に検出させる。
(ステップ2402)
制御装置は、位置検出時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(I)、シリアルナンバーに対する遮光時間を収得し(II)、シリアルナンバーに対するコンベアのエンコー
ダの回転数を収得する。(III)
(ステップ2403)
制御装置は、I〜IIIで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
(ステップ2404)
制御装置は、コンベアで移動された被検査容器に対しX線をX線照射装置により照射させ、X線検出器に被検査容器の液面検査を行わせる。制御装置は、その操作が終わったなら、液面判定完了信号を出力する。
(ステップ2405)
制御装置は、液面判定完了時の被検査容器のシリアルナンバーを収得する。(IV)
(ステップ2406)
制御装置は、IVで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
【0084】
(ステップ2407)
判定装置は、被検査容器が合格であったか、不合格であったかを判定する。
制御装置は、判定の結果が合格であればステップ2408へ進み、不合格であればステップ2411へ進む。
【0085】
(ステップ2408)
制御装置は、被検査容器を生産ラインの位置検出器に検出させる。
(ステップ2409)
制御装置は、生産ラインに流れている時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(V)、シリアルナンバーに対する遮光時間を収得し(VI)、シリアルナンバーに対するコンベアのエンコーダの回転数を収得する。(VII)
(ステップ2410)
制御装置は、V〜VIIで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
【0086】
(ステップ2411)
制御装置は、被検査容器を排斥ラインの位置検出器に検出させる、排斥器を駆動するための駆動信号を出力する。
(ステップ2412)
制御装置は、排斥ラインに流れている時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(VIII)、シリアルナンバーに対するコンベアのエンコーダの回転数を収得する。(IX)
(ステップ2413)
制御装置は、VIII,IXで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
(ステップ2414)
制御装置は、被検査容器が排斥口まで来たことを、排斥口に設けられた位置センサにより認識し、不合格の被検査容器が排斥器によって排斥されたことを確認する信号を出力する。
(ステップ2415)
制御装置は、排斥が確認された時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(X)、シリアルナンバーに対する遮光時間を収得する。(XI)
(ステップ2416)
制御装置は、X,XIで収得されたデータを一時的にバッファへ記録し、ステップ2417に進む。
【0087】
(ステップ2417)
判定装置は、バッファの記憶の容量がオーバーしそうか否かを判定する。
制御装置は、判定の結果、オーバーしそうであればステップ2418へ進み、オーバーしそうでなければステップ2401へ進む。
(ステップ2418)
制御装置は、バッファのデータをメモリカード又はハードディスク等に転送し、ステップ2401へ進む。
【0088】
以上により、制御装置に組み込まれたコンピュータにより実現することができる。
なお、バッファは、2チャンネル設けて、記録のタイミングと転送のタイミングを調停するように作用させれば、不際限に流れる被検査容器の検査に対応することができる。
【0089】
本実施形態によれば、液面検査が正常に行われたか否か確認できる検査全容器のデータを保存することで、後で検査時の状況を把握、解析できる。
また、液面検査が正常でなかった原因を解析できるため、次回稼動時の対策も可能であり、装置の信頼性を向上できる。
【0090】
以上に説明した実施形態において、前記被検査容器のX線透視画像と共に被検査容器の液面レベルのガイドライン、液面レベルの合格基準ライン、液面レベルの合格範囲の上限ラインと下限ライン、及びX線センサ(X線検出器19)の出力等を前記表示手段としてのテレビモニタ23の同一画面に表示制御するようにして、液面レベルを識別できるようにした。
【0091】
さらに本発明においては、液面画像(X線透視画像)を観察するのみで、被検査容器の検査の詳細が一目瞭然となるようにするために、上記の液面レベルの合格基準ライン、液面レベルの合格範囲の上限ラインと下限ラインに加えて、液面判定範囲、液面判定値、X線センサ出力値及び軽傷害発生の異常も前記液面画像の画面上に表示するものである。
このような、さらに好ましい別の実施形態について図25以降の図面を用いて説明する。
【0092】
図25は、被検査容器9と図2に示したX線液面検査装置8との位置関係を示す上面図である。
この図25は、図2のX線検査装置8に、新たに、X線検出器19で検出する信号の取り込みを開始するX線検出信号取込開始位置検出器24と、X線検出器19で検出する信号の取り込みを終了する液面判定開始位置検出器25とを設けものである。
【0093】
図26は、前記X線液面検査装置8を被検査容器9の搬送方向と直交する方向から見た図で、この図より、前記X線検出器19の各検出素子の配列と他の構成要素との関係が分る。
【0094】
既に説明したように、前記X線検出器19には、X線ラインセンサを用い、このX線ラインセンサは、シンチレータとフォトダイオードからなるX線検出素子を複数個、被検査容器9の搬送方向に対して垂直方向に直線状に並べて配置され、複数チャンネルのX線透過信号が得られるように構成されている。
前記X線ラインセンサ19(X線検出器)は、図26に示すように、幅Wが例えば1mm以下、高さhがそれ以下の小寸法のセンサ素子19aが多数個、ライン上に密着、配列されてなるX線センサで、前記したように、このX線ラインセンサ19は、センサ素子19aの配列方向が液面方向(水平方向)に対して垂直になる向き、すなわち鉛直方向に向けて配置される。
【0095】
ここで、本発明による別の実施形態の動作を説明する前に、X線センサ出力についてさらに詳細に説明し、本実施形態で新たに追加した液面判定範囲、液面判定結果、及び軽傷害等について説明する。
【0096】
(1)液面判定範囲及び液面高さについて
飲料容器のほとんどは円筒形、もしくはそれに近い形状をしているので、X線が透過する液量は容器の中心部で最も多く、この中心部から容器端にかけて漸次減少する。
このため、液面レベルが同じであるにもかかわらず、X線減弱信号は取り込んだ容器の位置で変わってしまう可能性があるので、X線透過距離に影響されない一様なX線減弱信号を得るために判定範囲を設定するものである。
【0097】
図27に具体例を示す。同図(a)は、被検査容器9と複数チャンネルからなるX線センサ(X線検出器19、この例では14チャンネルの場合)の関係を示す図で、X線センサ前を被検査容器9が通過して、該被検査容器の縦方向の位置における液面レベルを検出できるように前記複数のチャンネルからなるX線センサが配列されている。
【0098】
図27(a)で検出したX線センサの出力は、被検査容器9のX線透過量、すなわちX線減弱量であらわされ、同図(b)に示すように、X線減弱量が小さい場合は淡く、X線減弱量が大きい場合は濃く表わされ、前記X線センサによって検出される濃淡画像を、例えば1ms又は0.5ms毎に全チャンネルのX線検出信号を画像処理装置20に取り込む。そして、上記したように、X線透過距離に影響されない一様なX線減弱信号を得るために、図27(c)に示すように、予め被検査容器9の直径Dを3等分し、この3等分のうちの該検査容器の中心部分を液面判定範囲とする。
【0099】
このように、被検査容器9の横方向、すなわち該被検査容器の搬送方向に液面判定範囲を設け、縦方向に対しては全チャンネルの出力信号を前記周期毎に画像処理装置20に取り込み(この取り込んだ検出信号を1ラインと呼ぶ)、これを横方向に並べたものを液面画像(X線透視画像)として表示する。
この場合、例えば10ライン分を取り込むものとすると、3ライン目を前記液面判定範囲における液面判定開始位置として、この位置を前記X線透視画像上にバーグラフとして表示し、7ライン目を液面判定終了位置として、この位置をX線透視画像上にバーグラフとして表示する。
【0100】
なお、前記バーグラフの高さは液面の高さを示し、前記液面判定開始位置におけるバーグラフの高さは、そのラインでの液面高さを示しており、前記液面判定終了位置におけるバーグラフの高さは、液面判定範囲における平均液面の高さを表わす。これらの表示については後述する。
前記液面判定範囲は、液面判定開始位置検出器25が容器を検出した位置から検査前に被検査容器の直径、容器搬送装置(コンベア)1の搬送速度及び調整用パラメータを操作器16より制御装置15に入力した距離まで容器が進んだ位置とする。
【0101】
(2)液面レベルの判定について
図28に液面レベル判定の説明図を示す。
この図において、本X線液面検査装置のX線センサは、例えば、96hの素子で構成されているものとし、X線焦点上の直線と直交する位置にある64チャンネル目の位置に対応する液面レベルを合格範囲の基準レベルとする。
この64チャンネル目で検出した液面レベルの判定値を±0となるようにすると(この高さを基準高さと呼ぶ)、前記64チャンネル目から上の96チャンネル目と前記64チャンネル目から下の1チャンネル目までの判定幅を有している。
すなわち、判定幅は+63〜−33を有していることになる。
【0102】
そこで、図28に示すように、1チャンネル分の容器液面高さを0.5mmとすると、容器液面が0.5mm変動すると判定値が1変化することになる。
つまり、液面判定結果の+01は基準高さから液面が0.5mm高い位置にあり、+05は基準高さから2.5mm高い位置にあるということを意味する。
したがって、合格、不合格というのは、設定した合格範囲(これは操作器16から入力しておくか、記憶装置21に記憶されている情報から取得する)に基づいて出力される結果で、例えば合格範囲を±02とした場合、+05は上限を超えているため、不合格という結果が表示される。これらについても判定終了位置のバーグラフ(平均液面高さ)と、上限及び下限レベルと共に後述の表示画面で具体的に説明する。
【0103】
(3)X線センサ出力について
X線センサ(X線検出器)の出力は、該出力幅値が0から255までの8ビットデータとして画像処理装置20に取り込まれる。
前記X線センサの出力値は、当然、X線条件、被検査容器の材質、形状によって異なるが、何等かの要因でX線照射装置17から照射されるX線量が低下していくと、X線センサの検出値も低下し、あたかも液量を含む被検査容器でX線が吸収されて減弱し、何も入っていない空の容器を「液有り」と誤判定してしまう。そこで、このような誤判定を防止するために、X線センサ出力値と、この出力が正常であるか又は異常であるかを液面画像上に表示するものである。
例えば、正常時、X線センサ出力値が200のものが120まで低下して、空の容器を液有りと誤判定した場合、このセンサ出力値120以下を出力異常として表示する。
このように、X線センサの出力値を表示することにより、X線照射からX線検出系(X線照射装置17からX線センサ19)までが正常か否かが判断できる。
【0104】
前記X線センサの出力値は、被検査容器が密着して流れてくるときも取り込んで表示しなければならないので、このためX線センサが被検査容器に遮られていない部分のX線センサ出力、すなわち、X線センサ出力の最大値を示す。
【0105】
(4)軽障害エラーについて
本発明によるX線液面検査装置では以下の現象が起こった場合、「軽障害」エラーとして表示する。
1)X線センサの出力が異常の場合
2)任意の本数の被検査容器が連続して不合格となった場合。
3)任意の時間内に任意の本数の被検査容器が不合格となった場合。
4)X線管の交換時期がきた場合。
5)不良容器を排斥する排斥器を具備している装置において、不良容器の排斥ミスが起きた場合。
6)排斥器を動作させるエアーの圧力低下が起きた場合
等のように、液面検査は継続して行えるが、生産ラインとして何らかの異常が生じた場合、これらを検出して「軽障害」として表示する。
【0106】
上記の被検査容器の液面画像に、該被検査容器の液面レベルの合格基準ライン、前記液面レベルの合格範囲の上限ラインと下限ライン、X線センサ(X線検出器19)の出力値、液面判定範囲、液面判定結果、及び軽傷害発生の有無を表示する、本発明による別の実施形態の動作を図29のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0107】
(ステップ401)X線検出信号の取り込み及び液面画像生成開始
容器搬送装置(コンベア)1で搬送された被検査容器9が検査領域に搬送されたことを被検査容器位置検出器14(図2の投光器12と受光器13とからなる)で検出し、この検出信号を制御装置15に送る。この制御装置15は、前記被検査容器位置検出信号及び操作器16(図2参照)から入力した操作信号に基づいてX線照射装置17から被検査容器9にX線を照射する。
前記X線が十分安定した頃に、被検査容器9がX線検出信号取込開始位置検出器24の位置に到達し、X線検出信号を画像処理装置20に取り込み、液面画像の生成を開始する。
【0108】
(ステップ402)X線検出信号の取り込み終了及び液面検査の開始
被検査容器9が判定開始位置検出器25の位置に到達すると、被検査容器9の液面検査を開始する。
【0109】
(ステップ403)液面判定開始とその判定開始位置及び液面高さの表示
画像処理装置20に取り込んだX線センサ19の各センサ素子19aの出力を判定装置22に伝送し、該センサ素子19aで液体の有無を前記判定装置22で判定する。この時、液面画像に判定開始直後1スキャン分の判定値を前記画像上にバーグラフとして書き込み、液面判定開始位置と液面高さを表示手段に表示する。
前記液面判定開始位置は前記(1)で説明した液面判定範囲の最初の位置である。
【0110】
(ステップ404、ステップ405)液面判定動作
前記(1)の液面判定範囲内の液面について前記判定装置22で判定する。
【0111】
(ステップ406)液面判定終了位置と液面高さ及び判定結果の表示
前記ステップ405で液面判定範囲内の液面の判定が終了すると、被検査容器9の最終的な液面判定値を判定装置22から出力し、被検査容器の液面画像上にバーグラフとして書き込み、液面判定終了位置と最終的な液面高さ及び判定結果を表示手段に表示する。
【0112】
(ステップ407)軽障害発生の有無の判定
ステップ406の液面判定終了後、前記(4)の軽障害発生の有無を判定する。
【0113】
(ステップ408)軽障害発生表示
軽障害が発生した場合は、前記ステップ406で処理した液面画像に軽障害発生の表示を表示手段に追加する。
【0114】
(ステップ409)液面判定値とX線センサ出力値の追加
判定装置22から出力される液面判定値と、X線センサ出力値をX線透視画像に追加する。
前記液面判定に用いる液面の高さは、図30に示すように、上記(1)で説明した二つのバーグラフで示す液面判定範囲における前記バーグラフの高さで表わす。図30において、液面判定範囲の最初の位置では、液面画像とバーグラフの高さが基準レベルに一致して液面判定が正常であることを示すが、液面判定の最終の位置では、液面画像とバーグラフの高さが著しく異なり、液面判定に異常があることを示す。このように表示することにより、液面判定値と液面位置の関係が明確になる。
前記X線センサ出力値は、上記(3)で説明したように、被検査容器の無い部分の出力値(最大値)を表示するもので、被検査容器がX線検出信号取込開始位置検出器24を通過して、X線センサ19の前に至るまでの図31に示す画像書込開始位置の直後における被検査容器の無い部分の値である。
【0115】
このとき、液面判定結果が合格であれば、液面判定値は青色、不合格であれば赤色で表示する。
また、X線センサ出力値は規定値より高い正常時の場合は青色で表示し、規定値よりも低い異常時の場合は赤色で表示する。
なお、前記液面判定値の合格、不合格のカラー表示及びX線センサ出力値の正常、異常のカラー表示は、前記色に限定するものではなく、前記合格、不合格の判定と正常及び異常が区別できるものであれば、どのような色の組み合わせでも良い。
【0116】
(ステップ410)液面画像及び付帯データの表示と保存
以上のステップを経て得られた被検査容器の液面画像(X線透視画像)とこの画像の付帯データを表示手段としてのテレビモニタ23に表示すると共に記憶装置21に記憶し、保存する。
上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するものであるが、前記記憶装置の記憶容量がオーバーする場合は、メモリカード又はハードディスク等に転送して記憶するように構成すれば良い。
【0117】
次に、上記の構成及びソフトウェアで処理して得られた実際の画像例について説明する。
【0118】
図32に、液面判定結果が合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像を示す。
液面画像には、液面検査合格の基準レベル、上限レベル、下限レベルに加えて、液面判定範囲を二つのバーグラフで示し、かつ液面判定値とX線センサ出力値とを同時に表示する。
【0119】
前記液面判定範囲の左側のバーグラフの位置は、液面判定開始位置であり、前記判定開始直後1スキャン分の判定値を液面高さとして前記バーグラフの高さで表示する。
また、右側のバーグラフの位置は、液面判定終了位置であり、被検査容器9の最終的な液面判定値として前記右側のバーグラフの高さで表わす。
この右側のバーグラフの高さは、基準レベルよりも+01高く、これは合格範囲に入っているので、液面判定結果は+01と表示されて合格となり、該+01は青色で表示される。
また、X線センサ出力も151と表示され、これは正常値範囲内にあるので、前記151も青色で表示される。
【0120】
図33に、液面判定結果が不合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像を示す。
液面判定範囲の右側のバーグラフの高さは+05で、これは合格範囲の上限レベルを超えているので、液面判定結果は不合格となり、前記+05は赤色で表示される。
【0121】
図34に、液面判定結果は合格であるが、X線センサ出力が異常で軽障害が発生している検査情報付き液面画像を示す。
液面判定範囲の右側のバーグラフの高さは+01で、液面判定結果は合格であるが、X線センサ出力は144と異常であるので、このX線センサ出力値144を赤色で表示すると共にこれによってX線センサ出力低下による軽障害が発生したことを矢印に示すバーグラフで表示する。
【0122】
このように、検査結果として最も重要である液面判定結果、液面検査範囲を確認するための液面判定範囲(バーグラフで表示)、液面画像と液面判定値との整合をとるための液面位置、被検査容器毎のX線出力を監視するためのX線センサ出力値、被検査容器毎の検査状況を監視するためのX線出力異常等の軽障害の有無を液面画像に表示するようにしたので、被検査容器の検査の詳細を液面画像のみで確認することができ、トレーサビリティはさらに向上する。
【0123】
また、上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するようにしたので、必要に応じて読み出し、閲覧することにより、液面判定に異常が生じた場合等の原因究明が容易となる。
これによって、早期対処が可能となり、X線液面検査装置の信頼性向上、及びメンテナンス性の向上に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明によるX線液面検査装置を用いた液容器製品の生産ラインの一例を示す図。
【図2】本発明のX線液面検査装置の概略構成図。
【図3】本発明のX線液面検査装置の画像処理装置の構成ブロック図。
【図4】本発明のX線液面検査装置の制御装置の構成と制御信号の流れを示す図である。
【図5】本発明のトレーサビリティの処理を実行するフローチャート。
【図6】テレビモニタに表示される本発明のX線液量検査装置の運転モニタ画面の一例。
【図7】液体が充填された被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図8】不良発生の多い順にバルブを分類分けした図。
【図9】図8で任意のバルブを指定し、このバルブで充填された被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図10】経過時間に伴う液面入味レベルの変化の様子を示す図。
【図11】図10で任意の時刻を指定して、この指定した時刻における被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図12】特定のバルブを指定して、このバルブで充填された被検査容器の時間変化に伴う液面入味レベルの変化の様子を示す図。
【図13】図12で任意の時刻を指定して、この指定した時刻における被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図14】別の実施形態で正常な位置検出信号と液面判定完了のタイムチャート。
【図15】別の実施形態で排斥駆動信号、排斥口排斥確認センサと生産ライン排斥確認センサのタイムチャート。
【図16】別の実施形態で記録したシリアルナンバーによるグラフ解析例。
【図17】別の実施形態で位置検出信号にチャタリングが発生した例。
【図18】別の実施形態で液面判定結果とシリアルナンバーのグラフ例。
【図19】別の実施形態でチャタリング発生時の液面判定結果とシリアルナンバーのグラフ例。
【図20】別の実施形態で位置検出時間とシリアルナンバーのグラフ例。
【図21】別の実施形態でチャタリング発生時の位置検出時間とシリアルナンバーのグラフ例。
【図22】別の実施形態でエンコーダの回転数と時間の関係グラフ例。
【図23】別の実施形態でコンベア速度が減速した場合のエンコーダの回転数と時間の関係グラフ例。
【図24】別の実施形態の動作例を説明するフローチャート。
【図25】被検査容器とX線液面検査装置との位置関係を示す上面図。
【図26】X線液面検査装置を被検査容器の搬送方向と直交する方向から見た図。
【図27】液面判定範囲の説明図。
【図28】液面レベルの判定説明図。
【図29】別の実施形態での動作例を説明するフローチャート。
【図30】液面判定範囲と該判定範囲における液面高さの表示の一例。
【図31】X線センサ出力値(最大値)の検出期間の説明図。
【図32】液面検査結果が合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像例。
【図33】液面検査結果が不合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像例。
【図34】液面検査結果が合格、X線センサ出力が異常で軽障害が発生している検査情報付き液面画像例。
【符号の説明】
【0125】
1 缶搬送装置、3 フィラー(充填機)、4 フィラーバルブ、6 シーマ(巻締め機)、8 X線液面検査装置、9 被検査容器、14 被検査容器の位置検出器、15 制御装置、16 操作器、17 X線照射装置、19 X線検出器、20 画像処理装置、21 記憶装置、22 判定装置、23 テレビモニタ、24 X線検出信号取込開始位置検出器、25 X線検出信号取込終了位置検出器
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール、ジュース等の“液体”あるいは液状体(以下、単に“液体”という)が充填、密封された容器にX線を照射して該容器内の液面を検査するX線液面検査装置に関し、特に不合格となった容器の不合格原因の解明、検査のモニタリング、複数バルブを有する充填機の特定バルブの充填状態を分析し、これらの結果を用いて液体容器製品の生産ラインの生産性の向上を図るのに好適なX線液面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール、ジュース等の液体を缶、ビン等の容器に充填した製品の生産は、通常、フィラーバルブにより前記容器に液体を注入し、シーマにより蓋をして密閉し、これらの容器をコンベア上に流し、以降殺菌、ラベリング(容器表面へのラベルの貼付や印刷)を行い、X線液面検査装置で検査を行う。このX線液面検査装置では、容器内の液面レベルが許容範囲内に入っているかどうかを検査し、許容範囲内にあるもの(合格製品)は次の工程に移して梱包し、許容範囲以外のもの(不合格製品)は排斥装置で生産ラインから排斥される。
【0003】
このような生産ラインに用いるX線液面検査装置には、特許文献1に開示されているものがある。
上記特許文献1に開示されているX線液面検査装置は、被検査容器にX線を照射し、該容器を透過したX線をX線可視化パネルとCCDカメラからなる撮像手段で撮像し、画像処理装置で前記撮像手段からの撮像データを処理して前記被検査容器内の液面検出を行い、検出した液面レベルが基準範囲内にあるかどうか判定してその結果をディスプレイ装置に表示するものである。
【0004】
また、被検査容器に液体を充填したフィラーバルブ(以下、バルブと記す)の充填特性(以下、バルブ充填特性と記す)を前記ディスプレイにリアルタイムに表示する機能も備えている。
【0005】
このように構成されたX線液面検査装置は、液面検出が不安定になった場合にも、入味量(注入液量)が不良の容器を検出することができると共にバルブの充填特性を監視することもできる。
【特許文献1】特許第3420895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に開示された容器内液面検査装置は、液面レベルの結果とバルブ充填特性をリアルタイムに表示することができるが、入味ばらつきに関する情報はバルブに関するもののみであるために、以下の点で改良の余地が残されていた。
【0007】
(1)不合格の原因の追求に手間がかかる。
製造工程、検査工程を経て製品が完成するものであるが、上記従来技術のように液面レベルの結果とバルブ充填特性の情報だけでは、これらの工程のどの工程で容器への入味量(注入液量)に過多又は不足が生じて不合格になったのか、その不合格になった原因の追求に多くの時間を要するものであった。
すなわち、上記原因の追求は、人手によって製造工程、検査工程の各部分をチェックしなければならないので、これらのチェックに多くの時間を必要とし、生産性向上を阻害する要因の一つとなっていた。
【0008】
(2)時間経過に伴う入味量のばらつきの原因の追求に時間がかかる。
容器に液体を充填する充填機からの充填量のばらつきの要因の一つに、フィラーの液注入用バルブからの前記液注入量の時間経過に伴う変動がある。
また、前記液注入量の時間経過に伴う変動は、充填機の後段にある巻締め機(シーマ)の処理速度等の変動によっても発生する。
これらの要因によって、一般的に缶容器等は充填開始直後の入味量は少ない。生産ラインでは、充填機や巻締め機の特性に起因して発生する不合格のものは入味レベルを検査するX線液面検査装置に搬送される前に無条件でオフライン処理(強制排斥)しているが、これは人手によるものであるために該不合格品の排斥を見逃す場合がある。したがって、前記強制排斥が的確に行われない場合は後段の入味レベルを検査するX線液面検査装置で排斥されることになる。
【0009】
このような入味量の時間的要因によって生じる入味量のばらつきをそのままにしておくと、前記ばらつきは時間経過に伴って大きくなり、不合格品の増大を招き、生産性の低下を招くおそれがある。
このような上記変動による入味量のばらつきは、上記従来技術による液面レベルの結果とバルブ充填特性の情報だけでは追求できないおそれがある。
このため、上記(1)と同様、人手による原因追求を必要とし、多くの時間を要するものであった。
【0010】
(3)メンテナンスすべき液注入用バルブの特定に時間がかかる。
充填機には、複数の充填バルブがあるがバルブの状態により入味量の過不足が発生する。この入味量の過不足を生じたバルブを特定し、この特定したバルブからの液注入量の調整を適切に行うことによって不合格品数を低減し、生産性の向上を図ることができる。しかし、上記従来技術による液面レベルの結果とバルブ充填特性の情報だけでは追求できないおそれがある。
このため、人手によって複数の全バルブをチェックしなければならないので、その原因追求に多くの時間を要するものであった。
【0011】
本発明の目的は、被検査容器の入味量不合格数を低減して製品の生産性の向上を図るためのX線液面検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は、以下の手段によって達成される。
(1) X線照射手段は液体を充填した被検査容器にX線を照射する。X線検出器は前記被検査容器を挟んで前記X線照射手段に対向して配置され前記被検査容器の透過X線を検出する。判定手段は前記X線検出器によって検出された検出データから前記被検査容器の液面レベルが所定内にあるか否かを判定する。表示手段は前記判定手段によって判定された結果を表示する。情報入力手段は前記被検査容器への液体の充填から前記液面レベルの検査に至るまでの製造(バルブ情報も含む)及び検査(検査結果も含む)に関する工程情報を(操作器)から入力する。表示制御手段は前記情報入力手段から入力された工程情報と前記判定手段によって判定された結果と、を対応付けて前記表示手段に表示制御する。
【0013】
前記製造工程情報及び検査工程情報は操作器から入力し、前記判定結果と製造及び検査情報との対応付けは、フィラーバルブで充填を開始した信号、一定の間隔で各容器に液体を充填する間隔信号(1ピッチ信号)、被検査容器が搬送装置で搬送されてX線液面検査装置の検査領域に入ったことを検出する位置検出信号及び装置全体を制御する制御装置のカウンタ信号を用いて行う。
【0014】
前記製造工程情報は、被検査容器に液体を充填したバルブを特定できる情報と液体が充填された被検査容器の製造来歴を含み、前記検査情報は検査条件も考慮した検査来歴を含む。
【0015】
このように、被検査容器のX線透視画像と製造情報及び検査情報とを表示手段の同一画面に表示するようにしたので、液面レベルと製造来歴、検査来歴との関係がわかるようになり、これによって種々の調査を効率良く行うことができる。
【0016】
(2)前記被検査容器に充填された液体の液面レベルが不合格となった被検査容器を選択する不合格選択モードと、周期的に液面レベルの検査を監視するサンプリング監視モードと、被検査容器に液体を充填するバルブを特定する特定バルブ選択モードと、前記各モードを選択する手段とを設け、選択されたモードに対応して被検査容器の液面画像と前記製造及び検査情報とを前記表示手段の同一画面に表示する。
【0017】
(3)前記不合格選択モードは、充填された液体の充填量不足と過多とを被検査容器に液体
を充填するバルブ毎に分類する手段を備え、前記分類した充填量不足、過多の中からバルブを特定し、このバルブから充填された被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示する。
これによって、不合格原因の追求に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0018】
(4)前記サンプリング監視モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過及び製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備え、前記作成した時間経過及び製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係から任意の時刻又は製造本数又は検査本数を指定し、この指定時刻製造本数又は検査本数における被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御する。
これによって、時間経過及び製造本数又は検査本数に伴う入味量のばらつきの原因を効率良く追求することができる。
【0019】
(5)前記特定バルブ選択モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過及び製造本数又は検査本数と前記特定したバルブから充填された被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備え、前記作成した時間経過及び製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係から任意の時刻及び検査本数又は検査本数を指定し、この指定された時刻及び製造本数又は検査本数におけるX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御する。
これによって、メンテナンスすべき液注入用バルブを容易に特定できる。
【0020】
(6)前記被検査容器の液面レベルのガイドラインと、該被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及びと下限ラインと、前記被検査容器のX線透視画像とを前記表示手段の同一画面に表示制御するようにしたので、液面レベルの識別が容易となる。
さらに、前記被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインとを可変可能にしたので、合格基準値及び合格ラインの異なる容器の液面レベルの検査にも容易に対応することができる。
【0021】
(7)前記被検査容器に付された連続番号とその被検査容器の検査時間に対応付けて保存する手段をさらに備え、前記表示制御手段は前記連続番号と検査時間の情報を前記被検査容器の画像と共に表示制御する。
これによって、装置で使用している部品に寿命が来たり、故障が発生したりした場合、液面検査が正常に行われなくなったとき、コンベア上での容器が密着して流れてきた場合や水滴など生産状況であっても不合格容器を見逃すことに対処できる。
【0022】
(8)前記X線検出器で検出する検出データの取り込み開始位置を検出するX線検出信号取込開始位置検出器と、前記液面レベルの液面判定開始位置を検出する液面判定開始位置検出器と、これらの位置検出器で検出される位置間に前記被検査容器の液面レベルの判定範囲を設定する液面判定範囲設定手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記液面判定範囲設定手段で設定された液面判定開始位置及びこの位置における液面レベル並びに液面判定終了位置及びこの位置における液面レベルと、前記判定手段で判定された結果とを前記液面画像の画面に表示制御する。
前記液面判定開始位置及びこの位置の液面レベルと前記液面判定終了位置及びこの位置の液面レベルとを前記液面画像の画面にバーグラフで表示する。
【0023】
また、前記判定手段で判定された前記合格基準ラインとの差を数値で前記液面画像の画面に表示し、前記数値の合格と不合格とを異なる色で表示する。
さらに、前記X線検出器で検出された最大値、すなわち前記X線検出信号取込開始位置検出器で検出される位置及びX線検出信号取込終了位置間における前記X線照射手段から照射されるX線を前記被検査容器で遮らない検出値を前記液面画像の画面に表示する。
この場合、前記X線検出器で検出された最大値の正常と異常とを異なる色で表示制御する。
【0024】
前記液面検査手段を含む生産ラインの異常を検出する異常検出手段をさらに備え、この異常検出手段で検出した異常発生を前記液面画像の画面にバーグラフで表示する。
【0025】
そして、被検査容器全数の上記液面画像及びその付帯情報を保存手段に保存する。
【0026】
このように、検査結果として最も重要である液面判定結果、液面判定範囲(バーグラフで表示)、液面位置、X線センサ出力値及びX線出力異常等の軽障害の有無を液面画像に表示するようにしたので、全被検査容器の検査の詳細を液面画像のみで確認することができ、トレーサビリティはさらに向上する。
また、上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するようにしたので、必要に応じて読み出し、閲覧することにより、液面判定に異常が
生じた場合等の原因究明が容易となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかるX線液面検査装置によれば以下の効果が得られる。
(1)被検査容器のX線透視画像と該検査容器の製造情報、検査情報及びバルブNoとを表示手段の同一画面に表示することとしたので、不合格原因の追求時間を大幅に低減でき、生産性の向上を図ることができる。
【0028】
(2)周期的に液面レベルの検査を監視することができるようにしたので、時間経過及び製造本数又は検査本数に伴う入味量のばらつきの原因追求の時間が大幅に低減し、さらに予防保全も可能となって生産性が向上する。
【0029】
(3)メンテナンスすべき液注入用バルブを特定して、このバルブからの時間経過及び製造本数又は検査本数も含めた充填特性を解析できるようにしたので、前記バルブの予防保全が可能となり生産性の向上に寄与する。
【0030】
(4)前記被検査容器の液面レベルのガイドラインと、該被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインと、前記被検査容器のX線透視画像とを前記表示手段の同一画面に表示制御するようにしたので、液面レベルの識別が容易となり、上記の原因追求及び解析を効率良く行うことができる。なお、前記被検査容器の液面レベルの合格基準ラインと、前記液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインとを可変可能にしたので、合格基準値及び合格ラインの異なる容器の液面レベルの検査にも容易に対応することができるので、本発明のX線液面検査装置の適用範囲の拡大にも貢献するという効果も得られる。
【0031】
(5)液面検査が正常に行われたか否かを確認できるように被検査容器の全てのデータと所定時間又は所定のエンコーダ回転数と共に所定時間又は所定のエンコーダ回転数毎に記憶することで、不合格容器が合格容器のコンベアに流れた原因が、位置検出不良なのか、コンベア速度の変動なのかなど原因を解析することが可能となる。
前記所定時間又は所定のエンコーダ回転数は、容器の位置検出タイミング、容器の位置検出の遮光時間、容器の位置検出時のエンコーダ回転数、液面判定タイミング、生産ラインセンサの容器検出タイミング、生産ラインセンサの遮光時間、生産ラインセンサにて容器を検出した時のエンコーダの回転数、排斥器駆動信号出力タイミング、排斥器駆動信号発生時のエンコーダの回転数、排斥口排斥確認センサの容器検出タイミング、排斥口排斥確認センサの容器遮光時間である。
また、記憶の手順の例は一時的にバッファ等に保存し、ある値となると、メモリカードまたはハードディスクなど大容量のメモリに保存する。
【0032】
(6) 検査結果として最も重要である液面判定結果、液面判定範囲、液面位置、X線センサ出力値及びX線出力異常等の軽障害の有無を液面画像に表示するようにしたので、全被検査容器の検査の詳細を液面画像のみで確認することができ、トレーサビリティはさらに向上する。
また、上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するようにしたので、必要に応じて読み出し、閲覧することにより、液面判定に異常が生じた場合等の原因究明が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
〔1〕本発明のX線液面検査装置の構成
図1は本発明によるX線液面検査装置を用いた液容器製品の生産ラインの一例を示す構成図で、缶容器を被検査容器とした例である。
図1において、缶搬送装置1によって送られてくる空の缶容器2にフィラー(充填機)3のフィラーバルブ4から液体を注入する。
前記フィラーバルブ4は複数のバルブを備えており、缶搬送装置1で搬送される各缶容器に前記複数のバルブから連続的に液体を注入する。
フィラー3で液注入されて送られてくる缶容器5にシーマ(巻締め機)6により缶蓋7を巻締めする。このシーマ6は複数のヘッド(図示せず)を備えており、各缶容器を連続的に巻締め密閉する。液注入を終えて缶搬送装置1で送られてくる被検査容器9の液面レベル(缶容器注入液量)をX線液面検査装置8で検査し、合格した缶容器10は梱包され、不合格の缶容器11は排斥ラインに搬送されて排斥される。
【0034】
図2に本発明のX線液面検査装置8の概略構成図を示す。
図2において、缶搬送装置1で搬送された被検査容器9である缶容器が検査領域に搬入されたことを投光器12と受光器13とからなる容器位置検出装置14で検出し、この検出信号を制御装置15に送る。この制御装置15は、前記容器位置検出信号及び操作器16から入力した操作信号に基づいてX線照射装置17から被検査容器9にX線束18を有するX線を照射し、被検査容器9を透過したX線量をX線検出器19で検出する。前記X線検出器19からは該X線検出器に入射されたX線を電気信号に変換し、これを増幅した電気信号が画像処理装置20に取り込まれる。前記X線検出器19には、X線ラインセンサや可視化パネル(イメージインテンシファイア)等があるが、ここでは装置の小型化に有利であるX線ラインセンサを用いることにする。
【0035】
このX線ラインセンサは、図示は省略したが、シンチレータとフォトダイオードからなるX線検出素子を複数個、被検査容器9の搬送方向に対して垂直方向に直線状に並べて配置され、複数チャンネルのX線透過信号が得られるように構成されている。
なお、前記操作器16は、操作指令のほかに後述する製品の種類や製造工程における各種情報、液面レベルの検査時に設定する合格、不合格の範囲や検査日などの検査に関する各種情報を入力するためのもので、例えばキーボード(図示省略)が用いられる。このキーボードから入力された操作信号、製造、検査に関する各種情報は制御装置15に記憶しておく。
【0036】
前記画像処理装置20は、図3に示すように、X線検出器19から出力されたX線検出信号(アナログ値)をA/D変換器20aでデジタル値に変換し、これを補正演算器20bで各種の補正演算処理を行って画像濃淡データを生成する。この画像濃淡データは、画像メモリ20cに記憶されると共に図2の記憶装置21にも記憶される。そして、前記画像メモリ20cに記憶された画像濃淡データはD/A変換器20dでアナログ値に変換され、X線透視画像としてフレームメ
モリ20eに記憶され、該X線透視画像は図2のテレビモニタ23に表示される。また、記憶装置21に記憶された画像濃淡データも適宜これを読み出してD/A変換処理を行ってX線透視画像をテレビモニタ23に表示される。
【0037】
前記X線透視画像は以下のようにして作成される。図2のX線検出器19は、前述したようにシンチレータとフォトダイオードからなるX線検出素子を複数個、被検査容器9の搬送方向に対して垂直方向に直線状に並べて配置され、複数のNチャンネルのX線透過信号が得られるように構成されている。このようにNチャンネルのフォトダイオードを線状に並べているので、容器搬送装置1にて被検査容器9を移動させることで、該被検査容器9のX線減弱分布が得られる。これらのNチャンネル分のX線強弱分布を記憶装置21に記憶し、Nチャンネル分の線データをテレビ信号に変換し、順次表示していくことで、被検査容器9の移動により、Nチャンネル分の線データは面データに展開され、1枚のX線透視画像が得られる。
【0038】
前記記憶装置21は、X線透視画像を複数枚記憶できる記憶容量を有している。あらかじめ検査基準となる容器高さや入味合格の上下限高さが分かっていれば、その高さに相当するX,Y,Zチャンネルのデータ出力を変更する等の処理を加えること、またはTV信号を作成する際、X線透視画像にX’,Y’,Z’の水平走査線の表示色を変えることでX線透視画像に入味量(液面)のガイドラインを付加することができる。
【0039】
上記構成の画像処理装置20で生成し記憶装置21に記憶された画像濃淡データは、液面レベル判定時に前記記憶装置21から判定装置22に送られる。判定装置22は、プログラマブル・コントローラを備えており、作業者が操作器16から入力し、制御装置15に取り込まれた被検査容器9の液面レベルの合格範囲と前記記憶装置21からの画像濃淡データから得られた被検査容器9で検出した液面レベルとを比較し、合格、不合格の判定を行う。これらの合格、不合格の判定にはいろいろな方法があるが、本実施例のX線ラインセンサを用いた場合は、特開2002-236048号公報に開示されている方法などを用いればよく、この判定方法に関しては本発明の目的ではないので、ここではその詳細は省略する。
【0040】
前記判定装置22で判定した結果と、前記操作器16から入力し制御装置15に記憶してある被検査容器の製造情報、検査情報、後述のフィラーバルブの情報とを前記X線透視画像と対応させてテレビモニタ23の同一画面に表示する。
【0041】
前記検査結果及び各種情報とX線透視画像との対応付けは次のようにして行う。
図2の制御装置15は、図4に示すように、生産ラインのフィラー、シーマ機構A及び判定装置22によって判定された液面検査結果信号s4と該制御装置15に記憶してある製造検査及び検査情報も含めて、これらの信号を入力する信号を受けるI/O回路15a、このI/O回路15aからの信号により各種の制御処理を行うプログラマブル・コントローラ15b、このプログラマブル・コントローラ15bへの指示を行い、あるいはプログラマブル・コントローラ15bの制御結果等の表示を行うテレビモニタ23(タッチスイッチ付きモニタで詳細は後述する)及び排斥器(図示省略)の駆動信号出力用のI/O回路15cを備えている。
【0042】
この制御装置15は、被検査容器9とバルブNo、製造情報及び検査情報とを対応付ける手段を備えている。前記被検査容器とバルブNo、製造情報及び検査情報との対応付けは、液注入を終えて缶搬送装置1で送られてくる缶容器を各々その液注入バルブのNoに対応させると共に制御装置15のプログラマブル・コントローラ15aに記憶してある前記缶の製造情報、検査情報とに基づいて行うものである。
【0043】
図4において、s1はフィラーバルブNo.1信号で、フィラー1のNo.1のバルブにより液注入された缶容器がフィラー、シーマ機構AからX線液面検査装置のコンベア(図1の缶搬送装置1の一部をなす)に移送された時にフィラー、シーマ機構から出力される。
S2は1ピッチ信号で、缶容器がフィラー、シーマ機構Aから前記コンベアに移送された時にフィラー、シーマ機構Aから出力され、このピッチ信号と、前記s1信号と、被検査缶容器9が検査領域に入ったことを検出する位置検出器14で検出した位置信号s3と、プログラマブル・コントローラ15bに備えているカウンタ(図示省略)の信号とにより、前記缶容器はフィラーバルブNo.1に対応付けられる。
【0044】
その後、缶容器が前記コンベアに移送される都度、フィラー、シーマ機構Aから1ピッチ信号s2が出力され、制御装置15は、前記フィラーバルブNo.1の対応付けと同様に以降の缶容器に対してフィラーバルブNo.2、フィラーバルブNo.3、‥‥‥フィラーバルブNo.mと対応付けが行われる。
フィラーバルブNo.mの対応付けが行われると、次に移送される缶容器には新たにフィラーバルブNo.1の対応付けが行われ、以下同様に繰り返される。以上のようにして、各缶容器にフィラーバルブNoが対応付けられるが、各缶容器は、缶搬送装置1のコンベア上の移送中、1ビッチ信号s2、容器位置検出器14からの位置信号s3、プログラマブル・コントローラのカンウンタからの信号によりその位置が把握、管理されている。
【0045】
そして、判定装置22によって判定された液面検査結果信号s4と操作器16から入力して記憶されている製造情報、検査情報s5も含めて前記液注入バルブNoとの対応をプログラマブル・コントローラ15bでとり、記憶装置21に記憶した画像データをX線透視画像に変換して、この画像と、対応するバルブNo、製造情報、検査情報、検査結果とをテレビモニタ23の画面に表示する。
【0046】
以上のように構成された本発明のX線液面検査装置は、缶容器内の液面レベルが合格範囲外の入味不合格となった原因を追求するための機能と(入味不合格製品のトレーサビリティ)、生産ラインの状態を把握するために所定の時間毎に缶の検査状況を監視する機能(サンプリングトレーサビリティ)と、そして、特定のバルブを指定してこのバルブからの液注入状態を把握する機能(特定バルブのトレーサビリティ)とを備えており、これらは図2の操作器16やソフトスイッチを備えたテレビモニタ23で選択できるように構成されている。
【0047】
X線透視画像と関連付けてテレビモニタ23に以下の情報を表示して、迅速に各トレーサビリティに対応できるようにした。
(a)製造情報
生産日時、生産工場、使用した原料、製造方法、製造して何本目の製品かなどの情報で、これにより製造来歴がわかる。
(b)検査情報
検査日時、設定した入味レベル合格範囲及び入味基準レベルなどの検査基準値、入味レベル判定結果、何本目の不合格製品か等の情報で、これにより検査来歴がわかる。
(c)バルブ情報
容器に液体を充填したバルブNo、過去のバルブメンテナンス歴、過去のバルブ充填量の推移データ等の情報で、これによりバルブの品質の程度を把握することができる。
【0048】
〔2〕本発明のX線液面検査装置の動作
上記(a)、(b)、(c)の情報をX線透視画像と一緒に表示して各トレーサビリティを行う処理のフローチャートを図5に示す。
【0049】
以下、図5のフローチャートに従って順次説明する。
先ず、X線液面検査装置8の電源を投入して、操作器16のキーボードから製造情報、検査情報(検査条件を含む)を入力し、これを制御装置15に記憶する。(ステップ302)
これらの情報を記憶した後に、X線の予備曝射、各装置のI/Oチェック等の自己診断を行い、装置に異常がないかどうかを確認すると共に被検査容器の搬送速度、X線検出タイミング等を設定する。(ステップ303)
ソフトスイッチを備えたテレビモニタ23には後述の運転モニタ画面が表示され、この画面上のレベルチェッカ運転スイッチ(この運転スイッチは操作器16に設けても良い)を押すと入味検査が開始され、図2の被検査容器9が容器搬送装置にて搬送される。
投光器12と受光器13とからなる容器位置検出装置14が被検査容器9を検出すると、X線照射装置17より被検査容器9にX線が照射され、該容器9を透過したX線はX線検出器19で検出され、画像処理装置20、記憶装置21を経由して判定装置22で入味量の判定が行われる。
【0050】
判定装置22では、検出したX線強度から被検査容器の液面レベルを求め、この液面レベルと判定基準とを比較することで、各容器の充填量を適正,過多,過小に分類する(ステップ304)。
操作器16には、入味不合格選択、周期的サンプリング選択、特定バルブ選択の各モードを選択できるトレーサビリティモードの選択スイッチを備えており、作業者は前記選択スイッチによりトレーサビリティモードを選択する(ステップ305)。
また、前記トレーサビリティモードの選択スイッチはソフトスイッチを有するテレビモニタ23に設けても良い。
さらにまた、入味不合格選択、周期的サンプリング選択、特定バルブ選択の各モードは3である必要はなく、このうちの少なくとも2つ以上のモードから選択できるようになっていてもよい。
【0051】
(1)入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合
作業者が入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合は、ステップ306以降の手順に従い、不合格製品のトレーサビリティを行う。
【0052】
被検査容器とバルブNoとの対応付け手段により被検査容器とバルブNoとの対応はステップ304でとられており、これに対応する製造来歴の保存(ステップ309)、検査来歴の保存(ステップ310)、バルブ情報の保存(ステップ311)、X線透視画像の保存(ステップ312)を実行する。
前記製造来歴、検査来歴、バルブ情報とX線透視画像とを対応付けて、これを記憶装置21に保存する。
【0053】
保存されたX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は、適宜読み出して(ステップ313)、図2のテレビモニタ23に表示する(ステップ315)。
【0054】
前記各情報の表示例を図6,図7に示す。図6は運転モニタ画面で、レベルチェッカ運転、液面確認、画像表示等の種々のスイッチがあり、レベルチェッカ運転スイッチにより入味検査が開始される。そして、画像表示スイッチを押すことにより、図7に示すようなサブウインドウが開き、X線透視画像、検査条件であるX線ラインセンサの上下ガイドライン、基準ガイドラインや容器の種類、データ保存期間、保存時のカウンタ、液面レベル判定結果、合格範囲、バルブNo、検査総数、不良数等が表示される。
【0055】
サブウインドウのほぼ中央部には、記憶装置21に記録されたデータの読み出しスイッチがある。この読み出しスイッチには、現在表示している缶の検査結果(最新)、この缶より一つ前の缶の検査結果(2容器前)、二つ前の缶の検査結果(3容器前)、三つ前の缶の検査結果(4容器前)、四つ前の缶の検査結果(5容器前)、五つ前の缶の検査結果(6容器前)、六つ前の缶の検査結果(7容器前)を読み出して表示することができ、これにより現在の缶から7容器前の缶のうちの任意の缶の検査結果を表示して、不合格缶のトレーサビリティを行う。
また、サブウインドウの右上に前記した入味の基準高さ、上下限高さのガイドライン表示に関する設定スイッチがあり、ガイドライン表示のON/OFFやラインの上下動が可能であり(ステップ319)、液面とガイドラインは重なった場合でも入味レベルが確認できる。さらにサブウインドウの右下には、各種メモリへの保存用スイッチが設けられており、各種データを外部メモリなどに送信することができる。各情報については、単独または複数情報の組み合わせでもよい。
【0056】
このように、入味検査中、入味判定不合格または、意図的に各種データを保存するような操作を行って、製造、検査、バルブの各情報データとX線透視画像を対応させて保存し、適宜読み出して前記データ及び画像をモニタに表示し、これを用いて不合格製品の不合格原因を追求することによりトレーサビリティの向上を図ることができる。
【0057】
また、不合格と判定した容器の入味を充填したバルブナンバー/過去のバルブメンテナンス歴/過去のバルブ充填量の推移データなどをX線透視画像と同時に記憶し、入味不足/過多判定のデータを集計し(ステップ316)、例えば図8に示すように、充填量不足、過多の順にランク分けして表示することにより(ステップ319)、メンテナンスすべきバルブやもうすぐメンテナンスした方がよいバルブ等の不良予防処置を講じることができる。
さらに、例えば、図8で入味過多不合格のバルブNo.28をマウスなどのポインティングデバイスでクリックすると、このバルブに対応したX線透視画像と製造情報、検査情報などが図9に示すように表示され、これらの画像とデータを利用してNo.28のバルブのメンテナンスを的確に行うことができる。
【0058】
制御装置15はNet10やRS―232C等規格で出力しているので、上記の結果を外部の装置、例えばプリンタや生産システム全体を管理している装置に送信する(ステップ314,ステップ320)。
不合格になった缶は排斥ラインに流されて排斥される(ステップ317)。
以上の例には、製造情報として容器の種類、製造日時(データ保存時間)、製造して何本目の製品かを示す製造No(保存時のカウンタ)を表示したが、これらの情報以外に、生産工場、使用した原料などの製造に関わる情報は適宜表示することができる。このことは検査情報についても同様である。
【0059】
以上のように、入味不合格発生時、製造来歴データ、検査来歴データ、充填機のバルブデータ、X線透視画像を同時に保存し、適宜読み出して表示することによって、生産ラインから排斥された不合格容器または、任意の場所に停止している入味不合格となった容器のトレーサビリティを効率良く行うことができる。
また、上記の検査来歴データを解析することで、各充填バルブの入味量の過不足を集計し、優秀バルブと不良バルブ、そろそろメンテナンスが必要なバルブNoを選出し、ベスト充填バルブ順位、ワースト充填バルブ順位、もうすぐワースト順位に入りそうなメンテナンスを必要とするバルブ順位などのランク分けができ、これらを生産ラインに的確にフィードバックすることにより、不合格容器数の低減に寄与し、生産性の向上を図ることができる。
【0060】
(2)周期的サンプリングモードを選択した場合
作業者が周期的サンプリング選択モードを選択した場合はステップ307の手順に従い、周期的に入味検査の状態を監視して生産ラインのトレーサビティを行う。
【0061】
被検査容器とバルブNoとの対応付け手段により、被検査容器とバルブNoとの対応はステップ304でとられており、これを用いて一定時間毎に製造来歴の保存(ステップ321)、検査来歴の保存(ステップ322)、バルブ情報の保存(ステップ323)、X線透視画像の保存(ステップ324)を実行する。
これらの製造来歴、検査来歴、バルブ情報、X線透視画像は記憶装置19に記憶する。
【0062】
保存されたX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は、適宜読み出して(ステップ325)、図10に示すように、横軸の時間と縦軸の液面レベルとの関係を作成し(ステップ326)、これをテレビモニタ23に表示する(ステップ328)ことにより、入味充填量の時間経過のモニタリングが可能となる。また、上記時間に代えて製造本数又は検査本数とすれば、入味充填量の製造本数経過又は検査本数経過のモニタリングが可能となる。
【0063】
上記図10のグラフの任意の時間に対応するX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は記憶装置21に記憶されているので、前記グラフ上の任意の時刻における入味レベルをタッチすることにより、これに対応したX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報等が図11に示すようにサブウインドウに表示される。
前記、図11のサブウインドウの右下には、各種メモリへの保存スイッチが設けられており、各種データを外部メモリなどに送信することができる(ステップ329)。なお、上記各情報については、単独又は複数の情報を組み合わせて表示することも可能である。
【0064】
このように、容器に液体を充填する充填機の入味具合を時系列に監視することで、従来のようにX線液面検査装置で充填した容器の入味レベルを検査するだけでなく、充填機の入味ばらつきに対するトレーサビリティを時系列で行うことができる。したがって、充填機における入味量のばらつきを起こす時間的要因の調査を効率良く行うことができる。
【0065】
制御装置15はNet10やRS―232C等規格で出力しているので、上記の結果を外部の装置、例えばプリンタや生産システム全体を管理している装置に送信することもできる(ステップ329)。
上記モニタリング中に不合格となった缶は排斥ラインに流されて排斥される(ステップ330)。
【0066】
上記の例においても、入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合と同様、製造情報として容器の種類、製造日時(データ保存時間)、製造して何本目の製品かを示す製造No(保存時のカウンタ)を表示したが、これらの情報以外に、生産工場、使用した原料などの製造に関わる情報は適宜表示することができる。このことは検査情報についても同様である。なお、この周期的サンプリングモードにおいても、図6の運転モニタ画面が表示され、この表示された各種のスイッチの操作により、X線透視画像、検査条件であるX線ラインセンサの上下センサーライン、基準センサーラインや容器の種類、データ保存期間、保存時のカウンタ、液面レベル判定結果、合格範囲、バルブNo、検査総数、不良数等の表示、現在検査中の容器から六つ前の容器の検査結果が選択、表示できるように構成されている。
【0067】
このように、周期的サンプリング中、入味状態を監視し、意図的に各種データを保存するような操作を行って、製造、検査、バルブの各情報データとX線透視画像とを対応させて保存し、適宜読み出して前記データ及び画像をモニタに表示し、これにより入味充填量のトレーサビリティが可能になる。
【0068】
(3)特定バルブ選択モードを選択した場合
作業者が特定バルブ選択モードを選択した場合はステップ308の手順に従い、特定バルブで充填された缶の入味のトレーサビティを行う。
選択された特定バルブの製造来歴の保存処理(ステップ331)、検査来歴の保存処理(ステップ332)、X線透視画像の保存処理(ステップ333)を行う。
保存されたX線透視画像/製造来歴/検査来歴/特定バルブ情報を読み出して(ステップ334)、図12に示すように、横軸の時間と縦軸の液面レベルとの関係を作成し(ステップ335)、これをテレビモニタ23に表示する(ステップ336)ことにより、特定バルブの入味充填量のモニタリングが可能となる。
【0069】
図12のグラフの任意の時間に対応するX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報は記憶装置21に記憶されているので、前記グラフ上の任意の時刻における入味レベルをタッチすることにより、該タッチした時刻におけるX線透視画像/製造来歴/検査来歴/バルブ情報等が図13に示すようにサブウインドウに表示される。
図13のサブウインドウの右下には、各種メモリへの保存スイッチが設けられており、各種データを外部メモリなどに送信することができる(ステップ337)。なお、上記各情報については、単独又は複数の情報を組み合わせて表示することも可能である。
このように、特定バルブからの充填量がどのように変化していくかを追跡することにより、特定バルブにおける入味量のばらつきを起こす時間的要因の調査を効率良く行うことができる。
【0070】
制御装置15はNet10やRS―232C等規格で出力しているので、上記の結果を外部の装置、例えばプリンタや生産システム全体を管理している装置に送信することもできる(ステップ337)。
上記モニタリング中に不合格となった缶は排斥ラインにながされて排斥される(ステップ338)。
【0071】
上記の例においても、入味不合格のトレーサビリティモードを選択した場合と同様、製造情報として容器の種類、製造日時(データ保存時間)、製造して何本目の製品かを示す製造No(保存時のカウンタ)を表示したが、これらの情報以外に、生産工場、使用した原料などの製造に関わる情報は適宜表示することができる。このことは検査情報についても同様である。なお、この特定バルブの選択モードにおいても、図6の運転モニタ画面が表示され、この表示された各種のスイッチの操作により、X線透視画像、検査条件であるX線ラインセンサの上下ガイドライン、基準ガイドラインや容器の種類、データ保存期間、保存時のカウンタ、液面レベル判定結果、合格範囲、バルブNo、検査総数、不良数等の表示、現在検査中の容器から六つ前の容器の検査結果が選択、表示できるように構成されている。
【0072】
また、特定バルブの選択にあたっては、図8の不良発生バルブ(ワースト10)や過去のメンテナンスデータ等を併用することにより、より効果のある充填量の把握が可能となる。このように、バルブを特定して、製造、検査、特定バルブの各情報データとX線透視画像とを対応させて保存し、これらを読み出して前記データ及び画像をモニタに表示することにより、特定バルブの入味充填量のトレーサビリティを行うことができる。
【0073】
以上、液体を充填する容器に缶容器を用いた例について説明したが、本発明のX線液面検査装置は缶容器に限定するものではなく、ビン、ペットボトル、紙などの缶容器以外の容器の液面レベルの検査にも適用して有効であることはもちろんである。
【0074】
次に、更に別の好ましい実施形態について図14以降の図面を用いて説明する。
まず、液面検査装置の運転時の動作について図14を用いて説明する。
被検査容器9は容器搬送装置(コンベア)1により液面検査装置(レベルチェッカ)の測定部送られてくるものとする。被検査容器9がレベルチェッカ本体手前に来ると発光器と受光器によって検出され、X線照射装置17がX線を照射開始する。被検査容器がレベルチェッカの液面検査位置に流れてくると、X線検出器19が被検査容器を検出する。図14で位置検出信号がOFF状態からON状態となったタイミングを位置検出器のシリアルナンバーとして記録する。シリアルナンバーの付け方の例は、例日、時、分、秒とする。この付け方では1秒以内に約50本流れるコンベアラインもあるため1,000分の1秒の単位で記録する。記録したシリアルナンバーはバッファ等のメモリに一時的に記憶し、そのバッファーメモリがオーバーフローする前に、メモリカードまたはハードディスクなどよりメモリ容量の大きい物に転送し記録する。
【0075】
被検査容器9は判定装置22により液面判定が行われる。被検査容器9はその液面判定が終了すると液面判定完了信号を出力する。バッファはこの時の液面判定完了のタイミングとしてシリアルナンバーと、被検査容器の遮光時間(被検査容器によって投光器12からの光が遮られる)が記録される。
【0076】
記録された遮光時間は、被検査容器同士の密着状態などが原因のチャタリング(X線検出器が、X線の検出と被検査容器の検出切り替わった直後にばたついて,信号がON/OFFを繰り返す現象)の発生の有無を解析するデータを収得したことになる。
【0077】
次に、液面検査装置の排斥時の動作について図15を用いて説明する。
被検査容器の液面検査結果が予め設定された合格判定条件と比較され、液面の合否を判定する。不合格の場合、排斥器を駆動して被検査容器を排斥させる。この時、排斥駆動タイミングとしてシリアルナンバーを一時的にバッファ等に記録する。観察者が後で解析するとき、実際に排斥器を駆動したタイミングが適切か否か確認できる。
不合格容器を排斥すると排斥口排斥確認センサ(図示省略)にて容器を検出し、その排斥口排斥確認センサの出力信号がOFF状態からON状態となる。この時、排斥口排斥確認センサにて容器を検出したタイミングとしてシリアルナンバーを一時的にバッファ等に記録する。
また、容器の上記遮光時間もs1,s2,s3,s4として一時的にバッファ等に記録する。遮光時間は排斥した容器のためチャタリングの発生や2,3本重なって排斥することがあり1つの容器を検出するための遮光時間と比べて短かったり、長すぎたりすることがあるが、その被検査容器のシリアルナンバーを解析することで、排斥された被検査容器が正常に排斥できたか解析できる。
【0078】
液面判定結果が合格の場合、生産ライン排斥確認センサにて容器を検出し、出力信号がOFFからONとなる。この時排斥口排斥確認センサにて容器を検出したタイミングとしてシリアルナンバーを一時的にバッファ等に記録し、容器の遮光時間も一時的にバッファ等に記録する。観察者は記録されたデータにより解析することで合格と判定した容器が正常に生産ラインに流れたことを確認することが可能となる。
また、コンベアの速度の変化率は、コンベアの回転軸に取り付けエンコーダにより一定時間内のコンベア軸の回転速度を一時的にバッファに記録する。
【0079】
以上記録したデータを解析する場合の例は、図16,図17に示される。図16は正常動作の例で、図17はチャタリングが起きた例である。コンベア速度が一定の場合、記録した各タイミングは図16のようにコンベア速度に対応した傾きの2次直線上に並ぶことになる。位置検出器、排斥口排斥確認センサ、生産ライン排斥確認センサの出力信号にチャタリング(水しぶき、光の乱反射等の影響による)が発生した場合、図17のようにグラフにて記録データを解析することで、チャタリングの影響で液面判定が行えず、不合格容器が生産ラインへ流れたのか検証できる。
【0080】
図18は、液面判定結果とシリアルナンバーの関係をグラフにした場合のデータ解析例を示す。正常に液面判定を行うと、液面判定時のシリアルナンバーとセットで液面判定結果を記録できる。
図19はチャタリング等の影響で液面判定結果が記録できない例を示す。
液面判定ができなかった場合、液面判定時のシリアルナンバーに対する液面判定結果が記録できない。
液面判定結果とシリアルナンバーの関係のグラフを作成することで、チャタリングの影響で液面判定ができたか否か確認することができる。
【0081】
図20は位置検出時間とシリアルナンバーの解析例を示す。コンベア速度が一定の場合容器の位置検出時間がほぼ一定となるため、同じ遮光時間となるが、チャタリングが発生した場合遮光時間が、図21のように、ばらつくようになる。図21に示されるグラフより、チャタリングの発生の有無を確認できる。排斥口排斥確認センサ、生産ラインセンサの遮光時間とシリアルナンバーの関係も同様にグラフにまとめることでチャタリングの有無を確認できる。
【0082】
図22はエンコーダの回転数とシリアルナンバーの解析例を示す。コンベア速度が一定の場合、一定間隔(この場合30msの例)の回転数は一定となるが、コンベア速度が何らかの原因で変動した場合、液面判定や排斥タイミングがその変動により影響される。そのため、制御装置は位置検出タイミング時のエンコーダの回転数と排斥器駆動時のエンコーダの回転数をデータとして記憶装置21に記録することで、不合格容器が流れた原因がコンベア速度で有るのか否か検証することができる。図23は、コンベア速度が減速しエンコーダの回転数が約半分になった場合を示す。この例により、不合格容器が流れた原因がコンベア速度で有るのか否か検証することができる。
【0083】
次に、別実施形態のプログラムでの動作例を図24のフローチャートで説明する。
(ステップ2401)
制御装置は、被検査容器を位置検出器に検出させる。
(ステップ2402)
制御装置は、位置検出時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(I)、シリアルナンバーに対する遮光時間を収得し(II)、シリアルナンバーに対するコンベアのエンコー
ダの回転数を収得する。(III)
(ステップ2403)
制御装置は、I〜IIIで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
(ステップ2404)
制御装置は、コンベアで移動された被検査容器に対しX線をX線照射装置により照射させ、X線検出器に被検査容器の液面検査を行わせる。制御装置は、その操作が終わったなら、液面判定完了信号を出力する。
(ステップ2405)
制御装置は、液面判定完了時の被検査容器のシリアルナンバーを収得する。(IV)
(ステップ2406)
制御装置は、IVで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
【0084】
(ステップ2407)
判定装置は、被検査容器が合格であったか、不合格であったかを判定する。
制御装置は、判定の結果が合格であればステップ2408へ進み、不合格であればステップ2411へ進む。
【0085】
(ステップ2408)
制御装置は、被検査容器を生産ラインの位置検出器に検出させる。
(ステップ2409)
制御装置は、生産ラインに流れている時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(V)、シリアルナンバーに対する遮光時間を収得し(VI)、シリアルナンバーに対するコンベアのエンコーダの回転数を収得する。(VII)
(ステップ2410)
制御装置は、V〜VIIで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
【0086】
(ステップ2411)
制御装置は、被検査容器を排斥ラインの位置検出器に検出させる、排斥器を駆動するための駆動信号を出力する。
(ステップ2412)
制御装置は、排斥ラインに流れている時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(VIII)、シリアルナンバーに対するコンベアのエンコーダの回転数を収得する。(IX)
(ステップ2413)
制御装置は、VIII,IXで収得されたデータを一時的にバッファへ記録する。
(ステップ2414)
制御装置は、被検査容器が排斥口まで来たことを、排斥口に設けられた位置センサにより認識し、不合格の被検査容器が排斥器によって排斥されたことを確認する信号を出力する。
(ステップ2415)
制御装置は、排斥が確認された時の被検査容器のシリアルナンバーを収得し(X)、シリアルナンバーに対する遮光時間を収得する。(XI)
(ステップ2416)
制御装置は、X,XIで収得されたデータを一時的にバッファへ記録し、ステップ2417に進む。
【0087】
(ステップ2417)
判定装置は、バッファの記憶の容量がオーバーしそうか否かを判定する。
制御装置は、判定の結果、オーバーしそうであればステップ2418へ進み、オーバーしそうでなければステップ2401へ進む。
(ステップ2418)
制御装置は、バッファのデータをメモリカード又はハードディスク等に転送し、ステップ2401へ進む。
【0088】
以上により、制御装置に組み込まれたコンピュータにより実現することができる。
なお、バッファは、2チャンネル設けて、記録のタイミングと転送のタイミングを調停するように作用させれば、不際限に流れる被検査容器の検査に対応することができる。
【0089】
本実施形態によれば、液面検査が正常に行われたか否か確認できる検査全容器のデータを保存することで、後で検査時の状況を把握、解析できる。
また、液面検査が正常でなかった原因を解析できるため、次回稼動時の対策も可能であり、装置の信頼性を向上できる。
【0090】
以上に説明した実施形態において、前記被検査容器のX線透視画像と共に被検査容器の液面レベルのガイドライン、液面レベルの合格基準ライン、液面レベルの合格範囲の上限ラインと下限ライン、及びX線センサ(X線検出器19)の出力等を前記表示手段としてのテレビモニタ23の同一画面に表示制御するようにして、液面レベルを識別できるようにした。
【0091】
さらに本発明においては、液面画像(X線透視画像)を観察するのみで、被検査容器の検査の詳細が一目瞭然となるようにするために、上記の液面レベルの合格基準ライン、液面レベルの合格範囲の上限ラインと下限ラインに加えて、液面判定範囲、液面判定値、X線センサ出力値及び軽傷害発生の異常も前記液面画像の画面上に表示するものである。
このような、さらに好ましい別の実施形態について図25以降の図面を用いて説明する。
【0092】
図25は、被検査容器9と図2に示したX線液面検査装置8との位置関係を示す上面図である。
この図25は、図2のX線検査装置8に、新たに、X線検出器19で検出する信号の取り込みを開始するX線検出信号取込開始位置検出器24と、X線検出器19で検出する信号の取り込みを終了する液面判定開始位置検出器25とを設けものである。
【0093】
図26は、前記X線液面検査装置8を被検査容器9の搬送方向と直交する方向から見た図で、この図より、前記X線検出器19の各検出素子の配列と他の構成要素との関係が分る。
【0094】
既に説明したように、前記X線検出器19には、X線ラインセンサを用い、このX線ラインセンサは、シンチレータとフォトダイオードからなるX線検出素子を複数個、被検査容器9の搬送方向に対して垂直方向に直線状に並べて配置され、複数チャンネルのX線透過信号が得られるように構成されている。
前記X線ラインセンサ19(X線検出器)は、図26に示すように、幅Wが例えば1mm以下、高さhがそれ以下の小寸法のセンサ素子19aが多数個、ライン上に密着、配列されてなるX線センサで、前記したように、このX線ラインセンサ19は、センサ素子19aの配列方向が液面方向(水平方向)に対して垂直になる向き、すなわち鉛直方向に向けて配置される。
【0095】
ここで、本発明による別の実施形態の動作を説明する前に、X線センサ出力についてさらに詳細に説明し、本実施形態で新たに追加した液面判定範囲、液面判定結果、及び軽傷害等について説明する。
【0096】
(1)液面判定範囲及び液面高さについて
飲料容器のほとんどは円筒形、もしくはそれに近い形状をしているので、X線が透過する液量は容器の中心部で最も多く、この中心部から容器端にかけて漸次減少する。
このため、液面レベルが同じであるにもかかわらず、X線減弱信号は取り込んだ容器の位置で変わってしまう可能性があるので、X線透過距離に影響されない一様なX線減弱信号を得るために判定範囲を設定するものである。
【0097】
図27に具体例を示す。同図(a)は、被検査容器9と複数チャンネルからなるX線センサ(X線検出器19、この例では14チャンネルの場合)の関係を示す図で、X線センサ前を被検査容器9が通過して、該被検査容器の縦方向の位置における液面レベルを検出できるように前記複数のチャンネルからなるX線センサが配列されている。
【0098】
図27(a)で検出したX線センサの出力は、被検査容器9のX線透過量、すなわちX線減弱量であらわされ、同図(b)に示すように、X線減弱量が小さい場合は淡く、X線減弱量が大きい場合は濃く表わされ、前記X線センサによって検出される濃淡画像を、例えば1ms又は0.5ms毎に全チャンネルのX線検出信号を画像処理装置20に取り込む。そして、上記したように、X線透過距離に影響されない一様なX線減弱信号を得るために、図27(c)に示すように、予め被検査容器9の直径Dを3等分し、この3等分のうちの該検査容器の中心部分を液面判定範囲とする。
【0099】
このように、被検査容器9の横方向、すなわち該被検査容器の搬送方向に液面判定範囲を設け、縦方向に対しては全チャンネルの出力信号を前記周期毎に画像処理装置20に取り込み(この取り込んだ検出信号を1ラインと呼ぶ)、これを横方向に並べたものを液面画像(X線透視画像)として表示する。
この場合、例えば10ライン分を取り込むものとすると、3ライン目を前記液面判定範囲における液面判定開始位置として、この位置を前記X線透視画像上にバーグラフとして表示し、7ライン目を液面判定終了位置として、この位置をX線透視画像上にバーグラフとして表示する。
【0100】
なお、前記バーグラフの高さは液面の高さを示し、前記液面判定開始位置におけるバーグラフの高さは、そのラインでの液面高さを示しており、前記液面判定終了位置におけるバーグラフの高さは、液面判定範囲における平均液面の高さを表わす。これらの表示については後述する。
前記液面判定範囲は、液面判定開始位置検出器25が容器を検出した位置から検査前に被検査容器の直径、容器搬送装置(コンベア)1の搬送速度及び調整用パラメータを操作器16より制御装置15に入力した距離まで容器が進んだ位置とする。
【0101】
(2)液面レベルの判定について
図28に液面レベル判定の説明図を示す。
この図において、本X線液面検査装置のX線センサは、例えば、96hの素子で構成されているものとし、X線焦点上の直線と直交する位置にある64チャンネル目の位置に対応する液面レベルを合格範囲の基準レベルとする。
この64チャンネル目で検出した液面レベルの判定値を±0となるようにすると(この高さを基準高さと呼ぶ)、前記64チャンネル目から上の96チャンネル目と前記64チャンネル目から下の1チャンネル目までの判定幅を有している。
すなわち、判定幅は+63〜−33を有していることになる。
【0102】
そこで、図28に示すように、1チャンネル分の容器液面高さを0.5mmとすると、容器液面が0.5mm変動すると判定値が1変化することになる。
つまり、液面判定結果の+01は基準高さから液面が0.5mm高い位置にあり、+05は基準高さから2.5mm高い位置にあるということを意味する。
したがって、合格、不合格というのは、設定した合格範囲(これは操作器16から入力しておくか、記憶装置21に記憶されている情報から取得する)に基づいて出力される結果で、例えば合格範囲を±02とした場合、+05は上限を超えているため、不合格という結果が表示される。これらについても判定終了位置のバーグラフ(平均液面高さ)と、上限及び下限レベルと共に後述の表示画面で具体的に説明する。
【0103】
(3)X線センサ出力について
X線センサ(X線検出器)の出力は、該出力幅値が0から255までの8ビットデータとして画像処理装置20に取り込まれる。
前記X線センサの出力値は、当然、X線条件、被検査容器の材質、形状によって異なるが、何等かの要因でX線照射装置17から照射されるX線量が低下していくと、X線センサの検出値も低下し、あたかも液量を含む被検査容器でX線が吸収されて減弱し、何も入っていない空の容器を「液有り」と誤判定してしまう。そこで、このような誤判定を防止するために、X線センサ出力値と、この出力が正常であるか又は異常であるかを液面画像上に表示するものである。
例えば、正常時、X線センサ出力値が200のものが120まで低下して、空の容器を液有りと誤判定した場合、このセンサ出力値120以下を出力異常として表示する。
このように、X線センサの出力値を表示することにより、X線照射からX線検出系(X線照射装置17からX線センサ19)までが正常か否かが判断できる。
【0104】
前記X線センサの出力値は、被検査容器が密着して流れてくるときも取り込んで表示しなければならないので、このためX線センサが被検査容器に遮られていない部分のX線センサ出力、すなわち、X線センサ出力の最大値を示す。
【0105】
(4)軽障害エラーについて
本発明によるX線液面検査装置では以下の現象が起こった場合、「軽障害」エラーとして表示する。
1)X線センサの出力が異常の場合
2)任意の本数の被検査容器が連続して不合格となった場合。
3)任意の時間内に任意の本数の被検査容器が不合格となった場合。
4)X線管の交換時期がきた場合。
5)不良容器を排斥する排斥器を具備している装置において、不良容器の排斥ミスが起きた場合。
6)排斥器を動作させるエアーの圧力低下が起きた場合
等のように、液面検査は継続して行えるが、生産ラインとして何らかの異常が生じた場合、これらを検出して「軽障害」として表示する。
【0106】
上記の被検査容器の液面画像に、該被検査容器の液面レベルの合格基準ライン、前記液面レベルの合格範囲の上限ラインと下限ライン、X線センサ(X線検出器19)の出力値、液面判定範囲、液面判定結果、及び軽傷害発生の有無を表示する、本発明による別の実施形態の動作を図29のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0107】
(ステップ401)X線検出信号の取り込み及び液面画像生成開始
容器搬送装置(コンベア)1で搬送された被検査容器9が検査領域に搬送されたことを被検査容器位置検出器14(図2の投光器12と受光器13とからなる)で検出し、この検出信号を制御装置15に送る。この制御装置15は、前記被検査容器位置検出信号及び操作器16(図2参照)から入力した操作信号に基づいてX線照射装置17から被検査容器9にX線を照射する。
前記X線が十分安定した頃に、被検査容器9がX線検出信号取込開始位置検出器24の位置に到達し、X線検出信号を画像処理装置20に取り込み、液面画像の生成を開始する。
【0108】
(ステップ402)X線検出信号の取り込み終了及び液面検査の開始
被検査容器9が判定開始位置検出器25の位置に到達すると、被検査容器9の液面検査を開始する。
【0109】
(ステップ403)液面判定開始とその判定開始位置及び液面高さの表示
画像処理装置20に取り込んだX線センサ19の各センサ素子19aの出力を判定装置22に伝送し、該センサ素子19aで液体の有無を前記判定装置22で判定する。この時、液面画像に判定開始直後1スキャン分の判定値を前記画像上にバーグラフとして書き込み、液面判定開始位置と液面高さを表示手段に表示する。
前記液面判定開始位置は前記(1)で説明した液面判定範囲の最初の位置である。
【0110】
(ステップ404、ステップ405)液面判定動作
前記(1)の液面判定範囲内の液面について前記判定装置22で判定する。
【0111】
(ステップ406)液面判定終了位置と液面高さ及び判定結果の表示
前記ステップ405で液面判定範囲内の液面の判定が終了すると、被検査容器9の最終的な液面判定値を判定装置22から出力し、被検査容器の液面画像上にバーグラフとして書き込み、液面判定終了位置と最終的な液面高さ及び判定結果を表示手段に表示する。
【0112】
(ステップ407)軽障害発生の有無の判定
ステップ406の液面判定終了後、前記(4)の軽障害発生の有無を判定する。
【0113】
(ステップ408)軽障害発生表示
軽障害が発生した場合は、前記ステップ406で処理した液面画像に軽障害発生の表示を表示手段に追加する。
【0114】
(ステップ409)液面判定値とX線センサ出力値の追加
判定装置22から出力される液面判定値と、X線センサ出力値をX線透視画像に追加する。
前記液面判定に用いる液面の高さは、図30に示すように、上記(1)で説明した二つのバーグラフで示す液面判定範囲における前記バーグラフの高さで表わす。図30において、液面判定範囲の最初の位置では、液面画像とバーグラフの高さが基準レベルに一致して液面判定が正常であることを示すが、液面判定の最終の位置では、液面画像とバーグラフの高さが著しく異なり、液面判定に異常があることを示す。このように表示することにより、液面判定値と液面位置の関係が明確になる。
前記X線センサ出力値は、上記(3)で説明したように、被検査容器の無い部分の出力値(最大値)を表示するもので、被検査容器がX線検出信号取込開始位置検出器24を通過して、X線センサ19の前に至るまでの図31に示す画像書込開始位置の直後における被検査容器の無い部分の値である。
【0115】
このとき、液面判定結果が合格であれば、液面判定値は青色、不合格であれば赤色で表示する。
また、X線センサ出力値は規定値より高い正常時の場合は青色で表示し、規定値よりも低い異常時の場合は赤色で表示する。
なお、前記液面判定値の合格、不合格のカラー表示及びX線センサ出力値の正常、異常のカラー表示は、前記色に限定するものではなく、前記合格、不合格の判定と正常及び異常が区別できるものであれば、どのような色の組み合わせでも良い。
【0116】
(ステップ410)液面画像及び付帯データの表示と保存
以上のステップを経て得られた被検査容器の液面画像(X線透視画像)とこの画像の付帯データを表示手段としてのテレビモニタ23に表示すると共に記憶装置21に記憶し、保存する。
上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するものであるが、前記記憶装置の記憶容量がオーバーする場合は、メモリカード又はハードディスク等に転送して記憶するように構成すれば良い。
【0117】
次に、上記の構成及びソフトウェアで処理して得られた実際の画像例について説明する。
【0118】
図32に、液面判定結果が合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像を示す。
液面画像には、液面検査合格の基準レベル、上限レベル、下限レベルに加えて、液面判定範囲を二つのバーグラフで示し、かつ液面判定値とX線センサ出力値とを同時に表示する。
【0119】
前記液面判定範囲の左側のバーグラフの位置は、液面判定開始位置であり、前記判定開始直後1スキャン分の判定値を液面高さとして前記バーグラフの高さで表示する。
また、右側のバーグラフの位置は、液面判定終了位置であり、被検査容器9の最終的な液面判定値として前記右側のバーグラフの高さで表わす。
この右側のバーグラフの高さは、基準レベルよりも+01高く、これは合格範囲に入っているので、液面判定結果は+01と表示されて合格となり、該+01は青色で表示される。
また、X線センサ出力も151と表示され、これは正常値範囲内にあるので、前記151も青色で表示される。
【0120】
図33に、液面判定結果が不合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像を示す。
液面判定範囲の右側のバーグラフの高さは+05で、これは合格範囲の上限レベルを超えているので、液面判定結果は不合格となり、前記+05は赤色で表示される。
【0121】
図34に、液面判定結果は合格であるが、X線センサ出力が異常で軽障害が発生している検査情報付き液面画像を示す。
液面判定範囲の右側のバーグラフの高さは+01で、液面判定結果は合格であるが、X線センサ出力は144と異常であるので、このX線センサ出力値144を赤色で表示すると共にこれによってX線センサ出力低下による軽障害が発生したことを矢印に示すバーグラフで表示する。
【0122】
このように、検査結果として最も重要である液面判定結果、液面検査範囲を確認するための液面判定範囲(バーグラフで表示)、液面画像と液面判定値との整合をとるための液面位置、被検査容器毎のX線出力を監視するためのX線センサ出力値、被検査容器毎の検査状況を監視するためのX線出力異常等の軽障害の有無を液面画像に表示するようにしたので、被検査容器の検査の詳細を液面画像のみで確認することができ、トレーサビリティはさらに向上する。
【0123】
また、上記液面画像及びその付帯データは、全被検査容器分を保存するようにしたので、必要に応じて読み出し、閲覧することにより、液面判定に異常が生じた場合等の原因究明が容易となる。
これによって、早期対処が可能となり、X線液面検査装置の信頼性向上、及びメンテナンス性の向上に寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明によるX線液面検査装置を用いた液容器製品の生産ラインの一例を示す図。
【図2】本発明のX線液面検査装置の概略構成図。
【図3】本発明のX線液面検査装置の画像処理装置の構成ブロック図。
【図4】本発明のX線液面検査装置の制御装置の構成と制御信号の流れを示す図である。
【図5】本発明のトレーサビリティの処理を実行するフローチャート。
【図6】テレビモニタに表示される本発明のX線液量検査装置の運転モニタ画面の一例。
【図7】液体が充填された被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図8】不良発生の多い順にバルブを分類分けした図。
【図9】図8で任意のバルブを指定し、このバルブで充填された被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図10】経過時間に伴う液面入味レベルの変化の様子を示す図。
【図11】図10で任意の時刻を指定して、この指定した時刻における被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図12】特定のバルブを指定して、このバルブで充填された被検査容器の時間変化に伴う液面入味レベルの変化の様子を示す図。
【図13】図12で任意の時刻を指定して、この指定した時刻における被検査容器のX線透視画像と前記被検査容器の製造情報、検査情報を表示したテレビモニタ画面の一例を示す図。
【図14】別の実施形態で正常な位置検出信号と液面判定完了のタイムチャート。
【図15】別の実施形態で排斥駆動信号、排斥口排斥確認センサと生産ライン排斥確認センサのタイムチャート。
【図16】別の実施形態で記録したシリアルナンバーによるグラフ解析例。
【図17】別の実施形態で位置検出信号にチャタリングが発生した例。
【図18】別の実施形態で液面判定結果とシリアルナンバーのグラフ例。
【図19】別の実施形態でチャタリング発生時の液面判定結果とシリアルナンバーのグラフ例。
【図20】別の実施形態で位置検出時間とシリアルナンバーのグラフ例。
【図21】別の実施形態でチャタリング発生時の位置検出時間とシリアルナンバーのグラフ例。
【図22】別の実施形態でエンコーダの回転数と時間の関係グラフ例。
【図23】別の実施形態でコンベア速度が減速した場合のエンコーダの回転数と時間の関係グラフ例。
【図24】別の実施形態の動作例を説明するフローチャート。
【図25】被検査容器とX線液面検査装置との位置関係を示す上面図。
【図26】X線液面検査装置を被検査容器の搬送方向と直交する方向から見た図。
【図27】液面判定範囲の説明図。
【図28】液面レベルの判定説明図。
【図29】別の実施形態での動作例を説明するフローチャート。
【図30】液面判定範囲と該判定範囲における液面高さの表示の一例。
【図31】X線センサ出力値(最大値)の検出期間の説明図。
【図32】液面検査結果が合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像例。
【図33】液面検査結果が不合格、X線センサ出力が正常で軽障害が発生していない検査情報付き液面画像例。
【図34】液面検査結果が合格、X線センサ出力が異常で軽障害が発生している検査情報付き液面画像例。
【符号の説明】
【0125】
1 缶搬送装置、3 フィラー(充填機)、4 フィラーバルブ、6 シーマ(巻締め機)、8 X線液面検査装置、9 被検査容器、14 被検査容器の位置検出器、15 制御装置、16 操作器、17 X線照射装置、19 X線検出器、20 画像処理装置、21 記憶装置、22 判定装置、23 テレビモニタ、24 X線検出信号取込開始位置検出器、25 X線検出信号取込終了位置検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を充填した被検査容器にX線を照射するX線照射手段と、前記被検査容器を挟んで前記X線照射手段に対向して配置され前記被検査容器の透過X線を検出するX線検出器と、このX線検出器によって検出された検出データから前記被検査容器の液面レベルが所定内にあるか否かを判定する判定手段と、この判定手段によって判定された結果を表示する表示手段と、を備えたX線液面検査装置において、前記被検査容器への液体の充填から前記液面レベルの検査に至るまでの製造及び検査に関する工程情報を入力する情報入力手段と、この情報入力手段から入力された工程情報と前記判定手段によって判定された結果とを対応付けて前記表示手段に表示制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とするX線液面検査装置。
【請求項2】
前記X線検出器からの検出データを処理して前記被検査容器の液面画像を作成する画像処理手段をさらに備え、前記判定手段は、前記画像処理手段によって作成された被検査容器の液面画像により液面レベルが所定内にあるか否かを判定することを特徴する請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項3】
前記情報入力手段によって入力された工程情報を記憶する情報記憶手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記画像処理手段によって作成された前記被検査容器の液面画像と前記情報記憶手段に記憶された工程情報とを前記表示手段の同一画面に表示することを特徴とする請求項2に記載のX線液面検査装置。
【請求項4】
前記情報入力手段によって入力される製造工程情報は、前記被検査容器に液体を充填する充填機のバルブ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項5】
前記情報入力手段によって入力される製造工程情報は、液体が充填された被検査容器の製造来歴を含み、前記情報入力手段によって入力される検査工程情報は検査来歴を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項6】
前記被検査容器に充填された液体の液面レベルが不合格となった被検査容器を選択する不合格選択モードと、周期的に液面レベルの検査を監視するサンプリング監視モードと、被検査容器に液体を充填する充填機のバルブを特定する特定バルブ選択モードと、前記各モードを選択する手段をさらに設け、前記表示制御手段は、前記情報記憶手段によって記憶された工程情報と判定結果とを対応づけて前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項7】
前記選択手段は、該選択された不合格選択モードが、充填された液体の充填量不足と過多とを被検査容器に液体を充填するバルブ毎に分類する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項8】
前記画像処理手段は被検査容器のX線透視画像を作成し、前記表示制御手段は、前記分類手段によって分類された充填量不足、過多の中からバルブを特定し、この特定バルブから充填された被検査容器のX線透視画像と製造工程及び検査工程情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項7に記載のX線液面検査装置。
【請求項9】
前記選択手段によって選択されたサンプリング監視モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過と被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された時間経過と被検査容器の液面レベルの関係から任意の時刻を指定し、この指定時刻における被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項9に記載のX線液面検査装置。
【請求項11】
前記選択手段によって選択されたサンプリング監視モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルの関係から任意の製造本数又は検査本数を指定し、この指定本数における被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項11に記載のX線液面検査装置。
【請求項13】
前記選択手段によって選択された特定バルブ選択モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過と前記特定した充填機から充填された被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装
置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された時間経過と被検査容器の液面レベルの関係から任意の時刻を指定し、この指定時刻におけるX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項13に記載のX線液面検査装置。
【請求項15】
前記選択手段は、前記特定バルブ選択モードにおいて、X線液面検査装置が稼動している任意の製造本数又は検査本数と前記特定した充填機から充填された被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルの関係から任意の製造本数又は検査本数を指定し、この指定された製造本数又は検査本数におけるX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項13に記載のX線液面検査装置。
【請求項17】
前記被検査容器の液面レベルのガイドラインと該被検査容器の液面レベルの合格ラインとを生成する手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記生成手段によって生成されたガイドライン又は合格ラインと前記画像処理手段によって作成された被検査容器の液面画像とを前記表示手段の同一画面に表示制御することを特徴とする請求項2に記載のX線液面検査装置。
【請求項18】
前記生成手段によって生成された前記被検査容器の液面レベルの合格ラインは、前記被検査容器の液面の合格基準ラインと、該液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインとを含み、かつこれらのガイドラインを可変可能に構成したことを特徴とする請求項17に記載のX線液面検査装置。
【請求項19】
前記被検査容器に付された連続番号とその被検査容器の検査時間に対応付けて保存する手段をさらに備え、前記表示制御手段は前記連続番号と検査時間の情報を前記被検査容器の画像と共に表示制御することを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項20】
前記前記連続番号と検査時間の情報は、前記連続番号と前記被検査容器の位置検出、排斥を含む各種操作の時点との関係をグラフ化することを特徴とする請求項19に記載のX線液面検査装置。
【請求項21】
前記X線検出器で検出する検出データの取り込み開始位置を検出するX線検出信号取込開始位置検出器と、前記液面レベルの液面判定開始位置を検出する液面判定開始位置検出器と、これらの位置検出器で検出される位置間に前記被検査容器の液面レベルの判定範囲を設定する液面判定範囲設定手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記液面判定範囲設定手段で設定された液面判定開始位置及びこの位置における液面レベル並びに液面判定終了位置及びこの位置における液面レベルと、前記判定手段で判定された結果とを前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求項18に記載のX線液面検査装置。
【請求項22】
前記表示制御手段は、前記液面判定開始位置及びこの位置の液面レベルと前記液面判定終了位置及びこの位置の液面レベルとを前記液面画像の画面にバーグラフで表示制御することを特徴とする請求21に記載のX線液面検査装置。
【請求項23】
前記表示制御手段は、前記判定手段で判定された前記合格基準ラインとの差を数値で前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求21に記載のX線液面検査装置。
【請求項24】
前記表示制御手段は、前記数値の合格と不合格とを異なる色で表示制御することを特徴とする請求23に記載のX線液面検査装置。
【請求項25】
前記表示制御手段は、さらに前記X線検出器で検出された最大値を前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求項21に記載のX線液面検査装置。
【請求項26】
前記X線検出器で検出された最大値は、前記X線検出信号取込開始位置検出器で検出される位置及びX線検出信号取込終了位置間における前記X線照射手段から照射されるX線を前記被検査容器で遮らない検出値であることを特徴とする請求項25に記載のX線液面検査装置。
【請求項27】
前記表示制御手段は、前記X線検出器で検出された最大値の正常と異常を異なる色で表示制御することを特徴とする請求26載のX線液面検査装置。
【請求項28】
前記液面検査手段を含む生産ラインの異常を検出する異常検出手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記異常検出手段で検出した異常発生の表示を前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求項21に記載のX線液面検査装置。
【請求項29】
前記表示制御手段は、前記異常発生の表示を前記液面画像の画面にバーグラフで表示制御することを特徴とする請求28に記載のX線液面検査装置。
【請求項30】
前記被検査容器の全数の前記液面画像及びその付帯情報を保存する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項21乃至29のいずれかに記載のX線液面検査装置。
【請求項1】
液体を充填した被検査容器にX線を照射するX線照射手段と、前記被検査容器を挟んで前記X線照射手段に対向して配置され前記被検査容器の透過X線を検出するX線検出器と、このX線検出器によって検出された検出データから前記被検査容器の液面レベルが所定内にあるか否かを判定する判定手段と、この判定手段によって判定された結果を表示する表示手段と、を備えたX線液面検査装置において、前記被検査容器への液体の充填から前記液面レベルの検査に至るまでの製造及び検査に関する工程情報を入力する情報入力手段と、この情報入力手段から入力された工程情報と前記判定手段によって判定された結果とを対応付けて前記表示手段に表示制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とするX線液面検査装置。
【請求項2】
前記X線検出器からの検出データを処理して前記被検査容器の液面画像を作成する画像処理手段をさらに備え、前記判定手段は、前記画像処理手段によって作成された被検査容器の液面画像により液面レベルが所定内にあるか否かを判定することを特徴する請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項3】
前記情報入力手段によって入力された工程情報を記憶する情報記憶手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記画像処理手段によって作成された前記被検査容器の液面画像と前記情報記憶手段に記憶された工程情報とを前記表示手段の同一画面に表示することを特徴とする請求項2に記載のX線液面検査装置。
【請求項4】
前記情報入力手段によって入力される製造工程情報は、前記被検査容器に液体を充填する充填機のバルブ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項5】
前記情報入力手段によって入力される製造工程情報は、液体が充填された被検査容器の製造来歴を含み、前記情報入力手段によって入力される検査工程情報は検査来歴を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項6】
前記被検査容器に充填された液体の液面レベルが不合格となった被検査容器を選択する不合格選択モードと、周期的に液面レベルの検査を監視するサンプリング監視モードと、被検査容器に液体を充填する充填機のバルブを特定する特定バルブ選択モードと、前記各モードを選択する手段をさらに設け、前記表示制御手段は、前記情報記憶手段によって記憶された工程情報と判定結果とを対応づけて前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項7】
前記選択手段は、該選択された不合格選択モードが、充填された液体の充填量不足と過多とを被検査容器に液体を充填するバルブ毎に分類する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項8】
前記画像処理手段は被検査容器のX線透視画像を作成し、前記表示制御手段は、前記分類手段によって分類された充填量不足、過多の中からバルブを特定し、この特定バルブから充填された被検査容器のX線透視画像と製造工程及び検査工程情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項7に記載のX線液面検査装置。
【請求項9】
前記選択手段によって選択されたサンプリング監視モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過と被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された時間経過と被検査容器の液面レベルの関係から任意の時刻を指定し、この指定時刻における被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項9に記載のX線液面検査装置。
【請求項11】
前記選択手段によって選択されたサンプリング監視モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項12】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルの関係から任意の製造本数又は検査本数を指定し、この指定本数における被検査容器のX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項11に記載のX線液面検査装置。
【請求項13】
前記選択手段によって選択された特定バルブ選択モードは、X線液面検査装置が稼動している任意の時間内の時間経過と前記特定した充填機から充填された被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装
置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された時間経過と被検査容器の液面レベルの関係から任意の時刻を指定し、この指定時刻におけるX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示制御することを特徴とする請求項13に記載のX線液面検査装置。
【請求項15】
前記選択手段は、前記特定バルブ選択モードにおいて、X線液面検査装置が稼動している任意の製造本数又は検査本数と前記特定した充填機から充填された被検査容器の液面レベルとの関係を作成する手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のX線液面検査装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記作成手段によって作成された製造本数又は検査本数と被検査容器の液面レベルの関係から任意の製造本数又は検査本数を指定し、この指定された製造本数又は検査本数におけるX線透視画像と製造及び検査情報とを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項13に記載のX線液面検査装置。
【請求項17】
前記被検査容器の液面レベルのガイドラインと該被検査容器の液面レベルの合格ラインとを生成する手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記生成手段によって生成されたガイドライン又は合格ラインと前記画像処理手段によって作成された被検査容器の液面画像とを前記表示手段の同一画面に表示制御することを特徴とする請求項2に記載のX線液面検査装置。
【請求項18】
前記生成手段によって生成された前記被検査容器の液面レベルの合格ラインは、前記被検査容器の液面の合格基準ラインと、該液面の合格範囲の上限ライン及び下限ラインとを含み、かつこれらのガイドラインを可変可能に構成したことを特徴とする請求項17に記載のX線液面検査装置。
【請求項19】
前記被検査容器に付された連続番号とその被検査容器の検査時間に対応付けて保存する手段をさらに備え、前記表示制御手段は前記連続番号と検査時間の情報を前記被検査容器の画像と共に表示制御することを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置。
【請求項20】
前記前記連続番号と検査時間の情報は、前記連続番号と前記被検査容器の位置検出、排斥を含む各種操作の時点との関係をグラフ化することを特徴とする請求項19に記載のX線液面検査装置。
【請求項21】
前記X線検出器で検出する検出データの取り込み開始位置を検出するX線検出信号取込開始位置検出器と、前記液面レベルの液面判定開始位置を検出する液面判定開始位置検出器と、これらの位置検出器で検出される位置間に前記被検査容器の液面レベルの判定範囲を設定する液面判定範囲設定手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記液面判定範囲設定手段で設定された液面判定開始位置及びこの位置における液面レベル並びに液面判定終了位置及びこの位置における液面レベルと、前記判定手段で判定された結果とを前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求項18に記載のX線液面検査装置。
【請求項22】
前記表示制御手段は、前記液面判定開始位置及びこの位置の液面レベルと前記液面判定終了位置及びこの位置の液面レベルとを前記液面画像の画面にバーグラフで表示制御することを特徴とする請求21に記載のX線液面検査装置。
【請求項23】
前記表示制御手段は、前記判定手段で判定された前記合格基準ラインとの差を数値で前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求21に記載のX線液面検査装置。
【請求項24】
前記表示制御手段は、前記数値の合格と不合格とを異なる色で表示制御することを特徴とする請求23に記載のX線液面検査装置。
【請求項25】
前記表示制御手段は、さらに前記X線検出器で検出された最大値を前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求項21に記載のX線液面検査装置。
【請求項26】
前記X線検出器で検出された最大値は、前記X線検出信号取込開始位置検出器で検出される位置及びX線検出信号取込終了位置間における前記X線照射手段から照射されるX線を前記被検査容器で遮らない検出値であることを特徴とする請求項25に記載のX線液面検査装置。
【請求項27】
前記表示制御手段は、前記X線検出器で検出された最大値の正常と異常を異なる色で表示制御することを特徴とする請求26載のX線液面検査装置。
【請求項28】
前記液面検査手段を含む生産ラインの異常を検出する異常検出手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記異常検出手段で検出した異常発生の表示を前記液面画像の画面に表示制御することを特徴とする請求項21に記載のX線液面検査装置。
【請求項29】
前記表示制御手段は、前記異常発生の表示を前記液面画像の画面にバーグラフで表示制御することを特徴とする請求28に記載のX線液面検査装置。
【請求項30】
前記被検査容器の全数の前記液面画像及びその付帯情報を保存する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項21乃至29のいずれかに記載のX線液面検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2006−214725(P2006−214725A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−19163(P2005−19163)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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